JP6063256B2 - 鋳型の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳型の製造方法に関する。
一般に、酸硬化性自硬性鋳型は、ケイ砂等の耐火性粒子に、酸硬化性樹脂を含有する鋳型造型用粘結剤組成物と、スルホン酸、硫酸、リン酸等を含有する硬化剤組成物とを添加し、これらを混練した後、得られた混練砂を木型等の原型に充填し、酸硬化性樹脂を硬化させて製造される。酸硬化性樹脂には、フラン樹脂やフェノール樹脂等が用いられており、フラン樹脂には、フルフリルアルコール、フルフリルアルコール・尿素ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、その他公知の変性フラン樹脂等が用いられている。得られた鋳型は、機械鋳物部品や建設機械部品あるいは自動車用部品等の鋳物を鋳造する際に使用される。
鋳型の造型、あるいは鋳型を用いて所望の鋳物を鋳造する上で、重要な項目として鋳型の強度を向上させること及び鋳型の硬化速度を向上させることが挙げられる。鋳型の硬化速度を上げると、原型から鋳型を抜型するまでに要する時間(抜型時間)を短くすることができ、鋳型の生産性を上げることができる。
また、もう一つの重要な項目として鋳造時の作業環境の改善が挙げられる。酸硬化性自硬性鋳型には硬化剤として有機スルホン酸、硫酸等などの硫黄原子を含有する酸が使用されるため、特に鋳造時における二酸化硫黄等のSOxやその他成分の熱分解ガスが作業環境を悪化させる恐れがある。従って、SOxの発生を抑制することが望まれている。また、塩酸や塩酸の塩を使用した場合、鋳型造型時や鋳造時に塩酸が発生し作業環境を悪化させるおそれがある。
作業環境を改善する方法として、特許文献1には、ケイ砂に、石炭酸樹脂(フェノールレジン)の微粉、または常温硬化性のフラン樹脂かフェノール樹脂等の有機化合物系の粘結剤を混合してなる鋳物砂に、無水炭酸ナトリウムを所要の割合で混合してなることを特徴とする鋳物砂が開示されている。
また、特許文献2では、フラン樹脂と、特定量の周期律表第2、4、7、10、11及び13族の元素よりなる群から選ばれる1種以上の金属元素を含む金属化合物とを含有する鋳型造型用粘結剤組成物が刺激性ガスの発生を抑制することを開示している。
特開平8−57575号公報 特開2011−212746号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、鋳造時の刺激性ガスを低下させるために多量の炭酸ナトリウムを添加しており、硫酸等の酸性硬化剤を用いた場合、金属塩と酸性硬化剤が反応し酸性硬化剤を不活性にするため、硬化速度が低下する。特許文献2では、多価金属塩が粘結剤組成物に含有されているため、硬化速度を低下させる可能性がある。
本発明は、硬化剤組成物に硫酸を用いた場合に、硬化速度を維持又は向上させ、SOx発生量を低減させることができる鋳型の製造方法を提供する。
本発明の鋳型の製造方法は、耐火性粒子、硬化剤組成物及び粘結剤組成物を混合し、鋳型用組成物を得る混合工程を有する鋳型の製造方法であって、前記硬化剤組成物が硫酸を含有し、前記混合工程で炭酸ナトリウムを添加し、前記炭酸ナトリウムに対する前記硫酸のモル比が0.5以上、4.0以下である鋳型の製造方法である。
本発明によれば、硬化剤組成物に硫酸を用いた場合に、硬化速度を維持又は向上させ、SOx発生量を低減させることができる鋳型の製造方法を提供することができる。
本発明の実施例及び比較例におけるSOx発生量と硬化速度の関係を示すグラフ
本実施形態の鋳型の製造方法は、耐火性粒子、硬化剤組成物及び粘結剤組成物を混合し、鋳型用組成物を得る混合工程を有する鋳型の製造方法であって、前記硬化剤組成物が硫酸を含有し、前記混合工程で炭酸ナトリウムを添加し、前記炭酸ナトリウムに対する前記硫酸のモル比が0.5以上、4.0以下である鋳型の製造方法である。本実施形態の鋳型の製造方法によれば、モル比が0.5以上、4.0以下である鋳型の製造方法であることに特徴を有し、硬化剤組成物が硫酸を含有していた場合に、硬化速度を維持又は向上させ、SOx発生量を低減させることができるという効果を奏する。このような効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。
耐火性粒子、硬化剤組成物及び粘結剤組成物が混合された際、硫酸に対して特定の比である炭酸ナトリウムが添加されると、炭酸ナトリウムと酸性硬化剤中の硫酸が徐々に反応して、硫酸ナトリウムを形成する。硫酸ナトリウムは水と水和物を形成するので、硬化阻害を起こす水分を吸収し、樹脂の脱水縮合を加速する。従って、酸硬化反応において塩基性成分である炭酸ナトリウムが添加されているのにもかかわらず、硬化速度が維持又は向上できる。更に、このように形成された硫酸ナトリウムは、硫酸よりも熱分解温度が高いため、鋳造時の熱による熱分解が抑制され、SOxの発生が低減されると推測される。
以下、本実施形態の鋳型の製造方法について説明する。
〔混合工程〕
混合工程は、耐火性粒子、硬化剤組成物、粘結剤組成物及び炭酸ナトリウムを混合する工程である。硬化速度を維持又は向上させる観点から、炭酸ナトリウムを予め硬化剤組成物又は粘結剤組成物と混合せずに炭酸ナトリウムを混合することが好ましい。
耐火性粒子、硬化剤組成物、粘結剤組成物及び炭酸ナトリウムを混合する順序は以下に示すような(a)〜(j)の場合があり、本実施形態では何れも行うことが出来る。
(a)耐火性粒子、硬化剤組成物、粘結剤組成物及び炭酸ナトリウムを同時に混合する。
(b)耐火性粒子、硬化剤組成物及び粘結剤組成物を混合した後、炭酸ナトリウムを混合する。
(c)耐火性粒子、硬化剤組成物及び炭酸ナトリウムを混合した後、粘結剤組成物を混合する。
(d)耐火性粒子、粘結剤組成物及び炭酸ナトリウムを混合した後、硬化剤組成物を混合する。
(e)耐火性粒子及び硬化剤組成物を混合した後、粘結剤組成物及び炭酸ナトリウムを同時に混合する。
(f)耐火性粒子及び硬化剤組成物を混合した後、粘結剤組成物を混合し、次に炭酸ナトリウムを混合する。
(g)耐火性粒子及び硬化剤組成物を混合した後、炭酸ナトリウムを混合し、次に粘結剤組成物を混合する。
(h)耐火性粒子及び粘結剤組成物を混合した後、硬化剤組成物及び炭酸ナトリウムを同時に混合する。
(i)耐火性粒子及び粘結剤組成物を混合した後、硬化剤組成物を混合し、次に炭酸ナトリウムを混合する。
(j)耐火性粒子及び粘結剤組成物を混合した後、炭酸ナトリウムを混合し、次に硬化剤組成物を混合する。
本実施形態では、炭酸ナトリウムを単独で添加する限り、前記(a)〜(j)の方法を行うことが出来る。硬化速度を維持又は向上させ、SOxを低減する観点から、硬化剤組成物と粘結剤組成物とを混合してから炭酸ナトリウムを添加せずに、硬化剤組成物及び粘結剤組成物が混合された時には炭酸ナトリウムが添加されていることが好ましく、前記(c)、(d)、(e)、(g)、(h)、(j)の方法が好ましい。硬化速度を維持又は向上させ、SOxを低減する観点から、硬化剤組成物が耐火性粒子に均一に混合されていることがより好ましく、前記(c)、(e)、(g)の方法がより好ましく、更に、炭酸ナトリウムが添加される前に硬化剤組成物が耐火性粒子に均一に混合されていることが好ましく、前記(e)、(g)の方法が更に好ましく、生産性を高める観点から(e)の方法が更に好ましく、粘結剤組成物を混合する際にのみ、前記炭酸ナトリウムを添加する方法がより更に好ましい。
<耐火性粒子>
耐火性粒子としては、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用でき、また、使用済みの耐火性粒子を回収したものや再生処理したものなども使用できる。
<硬化剤組成物>
硬化剤組成物は、本実施形態の粘結剤組成物を硬化させる硬化剤である。硬化剤組成物は硫酸を含む。硫酸は取り扱い性の観点から水溶液であることが好ましい。硫酸の含有量は、硬化剤組成物中に、硬化速度向上の観点から、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、更に好ましくは10質量%以上であり、SOx低減の観点から、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下である。硬化剤組成物中の水分量は、硬化剤組成物の粘度を低減する観点から、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましく、硬化速度の向上の観点から80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。他の成分としては、キシレンスルホン酸、特に、m−キシレンスルホン酸及びトルエンスルホン酸、特に、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸系化合物、リン酸系化合物等が挙げられる。これらの化合物は、取り扱い性の観点から水溶液であることが好ましい。更に、硬化剤中にアルコール類、エーテルアルコール類及びエステル類よりなる群から選ばれる1種以上の溶剤や、カルボン酸類を含有させることができる。
<粘結剤組成物>
粘結剤組成物は、耐火性粒子を接着させる役割を持つ酸硬化性樹脂を含有する。
<酸硬化性樹脂>
酸硬化性樹脂としては、従来公知の樹脂が使用でき、例えば、フラン樹脂やフェノール樹脂などの自硬性の樹脂が使用できるが、鋳型強度発現による鋳型生産性向上および植物由来原料による環境負荷低減の観点から、フラン樹脂が好ましい。フラン樹脂としては、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物、フルフリルアルコールとアルデヒド類との縮合物、フルフリルアルコールと尿素との縮合物、フルフリルアルコールとフェノール類とアルデヒド類との縮合物、フルフリルアルコールとメラミンとアルデヒド類との縮合物、およびフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類との縮合物よりなる群から選ばれる1種以上、または前記群から選ばれる2種以上からなる共縮合物が使用できる。このうち、鋳物砂との硬化反応を円滑に進行させ、鋳型の硬化速度と鋳型強度を向上させる観点から、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールとアルデヒド類との縮合物、フルフリルアルコールと尿素との縮合物、およびフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類との縮合物から選ばれる1種以上、並びにこれらの共縮合物を使用するのが好ましく、フルフリルアルコール及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物を使用することが好ましい。なかでも、後記するアルデヒド類としてホルムアルデヒドを選択する場合、フルフリルアルコール及びフルフリルアルコールと尿素とホルムアルデヒドの縮合物(フルフリルアルコール尿素ホルムアルデヒド樹脂)から選ばれる1種以上がより好ましい。
前記アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザール、フルフラール、テレフタルアルデヒドなどが挙げられ、これらのうち1種以上を適宜使用できる。鋳型の最終強度を向上させる観点から、ホルムアルデヒドが好ましく、造型時のホルムアルデヒド発生量低減の観点から、フルフラールやテレフタルアルデヒドが好ましい。
前記フェノール類としては、フェノール、クレゾール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールFなどが挙げられ、これらのうち1種以上を使用できる。
フルフリルアルコールとアルデヒド類との縮合物を製造する場合には、鋳型強度を向上させる観点からフルフリルアルコール1モルに対して、アルデヒド類を0.01モル以上、1モル以下使用することが好ましい。フルフリルアルコールと尿素との縮合物を製造する場合には、上記と同様の観点から、フルフリルアルコール1モルに対して、尿素を0.05モル以上、0.5モル以下使用することが好ましい。フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類との縮合物を製造する場合には、上記と同様の観点から、フルフリルアルコール1モルに対して、尿素を0.05モル以上、0.5モル以下使用し、且つアルデヒド類を0.1モル以上、1.5モル以下使用することが好ましい。
また、酸硬化性樹脂が、尿素およびホルムアルデヒドを含む原料から合成されている場合は、鋳型の硬化速度および鋳型強度を向上させる観点から、酸硬化性樹脂を合成する際のホルムアルデヒドと尿素との配合比が、モル比で、ホルムアルデヒド/尿素=1.5以上、4.0以下であることが好ましく、1.7以上、4.0以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る粘結剤組成物における酸硬化性樹脂の含有量は、鋳型強度を向上させる観点から、10質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましく、50質量%以上がより更に好ましく、60質量%以上がより更に好ましい。本実施形態に係る粘結剤組成物における酸硬化性樹脂の含有量は、同様の観点から、98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましい。
フルフリルアルコールは、単独で配合するものに加えて、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物などを合成する際の残存モノマーも含む。粘度を適切な値に調節することによるハンドリング性の観点から、粘結剤組成物中にフルフリルアルコールを10質量%以上含有することが好ましく、25質量%以上含有することがより好ましく、40質量%以上含有することが更に好ましく、50質量%以上含有することがより更に好ましく、60質量%以上含有することがより更に好ましい。同様の観点から、粘結剤組成物中にフルフリルアルコールを98質量%以下含有することが好ましく、95質量%以下含有することがより好ましく、90質量%以下含有することが更に好ましく80質量%以下含有することがより更に好ましい。
<尿素>
本実施形態に係る粘結剤組成物は、鋳型強度を向上し、ホルムアルデヒド濃度を低減させる観点から、尿素を含んでもよい。
本実施形態に係る粘結剤組成物中の尿素とは、ホルムアルデヒドやフルフリルアルコール等と縮合反応していない尿素であり、未反応分として残存したものでも、別途添加されたものでも何れでも良い。本実施形態では、硬化速度を向上させ、鋳型強度を向上し、ホルムアルデヒド濃度を低減させる観点から、粘結剤組成物中に尿素を0.5質量%以上含有することが好ましく、1.0質量%以上含有することがより好ましく、1.5質量%以上含有することが更に好ましい。本実施形態では、硬化速度を向上させ、鋳型強度を向上し、ホルムアルデヒド濃度を低減させる観点から、粘結剤組成物中に尿素を10質量%以下含有することが好ましく、6.0質量%以下含有することがより好ましく4.5質量%以下含有することが更に好ましい。
尚、粘結剤組成物中の尿素は、以下のようなLC/MS分析操作により測定することができる。サンプルの調製は、アセトン/水=50/50の混合溶液で100倍希釈し、さらに移動相で100倍希釈した。
<LC/MS分析条件>
カラム:Unison UK−Amino HT
移動相:0.1% TFA アセトニトリル/水=95/5
流量:0.2mL/min
カラム温度:40℃
MS:SIM m/z:61.0 [M+H]+
<硬化促進剤>
本実施形態の粘結剤組成物中には、硬化速度を向上させる観点及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、硬化促進剤が含まれていてもよい。なお、硬化促進剤は、粘結剤組成物中に含まれるものに加えて、鋳型用組成物に別添加してもよい。硬化促進剤としては、硬化速度を向上させ、鋳型の最終強度を向上させる観点から、下記一般式(1)で表される化合物(以下、硬化促進剤(1)という)、多価フェノール類、芳香族ジアルデヒド、及び5−ヒドロキシメチルフルフラールからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。

〔式中、X及びXは、それぞれ水素原子、CH又はCの何れかを表す。〕
粘結剤組成物中の硬化促進剤の含有量は、硬化速度を向上させる観点及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、0.5質量%以上であることが好ましく、1.8質量%以上であることがより好ましく、3.0質量%以上であることが更に好ましく、5.0質量%以上であることがより更に好ましい。粘結剤組成物中の硬化促進剤の含有量は、硬化促進剤のフラン樹脂への溶解性の観点及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、63質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが更に好ましく、30質量%以下であることがより更に好ましい。
硬化促進剤(1)としては、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)フラン、2,5−ビス(メトキシメチル)フラン、2,5−ビス(エトキシメチル)フラン、2−ヒドロキシメチル−5−メトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−エトキシメチルフラン、2−メトキシメチル−5−エトキシメチルフランが挙げられる。なかでも、鋳型の最終強度を向上させる観点から、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)フランを使用するのが好ましい。
多価フェノール類としては、例えばレゾルシン、クレゾール、ヒドロキノン、フロログルシノール、メチレンビスフェノール等が挙げられる。なかでも、鋳型の硬化速度を向上させる観点から、レゾルシンが好ましい。
芳香族ジアルデヒドとしては、テレフタルアルデヒド、フタルアルデヒド及びイソフタルアルデヒド等、並びにそれらの誘導体等が挙げられる。
<水分>
本実施形態の粘結剤組成物中には、更に水分が含まれてもよい。例えば、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物などの各種縮合物を合成する場合、水溶液状の原料を使用したり縮合水が生成したりするため、縮合物は、通常、水分との混合物の形態で得られるが、このような縮合物を粘結剤組成物に使用するにあたり、合成過程に由来するこれらの水分をあえて除去する必要はない。また、粘結剤組成物を取扱いやすい粘度に調整する目的などで、水分をさらに添加してもよい。ただし、水分が過剰になると、酸硬化性樹脂の硬化反応が阻害されるおそれがある。粘結剤組成物中の水分含有量は、鋳型の可とう性を向上させる観点及び鋳型の最終強度を向上させる観点から20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、2.0質量%以下がより更に好ましい。
<その他の添加剤>
また、粘結剤組成物中には、更にシランカップリング剤等の添加剤が含まれていてもよい。例えば、粘結剤組成物中にシランカップリング剤が含まれていると、得られる鋳型の最終強度をより向上させることができるため好ましい。シランカップリング剤としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランや、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシランなどが用いられる。好ましくは、アミノシラン、エポキシシラン、ウレイドシランである。より好ましくはアミノシラン、エポキシシランであり、更に好ましくはアミノシランである。アミノシランの中でも、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。シランカップリング剤の粘結剤組成物中の含有量は、鋳型の最終強度を向上させる観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。シランカップリング剤の粘結剤組成物中の含有量は、同様の観点から、0.5質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましい。
〔鋳型用組成物〕
耐火性粒子と粘結剤組成物と硬化剤組成物との配合比率は適宜設定できるが、硬化速度を向上させ、鋳型強度を向上させる観点から、耐火性粒子100質量部に対して、粘結剤組成物が好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上、また、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1.2質量部以下であり、硬化剤組成物が好ましくは0.07質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、また、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.7質量部以下である。更に、粘結剤組成物と硬化剤組成物の配合比率は、硬化速度を向上させ、鋳型強度を向上させる観点から、粘結剤組成物100質量部に対して、硬化剤組成物20質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、同様の観点から60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。
<炭酸ナトリウム>
炭酸ナトリウムは、混合を容易にする観点から、溶液の形態で混合してもよく、水溶液又は水に懸濁させた溶液にて混合してもよい。水溶液又は懸濁液中の炭酸ナトリウムの含有量は、硬化速度を維持又は向上させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは実質的に100質量%である。硬化速度を維持又は向上させ、SOxを低減する観点から、炭酸ナトリウムを固体で添加することがより更に好ましい。
炭酸ナトリウムは無水物又は1水和物や7水和物や10水和物等の水和物を用いることができるが、硬化速度を維持又は向上させ、SOxを低減する観点から、無水物又は1水和物が好ましく、無水物がより好ましい。
炭酸ナトリウムに対する硫酸のモル比は、硬化速度を維持又は向上させ、SOxを低減する観点から、硫酸/炭酸ナトリウム(モル比)は0.5以上、4.0以下である。
炭酸ナトリウムに対する硫酸のモル比は、硬化速度を向上させる観点から、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下であり、好ましくは0.8以上である。また、硬化速度を向上させる観点から、好ましくは0.5〜3.0、より好ましくは0.8〜2.5、更に好ましくは0.8〜2.0、より更に好ましくは0.8〜1.5である。
炭酸ナトリウムに対する硫酸のモル比は、SOxの発生を抑制する観点から、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは0.8以下である。また、SOxを低減する観点から、好ましくは0.5〜3.0、より好ましくは0.5〜2.5、更に好ましくは0.5〜2.0、より更に好ましくは0.5〜1.5、より更に好ましくは0.5〜0.8である。
炭酸ナトリウムの配合量は、硬化速度を維持又は向上させ、SOxを低減する観点から、耐火性粒子100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上であり、0.2質量部以下である。
炭酸ナトリウムの配合量は、硬化速度を向上させる観点から、好ましくは、0.03質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.07質量部以上であり、好ましくは0.15質量部以下、より好ましくは0.12質量部以下、更に好ましくは0.09質量部以下である。また、硬化速度を向上させる観点から、好ましくは0.03〜0.15質量部、より好ましくは0.03〜0.12質量部、更に好ましくは0.03〜0.09質量部、より更に好ましくは0.05〜0.09質量部、より更に好ましくは0.07〜0.09質量部である。
炭酸ナトリウムの配合量は、SOxを低減する観点から、好ましくは0.03質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.07質量部以上、より更に好ましくは0.09質量部以上であり、好ましくは0.15質量部以下、より好ましくは0.12質量部以下である。また、SOxを低減する観点から、好ましくは0.03〜0.15質量部、より好ましくは0.05〜0.15質量部、更に好ましくは0.07〜0.15質量部、より更に好ましくは0.09〜0.15質量部、より更に好ましくは0.09〜0.12質量部である。
混合工程において、上記各原料を混合する方法としては、公知一般の手法を用いることが出来、例えば、バッチミキサーにより各原料を添加して混合する方法や、連続ミキサーに各原料を供給して混合する方法が挙げられる。
〔鋳型の製造方法〕
前記混合工程を経て得られた鋳型用組成物を硬化させることによって鋳型を製造することができる。本実施形態の鋳型の製造方法において、従来の鋳型の製造プロセスをそのまま利用して鋳型を製造することができる。好ましい鋳型の製造方法として、前記混合工程、及び前記混合工程を得て得られた前記鋳型用組成物を型枠に詰め、当該鋳型用組成物を硬化する硬化工程を有する鋳型の製造方法が挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の製造方法を開示する。
<1>耐火性粒子、硬化剤組成物及び粘結剤組成物を混合し、鋳型用組成物を得る混合工程を有する鋳型の製造方法であって、前記硬化剤組成物が硫酸を含有し、前記混合工程で炭酸ナトリウムを添加し、前記炭酸ナトリウムに対する前記硫酸のモル比が0.5以上、4.0以下である鋳型の製造方法。
<2>前記混合工程で耐火性粒子、硬化剤組成物、粘結剤組成物及び炭酸ナトリウムを同時に混合する前記<1>記載の鋳型の製造方法。
<3>耐火性粒子、硬化剤組成物及び粘結剤組成物を混合した後、炭酸ナトリウムを混合する前記<1>記載の鋳型の製造方法。
<4>耐火性粒子、硬化剤組成物及び炭酸ナトリウムを混合した後、粘結剤組成物を混合する前記<1>記載の鋳型の製造方法。
<5>耐火性粒子、粘結剤組成物及び炭酸ナトリウムを混合した後、硬化剤組成物を混合する前記<1>記載の鋳型の製造方法。
<6>耐火性粒子及び硬化剤組成物を混合した後、粘結剤組成物及び炭酸ナトリウムを同時に混合する前記<1>記載の鋳型の製造方法。
<7>耐火性粒子及び硬化剤組成物を混合した後、粘結剤組成物を混合し、次に炭酸ナトリウムを混合する前記<1>記載の鋳型の製造方法。
<8>耐火性粒子及び硬化剤組成物を混合した後、炭酸ナトリウムを混合し、次に粘結剤組成物を混合する前記<1>記載の鋳型の製造方法。
<9>耐火性粒子及び粘結剤組成物を混合した後、硬化剤組成物及び炭酸ナトリウムを同時に混合する前記<1>記載の鋳型の製造方法。
<10>耐火性粒子及び粘結剤組成物を混合した後、硬化剤組成物を混合し、次に炭酸ナトリウムを混合する前記<1>記載の鋳型の製造方法。
<11>耐火性粒子及び粘結剤組成物を混合した後、炭酸ナトリウムを混合し、次に硬化剤組成物を混合する前記<1>記載の鋳型の製造方法。
<12>前記混合工程で前記粘結剤組成物を混合する際にのみ、前記炭酸ナトリウムを添加する前記<6>に記載の鋳型の製造方法。
<13>前記硬化剤組成物の添加量が、前記粘結剤組成物100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下である前記<1>〜<12>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<14>前記硬化剤組成物中の前記硫酸の含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である前記<1>〜<13>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<15>炭酸ナトリウムに対する硫酸のモル比が、硫酸/炭酸ナトリウム(モル比)は好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下であり、好ましくは0.8以上であり、好ましくは0.5〜3.0、より好ましくは0.8〜2.5、更に好ましくは0.8〜2.0、より更に好ましくは0.8〜1.5である前記<1>〜<14>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<16>炭酸ナトリウムに対する硫酸のモル比が、硫酸/炭酸ナトリウム(モル比)は好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは0.8以下であり、好ましくは0.5〜3.0、より好ましくは0.5〜2.5、更に好ましくは0.5〜2.0、より更に好ましくは0.5〜1.5、より更に好ましくは0.5〜0.8である前記<1>〜<15>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<17>炭酸ナトリウムの配合量が、耐火性粒子100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上であり、0.2質量部以下である前記<1>〜<16>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<18>炭酸ナトリウムの配合量が、耐火性粒子100質量部に対して、好ましくは、0.03質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.07質量部以上であり、好ましくは0.15質量部以下、より好ましくは0.12質量部以下、更に好ましくは0.09質量部以下であり、また、好ましくは0.03〜0.15質量部、より好ましくは0.03〜0.12質量部、更に好ましくは0.03〜0.09質量部、より更に好ましくは0.05〜0.09質量部、より更に好ましくは0.07〜0.09質量部である前記<1>〜<17>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<19>炭酸ナトリウムの配合量が、耐火性粒子100質量部に対して、好ましくは0.03質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.07質量部以上、より更に好ましくは0.09質量部以上であり、好ましくは0.15質量部以下、より好ましくは0.12質量部以下であり、好ましくは0.03〜0.15質量部、より好ましくは0.05〜0.15質量部、更に好ましくは0.07〜0.15質量部、より更に好ましくは0.09〜0.15質量部、より更に好ましくは0.09〜0.12質量部である前記<1>〜<18>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<20>前記酸硬化性樹脂がフルフリルアルコール及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物からなる群より選ばれた1種以上のフラン樹脂を含有する前記<1>〜<19>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<21>前記粘結剤組成物中におけるフルフリルアルコールの含有量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは60質量%以上であり、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下、より更に好ましくは80質量%以下である前記<1>〜<20>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<22>前記粘結剤組成物中における酸硬化性樹脂の含有量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは60質量%以上であり、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である前記<1>〜<21>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<23>前記粘結剤組成物中における尿素の含有量が、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下、更に好ましくは4.5質量%以下である前記<1>〜<22>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<24>前記粘結剤組成物中における水分含有量が、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは2.0質量%以下である前記<1>〜<23>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<25>粘結剤組成物中におけるシランカップリング剤の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下である前記<1>〜<24>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<26>前記シランカップリング剤がN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランである前記<1>〜<25>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
<27>前記耐火性粒子と前記粘結剤組成物と前記硬化剤組成物との比率が、前記耐火性粒子100質量部に対して、前記粘結剤組成物が好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上、また、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1.2質量部以下であり、前記硬化剤組成物が好ましくは0.07質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、また、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.7質量部以下である前記<1>〜<26>の何れかに記載の鋳型の製造方法。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。
〔実施例1〜4及び比較例1〜14〕
<粘結剤組成物の製造例>
フルフリルアルコール/ホルムアルデヒド/尿素のモル比が2.5/3.6/1であるフルフリルアルコール尿素ホルムアルデヒド樹脂28質量部、フルフリルアルコール61質量部、水分8.9質量部、尿素2質量部、シランカップリング剤としてN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン0.1質量部を混合して粘結剤組成物(フラン樹脂A)100質量部を得た。
<鋳型用組成物の製造例1(金属塩を粘結剤組成物混合時に別添加)>
25℃、50%RHの条件下で、耐火性粒子として珪砂(フリーマントル)100質量部(2000g)とキシレンスルホン酸及び硫酸を含む硬化剤組成物〔花王クエーカー社製 カオーライトナー硬化剤 TK−1/C−21=47.5質量%/52.5質量%(水分47.7質量%;硫酸18.3質量%)〕0.40質量部(8g)を添加し、40秒間混合した。次に、粘結剤組成物(フラン樹脂A)1.0質量部(20g)と表1に示す所定量の添加剤(金属塩)をそれぞれ加え、70秒間混合し、実施例1〜4及び比較例1〜14の鋳型用組成物を得た。
<1時間後の圧縮強度>
混練直後の鋳型用組成物を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填し、1時間経過した時に抜型を行い、JIS Z 2604−1976に記載された方法で、テストピースの圧縮強度(MPa)を測定した。金属塩を添加しない比較例14の圧縮強度(MPa)を100とした時の相対強度を表1に示した。この「1時間後の圧縮強度」が高いものほど、硬化速度が速いことを示す。尚、比較例14の1時間後の圧縮強度(MPa)の絶対値は3回の平均値で1.31MPaであった。
<SOx発生量の測定法>
混練直後の鋳型用組成物を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填し、2時間経過した時に抜型を行った。充填から24時間後に、テストピースを粉砕し20メッシュ篩を通した鋳物砂5.00gを、磁製の燃焼ボート(幅13.5mm、高さ10mm、長さ80mm)に充填し、測定試料を作製した。400℃に調整したセラミック電気管状炉((株)アサヒ理化製作所製、ARF−30K)で加熱した燃焼管の中央部に前記測定試料を挿入し、一方から0.5L/分の空気を流した。もう一方から出る置換気体を、試料挿入時から10分間ガスバック(アズワン株式会社製、PVDFバック)に捕集した。ガスバック内の気体温度が室温になった後、ガスバック内の気体をガス検知器(ガステック社製、型番GV−100S)と検知管(ガステック社製、5L)により濃度を測定した。結果を表1に示す。また、結果のSOx発生量と硬化速度の関係を図1に示す。
図1に示すように、硫酸/炭酸ナトリウムのモル比が0.5以上、4.0以下である実施例1〜4は金属塩を添加しない比較例14や硫酸/炭酸ナトリウム比が0.5以上、4.0以下の範囲にない比較例1に比べて、1時間後の圧縮強度が同等又は優れており、SOx発生量が低減できる。一方、炭酸ナトリウム以外の化合物である比較例2〜13では、1時間後の圧縮強度を維持しながら、SOx発生量を低減することはできない。なお、塩化ナトリウムは塩酸が発生するため好ましくなく、硝酸ナトリウムはNOxが発生するため好ましくないことが明らかであるので今回の比較実験には示していない。
〔実施例5、6及び比較例15〜17〕
前記鋳型用組成物の製造例1(金属塩を粘結剤組成物混合時に別添加)に従い、実施例5の鋳型用組成物を得た。比較例17は比較例14と同様に行い、鋳型用組成物を得た。
<鋳型用組成物の製造例2(金属塩を硬化剤組成物混合時に別添加)>
25℃、50%RHの条件下で、耐火性骨材として珪砂(フリーマントル)100質量部と硬化剤(花王クエーカー社製 カオーライトナー硬化剤 TK−1/C−21=47.5質量%/52.5質量%)0.40質量部と無水炭酸ナトリウム0.08質量部を添加し,40秒間混合した。次に、粘結剤組成物(フラン樹脂A)1.0質量部を加え、70秒間混合し、実施例6の鋳型用組成物を得た。
<鋳型用組成物の比較製造例1(金属塩を粘結剤組成物に溶解して添加)>
25℃、50%RHの条件下で、耐火性骨材として珪砂(フリーマントル)100質量部と硬化剤(花王クエーカー社製 カオーライトナー硬化剤 TK−1/C−21=47.5質量%/52.5質量%)0.40質量部を添加し,40秒間混合した。次に、無水炭酸ナトリウム0.08質量部を溶解した粘結剤組成物(フラン樹脂A)1.08質量部を加え、70秒間混合し、比較例15の鋳型用組成物を得た。
<鋳型用組成物の比較製造例2(金属塩を硬化剤組成物に溶解して添加)>
25℃、50%RHの条件下で、耐火性骨材として珪砂(フリーマントル)100質量部と無水炭酸ナトリウム0.08質量部を溶解した硬化剤(花王クエーカー社製 カオーライトナー硬化剤 TK−1/C−21=47.5質量%/52.5質量%)0.48質量部を添加し,40秒間混合した。次に、粘結剤組成物(フラン樹脂A)1.0質量部を加え、70秒間混合し、比較例16の鋳物砂組成物を得た。
前記実施例1〜4及び比較例1〜14の方法に従って、圧縮強度と発生SOx量を測定した。結果を表2に示す。圧縮強度は添加剤なしの圧縮強度(MPa)を100とした時の相対強度で、1時間後の圧縮強度を示した。
実施例5及び実施例6に示すように、鋳型用組成物を製造する際に、金属塩を別添加したものが、比較例15及び比較例16に示すように粘結剤組成物に金属塩を溶解して添加するものや硬化剤組成物に金属塩を溶解して添加するものに比べて、1時間後の圧縮強度の相対値が大きく、硬化速度に優れかつSOx発生量を低減することができる。
本発明は鋳型の製造に有用であり、得られた鋳型は、機械鋳物部品や建設機械部品あるいは自動車用部品等の鋳物を製造する際に用いられる。

Claims (4)

  1. 耐火性粒子、硬化剤組成物及び粘結剤組成物を混合し、鋳型用組成物を得る混合工程を有する鋳型の製造方法であって、
    前記硬化剤組成物が硫酸を含有し、
    前記混合工程で炭酸ナトリウムを添加し、
    前記炭酸ナトリウムに対する前記硫酸のモル比が0.5以上、4.0以下であり、
    前記混合工程で耐火性粒子、硬化剤組成物、粘結剤組成物、及び炭酸ナトリウムを混合する順序が下記(a)、(b)、(e)、(f)、(h)、及び(i)からなる群より選ばれる1種以上である鋳型の製造方法。
    (a)耐火性粒子、硬化剤組成物、粘結剤組成物及び炭酸ナトリウムを同時に混合
    (b)耐火性粒子、硬化剤組成物及び粘結剤組成物を混合した後、炭酸ナトリウムを混合
    (e)耐火性粒子及び硬化剤組成物を混合した後、粘結剤組成物及び炭酸ナトリウムを同時に混合
    (f)耐火性粒子及び硬化剤組成物を混合した後、粘結剤組成物を混合し、次に炭酸ナトリウムを混合
    (h)耐火性粒子及び粘結剤組成物を混合した後、硬化剤組成物及び炭酸ナトリウムを同時に混合
    (i)耐火性粒子及び粘結剤組成物を混合した後、硬化剤組成物を混合し、次に炭酸ナトリウムを混合
  2. 硬化剤組成物の添加量が、粘結剤組成物100質量部に対して、20質量部以上、60質量部以下であり、硬化剤組成物中の硫酸の含有量が1質量%以上、30質量%以下である請求項1記載の鋳型の製造方法。
  3. 前記粘結剤組成物がフルフリルアルコール及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物からなる群より選ばれた1種以上のフラン樹脂を含有する請求項1又は2記載の鋳型の製造方法。
  4. 前記炭酸ナトリウムの添加量が、前記耐火性粒子100質量部に対して0.01質量部以上、0.2質量部以下である請求項1〜の何れか1項記載の鋳型の製造方法。
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