JP6062716B2 - 異常検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スピーカなどの負荷の異常を検知する異常検知装置に関する。
負荷に電圧を印加することにより駆動する装置の異常の有無を検査する際、実際に電圧を印加して異常の有無を人間が知覚によってその装置の動作状態を直接確認する方法が最も単純である。例えば負荷としてスピーカを備えた音響装置においては、スピーカに電圧を印加することによりスピーカから実際に音が聞こえるかどうかを人間が確認する。また、負荷としてモータを備えた駆動装置においては、モータに電圧を印加することによりモータの回転軸の回転により当該駆動装置が正常動作するかを人間が見て確認する。
しかし、このように人間が直接確認する方法においては、検査対象が複数ある場合には、手間や時間がかかり、特に、音が聞こえるかどうかによる確認の際、複数の検査対象のうち聞こえない装置があるのか否かを確認し難い場合があり、誤った判定を行ってしまう可能性が生じる。
これに対して、このような誤った判定を防止するために負荷に対して電気的な検査を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2011−146842号公報 特開平10−136493号公報
特許文献1に記載された方法においては、スピーカに直流電圧を印加し、それによりスピーカに流れる直流電流を検出して、スピーカおよび配線の直流抵抗を測定することで断線の有無を調べることができる。しかし、トランスを用いる伝送回線では、複数のスピーカのそれぞれについて異常判定をしようとすると、各スピーカに並列に直流電圧を印加する装置および直流電流を検出する装置を設置する必要が生じ、装置および配線のコストが増大する。さらに、特許文献1の方法では、直流信号を利用するため、可聴周波数帯域での異常判定を行うことができない。
また、特許文献2には、スピーカに非可聴周波数帯域の検査信号(いわゆるトーン信号)を一定の電圧で供給し、それによりスピーカに流れる電流を検出してスピーカおよび配線のインピーダンスを測定することで異常の有無を判定する方法が開示されている。この方法においては、スピーカに流れる電流を検出する検出器(検知用変圧器)をパワーアンプと直列に接続しており、測定されるインピーダンスが正常時の値から変化すれば、その変化のレベルに応じて断線などの異常箇所を特定することができるようになっている。しかし、この方法によっても、トーン信号の周波数以外の周波数領域における異常判定を行うことができないため、特許文献1の方法と同様に、可聴周波数帯域での異常判定を行うことができない。
さらに、特許文献1,2の何れの方法においても、所定の検査信号を用いる必要があるため、負荷を備えた装置の使用時(放送時など)においては、電圧変化や周波数変化が生じるため、異常判定を行うことができない。
本発明は、以上のような課題を解決すべくなされたものであり、簡単な構成で実使用状態においても異常検知を行うことができる異常検知装置を提供することを目的とする。
本発明に係る異常検知装置は、負荷に印加される電圧を検出する電圧検出部と、負荷に流れる電流を検出する電流検出部と、検出された前記電圧および前記電流に基づいて負荷のインピーダンスを算出する算出部と、前記負荷のインピーダンスを所定の参照値と比較して前記負荷の異常を判定する異常判定部とを備え、前記算出部は、検出された前記電圧および前記電流をそれぞれフーリエ変換し、当該フーリエ変換された電圧および電流に基づいて負荷のインピーダンスを算出するものである。
上記構成によれば、負荷の印加電圧および当該負荷に流れる電流をそれぞれフーリエ変換したものを用いて負荷のインピーダンスを算出し、当該インピーダンスを参照値と比較することで異常判定が行われる。このため、負荷に供給される信号成分が異常判定の対象となる周波数領域にある程度存在していれば、当該周波数領域での異常判定が可能となる。したがって、負荷に印加される電圧を検出する電圧検出部と負荷に流れる電流を検出する電流検出部とを接続する簡単な構成で、負荷に供給される信号の種類によらず実使用状態においても異常検知を行うことができる。
前記算出部は、フーリエ変換された電圧および電流からコヒーレンスを算出し、当該コヒーレンスの値が所定のしきい値未満となる周波数において算出される前記負荷のインピーダンスを、前記異常判定部における判定対象から除外することとしてもよい。これによれば、ノイズの影響を受けたり周波数成分が小さ過ぎたりするなどにより、両者の相関が低下して、インピーダンスが正しく算出できない場合であっても、対応する周波数におけるインピーダンスの値を異常判定に用いないことにより、誤判定を防ぐことができる。
前記算出部は、フーリエ変換された電圧および電流からそれぞれのパワースペクトルを算出し、電圧のパワースペクトルおよび電流のパワースペクトルの少なくとも何れか一方がそれぞれに設定される所定のしきい値未満となる周波数において算出される前記負荷のインピーダンスを、前記異常判定部における判定対象から除外することとしてもよい。これによれば、フーリエ変換時に、本来は周波数成分が存在しない周波数領域に小さい周波数成分が生じた場合であっても、対応する周波数におけるインピーダンスの値を異常判定に用いないことにより、誤判定を防ぐことができる。
前記算出部は、予め設定された周波数において算出される前記負荷のインピーダンスを、前記異常判定部における判定対象から除外することとしてもよい。これにより、故障や負荷の変動以外の原因でインピーダンスが変化する周波数領域を異常判定から除外することができ、誤判定を防ぐことができる。
前記算出部は、検出された前記電圧から前記負荷に印加される電圧の実効値を算出するとともに、検出された前記電流から前記負荷に流れる電流の実効値を算出し、前記異常判定部は、前記電圧の実効値が所定の第1の電圧しきい値より小さく、かつ、前記電流の実効値が所定の第1の電流しきい値以上である場合に、短絡と判定することとしてもよい。また、前記算出部は、検出された前記電圧から前記負荷に印加される電圧の実効値を算出するとともに、検出された前記電流から前記負荷に流れる電流の実効値を算出し、前記異常判定部は、前記電圧の実効値が所定の第2の電圧しきい値以上であり、かつ、前記電流の実効値が所定の第2の電流しきい値より小さい場合に、断線と判定することとしてもよい。また、前記算出部は、検出された前記電圧から前記負荷に印加される電圧の実効値を算出するとともに、検出された前記電流から前記負荷に流れる電流の実効値を算出し、前記異常判定部は、前記電圧の実効値が所定の第3の電圧しきい値より小さく、かつ、前記電流の実効値が所定の第3の電流しきい値より小さい場合に、判定不能として異常判定を行わないこととしてもよい。これらによれば、電圧および電流の実効値が所定のしきい値未満である場合には、判定不能、短絡または断線と判定されるため、ノイズなどの影響によりインピーダンスを算出するためのデータとして適切でないデータ(電圧および電流)が得られても、誤判定を防ぐことができる。
本発明は以上に説明したように構成され、簡単な構成で実使用状態においても異常検知を行うことができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る異常検知装置の概略構成を示すブロック図である。 図2は図1に示す異常検出装置における異常判定の処理の流れを示すフローチャートである。 図3は図1に示す異常検知装置の動作の流れを示すフローチャートである。 図4は図1に示す異常検知装置の適用例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
図1は本発明の一実施形態に係る異常検知装置の概略構成を示すブロック図である。本実施形態においては、パワーアンプからの電力をスピーカに供給することによりスピーカから音を出す音響装置に、異常検知装置が適用された構成を例示する。図1に示すように、パワーアンプ1は、スピーカ2と一対のスピーカケーブル3で接続されている。
異常検知装置4は、スピーカケーブル3に接続された状態で使用される。異常検知装置4は、負荷であるスピーカ2に印加される電圧を検出する電圧検出部5と、スピーカ2に流れる電流を検出する電流検出部6とを備えている。電圧検出部5は、一対の入力部が一対のスピーカケーブル3のそれぞれと接続され、一対のスピーカケーブル3の差分電圧を出力するバッファアンプ7と、バッファアンプ7から出力された電圧をデジタル信号に変換するAD(アナログ−デジタル)変換器8とを備えている。電圧検出部5の一対の入力部は、例えば、パワーアンプ1の一対の出力端子において、スピーカケーブル3と共締めすることでスピーカケーブル3と接続される。バッファアンプ7は、スピーカケーブル3の差分電圧を適切なレベルの信号として出力する。
電流検出部6は、一対のスピーカケーブル3の一方に接続され、スピーカケーブル3に流れる電流を検出し、電圧として出力する電流センサ9と、電流センサ9から出力された電圧が入力されるバッファアンプ10と、バッファアンプ10から出力される電圧をデジタル信号に変換するAD変換器11とを備えている。バッファアンプ10は、電流センサ9から出力された電圧を適切なレベルの信号として出力する。電流センサ9は、例えばカレントトランスやシャント抵抗などが適用可能である。
なお、電圧検出部5および電流検出部6の構成は、上記の構成に限られず、一対のスピーカケーブル3間の電圧および当該スピーカケーブル3に流れる電流を検出可能な構成であればよい。
異常検知装置4は、電圧検出部5および電流検出部6で検出された電流および電圧に基づいて処理を行う制御部12を備えている。制御部12は、マイクロコンピュータおよびRAMなどのメモリなどを備えている。なお、メモリは、フラッシュメモリなどの外部メモリでもよい。
制御部12は、電圧検出部5で検出された電圧(AD変換器8の出力信号)および電流検出部6で検出された電流(AD変換器11の出力信号)に基づいてスピーカ2のインピーダンスを算出する算出部13と、スピーカ2のインピーダンスを所定の参照値と比較してスピーカ2の異常を判定する異常判定部14とを備えている。さらに、制御部12は、算出部13および異常判定部14での演算結果および予め設定される参照値や各種しきい値(後述)などを記憶する記憶部15も備えている。また、異常検知装置4は、外部機器17と通信可能に構成される外部インターフェース16を備えている。これにより、制御部12の演算結果は、外部インターフェース16を介して外部機器17に出力することも可能である。また、外部機器17から外部インターフェース16を介して後述するような設定情報を入力することも可能である。
外部インターフェース16は、例えばLANやシリアル接続のための接続ポートやUSBポートなどが挙げられるが特に限定されない。また、外部機器17との接続は、有線または無線の別を問わない。外部機器17は、例えばパーソナルコンピュータや、スマートフォンなどの携帯端末などが挙げられるが特に限定されない。また、異常検知装置4に直接設定入力を行うための入力部を備えてもよい。
算出部13は、電圧検出部5で検出された電圧および電流検出部6で検出された電流をそれぞれフーリエ変換し、当該フーリエ変換された電圧および電流に基づいてスピーカ2のインピーダンスを算出する。
フーリエ変換は、AD変換器8,11から出力されるデジタル信号に対して窓関数処理および高速フーリエ変換(FFT)を行うことにより、実施される。フーリエ変換により電圧および電流は周波数領域表現される。このようなフーリエ変換後の電圧をV(ω)、フーリエ変換後の電流をI(ω)とする(ωは角周波数)と、インピーダンスZ(ω)は、以下の式で表される。
Figure 0006062716
さらに、算出部13は、フーリエ変換された電圧V(ω)および電流I(ω)からそれぞれのパワースペクトルGVV(ω),GII(ω)を算出している。具体的には、電圧のパワースペクトルGVV(ω)は、フーリエ変換された電圧V(ω)に、共役複素数V(ω)を掛け合わせることにより算出され(GVV(ω)=V(ω)・V(ω))、電流のパワースペクトルGII(ω)は、フーリエ変換された電圧I(ω)に、共役複素数I(ω)を掛け合わせることにより算出される(GII(ω)=I(ω)・I(ω))。
さらに、上記式(1)の分母、分子にそれぞれI(ω)の共役複素数I(ω)を掛けることにより、以下の式(2)が得られる。
Figure 0006062716
ここで、GVI(ω)は、電圧と電流とのクロススペクトルを示す。
本実施形態においては、別途電圧および電流のパワースペクトルGVV(ω),GII(ω)とクロススペクトルGVI(ω)を使用する(後述)ため、算出部13は、上記式(2)を用いてインピーダンスZ(ω)を算出している。
さらに、算出部13は、フーリエ変換された電圧V(ω)および電流I(ω)からコヒーレンスCOH(ω)を算出する。コヒーレンスCOH(ω)は、以下の式(3)で表される。
Figure 0006062716
ここで、G VI(ω)は、電圧と電流とのクロススペクトルGVI(ω)の共役複素数を示す。コヒーレンスCOH(ω)は0と1との間の値で示され、1に近づくほど電圧と電流との相関が高い状態となる(理想的な状態に近づく)ことを示している。
また、算出部13は、電圧検出部5で検出された電圧から当該電圧の実効値Veを算出し、電流検出部6で検出された電流から当該電流の実効値Ieを算出する。
以上のように算出されたインピーダンスZ(ω)、パワースペクトルGVV(ω),GII(ω)、コヒーレンスCOH(ω)および実効値Ve,Ieは、記憶部15に記憶される。また、これらの値のそれぞれについてしきい値が設定され、記憶部15に記憶される。なお、各しきい値は、予め記憶部15に記憶された値でもよいし、上記算出された値から新たに算出することとしてもよい。例えば、算出されたパワースペクトルGVV(ω),GII(ω)の最大値を予め設定された比率で割った値をしきい値として設定してもよい。また、しきい値は、外部機器17から入力されることとしてもよい。
以下、異常判定の処理の流れについて説明する。図2は図1に示す異常検出装置における異常判定の処理の流れを示すフローチャートである。まず、異常判定部14は、電圧の実効値Veおよび電流の実効値Ieを記憶部15から読み出し、取得する(ステップS1)。異常判定部14は、電圧の実効値Veおよび電流の実効値Ieがそれぞれに設定されたしきい値より小さいかどうかをそれぞれ判定する(ステップS2,S3,S4)。
電圧の実効値Veが対応するしきい値(第1の電圧しきい値)より小さく、かつ、電流の実効値Ieが対応するしきい値(第1の電流しきい値)以上である場合(ステップS2でYes→ステップS3でNo)、異常判定部14は、短絡と判定する(ステップS6)。反対に、電圧の実効値Veが対応するしきい値(第2の電圧しきい値)以上であり、かつ電流の実効値Ieが対応するしきい値(第2の電流しきい値)より小さい場合(ステップS2でNo→ステップS4でYes)、異常判定部14は、断線と判定する(ステップS5)。異常判定部14は、短絡または断線と判定した場合はそれで異常判定処理を終了する。
また、電圧の実効値Veおよび電流の実効値Ieがともにそれぞれのしきい値(第3の電圧しきい値および第3の電流しきい値)より小さい場合(ステップS2でYes→ステップS3でYes)、異常判定部14は、診断不能と判定し、異常判定を行わない(ステップS7)。これは、電圧検出部5および電流検出部6における電圧の検出値と電流の検出値が小さ過ぎた場合、これらの値からは正しいインピーダンスが算出できないため、これを排除するものである。
なお、上記断線、短絡または診断不能の判定に用いられる電圧の実効値および電流の実効値に関して設定される各しきい値(第1〜第3の電圧しきい値および第1〜第3の電流しきい値)は、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。なお、図2においてはこれらのしきい値は同じ値として記載している。
電圧の実効値Veおよび電流の実効値Ieが何れも対応するしきい値(上記断線、短絡または診断不能と判定されない値に設定されたしきい値)以上である場合(ステップS2でNo→ステップS4でNo)、異常判定部14は、短絡および断線はないと判定し、以降の異常判定処理を続行する。異常判定部14は、上記のように算出されたコヒーレンスCOH(ω)、各パワースペクトルGVV(ω),GII(ω)およびそれらに対応する各しきい値を記憶部15から読み出し、取得する(ステップS8)。
異常判定部14は、コヒーレンスCOH(ω)がしきい値未満となる周波数(角周波数ω)があるか否かを検出し、あれば、当該周波数を後述する異常判定から除外する対象として設定する(ステップS9)。また、異常判定部14は、電圧のパワースペクトルGVV(ω)がしきい値未満となる周波数(角周波数ω)があるか否かを検出し、あれば、当該周波数を後述する異常判定から除外する対象として設定する(ステップS10)。同様に、異常判定部14は、電流のコヒーレンスGII(ω)がしきい値未満となる周波数(角周波数ω)があるか否かを検出し、あれば、当該周波数を後述する異常判定から除外する対象として設定する(ステップS11)。
さらに、異常判定部14は、除外周波数が予め設定されているかどうかを判定する(ステップS12)。具体的には、異常判定部14は、予め設定された除外周波数が記憶部15に記憶されているかどうかを判定する。
除外周波数は、外部機器17や所定の入力部から予め入力設定され記憶部15に記憶されている。例えばバスレフ構造のスピーカ2においては、インピーダンスが反共振周波数付近で極大となり、その前後の周波数領域において、急激な変化を示すインピーダンス特性を有する。反共振周波数は音速によって変化するため、温度が変化すると音速も変化し、当該インピーダンスの急激な変化を示す周波数領域がシフトする。周波数領域のシフトが生じると、そのシフト量が微小でも同じ周波数における温度変化前後のインピーダンス変化が大きくなる。そこで、インピーダンス変化が大きい周波数領域を異常判定の対象から除外することが考えられる。
このような除外周波数が設定されている場合(ステップS12でYes)、異常判定部14は、設定されている除外周波数を後述する異常判定から除外する対象として設定する(ステップS13)。
以上のように除外すべき周波数を設定した後、異常判定部14は、記憶部15から上記式(2)を用いて算出されたインピーダンスZ(ω)と、当該インピーダンスの参照値とを読み出し、これらを比較する(ステップS14)。そして、異常判定部14は、上記のステップにおいて除外した周波数以外の周波数領域において、インピーダンスZ(ω)と参照値との差または比が予め定められたしきい値以上となる周波数領域があるか否かを判定する(ステップS15)。インピーダンスZ(ω)と参照値との差または比がしきい値以上となる周波数領域が存在する場合(ステップS15でYes)、異常判定部14は、スピーカ2に異常があると判定する(ステップS16)。一方、インピーダンスZ(ω)と参照値との差または比がしきい値以上となる周波数領域が存在しない場合(ステップS15でNo)、異常判定部14は、スピーカ2は正常であると判定する(ステップS17)。すなわち、異常判定部14は、算出されたインピーダンスZ(ω)を、正常時のインピーダンス(参照値)と比較し、算出されたインピーダンスZ(ω)が参照値から逸脱している場合には異常と判定し、逸脱していない場合には正常と判定する。
なお、本明細書および特許請求の範囲における「異常」とは、負荷であるスピーカ2を含む装置の故障だけでなく、負荷の変動も含まれる概念である。例えば負荷がスピーカ2である場合は、スピーカ2が障害物(板)などで塞がれると、放射インピーダンスが変化し、それに伴って算出されるインピーダンスも変化する。また、例えば負荷がモータである場合は、モータの回転対象に対する応力の変動により、電流が変化し、それに伴って算出されるインピーダンスも変化する。本実施形態における異常検知装置4によれば、このような負荷の変動をも検知することができる。
また、異常判定のしきい値は、算出されたインピーダンスZ(ω)と参照値との差に基づいて設定されてもよいし、両者の比に基づいて設定されてもよい。これに代えて、異常判定部14が、算出されたインピーダンスZ(ω)が参照値に基づいて設定された所定の範囲内に含まれるか否かにより異常判定を行うこととしてもよい。
図3は図1に示す異常検知装置の動作の流れを示すフローチャートである。まず、図1に示すように、異常検知装置4をパワーアンプ1とスピーカ2とを繋ぐスピーカケーブル3に接続する(ステップS21)。その後、異常検知装置4の初期設定を行う(ステップS22)。初期設定には、例えば異常検知装置4を外部機器17と接続するためのネットワーク設定などが含まれる。
さらに、異常検知装置4の参照データの登録も行う(ステップS23)。参照データの登録においては、スピーカ2に所定の信号を出力してスピーカのインピーダンス測定を実際に行い、妥当な測定結果が得られた場合、当該インピーダンス値に基づいて上記異常判定処理に用いる参照値およびしきい値を設定入力し、異常検知装置4の記憶部15に記憶させる。所定の信号は、ホワイトノイズなど広い周波数帯域にわたって成分を有する試験信号が好ましいが、スピーカ2の通常動作時(異常判定処理時)の負荷における周波数成分を含む限り、特に限定されない。例えば、音声や音楽またはピンクノイズなどでもよい。妥当な測定結果かどうかの判断は、スピーカ2が正常に動作していることが明らかであることや、そのスピーカ2に相応しいインピーダンス特性が得られた場合に妥当であると判断してよい。また、実際にインピーダンス測定を行う代わりに、またはこれに加えて、スピーカ2の製造者などが対応するスピーカ2の参照値を予め提供することとしてもよい。
さらに、異常検知装置4の異常判定処理を行うタイミングや各しきい値の設定などの各種パラメータ設定処理を行う(ステップS24)。異常判定処理を行うタイミングは、期間(所定時間ごとに異常判定処理を行うなど)で設定してもよいし、動作(パワーアンプ1からスピーカ2への出力開始時に異常判定処理を行うなど)に基づいて設定してもよい。なお、本実施形態においては図3に示すように、異常検知装置4の設置時にこのような設定を行うこととしているが、異常検知装置4の設置後において外部機器17などから上記設定を変更可能としてもよい。これにより、スピーカ2の設置環境の変化に応じてそれに最適な設定に変更することが可能となる。
以上のような設定を終えた後、異常検知装置4は、所定のタイミングにおいて、スピーカ2に印加される電圧およびスピーカ2に流れる電流を検出し(ステップS25)、異常判定部14による異常判定処理(図2)を実行する(ステップS26)。
異常判定処理の後、制御部12は、異常判定部14が異常を検知した(異常判定処理で異常と判定した)かどうかを判定する(ステップS27)。異常を検知した場合には(ステップS27でYes)、異常判定の内容を記憶部15にログとして記憶する(ステップS28)。異常判定の内容には、例えば、判定処理を行った日時、短絡または断線の有無、除外された周波数およびインピーダンスZ(ω)と参照値との差または比がしきい値以上となった周波数およびその差または比の値などが含まれ得る。そして、異常検知装置4は、外部インターフェース16を介して外部機器17に異常である旨の報告を適宜行う(ステップS29)。報告は、異常判定時に都度行うこととしてもよいし、外部機器17が異常検知装置4に接続され、外部機器17から異常判定結果の読み出し命令やログの読み出し命令を受けた際に、記憶部15に記憶されたログに基づいてまとめて行うこととしてもよい。
また、上記のような報告に加えてまたはこれに代えて、制御部12は、異常判定の結果に応じて外部機器を制御することとしてもよい。例えば、異常と判定された場合に、制御部12は、ランプを点灯させて管理者に知らせるべく、ランプのスイッチを入れる制御を行ってもよい。また、例えば、異常と判定された場合に、制御部12は、予備のスピーカ回線に切り替えるような切り替え制御を行ってもよい。このような外部機器のスイッチング制御や切り替え制御のために、異常検知装置4には、制御部12での異常判定に基づいてスイッチングを行う接点出力が設けられてもよい。接点出力は、例えばリレー回路やトランジスタ等が、流せる電流値や電圧値の仕様、絶縁の有無等に応じて採用される。
なお、異常判定部14が異常を検知しなかった(正常であると判定された)場合にも(ステップS27でNo)、当該判定結果を記憶部15にログとして記憶することとしてもよい。また、正常判定についても外部機器17への報告を行うこととしてもよい。正常判定時の記憶部15への記憶および外部機器17への報告の有無を設定により切り替え可能としてもよい。
その後、異常検知装置4は、次回の異常判定処理のタイミングまで待機状態となる(ステップS30)。以降、ステップS25〜S30が繰り返し行われる。
上記構成によれば、負荷であるスピーカ2の印加電圧および当該スピーカ2に流れる電流をそれぞれフーリエ変換したものを用いてスピーカ2のインピーダンスZ(ω)を算出し、当該インピーダンスZ(ω)を参照値と比較することで異常判定が行われる。このため、スピーカ2に供給される信号成分が異常判定の対象となる周波数領域にある程度存在していれば、当該周波数領域での異常判定が可能となる。したがって、スピーカケーブル3に電圧検出部5と電流検出部6とを接続する簡単な構成で、スピーカ2に供給される信号の種類によらず実使用状態においても異常検知を行うことができる。
また、本実施形態においては、電圧および電流の実効値がしきい値未満である場合には、判定不能、短絡または断線と判定されるため、ノイズなどの影響によりインピーダンスを算出するためのデータとして適切でないデータ(電圧および電流)が得られても、誤判定を防ぐことができる。
さらに、本実施形態においては、コヒーレンスCOH(ω)がしきい値未満である周波数は異常判定の対象から除外される。コヒーレンスCOH(ω)が小さくなるということは、スピーカ2に印加される電圧とスピーカ2を流れる電流との相関が低下していることを意味するため、ノイズの影響を受けたり周波数成分が小さ過ぎたりするなどにより、両者の相関が低下していると考えられる。相関が低下すると、インピーダンスが正しく算出できないおそれがある。このため、対応する周波数におけるインピーダンスの値を異常判定に用いないことにより、誤判定を防ぐことができる。
さらに、本実施形態においては、電圧のパワースペクトルGVV(ω)および電流のパワースペクトルGII(ω)の少なくともいずれか一方がしきい値未満である周波数は異常判定の対象から除外される。有限長のフーリエ変換を行う際に、波形が変化し、本来のパワースペクトルと異なるパワースペクトルが得られる場合がある(例えば本来は周波数成分が存在しない周波数領域に小さい周波数成分が生じる場合がある)。本来のパワースペクトルと異なるパワースペクトルが得られると、インピーダンスが正しく算出できないおそれがある。このため、対応する周波数におけるインピーダンスの値を異常判定に用いないことにより、誤判定を防ぐことができる。
さらに、本実施形態においては、別途設定された周波数成分におけるインピーダンスの値も異常判定に用いないこととすることができる。これにより、故障や負荷の変動以外の原因(例えば温度や湿度などインピーダンスの変動が予め予想される原因)でインピーダンスが変化する周波数領域を異常判定から除外することができ、誤判定を防ぐことができる。
このように、本実施形態における異常判定処理は、上述したような様々な判定処理基準(図2におけるステップS2〜S7)および様々な周波数除外処理(図2におけるステップS9〜S13)を行うことにより、スピーカ2に送られる信号が様々に変化しても適切な異常判定が可能となる。ここで、スピーカ2に送られる様々な信号について例示する。
(無信号)
通常の放送中などにも生じ得る信号で、スピーカ2に印加される電圧およびスピーカ2を流れる電流が理想的にはともに0となる。しかしながら、ノイズなどの影響により、電圧検出部5で検出される電圧および電流検出部6で検出される電流はいずれも0とならない。したがって、これらのノイズに基づいて異常判定を行うことは適切ではないため、電流および電圧の実効値についてのしきい値を設けて、判定不能とすることにより、誤判定を防ぐことができる。
(音楽信号)
音楽信号は、低周波数成分のエネルギーに比べて高周波数成分エネルギーが小さいものが多く、しかも、エネルギーが大きい周波数が時間的に変動するため、瞬間的に見ると成分が小さい周波数領域が多くなる。成分の小さい周波数領域においては、インピーダンスの算出が正しく行えないおそれがある。ここで、成分の小さい周波数領域においてはコヒーレンスCOH(ω)が小さくなる傾向があるため、コヒーレンスCOH(ω)についてのしきい値を設けて、しきい値未満の周波数領域を異常判定から除外することにより、音楽信号を用いて異常判定を行いつつ、誤判定を防ぐことができる。さらに、電圧および電流のそれぞれについて成分の微小な周波数領域を除外するために、電圧のパワースペクトルGVV(ω)および電流のパワースペクトルGII(ω)についてのしきい値を設けて、しきい値未満の周波数領域を異常判定から除外することにより、音楽信号を用いて異常判定を行いつつ、誤判定を防ぐことができる。
(音声信号)
音声信号は、音楽信号と同様、成分の小さい周波数領域が多く存在し、インピーダンスの算出が正しく行えないおそれがある。したがって、音楽信号の場合と同様に、コヒーレンスCOH(ω)および各パワースペクトルGVV(ω),GII(ω)についてのしきい値をそれぞれ設けて、しきい値未満の周波数領域を異常判定から除外することにより、音声信号を用いて異常判定を行いつつ、誤判定を防ぐことができる。
(ホワイトノイズ)
ホワイトノイズは、全周波数領域で成分が存在するため、全周波数領域における正しいインピーダンスの算出が期待できる。しかし、パワーアンプ1からスピーカ2へ出力される信号に対して帯域制限処理が施される音響装置がある。例えば信号伝送ラインにトランスが用いられる構成においては、磁気回路が飽和しないように高域通過フィルタが設けられ、低周波数成分が減衰される。また、例えば2ウェイスピーカシステムなどのように、低周波数領域を担当するスピーカと、高周波数領域を担当するスピーカとが異なるスピーカ2で構成され、各スピーカ2にそれぞれパワーアンプ1が設けられている構成においては、各パワーアンプ1には、予め高域通過フィルタや低域通過フィルタなどが設けられ、帯域制限される。この場合においては、成分が小さい周波数領域が存在することとなり、成分が小さい周波数領域では、インピーダンスの算出が正しく行えないおそれがある。したがって、音楽信号の場合と同様に、コヒーレンスCOH(ω)および各パワースペクトルGVV(ω),GII(ω)についてのしきい値をそれぞれ設けて、しきい値未満の周波数領域を異常判定から除外することにより、ホワイトノイズを用いて異常判定を行いつつ、誤判定を防ぐことができる。
(ピンクノイズ)
ピンクノイズも全周波数領域で成分が存在するが、高周波数領域ではエネルギーが小さい。また、ホワイトノイズの場合と同様に、帯域制限処理が施される構成においては成分が小さい周波数領域が存在することとなる。成分が小さい周波数領域では、インピーダンスの算出が正しく行えないおそれがある。したがって、音楽信号の場合と同様に、コヒーレンスCOH(ω)および各パワースペクトルGVV(ω),GII(ω)についてのしきい値をそれぞれ設けて、しきい値未満の周波数領域を異常判定から除外することにより、ピンクノイズを用いて異常判定を行いつつ、誤判定を防ぐことができる。
(正弦波信号)
正弦波信号に有限長のフーリエ変換を適用すると、その結果は、線スペクトルにはならず、正弦波の周波数以外の周波数領域にも成分が存在してしまう。これは、フーリエ変換する対象の有限長の時間信号が、当該時間信号の時間長(窓)を周期とする繰り返し信号であることを前提にフーリエ変換していることによる。つまり、窓の繋ぎ目で信号の不連続が生じると、フーリエ変換する対象が元の正弦波とは異なる波形となってしまう。この不連続をなくすために、一般的に、フーリエ変換する前に窓関数処理が行われる。窓関数処理を行うことにより、正弦波の周波数以外の周波数領域における成分は幾分抑えられるが、正弦波の周波数以外の周波数領域における成分は完全にはなくならない。本来存在しない周波数におけるインピーダンスの算出は、異常判定において誤判定の原因となるおそれがある。したがって、電圧および電流のそれぞれについて成分の微小な周波数領域を除外するために、電圧のパワースペクトルGVV(ω)および電流のパワースペクトルGII(ω)についてのしきい値を設けて、しきい値未満の周波数領域を異常判定から除外することにより、正弦波信号を用いて異常判定を行いつつ、誤判定を防ぐことができる。
以上のように、本実施形態においては、可聴帯域内の周波数成分を有する信号を異常判定に利用可能である。さらに、可聴帯域外の周波数成分を有する信号も異常判定に利用可能である。例えば、可聴帯域以外の正弦波(例えば21kHzの正弦波など)を常時スピーカ2に出力することで、スピーカ2の可聴範囲内にいる人に不快感を与えずに、常時異常判定を行うことができる。また、可聴帯域内の周波数であっても、人間の聴覚の感度が低い帯域(低周波数領域、高周波数領域)のバンドパスノイズを小さいレベルで常時出力することによってもスピーカ2の可聴範囲内にいる人に不快感を与えずに、常時異常判定を行うことができる。
ここで、以下に上記構成の異常検知装置4を複数のスピーカを有する音響装置に適用した場合の異常判定処理についてより具体的に説明する。図4は図1に示す異常検知装置の適用例を示す概略構成図である。なお、上記実施形態の構成と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
図4に示す例においても、異常検知装置4は、スピーカケーブル3に電圧検出部5および電流検出部6が接続されている。異常検知装置4には、LANなどのネットワークNを介して異常検知装置4の設定入力および判定結果の出力を行うパーソナルコンピュータなどの外部機器17が接続されている。
本例において、スピーカケーブル3には、複数のスピーカ2a,2b,…,2n,…(以下、まとめて2Nと表記する場合がある)が互いに並列に接続されている。また、パワーアンプ1には、入力としてマイクロホン18や例えばオーディオプレイヤや楽器などの演奏機器19などの音響入力を混合するミキサ20が接続されている。このように本例の音響装置においては、マイクロホン18によるアナウンスおよび演奏機器19によるBGMの放送を複数のスピーカ2Nで出力するような構成を有している。このような音響装置は、例えば、商業施設の放送設備に適用される。このような構成においても、図3に示したのと同様に異常検知装置4が設置、運用され、図1および図2で示したのと同様に、異常検知装置4は、所定のタイミングで異常判定処理を行う。異常判定処理の結果は、異常検知装置4の記憶部15にログとして記憶され、適宜、外部機器17へ電子メールなどにより転送される。
異常検知装置4の設置時において設定される参照値および各しきい値は、例えば、複数のスピーカ2がすべて正常に動作している状態で演奏機器19から所定の音楽信号を出力することにより、測定されたインピーダンスに基づいて設定される。
異常検知装置4の設置後、例えばパワーアンプ1に近い側から2つ目のスピーカ2bと3つ目のスピーカ2cとの間のスピーカケーブル3(図4における(A)の位置)が何らかの原因(例えばネズミに齧られた等)により断線したとする。この状態で、異常検知装置4が異常判定処理を開始した場合、算出されるインピーダンスZ(ω)は、3つ目以降のスピーカ2c,2d,…が取り外された状態と同様の状態となるため、正常動作時の値(すなわち上記で設定されるような参照値)に対して変化する。
例えば、インピーダンス特性が等しい10個のスピーカを備える構成の場合、上記断線が生じると、2個のスピーカ2a,2bが並列接続されたときのインピーダンスZ(ω)となるため、正常動作時の値(参照値)に比べて5倍のインピーダンスZ(ω)が算出される。このため、異常判定処理において、異常と判定される。この結果、外部機器17に異常判定が生じたことが電子メールなどにより報告される。外部機器17の所持者(管理者など)は、外部機器17を通じて音響装置の異常状態を確認することができる。
例えば、異常時のインピーダンスを記憶することにより、管理者は、断線が生じた場所を特定することができる。さらに、正常と判定された際のログも記憶することにより、管理者は、ログをたどっていつまで正常に動作しているかを把握することができる。
なお、異常判定のためのインピーダンスZ(ω)と参照値との差または比についてのしきい値を例えばスピーカ1個分より小さい値に設定することにより、スピーカ2Nがスピーカケーブル3に接続されている何れの場所において断線が生じても異常が発生したとして判定を行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、上記実施形態においては、負荷としてスピーカ2を備えた音響装置に異常検知装置4を適用する例について主に説明したが、本発明はこれに限られず、電圧を印加することによって駆動する負荷であればどのような負荷についても本発明の異常検知装置を適用可能である。また、上記実施形態においては、負荷であるスピーカ2を備えた音響装置に、異常検知装置4を接続して使用する態様を例示したが、本発明の異常検知装置は、パワーアンプ1またはスピーカ2内に設けられることとしてもよいし、パワーアンプ1、スピーカ2および異常検知装置4を含む1つのシステムとして構成されてもよい。すなわち、本発明の異常検知装置は、負荷およびそれを駆動する装置のいずれかに一体的に構成されてもよいし、負荷およびそれを駆動する装置と異常検知装置とを一体のシステムとして構成してもよい。
本発明の異常検知装置は、簡単な構成で実使用状態においても異常検知を行うために有用である。
1 パワーアンプ
2 スピーカ(負荷)
3 スピーカケーブル
4 異常検知装置
5 電圧検出部
6 電流検出部
7,10 バッファアンプ
8,11 AD変換器
9 電流センサ
12 制御部
13 算出部
14 異常判定部
15 記憶部
16 外部インターフェース
17 外部機器
18 マイクロホン
19 演奏機器
20 ミキサ

Claims (6)

  1. 負荷に印加される電圧を検出する電圧検出部と、
    負荷に流れる電流を検出する電流検出部と、
    検出された前記電圧および前記電流に基づいて負荷のインピーダンスを算出する算出部と、
    前記負荷のインピーダンスを所定の参照値と比較して前記負荷の異常を判定する異常判定部とを備え、
    前記算出部は、検出された前記電圧および前記電流をそれぞれフーリエ変換し、当該フーリエ変換された電圧および電流に基づいて負荷のインピーダンスおよびコヒーレンスを算出し、該コヒーレンスの値が所定のしきい値未満となる周波数において算出される前記負荷のインピーダンスを、前記異常判定部における判定対象から除外する、異常検知装置。
  2. 前記算出部は、フーリエ変換された電圧および電流からそれぞれのパワースペクトルを算出し、電圧のパワースペクトルおよび電流のパワースペクトルの少なくとも何れか一方がそれぞれに設定される所定のしきい値未満となる周波数において算出される前記負荷のインピーダンスを、前記異常判定部における判定対象から除外する、請求項1に記載の異常検知装置。
  3. 前記算出部は、予め設定された周波数において算出される前記負荷のインピーダンスを、前記異常判定部における判定対象から除外する、請求項1または2に記載の異常検知装置。
  4. 前記算出部は、検出された前記電圧から前記負荷に印加される電圧の実効値を算出するとともに、検出された前記電流から前記負荷に流れる電流の実効値を算出し、
    前記異常判定部は、前記電圧の実効値が所定の第1の電圧しきい値より小さく、かつ、前記電流の実効値が所定の第1の電流しきい値以上である場合に、短絡と判定する、請求項1〜の何れかに記載の異常検知装置。
  5. 前記算出部は、検出された前記電圧から前記負荷に印加される電圧の実効値を算出するとともに、検出された前記電流から前記負荷に流れる電流の実効値を算出し、
    前記異常判定部は、前記電圧の実効値が所定の第2の電圧しきい値以上であり、かつ、前記電流の実効値が所定の第2の電流しきい値より小さい場合に、断線と判定する、請求項1〜の何れかに記載の異常検知装置。
  6. 前記算出部は、検出された前記電圧から前記負荷に印加される電圧の実効値を算出するとともに、検出された前記電流から前記負荷に流れる電流の実効値を算出し、
    前記異常判定部は、前記電圧の実効値が所定の第3の電圧しきい値より小さく、かつ、前記電流の実効値が所定の第3の電流しきい値より小さい場合に、判定不能として異常判定を行わない、請求項1〜の何れかに記載の異常検知装置。
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