JP6060824B2 - 撮像装置、及びフリッカ低減方法 - Google Patents

撮像装置、及びフリッカ低減方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6060824B2
JP6060824B2 JP2013129416A JP2013129416A JP6060824B2 JP 6060824 B2 JP6060824 B2 JP 6060824B2 JP 2013129416 A JP2013129416 A JP 2013129416A JP 2013129416 A JP2013129416 A JP 2013129416A JP 6060824 B2 JP6060824 B2 JP 6060824B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flicker
unit
correction
flicker component
line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013129416A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015005850A (ja
Inventor
昭仁 下大薗
昭仁 下大薗
賢司 松岡
賢司 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JVCKenwood Corp
Original Assignee
JVCKenwood Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JVCKenwood Corp filed Critical JVCKenwood Corp
Priority to JP2013129416A priority Critical patent/JP6060824B2/ja
Priority to US14/298,684 priority patent/US9264628B2/en
Publication of JP2015005850A publication Critical patent/JP2015005850A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6060824B2 publication Critical patent/JP6060824B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/70Circuitry for compensating brightness variation in the scene
    • H04N23/745Detection of flicker frequency or suppression of flicker wherein the flicker is caused by illumination, e.g. due to fluorescent tube illumination or pulsed LED illumination

Description

本発明は、撮像装置、及びフリッカ低減方法に関する。
特許文献1、2には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)フリッカの低減方法が開示されている。特許文献1のフリッカ低減方法では、連続する3フィールドにおける積分値の平均値を算出して、平均値で正規化している。そして、正規化された積分値に対して、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)を施している。そして、離散フーリエ変換により抽出されたスペクトルからフリッカ係数を推定して、フリッカを低減している。
特許文献2では、取得部が1フレームを構成する水平ラインのうちの一部の水平ラインについて、ライン積分値を取得している。そして、メモリがライン積算値を複数の画面分格納している。複数の画面分のライン積分値列に対して、離散フーリエ変換を施して、フリッカ成分の情報を抽出している。
特開2004−222228号公報 国際公開WO2010/058567号
しかしながら、特許文献1では、1フレーム分の信号に対してDFT処理を行っている。被写体に動物体がある場合には補正ゲインが急激に変化するために適切な補正とならず、映像を破綻させるおそれがある。また、フレーム内DFT処理を行うので、1周期分のフリッカ成分が1フレーム内に存在しない場合、例えば高速撮像モード時にはフリッカを検出することができないおそれがある。
特許文献2では、特許文献1のように、正規化を行っていないため、映像のDC成分を除去できていない。したがって、同じフリッカ環境下であっても被写体の輝度によって検出されるフリッカ成分が異なってしまい、最適な補正ができないおそれがある。また、被写体に動物体がある場合には、フレーム間DFT処理により得られるフリッカ成分は急激に変化してしまう。したがって適切な補正とならず、映像を破綻させるおそれがある。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、適切にフリッカを低減することができる撮像装置、及びフリッカ低減方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる撮像装置は、画素の水平ラインに応じて露光タイミングが異なる撮像素子と、補正ゲインを用いて、前記撮像素子から出力される映像信号に含まれるフリッカ成分を補正するフリッカ補正部と、前記フリッカ補正部が、1垂直同期期間での1水平ラインにおける映像信号をライン積算することで、ライン積算値を算出する積算部と、複数の垂直同期期間での前記ライン積算値に基づいて、前記ライン積算値を正規化した正規化ライン積算値を算出する正規化部と、複数の垂直同期期間に渡る前記正規化ライン積算値を離散フーリエ変換するフーリエ変換処理部と、前記フーリエ変換処理部での処理結果に基づいて、フリッカ成分の情報を算出するフリッカ成分算出部と、2以上の前記水平ラインにおける前記フリッカ成分の情報に基づいて、前記補正ゲインを算出する補正ゲイン計算部と、を備えたものである。
本発明の一態様にかかるフリッカ低減方法は、画素の水平ラインに応じて露光タイミングが異なる撮像素子から出力された映像信号のフリッカを低減するフリッカ低減方法であって、1垂直同期期間での1水平ラインにおける映像信号をライン積算することで、ライン積算値を算出するステップと、複数の垂直同期期間での前記ライン積算値に基づいて、前記ライン積算値を正規化した正規化ライン積算値を算出するステップと、複数の垂直同期期間に渡る前記正規化ライン積算値を離散フーリエ変換するステップと、前記離散フーリエ変換の処理結果に基づいて、フリッカ成分の情報を算出するステップと、2以上の前記水平ラインにおける前記フリッカ成分の情報に基づいて、前記補正ゲインを算出するステップと、前記補正ゲインを用いて、前記映像信号を補正するステップと、を備えたものである。
本発明によれば、適切にフリッカを低減することができる撮像装置、及びフリッカ低減方法を提供することを目的とする。
本実施形態に係る撮像装置の全体構成を示す図である。 撮像装置の制御系を模式的に示すブロック図である。 CMOSフリッカ成分のイメージ図である。 実施の形態1にかかる撮像装置のフリッカ補正部の構成を示すブロック図である。 フリッカ低減方法におけるDFT処理ラインを説明するための図である。 実施の形態2にかかる撮像装置の主要部分の構成を示すブロック図である。 実施の形態2にかかる撮像装置の環境判定部の構成を示すブロック図である。 フリッカ補正前の画像と、フリッカ補正後の画像を模式的に示す図である。 60fpsの通常撮像時と、120fpsの高速撮像時の動作比較例を示す表である。 実施の形態3にかかる撮像装置の主要部分の構成を示すブロック図である。 垂直同期信号VDとフリッカ成分の関係を説明するための図である。
実施の形態1.
(全体構成)
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る撮像装置、及びフリッカ低減方法について説明する。図1は、本実施の形態にかかる撮像装置の全体構成を示す斜視図である。撮像装置1は、モニタ3、筐体5、及び撮像部100を備えている。
筐体5は、CMOS撮像素子及びレンズなどを備えた撮像部100を内蔵している。撮像部100は、被写体から光を受光して、動画、及び静止画を撮像する。さらに、筐体5は、図示しない、バッテリ、内蔵メモリ、メモリカードスロット、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵している。撮像部100が取得した画像データは、所定の処理が施されて、メモリに格納される。筐体5の側面には、開閉可能に設けられたモニタ3が取り付けられている。モニタ3は、撮像部100が取得した動画又は静止画を表示する。
次に、図2を参照して、撮像装置1の制御系について説明する。図2は、撮像装置1の制御系を模式的に示すブロック図である。撮像部100は、ズームレンズ101、フォーカスレンズ102、絞り103、及び撮像素子104を備えている。ズームレンズ101は図示しないズームアクチュエータによって光軸LAに沿って移動する。同様に、フォーカスレンズ102は、図示しないフォーカスアクチュエータによって光軸LAに沿って移動する。絞り103は、図示しない絞りアクチュエータに駆動されて動作する。撮像素子104は、CMOSイメージセンサ等で構成される。
撮像素子104は、マトリクス状に配列された複数の画素を備えている。複数の画素は、垂直同期信号VD、及び水平同期信号HDにしたがって動作する。なお、垂直同期信号VDは、撮像素子104の1フィールド、又は1フレームのスタートを決めるパルス信号である。例えば、垂直同期信号VDに同期して、1番目の水平ライン、即ち、先頭ラインの画像データの読み出しが行われる。垂直同期信号VDの1周期である垂直同期期間が、1フレーム又は1フィールドに対応する期間となる。水平同期信号HDは、各走査線、すなわち、各水平ラインのスタートを決めるパルス信号である。水平同期信号HDに同期して、複数の水平ラインから画像データが順番に読み出されていく。さらに、撮像素子104がCMOSセンサである場合、画素の水平ラインに応じて露光タイミングが異なっているため、CMOSフリッカが発生する。もちろん、撮像素子104はフリッカが発生するものであれば、CMOSセンサに限られるものではない。
撮像素子104はズームレンズ101、フォーカスレンズ102、及び絞り103を通過した光を光電変換して、被写体のアナログ画像信号を生成する。アナログ画像信号処理部105が、このアナログ画像信号を増幅した後、画像A/D変換部106が、その増幅された信号をデジタル画像データに変換する。そして、画像A/D変換部106は、デジタル画像データを、映像信号として、フリッカ補正部107に出力する。
フリッカ補正部107は、映像信号に対してフリッカ補正を行って、フリッカを低減する。すなわち、フリッカ補正部107は、補正ゲインを用いて、デジタル画像データのフリッカ補正を行う。そして、フリッカ補正部107がフリッカ補正を施した映像信号を出力部108に出力する。出力部108は、メモリを有しており、フリッカが低減された映像信号をメモリに記憶させる。あるいは、出力部108は、モニタ3を有しており、フリッカが低減された映像信号をモニタ3に表示させる。
さらに、フリッカ補正部107は、画像A/D変換部106からの映像信号に基づいて、フリッカ補正のための補正ゲインを算出する。フリッカ補正部107は、算出した補正ゲインに基づいて、フリッカ補正を行う。なお、補正ゲインは、フレーム、及び水平ラインに応じて、異なる値となっている。
(フリッカ成分)
ここで、NTSCシステムで発生する蛍光灯フリッカをフリッカの一例として説明する。ここでは、フレームレートを60fps、商用電源周波数を50Hzとした場合について説明する。この場合のCMOSフリッカの特徴は以下である。
(1)1画面中には、5/3周期分発生する。
(2)1ラインごとに位相が変化する。
(3)振幅は、蛍光灯の輝度に比例して変化する。
(4)商用電源周波数(50Hz)の2倍の周波数(100Hz)を持つ正弦波として扱うことができる。
上記の特徴から、CMOSフリッカ現象が起きている際には、図3のようなフリッカ成分が発生している。なお、図3では、上側(画面上部)から下側(画面下部)に向かって走査が行われているものとする。撮像素子104では、水平ラインごとに露光タイミングが異なるため、水平ラインに応じて受光量が変化してしまう。よって、蛍光灯が空間的に均一に照明していたとしても、図3のように、映像信号の値が平均値よりも高い水平ラインと、映像信号の値が平均値よりも小さい水平ラインが存在してしまう。例えば、図3のフレームでは、画像中の最も上の水平ライン、すなわち、先頭ラインでフリッカ成分が最も高くなっている。さらに、先頭ラインから、1画面に含まれる総ライン数の3/5に相当するラインずれた水平ラインで、フリッカ成分も最も高くなる。このように、フリッカ成分は、図3に示すような、振幅、周期、及び初期位相を持つ、sin関数で表される。なお、初期位相は先頭ラインでの位相としている。
また、フレームに応じて、各水平ラインの位相が変化する。すなわち、フレーム毎に、映像信号の値が平均値よりも高い水平ラインと、映像信号の値が平均値よりも低い水平ラインが変化する。次のフレームでは、初期位相が異なる正弦波となる。例えば、蛍光灯フリッカが100Hzで発生し、撮像素子、フレームレート60fpsであるとすると、蛍光灯フリッカの5周期分が、3フレームに相当する時間となる。よって、3フレーム毎に初期位相が同じ位相となる。このように、水平ライン、及びフレームに応じて、フリッカ成分が変動する。
従って、フリッカ成分によるゲインが映像信号に乗じられて映像を劣化させていると考えることができる。フリッカ成分の周期、振幅、各ラインでの位相を得られれば、その逆相のゲインを映像信号に乗じることでCMOSフリッカを補正することできる。1フレームにおけるフリッカ低減用の補正ゲインは、正弦波にしたがって水平ラインごとに異なる値となる。さらに、同一ラインにおける補正ゲインは、フレームに応じて異なる値となり、3フレーム毎に同じ値となる。もちろん、上記したフレームレート、及び蛍光灯フリッカの周波数は、一例であり、上記の値に限定されるものではない。
(フリッカ補正部107)
以下、図4を参照して、フリッカ補正部107について説明する。図4は、フリッカ補正部107の構成を示すブロック図である。フリッカ補正部107は、積算部111、積算値保持部112、平均値計算部113、正規化部114、正規化値保持部115、フレーム間DFT処理部116、フリッカ成分算出部117、振幅/初期位相計算部118、振幅/初期位相保持部119、平均値計算部120、補正ゲイン計算部121、補正部122を備えている。フリッカ補正部107は、上記のように補正ゲインを算出する。
積算部111には、画像A/D変換部106からの映像信号が入力される。積算部111は、1フレーム(1垂直同期期間)における映像信号の値をライン積算する。すなわち、積算部111は1水平ラインでの映像信号の合計値をライン積算値として算出する。なお、積算部111が、1水平ラインの全ての画素に対してライン積算してもよく、あるいは、1水平ラインの一部の画素に対してライン積算してもよい。積算部111は、ライン積算値を積算値保持部112に出力する。積算値保持部112は、メモリ等を備え、積算部111が算出したライン積算値を保持する。積算値保持部112は、ライン積算値を水平ラインごとに記憶する。従って、積算値保持部112には、複数のライン積算値が格納される。さらに、積算値保持部112は、複数フレーム分のライン積算値を記憶する。
例えば、フレームレートが60fps、商用電源周波数が50Hzの場合、3フレーム毎にフリッカ成分の位相が同じとなる。したがって3フレーム分の映像信号を用いると、フリッカ成分の無い信号を得られる。積算値保持部112は、3フレーム分のライン積算値を格納する。
平均値計算部113は、3フレーム(3垂直同期期間)分のライン積算値の平均値を水平ラインごとに算出する。平均値計算部113は、計算した平均値を正規化部114に出力する。正規化部114は、3フレームでのライン積算値の平均値と、現フレームでのライン積算値とに基づいて、正規化を行う。すなわち、正規化部114は、現フレームでのライン積算値を、平均値で除することによって、正規化を行う。こうすることで、映像信号を正規化することができ、フリッカ成分を含む映像から被写体そのものの輝度(DC成分)を除去できる。
正規化されたライン積算値は、正規化ライン積算値として、正規化値保持部115に保持される。すなわち、正規化値保持部115は、メモリ等を備えており、正規化ライン積算値を格納する。正規化部114、及び正規化値保持部115は、正規化ライン積算値をフレーム間DFT処理部116に出力する。
フレーム間DFT処理部116は、正規化ライン積算値に対して、フレーム間で離散フーリエ変換(DFT)処理を行う。すなわち、フレーム間DFT処理部116は、1ラインでの正規化ライン積算値に基づいて、フレーム間DFT処理を行う。具体的には、1ラインでの正規化ライン積算値をm(mは2以上の整数)フレーム分用意する。ある特定の水平ラインの映像信号は、1フレーム期間、すなわち、1垂直周期期間ごとに、繰り返し取得されるので、ライン積算値、及び正規化ライン積算値は、時系列に沿った時間領域のデータとなる。そして、m個の正規化ライン積算値に基づいて、フレーム間DFT処理を行う。
これにより、その水平ラインでの振幅スペクトルと位相スペクトルが算出される。すなわち、複数フレーム(複数の垂直同期期間)に渡る時間領域の正規化ライン積算値を、離散フーリエ変換することで、周波数領域のデータに変化する。フレーム間DFT処理部116は、DC成分を除去した同一ラインでの正規化ライン積算値を複数フレームに渡って、フレーム間DFT処理する。フレーム間DFT処理部116は、振幅スペクトルと位相スペクトルをフリッカ成分算出部117に出力する。このように、フレーム間DFT処理部116は、1ラインの正規化ライン積算値に対してフレーム間DFT処理を施し、振幅スペクトル及び位相スペクトルを算出する。なお、フレーム間DFT処理を行うフレーム数を増やすことで、DFT点数を増やすことができる。これにより、周波差分解能を高くすることができるため、より適切にフリッカ補正することができる。もちろん、DFT処理を行うフレーム数(DFT点数)は、LSI(Large Scale Integration)の回路規模等に応じて決定すればよい。
フリッカ成分算出部117は、振幅スペクトル、及び位相スペクトルのうちの、フリッカ成分の周波数(ここでは、100Hz)に着目して、フリッカ成分の情報を算出する。例えば、フリッカ成分算出部117は、フリッカ成分の周波数での、振幅と位相を算出する。これにより、フリッカ成分の振幅Aと、そのフレームでのその水平ラインにおける位相θを算出することができる。フリッカ成分算出部117は、振幅Aと位相θを振幅/初期位相計算部118に出力する。
振幅/初期位相計算部118は、ある1ラインの位相θに基づいて、初期位相θiniを算出する。フリッカ成分の周期をライン数に換算したライン数換算値が分かっているので、DFT処理を行った水平ラインでの位相θを基に、1ライン目(先頭ライン)での位相、すなわち、そのフレームでの初期位相θiniを求めることができる。具体的には、DFT処理を行ったDFT処理ラインと、先頭ラインとの間のライン数に応じた位相値だけ、位相θを加算、又は減算することで、初期位相θiniを求めることができる。振幅/初期位相保持部119は、メモリを有しており、振幅/初期位相計算部118が算出した初期位相θini及び振幅Aを保持する。
これにより、フリッカ成分の初期位相、振幅、及び周期を求めることができるため、各ラインでの補正ゲインを求めることができる。各水平ラインの補正ゲインGは、以下の(1)式のようになる。
G=1−Asin((2πLn)/L+θini)・・・(1)
なお、Aはフリッカ成分の振幅、Lnは各ラインのライン番号、Lはフリッカ成分1周期分のライン数換算値、θiniは当該フレームの初期位相である。1画面中に、フリッカが5/3周期分発生するため、ライン数換算値Lは、1画面のライン数の3/5に相当する値である。
(1)式の右辺第二項の各値はフリッカ成分より求めたものであり、補正ゲインはフリッカ成分の逆相でなければならないので符号がマイナスとなっている。正弦波の値は、正弦波のROMテーブルを用意しておき、当該ラインの画素が読み出される際にその値を係数として用いる構成とすることが好ましい。ROMテーブルを用意しておくことで、初期位相θiniから、全水平ラインの位相を容易に求めることができる。なお、正弦波のROMテーブルは1/4周期分を持てばよく、1周期分を持つよりも回路規模を削減できるのは言うまでもない。
上記のようなフリッカ成分の逆相の補正ゲインを映像信号に乗じることにより、フリッカ補正が可能となる。被写体が静止している場合には十分な補正効果が得られるが、被写体に動物体がある場合には補正精度が落ちてしまう。被写体に動物体が存在すると映像信号がフレーム間で急激に変化するので、当該ラインのライン積算値が大きく変化してしまうためである。上記DFT処理は過去の複数フレームのライン積算値を用いるので、映像信号の急激な変化が起きると、本来3フレームであるはずのライン積算値の周期性が瞬間的に崩れる。したがって適切なフリッカ成分が得られないので、補正ゲインが最適値とならず、結果として誤補正となって画質を悪化させる。
そこで、本実施の形態では、1フレーム中においてDFT処理するDFT処理ラインを1ラインだけではなく複数の水平ラインとしている。すなわち、複数のDFT処理ラインに対して、それぞれフリッカ成分の情報(振幅、及び位相)を抽出する。具体的には、複数のDFT処理ラインの正規化ライン積算値をフレーム間DFT処理することで得られた振幅A、及び初期位相θiniの平均値を平均値計算部120が求めている。
従って、積算部111、積算値保持部112、正規化部114は、1フレームから抽出された複数の水平ラインのそれぞれに対して、上記した処理を行う。そして、積算値保持部112、及び正規化値保持部115は、複数の水平ラインのそれぞれに対して、ライン積算値、及び正規化ライン積算値を保持する。
フレーム間DFT処理部116がn個(nは2以上の整数)の水平ラインでの正規化ライン積算値に対して、それぞれフレーム間DFT処理を行っている。例えば、図5に示すように、1フレームからDFT処理が施される水平ラインをn個抽出する。DFT処理が施されるDFTラインをDFT処理ラインL_DFT1〜L_DFTnのnラインとする。
フレーム間DTF処理部116は、mフレーム分のDFT処理ラインL_DFT1の正規化ライン積算値に対して、フレーム間DFT処理を実行する。さらに、フレーム間DTF処理部116は、mフレーム分のDFT処理ラインL_DFT2の正規化ライン積算値に対してフレーム間DFT処理を実行する。そして、フレーム間DFT処理部116は、DFT処理ラインL_DFTnまで、n回のフレーム間DFT処理を実行する。この結果、n個の振幅スペクトルとn個の位相スペクトルが算出される。
そして、フリッカ成分算出部117は、それぞれのフレーム間DFT処理結果に対して、フリッカ成分の情報を算出する。すなわち、フリッカ成分算出部117は、フリッカ成分の周波数に着目して、n個の振幅、n個の位相を算出する。なお、各DFT処理ラインでの算出結果を識別するため、DFT処理ラインL_DFT1のDFT結果より得られた振幅、及び位相を、それぞれA1、及びθ1とする。同様にDFT処理ラインL_DFTnのDFT結果より得られた振幅、及び位相を、それぞれAn、及びθnとして識別する。
振幅/初期位相計算部118は、位相θ1〜θnのそれぞれに基づいて、初期位相θiniを算出する。例えば、振幅/初期位相計算部118は、先頭ラインとDFT処理ラインL_DFT1との間の水平ライン数に応じた位相値だけ、位相θ1を加算、又は減算することで、初期位相θini−1を求める。同様に、振幅/初期位相計算部118は、先頭ラインとDFT処理ラインL_DFT2との間の水平ライン数に応じた位相値だけ、位相θ2を加算、又は減算することで、初期位相θini−2を求める。振幅/初期位相計算部118が、この処理を、全てのDFT処理ラインL_DFT1〜L_DFTnに対して行うことで、初期位相θini−1〜初期位相θini−nを算出する。そして、振幅/初期位相保持部119が、初期位相θini−1〜初期位相θini−n、及び振幅A1〜Anを記憶する。
平均値計算部120は、振幅A1〜Anの平均値と、初期位相θini−1〜初期位相θini−nの平均値を算出する。そして、平均値計算部120は、算出した振幅の平均値を振幅A_aveとして、補正ゲイン計算部121に出力する。同様に、平均値計算部120は、算出した初期位相の平均値を初期位相θini_aveとして補正ゲイン計算部121に出力する。そして、補正ゲイン計算部121は、振幅A_ave、及び初期位相θini_aveから、補正ゲインGを算出する。補正ゲインGは、式(1)のAをA_aveとし、θiniをθini_aveとすることで、算出することができる。このように、補正ゲイン計算部121は複数ラインでの振幅の平均値、及び初期位相の平均値から、補正ゲインGを算出する。
補正ゲイン計算部121は、算出した補正ゲインGを補正部122に出力する。補正部122は、補正ゲインGを用いて、フリッカ補正を行う。すなわち、補正部122は、対応する水平ラインの補正ゲインGを映像信号に乗じて、出力する。補正ゲインGは、フリッカ成分と逆相になっているため、補正ゲインGを映像信号に乗じることで、フリッカ補正が可能となる。そして、撮像素子104で撮像された動画像の各フレームの画像に対して、フリッカ補正部107が上記の処理を繰り返し行うことで、補正ゲインGを更新していく。
このように、本実施形態では、複数の水平ラインに対して、フレーム間DFT処理を施している。そして、複数の水平ラインのフレーム間DFT処理結果に基づいて、補正ゲインGを算出している。各水平ラインのフレーム間DFT処理によって得られた振幅及び初期位相を平均化している。これにより、被写体に動物体がある場合にもその影響を受けず、CMOSフリッカを精度良く補正することが可能となる。
また、映像信号からDC成分を除去してからフリッカ成分を求めている。すなわち、正規化部114が複数フレーム間の映像信号の平均値によって、映像信号を正規化している。そして、フレーム間DFT処理部116は、正規化ライン積算値に基づいて、DFT処理を行っている。これにより、被写体の輝度によらず精度良く補正することが可能になる。よって、特許文献2に比して、適切にフリッカを低減することができる。
また、フレーム間DFT処理部116が、複数フレームに渡る映像信号を用いて、フレーム間DFT処理を行っている。すなわち、複数フレームに渡る正規化ライン積算値に基づいて、フレーム間DFT処理を行っている。これにより、1フレーム内にフリッカ成分が1周期分無い場合でも、精度の良い補正が可能である。1フレーム内にフリッカ成分が1周期分無い高速撮像モードの場合であっても、特許文献1に比して、精度よくフリッカ補正することができる。
さらに、補正ゲイン計算部121が、補正ゲイン用の正弦波テーブルを持っていてもよい。そして、補正ゲイン計算部121がそのテーブルを参照して、補正ゲインGを算出してもよい。フリッカ環境であれば正弦波状のフリッカ成分が重畳していることになるので、補正ゲイン計算部121が振幅と初期位相が算出できれば補正ゲインGを容易に生成することができる。また、複数ライン間での初期位相情報にバラツキがあっても補正ゲインの正弦波の形が確保できるので、フリッカ成分と補正ゲインの形状のミスマッチが起こるのを防ぐことができる。
正弦波ではない周期性を持ったフリッカ成分について、フリッカ成分の波形に応じたテーブルを用意するようにしてもよい。正弦波ではないフリッカ成分に対しても、ROMテーブルを変更するだけで容易に対応することができる。すなわち、フリッカ成分の波形に応じたテーブルを予め用意して、使用環境に応じてテーブルを切り替えて、用いることが可能である。
なお、DFT処理するライン数は特に限定されるものではなく、回路規模と性能に応じて決定することができる。図5では、DFT処理ラインL_DFT1〜L_DFTnを4ライン毎に等間隔で配置しているが、1フレームから抽出されるDFT処理ラインの数は、2以上であれば、その数及び配置は特に限定されるものではない。
実施の形態2.
本実施の形態にかかる撮像装置、及びフリッカ低減方法について、図6を用いて説明する。図6は、撮像装置1の制御系の一部を示すブロック図である。本実施の形態では、実施の形態1の構成に加えて、フリッカ補正を行うか否かを判定する環境判定部130が設けられている。なお、実施の形態1と重複する構成について、適宜省略して説明する。例えば、フリッカ補正部107におけるフリッカ成分算出処理は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
環境判定部130は、撮像装置1が使用されている使用環境において、フリッカが発生しているか否かを判定する。すなわち、環境判定部130は、使用環境が、フリッカが発生しているフリッカ環境であるか、フリッカが発生していない非フリッカ環境であるかを判定する。環境判定部130は、判定結果に応じた補正制御信号をフリッカ補正部107に出力する。
フリッカ補正部107は、補正制御信号に基づいて、フリッカ補正を行うか否かを決定する。フリッカ環境の場合は、フリッカ補正部107がフリッカ補正を行う。フリッカ環境では、フリッカ補正部107がフリッカ補正を行った映像信号を出力する。一方、非フリッカ環境の場合は、フリッカ補正部107がフリッカ補正を行わない。非フリッカ環境では、フリッカ補正部107がフリッカ補正を行っていない映像信号をそのまま出力する。
以下、環境判定部130の構成について、図7を用いて説明する。図7は、フリッカ補正部107、及び環境判定部130の構成を示すブロック図である。なお、フリッカ補正部107については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。環境判定部130は、積算部131、積算値保持部132、平均値計算部133、正規化部134、正規化値保持部135、フレーム間DFT処理部136、フリッカ成分算出部137、常時補正部141、比較部142、及び補正制御信号生成部143を備えている。
常時補正部141には、補正ゲイン計算部121からの補正ゲインGが入力される。さらに、常時補正部141には、映像信号が入力される。常時補正部141は、補正ゲインGを用いて、常時、映像信号をフリッカ補正する。すなわち、常時補正部141は、無条件で、映像信号に補正ゲインGを乗じた値を算出する。そして、常時補正部141は、フリッカ補正した映像信号を積算部131に出力する。
積算部131、積算値保持部132、平均値計算部133、正規化部134、正規化値保持部135、フレーム間DFT処理部136、フリッカ成分算出部137は、それぞれ積算部111、積算値保持部112、平均値計算部113、正規化部114、正規化値保持部115、フレーム間DFT処理部116、フリッカ成分算出部117に対応している。したがって、積算部131、積算値保持部132、平均値計算部133、正規化部134、正規化値保持部135、フレーム間DFT処理部136、フリッカ成分算出部137は、それぞれ積算部111、積算値保持部112、平均値計算部113、正規化部114、正規化値保持部115、フレーム間DFT処理部116、フリッカ成分算出部117と同様の処理を行う。フリッカ成分算出部137は、フリッカ補正された映像信号に対して、フリッカ成分の振幅、及び位相を算出する。フリッカ成分算出部137は、算出した振幅、及び位相を比較部142に出力する。
さらに、フリッカ成分算出部117は、フリッカ成分の振幅、及び位相を比較部142に出力する。すなわち、フリッカ成分算出部117は、フリッカ補正していない映像信号のフリッカ成分の情報を比較部142に出力する。比較部142は、フリッカ成分算出部137からの補正有りフリッカ成分と、フリッカ成分算出部117からの補正なしフリッカ成分を比較する。そして、比較部142は、比較結果に応じた比較信号を補正制御信号生成部143に出力する。
フリッカが発生しているフリッカ環境であれば、常時補正部141での常時補正が適切な補正となる。したがって、常時補正後の映像信号のフリッカ成分が、補正なしでのフリッカ成分よりも小さくなる。反対に、フリッカが発生していない非フリッカ環境であれば、常時補正は、不適切な補正となる。したがって、常時補正後の映像信号のフリッカ成分が、補正なしでのフリッカ成分よりも大きくなる。
図8に、フリッカ環境と非フリッカ環境とにおけるフリッカ補正の有無のイメージ図を示す。図8の左上に示すように、フリッカ環境ではフリッカ成分が大きくなっている。フリッカ環境で取得された映像信号に対して常時補正を行うと、図8の右上に示すように、フリッカ成分が小さくなる。すなわち、補正部122の補正による効果があり、フリッカが低減される。
一方、非フリッカ環境では、図8の左下に示すように、フリッカ成分が小さくなっている。したがって、非フリッカ環境で取得された映像信号に対して常時補正を行うと、図8の右下に示すように、フリッカ成分が大きくなってしまう。非フリッカ環境では、常時補正部141による常時補正が誤補正となってしまう。すなわち、非フリッカ環境では、補正ゲインGを用いた補正が逆効果となり、フリッカ成分を強調してしまう。
フリッカ補正部107にて生成される補正ゲインGはフリッカ成分の周期に合わせたものなので、不適切な補正も3VD周期の位相となる。その結果、常時補正部141が不適切な補正をすると、フリッカ環境と同様の信号が発生することになる。不適切な補正が行われた映像信号に対して、フレーム間DFT処理部136がフレーム間DFT処理を行うと、フリッカ成分算出部137が大きなフリッカ成分を検出する。例えば、フリッカ成分算出部137で算出される振幅が大きくなる。
したがって、比較部142が補正有りの映像信号のフリッカ成分と、補正なしの映像信号のフリッカ成分の大小を比較することで、適切な補正かどうかを判断することができる。具体的には、フリッカ成分算出部117で算出された振幅と、フリッカ成分算出部137で算出された振幅を比較する。そして、フリッカ成分算出部117で算出された振幅がフリッカ成分算出部137で算出された振幅より小さい場合、比較部142は、非フリッカ環境と判定する。フリッカ成分算出部117で算出された振幅がフリッカ成分算出部137で算出された振幅より大きい場合、比較部142は、フリッカ環境と判定する。このように、フリッカ補正なしでの振幅と、フリッカ補正後の振幅を比較することで、撮像装置1がフリッカ環境で使用されているか、非フリッカ環境で使用されているかを適切に判定することができる。
比較部142での比較結果を実映像に対しての補正制御に用いる。例えば、比較部142は、比較結果を補正制御信号生成部143に出力する。補正制御信号生成部143は、補正を行うか否かを示す補正制御信号を補正部122に出力する。具体的には、補正制御信号生成部143は、ある一定回数以上、同じ比較結果が連続した場合、補正制御を切り替える補正制御信号を出力する。そして、補正部122は、補正制御信号に基づいて、フリッカ補正を行うか否かを制御する。補正を行う場合、補正部122は、補正ゲインGを乗じた映像信号を出力する。補正を行わない場合、補正部122は、補正ゲインGを乗じずに、映像信号をそのまま出力する。
なお、非フリッカ環境の場合には、常時補正に用いる補正ゲインGの振幅はゼロ付近の小さな値となる。その場合、上記のような、不適切な常時補正ができなくなってしまう。すなわち、常時補正部141で常時補正された映像信号のフリッカ成分と、補正されていない映像信号のフリッカ成分の差が小さくなってしまう。この場合、比較部142での比較を適切に行えなくなってしまうおそれがある。したがって、常時補正用の最小振幅値を定めておき、補正ゲイン計算部121からの補正ゲインGの振幅がそれを下回った際には最小振幅値で置き換える構成とすることが好ましい。これにより、環境判定を適切に行うことができる。
環境判定部130にて常時フリッカ補正を行い、その結果からフリッカ環境かどうかの判定を行う。よって、撮像装置1の使用環境が、フリッカ環境か否かを精度良く判定することができる。これによって、偶然、蛍光灯フリッカと同じ周波数成分を持つ動物体が被写体にあったとしても、誤ってフリッカ補正をしてしまうことがない。これにより、更に適切なフリッカ補正が可能となる。
環境判定部130にて映像信号に対して内部で常時フリッカ補正を行う。比較部142が、常時補正の結果から得られるフリッカ成分を補正前の映像信号のフリッカ成分と比較する。補正制御信号生成部143が、比較結果に基づいて、補正制御信号を出力する。そして、補正部122は、補正制御信号生成部143からの補正制御信号を、実映像に対する補正制御に用いる。これにより、環境に応じてフリッカ補正のON/OFFを行うことができるので、非フリッカ環境において誤って補正してしまうことがない。さらに、実施の形態1と同様に、適切にフリッカを低減することができる。
実施の形態3.
本実施の形態では、フレームレートによって異なるフリッカ成分に応じたDFT処理を行うことにより、高速撮像モードでのフリッカ補正を実現する。すなわち、本実施の形態では、実施の形態1、又は2に対して、高速撮像モードでのフリッカ補正を行う機能を追加している。
例えば、撮像素子104のフレームレートが可変になっているとする。撮像素子104のフレームレートが変化すると、1フレーム内における映像信号のフリッカ成分が変化する。フレームレートが60fpsの場合、上記したように1フレーム内に5/3周期分のフリッカ成分が含まれているが、フレームレートが120fpsとなると、1フレーム内に、5/6周期分のフリッカ成分が含まれることになる。
60fpsを通常撮像モードとし、2倍速の120fpsを高速撮像モードとした場合のフレームレートとフリッカ成分についての比較を図9に示す。高速撮像モードではフレームレートが2倍になることで、フリッカ成分の周期が変わっている。例えば、通常撮像モードでは、初期位相が3V(3フレーム)毎に同じになるのに対して、高速撮像モードでは、初期位相が6V毎に同じになる。
従って、フリッカ補正部107で検出されるフリッカ成分がフレームレートによって異なるので、DC成分を除去するための正規化処理における積算フレーム数が変わる。例えば60fpsの場合は3フレーム分、120fpsの場合は6フレーム分のライン積算値が必要となる。
このように、映像信号からDC成分を除去するためのライン積算値の正規化処理に必要な積算フレーム数が通常撮像モードの3V分から6V分に増加する。これはメモリの増加となるため、回路規模への影響が大きく、製造コストの増加を招いてしまう。また、DFT処理でフリッカ成分を検出するためのDFT点数も変わるので、DFT処理回路もそれぞれに適したものが必要となる。例えば、どちらも1次の係数で検出するとした場合、通常撮像モードではDFT点数が3点となり、高速撮像モードでは、DFT点数が6点となる。フレーム間DFT処理でのDFT点数が変わった場合、回路規模への影響が大きく、製造コストの増加を招いてしまう。また、LSIに搭載するという観点からは、予め設計対応したフレームレート以外でのフリッカ補正ができないおそれもある。
そこで、本実施の形態では、図10に示すように、撮像装置1にVD間引き部150を追加した構成としている。VD間引き部150が、撮像素子104の垂直同期信号VDを間引いて、フリッカ補正用の垂直同期信号を生成している。VD間引き部150は間引いた後の垂直同期信号VDをフリッカ補正部107、及び環境判定部130に出力している。フリッカ補正部107、及び環境判定部130は、間引いた後の垂直同期信号VDに基づいて、動作する。
例えば、VD間引き部150は、例えば、60fpsの通常撮像モードを基準として、120fpsの高速撮像モード時には2つに1つの垂直同期信号に間引く。この場合、フリッカ補正部107は、撮像素子104の2フレーム分の映像信号が1フレームの映像信号として認識する。VD間引き部150は、240fpsの高速撮像モード時には4つに1つの垂直同期信号となるように垂直同期信号VDを間引く。間引かれた垂直同期信号VD(以下、間引き信号)はフリッカ補正部107、環境判定部130に送られ、フリッカ処理に用いられる。
こうすることで、フリッカ処理内部では高速撮像モード時でも通常撮像モードと同様のフレームレートで処理することができる。なお、フリッカ処理ブロックの後段ブロックに送られる垂直同期信号VDは間引かれないので後段ブロックへの影響は無い。ただし、フリッカ処理分と同等の遅延調整はされる。
図11に、60fpsでの通常撮像モード時、垂直同期信号VDを間引かない場合(以下、非間引き処理)の120fpsの高速撮像モード時、垂直同期信号VDを間引いた場合(以下、間引き処理)の120fpsの高速撮像モード時の3つの動作比較例を示す。図11では、通常撮像モード時を(a)、非間引き処理での高速撮像モード時を(b)、間引き処理での高速撮像モード時を(c)に示している。
通常撮像モード時は3V毎のフリッカ成分周期なので、DC成分を除去するためには3フレーム分のライン積算値が必要になる。一方、非間引き処理での高速撮像モード時では6V毎のフリッカ成分周期なので、6フレーム分のライン積算値が必要になる。この場合、回路の最適化が必要になってしまう。しかしながら、間引き処理での高速撮像モード時では、通常撮像モードと同じ3V毎のフリッカ成分周期なので、通常撮像モードと同じ3フレーム分のライン積算値があればよい。高速撮像モード時であっても、回路規模を増大させることなく通常撮像モードと共通の処理が可能となる。
フリッカ補正部107は、間引かれた信号に基づいて、補正ゲインGを更新して、フリッカ補正を行う。なお、垂直同期信号VDを間引いた場合と、間引かない場合とで、DFT処理ライン数が同じであれば、フレーム内におけるDFT処理ラインの位置を同じにしてもよく、変更してもよい。例えば、60fpsにおいて、4ラインおきにDFT処理ラインを抽出した場合、120fpsでは、撮像素子104の第1フレームにおいて、4ラインおきにDFTラインを抽出することができる。この場合、撮像素子104の奇数フレームの映像信号に基づいて、補正ゲインGが算出される。あるいは、撮像素子104の連続する2フレームにおいて、8ラインおきにDFT処理ラインを抽出することができる。これにより、DFT処理ライン数を変えずに、補正ゲインGを求めることができる。
上記の120fps以外の高速撮像時でも、フレームレートに合わせて垂直同期信号VDを間引けば、同様の動作が可能である。したがって、回路設計時に補正可能なフレームレートが決定されてしまうことがなく、任意のフレームレートに対応できるのでフリッカ補正の性能向上が図れる。すなわち、VD間引き部150での間引き数を変えることで、120fps以外のフレームレートについても、60fpsの場合と共通の回路で処理することができる。具体的には、基準処理(通常撮像モード時)となる60fpsの整数倍のフレームレートについても、共通の回路で処理することができる。
高速撮像モード時の、通常撮像モードとは異なるフレームレートにおいても回路規模を増加させることなく通常撮像モードと同様のフリッカ補正を実現することを目的とする。また、任意のフレームレートにおいても適用できるようにすることを目的とする。さらに、実施の形態1、又は2と同様の効果を得ることができる。
VD間引き部150は、フリッカ補正用の垂直同期信号VDを間引いている。そして、フリッカ補正部107が、間引かれた内部垂直同期信号に基づいて動作している。これにより、通常のフレームレートとは異なる高速撮像時においても、回路規模を増加させることなく通常撮像モード時と同様のDFT処理でフリッカ補正をすることができる。垂直同期信号の間引き数を可変設定するだけで基準処理の整数倍のフレームレートに対応できる。これにより、回路設計時の想定外のフレームレートにも対応できる。フレームレートに応じた間引き設定をするだけで任意のフレームレートに対応することができる。基準処理の整数倍のフレームレートに対応するために、最もフレームレートが遅い場合を通常撮像モードとすればよい。
なお、本実施の形態では、実施の形態2の環境判定部130を有する撮像装置1において、VD間引き部150を設けたが、環境判定部130を用いない撮像装置1において、VD間引き部150を設けるようにしてもよい。
実施の形態1〜3の説明では、フリッカ成分の情報として、周波数、振幅、及び位相を用いたが、周波数、パワー、及び位相等を用いてもよい。もちろん、フレームレートや、蛍光灯フリッカの周期は、上記した値に限られるものではない。
上記処理のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されても良い。上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
1 撮像装置、 100 撮像部、
104 撮像素子、 107 フリッカ補正部、 111 積算部
112 積算値保持部、 113 平均値計算部、 114 正規化部
115 正規化値保持部、 116 フレーム間DFT処理部、
117 フリッカ成分算出部、 118 振幅/初期位相計算部、
119 振幅/初期位相保持部、 120 平均値計算部
121 補正ゲイン計算部、 130 環境判定部、
137 フリッカ成分算出部、 141 常時補正部、 142 比較部
143 補正制御信号生成部、 150 VD間引き部

Claims (8)

  1. 画素の水平ラインに応じて露光タイミングが異なる撮像素子と、
    補正ゲインを用いて、前記撮像素子から出力される映像信号に含まれるフリッカ成分を補正するフリッカ補正部と、
    前記フリッカ補正部が、
    1垂直同期期間での1水平ラインにおける映像信号をライン積算することで、ライン積算値を算出する積算部と、
    複数の垂直同期期間での前記ライン積算値に基づいて、前記ライン積算値を正規化した正規化ライン積算値を算出する正規化部と、
    複数の垂直同期期間に渡る前記正規化ライン積算値を離散フーリエ変換するフーリエ変換処理部と、
    前記フーリエ変換処理部での処理結果に基づいて、フリッカ成分の情報を算出するフリッカ成分算出部と、
    2以上の前記水平ラインにおける前記フリッカ成分の情報に基づいて、前記補正ゲインを算出する補正ゲイン計算部と、
    前記フリッカ補正部で補正された映像信号に対して、前記フリッカ成分の情報を算出し、前記フリッカ補正部でフリッカ成分が補正された映像信号のフリッカ成分と、前記フリッカ成分が補正されていない映像信号のフリッカ成分と、を比較することで、前記撮像素子の使用環境がフリッカ環境にあるか否かを判定する環境判定部と、を備え、
    前記環境判定部で前記フリッカ環境にないと判定された場合に、前記フリッカ補正部がフリッカ成分を補正していない映像信号を出力する撮像装置。
  2. 前記補正ゲイン計算部が、前記2以上の水平ラインにおける前記フリッカ成分の情報の平均値に基づいて、前記補正ゲインを算出している請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記撮像素子の垂直同期信号の周波数が変化した場合に、前記垂直同期信号を間引く間引き部をさらに備え、
    前記間引き部で間引かれた信号に応じて、前記フリッカ補正部が動作する請求項1、又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記補正ゲイン計算部が、前記フリッカ成分の波形に応じたテーブルの値を参照することで、前記補正ゲインを算出する請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 画素の水平ラインに応じて露光タイミングが異なる撮像素子から出力された映像信号のフリッカを低減するフリッカ低減方法であって、
    1垂直同期期間での1水平ラインにおける映像信号をライン積算することで、ライン積算値を算出するステップと、
    複数の垂直同期期間での前記ライン積算値に基づいて、前記ライン積算値を正規化した正規化ライン積算値を算出するステップと、
    複数の垂直同期期間に渡る前記正規化ライン積算値を離散フーリエ変換するステップと、
    前記離散フーリエ変換の処理結果に基づいて、フリッカ成分の情報を算出するステップと、
    2以上の前記水平ラインにおける前記フリッカ成分の情報に基づいて、補正ゲインを算出するステップと、
    前記補正ゲインを用いて、前記映像信号を補正するステップと、
    補正された映像信号に対して、前記フリッカ成分の情報を算出するステップと、
    前記フリッカ成分が補正された映像信号のフリッカ成分と、前記フリッカ成分が補正されていない映像信号のフリッカ成分と、を比較することで、前記撮像素子の使用環境がフリッカ環境にあるか否かを判定するステップと、
    前記フリッカ環境にないと判定された場合に、前記フリッカ成分を補正していない映像信号を出力するステップと、を備えたフリッカ低減方法。
  6. 前記2以上の水平ラインにおける前記フリッカ成分の情報の平均値に基づいて、前記補正ゲインが算出されている請求項5に記載のフリッカ低減方法。
  7. 前記撮像素子の垂直同期信号の周波数が変化した場合に、前記垂直同期信号を間引き、
    間引かれた信号に応じて、前記補正を行う請求項5、又は6に記載のフリッカ低減方法。
  8. 前記フリッカ成分の波形に応じたテーブルの値を参照することで、前記補正ゲインを算出する請求項5〜7のいずれか1項に記載のフリッカ低減方法。
JP2013129416A 2013-06-20 2013-06-20 撮像装置、及びフリッカ低減方法 Active JP6060824B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013129416A JP6060824B2 (ja) 2013-06-20 2013-06-20 撮像装置、及びフリッカ低減方法
US14/298,684 US9264628B2 (en) 2013-06-20 2014-06-06 Imaging apparatus and flicker reduction method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013129416A JP6060824B2 (ja) 2013-06-20 2013-06-20 撮像装置、及びフリッカ低減方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016235682A Division JP6337948B2 (ja) 2016-12-05 2016-12-05 画像処理装置、及びフリッカ低減方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015005850A JP2015005850A (ja) 2015-01-08
JP6060824B2 true JP6060824B2 (ja) 2017-01-18

Family

ID=52110616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013129416A Active JP6060824B2 (ja) 2013-06-20 2013-06-20 撮像装置、及びフリッカ低減方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9264628B2 (ja)
JP (1) JP6060824B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8879858B1 (en) 2013-10-01 2014-11-04 Gopro, Inc. Multi-channel bit packing engine
JP2015192393A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 ソニー株式会社 映像信号処理装置、映像信号処理方法およびプログラム
US9584704B2 (en) * 2015-01-08 2017-02-28 Gean Technology Co. Limited Method for detecting electronic lighting flickering
US10771713B2 (en) * 2016-06-15 2020-09-08 Sony Corporation Imaging control device, imaging control method, and program
US10602051B2 (en) 2017-03-28 2020-03-24 Canon Kabushiki Kaisha Imaging apparatus, control method, and non-transitory storage medium
JP2022018906A (ja) * 2020-07-16 2022-01-27 キヤノン株式会社 撮像装置およびその制御方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3749038B2 (ja) * 1999-06-30 2006-02-22 株式会社東芝 固体撮像装置
JP3539901B2 (ja) * 1999-10-08 2004-07-07 松下電器産業株式会社 フリッカ検出・補正装置およびフリッカ検出・補正方法
JP4423889B2 (ja) * 2002-11-18 2010-03-03 ソニー株式会社 フリッカ低減方法、撮像装置およびフリッカ低減回路
JP4106554B2 (ja) * 2003-09-08 2008-06-25 ソニー株式会社 撮影環境判定方法および撮像装置
JP4487640B2 (ja) * 2004-06-01 2010-06-23 ソニー株式会社 撮像装置
JP4539432B2 (ja) * 2005-05-16 2010-09-08 ソニー株式会社 画像処理装置および撮像装置
JP4539449B2 (ja) * 2005-06-10 2010-09-08 ソニー株式会社 画像処理装置および撮像装置
JP4453648B2 (ja) * 2005-06-13 2010-04-21 ソニー株式会社 画像処理装置および撮像装置
JP4483744B2 (ja) * 2005-08-26 2010-06-16 ソニー株式会社 撮像装置及び撮像制御方法
JP5111100B2 (ja) * 2007-12-28 2012-12-26 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体
JP5628684B2 (ja) 2008-11-20 2014-11-19 パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブアメリカPanasonic Intellectual Property Corporation of America フリッカ低減装置、集積回路及びフリッカ低減方法
JP5625371B2 (ja) * 2010-01-29 2014-11-19 ソニー株式会社 画像処理装置、および信号処理方法、並びにプログラム
JP5440245B2 (ja) * 2010-02-24 2014-03-12 株式会社ニコン 撮像装置
JP5814865B2 (ja) * 2012-06-20 2015-11-17 株式会社 日立産業制御ソリューションズ 撮像装置

Also Published As

Publication number Publication date
US9264628B2 (en) 2016-02-16
US20140375838A1 (en) 2014-12-25
JP2015005850A (ja) 2015-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6060824B2 (ja) 撮像装置、及びフリッカ低減方法
JP4453648B2 (ja) 画像処理装置および撮像装置
JP4539449B2 (ja) 画像処理装置および撮像装置
US7796176B2 (en) Phase adjusting device, phase adjusting method, and digital camera
JP6291417B2 (ja) 撮像装置、集積回路およびフリッカ低減方法
JP2012134663A (ja) 撮像装置および撮像方法
EP2119220A1 (en) Imaging apparatus and flicker detection method
JP2007166578A (ja) 画像振動補償装置とその方法
JP6209533B2 (ja) フリッカ低減装置、撮像装置およびフリッカ低減方法
US9912878B2 (en) Flicker detection apparatus and method and non-transitory computer readable storage storing the flicker detection method
US8462230B2 (en) Circuit for automatically detecting image flicker and method thereof
WO2019069633A1 (ja) 二次元フリッカ測定装置及び二次元フリッカ測定方法
JP6337948B2 (ja) 画像処理装置、及びフリッカ低減方法
JP2015115736A (ja) 撮像装置、撮像素子、撮像装置の駆動方法
US10104308B2 (en) Image capturing apparatus, method for controlling the same, and storage medium
US20080174352A1 (en) Phase adjusting device and related art thereof
JP5088361B2 (ja) 画像処理装置および撮像装置
JP5383886B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体
US20100289946A1 (en) Adaptive de-flicker device and method for adaptive de-flicker
JP5027047B2 (ja) 映像信号処理装置
JP6413612B2 (ja) 撮像装置
US9648232B2 (en) Image processing apparatus, image capturing apparatus, control method and recording medium
JP2010171811A (ja) 撮像装置
JP2009206569A (ja) 撮像装置及びそのフリッカ補正方法
JP2012134677A (ja) 撮像装置および撮像方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6060824

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150