JP6061685B2 - ラックの製造方法 - Google Patents
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Description
ステアリング用のラックは、長尺状のワークの一面に、機械加工(切削及び鍛造を含む)で歯切りを行い、その後に当該ワークを焼入して作られる。
特許文献1に開示された方法は、トーションバーの使用方向にねじり応力を付加した状態で高周波焼入を行い、トーションバーに圧縮残留応力を付与し、使用時に掛かる引っ張り応力を相殺するものである。
斜歯ラックを焼入する手段として、高周波焼入を採用したいという要望がある。そこで本発明者らが斜歯ラックの歯を高周波焼入したところ、旧来の直歯ラックを高周波焼入する場合には無かった新たな問題に直面した。
この現象は、直歯ラックを高周波焼入する場合には発生しなかった現象である。また直歯ラックでは多少のねじれがあったとしても、大きな欠点とはならないが、斜歯ラックが捩れると、ラックからの伝達効率が大きく損なわれるという問題があった。
即ち直歯ラックに多少のねじれが生じても、歯は一定のピッチが保たれる。これに対して斜歯ラックが捩れると、歯のピッチが歯先の線方向の位置で相違することとなり、ピニオンとのかみ合わせが悪くなる。また斜歯ラックは、かみ合い率が高いので、複数の歯が同時にピニオンとかみ合っている状態が長い。そのためピッチが歯先の線方向の位置で相違してラック又はピニオンが軸方向等に逃げようとしても、他の歯と押し合う関係となり、逃げ場がない。そのため伝達効率を著しく損なうこととなる。
なお斜歯ラックを高周波焼入した場合に、ラックが捩れ方向に変形する理由として次のものが考えられる。
考えられる一つの理由は、高周波焼入れ時の熱応力及び変態応力によるもので、これは斜歯ラックの形状により決まる。
次に考えられる理由は、ワークを機械加工(切削及び鍛造を含む)したときに、ワークに残留応力が残り、高周波焼入で加熱した際に残留応力が開放されて変形するものである。
他の理由は、高周波焼入の際に歯の部分で熱分布がばらつき、一定の方向に変形してしまうというものである。
ここで、焼入工程とは、ワークに高周波誘導電流を励起させて誘導加熱する工程と、焼入れ温度まで昇温したワークを、冷却液で冷却する工程とを含む。
ブレーキ力をかける位置および回転力をかける位置は任意である。例えばワークの一端側にブレーキ力をかけ、他端側を回転させることによってワークに対して歯のピッチが広がる方向のトルクを掛ける。あるいは、ワークの中間部にブレーキ力をかけ、ブレーキ力をかけた位置から離れた位置に回転力をかけることによってワークに対して歯のピッチが広がる方向のトルクを掛ける。またはワークの端部にブレーキ力をかけ、ワークの中間部に回転力をかけることによってワークに対して歯のピッチが広がる方向のトルクを掛ける。
図1(a)は、加工工程を終えた中間製品たるワーク1を示している。
ワーク1は、全体形状が棒状であって断面の径に比べて全長が著しく長い。ワークに形成されたラック歯2は、斜歯であって、歯先の線3は一定の傾斜角をもっている。即ちラック歯2の歯先の線3は、ワークの軸線X−Xに対して垂直に交差する仮想線Y−Yを想定したとき、仮想線Y−Yに対して一定の角度Aの傾斜角度をもっている。
仮に各図の左端を回転元とし、図1、図2の(b)の様に歯先の線3が回転元から離れる回転方向たる矢印B方向に回転させると、ラック歯2のピッチPは開く方向となる。逆に、図1、図2の(c)の様に歯先の線3が回転元に近づく回転方向たる矢印C方向に回転させると、ラック歯2のピッチPは狭くなる方向となる。
本実施形態の焼入工程で使用する高周波焼入装置10は、図3の通りである。即ち高周波焼入装置10は、回転軸11と、センター12と、ブレーキ用ローラ13と、誘導加熱コイル15と、図示しない高周波電源、冷却装置、ワーク移動装置によって構成されている。
回転軸11は、モータ20及び図示しない減速機から動力を受けて回転するものであり、ワーク1を保持するチャック21を備えている。
センター12は、チャック21と対向する位置に設けられている。
ブレーキ用ローラ13は、複数の小ローラ22によって構成され、小ローラ22間の間隔を縮める機能を備えている。
誘導加熱コイル15は、公知の半開放鞍形コイルである。
そしてワーク1のセンター12側にブレーキ用ローラ13を近接させ、ブレーキ用ローラ13の小ローラ22でセンター12側を挟む。
即ちワーク1を回転軸11側に固定すると共にセンター12で支持し、回転軸11側と対向する側をブレーキ用ローラ13の小ローラ22で挟む。
またトルクの下限は、ワークに掛かる捩じり応力が3MPaのトルクである。
なお実際の作業においては、ワーク1を静止した状態で支持し、この状態で、誘導加熱コイル15をワーク1に近接し、ワーク1が静止した状態で誘導加熱コイル15に高周波電流を通電する。
そして誘導加熱コイル15に高周波電流を通電した状態でワーク1の回転を開始することとなる。
ワーク1として、全長690mm、断面積530平方ミリメートル、モジュール1.87の斜歯ラックを成形した。
ワーク1の材質は、S45C相当の炭素鋼である。
このワーク1に対して高周波焼入装置10で焼入を行った。ワーク1に掛けたトルクは、ワークに掛かる捩じり応力が9.1MPaとなる程度のものである。
その結果、本実施形態の方法で焼入されたラック30は、ねじれの無いものであった。これに対して比較例のラックは、約0.25度のねじれ変形が認められた。
10 高周波焼入装置
11 回転軸
12 センター
13 ブレーキ用ローラ
21 チャック
22 小ローラ
Claims (2)
- 鋼製であって断面の径に比べて全長が長く、軸線に対して歯先の線が傾斜した斜歯又は曲がり歯を一つの面に形成したワークを成形する成形工程と、
成形工程を経たワークに誘導コイルを近接させて当該ワークを高周波焼入する焼入工程とを行うラックの製造方法において、
ワークに回転方向のブレーキ力を掛けつつ前記ワークを歯のピッチが広がる方向に回転させ、ワークに対して歯のピッチが広がる方向のトルクを掛けた状態で焼入工程を行うことを特徴とするラックの製造方法。 - 焼入工程の際にかけるトルクは、ワークに掛かる捩じり応力が100MPa以下となるトルクであることを特徴とする請求項1に記載のラックの製造方法。
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JP2013002654A JP6061685B2 (ja) | 2013-01-10 | 2013-01-10 | ラックの製造方法 |
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ID=51412419
Family Applications (1)
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