JP6066061B2 - 静電容量式タッチセンサ - Google Patents
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Description
このように構成された本発明では、静電結合の総和が等しくなるように複数の検出部をグループ分けすることにより、非近接時に積分出力をゼロ又は基準電圧にすることができるので、外部の影響を相殺しつつ、高感度な人体の近接の監視を行うことができる。
このように構成された本発明では、判定グループに含まれる検出部の個数が偶数の場合は、2等分して第1及び第2グループを形成するが、奇数の場合は、1つの検出部に固定電圧を印加して、他を2等分してグループ分けを行う。これにより、積分出力が正負いずれかの方向で閾値以上となれば、これに応じて近接検出部が含まれるグループを判定でき、積分出力が正負いずれかの方向で閾値を超えなければ、固定電圧を印加した1つの検出部が近接検出部であると判定することができる。
このように構成された本発明では、最終的に近接検出部が1つに特定された場合に、この検出部に対して、個別にパルス信号を印加することにより、この検出部が近接検出部であることを確認することができる。また、人体の近接の後、人体の近接がなくなった際(例えば、指が離れる)に、この検出部が近接検出部でなくなったことを確認することができ、再び第1動作モード(待機モード)に戻ることができる。
このように構成された本発明では、第1動作モードにより待機状態で作動している間は、所定の検出周期毎(例えば、8Hz)に1回の検出処理を行えばよく、待機電力を大幅に低減することができる。さらに、待機モードから分別モード(第2動作モード)へ移行した後には、グループ分けをして近接検出部を含むグループを順次に特定していくので、検出処理の回数を少なくすることができると共に、素早く近接検出部を特定することができる。このため、ユーザが指で検出部を瞬間的にタッチしたような場合であっても、確実に近接検出することができる。さらに、分別モードから確認モード(第3動作モード)へ移行して、近接検出部に対して人体の近接があることを及び人体の近接がなくなったことを検出することができる。
本実施形態は、温水洗浄便座用のリモコンにタッチセンサを適用した例である。図1に示すように、リモコン1は、複数のスイッチ2a−2hと、液晶表示部3を有している。
なお、本実施形態では、タイミング信号INTは、デューティー比が50%のパルス信号であり、HiレベルとLoレベルのパルス幅が同じであるが、必ずしもデューティー比は50%でなくてもよい。
本実施形態のタッチセンサは、第1動作モード(待機モード)、第2動作モード(分別モード又は絞込みモード)、第3動作モード(確認モード)で動作するように構成されている。
第1動作モードにおいて、図3に示すように、制御部10は、検出処理動作開始時の時間T0にリセット信号RSTを出力ポートP12から出力してアナログスイッチ41をオンにし、コンデンサ41の電位差をゼロリセットする。これにより、積分手段の出力(積分値)は、基準電圧源45の基準電圧Vrefとなる。
電極21,22,23,24では、制御部10の各出力ポートからパルス信号V1,V2,V3,V4を送信電極21a,22a,23a,24aで受け、これにより、対応する受信電極21b,22b,23b,24bに電位変化が誘起される。
なお、積分出力Vintは、基準電圧Vrefを基準値として正負の値をとるものとして説明する。すなわち、積分出力Vintは、回路的には0Vを基準とした電位であるため、基準電圧Vref分のオフセットが加わっており、積分手段の出力信号として扱うには不適当である。つまり、Vintと基準電圧Vrefとの差[Vint−Vref]を信号という意味の積分出力として扱うべきだが、説明が煩雑になるので、これをVintとして説明する。
なお、第1閾値と第2閾値の絶対値を異ならせてもよい。
したがって、本実施形態の待機モードでは、1回の検出周期当たりで1回の検出処理動作を行うのみであり、すべての電極に対して個々に検出処理動作を行う場合と比べて、待機時消費電力を大幅に低減することができる。
ユーザの指等がいずれかの電極に近接すると(この例では、ユーザは電極23をタッチする)、送信電極23aに入力したパルス信号V3により、受信電極23bに誘起されるはずの誘起電圧がほとんど誘起されなくなる。このため、電極23には実質的に送信信号V3が入力されず、電極21,22に第1出力モードの送信信号V1,V2が入力され、電極24に第2出力モードの送信信号V4が入力される状況と等しくなる。
なお、タイミング信号INTに対して同極性のパルス信号が入力した第1グループの電極にユーザの指等が近接した場合は、積分出力Vintは基準電圧Vrefに対して負方向の値となる。
第1動作モードにおいて、制御部10がいずれかの電極へのユーザの指等の近接を判定すると、第1動作モードが終了し、第2動作モードへ移行する。
第2動作モードへ移行すると、制御部10は、ユーザの指等の近接があったと判定したグループ(この例では第2グループ)の電極を更に第1グループと第2グループにグループ分けする。グループ分けは、対象の電極の総数が偶数であれば2等分し、奇数であれば任意に選択した1つの電極を除いた他の電極を2等分する(奇数の場合は、第2実施形態で説明する)。この例では、対象の電極の総数が偶数(2個)であるので、第1グループは電極23のみであり、第2グループは電極24のみである。
なお、電極21,22への固定電圧信号は、積分出力に実質的に影響を与えない。
なお、この例では、1回の第2動作モードの実行により、指等の近接があった電極が1つに特定されたが、第2動作モードで特定されたグループに複数の電極が含まれる場合は、更に第2動作モードを繰返し実行することにより、唯一の電極に絞り込む処理を行うことができる。
第3動作モードへ移行すると、制御部10は、ユーザの指等の近接を判定した電極(この例では、電極23)のみにパルス信号V3を入力し、特定されなかった他の電極には固定電圧の信号を入力する。
図6の例では、ユーザの指が近接している電極23には、タイミング信号INTと同極性のパルス信号V3が入力されているが、ユーザの指等の近接により、電極23にはパルス信号が実質的に入力していないものと見なせる。このため、図6の例では、すべての電極21−24に実質的に信号が入力していないものと見なせる。
制御部10は、第3動作モードにおいて、積分出力Vintが第1閾値又は第2閾値に達していることを判定すると、ユーザの指等が電極から離れたものと判定する。この判定により、第3動作モードが終了し、再び第1動作モード(待機モード)へ戻る。
図7では、第1動作モードの検出周期を期間T100で示している。本実施形態では、検出周波数が8Hz(検出周期が125msec)である。このため、第1動作モードでユーザの指等の近接が検出されない場合は、検出周期当たり1回の検出動作のみが行われる。これは、電極20に含まれる電極の総数にかかわらず1回である。また、本実施形態では、1回の検出動作に要する検出処理時間(T0−T10)は、例えば2msec程度である。
したがって、ユーザ操作がない待機状態では、検出動作の頻度を少なくすることができ、その結果、ほとんどの時間において検出動作を行う必要がなくなるので、待機時消費電力を大幅に低減することができる。
電極の総数に応じて第2動作モードが複数回実行されるが、この例では、第2動作モードが1回のみ行われることにより、ユーザの指等が近接した電極が特定されるので、期間T102の終了後に、検出周期の残りの期間において第3動作モードの期間T103が開始される。
期間T101の開始から、検出周期(125msec)が経過する前に、期間T102及び期間T103が終了する。
第3動作モードの検出期間T105において、ユーザの指等が電極から離れると、検出期間の終了により、第3動作モードが終了し、次の検出期間では、再度、第1動作モードが繰り返される。
この動作フローは、8Hz毎に実行される。このため、制御部10は、前回の検出周期(125msec)が終了するのを待つ(ステップS1)。
次に、制御部10は、第1動作モードを実行するため、グループ分けに基づいて、タイミング信号INTと同極性のパルス信号(これを、動作フローにおいて「正パルス」と記載する)V1,V2を出力ポートP01,P02(第1グループ)から出力し、逆極性のパルス信号(これを、動作フローにおいて「負パルス」と記載する)V3,V4を出力ポートP03,P04(第2グループ)から出力する(ステップS2)。
制御部10は、積分出力Vintを受けると、積分出力Vintと閾値とを比較する(ステップS4)。
積分出力Vintが第1閾値Vth1と第2閾値Vth2のいずれにも達していない場合(ステップS4;−Vth<Vint<Vth)、制御部10は、いずれの電極もユーザによって操作されていないと判定して、今回の検出処理を終了する(ステップS5)。
次いで、ステップS3と同様に積分処理等が実行され(ステップS7)、ステップS8へ移行する。
次いで、ステップS3と同様に積分処理等が実行され(ステップS17)、ステップS18へ移行する。
積分出力Vintが第1閾値Vth1と第2閾値Vth2のいずれにも達していない場合(ステップS8;−Vth<Vint<Vth)、制御部10は、複数の電極が同時にユーザによってタッチされたものと見なして、処理を終了する(ステップS5)。
なお、この処理は、本実施形態のタッチセンサを適用する電子機器(例えばリモコン)が、複数のスイッチの同時タッチ操作を無効とする動作仕様の場合であり、同時タッチによって何かを行う動作仕様であれば、それに応じた判定処理にしても良い。
制御部10は、確認モードにおいて、特定された電極21に対してタイミング信号INTと同極性のパルス信号V1を出力し、他の電極22−24には固定電圧の信号を出力する(ステップS10)。
制御部10は、確認モードにおいて、特定された電極22に対してタイミング信号INTと同極性のパルス信号V2を出力し、他の電極21,23,24には固定電圧の信号を出力する(ステップS12)。
積分出力Vintが第1閾値Vth1と第2閾値Vth2のいずれにも達していない場合(ステップS18;−Vth<Vint<Vth)、制御部10は、複数の電極が同時にユーザによってタッチされたものと見なして、処理を終了する(ステップS5)。
制御部10は、確認モードにおいて、特定された電極23に対してタイミング信号INTと同極性のパルス信号V3を出力し、他の電極21,22,24には固定電圧の信号を出力する(ステップS20)。
制御部10は、確認モードにおいて、特定された電極24に対してタイミング信号INTと同極性のパルス信号V4を出力し、他の電極21−23には固定電圧の信号を出力する(ステップS22)。
積分出力Vintが第1閾値Vth1に達していない場合(ステップS14;Vint<Vth)、制御部10は、特定した電極にユーザの指等が依然として近接又はタッチしている状態であると判定して、今回の検出期間が終了するのを待つ(ステップS15)。
一方、積分出力Vintが第1閾値Vth1以上である場合(ステップS14;Vint≧Vth)、制御部10は、特定した電極からユーザの指等が離れたと判定して、処理を終了してステップS1の第1動作モードに戻る。
なお、第2実施形態では、理解の容易のため、主に第1実施形態との相違点について説明する。第2実施形態は、静電容量式スイッチの数が6個の場合である。
本実施形態のリモコン101と第1実施形態のリモコン1の相違は、リモコン101が、静電容量式スイッチ2i(「おしりやわらか」),2j(「ワイドビデ」)を更に備えていることである。
ステップS101−S105は、第1実施形態のステップS1−S5と同様である。ただし、ステップS102において、制御部10は、電極21−23を第1グループとして第1出力モードでパルス信号V1−V3を出力し、電極24−25を第2グループとして第2出力モードでパルス信号V4−V6を出力する。
次いで、ステップS7と同様に積分処理等(ステップS107)を実行し、積分出力Vintの比較処理(ステップS108)を実行する。
次いで、ステップS107と同様に積分処理等(ステップS119)を実行し、積分出力Vintの比較処理(ステップS120)を実行する。
10 制御部
20 電極(検出部)
30 処理回路
Claims (6)
- 所定周波数のパルス信号を出力するパルス出力手段と、
互いに近接して配置され静電結合された送信電極及び受信電極を有し、前記送信電極に前記パルス信号が印加されることにより前記受信電極が誘導電圧出力を出力するように構成された検出部と、
前記受信電極から受けた誘導電圧出力を増幅して増幅出力を出力する増幅手段と、
前記増幅手段から受けた増幅出力の極性を反転させて反転出力を出力する反転手段と、 前記増幅出力及び前記反転出力を、前記パルス信号に同期して交互に選択して積分し積分出力を出力する積分手段と、
前記積分手段から受けた積分出力に基づいて、前記検出部への人体の近接を判定する判定手段と、を備えた静電容量式タッチセンサにおいて、
前記検出部を複数有し、
前記複数の検出部を構成する複数の受信電極は、互いに電気的に接続されており、
前記パルス出力手段は、前記複数の検出部を構成する複数の送信電極の各々に対して、前記パルス信号を印加する第1出力モードと、前記パルス信号の極性を反転させた反転パルス信号を印加する第2出力モードとを備え、
前記静電容量式タッチセンサは、前記複数の検出部のいずれかに人体が近接したことを検出する第1動作モードを備えており、この第1動作モードにおいて、
前記パルス出力手段は、前記複数の検出部を第1グループと第2グループとにグループ分けし、前記第1グループに属する検出部の送信電極へ前記第1出力モードで前記パルス信号を印加し、前記第2グループに属する検出部の送信電極へ前記第2出力モードで前記反転パルス信号を印加し、
前記積分手段は、前記増幅出力及び前記反転出力を、前記パルス信号及び前記反転パルス信号に同期して交互に選択して積分し積分出力を算出し、
前記判定手段は、前記積分出力が、基準値に対して正側の第1閾値以上又は負側の第2閾値以下である場合、前記複数の検出部のいずれかに人体の近接があったと判定し、前記積分出力が、前記第1閾値より小さく且つ前記第2閾値よりも大きい場合、前記複数の検出部のいずれにも人体の近接がないと判定することを特徴とする静電容量式タッチセンサ。 - 前記第1動作モードにおいて、前記第1グループに属する検出部の送信電極と受信電極の静電結合の総和と、前記第2グループに属する検出部の送信電極と受信電極の静電結合の総和が、略等しくなるようにグループ分けが実行されることを特徴とする請求項1に記載の静電容量式タッチセンサ。
- 前記第1動作モードにおいて、前記積分出力が、前記第1閾値以上又は前記第2閾値以下であるときに第2動作モードに移行し、この第2動作モードにおいて、
前記判定手段は、前記積分出力が前記第1閾値以上であるか前記第2閾値以下であるかに応じて、人体の近接がある検出部がいずれのグループに含まれるかを判定し、
前記パルス出力手段は、人体の近接がある検出部が含まれると判定された判定グループの検出部を更に第2動作モードにおける第1グループと第2グループにグループ分けし、前記第2動作モードにおける第1グループに属する検出部の送信電極へ前記第1出力モードで前記パルス信号を印加し、前記第2動作モードにおける第2グループに属する検出部の送信電極へ前記第2出力モードで前記反転パルス信号を印加し、
前記パルス出力手段は、人体の近接がある検出部が含まれると判定されなかった非判定グループの検出部の送信電極には固定電圧を印加する第3出力モードで固定電圧を印加し、
前記積分手段は、前記積分出力を算出し、
前記判定手段は、前記積分出力に基づいて、人体の近接がある検出部が前記第2動作モードにおける第1グループと第2グループのいずれに含まれるかを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の静電容量式タッチセンサ。 - 前記第2動作モードでは、前記判定グループを更にグループ分けするとき、前記判定グループに属する検出部の総数が偶数の場合は、前記検出部を2等分して、前記第2動作モードにおける第1及び第2グループを形成し、
前記判定グループに属する検出部の総数が奇数の場合は、1つの検出部の送信電極のみに固定電圧を印加し、他の検出部を2等分して、前記第2動作モードにおける第1及び第2グループを形成することを特徴とする請求項3に記載の静電容量式タッチセンサ。 - 第3動作モードをさらに備え、この第3動作モードにおいて、
前記パルス出力手段は、前記複数の検出部のうちの1つの検出部の送信電極に前記パルス信号を印加し、他の検出部の送信電極に固定電圧を印加し、
前記積分手段は、積分出力を算出し、
前記判定手段は、前記積分出力に基づいて、前記1つの検出部に人体の近接があるか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の静電容量式タッチセンサ。 - 第3動作モードをさらに備え、この第3動作モードにおいて、
前記パルス出力手段は、前記複数の検出部のうちの1つの検出部の送信電極に前記パルス信号を印加し、他の検出部の送信電極に固定電圧を印加し、
前記積分手段は、積分出力を算出し、
前記判定手段は、前記積分出力に基づいて、前記1つの検出部に人体の近接があるか否かを判定し、
前記第1動作モードにおいて、前記積分出力が前記第1閾値以上又は前記第2閾値以下になったときに、前記第2動作モードへ移行し、
前記第2動作モードにおいて、人体の近接がある検出部が1つに特定された場合に、前記第3動作モードに移行することを特徴とする請求項3又は4に記載の静電容量式タッチセンサ。
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