JP6060862B2 - 蒸着用マスク、蒸着用マスクの製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

蒸着用マスク、蒸着用マスクの製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、蒸着用マスク、蒸着用マスクの製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。特に、被蒸着面に所定のパターン形状の蒸着膜を形成する場合に、被蒸着体が熱変形しても、当該被蒸着体の被蒸着面に傷や削れ等が発生することを抑制できる蒸着用マスク及びその製造方法、更に、そのような蒸着用マスクを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう。)の開発が活発に行われており、表示装置や照明装置として使用されている。
有機EL素子は、数V〜数十V程度の低電圧で発光が可能な薄膜型の完全固体素子であり、高輝度、高発光効率、薄型、軽量といった多くの優れた特徴を有している。有機EL素子は、一対の電極間に、有機材料からなる有機機能層が挟持されて構成され、当該有機機能層で生じた発光光が電極を透過して外部に取り出される。
ここで、有機EL素子を構成する有機機能層を、所定の形状にパターン形成することで、当該所定の形状の発光パターンを有する有機EL素子とすることができる。有機機能層を所定の形状にパターン形成する方法としては、当該所定の形状の開口部が設けられた蒸着用マスクを用いて、有機機能層材料を被蒸着面に蒸着させる方法が一般に用いられている。
そのような蒸着用マスクとして、例えば、特許文献1には、層厚及びエッチング特性の異なる三つの層を積層した三層構造のメタルマスクであって、両面からウェットエッチングが施されることにより層厚方向に径が変化する開口部が形成されており、当該開口部の最小径部分を、前記三つの層のうち被蒸着面に対向する層の表面側に配置させることで、蒸着材の廻り込みを抑え、高精細なパターン成膜を可能とすることが記載されている。
しかしながら、発光パターンを有するフレキシブル型の有機EL素子を製造する場合等のように、樹脂材料等から構成される被蒸着体の被蒸着面に対し、蒸着用マスクを用いて所定のパターン形状の蒸着膜を形成しようとすると、以下のような問題が発生する。
すなわち、成膜時に起きる基板温度上昇によって被蒸着体に熱膨張による変形が発生し、蒸着用マスクの開口部に向かって凸形状に膨らむ現象が起き、その被蒸着面が蒸着用マスクの開口部の縁部分に接触する場合がある。そのような場合、前記従来の蒸着用マスクによれば、被蒸着体に対向する面と開口部の内壁面とで形成される角部分が被蒸着体の被蒸着面に当接し、被蒸着面に傷が付いたり被蒸着面が削り取られたりすることで有機EL素子駆動時のリーク故障発生の原因となるおそれがあった。なお、蒸着用マスクの前記角部分は、蒸着用マスクの開口部をウェットエッチングで形成した場合に限らず、レーザー加工等で形成した場合も発生し、前記問題へとつながることが多い。
特開2004−362908号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、被蒸着面に所定のパターン形状の蒸着膜を形成する場合に、被蒸着体が熱変形しても、当該被蒸着体の被蒸着面に傷や削れ等が発生することを抑制できる蒸着用マスク及びその製造方法、更に、そのような蒸着用マスクを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することである。
本発明に係る上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、ウェットエッチングにより形成された所定のパターン形状の開口部を備え、被蒸着面に対向する面と前記開口部の内壁面とで形成される角部分が面取りされている蒸着用マスクとすることで、被蒸着面に所定のパターン形状の蒸着膜を形成する場合に、被蒸着体が熱変形しても、当該被蒸着体の被蒸着面に傷や削れ等が発生することを抑制できる蒸着用マスク及びその製造方法、更に、そのような蒸着用マスクを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供できることを見出した。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.樹脂基板の被蒸着面に対向配置され、当該被蒸着面上に所定のパターン形状の蒸着膜を形成するための板状の蒸着用マスクであって、
ウェットエッチングにより形成された所定のパターン形状の開口部を備え、
前記被蒸着面に対向する面と前記開口部の内壁面とで形成される角部分において、前記樹脂基板の前記開口部方向へ湾曲した際の凸側に対向する部分が凹状に面取りされていることを特徴とする蒸着用マスク。
2.樹脂基板の被蒸着面に対向配置され、当該被蒸着面上に所定のパターン形状の蒸着膜を形成するための板状の蒸着用マスクの製造方法であって、
ウェットエッチングによりマスク基材に対して所定のパターン形状の開口部を形成する開口部形成工程と、
前記マスク基材の前記被蒸着面に対向する面と前記開口部の内壁面とで形成される角部分において、前記樹脂基板の前記開口部方向へ湾曲した際の凸側に対向する部分を凹状に面取りする面取り工程と、を有することを特徴とする蒸着用マスクの製造方法。
3.前記面取り工程は、ウェットエッチングにより行うことを特徴とする第2項に記載の蒸着用マスクの製造方法。
4.樹脂基板上に形成された第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極との間に、少なくとも発光層を含む複数の有機機能層が形成され、所定の発光パターンを有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
ウェットエッチングにより形成された所定のパターン形状の開口部を有し、かつ、前記樹脂基板に対向する面と前記開口部の内壁面とで形成される角部分において、前記樹脂基板の前記開口部方向へ湾曲した際の凸側に対向する部分が凹状に面取りされている蒸着用マスクを用いて、前記有機機能層のうち少なくとも一層をパターン形成する工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
本発明によれば、被蒸着面に所定のパターン形状の蒸着膜を形成する場合に、被蒸着体が熱変形しても、当該被蒸着体の被蒸着面に傷や削れ等が発生することを抑制できる蒸着用マスク及びその製造方法、更に、そのような蒸着用マスクを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、以下のとおりである。
蒸着用マスクにおいて、被蒸着面に対向する面と、ウェットエッチングにより形成された開口部の内壁面との間に形成される角部分が面取りされていることで、被蒸着体が熱変形しても、その被蒸着面が開口部の縁部分に当接されることが抑制される。また、被蒸着体が熱変形してその被蒸着面が開口部の縁部分に当接されても、角部分が面取りされていることによって開口部の縁部分が滑らかな面を形成しているため、被蒸着面に傷や削れが発生しにくい。
本発明の蒸着用マスクの開口部及び被蒸着体を示す概略断面図 本発明の蒸着用マスクの製造方法における開口部形成工程を説明する説明図 本発明の蒸着用マスクの製造方法における面取り工程を説明する説明図
本発明の蒸着用マスクは、被蒸着体の被蒸着面に対向配置され、当該被蒸着面上に所定のパターン形状の蒸着膜を形成するための板状の蒸着用マスクであって、ウェットエッチングにより形成された所定のパターン形状の開口部を備え、前記被蒸着面に対向する面と前記開口部の内壁面とで形成される角部分が面取りされていることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項4までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の蒸着用マスクを製造する蒸着用マスクの製造方法としては、ウェットエッチングによりマスク基材に対して所定のパターン形状の開口部を形成する開口部形成工程と、前記マスク基材の前記被蒸着面に対向する面と前記開口部の内壁面とで形成される角部分を面取りする面取り工程と、を有する態様の製造方法であることが、上記蒸着用マスクを製造する観点から、好ましい。
また、本発明は、前記面取り工程を、ウェットエッチングにより行うことが好ましい。これにより、開口部形成工程と面取り工程とを同様の手法により行うことができ、製造工程を簡略化できる。更に、面取り工程を精度良く行うことができる。
本発明の有機EL素子の製造方法としては、樹脂基板上に形成された第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極との間に、少なくとも発光層を含む複数の有機機能層が形成され、所定の発光パターンを有する有機EL素子の製造方法であって、ウェットエッチングにより形成された所定のパターン形状の開口部を有し、かつ、前記樹脂基板に対向する面と前記開口部の内壁面とで形成される角部分が面取りされている蒸着用マスクを用いて、前記有機機能層のうち少なくとも一層をパターン形成する工程を有する態様の製造方法であることが、リークの発生が抑制された有機EL素子を提供する観点から好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
《蒸着用マスク》
本発明の蒸着用マスクは、被蒸着体の被蒸着面に対向配置され、当該被蒸着面上に所定のパターン形状の蒸着膜を形成するための板状の蒸着用マスクであって、ウェットエッチングにより形成された所定のパターン形状の開口部を備え、被蒸着面に対向する面と開口部の内壁面とで形成される角部分が面取りされていることを特徴とする。
ここで、本発明において、面取りとは、蒸着用マスクにおける被蒸着面に対向する面と開口部の内壁面とで形成される角部分を除去して、当該部分を平面化又は曲面化してなだらかな面に加工することをいう。
本発明の蒸着用マスク1の構成について図1を参照して説明する。
図1(a)は、後述する面取り工程を行う前の状態の蒸着用マスク1の開口部3を示す概略断面図であり、図1(b)は、本発明の蒸着用マスク1の開口部3を示す概略断面図である。
本発明の蒸着用マスク1は、板状のマスク基材2に、所定のパターン形状の開口部3が形成されてなる。
マスク基材2は、熱によって変形しにくく、蒸着が行われる際の温度に耐えうる金属材料からなる。そのような金属材料としては、タングステン、タンタル、クロム、ニッケル又はモリブデンといった高融点金属やこれらの元素を含む合金が挙げられ、具体的には、例えば、SUS304、SUS430、36インバー、42アロイ等の金属材料が好適に用いられる。また、マスク基材2の材料は、蒸着時の温度に耐え得る材料であれば金属材料に限られるものでは良く、例えば、石英やアルミナ等のセラミックであっても良い。
なお、磁性を利用して本発明の蒸着用マスク1を被蒸着体の被蒸着面に固定する場合においては、マスク基材2は、例えば、磁性を有するSUS430、36インバー、42アロイ等の金属材料が用いられる。
マスク基材2の厚さは、蒸着条件等によって適宜設定されるものであるが、例えば、0.05〜5mmの範囲内に設定されている。
開口部3は、上記マスク基材2にウェットエッチングを施すことにより形成され、厚さ方向に貫通する孔である。この開口部3を介して成膜材料が被蒸着面に蒸着されるため、マスク基材2の面方向における開口部3の形状は、蒸着用マスク1を用いて形成しようとする蒸着膜のパターン形状と同一の形状に形成されている。なお、開口部3は、マスク基材2の両面側からそれぞれウェットエッチングされて形成されているものとしても良いし、マスク基材2の片面側からウェットエッチングされて形成されているものとしても良いが、両面側からウェットエッチングされて形成されていると開口部3の形状の精度が高いため好ましい。図1〜図3では、マスク基材2の両面側からそれぞれウェットエッチングすることにより開口部3が形成されている場合を示している。開口部3は、両面側からウェットエッチングされて形成されているため、図1〜図3に示すように、開口部3の内壁面5における蒸着用マスク1の厚さ方向中央部近傍は径が最も小さくなっている。
ここで、本発明の蒸着用マスク1は、開口部3の被蒸着面側の縁部分、すなわち、マスク基材2の被蒸着面に対向する面4と開口部3の内壁面5とで形成される角部分6が面取りされている。当該角部分6を面取りする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ウェットエッチング、レーザー照射、機械的研磨等の方法が挙げられ、特にウェットエッチングによる方法が好ましい。ウェットエッチングにより角部分6を面取りする場合には、開口部3の形成と同様の手法により行うことができるため製造工程を簡略化でき、しかも面取り位置のアライメント精度良く面取りを行うことができる。
これにより、図1(b)に示されるように、蒸着熱により被蒸着体20が熱変形したとしても、当該被蒸着体20の被蒸着面21が開口部3の縁部分に当接することが抑制される。よって、被蒸着面21に傷や削れが生じることを抑制することができる。また、仮に被蒸着体20が大きく熱変形し、被蒸着面21が開口部3の縁部分に当接したとしても、開口部3の角部分6が面取りされているため、被蒸着面21に傷や削れが生じることを抑制することができる。
これに対し、図1(a)に示すような、角部分6が面取りされる前の状態の蒸着用マスク1、すなわち、従来公知の蒸着用マスクにあっては、蒸着時の熱により被蒸着体20が熱変形した場合に、当該被蒸着体20の被蒸着面21が開口部3の角部分6に当接する。当該角部分6が当接することにより被蒸着面21には傷や削れ等が生じ、被蒸着体20が有機EL素子である場合にはリークの原因となる。
なお、角部分6を面取りする程度としては、蒸着用マスク1を用いて被蒸着面に対して蒸着を行う際に、熱変形した被蒸着体の被蒸着面が蒸着用マスク1の開口部3の縁部分に当接しない程度、又は、被蒸着面が蒸着用マスク1の開口部3の縁部分に当接しても傷や削れ等を生じさせない程度であれば良く、被蒸着体を構成する材料の熱膨張率、開口部3の形状、蒸着条件等の各種条件に応じて適宜設定されるものである。
また、図1においては、積層構造の被蒸着体20に対して蒸着膜を形成する場合を示しているが、単層構造の被蒸着体に対して蒸着膜を形成するものであっても良い。
《蒸着用マスクの製造方法》
上記したように構成される本発明の蒸着用マスク1を製造する方法について、図2及び図3を参照して以下説明する。
本発明の蒸着用マスクの製造方法は、被蒸着体の被蒸着面に対向配置され、当該被蒸着面上に所定のパターン形状の蒸着膜を形成するための板状の蒸着用マスクの製造方法であって、ウェットエッチングによりマスク基材に対して所定のパターン形状の開口部を形成する開口部形成工程と、マスク基材の被蒸着面に対向する面と開口部の内壁面とで形成される角部分を面取りする面取り工程と、を有することを特徴とする。
図2は、本発明の蒸着用マスクの製造方法における開口部形成工程を説明する図であり、図3は、本発明の蒸着用マスクの製造方法における面取り工程を説明する図である。以下に説明する例では、図3に示すように、面取り工程をウェットエッチングにより行うものとする。面取り工程をウェットエッチングにより行うことにより、開口部形成工程と面取り工程とを同様の手法により行うことができるため製造工程を簡略化でき、また、面取り工程を精度良く行うことができる。
まずは、準備したマスク基材2に対して、図2に示すような開口部形成工程を行う。
開口部形成工程では、まず、準備したマスク基材2を洗浄し、表面に付着している油分や不純物等を除去する(図2(a)参照。)。
次に、洗浄後のマスク基材2に感光性レジスト材を塗布し、50〜150℃で加熱処理することで感光性レジスト材の溶剤を除去して硬化させる(図2(b)参照。)。これにより、マスク基材2上にレジスト層31が形成される。感光性レジスト材としては、ネガ型であっても良いしポジ型であっても良い。なお、ドライレジストフィルムをラミネートして貼り付けることによってもレジスト層31を形成することが可能である。
次に、レジスト層31が形成されたマスク基材2に露光用マスク32を位置合わせして配置し、露光用光Lを当該露光用マスク32に照射して露光する(図2(c)参照。)。露光用マスク32としては、透明樹脂製又はガラス製の基材321に遮蔽部322が形成されたものが用いられる。基材321がガラス製である場合には形状安定性が高いため、露光位置の精度を向上させることができる。また、露光用マスク32は、マスク基材2のうち開口部3を形成しようとする領域が露光されるように構成されている。露光終了後、露光用マスク32を取り外す。
これにより、レジスト層31のうち露光された露光部分311は、感光性レジスト材が化学反応して分子の極性や分子量が変化しており、アルカリ可溶性となっている(図2(d)参照。)。
次に、レジスト層31の露光部分311を剥離液により除去する(図2(e)参照。)。剥離液としては、従来公知のものが用いられ、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Tetra Methyl Ammonium Hydroxyde;TMHA)水溶液等のアルカリ溶剤が用いられる。
次に、レジスト層31が剥離された部分においてマスク基材2に対しエッチング液によりウェットエッチングを行う(図2(f)参照。)。エッチング液としては、従来公知のものが用いられ、例えば、塩酸系や硝酸系等の酸性溶剤が用いられる。ウェットエッチングは、マスク基材2をエッチング液に浸漬させるものであっても良いし、エッチング液をシャワー状に吹き付けるものであっても良い。また、マスク基材2の両面側からウェットエッチングを行うと、開口部3の形成精度を向上させることができるため好ましい。
これにより、マスク基材2に所定のパターン形状の開口部3が形成される。
次に、開口部3が形成されたマスク基材2を水洗等によって洗浄することで、マスク基材2上に残存するレジスト層31を全て除去し、乾燥する(図2(g)参照。)。
続いて、開口部3が形成されたマスク基材2に対して、図3に示すような面取り工程を行う。
面取り工程では、まず、上記図2(b)と同様に、開口部3が形成されたマスク基材2に感光性レジスト材を塗布し、硬化させる(図3(h)参照。)。これにより、マスク基材2にレジスト層33が形成される。
次に、上記図2(c)と同様に、レジスト層33が形成されたマスク基材2に露光用マスク34を配置して露光する(図3(i)参照。)。露光用マスク34は、基材341と遮蔽部342とからなり、マスク基材2のうち開口部3の縁部分、すなわち、被蒸着面に対向する面と開口部3の内壁面5とで形成される角部分6が露光されるように構成されている。
これにより、レジスト層33のうち露光された露光部分331がアルカリ可溶性となる(図3(j)参照。)。
次に、上記図2(e)と同様に、レジスト層33の露光部分331を剥離液により除去する(図3(k)参照。)。
次に、上記図2(f)と同様に、マスク基材2のレジスト層33が剥離された部分に対し、エッチング液によりウェットエッチングを行う(図3(l)参照。)。これにより、開口部3の角部分6が面取りされる。
エッチング時間、エッチング液の量、エッチング液の濃度等の各種エッチング条件は、熱変形した被蒸着体の被蒸着面が開口部3の縁部分に当接しない程度に、角部分6が面取りされるように調整する。また、各種エッチング条件は、熱変形した被蒸着体の被蒸着面が開口部3の縁部分に当接しても当該被蒸着面に傷や削れが発生しないような平面状又は曲面状になる程度に、角部分6が面取りされるように調整するものとしても良い。
次に、上記図2(g)と同様に、開口部3が形成されたマスク基材2を水洗等によって洗浄することで、マスク基材2上に残存するレジスト層33を全て除去し、乾燥する(図3(m)参照。)。
以上のようにして、本発明の蒸着用マスク1を製造する。
なお、上記した蒸着用マスクの製造方法では、面取り工程をウェットエッチングにより行うものとして説明したが、上記角部分6を面取りすることができればいずれの方法であっても良く、例えば、レーザー照射や機械的研磨等により行うことができる。
以下、上記した本発明の蒸着用マスク1を用いた有機EL素子の製造方法について説明する。
《有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法》
本発明の有機EL素子の製造方法は、樹脂基板上に形成された第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極との間に、少なくとも発光層を含む複数の有機機能層が形成され、所定の発光パターンを有する有機EL素子の製造方法であって、ウェットエッチングにより形成された所定のパターン形状の開口部を有し、かつ、前記樹脂基板に対向する面と前記開口部の内壁面とで形成される角部分が面取りされている蒸着用マスクを用いて、前記有機機能層のうち少なくとも一層をパターン形状する工程を有することを特徴とする。
有機EL素子は、樹脂基板に、第1電極、少なくとも発光層を含む複数の有機機能層及び第2電極がこの順番に積層されて構成されている。複数の有機機能層の好ましい層構成の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層
(ii)正孔注入輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層
(iii)正孔注入輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層
(iv)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層
(v)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層
(vi)正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層
各有機機能層の構成材料としては、従来公知の材料を用いることができる。
各有機機能層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法(ラングミュア−ブロジェット法)、インクジェット法、スプレー法、印刷法、スロット型コータ法等の公知の薄膜形成法により製膜して形成することができる。
本発明の有機EL素子の製造方法においては、樹脂基板上に第1電極を形成した後、複数の有機機能層のうちの少なくとも一層を、上記した蒸着用マスク1を用いて蒸着法により所定のパターン形状に形成する。
具体的には、図1(b)に示すように、蒸着用マスク1を、樹脂基板22と第1電極23とからなる被蒸着体20に対向するように位置合わせして配置する。具体的には、蒸着用マスク1の面4が被蒸着体20の被蒸着面21(第1電極23の両面のうち樹脂基板22に対向する面と反対側の面)に対向するようにして蒸着用マスク1を配置する。この状態で、蒸着用マスク1を介して第1電極23上に成膜材料を蒸着することで、蒸着用マスク1の開口部3の形状と同じ形状の蒸着膜をパターン形成することができる。このとき、蒸着熱により樹脂基板22が熱変形することで、図1(b)に示すように、被蒸着体20が蒸着用マスク1側に凸となるように僅かに湾曲する。これにより、第1電極23が開口部3に接近するが、蒸着用マスク1の面4と開口部3の内壁面5とで形成される角部分6が面取りされているため、開口部3の縁部分には当接しない。仮に、第1電極23が開口部3の縁部分に当接したとしても、開口部3の縁部分はなだからな面を形成しているため第1電極23に傷や削れが発生することを抑制できる。
このようにして複数の有機機能層を形成した後に更に第2電極を形成し、第1電極及び第2電極の端子部分を露出させた状態で、第1電極、複数の有機機能層及び第2電極を封止材で封止する。
これにより、所定の発光パターンを有する有機EL素子を製造することができる。
なお、上記蒸着用マスク1を用いて所定のパターン形状に形成する層は、正孔輸送層又は正孔注入層であることが好ましい。
なお、上記した実施形態では、蒸着用マスク1を介して第1電極23上に成膜材料を蒸着するものとしたが、第1電極23上に別の有機機能層が形成され、その上に、蒸着用マスク1を介して成膜材料を蒸着するものとしても良い。
また、上記した実施形態では、有機EL素子が、第1電極と第2電極との間に複数の有機機能層が積層されて構成されているものとしたが、第1電極と第2電極との間において、複数の有機機能層からなる有機機能層群が、中間電極を介して複数設けられて構成されているものとしても良い。この場合には、各有機機能層群のうち少なくとも一層が所定のパターン形状に形成され、更に、有機機能層群ごとにそのパターン形状が異なっているものとしても良い。これにより、複数の発光パターンを切り替えて表示することのできる有機EL素子とすることができる。
また、上記した実施形態では、第1電極、複数の有機機能層及び第2電極を積層して発光パターンを有する有機EL素子を製造するものとしたが、蒸着用マスク1を介してパターン形成された有機機能層の縁部分に対し、従来公知の手法で光を照射して、当該縁部分の発光機能を変化させ非発光とする光照射工程を更に行うものとしても良い。これにより、より高精細な発光パターンを形成することができる。当該光照射工程は、有機EL素子の封止後に行うものであっても良いし、蒸着用マスク1を用いた有機機能層のパターン形成後であって、その上に別の有機機能層を形成する前に行うものであっても良い。
1 蒸着用マスク
2 マスク基材
3 開口部
4 面
5 内壁面
6 角部分
20 被蒸着体
21 被蒸着面
22 樹脂基板
23 第1電極
31 レジスト層
32 露光用マスク
33 レジスト層
34 露光用マスク
311 露光部分
321 基材
322 遮蔽部
331 露光部分
341 基材
342 遮蔽部
L 露光用光

Claims (4)

  1. 樹脂基板の被蒸着面に対向配置され、当該被蒸着面上に所定のパターン形状の蒸着膜を形成するための板状の蒸着用マスクであって、
    ウェットエッチングにより形成された所定のパターン形状の開口部を備え、
    前記被蒸着面に対向する面と前記開口部の内壁面とで形成される角部分において、前記樹脂基板の前記開口部方向へ湾曲した際の凸側に対向する部分が凹状に面取りされていることを特徴とする蒸着用マスク。
  2. 樹脂基板の被蒸着面に対向配置され、当該被蒸着面上に所定のパターン形状の蒸着膜を形成するための板状の蒸着用マスクの製造方法であって、
    ウェットエッチングによりマスク基材に対して所定のパターン形状の開口部を形成する開口部形成工程と、
    前記マスク基材の前記被蒸着面に対向する面と前記開口部の内壁面とで形成される角部分において、前記樹脂基板の前記開口部方向へ湾曲した際の凸側に対向する部分を凹状に面取りする面取り工程と、を有することを特徴とする蒸着用マスクの製造方法。
  3. 前記面取り工程は、ウェットエッチングにより行うことを特徴とする請求項2に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  4. 樹脂基板上に形成された第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極との間に、少なくとも発光層を含む複数の有機機能層が形成され、所定の発光パターンを有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    ウェットエッチングにより形成された所定のパターン形状の開口部を有し、かつ、前記樹脂基板に対向する面と前記開口部の内壁面とで形成される角部分において、前記樹脂基板の前記開口部方向へ湾曲した際の凸側に対向する部分が凹状に面取りされている蒸着用マスクを用いて、前記有機機能層のうち少なくとも一層をパターン形成する工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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