JP6066803B2 - 超電導ケーブル用冷却システム - Google Patents
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Description
あるいは、液冷媒をバックアップタンクに補給しながら減圧する方法もあるが、フラッシュロスした液冷媒を真空ポンプで吸引するため液冷媒の消費量が増加する。さらに、バックアップタンク内の液冷媒の温度が上昇し、かつ冷却媒体の温度制御のコントロールも困難になる。
冷凍機の故障等による稼動停止時には、熱交換器に液冷媒を循環させているバックアップタンクの減圧機構を作動させる。これによって、熱交換器に循環している液冷媒を冷却することで、冷却媒体を冷却できる。一つのバックアップタンクに貯留されている液冷媒が消耗したら、他のバックアップタンクに切り換え、他のバックアップタンクから液冷媒を熱交換器に循環させることで、超電導ケーブルの冷却を継続できる。
さらに、熱交換器をバックアップタンクの外部に設けることで、1個の熱交換器に集約でき、熱交換器の構成を簡素化かつ低コスト化できると共に、熱交換器の取付けやメンテナンスが容易になる。また、熱交換器を分離したことで、バックアップタンク内部の構成を簡素化かつ低コスト化できる。
さらに、バックアップタンク内の液冷媒が常に冷却されているため、定常運転中は液冷媒の補給が不要となり、無人連続運転が可能となる。
さらに、複数のバックアップタンクを設けることで、個々のバックアップタンクを小型化できるため、バックアップタンクを搬送可能にすることもでき、液冷媒の充填など取扱いが容易になる。
これによって、冷凍機の故障等による運転停止を素早く検知でき、遅滞なくバックアップタンクによる冷却運転を開始できる。そのため、超電導ケーブルの冷却を中断するおそれがない。
これによって、冷凍機の稼動停止時に、液冷媒が熱交換器に循環されている一つのバックアップタンクの減圧機構を作動させると共に、液冷媒を消耗したバックアップタンクを液冷媒の供給場所まで搬送し、この供給場所でバックアップタンクに液冷媒を充填した後、設置場所に搬送できる。そのため、液冷媒を輸送するタンクローリが停止できるスペースがない場所にバックアップタンクが設けられている場合でも、バックアップタンクへの液冷媒の補給が可能になる。
本発明の第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1において、本実施形態の冷却システム10Aは、高温超電導ケーブル12の出口部12a及び入口部12bに冷却媒体循環路14が接続されている。冷却媒体r1として液体窒素が用いられている。冷却媒体r1は冷却媒体循環路14からリザーバタンク16に一時貯留された後、循環機構18によって熱交換器26に供給される。熱交換器26の下流側に冷凍機38が設けられている。循環機構18は、2系統の循環路14a及び14bに、夫々開閉弁20a、20b、循環ポンプ22a、22b及び流量調整弁24a、24bが設けられている。
出口部12aから冷却媒体循環路14に流出した冷却媒体r1は、一旦リザーバタンク16に貯留された後、循環機構18によって、熱交換器26に導入される。熱交換器26には、バックアップタンク28bから液冷媒循環路30bを介して冷却媒体r1が導入され、冷却媒体r1と液冷媒r2とは熱交換される。熱交換器26で、液冷媒r2はサブクールされた冷却媒体r1によって飽和蒸気圧線に沿って冷却されることで、液化状態を保持できる。
温度センサ46の検出値が閾値を超えた時、制御装置40で冷凍機38に異常が発生したと判定し、冷凍機38を停止させると共に、制御装置40で各弁の開閉状態を図4に示す状態とする。即ち、切換弁52を開とし、切換弁54及び56を閉とする。同時に、制御装置40によって警報器44を作動させると共に、加熱器34及び真空ポンプ36を稼働させる。真空ポンプ36の稼動によって、バックアップタンク28aの内部の気体が吸引路32bに吸引される。吸引路32bに吸引された気体は加熱器34で0℃以上に加温された後、大気に放出される。異常が発生した冷凍機38は、メンテのために昇温し、2〜3日程度かけて故障機器の取替えを行う。
これによって、バックアップタンク内の液冷媒r2の迅速な温度制御が可能になる。
こうして、バックアップタンク28aに貯留された液冷媒r2を液冷媒循環路30aを介して熱交換器26に循環することができる。
さらに、熱交換器26をバックアップタンク28a及び28bの外部に設けることで、1個の熱交換器に集約でき、熱交換器26の構成を簡素化かつ低コスト化できると共に、熱交換器26の取付けやメンテナンスが容易になる。また、熱交換器26を分離したことで、バックアップタンク内部の構成を簡素化かつ低コスト化できる。
さらに、バックアップタンク28a及び28b内の液冷媒r2が常に冷却されているため、定常運転中は液冷媒r2の補給が不要となり、無人連続運転が可能となる。
また、バックアップタンク28a及び28bと熱交換器26とを同一高さ水準に配置したことで、両者間の液冷媒r2の循環を自然循環させることができる。これによって、液冷媒r2を循環させるための動力が不要になり、液冷媒r2の循環機構を簡素化かつ低コスト化できる。
次に、本発明の第2実施形態を図7〜図9に基づいて説明する。本実施形態の冷却システム10Bは、バックアップタンク28a及び28bが設置面から脱着可能なポータブル型タンクで構成としたものである。その他の構成は前記第1実施形態と同一である。図7は冷凍機38が定常運転を行っているときを示している。このとき、バックアップタンク28aのみが設置され、内部に液冷媒r2が貯留されている。図8は冷凍機38の運転が停止し、バックアップタンク28aによる冷却運転を行っているときを示している。図8の状態では、バックアップタンク28bは、設置面から搬送され、液冷媒r2を供給可能な場所で、液冷媒r2が供給されている。
本実施形態によれば、前記第1実施形態で得られる作用効果に加えて、液冷媒r2を輸送するタンクローリを停車できない街中や山奥などの小スペースに冷却システム10Bがある場合でも、バックアップタンク28a及び28bへの液冷媒r2の補充が可能になる。
次に、前述のように、本発明に到達する前に本発明者等が考えた中間技術(非公開)としての冷却システムを図10により説明する。本比較例の冷却システム10Cは、バックアップタンク28a及び28bの内部に、夫々熱交換器26a及び26bを配置したものである。熱交換器26a及び26bは、冷却媒体循環路14に対して、並列に接続されている。即ち、熱交換器26aは分岐路80a及び82aを介して冷却媒体循環路14に接続され、熱交換器26bは分岐路80b及び82bを介して冷却媒体循環路14に接続されている。
本比較例では、制御装置40により、前記切換弁の動作を制御することで、冷却媒体循環路14を流れる冷却媒体r1を選択的に熱交換器26a又は26bに導入できる。
その他の構成は、前記第1実施形態及び前記第2実施形態と同一であり、同一機器及び同一部位には同一符号を付している。
12、102 超電導ケーブル
12a 出口部
12b 入口部
14、104 冷却媒体循環路
14c 分岐路
16 リザーバタンク
18 循環機構
20a、20b 開閉弁
22a、22b 循環ポンプ
24a、24b 流量調整弁
26、26a、26b、112 熱交換器
28a、28b、110 バックアップタンク
30a、30b 液冷媒循環路
30b1 往路
30b2 復路
32a、32b、114 吸引路
34、118 加熱器
36、116 真空ポンプ
38、108 冷凍機
40 制御装置
42 監視室
44 警報器
46、70 温度センサ
48a、48b、50a、50b、52,54,56、84a、84b、86a、86b 切換弁
58a、58b 圧力制御弁
60、62、64 熱交換管
66 フィン
72 圧力センサ
80a、80b、82a、82b 分岐路
106 循環ポンプ
120 貯留タンク
122、124 補給路
r1 冷却媒体
r2 液冷媒
Claims (5)
- 超電導ケーブルを冷却している冷却媒体を前記超電導ケーブルの一端から取り出し、該超電導ケーブルの他端に戻す冷却媒体循環路と、
前記冷却媒体循環路に設けられ、前記冷却媒体循環路を流れる冷却媒体を冷却する冷凍機と、
液冷媒が貯留され、内部を減圧する減圧機構を有するバックアップタンクと、
前記冷却媒体循環路を流れる冷却媒体と前記バックアップタンクに貯留された前記液冷媒とを熱交換させる熱交換器とを備えた超電導ケーブル用冷却システムであって、
複数の前記バックアップタンクが前記熱交換器に対して並列に設けられると共に、前記熱交換器が前記複数のバックアップタンクの外部に設けられ、
前記複数のバックアップタンクに貯留された前記液冷媒を夫々前記熱交換器に導入する複数の液冷媒循環路と、
前記液冷媒循環路を介して前記複数のバックアップタンクのうちのひとつのバックアップタンクから選択的に前記液冷媒を前記熱交換器に循環可能にする切換機構と、
前記冷凍機より下流側の前記冷却媒体循環路に設けられた温度センサと、
前記複数のバックアップタンク内の液冷媒の飽和蒸気圧を制御する圧力制御弁と、
前記温度センサの検出値が入力され、前記検出値が閾値を上回ったとき、前記バックアップタンクの減圧機構を作動させると共に、前記圧力制御弁の開度を制御して前記バックアップタンク内の前記液冷媒の温度を制御する制御装置と、
を備え、
前記熱交換器は前記冷凍機の上流側の前記冷却媒体循環路に設けられていることを特徴とする超電導ケーブル用冷却システム。 - 前記バックアップタンクと前記熱交換器とを同一高さ水準に配置し、
前記バックアップタンクから液冷媒循環路を介して前記熱交換器に前記液冷媒を自然循環可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブル用冷却システム。 - 前記温度センサの検出値が前記閾値を上回ったとき警報を発する警報器をさらに備え、
前記制御装置は、前記温度センサの検出値が入力され、前記検出値が前記閾値を上回ったとき、前記警報器を作動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブル用冷却システム。 - 前記複数のバックアップタンクは設置面から脱着可能なポータブル型タンクで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブル用冷却システム。
- 前記複数のバックアップタンク内の前記液冷媒の温度を検出する第2温度センサと、
前記複数のバックアップタンク内の前記液冷媒の圧力を検出する圧力センサと、
をさらに備え、
前記制御装置は、まず、前記複数のバックアップタンク内の前記液冷媒の温度が設定範囲に入るように前記圧力制御弁の開度を制御し、次に、前記複数のバックアップタンク内の前記液冷媒の飽和蒸気圧が設定範囲に入るように前記圧力制御弁を制御することを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブル用冷却システム。
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