JP6062414B2 - 加熱シリンダの温度制御方法 - Google Patents

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本発明は、射出成形機の加熱シリンダのゾーン毎の温度を制御する温度制御方法に関するものである。
従来周知のように射出成形機の射出装置は、加熱シリンダ、この加熱シリンダ内で回転方向と軸方向とに駆動可能なスクリュ、等から構成されている。加熱シリンダにはその外周部に複数枚のバンドヒータが巻かれて加熱できるようになっている。加熱シリンダ、あるいはスクリュは軸方向のそれぞれの部分によって奏する作用が相違しており、例えば加熱シリンダの後方寄りが材料の樹脂ペレットが供給される供給ゾーン、中間が樹脂ペレットが溶融される溶融ゾーン、そして前方寄りが溶融した樹脂が混練されると共に圧縮される混練ゾーンのように区分されている。加熱シリンダに巻かれている複数枚のバンドヒータは、各ゾーンにおいて独立してON/OFFされ、各ゾーンは所望の目標温度になるように制御される。
特開2010−247458号公報 特開平10−180827号公報
200〜300℃に加熱される加熱シリンダは外気に大量の熱量が放出されてしまうので、その分だけバンドヒータで加熱しなければならずエネルギロスが大きい。そこで、加熱シリンダの外周面に巻かれたバンドヒータの上から保温効果を有する断熱カバーで覆われた射出装置も周知である。このような射出装置では、断熱カバーが外気への熱の放出を抑制するので、エネルギ効率に優れている。ところで射出成形機では、樹脂の色替え等により加熱シリンダの設定温度を下げたい場合もある。色替え前の加熱シリンダの温度が設定温度よりも高い場合には、自然放熱によって、あるいは送風機等によって風を当てて冷却され目標温度に達するのを待つようにしている。しかしながら加熱シリンダに断熱カバーが設けられていると冷却に長時間を要するので、射出成形機の稼働率が低下して成形品の生産性が悪化することになり、結果的にコスト高になってしまう。そこで、このような問題を解決する断熱カバーを備えた射出装置が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の断熱カバーは、バンドヒータに接する内側は空気を通す通気性シートから、露出している外側は空気を通さない気密シートからそれぞれ構成され、内部にはグラスファイバーやシリカ等からなる断熱材が充填されている。そして外部から冷却用の圧縮空気を供給できるようになっている。従って、色替え等の必要により加熱シリンダの温度を低下させたいときは、圧縮空気を断熱カバーに供給する。そうすると圧縮空気は断熱材内で拡散され、そして通気性シートから加熱シリンダに供給される。これによって短時間で加熱シリンダを冷却でき、射出成形機の稼働率を高めることができる。
特許文献2には、加熱手段と冷却手段とを備えた射出装置が記載されている。この文献に記載の加熱シリンダには、その外周面に断面が略U字のらせん状の溝が形成されている。このらせん状の溝に、空気等の熱媒体を流す金属管が埋め込まれている。そしてこの上にバンドヒータが巻かれている。従ってバンドヒータに通電すると加熱シリンダを加熱することができ、金属管に空気を流すと加熱シリンダを冷却することができる。
特許文献1に記載の断熱カバーは、射出成形機のエネルギー効率を改善できるし、そして色替え等により加熱シリンダの設定温度を変更するときにも比較的短時間で加熱シリンダを冷却することができ、稼働率を高く維持することができ優れている。また特許文献2に記載の射出装置も、加熱手段と冷却手段とを備えているので、温度制御の自由度が高く優れている。しかしながら冷却に関しては、条件によっては必ずしも適切にできる保証はない。加熱シリンダは前方から後方にかけて複数のゾーンに区分されておりそれぞれのゾーンにおいて所定の温度に制御されているが、特定のゾーンに関してはバンドヒータをOFFしてもスクリュの回転による剪断熱の発生量が大きく冷却手段だけを作動させなければならない場合がある。そこでこのような特定のゾーンについては冷却手段だけを作動して冷却することになるが、室温が高い場合には特許文献2に記載の冷却手段によって冷却するだけでは冷却が不十分になり温度制御が安定しないからである。
冷却能力の問題以外についても検討すべき問題がありそうである。具体的には、特許文献1に記載の断熱カバーも、特許文献2に記載の加熱・冷却手段も、それら自体には格別に問題はないが、これらが設けられた加熱シリンダにおいて、どのように温度制御をすべきかという点において検討の余地がある。そこで、バンドヒータを備えた一般的な加熱シリンダを例に考える。このような加熱シリンダにおいて、所望の目標温度M1になるようにPID制御する場合、一般的にはゲインを小さくして図5に示されている符号51のグラフのように、オーバーシュートしないように制御している。そうすると滑らかに目標温度M1に達することができるからである。しかしながらゲインが小さいと時定数が大きくなって、符号52で示されているように目標温度M1に達する時間が長いという欠点もある。これを例えばゲインを大きくすれば、温度は急速に高くなる。しかしながら符号53のグラフのように目標温度M1を超えてオーバーシュートしてしまい、冷却に時間を要するので結果的に目標温度M1に達するのは符号54で示されているように遅れてしまう。冷却手段のない従来の断熱カバーをかぶせている場合には、さらに冷却に時間を要するので目標温度M1に達する時間は遅くなってしまう。特許文献1に記載の断熱カバーは、このような場合において冷却するような温度制御を目的としたものではないが、圧縮空気によって冷却することができるので、加熱シリンダの温度が目標温度M1をオーバーシュートしたときに強制的に冷却する制御もできそうである。特許文献2に記載の冷却手段も同様に、このようなオーバーシュート時に強制的に冷却する制御ができそうである。しかしながら、単純にこれらの冷却手段を使って温度制御をすると問題もある。具体的にはエネルギ効率が低下するという問題である。目標温度M1を超えたら冷却手段で冷却し、そして目標温度M1を下回ったら加熱手段で加熱するようにすると、所望の目標温度M1に早期に達することは可能であるが、頻繁に加熱・冷却を繰り返すことになってエネルギロスが発生する。そうすると断熱カバーを設けていても、エネルギ効率を高めることができず、断熱している意味がない。そもそもヒータは、通電時間の割合であるデューティー比を調整するPWM制御によって制御していて、温度が目標温度M1近傍で安定してきたらデューティー比も安定する。そうすると本来は温度制御が安定するはずである。しかしながらこのような状態で冷却手段が作動してしまうと、温度の強制的な低下が外乱になってヒータの制御が乱れることにもなる。
本発明は、上記したような問題点を解決した、加熱シリンダの温度制御方法を提供することを目的としており、具体的には、室温に影響を受けずに加熱シリンダをゾーン毎に容易に所望の温度に調整することができ、そしてエネルギ効率が高く、早期に目標温度に達して稼働率が向上し、温度制御も安定する、そのような加熱シリンダの温度制御方法を提供することを目的としている。
本発明は、本発明の目的を達成するために、加熱シリンダが軸方向に複数のゾーンに区分され、各ゾーンのそれぞれが該加熱シリンダの外周面に巻かれたバンドヒータと、該バンドヒータの外側に設けられている断熱カバーと、該断熱カバー内に外部から冷却流体を供給する冷却手段とを備え、各ゾーンが独立して温度制御されるようになっている射出装置を対象とし、これを温度制御する方法として構成する。このような射出装置において、それぞれのゾーンに対して設定された目標温度に従って温度制御するとき、バンドヒータはPWM制御により常時制御する。ただしPWM制御のデューティー比を計算するPID制御のゲインはオーバーシュートを許容する大きな値に調整しておく。冷却手段は、ゾーンの温度が目標温度より所定の偏差温度だけ高い判定温度を超えたときに作動して冷却流体を供給するようにするようにし、冷却流体はヒートポンプによって冷却した冷却空気からなるように構成する。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、加熱シリンダが軸方向に複数のゾーンに区分され、各ゾーンのそれぞれが該加熱シリンダの外周面に巻かれたバンドヒータと、該バンドヒータの外側に設けられている断熱材の中綿を有する断熱カバーと、該断熱カバー内に外部から冷却流体を供給する冷却手段とを備え、各ゾーンが独立して温度制御されるようになっている射出装置において、それぞれのゾーンにおいて温度センサにより測定される測定温度に基づいて各ゾーンに対して設定された目標温度に従って温度制御するとき、前記バンドヒータは前記測定温度が前記目標温度になるようにそのデューティー比をPID制御により計算するPWM制御により常時制御するようにし、前記PID制御のゲインは前記目標温度と前記測定温度の偏差が大きいときにはオーバーシュートする大きな値に調整しておくようにし、前記冷却手段は、ゾーンの前記測定温度が前記目標温度より所定の偏差温度だけ高い判定温度を超えたときに作動して冷却流体を供給するようにし、前記冷却流体はヒートポンプによって冷却した冷却空気からなることを特徴とする加熱シリンダの温度制御方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の方法において、前記冷却流体は流量増幅装置から供給された空気が前記ヒートポンプによって冷却されたものであり、前記流量増幅装置は、軸方向に貫通する所定径の主管路を備えた所定長さの増幅管と、該増幅管に圧縮空気を供給するエアコンプレッサとから構成され、前記増幅管は側部から前記主管路に連通する圧縮空気供給路が設けられ、そして前記主管路は一方の端部が外気に露出していると共に他方の端部は前記ヒートポンプに接続されており、前記エアコンプレッサから前記圧縮空気供給路に圧縮空気を供給すると前記主管路の前記一方の端部から空気が吸入されて前記他方の端部から前記ヒートポンプに空気が供給されるようになっていることを特徴とする加熱シリンダの温度制御方法として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の方法において、ゾーンの前記測定温度が前記判定温度を超えて前記冷却手段によって前記冷却流体の供給を開始したとき、ゾーンの前記測定温度が前記目標温度に低下するまで前記冷却流体を供給することを特徴とする加熱シリンダの温度制御方法として構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の方法において、ゾーンの前記測定温度が前記判定温度を超えて前記冷却手段によって前記冷却流体の供給を開始したとき、ゾーンの前記測定温度が前記判定温度に低下したら前記冷却流体の供給を停止することを特徴とする加熱シリンダの温度制御方法として構成される。
本発明は、加熱シリンダが軸方向に複数のゾーンに区分され、各ゾーンのそれぞれが該加熱シリンダの外周面に巻かれたバンドヒータと、該バンドヒータの外側に設けられている断熱材の中綿を有する断熱カバーと、該断熱カバー内に外部から冷却流体を供給する冷却流体供給手段とを備え、各ゾーンが独立して温度制御されるようになっている射出装置を対象としている。つまり断熱材の中綿を有する断熱カバーによって外部への熱の放出が抑制された射出装置を対象としている。そして本発明は、このような射出装置において、各ゾーンを独立して温度制御する方法であり、それぞれのゾーンにおいて温度センサにより測定される測定温度に基づいて各ゾーンに対して設定された目標温度に従って温度制御するとき、バンドヒータは測定温度が目標温度になるようにそのデューティー比をPID制御により計算するPWM制御により常時制御するようにし、PID制御のゲインは目標温度と測定温度の偏差が大きいときにはオーバーシュートする大きな値に調整しておくようにする。そして冷却手段は、ゾーンの測定温度が目標温度より所定の偏差温度だけ高い判定温度を超えたときに作動して冷却流体を供給するようにするようにし、冷却流体はヒートポンプによって冷却した冷却空気からなる。つまり冷却流体はヒートポンプにより冷却した冷却空気からなるので、室温に拘わらずに安定して加熱シリンダを冷却することができる。つまり加熱シリンダを所望の温度に制御し易くなるという効果が得られる。そして本発明によると、バンドヒータは目標温度を達成するように常時操作の対象であるので、PWM制御によって滑らかに制御できるようになっている。そして本発明によると、冷却流体の供給は判定温度を超えたときのみに制限されている。ただし、その供給方法には制限はなく、シンプルなON/OFF制御でもよい。本発明はオーバーシュートしても判定温度を超えたら冷却手段によって速やかに冷却することができるのでゾーンの測定温度は一定範囲に収束することになる。これによってゾーンの温度は速やかに目標温度に達するので稼働率が向上するという効果が得られる。また、PWM制御によりバンドヒータを制御しているので、ゾーンの温度が一定範囲に収束したら温度の変化は緩やかになり、エネルギロスの原因になる冷却手段を作動させる必要もない。そして前記したように断熱材の中綿を有する断熱カバーによって外部への熱の損失も少ない。つまりエネルギー効率が高いという効果が得られる。
また他の発明によると、冷却流体は流量増幅装置から供給された空気がヒートポンプによって冷却されたものであり、流量増幅装置は、軸方向に貫通する所定径の主管路を備えた所定長さの増幅管と、該増幅管に圧縮空気を供給するエアコンプレッサとから構成され、増幅管は側部から主管路に連通する圧縮空気供給路が設けられ、そして主管路は一方の端部が外気に露出していると共に他方の端部はヒートポンプに接続されており、エアコンプレッサから圧縮空気供給路に圧縮空気を供給すると主管路の一方の端部から空気が吸入されて他方の端部から前記ヒートポンプに空気が供給されるように構成されている。従って、流量増幅装置によって流量が増幅されて冷却された冷却空気を利用できるので、さらに冷却能力が高くなる。これによって加熱シリンダの温度制御が容易になる。
本発明の実施の形態に係る射出装置を示す正面断面図である。 本発明の実施の形態に係る射出装置の加熱シリンダを軸と垂直な断面で示す図であり、その(ア)(イ)はそれぞれ、第1、2の実施の形態に係る加熱シリンダの側面断面図である。 本発明の実施の形態に係る流量増幅装置の増幅管の正面断面図である。 本発明の実際の形態に係る加熱シリンダの温度制御方法を説明するグラフで、その(ア)(イ)は、それぞれ第1、2の実施の形態に係る温度制御方法を実施したときの加熱シリンダの温度変化を示すグラフである。 従来の加熱シリンダの温度制御方法を実施したときに加熱シリンダの温度変化を示すグラフである。
本実施の形態に係る温度制御方法は、所定の構造を備えた本実施の形態に係る射出装置1を対象としている。本実施の形態に係る射出装置1も概ね従来の射出装置と同様に構成され、図1に示されているように加熱シリンダ2、この加熱シリンダ2内で軸方向と回転方向とに駆動されるスクリュ3、加熱シリンダ2の先端に設けられている射出ノズル5、加熱シリンダ2の後方に設けられているホッパ6、等から構成されている。そして加熱シリンダ2は軸方向に複数のゾーン、本実施の形態においては4個のゾーンに区分され、それぞれのゾーンにおいて加熱シリンダ2の外周部にバンドヒータ7、7、…が巻かれている。
本実施の形態に係る射出装置1は、これらのバンドヒータ7、7、…に本実施の形態に係る断熱カバー9、9、…がかぶせられている。本実施の形態に係る断熱カバー9は、図2の(ア)にも示されているように、外側を覆う外側シート11と、内側に位置してバンドヒータ7に接している内側シート12と、外側シート11と内側シート12の間に充填されている断熱材14とから構成されている。外側シート11はグラスファイバーからなる織布でありシリコンコーティングされて気密性を備えている。すなわち通気性がない気密性シートになっている。これに対して内側シート12はシリカからメッシュの粗いシートになっており通気性を備えている。つまり通気性シートになっている。断熱材14はグラスファイバーやシリカ等の中綿からなり、冷却された空気からなる冷却冷媒が容易に内部に浸透・拡散するようになっている。このような断熱カバー9には、外側シート11に流体供給口16が設けられ、次に説明する冷却流体供給装置19から供給される冷却流体つまり冷却空気が流体供給口16から断熱カバー9内に供給されるようになっている。なお、断熱カバー9に供給される冷却空気は内側シート12から加熱シリンダ2側に漏れて、断熱カバー9の側方から排出されるようになっている。冷却流体供給装置19からそれぞれの断熱カバー9、9、…への冷却空気供給管には、電磁弁21、21、…が介装されており、図に示されていないコントローラからの指令によって開閉するようになっている。つまり冷却流体供給装置19と電磁弁21、21、…と流体供給口16とが、冷却手段を構成しており、冷却流体である冷却空気を断熱カバー9、9、…に供給するようになっている。
本実施の形態に係る冷却流体供給装置19を説明する。冷却流体供給装置19は、ヒートポンプ27と、流量増幅装置28とから構成されている。ヒートポンプ27は従来周知であるので簡単に説明するが、冷媒を圧縮する圧縮機29と、冷媒を液化あるいは凝縮させて潜熱を外部に排出する凝縮器30と、絞り作用によって冷媒を減圧する減圧弁31と、冷媒を蒸発させて外部から潜熱を奪う蒸発器32と、これらを循環的に接続する冷媒管とから構成されている。本実施の形態においてはヒートポンプ27の蒸発器32に空気を通す。これによって空気から潜熱を奪って冷却して冷却空気を得る。この冷却空気を冷却流体として断熱カバー9、9、…に供給している。
流用増幅装置28は、所定の構造を備えた増幅管34と、圧縮空気を増幅管34に供給するコンプレッサ35とから構成されている。増幅管34は圧縮空気を供給すると一方の端部から圧縮空気の数倍の量の空気を吸引してこれを他方の端部から供給することができるようになっており、例えば特開2006−291941号公報によって類似の増幅管が提案されているようにその構造は周知である。本実施の形態に係る増幅管34も、図3に示されているように、内部に所定の径の主管路37が形成され、側方には圧縮空気が供給される圧縮空気供給孔38が設けられている。増幅管34の中央の肉厚に形成された肉厚部には、内部に主管路37と同心円状に空気溜まり39が形成され、圧縮空気供給孔38はこの空気溜まり39に連通している。この空気溜まり39からは主管路37に連通する圧縮空気供給路40が形成されている。圧縮空気供給路40は円錐状を呈し、主管路37内に圧縮空気を円錐状に噴射するノズル部になっている。本実施の形態において、主管路37の一方の端部41は外気に開放されているが、他方の端部42は図1に示されているように、空気供給管43が接続されてヒートポンプ27の蒸発器32に空気が供給されるようになっている。このように構成されているので、コンプレッサ35から圧縮空気が供給されると、増幅管34内で圧縮空気が円錐状に噴射され、この円錐の後方で負圧が発生して、一方の端部41から大量の空気が吸引される。円錐状に噴射された圧縮空気と吸引された空気とが他方の端部42から噴出して空気供給管43によって蒸発器32に送られることになる。つまり大量の空気が蒸発器32に送られる。これによって本実施の形態に係る流量増幅装置28は大量の冷却空気を生成することができ、これによって断熱カバー9、9、…に安定的に冷却空気を供給できるようになっている。
本実施の形態において、加熱シリンダ2には、各ゾーンに対応して温度センサ22、22、…が設けられ、これらの温度センサ22、22、…も、図示されないコントローラに接続されている。またバンドヒータ7、7、…にPWM制御で電力を供給する電力供給装置も図には示されていないが、コントローラに接続され、コントローラによって制御されるようになっている。
本実施の形態に係る射出装置1の加熱シリンダの温度制御を説明する。本実施の形態に係る温度制御においは、バンドヒータ7の制御と、冷却手段つまり電磁弁21の制御とを組み合わせて実施するようになっている。バンドヒータ7は、デューティ比に応じて通電をON/OFFする、いわゆるPWM制御で制御するようになっているが、デューティ比はPID制御にて制御する。つまり、目標温度Mに対して温度センサ22から得られる測定温度との偏差を得、PID制御によりデューティ比を操作量として計算するようになっている。本実施の形態においては、このPID制御においてはゲインが大きくなるように調整しておく。つまりバンドヒータ7は目標温度Mが与えられて制御されるとき、目標温度Mと測定温度の偏差が大きい場合にはオーバーシュートも許容されるように調整しておく。一方、電磁弁21の制御は、シンプルなON/OFF制御により制御する。つまり電磁弁21をONして開くと冷却流体である圧縮空気が断熱カバー9内に供給され、OFFして閉じると圧縮空気の供給は停止することになる。
本実施の形態に係る射出装置1において、操作者が加熱シリンダ2の各ゾーンに対する目標温度Mを設定したときに、コントローラが実施する温度制御方法を説明する。コントローラはいずれのゾーンにおいても同様の制御を実施するので、所定のゾーンについてのみ説明する。コントローラは目標温度Mが設定されると、まず目標温度Mより所定の偏差温度だけ高い判定温度Hを計算する。この偏差温度はコントローラに予め設定されている温度であり、ゾーン毎に異なる温度を設定することもできるが、本実施の形態においては各ゾーンに共通した温度、例えば1℃が設定されている。従って、例えば目標温度Mが200℃であれば、判定温度Hは201℃として計算される。このような判定温度Hは、冷却手段を作動させるか否かの判断を行う温度であるが、バンドヒータ7の制御は判定温度Hとは無関係に実施するようになっている。図4の(ア)のグラフにはこのような目標温度Mと判定温度Hが示されている。コントローラはPID制御によってバンドヒータ7を制御する。ゾーンの温度25が目標温度Mより大きく下回っているとき、PID制御のゲインは大きいのでバンドヒータ7に通電するデューティ比は1.0、あるいは1.0に近い高い比率になる。そうすると符号26で示されているようにゾーンの温度25は高い傾きで上昇する。このような傾きで上昇するので目標温度Mに達したときにバンドヒータ7への通電が零になっても、符号27で示されているようにゾーンの温度25はオーバーシュートする。コントローラはゾーンの温度25が判定温度Hを超えたのを検出したら、冷却手段を駆動する。つまり電磁弁21をONして冷却空気を断熱カバー9に供給する。冷却手段を駆動するタイミングは符号28で示されている。冷却空気が断熱カバ−9に供給されると、冷却空気が断熱材14内に浸透・拡散し、そして内側シート12から内側に漏れる。そうするとバンドヒータ7、加熱シリンダ2を冷却することができる。冷却手段を駆動した直後にも若干ゾーンの温度25は上昇するがやがて冷却により低下する。本実施の形態においては冷却手段はゾーンの温度25が目標温度Mに低下するまで駆動し、目標温度Mに達したら駆動を停止する。冷却手段の停止、つまり電磁弁21をOFFして閉じるタイミングが符号29で示されている。冷却手段を停止しても、符号31で示されているようにゾーンの温度25は目標温度Mより低下するが、目標温度Mを下回ったらバンドヒータ7が駆動される。このとき目標温度Mとゾーンの温度25の偏差は比較的小さいのでデューティー比は小さい。これによって温度上昇の傾きは比較的小さい。従って、ゾーンの温度25が目標温度Mを超えるオーバーシュートの山は前回より小さくなる。グラフで示されているように、再度判定温度Hを超えた場合には冷却手段を駆動するが、オーバーシュートの山は小さいので、冷却手段を駆動している時間、つまり符号32で示されているタイミングから符号33で示されているタイミングまでの時間は短い。このような制御を繰り返すと、やがてゾーンの温度25は判定温度Hを超えないようになり、符号35で示されているように緩やかに変化するようになる。コントローラはバンドヒータ7のみによって温度制御し、デューティー比は安定し、ゾーンの温度25は滑らかに目標温度Mに達する。すなわち目標温度Mになるように温度制御されることになる。
本実施の形態に係る温度制御方法は色々な変形が可能である。図4の(イ)には第2の実施の形態に係る温度制御方法によって制御した場合のゾーンの温度変化の様子が示されている。第2の実施の形態に係る温度制御方法では、冷却手段を停止する条件が、第1の実施の形態に係る温度制御方法と相違しており、ゾーンの温度25’が判定温度Hを下回ったときに停止するようにする。つまり符号29’、符号33’において冷却手段を停止するようにする。そうすると冷却手段の停止後に温度変化は緩やかに変化するので、目標温度Mを下回りにくくなる。また、符号36で示されているように目標温度Mを下回った場合でも大きく低下することはないので、結果的に早期に目標温度Mに到達することになる。
本実施の形態に係る射出装置1も変形が可能である。図2の(イ)には第2の実施の形態に係る射出装置1’が示されているが、断熱カバー9’はバンドヒータ7と所定の隙間を空けて設けられていて、この隙間に冷却空気を送風できるようになっている。このように冷却流体である冷却空気が送風されるので、この実施の形態においては断熱材14’は冷却空気が浸透・拡散される必要はない。この断熱カバー9’においては流体排出口17が設けられ、断熱カバー9’に供給される冷却空気はこの流体排出口17から排出されるようになっている。
1 射出装置 2 加熱シリンダ
3 スクリュ 5 射出ノズル
7 バンドヒータ 9 断熱カバー
11 外側シート 12 内側シート
14 断熱材 16 流体供給口
17 流体排出口 19 冷却流体供給装置
21 電磁弁 22 温度センサ
25 ゾーンの温度 27 ヒートポンプ
28 流量増幅装置 32 蒸発器
34 増幅管 35 コンプレッサ
37 主管路 40 圧縮空気供給路
M 目標温度 H 判定温度

Claims (4)

  1. 加熱シリンダが軸方向に複数のゾーンに区分され、各ゾーンのそれぞれが該加熱シリンダの外周面に巻かれたバンドヒータと、該バンドヒータの外側に設けられている断熱材の中綿を有する断熱カバーと、該断熱カバー内に外部から冷却流体を供給する冷却手段とを備え、各ゾーンが独立して温度制御されるようになっている射出装置において、
    それぞれのゾーンにおいて温度センサにより測定される測定温度に基づいて各ゾーンに対して設定された目標温度に従って温度制御するとき、
    前記バンドヒータは前記測定温度が前記目標温度になるようにそのデューティー比をPID制御により計算するPWM制御により常時制御するようにし、前記PID制御のゲインは前記目標温度と前記測定温度の偏差が大きいときにはオーバーシュートする大きな値に調整しておくようにし、
    前記冷却手段は、ゾーンの前記測定温度が前記目標温度より所定の偏差温度だけ高い判定温度を超えたときに作動して冷却流体を供給するようにし、前記冷却流体はヒートポンプによって冷却した冷却空気からなることを特徴とする加熱シリンダの温度制御方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記冷却流体は流量増幅装置から供給された空気が前記ヒートポンプによって冷却されたものであり、
    前記流量増幅装置は、軸方向に貫通する所定径の主管路を備えた所定長さの増幅管と、該増幅管に圧縮空気を供給するエアコンプレッサとから構成され、前記増幅管は側部から前記主管路に連通する圧縮空気供給路が設けられ、そして前記主管路は一方の端部が外気に露出していると共に他方の端部は前記ヒートポンプに接続されており、前記エアコンプレッサから前記圧縮空気供給路に圧縮空気を供給すると前記主管路の前記一方の端部から空気が吸入されて前記他方の端部から前記ヒートポンプに空気が供給されるようになっていることを特徴とする加熱シリンダの温度制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、ゾーンの前記測定温度が前記判定温度を超えて前記冷却手段によって前記冷却流体の供給を開始したとき、ゾーンの前記測定温度が前記目標温度に低下するまで前記冷却流体を供給することを特徴とする加熱シリンダの温度制御方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、ゾーンの前記測定温度が前記判定温度を超えて前記冷却手段によって前記冷却流体の供給を開始したとき、ゾーンの前記測定温度が前記判定温度に低下したら前記冷却流体の供給を停止することを特徴とする加熱シリンダの温度制御方法。
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