JP6062709B2 - 白色反射フィルム - Google Patents
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Description
1.反射フィルムの表面に、バインダー樹脂からなり粒子を含有する水系の塗布層を有する白色反射フィルムであって、
塗布層表面において上記粒子による被覆率が0.2〜50%であり、上記粒子の平均露出率が2〜97%であり、
バインダー樹脂は、バインダー樹脂の質量を基準として30質量%以上の架橋基含有アクリル変性ポリエステル樹脂を含有し、該架橋基はイソシアネート基、グリシジル基またはオキサゾリン基であり、該架橋基含有アクリル変性ポリエステル樹脂における架橋基の量が、該架橋基含有アクリル変性ポリエステル樹脂におけるポリエステル成分100モル%を基準として、60モル%以上、165モル%以下である、
白色反射フィルム。
2.塗布層中の粒子の含有量が、塗布層の質量100質量%に対して5〜50質量%である、上記1に記載の白色反射フィルム。
3.塗布層中の粒子の平均粒径(d)と塗布層の厚み(t)とが下記式(1)を満たす、上記1または2に記載の白色反射フィルム。
1≦d(μm)/t(μm)≦100 ・・・(1)
4.揮発有機溶剤量が10ppm以下である、上記1〜3のいずれか1に記載の白色反射フィルム。
5.導光板を備える面光源用反射板として用いられる、上記1〜4のいずれか1に記載の白色反射フィルム。
以下、本発明を構成する各構成成分について詳細に説明する。
本発明における反射フィルムは、熱可塑性樹脂からなり、白色の着色剤またはボイド形成剤をフィルム中に含有させることによって白色を呈するようにしたフィルムである。着色剤またはボイド形成剤としては、例えば、無機粒子、有機粒子、上記フィルムを構成する熱可塑性樹脂とは非相溶の樹脂(以下、非相溶樹脂と呼称する場合がある。)を用いることができる。
反射フィルムの熱可塑性樹脂としてポリエステルを用いる場合、ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルを用いることが好ましい。このジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸を挙げることができる。ジオール成分としては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールを挙げることができる。
着色剤またはボイド形成剤として無機粒子を用いる場合、無機粒子としては、白色無機粒子が好ましい。この白色無機粒子としては、硫酸バリウム、二酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウムの粒子を例示することができる。無機粒子の平均粒子径は、例えば0.2〜3.0μm、好ましくは0.3〜2.5μm、さら好ましくは0.4〜2.0μmである。またその含有量は、反射フィルムの質量を基準として25〜55質量%が好ましく、30〜50質量%が更に好ましい。このような無機粒子を用いることで、好ましい反射率を達成しやすくなる。また、フィルム中で適度に分散させることができ、粒子の凝集が起こり難く、粗大突起のないフィルムを得ることができ、同時に、フィルムの表面が粗くなりすぎず、適切な範囲に光沢度をコントロールすることができる。なお、無機粒子は、どのような粒子形状でもあってもよく、例えば、板状、球状であってもよい。無機粒子は、分散性を向上させるための表面処理を行ってあってもよい。
本発明における塗布層は、バインダー樹脂からなり粒子を含有する。
本発明においては、反射フィルムの表面に塗布層を有するが、少なくとも導光板側となる一方の面に有していればよく、反射フィルムの両面に有していてもよい。
塗布層における粒子としては、有機粒子であっても良いし、無機粒子であっても良いし、有機無機複合粒子であっても良い。
有機粒子としては、例えばポリエステル樹脂粒子、アクリル変性ポリエステル樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子、ポリプロピレン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、スチレン−アクリル樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子、ジビニルベンゼン−アクリル樹脂粒子、ポリイミド樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等の高分子樹脂粒子が挙げられる。中でも、ギャップ確保のために特に適度な硬さを有する突起を形成しやすいという観点から、ポリエステル樹脂粒子、アクリル変性ポリエステル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子が特に好ましい。
塗布層におけるバインダー樹脂は、後述する架橋基含有アクリル変性ポリエステル樹脂を、バインダー樹脂の質量を基準として30質量%以上含有する。このような態様とすることで、湿熱環境下においても導光板との貼り付きを抑制することができる。含有量が少なすぎるとかかる湿熱環境下における貼り付きの抑制ができない。よって、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上である。かかる観点からは、上限は特に限定はされず、100質量%である。一方、多すぎると回収性が低くなる傾向にあるため、かかる観点からは、好ましくは70質量%以下、より好ましくは55質量%以下である。
本発明における架橋基含有アクリル変性ポリエステル樹脂とは、主鎖をポリエステル系(共)重合体とし、それをアクリル系(共)重合体で変性したものであり、例えば枝成分がアクリル系(共)重合体であり幹成分がポリエステル系(共)重合体であるグラフト共重合体である。なおここで、「(共)重合体」とは、単独重合体または共重合体のことを表わす。また、アクリル変性ポリエステル樹脂としては、例えば特開昭63−37937、特開平11−198327等に記載されているアクリル変性ポリエステル樹脂を使用することができる。
塗布層のバインダー樹脂には、上記架橋基含有アクリル変性ポリエステル樹脂のほかに、バインダー樹脂の質量を基準として30〜70質量%の熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。より好ましくは45〜65質量%である。熱可塑性樹脂をかかる含有量範囲で含有することで、耐湿熱ブロッキング性を保ちながら、塗布層の反射フィルムに対する密着性、および塗布層を有するフィルムの回収性に優れる。熱可塑性樹脂の含有量が30質量%以下であると、塗布層の反射フィルムに対する密着性が悪くなる傾向となり、また、塗布層を有するフィルムを回収して回収原料として用いた際に、得られるフィルムが黄変する傾向となる。一方、熱可塑性樹脂の量が70質量%以上であると、湿熱環境下における貼り付き抑制の効果が小さくなる傾向にある。
バインダー樹脂に添加することのできる熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタンを挙げることができる。中でも塗布層と反射フィルムの密着性が良いという観点から、ポリエステル樹脂が好ましい。
塗布層は、上記構成成分以外の成分を、本発明の目的を阻害しない範囲において含有していてもよい。かかる成分としては、例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、ワックス、上記粒子とは異なる粒子、上記アクリル変性ポリエステル樹脂と反応できる、反応できない樹脂等を挙げることができる。
(被覆率)
本発明の白色反射フィルムは、反射フィルムの表面に架橋基含有アクリル変性ポリエステル樹脂と粒子とを含有する塗布層を有し、該塗布層はさらに、バインダー樹脂からなる皮膜(以下、バインダー樹脂皮膜と呼称する場合がある。)中に粒子が存在する態様となり、粒子が白色反射フィルムの表面を被覆している態様となる。この粒子による被覆は、後に定義する被覆率で0.2〜50%、好ましくは0.4〜45%、さらに好ましくは0.5〜42%、特に好ましくは0.6〜40%の被覆率で白色反射フィルム表面を被覆していることをいう。被覆率がかかる範囲にあると、反射率や輝度をあまり低下させずに塗布層の効果を奏することができる。被覆率が0.2%未満であると、導光板とフィルムとの間のギャップを保つことができなくなり、導光板とフィルムとの接触、貼り付きによる輝度斑が発生する恐れがある。また、導光板とフィルムの摩擦が増える傾向にあり、導光板にキズが付きやすくなる。他方、被覆率が50%以上であると、フィルム表面における粒子の存在が多すぎることにより、反射率が下がる恐れがあり、それにより、表示装置の輝度も落ちる恐れがある。被覆率は、塗布層における粒子の平均粒径や含有量を調整することにより調整することができ、平均粒径を大きくしたり、含有量を多くしたりすると被覆率は高くなる傾向にある。
具体的には、ミクロトームを用いて、フィルム面内に無作為に選んだ一方向とフィルムの厚み方向とが形成する面が切断面となるように切片サンプル1を切り出し、それとは別に、切片サンプル1で無作為に選んだ一方向と直交する方向と厚み方向とが形成する面が切断面となるように切片サンプル2を切り出し、切片サンプル1の断面において塗布層面の長さ3mmの領域と、切片サンプル2の断面において塗布層面の長さ3mmの領域との合計長さ6mmの測定領域について、日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用い、倍率3000倍にて観察し、切片サンプルの切断面内における測定領域において、粒子に被覆されていないフィルム表面の部分の長さ(図1の符号201)を積算して、下記式で求める(図1参照)。
被覆率
=(6mm−(粒子に被覆されていない部分の積算長さ(mm)))/6mm
×100(%)
本発明における被覆率の算出において、白色反射フィルム表面を被覆しているとして扱う粒子は、白色反射フィルムの表面に粒子の一部分または全部が露出しているものである。この露出は、本発明で定義する露出率で1%以上の露出率での露出をいう。このように、露出率1%未満の粒子は被覆している粒子として扱わない。
すなわち、露出率(%)は、下記式で定義される。
露出率=(SとBとの間の距離)/(SとTとの間の距離)×100(%)
なお、切断面内における粒子の断面の中心は、粒子が球状の場合はその断面の円の中心とし、粒子が非球状の場合は、その断面の重心とする。
塗布層の厚みは、用いる粒子の量および粒径を勘案して、本発明が規定する被覆率および平均露出率となるように調整すればよい。例えば、塗布層が厚すぎると粒子が埋もれやすくなる傾向にあり、被覆率および平均露出率は低くなる傾向にある。
このような観点から、塗布層の厚み(t)は、上記粒子の平均粒径(d)との関係が、下記式(1)を満たすことが好ましい。
1≦d(μm)/t(μm)≦100 ・・・(1)
塗布層の厚みの具体的範囲としては、好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmである。
以下、本発明の白色反射フィルムを製造する方法の一例を説明する。この例では反射フィルムとして、反射層と支持層とを有する積層反射フィルムの態様を採用する。
まず、反射層を形成するためのポリエステル組成物と、支持層を形成するためのポリエステル組成物とを準備し、十分に乾燥した後、それぞれ別々の押出機に投入し、溶融押出する。ポリエステル組成物は、線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる平均目開き10〜100μm、好ましくは平均目開き20〜50μmの不織布型フィルターを用いて濾過を行うことが好ましい。この濾過を行うことで、通常は凝集して粗大凝集粒子となりやすい粒子の凝集を抑え、粗大異物の少ない積層フィルムを得ることができる。
濾過したポリエステル組成物は、溶融した状態でフィードブロックを用いた同時多層押出法により、ダイから多層の状態で押出し、積層未延伸シートを製造する。
(反射率)
本発明の白色反射フィルムの、塗布層側から測定した反射率は、好ましくは95%以上、より好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上である。反射率が95%以上であることによって、液晶表示装置や照明等に用いた場合には、高い輝度を得ることができる。かかる反射率は、反射フィルムのボイド含有量を多くすると高くなる傾向にあり、ボイド形成剤の含有量を多くしたり、反射フィルムの中の反射層の厚みを厚くしたり等各層の態様を好ましい態様としたりすることにより達成できる。
本発明の白色反射フィルムは、塗布層が水系であり、後述の方法にて測定した揮発有機溶剤量が、好ましくは10ppm以下である。これにより、例えばエッジライト液晶ディスプレイにおいては反射フィルムと直接接触する導光板の耐久性が向上するなどのメリットを例示できる。かかる観点から、より好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは3ppm以下であり、理想的には0ppmである。本発明においては、揮発有機溶剤量を少なくするために、塗布層の形成において、有機溶剤を多量に用いた溶液コーティング法を採用せずに、上述した方法を採用することが好ましい。
(1)光線反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO4白板を100%とした時の反射率を波長550nmで測定し、この値を反射率とした。なお、測定は、導光板側となる表面において実施すればよい。本発明においては塗布層を有する側の表面において行った。
粒度分布計(堀場製作所製LA−950)にて、粒子の粒度分布を求め、d50での粒子径を平均粒子径とした。
日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用い、倍率1000倍にて、粒子を100個任意に測定し、平均粒径を求めた。なお、球状以外の場合は(長径+短径)/2にて求めた。ここで短径は、長径と直交する最大径とした。
(4−1)サンプルの作成
ミクロトームを用いて、エポキシ包埋したフィルムから切片サンプル1と切片サンプル2を切り出した。切片サンプル1は、フィルム面内に無作為に選んだ一方向とフィルムの厚み方向とが形成する面が切断面となるように切り出した切片サンプルであり、切片サンプル2は、切片サンプル1で選んだ無作為な一方向と直交する方向と厚み方向とが形成する面が切断面となるように切り出した切片サンプルである。
切片サンプル1の塗布層面の長さ3mmの領域と、切片サンプル2の塗布層面の長さ3mmの領域との合計長さ6mmの測定領域について、日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用い、倍率3000倍にて観察した。
露出率は、切片サンプルの切断面内における粒子の断面の中心を通りバインダー樹脂からなる皮膜表面に垂直に向かう直線を引いたときに、この直線がフィルム切片の切断面内において粒子の表面と交わる2つの点のうち、露出した側の表面にある点をS、露出していない側の表面にある点をTとし、さきの直線がバインダー樹脂からなる皮膜表面と交わる点をBとしたとき、(SとBとの間の距離)/(SとTとの間の距離)で表される(図1参照)。
すなわち、露出率(%)は、下記式で定義される。
露出率=(SとBとの間の距離)/(SとTとの間の距離)×100(%)
なお、切断面内における粒子の断面の中心は、粒子が球状の場合はその断面の円の中心とし、粒子が非球状の場合は、その断面の重心とした。
また、かかる測定を上記6mmの測定領域において観測される全ての粒子について実施し、平均値を平均露出率とした。
(5−1)サンプルの作成
上記(4−1)で得たサンプルについて評価を行った。
(5−2)測定
切片サンプル1のバインダーの塗膜面の長さ3mmの領域と、切片サンプル2のバインダーの塗膜面の長さ3mmの領域との合計長さ6mmの測定領域について、日立走査電子顕微鏡ショットキーエミッション形電子ビームシステムS−4300SE/Nを用い、倍率3000倍にて観察した。
被覆率は、切片サンプルの切断面内における測定領域において、粒子に被覆されていないフィルム表面の部分の長さを積算して、下記式で求めた(図1参照)。
被覆率
=(6mm−(粒子に被覆されていない部分の積算長さ(mm)))/6mm
×100(%)
フィルムサンプルの厚み方向の断面を日立走査電子顕微鏡ショットキーエミッション形電子ビームシステムS−4300SE/Nを用い、倍率3000倍にて観察撮影し、写真から球状粒子を有しない箇所(例えば図1の符号204)において塗膜の厚みを計測し、任意に10点測定してそれらの平均値を求めた。
LGのLED液晶テレビ(LG42LE5310AKR)からシャーシを取り出し、テレビ内部側が上向きとなるように水平な机上に置き、その上に、シャーシとほぼ同じ大きさの白色反射フィルムを、塗布層が上向きとなるように置き、さらにその上に、元々テレビに備えられていた導光板および光学シート3枚(拡散フィルム2枚、プリズム1枚)を置いた。次いで、その面内で、シャーシの凹凸の最も激しい部分を含む領域に、図2に示すごとく直径5mmの円状足を三本備える正三角形型の台(図2の符号601)を置き、その上に更に20kgの重り(図2の符号602)を乗せて、かかる三本の足に囲まれた領域を目視で観測し、異常に明るい部分がなければ「密着斑がなし」(密着斑評価○)とした。また、異常に明るい部分があった場合は、光学シート3枚の上にさらに、元々テレビに備わっていたDBEFシートを置き、同様に目視で観測し、異常に明るい部分が直らなければ、「密着斑があり」(評価×)とし、異常に明るい部分がなくなれば、「密着斑が殆どなし」(評価△)とした。なお、三つ足に囲まれた領域は、各辺の長さが10cmの略正三角形とした。
図3のように、取っ手部分(図3の符号7)の端に長さ200mm×幅200mm×厚み3mmの鉄板(図3の符号8、重さ約200g)を固く貼り付け、その上に、評価面を上にした幅250mm×長さ200mmの白色反射フィルム(図3の符号9)を幅方向の両端からそれぞれ25mmの部分が鉄板からはみ出すようにして、(中央の200mm×200mmの部分が鉄板と重なるようにして)貼り付けた。この際、白色反射フィルムの評価面(塗布層面)が外側になるようにした。また、白色反射フィルムの幅方向の両端で余った25mmの部分は、鉄板の裏側に折り返して、フィルムの端部(サンプリング時にナイフ等により刃を入れた部分)が導光板を削ってしまう影響を極力低減した。
次に、ドット面を上にした導光板(少なくとも400mm×200mmのサイズのもの)を水平な机上に固定し、上記で作成した鉄板に固定した白色反射フィルムを、評価面と導光板とが接触するように、白色反射フィルム側の面を下向きにして導光板の上に置き、さらにその上に1kgの重り(図3の符号10)を載せて、距離200mmで(400mm×200mmの領域で鉄板に固定した反射フィルムを動かすことになる)1往復約5〜10秒の速度で15往復動かした。 その後、導光板表面において、その削れ具合と、フィルムから脱落した粒子の有無について、20倍のルーペを用いて観察し、以下の基準で評価した。
導光板上の擦られた400mm×200mmの全範囲において、15往復動かした後にルーペで観察できるキズがない場合は「削れない」(削れ評価○)とし、10往復動かした後は観察できるキズがなかったが、15往復動かした後に観察できるキズがある場合は「削れにくい」(削れ評価△)とし、10往復した後に観察できるキズがある場合は「削れる」(削れ評価×)とした。
また、15往復動かした後において、導光板上の擦られた400mm×200mmの全範囲において、ルーペで観察できる白色異物がなければ、「粒子が脱落しない」(脱落評価○)とした。また、観察できる白色異物があった際は、かかる白色異物を顕微鏡により観測し、塗布層に含有する粒子であることを確認して、脱落した白色異物が5つ以下であれば、「粒子がほとんど脱落しない」(脱落評価△)とし、6つ以上であれば、「粒子が脱落する」(脱落評価×)とした。
なお、上記評価にあたっては、ドットサイズの影響を極力抑えるべく、導光板において、極力ドットサイズの大きな領域を選択し、各評価サンプルで揃えて行った。
また、上記評価にあたっては、白色反射フィルムを少なくとも、温度23℃、相対湿度55RH%の環境で3日間置いて、塗布層を十分に安定させてから評価を実施した。
室温(23℃)において、1gのフィルムサンプルを10Lのフッ素樹脂製バッグに入れ、その中を純窒素でパージして密封した。次いで、直ちにかかるバッグの中の窒素から、0.2L/分の流量で、2本の分析用TENAX−TA捕集管にそれぞれ0.2L、1.0Lの窒素を採取し、これらを用いて、HPLCおよびGCMSにより、採取した窒素中に含まれる有機溶剤成分の質量を定量した。得られた値を窒素10L中の量に換算して、1gのフィルムサンプルから10Lの窒素中に揮発した有機溶剤の質量を求め、揮発有機溶剤量(単位:ppm、フィルムサンプルの質量基準)とした。なお、アルデヒド類は、アセトニトリルでアルデヒド誘導体化物を捕集管から溶出し、HPLCにより定量した。また、HPLCとGCMSとで値が異なる場合は、多く検出した方の値を採用した。
揮発有機溶剤量が10ppm以下の場合を評価○、10ppmを超える場合を評価×とした。
条件1:サンプルフィルムの表と裏を重ね0.6kg/cm2に加圧し、60℃、90%RHに設定した周知の高温高湿槽中に17時間放置する。取り出したフィルムが貼り付いていないか軽微にしか貼り付きがなく容易に剥離でき、且つ、塗布層が溶融せずに残存していれば、○評価とした。フィルムが貼り付き、剥離の際にデラミが発生したり、もしくは、塗布層が溶融していれば、×評価とした。
条件2:32インチソニーブラビアLEDエッジタイプテレビKDL−32EX700のバックライトから導光板を取り出して、5cm×10cmに切り、導光板のパターニング面とサンプルフィルムの塗布面とを接するように重ね合わせ、0.08kg/cm2に加圧し、60℃、90%RHに設定した高温高湿槽中に17時間放置する。取り出したフィルムと導光板とが貼り付いていないか軽微にしか貼り付きがなく、容易に剥離でき、且つ、塗布層が溶融せずに残存していれば、○評価とした。他方、フィルムと導光板とが貼り付き、剥離の際にデラミが発生したり、もしくは、塗布層が溶融していれば、×評価とした。
上記の条件1と条件2両方が○であれば、耐湿熱ブロッキング性が実用性能を満足し、条件1と条件2いずれが×であれば、耐湿熱ブロッキング性が実用性能を満足しないと評価できる。
塗布層表面を指で擦り、擦った後の塗布層の状態を目視で観測して上記の基準で評価した。
○:塗布層表面に変化が見られない。
△:塗布層が僅かに剥がれた。
×:塗布層が剥がれた。
サンプルフィルムを20gを計量し、小さく切ってからフラスコに入れて、真空状態にて300℃にて15分間攪拌溶融し、その後、窒素をフラスコに充填し、窒素雰囲気で更に300℃にて15分間攪拌溶融する。溶融したポリマーを取り出し、金属板にて挟み加圧しプレートを作成する。得られたプレートの色を目視で観察し、黄色味が少なくリサイクル可能なレベルであれば、○評価とし、黄色くリサイクルしにくいレベルであれば、△評価とし、明らかに黄色味が多くリサイクル不可能なレベルであれば、×評価とした。
テレフタル酸ジメチル132質量部、イソフタル酸ジメチル18質量部(ポリエステルの酸成分に対して12モル%となる。)、エチレングリコール96質量部、ジエチレングリコール3.0質量部、酢酸マンガン0.05質量部、酢酸リチウム0.012質量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜235℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03質量部、二酸化ゲルマニウム0.04質量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.5mmHgまで減圧するとともに290℃まで昇温し重縮合反応を行った。得られた共重合ポリエステルの酸成分に対するジエチレングリコール成分量は2.5質量%、ゲルマニウム元素量は50ppm、リチウム元素量は5ppmであった。得られた共重合ポリエステルに無機粒子として平均粒子径1.0μmの硫酸バリウムを48質量%含有するマスターバッチを用意し、これを反射層(層A)を形成するための層Aポリマーとして用いた。
それぞれ275℃に加熱された2台の押出機に供給し、層Aポリマー(硫酸バリウム濃度48質量%)、層Bポリマー(硫酸バリウム濃度5質量%)を、層Aと層Bとが層B/層A/層Bの積層構成となるように3層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを83℃にて加熱し製膜機械軸方向(以下、長手方向または縦方向またはMDと呼称する場合がある。)に2.8倍延伸し、25℃のロール群で冷却した。
続いて、ダイレクトグラビアコーターにより、表1に示す塗液(固形分濃度30質量%の水系塗液)を、乾燥後の塗布層厚みが表2に示す厚みとなるように、フィルムの片面に塗布した。
続いて、フィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き、115℃に加熱された雰囲気中で長手方向に垂直な方向(以下、幅方向または横方向またはTDと呼称する場合がある。)に3.7倍延伸した。その後テンター内で195℃にて熱固定を行い、室温まで冷やして二軸延伸フィルムを得た。この二軸延伸フィルムは、微細なボイドを含有する。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
塗布層を塗設しない以外は実施例1と同様に実施した。評価結果を表2に示す。
一軸延伸後、二軸延伸前の塗布層を塗設しない以外に実施例1と同様に実施して得られた二軸延伸フィルムの上に、ダイレクトグラビアコーティング装置にて、下記の調液レシピに示す組成からなる塗液を、wet厚み15g/m2の塗布量で塗布した後、オーブン内にて80℃で乾燥してフィルムを得た。
・粒子:積水化成品工業社製BM30X−55(高架橋アクリル粒子、無孔質粒子、粉体、表中BM30X−55と記載する)・・・4.5質量%
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂):DIC社製アクリディックA−817BA(表中A−817BAと記載する)・・・33質量%
・架橋剤:日本ポリウレタン工業社製コロネートHL(イソシアネート系架橋剤、固形分濃度75質量%、表中コロネートと記載する)・・・12質量%
・希釈溶媒:酢酸ブチル・・・50.5質量%
得られたフィルムの評価結果は表1の通りであった。なお、上記レシピから得られる塗布層における各成分の固形分比率は以下の通りとなる。
・粒子:15質量%
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂):55質量%
・架橋剤:30質量%
2003LS:アルケマ(ナイロン12、平均粒径50μm、無孔質粒子、粉体)
SK−RP−25CL:セイシン企業(ポリエチレンテレフタレート、平均粒径25μm、無孔質粒子、粉体)
GX−811:互応化学(水溶性ポリエステル、Tg64℃、固形分濃度30質量%)
A−215GE:高松油脂(グリシジル基含有アクリル変性ポリエステル樹脂、Tg40℃、固形分濃度30質量%)
A−645GH:高松油脂(グリシジル基含有アクリル変性ポリエステル樹脂、Tg55℃、固形分濃度30質量%)
A−647GEX:高松油脂(グリシジル基含有アクリル変性ポリエステル樹脂、Tg60℃、固形分濃度20質量%)
A−645GE:高松油脂(グリシジル基含有アクリル変性ポリエステル樹脂、Tg55℃、固形分濃度30質量%)
界面活性剤:花王株式会社製、エマルゲン420(エーテル系非イオン性界面活性剤)
2 バインダー樹脂皮膜
201 粒子に被覆されていない部分
202 粒子に被覆されている部分
203 バインダー樹脂皮膜表面
204 塗布層厚み
3 反射フィルム
4 シャーシ
5 白色反射フィルム、導光板、光学シートの積層物
601 正三角形型の台
602 重り
7 取っ手部分
8 鉄板
9 白色反射フィルム
10 重り
11 導光板
1101 ドット
Claims (5)
- 反射フィルムの表面に、バインダー樹脂からなり粒子を含有する水系の塗布層を有する白色反射フィルムであって、
塗布層表面において上記粒子による被覆率が0.2〜50%であり、上記粒子の平均露出率が2〜97%であり、
バインダー樹脂は、バインダー樹脂の質量を基準として30質量%以上の架橋基含有アクリル変性ポリエステル樹脂を含有し、該架橋基はイソシアネート基、グリシジル基またはオキサゾリン基であり、該架橋基含有アクリル変性ポリエステル樹脂における架橋基の量が、該架橋基含有アクリル変性ポリエステル樹脂におけるポリエステル成分100モル%を基準として、60モル%以上、165モル%以下である、
白色反射フィルム。 - 塗布層中の粒子の含有量が、塗布層の質量100質量%に対して5〜50質量%である、請求項1に記載の白色反射フィルム。
- 塗布層中の粒子の平均粒径(d)と塗布層の厚み(t)とが下記式(1)を満たす、請求項1または2に記載の白色反射フィルム。
1≦d(μm)/t(μm)≦100 ・・・(1) - 揮発有機溶剤量が10ppm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色反射フィルム。
- 導光板を備える面光源用反射板として用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の白色反射フィルム。
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