JP6066895B2 - 回転数検出器 - Google Patents

回転数検出器 Download PDF

Info

Publication number
JP6066895B2
JP6066895B2 JP2013255881A JP2013255881A JP6066895B2 JP 6066895 B2 JP6066895 B2 JP 6066895B2 JP 2013255881 A JP2013255881 A JP 2013255881A JP 2013255881 A JP2013255881 A JP 2013255881A JP 6066895 B2 JP6066895 B2 JP 6066895B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
power generation
magnetic wire
speed detector
magnet assembly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013255881A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015114192A (ja
Inventor
佳正 渡邊
佳正 渡邊
仲嶋 一
一 仲嶋
武史 武舎
武史 武舎
芳直 立井
芳直 立井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2013255881A priority Critical patent/JP6066895B2/ja
Publication of JP2015114192A publication Critical patent/JP2015114192A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6066895B2 publication Critical patent/JP6066895B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Description

本発明は、産業用FA機器、車載用途など様々な分野で用いられる、回転体の回転数をカウントする回転数検出器に関する。
一般的な回転数検出器において、磁性ワイヤとピックアップコイルを用いた回転数検出器が存在する。例えば特許文献1には、S/N各1極が着磁された磁石、および大バルクハウゼン効果を示す磁性ワイヤとピックアップコイルを組み合わせた発電素子を用いた回転検出器が開示されており、発電素子からの電力供給により検出器の電源バックアップが行われている。発電素子は、1回転に対して90度の位相差にて2つ配置されている。
また、特許文献2には、磁性線とコイルとを組み合わせた素子が放射状に複数個配置された装置が開示されており、素子のインダクタンス変化が電気信号に変換されている。
ここで、大バルクハウゼン効果とは、磁性ワイヤが磁石のS/N極の境界付近で一斉に磁化反転する現象を指し、その磁化反転をピックアップコイルで検出することにより、モータ等の被検出物の回転速度に依らず常に一定の発電パルスが得られる。
特開2008−14799号公報 実開昭63−117504号公報
S/N各1極が着磁された磁石と発電素子とを組み合わせた場合、発電素子を磁石の中心すなわち回転中心に配置したときに発電素子の発電量が最も大きくなる。磁性ワイヤの製法にもよるが、磁石外周部付近に発電素子を配置すると、磁石の回転中心に配置したときの4割程度の発電量しか得られない。すなわち、特許文献1のように磁石の中心を避けて発電素子を配置すると(図6参照)、1つの発電素子を磁石の中心上に配置したときと比較して各発電素子からの発電量が低下し、回転検出器の信頼性低下を招くという問題があった。
また、磁石の中心と回転中心とがずれた場合、磁石が偏芯した状態で回転する。すなわち発電素子から見ると、磁石に対する発電素子の位置(磁石中心からの変位量)が磁石の回転角に伴って変化することになる。磁石の中心付近に発電素子を配置した場合、磁石に対する発電素子の位置の変動に対する発電量の変動量が少ない。一方、磁石の中心を避けて発電素子を配置した場合、磁石に対する発電素子の位置の変動に対する発電量の変動量が大きく、発電量のバラツキが大きくなって検出器の信頼性低下を招く。
回転方向を判別するため、特許文献1のように1回転に対して90度の位相差を持って2個の発電素子を配置し、さらに上記課題を解決するため発電素子を磁石の回転中心の上方に配置しようとすると、2個の発電素子を積み重ねるように配置する必要がある。このとき、以下の2つの課題が生じる。第1に、例えば発電素子のコイルの外径を5mm程度とすると、発電素子を2個積み重ねると厚さが10mmとなる。このように、コイルの外径の分だけ検出器が厚くなってしまう。第2に、磁石と下側の発電素子(磁性ワイヤ)までの距離をG(mm)とすると、磁石と上側の発電素子までの距離はG+5(mm)となる。このように、磁石から2個の発電素子までの距離の差が大きくなるので、出力パルスに差異が生じ、検出器の信頼性が低下する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、薄型で信頼性の高い回転数検出器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る回転数検出器は、検出対象の回転体と共に回転する磁石アセンブリと、磁石アセンブリの上方に配置され、大バルクハウゼン効果により磁化反転する磁性ワイヤと、互いに離間して磁性ワイヤに巻回された複数のコイル部を含むピックアップコイルとを備える。磁石アセンブリには、回転の径方向または軸方向に隣接して2つ以上の磁極対が設けられる。
本発明によれば、薄型で信頼性が高く、さらに設計自由度が高い回転数検出器が実現される。
磁石に対する発電素子の位置と発電量との関係を示すグラフである。 比較例による回転数検出器の概略構成を示す斜視図である。 比較例による回転数検出器の発電素子の詳細構成を示す図である。 比較例による回転数検出器での磁化反転発生点を説明する図である。 従来の回転数検出器の発電素子が発生させる発電パルスの一例を示すグラフである。 比較例による回転数検出器の発電素子が発生させる発電パルスの一例を示すグラフである。 比較例による他の回転数検出器の概略構成を示す斜視図である。 実施の形態1による回転数検出器の概略構成を示す斜視図である。 実施の形態1による回転数検出器の磁石の構成を示す斜視図である。 比較例による磁石から生じる磁界と発電素子との位置関係を示す図である。 実施の形態1による磁石から生じる磁界と発電素子との位置関係を示す図である。 比較例による磁性ワイヤの長手方向での磁界成分を示すグラフである。 実施の形態1による磁性ワイヤの長手方向での磁界成分を示すグラフである。 実施の形態1の変形例による回転数検出器の磁石の構成を示す斜視図である。 実施の形態2による回転数検出器の概略構成を示す斜視図である。 実施の形態2の変形例による回転数検出器の磁石の概略構成を示す斜視図である。
まず、図1から図6を用いて、比較例による回転数検出器について説明する。以下で説明するように、本発明の実施の形態による回転数検出器は、この比較例による回転数検出器を改良したものである。
図1は、磁石に対する発電素子の位置と発電量との関係を示すグラフである。図1では、S/N各1極が着磁された磁石と発電素子を組み合わせた構成を想定している。グラフの横軸は、磁石に対する発電素子の位置(磁石中心からの変位量)を示し、縦軸は発電素子の発電量を示す。
図1に示すように、発電素子の発電量は、発電素子を磁石の中心すなわち回転中心に配置したときに最も大きくなる。磁性ワイヤの製法にもよるが、磁石外周部付近に発電素子を配置すると、磁石の回転中心に配置したときの4割程度の発電量しか得られない。
また、磁石の中心と回転中心がずれた場合、磁石が偏芯した状態で回転する。すなわち発電素子から見ると、図1の横軸(磁石中心からの変位量)が磁石の回転角に伴って変化することになる。磁石の中心付近に発電素子を配置した場合、図1の横軸の変動に対する発電量の変動量が少ない。すなわち、図1の曲線の傾きの絶対値が小さい。一方、磁石の中心を避けて発電素子を配置した場合、横軸の変動に対する発電量の変動量(曲線の傾きの絶対値)が大きく、発電量のバラツキが大きくなって検出器の信頼性低下を招く。
図2は、比較例による回転数検出器の概略構成を示す斜視図である。
比較例による回転数検出器100は、磁石1と、磁石1の回転に伴い発電パルスを発生させる発電部2と、発電部2から出力された発電パルス(電気信号)に基づいて回転数を算出する処理部(図示せず)などを備える。
磁石1は、例えば、S極とN極が各1極ずつ径方向に隣接して着磁された磁石である。また、磁石1は、回転数の検出対象である回転シャフト(回転体)4の回転中心と磁石1の中心とがほぼ一致するように回転シャフト4に取り付けられており、回転シャフト4と一体となって回転する。発電部2は、発電素子30,40を一体でパッケージングしたものであり、磁石1から回転軸方向(上方)に間隔(ギャップ)Gだけ離れた位置に配置されている。この発電素子30,40は、磁石1の一回転に対して90度位相差となる間隔で互いに直交配置されている。
図3は、比較例による回転数検出器の発電素子の詳細構成を示す図である。
発電素子30は、2個のコイル部31,32を含むピックアップコイルと、大バルクハウゼン効果により磁化反転する1本の磁性ワイヤ33とから構成されている。コイル部31,32は、互いに離間して磁性ワイヤ33に巻回され、かつ電気的に直列に接続されているが、処理部による演算処理の方法に応じて並列に接続されてもよい。コイル部31の左端とコイル部32の右端は、それぞれ処理部に接続されている。発電素子40は、発電素子30と同様の構成である。磁性ワイヤ33は、ウィーガントワイヤ、アモルファス磁性ワイヤなどである。
図3に示すように、磁性ワイヤ33の延伸方向(長手方向)の長さである磁性ワイヤ長さJは、コイル部31,32の長さKの和2Kより大きい。また、コイル部31,32の間隔Lは、ピックアップコイルの外径Φより大きい(L>Φ)。
ここで、2個の発電素子をコイル部ごと重ね合わせた場合、一例ではΦ=5mm程度であるため、発電部2の厚さは2Φ=10mmとなり、コイル部の外径の分だけ検出器が厚くなってしまう。一方、図2に戻り、発電素子30,40では、コイル部同士が干渉しないように、磁性ワイヤ部分のみが磁石1の回転中心の上方で重なり合っている。このように磁性ワイヤ部分だけを重ね合わせた場合、発電部2の厚さはΦ+2W+α(W:磁性ワイヤのワイヤ径、α:2本の磁性ワイヤの隙間)である。一例ではW=0.2mm程度であるため、例えばα=0.1mmとすると当該厚さはΦ+2W+α=5.5mmとなり、回転数検出器100の大幅な薄型化が可能となる。
また、2つの発電素子をコイル部ごと重ね合わせた場合、磁石1と下側の発電素子との間隔Gを例えば3mmとすると、磁石1と上側の発電素子との間隔はG+Φ=8mmとなる。従って、磁石1と2個の発電素子との間隔の差が大きくなり、出力パルスに差異が生じ、検出器の信頼性が低下することになる。一方、磁性ワイヤ部分のみが磁石1の回転中心の上方で重なり合う発電素子30,40では、磁石1と上側の発電素子40との間隔はG+W+α=3.3mmとなる。このように、磁石1と2つの発電素子30,40との間隔を近い値に設定できる。
図示しない処理部は、例えばA/D変換器、CPU(中央演算装置)、演算用プログラムを記憶するメモリなどから構成され、A/D変換器を介して発電部2から処理部に入力された発電パルス(電気信号)を演算用プログラムにより処理し、回転数を算出する。
次に、回転数検出器100の動作について説明する。
発電素子30,40は、磁石1の回転に対して、N→S極の境界付近で正のパルスを、S→N極の境界付近で負のパルスをそれぞれ発生させる。発電素子が1個だけ配置された構成では、磁石1が時計回り(正転)に回転してN→S極となった場合と、反時計回りに回転(反転)してN→S極となった場合とで同じ正のパルスが発生するため、回転方向を区別できない。一方、発電素子を2個配置された構成では、一方の発電素子30が正パルスを発生させた後に他方の発電素子40が正のパルス、負のパルスのどちらを発生させたかにより、正転と反転を区別できる。
次に、発電素子30,40の詳細な動作について、図4、図5Aおよび図5Bを用いて説明する。以下では、発電素子30の動作についてのみ説明する。
発電素子30は、磁性ワイヤ33が大バルクハウゼン効果により一斉に磁化反転した時の磁界変化をピックアップコイルにより検出する。図4に示すように、磁化反転は磁性ワイヤ33の磁化反転発生点10から発生し、磁性ワイヤ33全体に波及する。この磁化反転発生点10は、例えば格子欠陥などによる磁化反転の核であり、磁性ワイヤ33ごとに異なる。
磁化反転発生点10とコイル部31,32との距離をそれぞれX1,X2(=L−X1)、磁化反転の伝播速度をVとすると、コイル部31,32から生じる発電パルスにはタイムラグT=(X2/V−X1/V)が生じ、処理部により磁化反転が検出される時間にもタイムラグTが生じることになる。
図5Aは、従来の回転数検出器の発電素子が発生させる発電パルスの一例を示すグラフである。従来の回転数検出器の発電素子として、1つの磁性ワイヤに1つのコイル(巻数:N)が巻回されたものを想定している。1つのコイルが磁性ワイヤを覆っている状態では、発電パルスの半値幅Hwはコイル長さに依存した値であり、例えば50μsecである。
一方、回転数検出器100では、直列接続された2つのコイル部31,32(巻数の和:N)両端からの出力にタイムラグTが生じる。それゆえ、図5Bに示すように、発生し検出される発電パルス(電気信号)は、タイムラグTだけシフトした2つのパルス波形を重ね合わせた波形となる。すなわち、回転数検出器100での発電パルスの半値幅Hw’=Hw+Tとなる。従って、コイル部の間隔Lを変えることにより所望のパルス半値幅Hw’を得ることができる。半値幅Hw’の値は、CPUの動作周波数と演算内容などにより決定される処理部の最低処理時間より大きい値であり、例えば100μsecとすることができる。
処理部による回転数の算出は、発電パルスの半値幅Hwの間に行う必要がある。それゆえ、半値幅Hwが短い決まった値であると、処理時間が限られてしまい、処理部に使用する回路部品に制約が発生し、コストの上昇要因につながる可能性がある。一方、回転数検出器100では、以下のようにタイムラグTを制御して設定することにより、従来の発電パルス半値幅Hwに比べて大きい所望の半値幅Hw’を得ることができる。発電パルス半値幅が大きくなると処理時間も長くなる。従って、より自由度の高い回路処理を行うことができ、コストダウンを図ることが可能となる。
磁性ワイヤごとに異なる磁化反転発生点10の位置と磁化反転の伝播速度Vは、ピックアップコイルを用いた検査装置を用いて事前に測定できる。磁化反転発生点10の位置と伝播速度Vを事前に測定し、これらに応じてコイル部の間隔Lを変えることにより、所望のT=(X2/V−X1/V)の値に制御でき、すなわち所望の半値幅Hw’のパルスを得ることができる。
このように、Hw’=Hw+Tの関係から、仮に従来の半値幅Hwが不明であっても、Tを大きくして、少なくとも所望の値以上に半値幅Hw’を設定できる。また、半値幅Hwが既知であれば所望の半値幅Hw’を設定できる。以上のように、コイル部の間隔Lを調整することで任意の発電パルス幅を得ることができ、処理部の設計自由度が向上する。
次に、3つの発電素子30,40,50を備えた回転数検出器200について説明する。
回転数検出器200の構成は、基本的に回転数検出器100と同様である。図6に示すように、発電部2は、発電素子30,40,50を一体でパッケージングしたものであり、磁石1から回転軸方向(上方)に間隔Gだけ離れた位置に配置されている。発電素子30,40,50は、磁石1の一回転に対して60度位相差となる間隔で等間隔に配置されている。発電素子30,40,50は、図3を用いて説明した発電素子30と同様の構成である。
ここで、3個の発電素子をコイル部ごと重ね合わせた場合、一例ではΦ=5mm程度であるため、発電部2の厚さは3Φ=15mmとなり、2つのピックアップコイルの外径の分だけ検出器が厚くなってしまう。一方、発電素子30,40,50では、コイル部同士が干渉しないように、磁性ワイヤ部分のみが磁石1の回転中心の上方で重なり合っている。このように磁性ワイヤ部分だけを重ね合わせた場合、発電部2の厚さはΦ+3W+2αである。一例ではW=0.2mm程度であるため、例えばα=0.1mmとすると当該厚さはΦ+2W+α=5.8mmとなり、回転数検出器100の場合よりもさらに大幅な薄型化が可能となる。
また、3つの発電素子をコイル部ごと重ね合わせた場合、磁石1と最下段の発電素子との間隔Gを例えば3mmとすると、磁石1と最上段の発電素子との間隔はG+2Φ=13mmとなる。従って、磁石1と3個の発電素子との間隔の差が大きくなり、出力パルスに差異が生じ、検出器の信頼性が低下することになる。一方、磁性ワイヤ部分のみが磁石1の回転中心の上方で重なり合う発電素子30,40,50では、磁石1と最上段の発電素子50との間隔はG+2W+2α=3.3mmとなる。このように、磁石1と3つの発電素子30,40,50との間隔を近い値に設定できる。
次に、回転数検出器200の動作について説明する。
発電素子30,40,50はそれぞれ、磁石1の回転に対してN→S極の境界付近で正のパルス、S→N極の境界付近で負のパルスを発生させる。回転数検出器100では、正常にパルスが発生している場合は問題なく回転数と回転方向を判別できる。ただし、磁気ノイズなどの外乱要因によってパルスが1回消失すると、回転方向の判別ができなくなり、回転数の誤カウントが発生するおそれがある。回転数検出器200では、発電素子を3個配置することにより、例えば発電素子30の正のパルスが消失した場合にも、発電素子40に正パルスが発生した場合は正転、発電素子50に正パルスが発生した場合は反転と判断でき、1回のパルス抜けを補正できる。
同様に、発電素子をM個配置することにより(M−2)回のパルス抜けを補正できる。このように、パルス抜けを補正するためには、より多くの発電素子を配置できる。回転数検出器200では、各発電素子が磁性ワイヤ部分のみで重ね合わされたことにより、検出器200の厚さを殆ど変えることなく発電素子の数を増やすことができる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態は、磁石の構成において比較例と異なる。それゆえ以下では、比較例で説明した構成については説明を省略する。
実施の形態1.
図7は、実施の形態1による回転数検出器の概略構成を示す斜視図である。図8では、発電部を除いた状態で回転数検出器を示している。
本実施形態1による回転数検出器300では、中心に貫通孔11aが形成されたリング状磁石11を用いる。磁石11には、S極とN極からなる磁極対が、径方向に隣接して2つ設けられている。換言すると、磁石11は片面4極に着磁されている。また、後述するように、磁石11は、磁性ワイヤ33の長手方向において、コイル部31,32の位置で極大(または最大)となる磁界分布を作成する。
次に、図9Aと9B、図10Aと10Bを用いて、磁石11から生じて磁性ワイヤ33に印加される磁界について、比較例と本実施形態1とを比較して説明する。なお、図9Aと9Bは側面図を示し、図中のX方向は回転の径方向を示す。径方向は、磁性ワイヤ33の長手方向に一致する。また、図10Aと10Bのグラフの横軸は径方向の位置を、縦軸は径方向の磁界成分Hxを示す。
比較例では、S/N各1極が着磁された円板状の磁石1を用いた(図2参照)。この場合、磁石1の回転中心の上方で重ね合わせられた磁性ワイヤ33には、図9Aに破線で示す磁界が印加される。図10Aにも示すように、磁性ワイヤ33の長手方向における磁界成分が最大となる位置は、磁石1の中心、すなわち磁性ワイヤ33の中心位置Oとなる。また、図1に示したように、発電素子30による発電量は、磁石1の回転中心上で最大となる。しかし、比較例ではワイヤ中心位置Oから±L/2だけ離れた位置にコイル部31,32が巻回されており、発電量が若干減少する。
一方、本実施形態1では、磁石11の回転中心の上で重ね合わせられた磁性ワイヤ33には、図9Bに破線で示す磁界が印加される。図10Bにも示すように、磁性ワイヤ33の長手方向における磁界成分が最大(または極大)となる位置は、磁性ワイヤ33の中心位置Oから±S離れた位置となる。従って、磁性ワイヤ33の中心位置Oから±S離れた位置にコイル部31,32をそれぞれ巻回することによって、すなわちL/2=Sとすることによって、発電効率を最大とすることができる。
ところで、本実施形態1のように、磁性ワイヤ33の長手方向において複数箇所で磁界成分が極大となる場合、図4を用いて説明した磁化反転発生点10も複数の位置に生じることが考えられる。この場合にも、事前に複数の磁化反転の発生位置と伝播速度、必要に応じて発生タイミングを測定しておくことにより、上記タイムラグTを予め知ることができ、これにより従来の発電パルス半値幅Hwに比べて大きい所望のパルス半値幅Hw’を得ることができる。
このようにして、比較例と同様に、薄型で信頼性が高く、さらに設計自由度が高い回転検出器が実現され、特に本実施形態1により、発電効率が向上するという効果が得られる。
なお、本実施形態1では、径方向に隣接して磁極対が2つ設けられた磁石11を用いたが、図11に示すように、磁石11の厚み方向、すなわち回転の軸方向に隣接して磁極対が2つ設けられた磁石11を用いた場合でも、同様の結果を得ることができる。また、磁石11に3つ以上の磁極対が設けられてもよい。
以上のように、本実施形態1では、隣接して磁極対が2つ設けられたリング状磁石11を用いることにより、磁性ワイヤ33の中心位置Oから±S離れた位置で、磁性ワイヤ33の長手方向での磁界成分が最大となるようにした。さらに、その箇所にコイル部31,32を巻回することにより、発電効率が最大となるようにした。磁性ワイヤ33の長手方向での磁界成分が最大となる位置を調整するために、磁石11に形成される貫通孔の径、磁石11の外形などを変更してもよい。
実施の形態2.
図12は、実施の形態2による回転数検出器の概略構成を示す斜視図である。
実施形態1では、リング状磁石11を用いて、磁性ワイヤ33の中心位置Oから±S離れた位置で、磁性ワイヤの長手方向での磁界成分が最大となるようにした。一方、本実施形態2による回転数検出器400では、図12に示すように、S/N各1極が着磁された2個の磁石21,22を回転の径方向に沿って並べた磁石群を用いる。磁石21,22は、それぞれの磁石の長手方向に着磁され、これにより径方向に隣接して磁極対が2つ設けられる。
本実施形態2によれば、実施形態1で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
なお、図6を用いて示したように、発電部2に3つ以上の発電素子を設ける場合にも、本実施形態2による磁石21,22の構成が有効である。
また、本実施形態2では、S/N各1極が磁石長手方向に着磁された磁石21を径方向に並べたが、図13に示すように、S/N各1極が磁石厚み方向に着磁された磁石21,22を径方向に並べた場合でも、同様の効果を得ることができる。
以上のように、本実施形態2では、2個以上の磁石からなる磁石群を用いることにより、磁性ワイヤ33の中心位置Oから±S離れた位置で、磁性ワイヤ33の長手方向での磁界成分が最大となるようにした。さらに、その箇所にコイル部31,32を巻回することにより、発電効率が最大となるようにした。磁性ワイヤ33の長手方向での磁界成分が最大となる位置を調整するために、磁石21と磁石22との間に所定の間隔が設けられてもよい。
以上説明したように、実施形態1では片面または両面に複数極が着磁された1つの磁石を用い、実施形態2では複数個の磁石を用いたが、本発明はこれに限定されることはない。特許請求の範囲の「磁石アセンブリ」は、磁石の個数、形状によらず、2つ以上の磁極対が設けられた回転数検出器の部品であればよい。また、磁石アセンブリには、作成される磁界分布を制御するようにヨーク(継鉄)が設けられてもよい。
1,11,21,22 磁石、 2 発電部、 4 回転シャフト、 10 磁化反転発生点、 11a 貫通孔、 30,40,50 発電素子、 31,32 コイル部、 33 磁性ワイヤ、 100,200,300,400 回転数検出器。

Claims (6)

  1. 検出対象の回転体と共に回転する磁石アセンブリと、
    前記磁石アセンブリの上方に配置され、大バルクハウゼン効果により磁化反転する磁性ワイヤと、
    互いに離間して前記磁性ワイヤに巻回された複数のコイル部を含むピックアップコイルとを備え、
    前記磁石アセンブリには、回転の径方向または軸方向に隣接して2つ以上の磁極対が設けられ
    前記磁性ワイヤとピックアップコイルとから構成される発電素子を複数個備え、
    前記発電素子どうしは、前記ピックアップコイルの複数のコイル部の間で重ね合わされ、
    前記発電素子どうしは、前記磁石アセンブリの回転中心の上方で重ね合わされたことを特徴とする回転数検出器。
  2. 検出対象の回転体と共に回転する磁石アセンブリと、
    前記磁石アセンブリの上方に配置され、大バルクハウゼン効果により磁化反転する磁性ワイヤと、
    互いに離間して前記磁性ワイヤに巻回された複数のコイル部を含むピックアップコイルとを備え、
    前記磁石アセンブリには、回転の径方向または軸方向に隣接して2つ以上の磁極対が設けられ、
    前記ピックアップコイルの複数のコイル部は、該複数のコイル部がそれぞれ出力する発電パルスの間のタイムラグ、および前記磁性ワイヤにおける磁化反転の発生位置と伝播速度に基づいて決定された間隔で互いに離間したことを特徴とする回転数検出器。
  3. 前記磁石アセンブリは、前記磁性ワイヤの長手方向において、前記ピックアップコイルのコイル部の位置で極大となる磁界分布を作成することを特徴とする、請求項1または2に記載の回転数検出器。
  4. 前記磁石アセンブリは、中心に貫通孔が形成されたリング状磁石であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の回転数検出器。
  5. 前記磁石アセンブリは、回転の径方向に沿って並べられた複数個の磁石であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の回転数検出器。
  6. 前記磁性ワイヤに巻回された複数のコイル部は、電気的に直列に接続されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の回転数検出器。
JP2013255881A 2013-12-11 2013-12-11 回転数検出器 Active JP6066895B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013255881A JP6066895B2 (ja) 2013-12-11 2013-12-11 回転数検出器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013255881A JP6066895B2 (ja) 2013-12-11 2013-12-11 回転数検出器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015114192A JP2015114192A (ja) 2015-06-22
JP6066895B2 true JP6066895B2 (ja) 2017-01-25

Family

ID=53528118

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013255881A Active JP6066895B2 (ja) 2013-12-11 2013-12-11 回転数検出器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6066895B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106537093A (zh) * 2014-07-18 2017-03-22 株式会社尼康 编码器装置、驱动装置、工作台装置以及机器人装置
JPWO2023276488A1 (ja) * 2021-06-30 2023-01-05

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54184053U (ja) * 1978-06-19 1979-12-27
JPS5952729U (ja) * 1983-08-16 1984-04-06 松下 昭 パルス発生装置
JPH07134047A (ja) * 1993-11-11 1995-05-23 Nikon Corp 多回転エンコーダ
JP5666886B2 (ja) * 2010-11-22 2015-02-12 日本電産サンキョー株式会社 ロータリエンコーダ
DE112013002075T5 (de) * 2012-04-17 2015-01-22 Mitsubishi Electric Corp. Multirotations-Drehgeber

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015114192A (ja) 2015-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5976194B2 (ja) 回転数検出器
JP7099699B2 (ja) 透磁率の変化を検出するためのコア構造体および歪み検出装置
US11152875B2 (en) Multigroup-multiphase rotary electrical machine control device and multigroup-multiphase rotary electrical machine drive device
JP6066895B2 (ja) 回転数検出器
JP6498580B2 (ja) ブラシレスレゾルバ及び回転角度検出装置
JP5182752B2 (ja) 角度検出装置及びその製造方法
JP5518363B2 (ja) 回転角度検出装置
JP2008263738A (ja) 回転電機
JP2013102659A (ja) ローレンツモータ
JP4525628B2 (ja) 回転角度検出装置
JP5554997B2 (ja) ブラシレスモータのステータ及びブラシレスモータ
JP2010098887A (ja) ブラシレスモータ
JP2015162983A (ja) スイッチトリラクタンスモータ
JP6615259B2 (ja) 回転電機
WO2015033538A1 (ja) 回転検出センサ及びその製造方法
JP6942319B2 (ja) 並列巻線レゾルバ
JP3751311B1 (ja) インダクタ型レゾルバ
JP6149663B2 (ja) 機電一体型モータ
WO2011024678A1 (ja) 回転角度センサ
JP2016201944A (ja) ステータおよびレゾルバ
JP2022030905A (ja) ハイブリッド型ステッピングモータ
JP6291946B2 (ja) ステータ構造及びレゾルバ
JP2022085438A (ja) 電磁誘導式ロータリエンコーダ
JP2010217111A (ja) バリアブルリラクタンス型角度検出器
JP2011232122A (ja) 回転角度センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151022

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6066895

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250