JP6063472B2 - 骨髄増殖性新生物形成および慢性骨髄性白血病を含む、トランスデューシンβ様タンパク質1(TBL1)活性に関連する疾患および障害の処置のための方法 - Google Patents

骨髄増殖性新生物形成および慢性骨髄性白血病を含む、トランスデューシンβ様タンパク質1(TBL1)活性に関連する疾患および障害の処置のための方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、骨髄増殖性新生物形成、慢性骨髄性白血病、および急性骨髄性白血病を含む、トランスデューシンβ様タンパク質1(TBL1)活性に関連する疾患および障害を調節するための治療法およびその使用の分野に関連する。
発明の背景
癌は、米国で2番目に主要な死亡原因である。癌は、新たな療法の開発に対して複雑な課題を提示する。癌は、腫瘍塊の増殖および転移特性をもたらす一連の遺伝子変化を受けている悪性細胞の異常な増殖を特徴とする。
トランスデューシンβ様タンパク質1(TBL1)ファミリーのタンパク質は、コレギュレーター交換因子として作用することにより、転写アクチベーターに関与することが示されている。TBL1ファミリーは、TBL1X、TBL1Y、およびTBLR1タンパク質から構成される。これらのタンパク質は、SMRT-核受容体/コリプレッサー(N-CoR)複合体の構成要素であり、それらは複合体上のコリプレッサーおよびコアクチベーターを交換するように作用する。SMRTおよびNCoRは、多くの異なる核受容体による転写抑制に関与する大きなコリプレッサータンパク質である。TBL1ファミリーのタンパク質は、NCoR/SMRTと共に可逆的な複合体を形成し、核受容体のための転写アクチベーターとして作用する。
ベータ-カテニン(β-カテニン)は、接着結合(AJ)を構成するタンパク質の複合体の一部である。AJは、細胞増殖および細胞間の接着を制御することにより、上皮細胞層の生成および維持に必要である。β-カテニンはまた、アクチン細胞骨格を固定し、ひとたび上皮シートが完全になると細胞に分裂を停止させる接触阻害シグナルを伝達することを担う可能性がある。
Wnt/β-カテニン経路は、癌において役割を果たすことが示されている。最近の研究により、TBL1はβ-カテニンに結合でき、複合体をWnt応答性プロモーターに動員して特異的な転写プログラムを活性化できることが、示されている。標的遺伝子を活発に転写するためにβ-カテニンにTBL1が必要とされることもまた、示されている。さらに、TBL1は、β-カテニンをユビキチン化(ある特定の酵素による翻訳後修飾)および分解から保護するようである。しかしながら、TBL1とβ-カテニンとの間の相互作用の機構は、未知である。
異常なβ-カテニンシグナル伝達が、腫瘍形成において重要な役割を果たす。特に、結腸直腸癌は、β-カテニン経路中に80%より多い変異を有し、制御されない発癌性シグナル伝達をもたらすことが、推定されている。異常なβ-カテニンシグナル伝達は、黒色腫、乳癌、肺癌、肝癌、胃癌、骨髄腫、および急性骨髄性白血病(AML)を含む種々の癌タイプに関与することが、示されている。さらに、異常なWnt/β-カテニンシグナル伝達は、骨粗鬆症、骨関節症、多嚢胞性腎疾患、糖尿病、統合失調症、血管疾患、心臓疾患、過剰増殖性障害、および神経変性疾患を含む、多数の他の障害において見出されている。骨髄増殖性新生物形成(MPN)は、身体の血液細胞を産生する骨髄細胞が異常に発生しかつ機能する、血液学的悪性腫瘍の密接に関連した群である。3種の主な骨髄増殖性新生物形成は、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、および原発性骨髄線維症(PMF)である。JAK2中の遺伝子変異が、大部分のPV患者、ならびに、ET患者およびPMF患者の50%に存在する。βカテニン経路は、多くの場合にMPNにおいて活性化され、これらの細胞の生存に必要とされる。
慢性骨髄性白血病は、骨髄における主として骨髄性細胞の増大しかつ制御されていない増殖、ならびに、9番染色体の一部および22番染色体の一部が切れて場所を交換し、bcr-abl融合遺伝子を形成する「フィラデルフィア染色体」を含有するこれらの細胞の血液中の蓄積を特徴とする、白血病の形態である。CMLは、CML細胞増殖に必要とされるβカテニン経路を含むいくつかの他の発癌性経路の活性化を有する。
従って、β-カテニン経路に関連する障害および疾患の処置、診断、および予防のための、Wnt/β-カテニン経路を中断することができる作用物質、およびこの経路の制御解除された活性を阻害することができる作用物質が必要である。
本発明は、トランスデューシンβ様タンパク質1(TBL1)が疾患関連分子に結合することを阻害する作用物質の治療的有効量を投与する段階により、疾患または障害を処置するための方法を提供する。特に、提供される方法および組成物は、β-カテニンシグナル伝達経路障害の処置、診断、および/または予防に関連する。
別の好ましい態様において、β-カテニン関連障害は、骨髄増殖性新生物形成(MPN)、慢性骨髄性白血病(CML)、および急性骨髄背白血病(AML)を含む。
最も好ましい態様において、提供される作用物質は以下の構造:
Figure 0006063472
またはその薬学的に許容される塩を有する。この作用物質は、本出願を通して化合物1と呼ばれる。
好ましい態様において、TBL1は、トランスデューシン(β)様1X結合(TBL1X)、トランスデューシン(β)様1Y結合(TBL1Y)、およびトランスデューシン(β)様R1結合TBLR1タンパク質からなる群より選択される。
1つの態様において、アクチベーターはβ-カテニンである。
別の態様において、アクチベーターはβ-カテニン関連タンパク質である。
別の態様において、提供される作用物質は、チロシンキナーゼ阻害剤(ニロチニブを含むがこれに限定されない)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(パノビノスタットを含むがこれに限定されない)、他の抗癌剤、および他の治療剤を含むがこれらに限定されない他の治療剤と組み合わせて用いることができる。
[本発明1001]
TBL1とコアクチベーター分子との相互作用を妨害する作用物質の治療的有効量を、それを必要とする患者に投与する段階を含む、障害を処置および/または予防する方法。
[本発明1002]
前記障害が癌である、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記癌が骨髄増殖性新生物形成を含む、本発明1002の方法。
[本発明1004]
前記癌が慢性骨髄性白血病を含む、本発明1002の方法。
[本発明1005]
前記癌が急性骨髄性白血病を含む、本発明1002の方法。
[本発明1006]
前記コアクチベーター分子がβ-カテニンである、本発明1001の方法。
[本発明1007]
前記作用物質が以下の構造:
Figure 0006063472
またはその薬学的に許容される塩を有する、本発明1001の方法。
[本発明1008]
JAK2キナーゼ、BCR-ABLキナーゼ、またはヒストンデアセチラーゼを阻害する作用物質と組み合わせた、TBL1とコアクチベーター分子との相互作用を妨害する作用物質の治療的有効量を、それを必要とする患者に投与する段階を含む、障害を処置および/または予防する方法。
[本発明1009]
前記作用物質が以下の構造:
Figure 0006063472
またはその薬学的に許容される塩を有する、本発明1008の方法。
[本発明1010]
前記TBL1が、トランスデューシン(β)様1X結合(TBL1X)、トランスデューシン(β)様1Y結合(TBL1Y)、およびトランスデューシン(β)様R1結合TBLR1タンパク質からなる群より選択される、本発明1009の方法。
アポトーシスを誘導する、MPN細胞に対する化合物1自体のおよびTG101209との組み合わせでの活性を示す棒グラフである。 アポトーシスを誘導する、MPN細胞に対する化合物1自体のおよびTG101209との組み合わせでの活性を示す棒グラフである。 アポトーシスを誘導する、MPN細胞に対する化合物1自体のおよびTG101209との組み合わせでの活性を示す棒グラフである。 図2は、アポトーシスを誘導する、患者から単離された初代MPN細胞に対する化合物1自体のおよびTG101209との組み合わせでの活性を示す棒グラフである。 図3Aおよび図3Bは、アポトーシスを誘導する、CML細胞に対する化合物1の活性を実証する表である。 図4A〜図4Cは、アポトーシスを誘導する、CML細胞に対する化合物1の他の作用物質との組み合わせでの活性を示す棒グラフである。 図5Aは、CD34+初代AML細胞、CD34+初代FLT3-ITD AML細胞;およびCD34+正常AML細胞の一連の写真である。図5Bは、対照条件における、および化合物1の投与の16時間後の、CD34+FLT3-ITD初代AML細胞の一連の写真である。図5Cは、AML細胞に対する化合物1の投与の効果を示すウェスタンブロットの写真である。 図6Aは、初代AML細胞におけるβ-カテニンのTBL1への結合に対する化合物1の投与の効果を実証するウェスタンブロットの写真である。図6Bは、化合物1の事前の投与を伴うかおよび伴わない、染色したAML細胞の一連の写真である。図6Cは、AML細胞におけるβ-カテニンのTBL1への結合に対する化合物1の投与の効果を実証するウェスタンブロットの写真である。 図7Aは、様々な量の化合物1でのAML細胞の処置に対するTOP-FLASHおよびFOP-FLASHルシフェラーゼ活性の棒グラフを示す。図7Bは、AML細胞を化合物1で処置する効果のchIP(クロマチン免疫沈降)解析の結果の棒グラフを含む。図7Cは、β-カテニン、c-MYC、サイクリンD1、およびp21(対照)のレベルに対する、100 nMの化合物1をAML細胞に投与する効果の棒グラフを含む。 図8Aは、種々の量の化合物1で処置した、CD34+初代FLT3-WT AML細胞、CD34+初代FLT3-ITD AML細胞、およびCD34+正常細胞における生育不能細胞の割合(%)を示す棒グラフである。 図8Bは、種々の量の化合物1で処置したCD34+CD38-Lin-初代AML細胞における生育不能細胞の割合(%)を示す棒グラフである。 図8Cは、OCI-AML3を移植したNSGマウスの生存に対する化合物1での処置の効果を実証するグラフである。 図8Dは、初代FLT3-ITD AML3を移植したNSGマウスの生存に対する化合物1での処置の効果を実証するグラフである。
発明の詳細な説明
定義
別の方法で記載されない限り、以下の定義が使用される。
「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下で本発明の化合物または本発明の化合物の活性部分になる、本発明の化合物の単量体および二量体を含むがこれらに限定されない化合物を指す。
「活性部分」という用語は、インビボで薬学的に活性を有する化合物を、そのような化合物が本発明の化合物であろうとなかろうと、指す。
「対象」という用語は、ヒトを含む哺乳動物を含む。「患者」という用語および「対象」という用語は、互換的に使用される。
「骨髄増殖性新生物形成」または「MPN」という用語は、身体の血液細胞を産生する骨髄細胞が異常に発生および機能する、血液学的悪性腫瘍の密接に関連した群を指す。3種の主な骨髄増殖性新生物形成は、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、および原発性骨髄線維症である。
「慢性骨髄性白血病」または「CML」という用語は、白血球の癌を指す。これは、骨髄における主として骨髄性細胞の増大しかつ制御されていない増殖と、9番染色体の一部および22番染色体の一部が切れて場所を交換し、bcr-abl融合遺伝子を形成する「フィラデルフィア染色体」を含有するこれらの細胞の血液中の蓄積とを特徴とする、白血病の形態である。
「急性骨髄性白血病」または「AML」という用語は、血液および骨髄の癌を指す。
「TG101209」という用語は、経口で生物学的に利用できる低分子の、いくつかのチロシンキナーゼに対するATP競合的阻害剤である、JAK2阻害剤を指す。この化合物はまた、N-tert-ブチル-3-[[5-メチル-2-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリノ]ピリミジン-4-イル]アミノ]ベンゼンスルホンアミドとしても公知である。
「治療的有効量」という用語は、疾患または障害を処置するために対象に投与する際、疾患または障害にそのような処置をもたらすのに十分である、化合物の量を意味する。「治療的有効量」は、化合物、処置されるべき障害および障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全身の健康、性別、および食餌;投与の時間、投与の経路、および使用される特定の化合物の排出率;処置の持続時間;使用される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に用いられる薬物;ならびに医学的技術において周知である同様の要因を含む、様々な要因に応じて変動し得る。例えば、望ましい治療効果を達成するために必要とされるよりも低いレベルの化合物の用量で開始すること、および望ましい効果が達成されるまで投薬量を徐々に増加させることは、十分に当技術分野の範囲内である。
1つの態様において、「処置すること」または「処置」という用語は、疾患または障害を改善すること(すなわち、疾患またはその臨床症候の少なくとも1つの発症を停止させることまたは低減させること)を指す。別の態様において、「処置すること」または「処置」とは、対象により認められない場合もある少なくとも1つの物理学的パラメータを改善することを指す。さらに別の態様において、「処置すること」または「処置」とは、物理学的に(例えば認められる症候の安定化)、生理学的に(例えば物理学的パラメータの安定化)のいずれかまたは両方で、疾患または障害を調節することを指す。さらに別の態様において、「処置すること」または「処置」とは、疾患または障害の開始を遅延させること、またはさらにそれらを予防することを指す。
「薬学的に許容される塩」という句は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、ヒトおよび下等動物の組織と接触する使用に適しており、かつ妥当な有益性/危険性の比と釣り合う塩を意味する。薬学的に許容される塩は、当技術分野において周知である。例えば、S. M. Bergeらが、J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66: 1において薬学的に許容される塩を詳細に記載しており、以下を参照されたい。
薬学的に許容される塩は、酸付加塩を含むが、これに限定されない。例えば、窒素原子が、酸と共に塩を形成してもよい。代表的な酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、二グルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イソチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩を含むが、これらに限定されない。また、塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピル、およびブチル塩化物、臭化物、およびヨウ化物などの低級アルキルハロゲン化物;ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミル硫酸塩などのジアルキル硫酸塩;デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリル塩化物、臭化物、およびヨウ化物などの長鎖ハロゲン化物;ベンジルおよびフェネチル臭化物などのアリールアルキルハロゲン化物、ならびに他のもののような作用物質と四級化され得る。水または油に可溶性または分散性の産物が、それにより得られる。薬学的に許容される酸付加塩を形成するために使用することができる酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、およびクエン酸などの有機酸を含む。
薬学的に許容される塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム塩などのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属に基づく陽イオン、ならびに、とりわけアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、およびエチルアンモニウムを含む非毒性四級アンモニアおよびアミン陽イオンを含むが、これらに限定されない。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンは、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどを含む。
発明の説明
本発明は、トランスデューシンβ様タンパク質1(TBL1)が疾患関連分子に結合することを阻害する作用物質の治療的有効量を投与することにより、疾患または障害を処置するための方法を提供する。特に、提供される方法および組成物は、骨髄増殖性新生物形成(MPN)、慢性骨髄性白血病(CML)、および急性骨髄性白血病(AML)におけるβ-カテニンシグナル伝達経路障害の処置、診断、および/または予防に関連する。
1つの局面において、本発明は、トランスデューシンβ様タンパク質1(TBL1)タンパク質に結合し、それによりβ-カテニンの結合を予防する作用物質の治療的有効量を必要とする患者に投与する段階を含む、β-カテニン関連障害を処置および/または予防する方法に向けられる。
最も好ましい態様において、提供される作用物質は以下の構造:
Figure 0006063472
またはその薬学的に許容される塩を有する。この化合物は、本出願を通して「化合物1」と呼ばれる。
別の好ましい態様において、β-カテニン関連障害は、MPN、CML、およびAMLを含むがこれらに限定されない癌を含む。
好ましい態様において、TBL1は、トランスデューシン(β)様1X結合(TBL1X)、トランスデューシン(β)様1Y結合(TBL1Y)、およびトランスデューシン(β)様R1結合TBLR1タンパク質からなる群より選択される。
化合物1は元来、β-カテニン遺伝子の転写活性化を阻害するその能力について細胞ベースのスクリーニングにおいて同定された。この化合物の特徴決定により、化合物がβ-カテニンの分解を誘導することができ、転写活性化複合体に干渉することができ、かつ核受容体シグナル伝達経路調節物質の特徴を有するという発見がもたらされた。化合物1は、TBL1と相互作用し、β-カテニンがTBL1と会合することを予防し、かつβカテニン分解をもたらす。
化合物1のこの活性は、癌細胞においてβカテニン経路を阻害し、かつそれらの細胞にアポトーシスを起こさせることが見出された。具体的には、CML患者に由来する細胞株ならびにMPN患者に由来する細胞株および初代細胞が、化合物1の存在下でアポトーシスおよび増殖阻害を受ける。さらに、化合物1の活性は、これらの疾患において治療的に重要なシグナル伝達経路(JAK2、BCR-ABL、およびHDACなど)に影響を及ぼす化合物と相乗的であり、疾患を有する個体においてこれらの疾患を改善するためにこれらの作用物質と組み合わせて用いることができる。
従って、いくつかの態様において、提供される作用物質は、チロシンキナーゼ阻害剤(ニロチニブを含むがこれに限定されない)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(パノビノスタットを含むがこれに限定されない)、他の抗癌剤、および他の治療剤を含むがこれらに限定されない他の治療剤と組み合わせて用いることができる。
本発明の化合物のうちの1つの治療的有効量を上記または他の処置中で用いる際、純粋形態において、またはそのような形態が存在する場合、薬学的に許容される塩、エステル、もしくはプロドラッグ形態において使用することができる。あるいは、化合物を、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて関心対象の化合物を含有する薬学的組成物として投与することができる。
ヒトまたは下等動物に投与される本発明の化合物の総一日用量は、約0.0001〜約1000 mg/kg/日にわたってもよい。望ましい場合、有効一日用量を、投与の目的で複数用量に分割することができ;従って、単一用量組成物は、一日用量を作り上げるような量またはその約数を含有してもよい。
本発明のより明白な理解のために、詳細を下記に提供する。これらは単に例証に過ぎず、決して本発明の範囲を限定するとして理解されるべきではない。実際、本明細書において示されかつ記載されるものに加えて本発明の種々の修飾物が、以下の実施例および前述の説明から当業者に明らかになるであろう。そのような修飾物もまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。
実施例1
アポトーシスを誘導する、MPN細胞に対する化合物1の活性
簡潔に言うと、細胞株HEL 92.1.7(図1Aおよび図1C)ならびにUKE1(図1Bおよび図1D)を、10%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシンを含有する培地中に播種した。24時間後、細胞を、1)化合物1;または2)TG101209と組み合わせた化合物1のいずれかで48時間処置した。処置の終わりに、細胞を1×PBSで洗浄し、アネキシンVおよびTOPRO3ヨウ化物で染色した。アポトーシス細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリーにより測定した。
図1A〜図1Dが実証するように、化合物1(図の説明文においてBC2059と呼ばれる)は、HEL 92.1.7およびUKE1両方の細胞のアポトーシスを誘導した。これらのアポトーシス誘導効果は、TG101209により増強された。
実施例2
アポトーシスを誘導する、患者から単離された初代MPN細胞に対する化合物1の他の作用物質との組み合わせでの活性
簡潔に言うと、MPN患者の骨髄から単離されたCD34+細胞を、10%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシンを含有する培地中に播種した。24時間後、細胞を、化合物1でまたはTG101209と組み合わせた化合物1で48時間処置した。処置の終わりに、細胞を1×PBSで洗浄し、アネキシンVおよびTOPRO3ヨウ化物で染色した。アポトーシス細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリーにより測定した。併用指数(CI)を、Chou-Talalayの方法(Adv. Enzyme Regul. 22, 27-55)を用いて測定した。
図2は、この実験の結果を示す棒グラフである。見られるように、100 nMまたはそれより上の化合物1(図の説明文においてBC2059と呼ばれる)は、CD34+ MPN細胞のアポトーシスを誘導した。TG101209の添加は、この効果を増強した。
実施例3
アポトーシスを誘導する、CML細胞に対する化合物1の活性
簡潔に言うと、細胞株K562(ヒト不死化骨髄性白血病株)およびLAMA-84(ヒトリンパ球細胞株)を、10%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシンを含有する培地中に播種した。24時間後、細胞を、化合物1で48時間処置した。処置の終わりに、細胞を1×PBSで洗浄し、アネキシンVおよびTOPRO3ヨウ化物で染色した。アポトーシス細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリーにより測定した。
図3Aおよび図3Bは、この実験の結果を実証する表である。見られるように、化合物1での処置は、細胞周期のG0/G1期でアポトーシス細胞の数を増加させたが、細胞周期のS期またはG2/M期では有意な効果を有さなかった。
実施例4
アポトーシスを誘導する、CML細胞に対する化合物1の他の作用物質との組み合わせでの活性
簡潔に言うと、細胞株K562およびLAMA-84を、10%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシンを含有する培地中に播種した。24時間後、化合物1を1)単独で;または2)パノビノスタットおよびニロチニブとの組み合わせでのいずれかで、細胞を48時間処置した。処置の終わりに、細胞を1×PBSで洗浄し、アネキシンVおよびTOPRO3ヨウ化物で染色した。アポトーシス細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリーにより測定した。
図4A〜図4Cは、この実験の結果を実証する棒グラフである。これらの図が示すように、化合物1での処置は、K562およびLAMA-84両方の細胞株においてアポトーシス細胞の数を増加させた。パノビノスタットおよびニロチニブは、化合物1の効果を増強した。
実施例5
ヒトMPNのマウスモデルにおける化合物1の活性。本発明者らは化合物1のインビボ抗MPN活性を測定した。
簡潔に言うと、NOD-SCIDマウスに亜致死的に放射線照射し、HEL 92.1.7細胞を尾静脈中に注入して、MPNを確立した。マウスを、尾静脈を介して3週間、b.i.w投与した15または20 mg/Kgの化合物1で処置した。投薬を停止した後に、動物を生存について追跡した。対照と比較した際、化合物1で処置したマウスは、有意に改善された生存を実証した(p<001)。
実施例6
AML細胞におけるβ-カテニンの発現および核局在化に対する化合物1の効果
この実験の目的は、AML細胞におけるβ-カテニンの発現および核局在化に対する化合物1の効果を解析することであった。
簡潔に言うと、CD34+初代AML細胞、CD34+初代FLT3-ITD AML細胞、およびCD34+正常細胞を、抗β-カテニン抗体およびDAPI核酸染色で染色した。これらの染色の写真をまた、マージした。染色した細胞の写真を、図5Aに含める。これらの写真が示すように、両方のタイプのAML細胞において多くのβ-カテニンが発現しており、β-カテニンはこれらの細胞の核に濃縮されている。
図5Bは、CD34+初代FLT3-ITD AML細胞を100 nMの化合物1で16時間処置した結果を実証する。見られるように、対照細胞(すなわち、化合物1で処置していない)と比較した際、この処置は、AML細胞においてβ-カテニンの発現および核局在化の枯渇をもたらす。
図5Cは、化合物1での処置がAML細胞においてβ-カテニンの発現および核局在化の枯渇をもたらすことをさらに実証するウェスタンブロットの写真である。見られるように、100 nMの化合物1で処置したAML細胞は、より少ないβ-カテニンを発現したが、ほぼ同じレベルのTBL1、c-MYC、サバイビン、およびβ-アクチンを発現した。
実施例7
AML細胞におけるβ-カテニンのTBL1への結合に対する化合物1の効果
この実験の目的は、AML細胞におけるβ-カテニンのTBL1への結合に対する化合物1の効果を解析することであった。
図6Aは、100 nMの化合物1で8時間処置した後に、初代AML細胞中により少ないβ-カテニンが存在することを実証するウェスタンブロットの写真である。
図6Bは、化合物1の事前の投与を伴う場合および伴わない場合の、染色したAML細胞の一連の写真である。上のパネルは、対照細胞(化合物1の事前の投与を伴わない)を示し、下のパネルは、100 nMの化合物1の投与後16時間のAML細胞を示す。細胞を、抗β-カテニン抗体、抗TBL1抗体、およびDAPI核酸染色で染色した。TBL1および抗β-カテニン染色の写真をまた、マージした。見られるように、化合物1の投与は、β-カテニンのレベルを枯渇させ、β-カテニンのTBL1への結合を大幅に妨害した。特に右上の写真と右下の写真とを比較されたい。
図6Cは、化合物1のAML細胞への投与が、β-カテニンのプロテアソーム分解をもたらすことを実証するウェスタンブロットの写真である。見られるように、無処置のAML細胞と比較した際に、100 nMの化合物1で8時間処置したAML細胞中にはより少ないβ-カテニンが存在する。しかしながら、10 nMのカーフィルゾミブ(CZ)(プロテアソーム阻害剤)を同じAML細胞に投与すると、β-カテニンの量が増加した。
実施例8
AML細胞における標的遺伝子プロモーターおよび転写でのβ-カテニンに対する化合物1の効果
この実験の目的は、AML細胞における標的遺伝子プロモーターおよび転写でのβ-カテニンに対する化合物1の効果を解析することであった。
図7Aは、様々な量の化合物1でのAML細胞の処置に対するTOP-FLASHおよびFOP-FLASHルシフェラーゼ活性の棒グラフを示す。
TOP-FLASHは、チミジンキナーゼ(TK)最小プロモーターおよびルシフェラーゼオープンリーディングフレームの上流に3コピーのTCF結合部位(野生型)の2セット(2番目のセットは逆向き)を含有するトランスフェクショングレードT細胞因子(TCF)レポータープラスミドである。
FOP-FLASHは、変異したTCF結合部位を含有するレポータープラスミドであり、陰性対照である。
図7Aが実証するように、20 nM、50 nM、および100 nMの化合物1での処置は、このルシフェラーゼアッセイにより測定した際にβ-カテニンのはるかに低い発現を結果としてもたらした。FOP-FLASH(陰性対照)において、低減は無かった。これらの結果により、化合物1でのAMC細胞の処置は、β-カテニンの発現の低減を結果としてもたらすことが示される。
図7Bは、AML細胞を化合物1で処置する効果のchIP(クロマチン免疫沈降)解析の結果の棒グラフを含む。図7Bが示すように、AML細胞の200 nMの化合物1での8時間の処置は、サバイビン、CCND1、およびc-MYCのプロモーターDNAの量の低減を結果としてもたらした。
図7Cは、β-カテニン、c-MYC、サイクリンD1、およびp21(対照)のレベルに対する、100 nMの化合物1をAML細胞に投与する効果の棒グラフを含む。
図7が実証するように、100 nMの化合物1での処置は、β-カテニン、c-MYC、およびサイクリンD1のより低い発現、ならびにp21のはるかに高い発現を結果としてもたらした。
実施例9
インビトロアポトーシスおよび初代AML細胞を移植したNSGマウスの生存に対する化合物1の効果
この実験の目的は、インビトロアポトーシスおよび初代AML細胞を移植したNSGマウスの生存に対する化合物1の効果を解析することであった。
図8Aは、種々の量の化合物1で処置した、CD34+初代FLT3-WT AML細胞、CD34+初代FLT3-ITD AML細胞、およびCD34+正常細胞における生育不能細胞の割合(%)を示す棒グラフである。図8Aが実証するように、化合物1は、両方のタイプのAML細胞においてインビトロアポトーシスを有意に誘導した。
図8Bは、種々の量の化合物1で処置したCD34+CD38-Lin-初代AML細胞における生育不能細胞の割合(%)を示す棒グラフである。図8Bが実証するように、化合物1は、AML細胞においてインビトロアポトーシスを有意に誘導した。
OCI-AML3異種移植細胞により確立されたAMLを有するNOD-SCID-IL2γ受容体欠損(NSG)マウスにおける、化合物1での3週間の週2回の尾静脈注入の処置は、対照マウスと比較した際に改善された生存を結果としてもたらした。図8Cは、この実験の結果を実証するグラフを含む。5 mg/kgの化合物1および10 mg/kgの化合物1の処置の両方は、改善された生存を結果としてもたらし、10 mg/kg用量がより有効であった。
非常に類似した結果が、初代FLT3-ITD AML異種移植を有するNSGマウスにおいて得られた。図8Dに示されるように、10 mg/kgの化合物1での処置(3週間、週2回の静脈内注入)は、対照マウスと比較した際に生存率(%)の劇的な増大を結果としてもたらした。
これらの結果は、化合物1が初代AML細胞を移植したNSGマウスの生存を有意に改善することを強く示唆する。

Claims (7)

  1. 以下の式:
    Figure 0006063472
    またはその薬学的に許容される塩を有する、作用物質の治療的有効量を含む、骨髄増殖性新生物形成、慢性骨髄性白血病、および急性骨髄性白血病から選択される障害を処置および/または予防するための薬学的組成物。
  2. 前記障害が骨髄増殖性新生物形成である、請求項1記載の薬学的組成物。
  3. 前記障害が慢性骨髄性白血病である、請求項記載の薬学的組成物。
  4. 前記障害が急性骨髄性白血病である、請求項記載の薬学的組成物。
  5. AK2キナーゼ阻害する作用物質と組み合わせ投与のために製剤化される、請求項1記載の薬学的組成物。
  6. BCR−ABLキナーゼを阻害する作用物質と組み合わせた投与のために製剤化される、請求項1記載の薬学的組成物
  7. ヒストンデアセチラーゼを阻害する作用物質と組み合わせた投与のために製剤化される、請求項1記載の薬学的組成物
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