(第1の実施の形態)
以下、本発明における第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。仕切弁1は弁箱2の両側のポート(図示省略)に上流側配管(図示省略)と下流側配管(図示省略)が接続されている。
弁箱2は、両側にポートを有する管路部3と、管路部3の中ほどの側面に弁体4を納める弁体収納部5を有しており、弁体収納部5は管路部3を横断する方向に延びている。弁体4は、弁体収納部5の内部に収まる開栓位置と管路部3の内部に収まる閉栓位置とにわたって、管路部3を横断する弁開方向Oもしくは弁閉方向Sに移動可能である。
弁体収納部5の収納部開口6を塞いで弁蓋7が配置されており、弁蓋7のフランジ部と収納部開口6のフランジ部とがボルトによって固定され、パッキンが弁体収納部5と弁蓋7のフランジ間を止水している。
弁蓋7は弁開方向Oに向く外側部に軸封収納部11を有している。軸封収納部11は、弁蓋7の内外を隔てる収納座部9に弁体収納部5の収納部開口6に対向して開口する弁蓋開口8を有し、弁蓋開口8の径方向外側に位置する周縁部10が収納座部9を囲んでいる。
周縁部10は収納座部9の全周を囲む下部領域が弁開方向Oに向けて突出し、周縁部10の下部領域と収納座部9によって軸封収納部11の収納下部12が形成されている。周縁部10は上部領域が下部領域の上端からさらに弁開方向Oに向けて突出して軸封収納部11の収納上部13を形成している。
収納上部13は、内壁面が弁蓋開口8の径方向の外側に後退して壁厚が薄くなっており、弁蓋開口8の中心線を介して対向する位置に一対存在している。双方の収納上部13は平面視において弁蓋開口8の中心に対して点対称の形状をなし、弁蓋開口8と同心状に位置する中心角約75°の円弧形状である。
軸封収納部11は各収納上部13の弁開方向Oの端部にそれぞれ拘束突部14を有し、双方の拘束突部14が弁蓋開口8の径方向の内側に向けて突出し、双方の収納上部13が向き合う収納上部対面方向ODで双方の拘束突部14の内側面が対向し、弁蓋開口8の径方向における拘束突部14の内側面間の間隔D2は、弁蓋開口8の径方向における収納上部13の内側面間の間隔D1より小さい。双方の拘束突部14には弁蓋開口8の径方向で相対向する内側面に半円状の凹部15が設けられており、凹部15は拘束突部14の内側面の周方向ほぼ中央に位置している。
収納上部13が円弧状をなすので、軸封収納部11の側面視における双方の収納上部13の間の開口幅、つまり収納上部対面方向ODにおける双方の収納上部13の間の最小距離は、図3に示すように、収納上部対面方向ODで対向し合う一方の収納上部13における周方向の端部と他方の収納上部13における周方向の端部との距離L1である。
同様に、軸封収納部11の側面視における双方の拘束突部14の間の開口幅、つまり収納上部対面方向ODにおける双方の拘束突部14の間の最小距離は、収納上部対面方向ODで対向し合う一方の拘束突部14の周方向の端部と他方の拘束突部14の周方向の端部との間の距離L2であり、双方の収納上部13の間の最小距離L1は双方の拘束突部14の間の最小距離L2より長く、収納下部12の内径D3は一対の拘束突部14の内面間の間隔D2より小さい。なお、弁箱2の内外面、弁蓋7の内外面は粉体塗装などの防錆塗装が施されている。
弁体4は弁体肉厚方向の中央部に弁棒16を弁開方向Oおよび弁閉方向Sに挿通できる弁貫通孔17が設けられている。弁体4は弁開方向Oに向く端部にコマ収容部18が設けられており、コマ収容部18に弁棒16と螺合するメネジコマ19が収容されている。弁棒16は弁蓋開口8に挿入され、弁棒16に設けた径方向に膨出する鍔部21は弁閉方向に向く面で収納座部9に当接している。弁棒16は鍔部21より弁閉方向側の外周にねじ部が設けられており、メネジコマ19と螺合している。また、弁体4はゴムが全面に加硫接着されている。
ブッシュ部22は、弁閉方向Sに向く側にブッシュ構成部材をなす樹脂材からなるブッシュ23を有し、弁開方向Oに向く側に別体のブッシュ構成部材をなす金属材からなるブッシュオサエ24を有しており、ブッシュ23は収納下部12に収納され、ブッシュオサエ24は収納上部13に収納されている。
鍔部21は弁棒16の軸心方向でブッシュ部22のブッシュ23と収納座部9との間に挟まれている。
ここで、ブッシュ23の樹脂材は、POM(ポリアセタール)、ABS(スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体)およびPE(ポリエチレン)などであり、ブッシュオサエ24の金属材は、FCD450などの鋳鉄材である。弁棒16の材料は、JIS G 4303に規定されるSUS304、SUS403である。なお、従来のブッシュ23の材料は、JIS H 3250に規定されたC3771、C6801、C6803、C6932の銅合金、JIS H 5120に規定されたCAC406、CAC411、CAC902、CAC904、CAC911の銅系合金である。
図2、図4に示すように、ブッシュ23は外形が円形で中央部に弁棒16を挿し通す貫通孔25が設けられており、弁開方向Oに向く端面には2本の溝部26が貫通孔25を挟んで間隔B1を保って平行に設けられており、各溝部26はブッシュ23の外周縁から外径のほぼ3/4に相当する位置まで延びている。
溝部26は開口部に溝部つめ27が一方の内側面から溝の幅方向に張り出しており、溝部26の幅が弁開方向Oに向く端面の開口部において狭くなっている。また、ブッシュ23には空気抜き28が弁開方向Oおよび弁閉方向Sに沿う貫通孔25の軸心方向に貫通しており、空気抜き28は2本の溝部26の間のほぼ中央に設けられている。空気抜き28の中心と貫通孔25の中心の間隔R2は、拘束突部14に設けられた半円状の凹部15の中心と弁蓋開口8の中心の間隔R1(図3)より小さい。
図2、図4に示すように、ブッシュ23の貫通孔25の内周面には複数の円環状の溝が貫通孔25の軸心方向に並んで設けられている。これらの溝のうちで、ブッシュ23の弁開方向に向く端面に開口する溝はダストシール溝30であり、ダストシール29が設置される。他の溝はOリング溝32でありOリング31が設置される。このように貫通孔25の内周面と弁棒16の外周面との間はダストシール29とOリング31によってシールされる。
ブッシュ23は弁閉方向Sに向く端部側と弁開方向Oに向く端部側とで外径が異なり、弁閉方向Sに向く端部側が弁開方向Oに向く端部側に比べて外径の小さい小径部33をなす。小径部33の外周面と収納下部12の内周面との間には、弁閉方向Sに向けて開口するUパッキン34が挿入されている。
ブッシュ23は、弁開方向Oに向く端部側の外径が収納下部12の内径D3より小さい形状をなし、弁開方向Oおよび弁閉方向Sに沿った高さは、収納座部9から周縁部10の弁開方向Oに向く端面までの高さ、つまり収納下部12の高さとほぼ同じである。
図2、図5に示すように、ブッシュオサエ24は、中央に弁棒16を挿し通す貫通孔35が設けられており、外形が円弧状の短辺と直線状の長辺からなるほぼ長方形状をなし、短辺に相当するブッシュオサエ24の外周形状は貫通孔35と同心状の円弧であり、貫通孔35の中心を介して対向する短辺間の長さLLはブッシュ23の外径より大きく、長辺間の長さLSはブッシュ23の外径とほぼ同じである。短辺間の長さLLは、一対の拘束突部14の内面間の間隔D2より長く、一対の収納上部13の内面間の間隔D1より短くなっている。また、長辺間の長さLSは一対の拘束突部14の収納上部対面方向OD間の間隔L2より短い。ブッシュオサエ24の弁開方向Oもしくは弁閉方向Sに沿った高さは、収納上部13の高さよりやや小さい。
ブッシュオサエ24の弁閉方向に向く端面には2本の突条部36が貫通孔35を挟んで間隔B2を保って平行に設けられており、突条部36の間隔B2は溝部26の相互間の間隔B1と同じである。突条部36は断面形状が溝部26の溝断面形状に相似しており、突条部36の幅が溝部26の溝幅よりやや小さく、突条部36の高さが溝部26の溝深さに比べてやや低い形状をなす。このため、溝部26に突条部36を溝部26の長手方向に挿入可能となっている。突条部36は先端に設けられた突条部つめ37が幅方向に突出する形状をなし、突条部つめ37が溝部つめ27と弁開方向Oで係合する。
また、ブッシュオサエ24には、空気抜き38が弁開方向Oおよび弁閉方向Sに沿う貫通孔35の軸心方向に貫通しており、空気抜き38は突条部36の間のほぼ中央に設けられ、ブッシュ23の空気抜き28より大きい開口を有している。ブッシュオサエ24の空気抜き38の中心と貫通孔35の中心の間隔R3は、ブッシュ23の空気抜き28の中心と貫通孔25の中心の間隔R2と同じである。
このため、ブッシュ23にブッシュオサエ24を載置して組み立てたとき、ブッシュオサエ24の空気抜き38の孔とブッシュ23の空気抜き28の孔とが対向し、双方の孔は中心が一致して連続するとともに、ブッシュ部22の表裏面間を連通するので、空気が両空気抜き28、38を通過可能となる。通常時は、図6に示すように、両空気抜き28、38にわたって空気栓39が挿入してある。貫通孔35から空気栓39までの距離は、一対の拘束突部14の内面間の間隔D2の半分より短いものである。
ブッシュオサエ24には回り止め穴40が貫通孔35を挟んで空気抜き38と反対側に設けられている。回り止め穴40の中心と貫通孔35の中心との間隔R4は、拘束突部14に設けた半円状の凹部15の中心と弁蓋開口8の中心との間隔R1と同じである。
次ぎに、ブッシュ23とブッシュオサエ24の組立方法について述べる。はじめに、ブッシュ23の内周面のダストシール溝30にダストシール29を装着し、Oリング溝32にOリング31を各々装着する。
また、小径部33の外周に断面がU字状のUパッキン34を、その開口を弁閉方向に向けて装着する。小径部33は溝ではなく周囲が開放されているので、Uパッキン34の装着が容易である。
次に、図7に示すように、溝部26の間隔B1と突条部36の間隔B2は同じであるので、ブッシュ23の一対の溝部26の中心線とブッシュオサエ24の一対の突条部36の中心線を合わせ、中心線に沿って互いにスライドさせることで、溝部26に突条部36が挿入される。
この状態で、溝部26と突条部36が、弁棒16の軸心周りで係合し、弁棒16の軸心周りにおけるブッシュ23とブッシュオサエ24の回転を相互に拘束する回り止め係合部をなす。また、弁開方向Oおよび弁閉方向Sに沿った弁棒16の軸心方向において、溝部つめ27と突条部つめ37が相互に、あるいは溝部つめ27と突条部つめ37のそれぞれがブッシュオサエ24もしくはブッシュ23に係合し、溝部つめ27と突条部つめ37が弁棒16の軸心方向におけるブッシュ23とブッシュオサエ24の離脱を阻止する抜け止め係合部をなす。
ブッシュ23の空気抜き28の中心と貫通孔25の中心との間隔R2はブッシュオサエ24の空気抜き38の中心と貫通孔35の中心との間隔R3に等しいので、ブッシュ23の貫通孔25の中心とブッシュオサエ24の貫通孔35の中心とを合わせることで、両空気抜き28、38は同心状の位置になる。
ブッシュオサエ24に最も近い位置にあるダストシール溝30は、ブッシュオサエ24の側に壁がなくて開放されているので、ダストシール29の装着が容易であり、ブッシュ23とブッシュオサエ24を組み立てた状態では、ブッシュオサエ24がダストシール29の側面を押えるのでダストシール29が貫通孔25から抜け出さない。
次ぎに仕切弁の組立を説明する。弁体4のコマ収容部18にメネジコマ19を挿入する。コマ収容部18、メネジコマ19は共に外形が矩形状であるのでねじ穴回りの回転が阻止されている。メネジコマ18のねじ穴と弁貫通孔17は同軸で対向している。
弁体4を弁箱2の収納部開口6を通じて弁体収納部5に挿入する。弁体収納部5に通じる管路部3の管路開口20と弁体4との間には、弁体4の重量が支えられる程度の摩擦力が作用しているので、弁体4は弁体収納部5に保持される。
収納部開口6の周りにパッキンを設置し、弁蓋7の弁蓋開口8の中心と収納部開口6の中心とが一致するように弁体収納部5と弁蓋7の両フランジを合わせ、ボルトで固定する。次に、メネジコマ18のねじ穴に弁棒16を螺合させ、鍔部21が収納座部9に当接するまで螺入する。
組み立てられたブッシュ部22の短辺方向の長さはブッシュオサエ24の長辺間の長さLSと同じである。長辺間の長さLSは収納上部対面方向ODにおける一対の拘束突部14間の距離L2より短い。このため、ブッシュ部22をその長辺の方向と収納上部対面方向ODを直交させつつ、軸封収納部11に向けて弁閉方向Sに移動させると、ブッシュ部22の長辺間部が一対の拘束突部14間を通過することができる。ブッシュ部22の長辺間部が拘束突部14の相互間を通過する間に、弁棒16の鍔部21より弁開方向側の部分が貫通孔25、35に挿通される。
弁開方向Oに沿った弁棒16の軸心方向において、ブッシュ23の高さが、収納座部9から周縁部10の端面までの高さ、つまり収納下部12の高さとほぼ同じであること、ブッシュ23の外径が収納下部12の内径D3より小さいことから、ブッシュ23は収納下部12に収納される。
ブッシュオサエ24の短辺間の長さLLは、一対の拘束突部14の内面間の間隔D2より長く、一対の収納上部13の内面間の間隔D1より短く、弁棒16の軸心方向においてブッシュオサエ24の厚みは収納上部13内の高さより小さく、貫通孔35から空気栓39までの距離が一対の拘束突部14の内面間の間隔D2の半分より短い。
このため、ブッシュ部22を弁棒16の軸心周りに90°回転させると、ブッシュ23とブッシュオサエ24は溝部26と突条部36との係合部により弁棒16の軸心周りの回転が相対的に拘束された状態で一体的に回転する。
ブッシュ部22の90°の回転によって、ブッシュオサエ24の外側縁で長辺方向の最外部分が収納上部13内に挿入され、ブッシュオサエ24の最外部分が拘束突部14と弁開方向Oで対向して弁棒の軸心方向において係合し、ブッシュオサエ24の外側縁と拘束突部14とで拘束手段を形成する。このため、ブッシュ部22は弁開方向Oへの移動が拘束されて弁蓋7から抜け出すことはない。
ブッシュオサエ24、収納上部12、拘束突部14は貫通孔25の中心に対して点対称の形状をなすので、ブッシュ部22を90°回転させる方向は時計回りでも、反時計回りでもかまわない。
両空気抜き28、38の双方の孔は、孔の中心が一致する状態で連続し、ブッシュ部22の表裏を連通する。この両空気抜き28、38にわたって空気栓39を挿入する。
回り止め穴40の中心と拘束突部14の凹部15の中心は一致するので、回り止めピン41の先端を回り止め穴40に挿入し、回り止めピン41の頭部を凹部15に挿入する。このことで、ブッシュ部22の弁棒16の軸心周りの回転が拘束される。
弁棒16はブッシュ部22によって軸心周りに回転可能に保持される。弁棒16を一方向に回転させると、メネジコマ19は相対的に回転して弁棒16の先端方向に移動し、メネジコマ19が弁体4を弁閉方向Sに押圧し、弁体4が弁体収納部5の開栓位置から管路部3の閉栓位置に向けて管路部3を横断する方向に沿って弁閉方向Sに移動する。
引き続き弁棒16を回転させると弁体4が管路部3の閉栓位置に達して流路を閉塞すると共に、弁体4が管路開口20を閉塞し、弁体4の外側面が管路部3の内面および管路開口20の内周面に当接して弁体4と管路部3の内面との間が止水される。
弁体4が管路部3の内面に当接する状態で弁棒16が回転すると、弁棒16に対して相対的に回転するメネジコマ19から弁棒16が弁開方向Oに反力を受ける。この反力は弁棒16の鍔部21を介してブッシュ部22(ブッシュ23)を弁開方向に押圧する。
ブッシュ部22は弁蓋7の拘束突部14によって弁棒16の軸心方向への移動が拘束されているので、反力を受ける鍔部21がブッシュ23の当接面上で摺動し、鍔部21とブッシュ23の間に摩擦力が生じ、この摩擦力に対抗して弁棒16を回転させるためのトルクが操作トルクの主要な部分を占める。
次ぎに、弁棒16を他方向に回転させると、メネジコマ19は弁体4を弁開方向Oに押圧する。弁棒16は弁体4から弁閉方向Sに反力を受け、鍔部21が収納座部9に押圧され、弁棒16の回転で鍔部21と収納座部9の間に摩擦力が発生する。
ところで、上述したように、弁体4の外表面にはゴムが接着されているので、弁体4を弁閉方向Sに動かすとき、弁体4を閉め込むにつれゴムを変形させる締め付け力が発生し、弁開方向Oの反力が増大し、ゴムに対する締め付け力が反力に大きく作用し、反力に占める締め付け力の寄与度が大きくなる。
このため、弁棒16に作用する反力は弁体4を開けるときに比べて弁体4を閉めるときに大きくなり、鍔部21とブッシュ23間の摩擦力が大きくなる。よって、弁体4を閉栓するときの操作トルクを低減するには、鍔部21とブッシュ23間の摩擦力を小さくすることが有効である。
既述した樹脂材、銅合金材、金属材を工業上適宜な表面粗度とした場合における実験によると、樹脂材と金属材間の摩擦係数は約0.2で、銅合金材と金属材間の摩擦係数は約0.5であることから、樹脂材と金属材間の摩擦係数は銅合金材と金属材間の摩擦係数の1/2以下である。
したがって、弁棒16の金属製の鍔部21に当接するブッシュ23に樹脂材を採用することは操作トルクの低減に有効である。また、ブッシュオサエ24に金属材を採用することで、弁棒16の軸心方向に作用する反力に対するブッシュ部22の強度を確保できる。
さらに、ブッシュ23に樹脂材、ブッシュオサエ24に金属材を採用したことにより、従来のように、ブッシュ部22のすべてを銅合金材とする場合に比べて軽量化が図れ、弁体4の取り付け作業、ブッシュ部22の交換作業が容易になる。
次に、ダストシール29、Oリング31、Uパッキン34の交換方法について述べる。空気栓39をはずして弁箱2内の空気を排出する。回り止めピン41はずした後、ブッシュ部22を90°回転させ、ブッシュオサエ24の長辺間の方向と収納上部対面方向ODを平行にする。
ブッシュ部22が弁開方向Oに移動すると、ブッシュオサエ24の長辺間部が双方の拘束突部14の間を通過し、弁棒16からブッシュ部22が引き抜かれる。ブッシュ23とブッシュオサエ24を相対的にスライドさせて分解する。その後、ダストシール29、Oリング31、Uパッキン34を新品に交換する。ブッシュ23に樹脂、ブッシュオサエ24に金属材料を採用したことにより、従来の銅合金より軽量であるため、この交換作業も容易になる。
(第2の実施の形態)
本発明における第2の実施の形態を図8〜図10に基づいて説明する。本形態もブッシュ23に樹脂材、ブッシュオサエ24に金属材を採用する。一方の溝部26がブッシュ23の外周縁から外径のほぼ3/4に相当する位置まで設けられ、さらに溝部26の長手方向先端には溝穴部42が設けられている。
溝部26の幅方向に沿った断面形状は深さ方向に長い長方形である。他方の溝部26は、貫通孔25の中心に対して一方の溝部26の点対称の位置に設けられている。他方の溝部26も一方と同様に、幅方向に沿った断面形状は深さ方向に長い長方形であり、長手方向先端に溝穴部42が設けられている。両溝部26は貫通孔25を挟んで平行である。ブッシュ23の外形、空気抜き28の位置は第1の実施の形態と同じである。
ブッシュオサエ24には、一対の突条部36が貫通孔35を挟んで平行に設けられており、その間隔B2は両溝部26間の間隔B1と等しく、突条部36は幅方向に沿った断面形状における幅と高さが溝部26の幅と深さよりやや小さく、長手方向の長さが貫通孔35の径よりやや短いものである。
ブッシュオサエ24の外形、空気抜き38、回り止め穴40の位置は第1の実施の形態と同じである。
ブッシュ部22の軸封収納部11への組み付け方法について述べる。弁箱2に弁体4、弁蓋7、弁棒16を組み付ける。ブッシュ23を収納上部対面方向ODに対して溝部26の長手方向が直交するようにする。ブッシュ23の外径は収納下部12の内径D3より小さいので、ブッシュ23が収納下部12に挿入される。
ブッシュオサエ24の長辺間の長さLSは一対の拘束突部14間の距離L2より小さい。そこで、ブッシュオサエ24は、突条部36の長手方向が収納上部対面方向ODと直交するようにして、つまり、長辺間部が一対の収納上部13間を通過できる位置取りをして、貫通孔35に弁棒16を挿通させてブッシュ23に載置する。こうして、溝部26に突条部36が挿入される。
ブッシュ部22を弁蓋開口8の回りに90°回転させる。溝部26に突条部36が挿入されており、これらが弁蓋開口8の回りに係合して回り止め係合部を形成するので、ブッシュオサエ24を回転すればブッシュ部22の全体が回転する。
ブッシュオサエ24の短辺間の長さLLは、一対の拘束突部14の内面間の間隔D2より大きく、一対の収納上部13の内面間の間隔D1より小さいものである。このため、ブッシュオサエ24の外周縁の径方向の最外部分と拘束突部14とが弁棒16の軸心方向に沿った弁開方向Oで対向して係合し、拘束手段を形成する。このことで、ブッシュ部22の弁開方向Oへの移動が拘束され、弁蓋7から抜け出すことはない。
次ぎに、回り止めピン41の先端を回り止め穴40に挿入し、回り止めピン41の頭部を凹部15に挿入して、ブッシュの回り止めを行う。溝部26、突条部36には弁開方向Oに互いに係合する部分を設けておらず、ブッシュ23とブッシュオサエ24の製造が容易になる。空気抜き38、28に空気栓39を装着する。
ブッシュ部22の取り外し方法について述べる。空気栓39をはずして弁箱2内の空気を排出する。回り止めピン41をはずした後、ブッシュ部22を90°回転させる。ブッシュオサエ24を弁棒16の軸心方向に移動させると、ブッシュオサエ24の長辺間部が拘束突部14の間を通過し、ブッシュオサエ24が弁棒16から引き抜かれる。
ブッシュ23とブッシュオサエ24とは弁開方向Oに係合していないので、ブッシュ23は収納下部12に装着されたままである。このため、例えば2本のL字状の六角レンチの短軸部を一対の溝穴部42に挿入し、ブッシュ23を引き上げて取り出す。溝穴部42が弁蓋開口8の中心に対して点対称になっているので、一対の六角レンチと溝穴部42とが当接する部分を結んだ直線が弁蓋開口8の中心を通り、ブッシュ23が傾くことなく、弁蓋開口8の軸心方向に容易に引き出すことができる。
(第3の実施の形態)
本発明における第3の実施の形態を図11〜図13に基づいて説明する。本形態もブッシュ23に樹脂材、ブッシュオサエ24に金属材を採用する。双方の溝部26はブッシュ23の外周縁から外径のほぼ3/4に相当する位置まで設けられ、双方の溝部26は貫通孔25を挟んで平行に設けられている。
溝部26は幅方向に沿った断面形状において、第1の実施の形態のような溝部つめ27を持たず、矩形状に形成されている。ブッシュ23は溝部26より貫通孔25の径方向の外側にガイド部43が弁開方向Oに向けて突設されている。ガイド部43の弁開方向Oの端部には貫通孔25の径方向の内側に向かってガイド部つめ44が突出している。ガイド部43の外径LB1は一対の拘束突部14の内面間の間隔D2よりやや小さく、小径部33の外径LB2は収納下部12の内径D3より小さく、空気抜き28、38は第1の実施の形態と同じである。
ブッシュオサエ24には一対の突条部36が設けられている。これらは、貫通孔35を挟んで互いに平行に設けられており、その間隔B2が両溝部26間の間隔B1と等しく、幅方向に沿った断面形状において幅と高さが溝部26の幅と深さよりやや小さい矩形状をなし、長手方向の長さが貫通孔35の径よりやや短い。
ブッシュオサエ24の弁開方向Oもしくは弁閉方向Sに沿った弁棒16の軸心方向の厚みTは、ブッシュ23の弁開方向Oに向く面とガイド部つめ44の弁閉方向Sに向く面との間隔Hよりもやや小さくなっている。また、ブッシュオサエ24は長辺間の長さLSが一対のガイド部43の内側面間の間隔よりやや小さい。ブッシュオサエ24の短辺間の長さLL、外形、空気抜き38、回り止め穴40は第1の実施の形態と同じである。
ブッシュ部22の軸封収納部11への組み付け方法について述べる。ブッシュ23の溝部26にブッシュオサエ24の突条部36を長手方向に挿入して、溝部26と突条部36を相対移動させる。
ブッシュオサエ24の弁開方向Oおよび弁閉方向Sに沿った弁棒16の軸心方向の厚みTは、ブッシュ23の弁開方向に向く面とガイド部つめ44の弁閉方向に向く面との間隔Hよりもやや小さいので、ブッシュオサエ24の弁閉方向に向く面はガイド部つめ44の弁閉方向に向く面の下を通過し、弁棒16の軸心方向で互いに対向する。
このため、ブッシュオサエ24の弁閉方向に向く面とガイド部つめ44の弁閉方向に向く面とを抜け止め係合部として、ブッシュ23とブッシュオサエ24とが弁開方向Oに係合するので、この方向に分離することはない。
次ぎに、弁箱2に弁体4、弁蓋7、弁棒16を組み付ける。ガイド部43で囲われたブッシュオサエ24はその短辺間が収納上部対面方向ODに対して直交する位置取りをする。小径部33の外径LB2は収納下部12の内径D3より小さく、ガイド部43の外径LB1は一対の拘束突部14の内面間の間隔D2より小さいので、ブッシュ23の小径部33を収納下部12に挿入でき、ブッシュオサエ24を弁棒4と収納上部13の間の空間に挿入できる。
ブッシュ部22を弁蓋開口8の回りに90°回転させる。溝部26に突条部36が挿入されており、溝部26と突条部36が回り止め係合部として弁棒16の軸心回りに係合するので、ブッシュオサエ24を回転すればブッシュ部22が回転する。
ブッシュオサエ24の短辺間の長さLLは、一対の拘束突部14の内面間の間隔D2より大きく、一対の収納上部13の内面間の間隔D1より小さいものである。ブッシュオサエ24の外周縁の径方向の最外部分と拘束突部14とが弁棒16の軸心方向に沿った弁開方向Oで対向して係合し、拘束手段を形成する。このため、ブッシュ部22の弁開方向Oへの移動が拘束され、弁蓋7から抜け出すことはない。
双方の空気抜き28、38にわたって空気栓39を挿入する。回り止めピン41の先端を回り止め穴40に挿入し、回り止めピン41の頭部を凹部15に挿入して、ブッシュの回り止めを行う。
溝部26、突条部36には弁開方向Oで互いに係合する部分を設けておらず、ブッシュ23とブッシュオサエ24の製造が容易になる。第1の実施の形態と同じくブッシュ部22を取り出し、ブッシュ23とブッシュオサエ24を溝部26の長手方向に相対移動させることでブッシュ部22の分解ができる。
(第4の実施の形態)
本発明における第4の実施の形態を図14〜図16に基づいて説明する。本形態もブッシュ23に樹脂材、ブッシュオサエ24に金属材を採用する。ブッシュ23は外径が収納下部12の内径D3より小さいものであり、弁開方向に向く面に環状の本体側円溝45が貫通孔25と同心状に設けられており、本体側円溝45の底には弁閉方向に向く面にまで貫通する空気抜き28が設けられている。ブッシュ23の本体側円溝45より外側には、ねじ孔からなる一対の取り出し穴46が貫通孔25の中心に対して点対称の位置に設けられている。
ブッシュオサエ24は、外形、貫通孔35と回り止め穴40の位置が第1の実施の形態と同じである。ブッシュオサエ24は、弁閉方向に向く面に環状の押え側円溝47が貫通孔35と同心状に設けられており、押え側円溝47は本体側円溝45と同じ直径を有している。押え側円溝47の底には弁開方向に向く面にまで貫通する空気抜き38が設けられている。
ブッシュ部22の軸封収納部11への組み付け方法について述べる。弁箱2に弁体4、弁蓋7、弁棒16を組み付ける。ブッシュ23はその外径が収納下部12の内径D3より小さいので、収納下部12に挿入される。ブッシュオサエ24を長辺間部が一対の収納上部13間を通過できる位置取りに配置する。つまり、長辺間の方向と収納上部対面方向ODを平行にする。ブッシュオサエ24の長辺間の長さLSは一対の拘束突部14間の収納上部対面方向ODの距離L2より小さいので、貫通孔35に弁棒16を挿通させてブッシュオサエ24をブッシュ23に載置する。
ブッシュオサエ24の短辺間の長さLLは、一対の拘束突部14の内面間の間隔D2より大きく、一対の収納上部13の内面間の間隔D1より小さい。ブッシュオサエ24を90°回転し、ブッシュオサエ24の外周縁の径方向の最外部分と拘束突部14とが弁棒16の軸心方向に沿った弁開方向Oで対向する。このため、ブッシュ部22は弁開方向Oへの移動が拘束され、弁蓋7から抜け出すことはない。
ブッシュオサエ24の空気抜き38に空気栓39を挿入する。回り止めピン41の先端を回り止め穴40に挿入し、回り止めピン41の頭部を凹部15に挿入して、ブッシュの回り止めを行う。
ブッシュ23の弁開方向に向く面とブッシュオサエ24の弁閉方向に向く面が当接するので、本体側円溝45と押え側円溝47によって閉じた空間をなす連通路48が形成される。連通路48を介して、ブッシュ23の空気抜き28とブッシュオサエ24の空気抜き38とが連続し、連通している。
ブッシュ23とブッシュオサエ24とが弁棒16の軸心方向周りに相対的に回転しても、両空気抜き28、38は連通路48によって常に連通しており、空気抜きの機能が確実に保持できる。ブッシュ23とブッシュオサエ24には弁棒16の軸心方向周りの回転を相対的に阻止する拘束力が作用しないので、ブッシュ23とブッシュオサエ24にはこの拘束力に伴う損傷が生じることはない。
ブッシュ部22の取り外しについて述べる。空気栓39をはずして弁箱2内の空気を排出する。回り止めピン41はずした後、ブッシュオサエ24を90°回転させる。ブッシュオサエ24を弁棒16の軸心方向に移動させると、ブッシュオサエ24の長辺間部が拘束突部14の間を通過し、ブッシュオサエ24が弁棒16から引き抜かれる。
ブッシュ23の一対の取り出し穴46にボルトなどを螺入させてブッシュ23を引き上げて手取り出す。取り出し穴46が弁蓋開口8の中心に対して点対称になっているので、両取り出し穴46を結んだ直線が弁蓋開口8の中心を通り、ブッシュ23が傾くことなく、弁蓋開口8の軸心方向に容易に引き出すことができる。
(第5の実施の形態)
本発明における第5の実施の形態を図17〜図21に基づいて説明する。本形態もブッシュ23に樹脂材、ブッシュオサエ24に金属材を採用する。
ブッシュ23は外径が収納下部12の内径D3より小さいものであり、弁開方向に向く面に一対の溝部26が貫通孔25を介した両側に設けられており、溝部26は貫通孔25の周囲に円弧状に形成されてブッシュ23の外周縁側が開放された形状をなしている。
双方の溝部26に挟まれた領域は貫通孔25の周囲で溝部26に沿って円弧状をなし、
双方の溝部26の対向し合う端部間が回り止め部23aをなす。貫通孔25を隔てた両側の回り止め部23aにはそれぞれがねじ孔からなる取り出し穴46が貫通孔25の中心に対して点対称の位置に設けられている。
ブッシュ23の弁閉方向に向く面には座ぐり穴23bが開口しており、座ぐり穴23bの底面の中心に貫通孔25が開口し、座ぐり穴23bの底面の内周面付近に設けられた空気抜き28が一方の取り出し穴46に連通している。
ブッシュオサエ24は、弁開方向に向く面に円柱部24aが弁棒16の軸心方向に向けて突出し、円柱部24aの中心に貫通孔35を設けており、円柱部24aの周囲に設けた補強部24bが貫通孔35の径方向に向けて広がっている。補強部24bの外径は軸封収納部11の一対の拘束突部14間に挿入可能なものである。円柱部24aの外周縁部には空気抜き38が設けられており、空気抜き38はブッシュオサエ24の表裏を貫通するとともに、弁閉方向に向く面においてブッシュ23の空気抜き28に連通する一方の取り出し穴46に対向して開口している。
ブッシュオサエ24は弁閉方向に向く面に一対の突条部36が貫通孔35を介した両側に設けられており、突条部36は弁棒16の軸心方向に向けて突出し、貫通孔35の周囲に円弧状に形成されてブッシュ23の溝部26に弁棒16の軸心方向に挿入可能な形状をなし、双方の突条部36の間にブッシュ23の双方の溝部26に挟まれた領域を挟み込んでいる。ブッシュオサエ24の基本形状、貫通孔35、回り止め穴40の位置は第1の実施の形態と同じである。
ブッシュ部22の軸封収納部11への組み付け方法について述べる。弁箱2に弁体4、弁蓋7、弁棒16を組み付ける。ブッシュ23はその外径が収納下部12の内径D3より小さいので、収納下部12に挿入される。ブッシュオサエ24を長辺方向が収納上部対面方向ODと直交する位置取りに配置する。
ブッシュオサエ24の補強部24bの外径は一対の拘束突部14間の収納上部対面方向ODの距離L2より小さいので、貫通孔35に弁棒16を挿通させてブッシュオサエ24をブッシュ23に載置し、ブッシュ23の溝部26に突条部36を弁棒16の軸心方向に挿入する。この状態で、ブッシュ23の空気抜き28とブッシュオサエ24の空気抜き38とが一方の取り出し穴46を介して連通する。
ブッシュオサエ24の短辺間の長さLLは、一対の拘束突部14の内面間の間隔D2より大きく、一対の収納上部13の内面間の間隔D1より小さい。ブッシュオサエ24を90°回転させる。このとき、ブッシュ23の溝部26間の回り止め部23aとブッシュオサエ24の突条部36が弁棒16の軸心回りに係合して回り止め係合を形成し、ブッシュ23とブッシュオサエ24が一体的に回転する。
ブッシュオサエ24の外周縁の径方向の最外部分と拘束突部14とが弁棒16の軸心方向に沿った弁開方向Oで対向して拘束手段を形成する。このため、ブッシュ部22は弁開方向Oへの移動が拘束され、弁蓋7から抜け出すことはない。
ブッシュオサエ24の空気抜き38に空気栓39を挿入する。回り止めピン41の先端を回り止め穴40に挿入し、回り止めピン41の頭部を凹部15に挿入して、ブッシュの回り止めを行う。
ブッシュ部22の取り外しについて述べる。空気栓39をはずして弁箱2内の空気を排出する。回り止めピン41はずした後、ブッシュオサエ24を90°回転させる。ブッシュオサエ24を弁棒16の軸心方向に移動させると、ブッシュオサエ24の長辺間部が拘束突部14の間を通過し、ブッシュオサエ24が弁棒16から引き抜かれる。
ブッシュ23の一対の取り出し穴46にボルトなどを螺入させてブッシュ23を引き上げて手取り出す。
本実施の形態では、回り止めピン41によってブッシュオサエ24の回り止めを行なったが、図22に示すように、回り止め用カバー101でブッシュオサエ24を回り止めすることも可能である。この回り止め用カバー101は中央に弁棒16を挿入可能な貫通孔102を備えており、軸封収納部11の一対の拘束突部14間に挿入可能な形状を有し、拘束突部14に対向する辺部に凹部15に係合する凸部103を備えている。
回り止め用カバー101の弁閉方向に向く面には、複数の係合ピン104が弁棒16の軸心方向に突出しており、ブッシュオサエ24の弁開方向に向く面には係合ピン104に対向する位置に複数の係合ピン穴105が設けらている。
この構成によれば、軸封収納部11にブッシュ部22を装着した後に、回り止め用カバー101の貫通孔102に弁棒16を挿通させて回り止め用カバー101を一対の拘束突部14間に挿入配置するだけでブッシュオサエ24の回り止めが行なえる。すなわち、一対の拘束突部14間に挿入された回り止め用カバー101は、凸部103が拘束突部14の凹部15に係合することで弁棒16の軸心回りで回り止めされ、係合ピン104がブッシュオサエ24の係合ピン穴102に嵌合することでブッシュオサエ24を弁棒16の軸心回りで回り止めする。
(第6の実施の形態)
以下、本発明における第6の実施の形態を図23〜図24に基づいて説明する。仕切弁1は基本構成において実施の形態1で説明したものと同様であり、同機能を果す部材には同符号を付してその説明を省略する。
軸封収納部11は、弁蓋7の内外を隔てる収納座部9に弁体収納部5の収納部開口6に対向して開口する弁蓋開口8を有し、弁蓋開口8の径方向外側に位置する周縁部10が収納座部9を囲んでいる。
周縁部10は収納座部9の全周を囲んで円筒状に弁開方向Oに向けて突出し、周縁部10と収納座部9によって軸封収納部11の収納空間が形成されている。周縁部10は開口付近の内周面に雌ネジ部201を有し、弁開方向に向く上端縁に一対の回り止め凹部202が形成されており、回り止め凹部202は弁棒16の軸心に対して対称の位置にある。
ブッシュ部22のブッシュ23は外形が軸封収納部11の収納空間に収納可能な外径を有する円形で、中央部に弁棒16を挿し通す貫通孔25が設けられており、貫通孔25の内周面およびブッシュ23の外周面には円環状のOリング溝32が貫通孔25の軸心方向に並んで設けられており、各Oリング溝32にはOリング31が設置されている。本実施の形態においてブッシュ23は樹脂材であるが銅系合金などの金属材を使用することも可能である。
ブッシュ部22のブッシュオサエ24は、外径が軸封収納部11の収納空間に収納可能な外径を有する円形で、中央に弁棒16を挿し通す貫通孔35が設けられており、外周面に雄ネジ部203を有し、雄ネジ部203が周縁部10の雌ネジ部201に螺合する。ブッシュオサエ24は貫通孔35の周囲に複数の係合ピン穴204が一定間隔で設けられている。
回り止め用カバー301は中央に弁棒16を挿入可能な貫通孔302を備えており、軸封収納部11の周縁部10の内部に挿入可能な形状を有し、回り止め凹部202に対向する辺部に回り止め凹部202に係合する回り止め凸部303を備えている。回り止め用カバー301の弁閉方向に向く面には、複数の係合ピン304が弁棒16の軸心方向に突出しており、係合ピン304はブッシュオサエ24の弁開方向に向く面に形成した係合ピン穴204に対向可能な位置に設けられている。
ブッシュ部22の軸封収納部11への組み付け方法について述べる。弁箱2に弁体4、弁蓋7、弁棒16を組み付ける。ブッシュ23の貫通孔25に弁棒16を挿入させてブッシュ23を軸封収納部11の収納空間に挿入する。ブッシュオサエ24の貫通孔35に弁棒16を挿入させてブッシュオサエ24を軸封収納部11の周縁部10の開口に当接させ、ブッシュオサエ24を係合ピン穴204に係合可能な治具等により回転させ、雄ネジ部203と周縁部10の雌ネジ部201との螺合によりブッシュオサエ24を軸封収納部11の収納空間に挿入し、ブッシュオサエ24をブッシュ23に当接させる。
ブッシュオサエ24の雄ネジ部203と周縁部10の雌ネジ部201との螺合により拘束手段を形成するので、ブッシュ部22は弁開方向Oへの移動が拘束され、弁蓋7から抜け出すことはない。
軸封収納部11にブッシュ部22を装着した後に、回り止め用カバー301の貫通孔302に弁棒16を挿通させて回り止め用カバー301を周縁部10の内部に挿入配置するだけでブッシュオサエ24の回り止めが行なえる。すなわち、回り止め用カバー301は、回り止め凸部303が周縁部10の回り止め凹部202に係合することで弁棒16の軸心回りで回り止めされ、係合ピン304がブッシュオサエ24の係合ピン穴204に嵌合することでブッシュオサエ24を弁棒16の軸心回りで回り止めする。
ブッシュ部22を取り外すときは、上述した操作の逆の手順で行なう。
本実施の形態では、溝部26、突条部36には弁開方向Oで互いに係合する部分を設けておらず、ブッシュ23とブッシュオサエ24の製造が容易になる。また、ブッシュオサエ24の雄ネジ部203と周縁部10の雌ネジ部201との螺合により拘束手段を形成するので、軸封収納部11の構造およびブッシュオサエ24の構造が簡略なものとなり、製造が容易となる。また、回り止め用カバー301を装着するだけでブッシュオサエ24の回り止めが行なえるので、その構造が簡略なものとなる。
本実施の形態では、ブッシュオサエ24の回り止めを、回り止め用カバー301の係合ピン304とブッシュオサエ24の係合ピン穴204との嵌合によって行なったが、図25から図26に示すように、回り止め用カバー301の係合ピン304に代えて回り止め用カバー301に貫通孔302の軸心を中心として放射状に延びる複数の係合歯部401を設け、ブッシュオサエ24の係合ピン穴204に代えてブッシュオサエ24に貫通孔35の軸心を中心として放射状に延びる係合溝部402を設けることも可能である。
(他の実施の形態)
以下に他の実施の形態を説明する。
(1)ゴムなどの軟性材料からなる別途のブッシュ構成部材を、金属材からなるブッシュオサエ24の弁開方向に向く面側に設けても良い。金属材のブッシュオサエ24と金属材の拘束突部14との間にゴムの緩衝材が挿入されることになり、金属同士の当接部での塗装の損傷の虞をなくすことができる。
(2)ブッシュ23の弁開方向に向く面とブッシュオサエ24の弁閉方向に向く面とを接着材などで張り合わせ一体化しても良い。ブッシュ23とブッシュオサエ24からブッシュ部22を組み立てる手間が省ける。
(3)ブッシュ部22の強度を保持できるように、ブッシュ部22の全体を樹脂製にするとともに、その中に金属材を埋め込んでも良い。ブッシュ23とブッシュオサエ24の部品点数が低減できるのと、ブッシュ部22を組み立てる手間が省ける。
なお、上述したように、図面との対照を便利にするために各部材に符号を付して説明したが、本発明は添付した図面の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々な態様で実施しうることは言うまでもない。