JP6061320B2 - 充填剤 - Google Patents

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Description

本発明は、填剤に係り、特に、親水性ポリマー、疎水性ポリマーまたは両親媒性ポリマーに対して相溶性が高く、これらのポリマーを補強する充填剤として有用なものに関する。
セルロースは、地球上で最大の生物資源であり、再生可能な資源でもある。このセルロースを用いた物作り、あるいは、該セルロースの化学修飾による高機能化および新規機能性材料の創製は、持続可能な社会の構築に資することとなる。
セルロースは、グルコピラノース環がβ1,4グリコシド結合により連鎖したものであり、該β1,4グリコシド結合の切断が困難であるため、従来、セルロースの化学修飾といえば、専らグルコピラノース環上の3個の水酸基の化学修飾、即ち、側鎖の化学修飾であった(例えば、特許文献1の請求項4および段落番号[0011]参照)。
特開平11−1883号公報
しかしながら、セルロースに多様な機能を付与するためには、単にグルコピラノース環上の側鎖の化学修飾を行うのみでは限界があり、これまで困難であったβ1,4グリコシド結合の切断による主鎖の化学修飾(例えば、セルロースの主鎖への種々の特性を有するモノマーの重合)により更なる高機能化を図ることが強く切望されていた。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、セルロースの主鎖の化学修飾により高機能化を図るもので、例えば、相溶性の高い基材への充填剤を提供する
請求項1に係る発明は、下記一般式(1)および下記一般式(2)
Figure 0006061320

Figure 0006061320

(一般式(1)、(2)中、R1、R2は、それぞれ親水性モノマー、疎水性モノマー、両親媒性モノマーのいずれかがラジカル重合をした基を表し、n1、n2、m1、m2は、それぞれ繰り返し単位の数を表す自然数を表している)で表されるセルロースブロック共重合体の内、少なくともいずれか一方を含有する親水性樹脂基材、疎水性樹脂基材、または両親媒性樹脂基材の強度を高めるための充填剤である。
請求項に係る発明は、請求項1記載の一般式(1)および一般式(2)で表されるセルロースブロック共重合体の内、少なくともいずれか一方からなり、該セルロースブロック共重合体の粒径が200nm以下である親水性樹脂基材、疎水性樹脂基材、または両親媒性樹脂基材の強度を高めるための充填剤である。
般式(1)、(2)のセルロースブロック共重合体は、β1,4グリコシド結合を切断した主鎖に、種々の機能を有する親水性モノマー、疎水性モノマー、両親媒性モノマーのいずれかがラジカル重合しているため、親水性モノマーが重合したセルロースブロック共重合体は親水性樹脂の基材に対して、疎水性モノマーが重合したセルロースブロック共重合体は疎水性樹脂の基材に対して、両親媒性モノマーが重合したセルロースブロック共重合体は疎水性樹脂および親水性樹脂の各々に対して相溶性が高く、これらセルロースブロック共重合体の前記各基材への混合により、充填剤として、該基材の強度を高めることができる。
また、充填剤を構成するセルロースブロック共重合体の粒径を200nm以下にすることにより、透明な充填剤となり、透明樹脂の基材に混合して高い強度の透明な部材を得ることができる。
実施例1におけるラジカルの電子スピン共鳴スペクトルを示した図である。 実施例4において動的光散乱測定装置により測定したセルロースブロック共重合体の微粒子の粒度分布を示した図である。
まず、本発明の充填剤に用いるセルロースブロック共重合体の製造方法について説明する。セルロースブロック共重合体は、セルロースと、親水性モノマー、疎水性モノマー、両親媒性モノマーの内、いずれかのモノマーとを混合し、無酸素状態、すなわち、アルゴンや窒素などの不活性ガス中か、より好ましくは真空中(好ましくは1Pa以下、より好ましくは0.6Pa以下)であって、モノマーが固体として存在できる極低温下(好ましくは−150℃以下、より好ましくは液体窒素温度(−196℃)以下)において、セルロースを機械的に破壊した後、前述のモノマーをラジカル重合させることにより生成される。ここで、無酸素状態にする有効な手段としては、モノマー内の酸素を、例えば、凍結−排気−融解により除去する方法(Freeze−pump−thaw法)が好適に用いられる。
なお、あらかじめモノマーを混合するのは、一般式(3)、(4)で示される主鎖末端型アルキルラジカル(以下、「中間体」ともいう)を経由し、該中間体を分離・採取することなく、ワンポットで本発明の一般式(1)、(2)のセルロースブロック共重合体を連続的に製造するためである。
原料となるセルロースは、例えば、リンターパルプ、バクテリアセルロース(BC)、微結晶セルロース(MCC)などが例示される。なお、使用できるセルロースはこれらに限られるものではなく、木質系セルロースなど、その他のセルロースを用いることもできる。
また、前述の親水性モノマーとしては、例えば、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ(オキシエチレンメタクリレート)、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルホスホリルコリン、アクリル酸、アクリル酸ナトリウムなどが例示される。なお、親水性モノマーは、これらに限られるものではなく、その他の親水性を有するラジカル重合性モノマーを用いることもできる。
また、前述の疎水性モノマーとしては、例えば、アクリル系モノマー(メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレートなど)、オレフィン系モノマー(エチレン、ブタジエン、スチレンなど)などが例示される。なお、疎水性モノマーは、これらに限られるものではなく、その他の疎水性を有するラジカル重合性モノマーを用いることもできる。
また、前述の両親媒性モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、アクロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどが例示される。なお、両親媒性モノマーは、これらに限られるものではなく、その他の両親媒性を有するラジカル重合性モノマーを用いることもできる。
次に、前述のセルロースの機械的破壊について説明すると、セルロースと重合させるモノマーとを同じ容器に入れ、これらに粉砕子を加え、真空装置を用いて真空にしたり、不活性ガスと置換したりして、内部が無酸素状態となるようにして該容器を密閉し、例えば、容器を液体窒素中に浸漬し、振とう器等を用いて加振しながら容器内のセルロースに対して機械的エネルギーを付加し、該セルロースを破壊する。なお、容器や粉砕子は、極低温に耐えられるものであればよく、容器にあっては、例えば、ガラス製、ステンレス製などの金属容器が用いられ、粉砕子にあっては、例えば、ガラス製、陶製、ジルコニア系などのボールが用いられる。
ところで、セルロースは、一般式(5)(式中、A、Bは、セルロースの主鎖であり、それぞれ一般式(5a)で表される繰り返し単位を有する基である)で表され、
Figure 0006061320
Figure 0006061320
この一般式(5)中の波線1、波線2で示される結合部位においてβ1、4グリコシド結合が切断して破壊され、一般式(3)と一般式(6)
Figure 0006061320
Figure 0006061320
および、一般式(4)と一般式(7)
Figure 0006061320
Figure 0006061320
(一般式(3)、(4)中、C*は、不対電子を有する炭素原子を表し、n、mは、それぞれ繰り返し単位の数を示す自然数であり、一般式(6)、(7)中、O*は、不対電子を有する酸素原子を表し、nは、それぞれ繰り返し単位の数を示す自然数である)で表されるラジカルが生成する。ここで、生成したラジカルの内、一般式(3)、(4)の主鎖末端型アルキルラジカルが、本発明の中間体となる。
そして、一般式(3)、(4)の中間体は、ラジカル重合性モノマーの重合開始剤となり、容器中に共存しているモノマーとラジカル重合するもので、このラジカル重合の結果、一般式(1)、(2)
Figure 0006061320
Figure 0006061320
(一般式(1)、(2)中、R1、R2は、それぞれ親水性モノマー、疎水性モノマー、両親媒性モノマーのいずれかがラジカル重合をした基を表し、n1、n2、m1、m2は、それぞれ繰り返し単位の数を表す自然数を表している)で表されるセルロースブロック共重合体が生成される。なお、一般式(3)、(4)の中間体の生成確認は、後記する電子スピン共鳴(以下、「ESR」という)によるESRスペクトルの解析により行うことができ、一般式(1)、(2)のセルロースブロック共重合体の生成確認は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた公知の化学種同定方法により行うことができる。
次に、セルロースブロック共重合体を用いた透明な充填剤の製造方法について説明する。得られた一般式(1)、(2)のセルロースブロック共重合体の粉末から微粒子を抽出するもので、例えば、セルロースブロック共重合体の粉末を用い、公知のソックスレー抽出法により濾液を採取した後、この濾液中の分散媒を蒸発させて残留物(粒径が200nm以下のセルロースブロック共重合体(以下、「セルロースブロック共重合体のナノ粒子」ともいう))を得る。
なお、本発明において、粒径とは、動的光散乱測定装置(堀場製作所製SZ−100)を用い、粒子(分散質)をクロロホルム(分散媒)中に分散させ、温度25℃で測定したものをいい、平均粒径とは、全ての粒子の粒径を算術平均したものをいう。
以上のようにして製造されるセルロースブロック共重合体は、例えば、基材を補強するための充填剤として有用である。充填剤として用いたときの具体例を次に示す。
疎水性樹脂の基材にあっては、疎水性モノマーが重合したセルロースブロック共重合体を配合することができ、例えば、アクリル樹脂やポリ乳酸樹脂等の基材中にセルロース−ポリメチルメタクリレートブロック共重合体を配合するものが例示される。
また、親水性樹脂の基材にあっては、親水性モノマーが重合したセルロースブロック共重合体を配合することができ、例えば、ポリビニルアルコール樹脂基材中にセルロース−ポリメタクリル酸ブロック共重合体を配合するものが例示される。
また、疎水性樹脂の基材および親水性樹脂の基材のいずれであっても、両親媒性のモノマーが重合したセルロースブロック共重合体を配合することができ、例えば、疎水性のアクリル樹脂基材、親水性のポリビニルアルコール樹脂基材のいずれにも、両親媒性モノマーであるN,N−ジメチルアクリルアミドが重合したセルロース−N,N−ジメチルアクリルアミドブロック共重合体を配合することができる。
さらに、セルロースブロック共重合体のナノ粒子にあっては、粒径が可視光領域の波長よりも小さいため、可視光に対して透明であり、透明な充填剤として透明樹脂の基材に混合すれば、高い強度の透明な部材を得ることができる。なお、この透明な部材は、例えば、自動車用ガラスなどの代替として期待される。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]中間体の生成
セルロースとしてバクテリアセルロース(BC)0.43gを用い、該セルロースのみ(モノマーは入れない)をガラス製ボールミル(容器、粉砕子共にガラス製)に入れて100℃で6時間真空乾燥した後、内部が真空状態の容器を液体窒素中(−196℃)に浸漬し、7時間、振とう器を用いてセルロースの機械的破壊(β1、4グリコシド結合の切断)を行い、一般式(3)、(4)(一般式(3)、(4)中、n、mは、それぞれ繰り返し単位の数を示す自然数である)で表される中間体(主鎖末端型アルキルラジカル)を得た。
Figure 0006061320
Figure 0006061320
なお、セルロース主鎖のβ1、4グリコシド結合の切断による中間体の生成確認は、電子スピン共鳴装置(Bruker社製、型番:EMX Plus)を用い、観測された生成物のESRスペクトルと、以下の文献(1)〜(3)に記載された手法のスペクトルシミュレーションによるシミュレーションスペクトルとを比較することにより行った。
(1)Masato Sakaguchi, Takeru Iwamura, Katsuhiro Yamamoto, Yohei Miwa,
Shigetaka Shimada, and Masahiro Sakai “Molecular Mobility of Peroxy
Radicals at the Ends of Non-isolated Polystyrene Chains Tethered on the
Solid Surface of Poly(tetrafluoroethylene) in a Vacuum”, Macromolecules
2008, 41, 253-257.
(2)Masato Sakaguchi, Katsuhiro Yamamoto, Yohei Miwa, Shigetaka Shimada,
Masahiro Sakai, and Takeru Iwamura, “Molecular Mobility of Peroxy
Radicals at the Ends of Isolated Polystyrene Chains Tethered on the Solid
Surface of Poly(tetrafluoroethylene) in a Vacuum” Macromolecules 2007,
40, 1708-1712.
(3)Masato Sakaguchi, Katsuhiro Yamamoto, Youhei Miwa, Shigeo Hara,
Yusuke Sugino, Shigeru Okamoto, Masahiro Sakai, and Shigetaka Shimada,
“Molecular Motion of Peroxy Radicals at Ends of Isolated and Non-isolated
Polyethylene Chains Tethered on Powder Surface of
Poly(tetrafluoroethylene) in a Vacuum”. Macromolecules 2004, 37,
8128-8134.
ここで、これら生成したラジカルの確認方法について詳述すると、この確認は、真空中において−196℃でバクテリアセルロース(BC)を機械的破壊後、同温度(−196℃)で電子スピン共鳴装置を用いて観測を行い、得られたESRスペクトルを解析して行うもので、一般式(3)、(4)、(6)、(7)の各々のラジカルについてシミュレーションスペクトルを求め、これらを合算して得られたスペクトルが、実測したESRスペクトルと一致するか否かにより一般式(3)、(4)、(6)、(7)のラジカルの存否を判断した。
図1において、1は生成物を実測したESRスペクトルを、2、3はそれぞれ一般式(3)、(4)のラジカル(主鎖末端型アルキルラジカル(中間体))のシミュレーションスペクトルを、4は一般式(6)、(7)のラジカル(アルコキシラジカル)のシミュレーションスペクトルをそれぞれ示しており、5は一般式(3)、(4)、(6)、(7)のラジカルの各シミュレーションスペクトルを合算したシミュレーションスペクトルを示している。
以下、一般式(3)、(4)、(6)、(7)のラジカルそれぞれのシミュレーションスペクトルの算出について具体的に説明する。
<シミュレーションスペクトルの算出>
・一般式(3)のラジカル(中間体、主鎖末端型アルキルラジカル):
α−プロトン(α−H)が1個、β−プロトン(β−H)が1個存在している。α−Hの等方的g値(giso =2.0043)、異方的hfs値(Ax、Ay、Az)=(1.10mT、2.10mT、3.10mT)、β−Hの等方的hfs値(Aiso=2.80mT)を用いてシミュレーションスペクトル2(3本線スペクトル)を求めた。
・一般式(4)のラジカル(中間体、主鎖末端型アルキルラジカル):
α−プロトン(α−H)が1個、β−プロトン(β−H)が2個存在している。α−Hの等方的g値(giso =2.0034)、α−Hの異方的hfs値(Ax、Ay、Az)=(1.20mT、2.30mT、3.40mT)、β−Hの等方的hfs値(Aiso=3.20mT)を用いてシミュレーションスペクトル3(4本線スペクトル)を求めた。
・一般式(6)、(7)のラジカル(アルコキシラジカル):
ESRによるスペクトルは共に超微細結合(hfs)を示さず1本線スペクトルなので、ESRスペクトルでは区別できない1本線スペクトルと仮定し、等方的g値(giso =2.0045)を用いてシミュレーションスペクトル4を求めた。
<各シミュレーションスペクトルを合算したものの算出>
・一般式(3)のラジカルの相対濃度を0.3、一般式(4)のラジカルの相対濃度を0.2、ESRスペクトルからは区別できない一般式(6)と一般式(7)の合計相対ラジカル濃度を0.5としてシミュレーションスペクトル2〜4を合算し、シミュレーションスペクトル5を求めた。
以上の結果から、図1に示したように、実測したESRスペクトル1は、各シミュレーションスペクトル2〜4を合算したシミュレーションスペクトル5とほぼ一致した。したがって、バクテリアセルロース(BC)の真空中−196℃での機械的破壊により主鎖のβ1、4グリコシド結合が切断し、一般式(3)の主鎖末端型アルキルラジカル(中間体)と一般式(6)のアルコキシラジカル、および、一般式(4)の主鎖末端型アルキルラジカル(中間体)と一般式(7)のアルコキシラジカルがそれぞれ対生成することが確認された。
[実施例2]疎水性モノマーによるセルロースブロック共重合体の生成
モノマーとして疎水性のメチルメタクリレート(MMA)0.2mlを用い、これをセルロースと共に容器に入れ、メチルメタクリレートの共存下、実施例1と同様な方法でバクテリアセルロース(BC)0.43gの機械的破壊を行った。その結果、真空中−196℃で一般式(8)(一般式(1)のR1が疎水性モノマーであるものに相当)、および、
Figure 0006061320
一般式(9)(一般式(2)のR2が疎水性モノマーであるものに相当)
Figure 0006061320
(一般式(8)、(9)中、n、mは、それぞれ繰り返し単位の数を示す自然数である)で表されるセルロース−ポリメチルメタクリレートブロック共重合体の生成が確認された。なお、このセルロースブロック共重合体の生成確認は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて行った。
[実施例3]親水性モノマーによるセルロースブロック共重合体の生成
モノマーとして親水性のメタクリル酸(MAA)0.2mlを用い、これをセルロースと共に容器に入れ、メタクリル酸の共存下、実施例1と同様な方法でバクテリアセルロース(BC)0.43gの機械的破壊を行った。その結果、真空中−196℃で一般式(10)(一般式(1)のR1が親水性モノマーであるものに相当)、および、
Figure 0006061320
一般式(11)(一般式(2)のR2が親水性モノマーであるものに相当)
Figure 0006061320
(一般式(10)、(11)中、n、mは、それぞれ繰り返し単位の数を示す自然数である)で表されるセルロース−ポリメタクリル酸ブロック共重合体の生成が確認された。なお、生成物の確認は、実施例2と同様である。
ところで、上述した実施例2、3において、セルロースブロック共重合体の生成反応の過程で生ずる一般式(3)、(4)の中間体を直接同定することは極めて困難であるが、これらの実施例にあっても、該中間体を経由していることは、実施例1の結果から明白といえる。
なお、上述した実施例1〜3にあっては、セルロースとしてバクテリアセルロース(BC)を用いた例を示したが、微結晶セルロース(MCC)でも同様な結果が得られた。
[実施例4]疎水性モノマーによるセルロースブロック共重合体の生成およびセルロースブロック共重合体のナノ粒子の抽出
セルロースとして微結晶セルロース(MCC)0.43gを用い、それ以外は実施例2と同様な方法でセルロース−ポリメチルメタクリレートブロック共重合体を作製した。
その結果、真空中−196℃で一般式(8)(一般式(1)のR1が疎水性モノマーであるものに相当)、および、
Figure 0006061320
一般式(9)(一般式(2)のR2が疎水性モノマーであるものに相当)
Figure 0006061320
(一般式(8)、(9)中、n、mは、それぞれ繰り返し単位の数を示す自然数である)で表されるセルロース−ポリメチルメタクリレートブロック共重合体の生成を確認した。なお、生成物の確認は、実施例2と同様である。
そして、このセルロース−ポリメチルメタクリレートブロック共重合体の粉末を用い、クロロホルムを分散媒とし、ソックスレー抽出法により濾液(クロロホルム分散媒中にセルロース−ポリメチルメタクリレートブロック共重合体の微粒子(分散質)が分散したもの)を採取したところ、その濾液は透明であった。そして、この濾液中の分散媒を蒸発させて粉末状の残留物を得た。
なお、残留物の粒径の確認にあっては、得られた残留物をクロロホルムの分散媒中に再分散させ、この分散液を動的光散乱測定装置(堀場製作所製SZ−100)を用いて温度25℃で測定を行い、分散質であるセルロースブロック共重合体の平均粒径および粒度分布を求めた。その結果、平均粒径は48.8nm、粒度分布は図2に示した結果となり、粒径は、最大でも120nm以下であった。
また、残留物は、FT−IR測定により、セルロース−ポリメチルメタクリレートブロック共重合体であると同定され、上記動的光散乱測定の結果と併せて、セルロースブロック共重合体のナノ粒子であることが確認された。
なお、機械的破壊を室温(25℃)で行った場合においても、同様にセルロース−ポリメチルメタクリレートブロック共重合体が生成し、濾液は透明であり、図示していないが、その粒径は、最大でも120nm以下であった。
1 ESRスペクトル
2 一般式(3)の主鎖末端型アルキルラジカル(中間体)のシミュレーションスペクトル
3 一般式(4)の主鎖末端型アルキルラジカル(中間体)のシミュレーションスペクトル
4 一般式(6)、(7)のアルコキシラジカルのシミュレーションスペクトル
5 一般式(3)、(4)、(6)、(7)のラジカルの各シミュレーションスペクトルを合算したもの

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)および下記一般式(2)
    Figure 0006061320

    Figure 0006061320

    (一般式(1)、(2)中、R1、R2は、それぞれ親水性モノマー、疎水性モノマー、両親媒性モノマーのいずれかがラジカル重合をした基を表し、n1、n2、m1、m2は、それぞれ繰り返し単位の数を表す自然数を表している)で表されるセルロースブロック共重合体の内、少なくともいずれか一方を含有することを特徴とする親水性樹脂基材、疎水性樹脂基材、または両親媒性樹脂基材の強度を高めるための充填剤
  2. 請求項1記載の一般式(1)および一般式(2)で表されるセルロースブロック共重合体の内、少なくともいずれか一方からなり、該セルロースブロック共重合体の粒径が200nm以下であることを特徴とする親水性樹脂基材、疎水性樹脂基材、または両親媒性樹脂基材の強度を高めるための充填剤。
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