以下、本発明の実施の形態におけるLED駆動装置を用いた照明器具について説明する。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるLED駆動装置を用いた照明器具の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、照明器具100は、LED駆動装置1と、LEDモジュール10と、調光制御装置80とを備えている。照明器具100は、LEDモジュール10が駆動されて点灯することで、照明を行う。
LED駆動装置1は、LEDモジュール10に接続されている。LED駆動装置1は、LEDモジュール10を駆動する。
本実施の形態において、LED駆動装置1は、調光制御装置80に接続されている。調光制御装置80は、LED駆動装置1に対して調光指示信号Sadを出力する。LED駆動装置1は、その外部の調光制御装置80から送られた調光指示信号Sadに基づいて、LEDモジュール10の調光動作を行う。すなわち、照明器具100では、LEDモジュール10による照明の明るさを変更できる。
調光指示信号Sadは、例えば、デジタル信号である。具体的には、例えば、調光増あるいは調光減を指示する2種類の信号である。
調光制御装置80は、例えば、明るさを変更するために照明器具100に設けられているリモートコントローラである。調光制御装置80とLED駆動装置1との接続は、有線によるものであってもよいし、無線によるものであってもよい。例えば無線により調光制御装置80とLED駆動装置1とが接続されている場合、調光制御装置80に発光部が設けられ、LED駆動装置1に受光部が設けられ、両者の間で赤外線通信を行うように構成されていてもよい。
図2は、LED駆動装置1及びLEDモジュール10の構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、本実施の形態において、LEDモジュール10は、複数のLEDを直列に接続してなるLEDユニット10a,10bを有している。LEDモジュール10は、LEDユニット10aとLEDユニット10bとが並列に接続されて構成されている。
LEDモジュール10には、2つのLEDユニット10a,10bに限られず、さらに多くのLEDユニットが設けられていてもよい。例えば、3つ以上のLEDユニット10a,10b,…が互いに並列に接続されて、LEDモジュール10が構成されていてもよい。LEDユニット10a,10bは、複数のLEDを有するものに限られず、1つのLEDを有しているものであってもよい。例えば、LEDモジュール10は、1つずつ互いに並列に接続された、複数個のLEDで構成されていてもよい。LEDモジュール10は、1つの以上のLEDを有する1つのLEDユニットであってもよい。
LED駆動装置1は、降圧型コンバータ回路部(駆動回路部の一例)2と、調光制御部3とを有している。降圧型コンバータ回路部2は、LEDモジュール10に駆動電力を供給するとともに、LEDモジュール10の調光動作を行う。調光制御部3は、例えば、マイクロコンピュータで構成されている。調光制御部3には、調光指示信号Sadが入力される。調光制御部3は、調光指示信号Sadに対応する調光信号Sdを出力する。
降圧型コンバータ回路部2は、第1のスイッチ素子Q1と、コンバータ制御部4と、第1の電流設定回路5と、第2の電流設定回路6とを備えている。
第1のスイッチ素子Q1は、例えばFET(電界効果トランジスタ)である。第1のスイッチ素子Q1のドレイン端子は、インダクタL1を介してLEDモジュール10のカソード側の端子に接続されている。
コンバータ制御部4は、駆動電源Vccから電力の供給を受ける。コンバータ制御部4は、第1のスイッチ素子Q1のゲート端子に、駆動信号Spを出力するように構成されている。コンバータ制御部4は、調光信号Sdに対応して駆動信号Spを出力する。
第1の電流設定回路5と第2の電流設定回路6とは、第1のスイッチ素子Q1のソース端子とグランドとの間に、並列に接続されている。第1の電流設定回路5及び第2の電流設定回路6は、第1のスイッチ素子Q1側でコンバータ制御部4に接続されており、これにより、コンバータ制御部4には、フィードバック電圧Vfbが入力されるように構成されている。
第1の電流設定回路5は、例えば、第1の抵抗素子R1を有している。第1の抵抗素子R1は、第1のスイッチ素子Q1のソース端子とグランドとの間に配置されている。
第2の電流設定回路6は、第2の抵抗素子R2と、第2のスイッチ素子Q2(例えば、バイポーラトランジスタ)とからなる直列回路で構成されている。第2のスイッチ素子Q2は、第2の抵抗素子R2とグランドとの間に配置されている。第2のスイッチ素子Q2のベース端子には、調光制御部3が接続されている。調光制御部3は、第2のスイッチ素子Q2のベース端子に、電流設定制御信号(制御信号の一例)Scを出力する。第2のスイッチ素子Q2は、電流設定制御信号Scに応じて、オン/オフ動作を行う。
なお、LEDモジュール10のアノード側の端子は、直流電源Vdcに接続されている。LED駆動装置1は、LEDモジュール10に出力電流Ioを供給し、LEDモジュール10を駆動する。インダクタL1のLEDモジュール10側の端子と、直流電源Vdcからの電源供給ラインとの間には、コンデンサC1が配置されている。また、インダクタL1の第1のスイッチ素子Q1側の端子と、直流電源Vdcからの電源供給ラインとの間には、ダイオードD1が配置されている。
[調光時の動作の説明]
コンバータ制御部4は、調光制御部3から入力される調光信号Sdに応じたフィードバック電圧Vfbになるように、駆動信号Spを生成し、生成した駆動信号Spを第1のスイッチ素子Q1に出力する。これによって、コンバータ制御部4は、LEDモジュール10に調光信号Sdに応じた一定の出力電流Ioが流れるように制御する。
ここで、このようにLEDモジュール10が駆動されているとき、調光制御部3は、電流設定制御信号Scを出力して第2の電流設定回路6の動作状態を制御する。これにより、調光制御部3は、調光信号Sdに対する出力電流Ioの調整範囲と、調光信号Sdに対する出力電流Ioの変化特性とを切り替える。本実施の形態においては、調光制御部3は、第2のスイッチ素子Q2をオン状態かオフ状態か切り替えることで、第2の電流設定回路6がオン状態であるかオフ状態であるかを切り替える。
このように第2の電流設定回路6の動作状態がオン状態とオフ状態とで切り替えられることで、出力電流Ioの調整範囲が、2種類の調整範囲の一方から他方に切り替えられる。すなわち、調光制御部3により第2の電流設定回路6の動作状態がオン状態とされるとき、出力電流Ioの調整範囲は、第1の出力電流調整範囲となる。また、調光制御部3により第2の電流設定回路6の動作状態がオフ状態とされるとき、出力電流Ioの調整範囲は、第2の出力電流調整範囲となる。
本実施の形態では、調光制御部3から出力される電流設定制御信号Scがハイ(High)レベルのとき、第2の電流設定回路6の動作状態は、オン状態(オン動作)となる。このとき、第1の電流設定回路5と第2の電流設定回路6とにより第1の出力電流調整範囲が設定される。これにより、第1の電流設定回路5と第2の電流設定回路6とで設定される合成抵抗Roの値により、出力電流Ioの大きさの調整範囲が決定される。
具体的には、例えば次の通りである。すなわち、第1の抵抗素子R1と、第2の抵抗素子R2と、第2のスイッチ素子Q2の内部抵抗とで合成抵抗値が決定される。ここでは、説明の簡略化のため、第2のスイッチ素子Q2の内部抵抗の値をゼロとみなし、考慮しないこととする。第1の出力電流調整範囲では、フィードバック電圧Vfbを0.5V、第1のスイッチ素子Q1からグランドに流れる電流Is1の最大値Is1maxを400mAとした場合、合成抵抗Roの値は、次式で示される。
(合成抵抗Roの値)=0.5V/0.4A=1.25Ω
ここで、Ro=1/(R1‖R2)の関係が成り立つ(ここで記号‖は、加算値/乗算値を意味する。)。したがって、第1の抵抗素子R1の抵抗値を12.5Ωとすると、第2の抵抗素子R2の抵抗値は1.39Ωであればよい。このとき、調光信号Sdの調整率が1〜100倍とすると、電流Is1の最小値は4mAとなる。
他方、調光制御部3から出力される電流設定制御信号Scがロー(Low)レベルのとき、第2の電流設定回路6の動作状態は、オフ状態となる。このとき、第1の電流設定回路5により第2の出力電流調整範囲が設定される。すなわち、第1の電流設定回路5の第1の抵抗素子R1で設定される抵抗値により、出力電流Ioの大きさの調整範囲が、第2の出力電流調整範囲に移行する。
具体的には、例えば、第2の出力電流調整範囲では、第1の抵抗素子R1の抵抗値が12.5Ωである場合、第1のスイッチ素子Q1からグランドに流れる電流Is2の最大値Is2maxは、次式で示される。
Is2max=0.5V/12.5Ω=40mA
この値40mAは、第1の出力電流調整範囲に対して、第1の出力電流調整範囲における出力電流が40mAのとき(調光信号Sdの大きさが第1の所定値のとき)と一致する。
[調光制御部3の構成の説明]
図3は、調光制御部3の構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、調光制御部3は、大まかに、調光情報制御部20と、制御信号生成部24と、調光信号生成部25とを有している。
調光情報制御部20は、情報判断部21と、第1設定情報生成部22と、第2設定情報生成部23とを有している。調光情報制御部20は、調光指示信号Sadに基づいて、調光信号設定情報Sa及び制御信号設定情報Sbを出力する。
情報判断部21には、調光指示信号Sadが入力される。情報判断部21は、出力電流の調整範囲の切替えの要否を判定して、その判定結果に基づいて、指示情報を出力する。すなわち、情報判断部21は、調光指示信号Sadに応じて、出力電流の調整範囲の切替えが不要であるとの判定に基づく第1の指示情報と、出力電流の調整範囲の切替えが必要であるとの判定に基づく第2の指示情報とのいずれかを出力する。
情報判断部21から指示情報が出力されると、第1設定情報生成部22と第2設定情報生成部23とのいずれかから、指示情報に応じて、調光信号設定情報Saと制御信号設定情報Sbとが出力される。調光信号設定情報Saは、後述のPWM信号Spwmの生成状態を制御するための信号である。生成された調光信号設定情報Saは、調光信号生成部25に出力される。制御信号設定情報Sbは、第2の電流設定回路6の動作状態を制御するための信号である。生成された制御信号設定情報Sbは、制御信号生成部24に出力される。
具体的には、第1設定情報生成部22は、情報判断部21から第1の指示情報が出力されたときに機能する。第1設定情報生成部22は、第1の指示情報が出力されたとき、それに応じて調光信号設定情報Saと制御信号設定情報Sbとを出力する。
また、第2設定情報生成部23は、情報判断部21から第2の指示情報が出力されたときに機能する。第2設定情報生成部23は、第2の指示情報が出力されたとき、それに応じて調光信号設定情報Saと制御信号設定情報Sbとを出力する。
制御信号生成部24は、入力された制御信号設定情報Sbに基づいて、第2の電流設定回路6のオン/オフ動作を制御する電流設定制御信号Scを生成する。生成された電流設定制御信号Scは、第2の電流設定回路6に出力される。これにより、第2の電流設定回路6の動作状態が制御される。
調光信号生成部25は、PWM信号生成回路26と、信号変換回路27とを有している。調光信号生成部25は、調光信号設定情報Saに基づいて、PWM信号Spwmを生成するととともに、PWM信号Spwmに基づいて、調光信号Sdを生成する。生成された調光信号Sdは、コンバータ制御部2に出力される。
すなわち、調光信号生成部25に調光信号設定情報Saが入力されると、PWM信号生成回路26は、調光信号設定情報Saに基づいてPWM信号Spwmを生成する。信号変換回路27は、PWM信号生成回路26で生成されたPWM信号Spwmを、調光信号Sdに変換する。すなわち、PWM信号Spwmは、調光信号Sdのもととなり、調光信号Sdの生成に用いられる信号である。例えば、信号変換回路27は、PWM信号Spwmを直流信号である調光信号Sdに変換して出力する積分回路である。
[調光制御の具体例の説明(減光する(暗くする)場合)]
本実施の形態において、調光時に行われる制御動作の一例について説明する。まず、減光時の動作について説明する。
調光制御部3は、出力電流Ioの調整範囲が例えば第1の出力電流調整範囲である場合において、より暗くなるように調光を行うとき、次のように動作する。すなわち、調光信号Sdの大きさを調光範囲の上限値から減少させて、調光信号SdのもととなるPWM信号Spwmのオンデューティが第1の所定値に達したときに、第2の電流設定回路6の動作状態をオフ状態にするとともに、PWM信号Spwmのオンデューティを調光範囲の所定値に切り替える。これにより、出力電流Ioの調整範囲を第2の出力電流調整範囲に移行させる。
図4は、減光時の出力電流Ioと調光信号Sdの大きさとの関係を示す。
本実施の形態では、出力電流の調整範囲における調光信号Sdの大きさの最大値は2V(PWM信号Spwmのオンデューティ:100%)とし、第1の所定値を1.1V(オンデューティ:10%)とし、最小値を1V(オンデューティ:1%)とする。
図4において、第1の出力電流調整範囲は、出力電流IoがI4〜I1の範囲である。
第2の電流設定回路6がオン状態であるとき(電流設定制御信号Scがハイレベルであるとき)、出力電流Ioは、この第1の出力電流調整範囲で出力される。このとき、調光信号Sdが2Vから1Vに向かって直線的に下げられると、ラインADのように、出力電流IoはI4からI1に減少する。
ここで、点B1に示されるように、調光信号Sdが第1の所定値である1.1Vになり、出力電流がI3になると、調光情報制御部20から出力される制御信号設定情報Sbを変更する制御が行われ、第2の電流設定回路6がオフ状態に切り替えられる(電流設定制御信号Scをハイレベルからローレベルに切り替える。)。すなわち、出力電流がI3となる点B1において、第2の電流設定回路6がオフ状態となり、出力電流Ioの調整範囲が第2の出力電流調整範囲に移行する。
このように第2の電流設定回路6をオフ状態とするとき、調光情報制御部20は、調光信号Sdを2V(上限値)に切り替える。これにより、出力電流Ioが、第2の出力電流調整範囲の最大値であるI3となる(点B1→点B2→点C)。すなわち、第1の出力電流調整範囲の第1の所定値10%に対応する電流値I3は、第2の出力電流調整範囲の最大電流値I3に対応している。
このように出力電流Ioの出力電流調整範囲が第2の出力電流調整範囲に切り替えられた後、調光信号Sdを2Vから1Vに下げることで、ラインCDに示されるように、出力電流IoをI3からI1に緩やかに減少させる制御を行うことができる。すなわち、調光が深い領域(暗い領域)において、より細かく調光制御を行うことができる。
ここで、出力電流Ioの出力電流調整範囲を切り替えるとき、調光情報制御部20は、第1制御方法による制御と第2制御方法による制御とのいずれか一方を行う。すなわち、調光制御部3は、出力電流Ioの調整範囲の切替えが行われるとき、切替え後に調光信号Sdが所定の目標値(切替え後の電圧値)に到達するまでの間に、第1制御方法による第1の制御及び第2制御方法による第2の制御の少なくともいずれか一方を実行する。ここで、第1制御方法は、調光信号Sdの電圧値を決定するために生成されるPWM信号Spwmのレベルをハイレベル又はローレベルに固定するものである。また、第2制御方法は、所定のサイクルで第2の電流設定回路6のオン/オフ動作を繰り返すものである。なお、LED駆動装置1は、第1の制御と第2の制御とのいずれか一方のみしか行わないように構成されていてもよいし、第1の制御と第2の制御との2通りの制御を切り替えて実行することができるように構成されていてもよいし、第1の制御と第2の制御とを同時に実行することができるように構成されていてもよい。
減光時には、出力電流Ioの調整範囲は、第1の出力電流調整範囲から第2の出力電流調整範囲に切り替えられる。第1制御方法による第1の制御においては、PWM信号Spwmのレベルは、ハイレベルに固定される。
図5は、減光時の調光情報制御部20の第1制御方法による動作例を説明する図である。
図5においては、上段の符号(a)で示されるタイミングチャートが、第1制御方法や第2制御方法による制御を行わない場合の動作例を示し、下段の符号(b)で示されるタイミングチャートが本実施の形態において第1の制御を行う場合の動作例を示す。
まず、図5(a)について説明する。時刻t1に、調光信号Sdが第1の所定値である1.1Vに達する(図4における点B1)。そうすると、その時点で、電流設定制御信号Scがローレベルに切り替えられ、第2の電流設定回路6がオフ状態となる。また、PWM信号Spwmのオンデューティが、第1の所定値である10%から、最大値である100%に切り替えられる。
このように時刻t1にPWM信号Spwmのオンデューティが10%から100%に切り替えられると、それと同時に、信号変換回路27は、調光信号Sdを1.1Vから2V(最大値)に向けて増加させる。
このとき、出力電流Ioは、I2に向けて一旦減少し、調光信号Sdが増加するのに伴って上昇に転じる。そして、調光信号Sdが2V(最大値)になるのと同時に、I3に至る(時刻t2)。
このような動作においては、時刻t1から時刻t2までの時間taの間、PWM信号Spwmのオンデューティは固定されない。このとき、調光信号Sdが2Vになるまで時間がかかる。
次に、第1制御方法の制御が行われる図5(b)について説明する。上述と同様に、時刻t1において、調光信号Sdが第1の所定値である1.1Vに達すると、PWM信号Spwmのオンデューティが10%からハイレベル(100%)に切り替えられ、電流設定制御信号Scがローレベルに切り替えられる。
また、このとき、信号変換回路27は、PWM信号Spwmのオンデューティが10%からハイレベル(100%)に切り替わったことを受け、切替えと同じタイミングで、調光信号Sdを1.1Vから2V(最大値)に向けて増加させる。
ここで、第1制御方法では、調光信号Sdが2V(最大値)に到達するまでの時間、PWM信号Spwmのオンデューティが、ハイレベルに固定される。
そうすると、出力電流Ioは、時刻t1からI2に向けて一旦減少した後、調光信号Sdが増加するにしたがって増加する。そして、調光信号Sdが2Vになるのと同時に、I3に至る(時刻t3)。時刻t1から調光信号Sdが2Vになるまでには、上述の時間taより短い時間tbを要する。
調光信号Sdが2Vに達した時点(t3)において、PWM信号Spwmのオンデューティを第2の所定値に設定する。第2の所定値は、図4における点Cの値に相当する。第2の所定値は、例えば、第2の出力電流調整範囲の最大値である、100%である。
図6は、減光時の調光情報制御部20の第1制御方法による動作例を示すフローチャートである。
以上のような調光情報制御部20による動作をフローチャートを用いて説明すると、次のようである。図6に示される処理は、LEDモジュール10の駆動中において、繰り返し行われる。
すなわち、処理が開始されると、ステップS31において、情報判断部21は、調光指示信号Sadが調光指示に相当するものであるか否かを監視する。すなわち、情報判断部21は、PWM信号Spwmのオンデューティが、調光指示信号Sadの目標値であるか否かを確認する。
ステップS31でオンデューティが目標値でないとき、ステップS32の処理が行われる。すなわち、情報判断部21は、電流設定制御信号Scの切替え(第2の電流設定回路6の切替え)が必要であるか否かを判断する。切替えが不要な場合は、第1設定情報生成部22の処理であるステップS37に進む。切替えが必要な場合は、第2設定情報生成部23の処理であるステップS33に進む。
ステップS33において、第2設定情報生成部22は、PWM信号Spwmをハイレベルに固定する。
ステップS34において、第2設定情報生成部22は、電流設定制御信号Scをハイレベルからローレベルに切り替える。これにより、第2の電流設定回路6がオフ状態に切り替えられる。
このような動作が行われた後、ステップS35において、第2設定情報生成部22は、調光信号Sdが2Vに達するまで待機する。調光信号Sdが2Vに達すると、次のステップS36の処理が行われる。
ステップS36において、第2設定情報生成部22は、PWM信号Spwmのオンデューティを、第2の所定値に設定する。これにより、減光時の出力電流Ioの出力電流調整範囲の切替え時の動作が完了する。
なお、ステップS37においては、PWM信号Spwmのオンデューティが目標値になるように、第1設定情報生成部22で、PWM信号Spwmのオンデューティを減少させる制御が行われる。これにより、同一の出力電流調整範囲のままで、減光が行われる。
このように、第1の所定値に達した時点において、ステップS32においてYESとなるが、それ以外のときは、ステップS37の処理が繰り返して行われる。すなわち、図3において、点Aから点B1に向かう経路と、点Cから点Dに向かう経路とにおいては、第1設定情報生成部22の処理が行われる。図3において点B1から点B2を経由し点Cに向かう経路においては、第2設定情報生成部23の処理が行われる。
なお、ステップS35においてPWM信号Spwmをハイレベルに固定する期間は、所定の時間(第1の所定時間の一例)に設定されていてもよい。調光信号Sdが2Vに達するか否かにかかわらず、所定の時間が経過したことをもって、ステップS36の処理が行われるようにしてもよい。この所定の時間は、ユーザがLEDモジュール10から発せられる光にちらつきを感じない程度の最長の時間になるように設定されていればよい。
図7は、減光時の調光情報制御部20の第2制御方法による動作例を説明する図である。
図7においては、上段の符号(a)で示されるタイミングチャートが、上述の図5(a)と同様の、第1制御方法や第2制御方法による制御を行わない場合の動作例を示し、下段の符号(b)で示されるタイミングチャートが、本実施の形態における第2の制御の動作例を示す。図7(a)は、図5(a)と同様であるので、その説明を省略する。
図7(b)を参照して、第2制御方法の制御が行われる場合について説明する。時刻t1において、調光信号Sdが第1の所定値である1.1Vに達する(図4における点B1)。そうすると、電流設定制御信号Scがローレベルに切り替えられる。また、PWM信号Spwmのオンデューティが、10%から、第3の所定値に切り替えられる。
また、このとき、信号変換回路27は、PWM信号Spwmのオンデューティが切り替わったことを受け、それと同時に、調光信号Sdを1.1Vから第3の所定値に向けて増加させる。
ここで、第2制御方法では、所定のサイクルで第2の電流設定回路6のオン/オフ動作を繰り返す。すなわち、時刻t1から所定時間後、電流設定制御信号Scがハイレベルに切り替えられ、さらに所定時間後、電流設定制御信号Scがローレベルに切り替えられる。この所定時間としては、PWM信号Spwmの周期より短い時間が設定されている。このような電流設定制御信号Scの切替え動作は、時刻t4まで繰り返し行われる。
このような動作が行われると、出力電流Ioは、時刻t1からI2に向けて一旦減少した後、電流設定制御信号Scが切り替わると同時に、増加に転じる。すなわち、出力電流Ioは、電流設定制御信号Scの切り替わりに連動して増減を繰り返しながら、徐々に大きくなってI3に収束に向かう。そして、調光信号Sdが2Vになるのと同時に、I3に至る(時刻t4)。時刻t1から調光信号Sdが2Vになるまでには、上述の時間taより短い時間tcを要する。
なお、第3の所定値は、例えば100%(2V)にすればよいが、第1制御方法と異なり、これに限定されない。
図8は、減光時の調光情報制御部20の第2制御方法による動作例を示すフローチャートである。
以上のような調光情報制御部20による動作をフローチャートを用いて説明すると、次のようである。図8に示される処理は、LEDモジュール10の駆動中において、繰り返し行われる。
処理が開始されると、ステップS41及びステップS42の処理が行われる。これらの処理は、上述の図6に示されるステップS31及びステップS32の処理と同様であるので、ここでの説明を省略する。また、ステップS42で電流設定制御信号Scの切替えが必要でない場合において第1設定情報生成部22が行うステップS50の処理も、上述のステップS37の処理と同様であるので、ここでの説明を省略する。
ステップS42において、電流設定制御信号Scの切替えが必要な場合は、第2設定情報生成部23の処理であるステップS43の処理が行われる。
ステップS43において、第2設定情報生成部23は、PWM信号Spwmのオンデューティを第3の所定値に変更する。
また、ステップS44において、第2の電流設定回路6のオン/オフ動作の繰り返し制御を開始する。すなわち、第2設定情報生成部23は、電流設定制御信号Scをハイレベルからローレベルに切り替える。これにより、第2の電流設定回路6がオフ状態に切り替えられる。
ステップS45において、電流設定制御信号Scの切替えを行ってから所定時間が経過するまで待機する。
ステップS46において、第2設定情報生成部23は、電流設定制御信号Scをローレベルからハイレベルに切り替える。これにより、第2の電流設定回路6がオン状態に切り替えられる。
ステップS47において、電流設定制御信号Scの切替えを行ってから所定時間が経過するまで待機する。
ステップS48において、第2設定情報生成部23は、所定回数の切替えを行ったか否かを判断する。第2設定情報生成部23は、所定回数の切替えを行ったと判断されるまで、ステップS44からステップS47の処理を繰り返して行う。所定回数の切替えを行ったと判断されたとき、ステップS49の処理に進む。
なお、ステップS48においては、所定回数の切替えを行ったか否かの判断に代えて、所定のタイミングから所定時間が経過したかの判断を行うようにしてもよい。所定のタイミングとしては、例えば、PWM信号Spwmのオンデューティを第3の所定値に変更した時や、所定のサイクルでの電流設定制御信号Scの切替えを開始した時を設定すればよい。この切替えを繰り返す回数(第3の所定時間の一例)や期間の長さ(第3の所定時間の一例)は、第2制御方法による制御を行いながら調光信号Sdが上昇するのに通常かかる時間に応じて適宜設定すればよい。また、ユーザがLEDモジュール10から発せられる光にちらつきを感じない程度の最長の時間になるように、切替えを繰り返す回数や切り替えの期間の長さが設定されていてもよい。
ステップS49において、第2設定情報生成部23は、電流設定制御信号Scをハイレベルからローレベルに切り替える。これにより、第2の電流設定回路6がオフ状態に切り替えられる。これにより、減光時の出力電流Ioの出力電流調整範囲の切替え時の動作が完了する。
第2制御方法においても、上述と同様に、第1の所定値に達した時点においてステップS42においてYESとなるが、それ以外のときは、ステップS50の処理が繰り返して行われる。すなわち、図3において、点Aから点B1に向かう経路と、点Cから点Dに向かう経路とにおいては、第1設定情報生成部22の処理が行われる。図3において点B1から点B2を経由し点Cに向かう経路においては、第2設定情報生成部23の処理が行われる。
以上説明したように、調光を減少させる場合、出力電流Ioの調整範囲が第1の出力電流調整範囲から第2の出力電流調整範囲に移行され、調光信号Sdに対する出力電流Ioの調整範囲及び変化特性が切り替えられる。したがって、以下の効果が得られる。
まず、第1の出力電流調整範囲におけるPWM信号Spwmのオンデューティが第1の所定値以下となる深い調光範囲において、出力電流Ioの調整範囲が第2の出力電流調整範囲に切り替えられる。したがって、第2の出力電流調整範囲において調光制御を行う場合には、第1の出力電流調整範囲において調光制御を行う場合に比べて、調光の微調整(緩やかに調光を下げていくこと)を行うことができる。すなわち、明るさが暗い所定の範囲において、LEDモジュール10の照度を従来よりも緩やかに低くしていくことができる。これにより、例えば、照明器具の用途では、LEDモジュール10の照度を、ちらつきなく安定的に微調整することができる。さらに、LEDモジュール10を用いて照明を行うことで、より効果的なフェード・アウト効果を演出できる。
ここで、信号変換回路27では積分回路等が用いられているため、出力電流Ioの調整範囲が切り替えられるときには、比較的長い遅延時間が発生する。すなわち、上述のような第1制御方法や第2制御方法による制御を行わない場合には、調整範囲の切替えが行われてから、信号変換回路の遅延時間とPWM信号Spwmのオンデューティで決定される時間taが経過した後に、調光信号Sdの値がPWM信号Spwmに対応するようになる。この時間taが長くなるほど、出力電流Ioのアンダーシュートが大きくなり、ユーザがLEDモジュール10から発せられる光にちらつきを感じやすくなる。
このような問題に対し、本実施の形態において、第1制御方法による制御が行われることで、上述の時間taが、それより短い時間tbまで短縮される。したがって、出力電流Ioのアンダーシュートを抑制することができ、ユーザがちらつきを感じにくくなる。
また、第2制御方法による制御が行われることで、出力電流Ioを電流設定制御信号Scに追従させる制御を行うことができる。これにより、上述の時間taが、それより短い時間tcまで短縮される。したがって、出力電流Ioのアンダーシュートを抑制することができ、ユーザがちらつきを感じにくくなる。なお、このとき時間tcより十分短い所定のサイクルで出力電流Ioを増減させるので、ユーザがLEDモジュール10から発せられる光にちらつきを感じることはない。
[調光制御の具体例の説明(増光する(明るくする)場合)]
次に、増光時の動作について説明する。
調光制御部3は、出力電流Ioの調整範囲が例えば第2の出力電流調整範囲である場合において、より明るくなるように調光を行うとき、次のように動作する。すなわち、調光信号Sdの大きさを調光範囲の下限値から上限値まで増加させて、調光信号SdのもととなるPWM信号Spwmのオンデューティが上限値に達したときに、調光信号Sdの大きさを第4の所定値に切り替え、第2の電流設定回路6の動作状態をオン状態にする。これにより、出力電流Ioの調整範囲を第1の出力電流調整範囲に移行させる。
図9は、増光時の出力電流Ioと調光信号Sdの大きさとの関係を示す。
本例でも、上述と同様に、出力電流の調整範囲における調光信号Sdの大きさの最大値を2V(PWM信号Spwmのオンデューティ:100%)とし、第4の所定値を1.1V(オンデューティ:10%)とし、最小値を1V(オンデューティ:1%)とする。
図9において、第2の出力電流調整範囲は、出力電流IoがI1〜I3の範囲である。
第2の電流設定回路6がオフ状態であるとき(電流設定制御信号Scがローレベルであるとき)、出力電流Ioは、この第2の出力電流調整範囲で出力される。このとき、調光信号Sdが1Vから2Vに向かって直線的に上げられると、ラインDCのように、出力電流IoはI1からI3に増加する(点D→C)。
ここで、調光信号Sdが2Vに達した時点において、調光情報制御部20は、調光信号Sdを第4の所定値である1.1Vに設定する(点C→B2)。すなわち、出力電流がI3となる点Cにおいて、調光信号Sdが第4の所定値に設定される。
また、調光情報制御部20は、第2の電流設定回路6をオン状態とする。すなわち、調光情報制御部20から出力される制御信号設定情報Sbを変更する制御が行われ、第2の電流設定回路6がオン状態に切り替えられる。これにより、出力電流Ioの調整範囲が第1の出力電流調整範囲に移行し、出力電流Ioが、I2からI3に切り替わる(点B2→B1)。
このように第1の出力電流調整範囲に移行した後、調光信号Sdが1.1Vから2Vに直線的に上げられると、ラインB1Aのように、出力電流Ioを、I3からI4に増加させることができる。
ここで、増光時においても、出力電流Ioの出力電流調整範囲を切り替えるとき、調光情報制御部20は、第1制御方法による第1の制御と第2制御方法による第2の制御とのいずれか一方を行う。
増光時には、出力電流Ioの調整範囲は、第2の出力電流調整範囲から第1の出力電流調整範囲に切り替えられる。第1の制御が行われる場合には、PWM信号Spwmのレベルがローレベルに固定される。
図10は、増光時の調光情報制御部20の第1制御方法による動作例を説明する図である。
図10においては、上段の符号(a)で示されるタイミングチャートが、第1制御方法や第2制御方法による制御を行わない場合の動作例を示し、下段の符号(b)で示されるタイミングチャートが本実施の形態において第1の制御を行う場合の動作例を示す。
まず、図10(a)について説明する。時刻t1aに、調光信号Sdが最大値である2Vに達する(図9における点C)。そうすると、その時点で、電流設定制御信号Scがハイレベルに切り替えられ、第2の電流設定回路6がオン状態となる。また、PWM信号Spwmのオンデューティが、最大値である100%から、第4の所定値に対応する10%に切り替えられる。
このように時刻t1aにPWM信号Spwmのオンデューティが100%から10%に切り替えられると、それと同時に、信号変換回路27は、調光信号Sdを2Vから1.1Vに向けて減少させる。
このとき、出力電流Ioは、I4に向けて一旦増加し、調光信号Sdが減少するのに伴って減少に転じる。そして、調光信号Sdが1.1V(第4の所定値)になるのと同時に、I3に至る(時刻t2a)。
このような動作においては、時刻t1aから時刻t2aまでの時間tdの間、PWM信号Spwmのオンデューティは固定されない。そのため、調光信号Sdが1.1Vになるまで時間がかかる。
次に、第1制御方法の制御が行われる図10(b)について説明する。上述と同様に、時刻t1aにおいて、調光信号Sdが最大値である2Vに達すると、PWM信号Spwmのオンデューティが100%からローレベル(0%)に切り替えられ、電流設定制御信号Scがハイレベルに切り替えられる。
このとき、信号変換回路27は、PWM信号Spwmのオンデューティが100%からローレベルに切り替わったことを受け、切替えと同じタイミングで、調光信号Sdを2Vから0V(最小値)に向けて減少させる。
第1制御方法では、調光信号Sdが1.1V(第4の所定値)に到達するまでの時間、PWM信号Spwmのオンデューティが、ローレベルに固定される。
そうすると、出力電流Ioは、時刻t1aから、I4に向けて一旦増加した後、調光信号Sdが減少するにしたがって減少する。そして、調光信号Sdが1.1Vになるのと同時に、I3に至る(時刻t3a)。時刻t1aから調光信号Sdが1.1Vになるまでには、上述の時間tdより短い時間teを要する。
調光信号Sdが1.1Vに達した時点(t3a)において、PWM信号Spwmのオンデューティを第4の所定値に対応する値に設定する。この値は、図4における点Cの値に相当し、10%である。
図11は、増光時の調光情報制御部20の第1制御方法による動作例を示すフローチャートである。
以上のような調光情報制御部20による動作をフローチャートを用いて説明すると、次のようである。図11に示される処理は、LEDモジュール10の駆動中において、繰り返し行われる。
すなわち、処理が開始されると、ステップS61において、情報判断部21は、調光指示信号Sadが調光指示に相当するものであるか否かを監視する。すなわち、情報判断部21は、PWM信号Spwmのオンデューティが、調光指示信号Sadの目標値であるか否かを確認する。
ステップS61でオンデューティが目標値でないとき、ステップS62の処理が行われる。すなわち、情報判断部21は、電流設定制御信号Scの切替え(第2の電流設定回路6の切替え)が必要であるか否かを判断する。切替えが不要な場合は、第1設定情報生成部22の処理であるステップS67に進む。切替えが必要な場合は、第2設定情報生成部23の処理であるステップS63に進む。
ステップS63において、第2設定情報生成部22は、PWM信号Spwmをローレベルに固定する。
ステップS64において、第2設定情報生成部22は、電流設定制御信号Scをローレベルからハイレベルに切り替える。これにより、第2の電流設定回路6がオン状態に切り替えられる。
このような動作が行われた後、ステップS65において、第2設定情報生成部22は、調光信号Sdが1.1Vになるまで待機する。調光信号Sdが1.1Vに達すると、次のステップS66の処理が行われる。
ステップS66において、第2設定情報生成部22は、PWM信号Spwmのオンデューティを、第4の所定値に設定する。これにより、増光時の出力電流Ioの出力電流調整範囲の切替え時の動作が完了する。
なお、ステップS67においては、PWM信号Spwmのオンデューティが目標値になるように、第1設定情報生成部22で、PWM信号Spwmのオンデューティを増加させる制御が行われる。これにより、同一の出力電流調整範囲のままで、増光が行われる。
このように、第2の電流設定回路がオフ状態であるとき、調光信号Sdが最大値に達した時点において、ステップS62においてYESとなるが、それ以外のときは、ステップS67の処理が繰り返し行われる。すなわち、図9において、点Dから点Cに向かう経路と、点B1から点Aに向かう経路とにおいては、第1設定情報生成部22の処理が行われる。図9において点Cから点B2を経由し点B1に向かう経路においては、第2設定情報生成部23の処理が行われる。
なお、ステップS65においてPWM信号Spwmをローレベルに固定する期間は、所定の時間(第2の所定時間の一例)に設定されていてもよい。調光信号Sdが1.1Vになるか否かにかかわらず、所定の時間が経過したことをもって、ステップS66の処理が行われるようにしてもよい。この所定の時間は、ユーザがLEDモジュール10から発せられる光にちらつきを感じない程度の最長の時間が設定されていればよい。
図12は、増光時の調光情報制御部20の第2制御方法による動作例を説明する図である。
図12においては、上段の符号(a)で示されるタイミングチャートが、上述の図10(a)と同様の、第1制御方法や第2制御方法による制御を行わない場合の動作例を示し、下段の符号(b)で示されるタイミングチャートが、本実施の形態において第2の制御を行う場合の動作例を示す。図12(a)は、図10(a)と同様であるので、その説明を省略する。
図12(b)を参照して、第2制御方法の制御が行われる場合について説明する。時刻t1aに、調光信号Sdが最大値である2Vに達する(図9における点C)。そうすると、電流設定制御信号Scがハイレベルに切り替えられる。また、PWM信号Spwmのオンデューティが、100%から、第5の所定値すなわち10%に切り替えられる。
また、このとき、信号変換回路27は、PWM信号Spwmのオンデューティが切り替わったことを受け、それと同時に、調光信号Sdを2Vから1.1Vに向けて減少させる。
ここで、第2制御方法では、所定のサイクルで第2の電流設定回路6のオン/オフ動作を繰り返す。すなわち、電流設定制御信号Scがハイレベルとなった時刻t1aから所定時間後、電流設定制御信号Scがローレベルに切り替えられ、さらに所定時間後、電流設定制御信号Scがハイレベルに切り替えられる。この所定時間としては、PWM信号Spwmの周期より短い時間が設定されている。このような電流設定制御信号Scの切替え動作は、時刻t4aまで繰り返し行われる。
このような動作が行われると、出力電流Ioは、時刻t1aからI4に向けて一旦増加した後、電流設定制御信号Scが切り替わると同時に、減少に転じる。すなわち、出力電流Ioは、電流設定制御信号Scの切り替わりに連動して増減を繰り返しながら、徐々に小さくなってI3に収束に向かう。そして、調光信号Sdが1.1Vになるのと同時に、I3に至る(時刻t4a)。時刻t1aから調光信号Sdが1.1Vになるまでには、上述の時間tdより短い時間tfを要する。
なお、第5の所定値は、例えば10%(1.1V)にすればよいが、これに限定されない。
図13は、増光時の調光情報制御部20の第2制御方法による動作例を示すフローチャートである。
以上のような調光情報制御部20による動作をフローチャートを用いて説明すると、次のようである。図13に示される処理は、LEDモジュール10の駆動中において、繰り返し行われる。
処理が開始されると、ステップS71及びステップS72の処理が行われる。これらの処理は、上述の図11に示されるステップS61及びステップS62の処理と同様であるので、ここでの説明を省略する。また、ステップS72で電流設定制御信号Scの切替えが必要でない場合において第1設定情報生成部22が行うステップS80の処理も、上述のステップS67の処理と同様であるので、ここでの説明を省略する。
ステップS72において、電流設定制御信号Scの切替えが必要な場合は、第2設定情報生成部23の処理であるステップS73の処理が行われる。
ステップS73において、第2設定情報生成部23は、PWM信号Spwmのオンデューティを第5の所定値に変更する。
また、ステップS74において、第2の電流設定回路6のオン/オフ動作の繰り返し制御を開始する。すなわち、第2設定情報生成部23は、電流設定制御信号Scをローレベルからハイレベルに切り替える。これにより、第2の電流設定回路6がオン状態に切り替えられる。
ステップS75において、電流設定制御信号Scの切替えを行ってから所定時間が経過するまで待機する。
ステップS76において、第2設定情報生成部23は、電流設定制御信号Scをハイレベルからローレベルに切り替える。これにより、第2の電流設定回路6がオフ状態に切り替えられる。
ステップS77において、電流設定制御信号Scの切替えを行ってから所定時間が経過するまで待機する。
ステップS78において、第2設定情報生成部23は、所定回数の切替えを行ったか否かを判断する。第2設定情報生成部23は、所定回数の切替えを行ったと判断されるまで、ステップS74からステップS77の処理を繰り返して行う。所定回数の切替えを行ったと判断されたとき、ステップS79の処理に進む。
なお、ステップS78においては、所定回数の切替えを行ったか否かの判断に代えて、所定のタイミングから所定時間が経過したかの判断を行うようにしてもよい。所定のタイミングとしては、例えば、PWM信号Spwmのオンデューティを第5の所定値に変更した時や、所定のサイクルでの電流設定制御信号Scの切替えを開始した時を設定すればよい。この切替えを繰り返す回数(第4の所定時間の一例)や期間の長さ(第4の所定時間の一例)は、第2制御方法による制御を行いながら調光信号Sdが所定値まで減少するのに通常かかる時間に応じて適宜設定すればよい。また、ユーザがLEDモジュール10から発せられる光にちらつきを感じない程度の最長の時間になるように、切替えを繰り返す回数や切り替えの期間の長さが設定されていてもよい。
ステップS79において、第2設定情報生成部23は、電流設定制御信号Scをローレベルからハイレベルに切り替える。これにより、第2の電流設定回路6がオン状態に切り替えられる。これにより、増光時の出力電流Ioの出力電流調整範囲の切替え時の動作が完了する。
第2制御方法においても、上述と同様に、第2の電流設定回路がオフ状態であるとき、調光信号Sdが最大値に達した時点においてステップS72においてYESとなるが、それ以外のときは、ステップS80の処理が繰り返して行われる。すなわち、図9において、点Dから点Cに向かう経路と、点B1から点Aに向かう経路とにおいては、第1設定情報生成部22の処理が行われる。図9において点Cから点B2を経由し点B1に向かう経路においては、第2設定情報生成部23の処理が行われる。
このように、増光する場合には、出力電流Ioの調整範囲を第2の出力電流調整範囲から第1の出力電流調整範囲に移行して、調光信号Sdに対する出力電流Ioの調整範囲及び変化特性を切り替えられるので、以下の効果が得られる。
すなわち、第1の出力電流調整範囲におけるPWM信号Spwmのオンデューティが第4の所定値以下の深い調光範囲においては、出力電流Ioの調整範囲が第2の出力電流調整範囲に設定されている。したがって、第1の出力電流調整範囲において調光制御を行う場合に比べて、調光の微調整(緩やかに調光を上げていくこと)を行うことができる。すなわち、比較的暗い状態(例えば、消灯状態)から所定の明るさになるまで、LEDモジュール10の照度を従来よりも緩やかに高くしていくことができる。これにより、例えば、照明器具の用途では、効果的なフェード・イン効果を演出できる。
ここで、信号変換回路27では積分回路等が用いられているため、増光時においても、上述のような第1制御方法や第2制御方法による制御を行わない場合には、調整範囲の切替えが行われてから、信号変換回路の遅延時間とPWM信号Spwmのオンデューティで決定される時間tdがかかる。この時間tdが長くなるほど、出力電流Ioのオーバーシュートが大きくなり、ユーザがLEDモジュール10から発せられる光にちらつきを感じやすくなる。
このような問題に対し、本実施の形態において、第1制御方法による制御が行われることで、上述の時間tdが、それより短い時間teまで短縮される。したがって、出力電流Ioのオーバーシュートを抑制することができ、ユーザがちらつきを感じにくくなる。
また、第2制御方法による制御が行われることで、出力電流Ioを電流設定制御信号Scに追従させる制御を行うことができる。これにより、上述の時間tdが、それより短い時間tfまで短縮される。したがって、出力電流Ioのオーバーシュートを抑制することができ、ユーザがちらつきを感じにくくなる。なお、このとき時間tfより十分短い所定のサイクルで出力電流Ioを増減させるので、ユーザがLEDモジュール10から発せられる光にちらつきを感じることはない。
[その他]
第2の電流設定回路の回路構成は、上記の実施の形態のものに限定されない。例えば、第2の電流設定回路が備える抵抗素子とスイッチ素子とからなる直列回路の個数は、1つ又は2つに限定されず、それ以上であってもよい。また、第2の電流設定回路が備えるスイッチ素子は、バイポーラトランジスタに限定されず、例えばFETなどであってもよい。
LED駆動装置の各回路は、上述の実施の形態とは異なる回路素子を用いて構成されていてもよい。例えば、降圧型コンバータ回路部の回路構成は、上述の実施の形態に限定されない。調光制御部は、マイクロコンピュータに限定されない。電源の構成及び駆動回路部の構成は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、AC電源とAC−DCコンバータとが組み合わせられて用いられていてもよい。LED駆動装置には、上述のような回路に加えて、別の回路が設けられていてもよい。
LEDモジュールの構成は、上述のものに限られない。
PWM信号(調光信号)の調光範囲の上限値、所定値、下限値は、本実施の形態の値に限定されるものではない。すなわち、上記実施の形態において示されている値は、あくまで、説明のための具体例にすぎず、適当な値を適宜設定することができる。
本発明に係るLED駆動装置は、空間を照らす照明器具に用いられるものに限られない。例えば、本発明に係るLED駆動装置は、種々の装置のバックライトとして用いられる照明器具に用いられてもよい。また、本発明は、LEDを利用して特定用途の光線を照射するような器具や、LEDによる光そのものにより情報を表示、伝達するような器具など、種々の装置において適用可能である。
上述の実施の形態において調光制御部などが行う処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記の実施の形態で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。