JP6062692B2 - 鉄道車両用車体 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両用車体に関し、特には簡素かつ小規模な構成によって車体の断面変形に対する剛性を効果的に向上したものに関する。
例えば電車等の鉄道用旅客車の車体は、一般に床構、側構、妻構、屋根構を有するほぼ六面体として構成された箱状の構造物となっている。
また、鉄道車両用車体は、軽量化とともに、振動抑制による乗り心地改善や衝突安全性の向上のため、剛性を確保することも要求される。
従来、踏切事故や脱線衝突事故に対する安全性を向上するために、車体側面方向から側構に作用する荷重に対する強度を向上させることを目的として、床構の横梁、側構の側柱、及び、屋根構の垂木を同一断面内に配置した補強骨組部を、車体の車両前後方向における複数箇所に配置した鉄道車両が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、車体の横荷重に対する強度不足を解消して乗客の安全を図るため、台枠と側構とのコーナ部、及び、側構と屋根構とのコーナ部に連結部材を設けることが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2007− 62440号公報 特開2007−161084号公報
しかし、特許文献1に記載された技術では、車体の屋根構、側構、床構といった各構体における構造部材の配置等の基本設計に及ぼす制約が多く、車両の設計自由度が低くなってしまう。また、既存の車両には適用することが極めて困難である。
また、特許文献2に記載された技術のように、側構と台枠との間を連結部材によって直接連結する構成とした場合、側構、台枠、及び、連結部材によってトラス状の構造体を形成することが可能である。しかし、このようなトラス状の構造体による剛性向上効果は、構体のコーナ部の比較的小さい範囲に限定され、車体剛性の向上効果も限られたものとなってしまう。
一方、近年の鉄道車両の軽量化や、それに伴う車体構造の変化などを背景として、車体の上下方向の弾性振動(以下、車体弾性振動)低減のための取組みが進められている。車体弾性振動は、古くから一様な弾性はりの1次曲げ振動とみなされることが多いが、本願の発明者らのこれまでの詳細な振動計測結果によると、車体は実際には3次元構造物としての複雑な振動形状を示すことがわかっている。
振動特性(形状)の特徴は、車体構造(アルミ合金、ステンレス鋼といった材料や、これによる製造方法の差異)により異なるが、(1)車体床面に着目した場合に上述したいわゆる「1次曲げ」に近い形状、(2)車体断面にせん断を伴い「ひし形」に変形する形状、を示すモードについては、経験上、いずれの車種でも乗り心地に影響を与える事例が多い。
また、従来の車体弾性振動低減手法は、主として上記のうち(1)を対象としたものがほとんどであるが、車種や軌道条件、乗車位置によっては、(2)の乗り心地への寄与が高い場合もあり、これを考慮した対策についても検討する必要がある。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、簡素かつ小規模な構成によって車体の断面変形に対する剛性を効果的に向上した鉄道車両用車体を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明の鉄道車両用車体は、車室床部が設けられた台枠と、前記台枠の側端部から上方へ延びた側構と、前記側構の車室内側の面部から突き出して設けられた腰掛と、前記腰掛の端部に設けられた袖仕切とを備える鉄道車両用車体であって、前記袖仕切と前記車室床部とを連結する袖仕切床部連結部材を備えることを特徴とする。
これによれば、床部、側構、袖仕切、袖仕切床部連結部材を順次連結して構成される構造体が形成され、床部を含む台枠と側構との相対角度変位が強固に拘束され、車体の断面変形に対する剛性を向上して弾性変形を抑制し、乗り心地を改善することができる。
また、袖仕切を有する車両であれば、その下部と床部とを連結する袖仕切床部連結部材を設けることのみによってこのような効果を得られるため、既存の車両に対しても小規模な設計変更や質量増加によって適用することが可能である。
さらに、袖仕切のような比較的大型の内装部品を車体剛性向上のための部材として用いることによって、例えば上述した従来技術のように構体のコーナ部にのみ連結部材を設ける構造と比較して、構体のより広い範囲で相対角度変化を抑制し、より高い剛性向上効果を得ることができる。
本発明において、前記袖仕切床部連結部材は、前記袖仕切側の端部と前記床部側の端部との間の相対振動を減衰させる減衰手段を有することを特徴とする。
これによれば、減衰手段が側構と台枠との相対角度変化を伴う振動を減衰させることによって、上述した効果をより高めることができる。
また、本発明において、前記袖仕切床部連結部材は、前記袖仕切に固定される第1の部材と、前記床部に固定される第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間に設けられる粘弾性体とを有する構成とすることができる。
これによれば、簡単な構成によって上述した効果を得ることができる。
本発明において、前記腰掛と前記車室床部とを連結する腰掛床部連結部材を備える構成とすることができる。
また、本発明の他の鉄道車両用車体は、車室床部が設けられた台枠と、前記台枠の側端部から上方へ伸びた側構と、前記側構の車室内側の面部から突き出して設けられた腰掛とを備える鉄道車両用車体であって、前記腰掛と前記車室床部とを連結する腰掛床部連結部材を備えることを特徴とする。
これによれば、床部、側構、腰掛、腰掛床部連結部材を順次連結して構成される構造体が形成され、床部を含む台枠と側構との相対角度変位が強固に拘束され、車体の断面変形に対する剛性を向上して弾性変形を抑制し、乗り心地を改善することができる。
また、腰掛を有する車両であれば、その下部と床部とを連結する腰掛床部連結部材を設けることのみによってこのような効果を得られるため、既存の車両に対しても小規模な設計変更や質量増加によって適用することが可能である。
さらに、腰掛のような比較的大型の内装部品を車体剛性向上のための部材として用いることによって、例えば上述した従来技術のように構体のコーナ部にのみ連結部材を設ける構造と比較して、構体のより広い範囲で相対角度変化を抑制し、より高い剛性向上効果を得ることができる。
本発明において、前記腰掛床部連結部材は、前記腰掛側の端部と前記床部側の端部との間の相対振動を減衰させる減衰手段を有することを特徴とする。
これによれば、減衰手段が側構と台枠との相対角度変化を伴う振動を減衰させることによって、乗り心地を改善することができる。
また、本発明において、前記腰掛床部連結部材は、前記腰掛に固定される第1の部材と、前記床部に固定される第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間に設けられる粘弾性体とを有する構成とすることができる。
これによれば、簡単な構成によって上述した効果を得ることができる。
本発明において、前記側構における前記腰掛より下方の領域と前記車室床部とを連結する側構床部連結部材を備える構成とすることができる。
これによれば、車体の剛性をより向上し、弾性振動を抑制して乗り心地をさらに改良することができる。
また、本発明の他の鉄道車両用車体は、前記台枠の側端部から上方へ伸びた側構と、前記側構の車室内側の面部から突き出して設けられた腰掛とを備える鉄道車両用車体であって、前記側構における前記腰掛より下方の領域と前記車室床部とを連結する側構床部連結部材を備えることを特徴とする。
これによれば、側構と台枠との間の相対角度変位が拘束され、車体の断面変形に対する剛性を向上して弾性変形を抑制することができる。
本発明において、前記側構床部連結部材は、前記側構側の端部と前記床部側の端部との間の相対振動を減衰させる減衰手段を有することを特徴とする。
これによれば、減衰手段が側構と台枠との相対角度変化を伴う振動を減衰させることによって、乗り心地を改善することができる。
また、本発明において、前記側構床部連結部材は、前記側構に固定される第1の部材と、前記床部に固定される第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間に設けられる粘弾性体とを有する構成とすることができる。
これによれば、簡単な構成によって上述した効果を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、簡素かつ小規模な構成によって車体の断面変形に対する剛性を効果的に向上した鉄道車両用車体を提供することができる。
本発明を適用した鉄道車両用車体の第1参考例の模式的平面図である。 図1のII−II部矢視断面図である。 袖仕切と床部を連結するコーナーブレースを示す図であって、図3(a)は図1のIII−III部矢視断面図であり、図3(b)は図3(a)のb−b部矢視図である。 図1のIV−IV部矢視断面図であって、側構と床部を連結するコーナーブレースを示す図である。 第1参考例及び比較例の鉄道車両用車体におけるPSD周波数特性を示すグラフである。 本発明を適用した鉄道車両用車体の第実施形態における袖仕切と床部を連結するコーナーブレースを示す図である。 図6のA−A部断面のバリエーションを示す図である。 本発明を適用した鉄道車両用車体の第実施形態における袖仕切と床部を連結するコーナーブレースを示す図である。 本発明を適用した鉄道車両用車体の第実施形態における袖仕切と床部を連結するコーナーブレースを示す図である。
以下、本発明を適用した鉄道車両用車体の参考例及び実施形態について説明する。
<第1参考例
まず、第1参考例について説明する。
第1参考例の鉄道車両用車体は、例えば、ステンレス鋼製のモノコック構体を有する通勤電車であって、片側面あたり4扉を有するロングシート車である。
図1は、第1参考例の鉄道車両用車体の模式的平面図である。
図2は、図1のII−II部矢視断面図であって、車体を車両前後方向から見た断面図である。
鉄道車両用車体1は、乗客が収容される車室を構成する構体100を備えている。
構体100は、台枠110、側構120、妻構130、屋根構140等を備え、実質的に六面体状に構成されている。
台枠110は、構体100の下面部を構成するほぼ平板状の部分である。
台枠110は、平面視形状が実質的に矩形状に形成され、実質的に水平に配置されている。
台枠110の上面には、車室の床部111が設けられている。
台枠110の下部には、軌道R上を走行する輪軸10が設けられる図示しない台車が回動(ボギー角付与)可能に取り付けられる。
側構120は、車両の側面部を構成する部分である。
側構120は、台枠110の側端部から上方へ延びて形成されている。
側構120は、扉開口121、戸袋部122のほか、図示しない窓開口などを備えて構成されている。
扉開口121は、乗客乗降用の両開き引き戸である扉が設けられる開口であって、片側面あたり4か所に設けられている。
戸袋部122は、扉開口121に設けられる扉が収容される空間部であって、扉開口121の前後にそれぞれ設けられている。
戸袋部122の車室内側には、側構120の構成要素ではない戸袋内柱123が設けられている。
戸袋内柱123は、側構120に沿って上下方向に配置され、台枠110と側構120の上端部とをつなぐ部材である。
妻構130は、車体の前後端面を構成する部分である。
妻構130は、台枠110の前後端部から上方へ延びて形成されている。
妻構130には、図示しない貫通路などが設けられている。
妻構130の側端部は、側構120の前後端部と接続されている。
屋根構140は、車室の屋根を構成する部分である。
屋根構140は、車両前後方向から見たときに上方に凸となるように湾曲して形成されている。
屋根構140の側端部は、側構120の上端部と接続されている。
屋根構140の前後端部は、妻構130の上端部と接続されている。
側構120には、腰掛210、袖仕切220、荷棚230、スタンションポール240等が取り付けられている。
腰掛210は、乗員が車両前後方向に沿って並び、かつ車幅方向中央側を向いて着座するロングシートである。
腰掛210は、妻構130に隣接する車両前後端部においては例えば3人掛け、その他の箇所(ドア開口121の間)においては例えば7人掛けとなっている。
腰掛210の座面は、側構120から車室内側へ片持ち梁状に突き出して形成されている。
袖仕切220は、腰掛210の扉開口121と隣接する端部に設けられている。
袖仕切220は、上下方向及び車幅方向にほぼ沿って延びたパネル状の部材であって、側構120から車室内側へ突き出して形成されている。
袖仕切220の下部は、側構110の床部111に対して上下方向に間隔を隔てて配置されている。
荷棚230は、図示しない窓部の上部から、車室内側へ突き出して形成され、乗客が手荷物等を載せる部分である。
スタンションポール240は、荷棚230の突端部(車幅方向内側の端部)における側端部(車両前後方向の端部)と、袖仕切220の上端部近傍の端面とを連結する手すり棒である。
屋根構140には、灯具受250、吊手棒260等が設けられている。
灯具受250は、屋根構140の下方に突き出して形成されたブラケットであって、図示しない灯具等が取り付けられる部分である。
灯具受250は、左右に離間して一対が設けられ、車両前後方向に延在している。
吊手棒260は、乗客が把持する吊手が吊り下げされるポールであって、灯具受け250から下方に突き出した吊手棒受によって支持されている。
また、第1参考例の鉄道車両用車体は、以下説明するコーナーブレース(連結部材)300,400を備えている。
図3は、袖仕切と床部を連結するコーナーブレース300を示す図であって、図3(a)は図1のIII−III部矢視断面図であり、図3(b)は図3(a)のb−b部矢視図である(後述する図6,8,9において同じ)。
コーナーブレース300は、本体部310、袖仕切側固定部320、床部側固定部330を備えている。
本体部310は、中空の矩形閉断面を有する梁状の部材であって、袖仕切220の車幅方向内側の端部における下端部近傍から、床部111の直上まで、実質的にストレートに伸びている。なお、このような配置は一例であって、コーナーブレース300は、袖仕切220の車幅方向における中央部等に接続してもよい。
本体部310は、例えば、スチールやアルミニウム系合金の管材によって形成されている。
本体部310は、車幅方向及び上下方向を含む平面に沿って配置されるとともに、床部111側の端部(下端部)が、袖仕切220側の端部(上端部)に対して、やや車幅方向内側となるように緩やかに傾斜して配置されている。
袖仕切側固定部320は、袖仕切220の下端部近傍における腰掛210側とは反対側の面部に、ボルト等によって固定されるプレート状の部分である。
袖仕切側固定部320は、本体部310の袖仕切220側の端部における側面部に、例えば溶接等によって固定されている。
床部側固定部330は、床部111の上面に、ボルト等によって固定されるプレート状の部分である。
床部側固定部330は、車幅方向に沿った長手方向を有する矩形状に形成されるとともに、長辺部に沿って上方へ立ち上げたリブ部が形成されている。
床部側固定部330は、本体部310の床部111側の端部における端面部に、例えば溶接等によって固定されている。
図4は、図1のIV−IV部矢視断面図であって、側構と床部を連結するコーナーブレース400を示す図である。
コーナーブレース400は、本体部410、側構側固定部420、床部側固定部430を備えている。
本体部410は、中空の矩形閉断面を有する梁状の部材であって、腰掛210の直下における側構120の内面部から、床部111の直上まで、実質的にストレートに伸びている。
本体部410は、例えば、スチールやアルミニウム系合金の管材によって形成されている。
本体部410は、車幅方向及び上下方向を含む平面に沿って配置されるとともに、床部111側の端部(下端部)が、側構120側の端部(上端部)に対して、車幅方向内側となるように傾斜して配置されている。
側構側固定部420は、腰掛210の直下における側構120に、ボルト等によって固定されるプレート状の部材である。
側構側固定部420は、本体部410の側構120側の端部に、例えば溶接等によって固定されている。
床部側固定部430は、床部111の上面に、ボルト等によって固定されるプレート状の部分である。
床部側固定部430は、車幅方向に沿った長手方向を有する矩形状に形成されるとともに、長辺部に沿って上方へ立ち上げたリブ部が形成されている。
床部側固定部430は、本体部410の床部111側の端部における端面部に、例えば溶接等によって固定されている。
なお、第1参考例においては、コーナーブレース300,400は、比較的効果が大きいと考えられる車体中央側の片側面あたり2箇所の扉付近のみを対象に、それぞれ8個ずつ配置した。
これらのコーナーブレース300,400の合計質量は、約22kgであった。
次に、上述した第1参考例の効果を、以下説明する本発明の比較例と対比して説明する。
比較例の鉄道車両用車体は、第1参考例の鉄道車両用車体のコーナーブレース300,400を除去したものである。
第1参考例及び比較例の鉄道車両用車体を対象として、車両試験台を用いた実車加振試験を行なった。
この加振試験は、車両試験台における定置加振によって、両者の振動特性の変化を調査したものである。
バンドランダム加振時に測定した振動加速度を用いて振動モード解析を実施し、固有振動数を比較した結果、車体断面が平行四辺形状に変形する振動モードにおける固有振動数が、比較例では7.19Hzであったのに対して、第1参考例では8.01Hzと約11%増加していることがわかった。
次に、実走行を模擬する加振(走行速度83km/h)を実施して、車両前後方向中央の窓寄りにおけるPSDを計算した結果を図5に示す。
図5は、第1参考例及び比較例の鉄道車両用車体におけるPSD周波数特性を示すグラフである。
図5において、縦軸はPSD、横軸は周波数を示す。また、第1参考例、比較例のデータを、それぞれ実線、破線で図示している。
図5に示すように、比較例の7Hz付近に存在したピークが、第1参考例においては高周波数側の8Hz付近まで移動しており、車体断面が平行四辺形状に変形する振動モードに対する剛性向上効果が確認された。
以上説明したように、第1参考例においては、袖仕切220と床部111との間を連結するコーナーブレース300、及び、側構120と床部111との間を連結するコーナーブレース400を設けたことによって、簡素かつ小規模な構成によって車体の断面変形に対する剛性を効果的に向上することができる。
<第実施形態>
次に、本発明を適用した鉄道車両用車体の第実施形態について説明する。
なお、以下説明する各実施形態において、上述した第1参考例と実質的に同様の箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
実施形態の鉄道車両用車体は、第1参考例のコーナーブレース300に代えて、減衰手段を有するコーナーブレース300Aを設けたものである。
図6は、第実施形態のコーナーブレースを示す図である。
コーナーブレース300Aの本体部310Aは、内筒311及び外筒312を有する二重筒構造となっている。
内筒311及び外筒312は、それぞれ実質的に矩形断面を有するパイプとして形成されている。
内筒311は、袖仕切側固定部320に固定されている。内筒311の下部は外筒312の内部に挿入され、内筒311の上部は、外筒312の上部から突き出して露出している。
外筒312は、床部側固定部330に固定されている。
内筒311の床部111側の端部は、外筒312の内径側に、外筒312の内周面とは間隔を隔てて挿入されている。
図7は、図6(a)のA−A部矢視断面のバリエーションを示す図である。
内筒311の外周面と、外筒312の内周面との間には、例えばエラストマー、ゴム等の粘弾性を有する材質からなり、内筒311と外筒312との間の相対振動を減衰させる機能を有する減衰部材340が配置されている。減衰部材340は、内筒311及び外筒312と、例えば接着等によって接合されている。
このような減衰部材340は、例えば図7(a)に示すように、矩形断面を有する内筒311及び外筒312の各辺部にそれぞれ設けて、コーナー部は空けるようにしてもよい。
また、減衰部材340は、図7(b)、図7(c)に示すように、矩形断面を構成する四辺のうち、対向する一対の辺にのみ設けて、他の辺には設けなくてもよい。
例えば図7(b)に示すように、内筒311を車両前後方向に挟んだ位置や、図7(c)に示すように、内筒311を車幅方向に挟んだ位置にのみ設ける構成としてもよい。
さらに、減衰部材340は、図7(d)に示すように、内筒311と外筒312との間の実質的に全周にわたって配置してもよい。
以上説明した第実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果に加え、減衰部材340が台枠110と側構120との相対振動を減衰させることによって、車体の弾性変形をより低減し、乗り心地をさらに改善することができる。
<第実施形態>
次に、本発明を適用した鉄道車両用車体の第実施形態について説明する。
実施形態の鉄道車両用車体は、第1参考例のコーナーブレース300に代えて、減衰手段を有するコーナーブレース300Bを設けたものである。
図8は、第実施形態のコーナーブレース300Bを示す図である。
実施形態のコーナーブレース300Bは、本体部310の下端部端面と、床部側固定部330との間に挟まれた、シート状の減衰部材350を設けたものである。
以上説明した第実施形態においても、上述した第実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
<第実施形態>
次に、本発明を適用した鉄道車両用車体の第実施形態について説明する。
実施形態の鉄道車両用車体は、第1参考例のコーナーブレース300に代えて、減衰手段を有するコーナーブレース300Cを設けたものである。
図9は、第実施形態のコーナーブレースを示す図である。
実施形態のコーナーブレース300Cは、本体部310Cを、袖仕切220と実質的に平行に配置された平板状のプレートとして形成している。
本体部310Cの袖仕切220側の端部は、袖仕切220との間にシート状の減衰部材360を挟み込んだ状態で袖仕切220に締結される。
また、本体部310Cの床部111側の端部は、床部側固定部330から上方へ立ち上げて形成された一対のブラケット331の間隔に、シート状の弾性部材370を介在させた状態で挟み込まれている。
すなわち、本体部310Cは、一対の弾性部材370によって挟み込まれ、さらにその外側から一対のブラケット331によって挟み込まれる。
以上説明した第実施形態においても、上述した第実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上述した各実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
例えば、各連結部材(コーナーブレース)の形状、材質、製法、個数、配置、角度等は、上述した各実施形態のものに限らず適宜変更することが可能である。
例えば、各連結部材を、中実な軸状部材によって形成したり、L字断面やC字断面等の開断面を有する構成としてもよい。
また、各実施形態においては、袖仕切と床部とを連結するコーナーブレースを設けているが、これに代えて、あるいは、これと併用して、腰掛と床部とを連結する連結部材を設けてもよい。例えばロングシートの腰掛フレームと床部とを連結するようにしてもよい。また、乗客が車両前後方向を向いて着座するクロスシートの腰掛フレーム、背もたれ、袖仕切等と床部とを連結する連結部材を設けてもよい。さらに、これらの連結部材に、第乃至第実施形態のコーナーブレース300A〜300Cと実質的に同様の減衰手段を設けてもよい。
また、各実施形態におけるコーナーブレース400のような側構と床部とを連結する連結部材に、第乃至第実施形態のコーナーブレース300A〜300Cと実質的に同様の減衰手段を設けてもよい。
また、減衰手段は、各実施形態のものには限定されず、適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態のように粘弾性体を用いるものに代えて、あるいは、これと併用して、オイルダンパや摩擦ダンパ等を減衰手段として用いてもよい。
1 鉄道車両用車体
10 輪軸 R 軌道
100 構体 110 台枠
111 床部 120 側構
121 扉開口 122 戸袋部
123 戸袋内柱 130 妻構
140 屋根構
210 腰掛 220 袖仕切
230 荷棚 240 スタンションポール
250 灯具受 260 吊手棒
300,300A、300B,300C コーナーブレース
310 本体部 310A 本体部
310C 本体部
311 内筒 312 外筒
320 袖仕切側固定部 330 床部側固定部
331 ブラケット
340,350,360,370 減衰部材
400 コーナーブレース 410 本体部
420 側構側固定部 430 床部側固定部

Claims (10)

  1. 車室床部が設けられた台枠と、
    前記台枠の側端部から上方へ延びた側構と、
    前記側構の車室内側の面部から突き出して設けられた腰掛と、
    前記腰掛の端部に設けられた袖仕切と
    を備える鉄道車両用車体であって、
    前記袖仕切と前記車室床部とを連結する袖仕切床部連結部材を備え、
    前記袖仕切床部連結部材は、前記袖仕切側の端部と前記床部側の端部との間の相対振動を減衰させる減衰手段を有すること
    を特徴とする鉄道車両用車体。
  2. 前記袖仕切床部連結部材は、前記袖仕切に固定される第1の部材と、前記床部に固定される第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間に設けられる粘弾性体とを有すること
    を特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用車体。
  3. 前記腰掛と前記車室床部とを連結する腰掛床部連結部材を備えること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉄道車両用車体。
  4. 前記腰掛床部連結部材は、前記腰掛側の端部と前記床部側の端部との間の相対振動を減衰させる減衰手段を有すること
    を特徴とする請求項3に記載の鉄道車両用車体。
  5. 車室床部が設けられた台枠と、
    前記台枠の側端部から上方へ伸びた側構と、
    前記側構の車室内側の面部から突き出して設けられた腰掛と
    を備える鉄道車両用車体であって、
    前記腰掛と前記車室床部とを連結する腰掛床部連結部材を備え
    前記腰掛床部連結部材は、前記腰掛側の端部と前記床部側の端部との間の相対振動を減衰させる減衰手段を有すること
    を特徴とする鉄道車両用車体。
  6. 前記腰掛床部連結部材は、前記腰掛に固定される第1の部材と、前記床部に固定される第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間に設けられる粘弾性体とを有すること
    を特徴とする請求項5に記載の鉄道車両用車体。
  7. 前記側構における前記腰掛より下方の領域と前記車室床部とを連結する側構床部連結部材を備えること
    を特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の鉄道車両用車体。
  8. 前記側構床部連結部材は、前記側構側の端部と前記床部側の端部との間の相対振動を減衰させる減衰手段を有すること
    を特徴とする請求項7に記載の鉄道車両用車体。
  9. 車室床部が設けられた台枠と、
    前記台枠の側端部から上方へ伸びた側構と、
    前記側構の車室内側の面部から突き出して設けられた腰掛と
    を備える鉄道車両用車体であって、
    前記側構における前記腰掛より下方の領域と前記車室床部とを連結する側構床部連結部材を備え、
    前記側構床部連結部材は、前記側構側の端部と前記床部側の端部との間の相対振動を減衰させる減衰手段を有すること
    を特徴とする鉄道車両用車体。
  10. 前記側構床部連結部材は、前記側構に固定される第1の部材と、前記床部に固定される第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間に設けられる粘弾性体とを有すること
    を特徴とする請求項9に記載の鉄道車両用車体。
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