JP6060562B2 - バイオマスミル - Google Patents

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Description

本発明は、木質系バイオマスをボイラ燃料として粉砕するバイオマスミル、特に木質チップ、木質ペレットを粉砕するバイオマスミルに関するものである。
現在、ボイラの固形燃料として使用されているのは、主に石炭であるが、CO2 の削減対策として、再生可能で環境負荷の少ない木質系バイオマスを燃料とすることが検討されている。
木質系バイオマスをボイラの燃料とするには、木質チップ、木質ペレット等の木質系バイオマス(以下、バイオマスと称す)をバーナで燃焼可能な様に粉砕する必要がある。
石炭にバイオマスを混合して燃料とする場合、バイオマスの混合量が少なければ既存の石炭ミルにより混合粉砕することも可能であるが、バイオマスの使用量が多くなると、石炭との混合粉砕を行うことができず、バイオマス単独で粉砕する必要がある。
又、バイオマスを粉砕する装置として石炭粉砕用の石炭ローラミルを基本とした粉砕装置とすることで、大きな改良、大きな変更をすることなく低コストで設備可能となる。
ローラミルは、回転する粉砕テーブルに回転するローラを押圧し、粉砕テーブルに供給された被粉砕物を粉砕テーブルとローラとの間で粉砕し、粉体を遠心力により粉砕テーブル外周に移動させ、粉砕テーブル周囲より吹上げられる空気により上方に運搬するものである。
石炭ローラミルを基本構造としたローラミルを用いて、バイオマスを粉砕した場合、石炭とバイオマスとの性状の違いから石炭とバイオマスでは異なる挙動を呈する。
バイオマスは軽量であると共に繊維質で互いに絡合う為、前記粉砕テーブルの回転遠心力による移動が石炭に比べて円滑に行われない。又、バイオマスを粉砕した場合、小さい粉末である木粉が生じる。木粉は、小さく軽量であるので、遠心力が作用しにくく、粉砕テーブル上に滞留する傾向にある。
更に、木粉には緩衝作用があり、木粉が粉砕テーブル上に滞留すると、木粉が緩衝材となって、ローラの押圧力が効率よくバイオマスに伝達されないという現象が生じる。この為、充分な粉砕効率、粉砕容量が得られないという問題があった。
尚、特許文献1には、粉砕テーブル周囲より吹上げられる空気を粉砕テーブルの上面に吹付け、バイオマスの移動を促進する様にしたバイオマスミルが開示されている。
特開2011−67791号公報
本発明は斯かる実情に鑑み、木粉が粉砕テーブル上に滞留するのを防止し、更に粉砕後のバイオマスの外周方向への移動を円滑にし、粉砕効率の向上、粉砕容量の増大を図るものである。
本発明は、分級室を形成するハウジングと、該ハウジングの上部に収納された分級機と、前記ハウジングの下部に収納され、テーブル駆動装置によって駆動される粉砕テーブルと、該粉砕テーブルに押圧される加圧ローラを有する加圧ローラユニットと、前記粉砕テーブルの下方に形成され、1次空気が導入される1次空気室と、前記粉砕テーブルの周囲から1次空気を吹出す吹出し口と、前記粉砕テーブルの中心に木質系バイオマスを供給するシュートとを具備し、前記粉砕テーブルの全周に亘って均一の分布で空気噴出細孔が穿設され、該空気噴出細孔より粉砕後の微粉を浮遊させる副1次空気が噴出されるバイオマスミルに係るものである。
又本発明は、前記粉砕テーブルの上面にリング状にテーブルセグメントが敷設され、前記加圧ローラは前記テーブルセグメントに押圧され、前記空気噴出細孔は前記テーブルセグメントと前記粉砕テーブルとを貫通して設けられ、前記空気噴出細孔は前記1次空気室と連通するバイオマスミルに係るものである。
又本発明は、前記加圧ローラに対応して前記粉砕テーブルの下面側に遮蔽板が配設され、該遮蔽板は前記加圧ローラの回転に対して固定され、前記遮蔽板を通過する空気噴出細孔を閉塞するバイオマスミルに係るものである。
又本発明は、前記加圧ローラと前記加圧ローラとの間に対応し、且つ全周で少なくとも1箇所に、目詰り噴射ノズルが前記粉砕テーブルの下面側に配設され、前記目詰り噴射ノズルには副空気供給管を介して副空気供給源が接続され、前記目詰り噴射ノズルを通過する前記空気噴出細孔より目詰り防止用の空気が噴出されるバイオマスミルに係るものである。
又本発明は、前記粉砕テーブルの上面にリング状にテーブルセグメントが敷設され、前記加圧ローラは前記テーブルセグメントに押圧され、前記空気噴出細孔は前記テーブルセグメントに穿設され、前記テーブルセグメントと前記粉砕テーブルとの間に空気バッファ溝が形成され、該空気バッファ溝と前記1次空気室とは前記粉砕テーブルの外周部を上下に貫通する連通孔により連通されたバイオマスミルに係るものである。
又本発明は、前記粉砕テーブルの下面側に副1次空気導入ダクトが配設され、該副1次空気導入ダクトは前記連通孔を介して前記空気バッファ溝に連通し、又前記副1次空気導入ダクトは副空気供給管を介して副空気供給源と接続され、該副空気供給源から供給される空気が前記空気噴出細孔より副1次空気として噴出されるバイオマスミルに係るものである。
又本発明は、前記副空気供給源より供給される空気は、前記1次空気より低温であるバイオマスミルに係るものである。
本発明によれば、分級室を形成するハウジングと、該ハウジングの上部に収納された分級機と、前記ハウジングの下部に収納され、テーブル駆動装置によって駆動される粉砕テーブルと、該粉砕テーブルに押圧される加圧ローラを有する加圧ローラユニットと、前記粉砕テーブルの下方に形成され、1次空気が導入される1次空気室と、前記粉砕テーブルの周囲から1次空気を吹出す吹出し口と、前記粉砕テーブルの中心に木質系バイオマスを供給するシュートとを具備し、前記粉砕テーブルの全周に亘って均一の分布で空気噴出細孔が穿設され、該空気噴出細孔より粉砕後の微粉を浮遊させる副1次空気が噴出されるので、前記粉砕テーブルの上面に粉砕時に発生した細粉が滞留することがなく、滞留した細粉による緩衝作用が抑止でき、更に副1次空気によって形成される空気層により粉体の流動性が向上し、粉砕効率が向上すると共に粉砕容量が増大するという優れた効果を発揮する。
本発明の第1の実施例に係る竪型ミルの概略立断面図である。 本発明の第2の実施例に係る竪型ミルの概略立断面図である。 本発明の第3の実施例に係る竪型ミルの概略立断面図である。 本発明の第4の実施例に係る竪型ミルの概略立断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
先ず、図1に於いて、本発明の第1の実施例に係る竪型ミル1について説明する。
中空構造又は脚構造の基台2に筒状のハウジング3が立設され、該ハウジング3によって密閉された空間が形成される。前記基台2の内部には減速機4が設けられ、該減速機4を介して粉砕テーブル5が設けられ、該粉砕テーブル5は前記密閉された空間の下部に位置する。前記減速機4はテーブル駆動モータ6に連結され、前記粉砕テーブル5は前記減速機4を介して前記テーブル駆動モータ6によって定速又は可変速で回転される。
前記粉砕テーブル5の上面にはセグメント収納溝がリング状に形成され、該セグメント収納溝にはテーブルセグメント8が敷設され、該テーブルセグメント8には断面が円弧状の凹溝7が形成されている。前記テーブルセグメント8は全周連続する様に配設され、前記凹溝7によって連続したリング状の溝が形成される。
前記粉砕テーブル5の回転中心から放射状に所要組数、例えば3組の加圧ローラユニット9が120°間隔で設けられている。該加圧ローラユニット9は、回転自在な加圧ローラ11を有し、前記加圧ローラユニット9はピボット軸12を中心に傾動自在となっている。又、前記ハウジング3の下部には、前記加圧ローラユニット9それぞれに対応して、前記ハウジング3を放射状に貫通するローラ加圧装置13が設けられている。該ローラ加圧装置13は、アクチュエータ、例えば油圧シリンダ14を具備し、該油圧シリンダ14によって前記加圧ローラ11を前記凹溝7に押圧する様になっている。
前記粉砕テーブル5の下方には1次空気室15が形成され、前記ハウジング3内部の前記粉砕テーブル5より上方は、分級室16となっている。
前記ハウジング3の下部には1次空気供給口17が取付けられ、該1次空気供給口17は図示しない送風機に接続されると共に、前記1次空気室15に連通している。前記粉砕テーブル5の周囲には、1次空気の吹出し口18が全周に設けられ、該吹出し口18は前記1次空気が前記ハウジング3の内壁に沿って吹上がる様に形成されている。尚、前記吹出し口18は前記粉砕テーブル5の周面に設けられてもよく、或は前記ハウジング3側に設けられてもよい。
前記粉砕テーブル5、特に前記テーブルセグメント8、更に少なくとも、前記凹溝7部分には、前記テーブルセグメント8を上下に貫通する空気噴出細孔19が穿設される。該空気噴出細孔19は、全周に亘って穿設され、更に所要の配列、所要の分布密度で配置される。
尚、前記空気噴出細孔19の直径は、細粉が落下しない程度の径とし、例えば1mm以上3mm以下とされる。又、前記空気噴出細孔19の分布は均等に設けられ、密度は面積比で10%程度とされる。
前記テーブルセグメント8が敷設される前記セグメント収納溝の底部には、空気バッファ溝21がリング状に形成される。前記粉砕テーブル5の外周部には、該外周部を上下に貫通する連通孔22が円周方向所定の間隔で穿設され、該連通孔22は前記空気バッファ溝21と前記1次空気室15とを連通する。
前記空気噴出細孔19は前記空気バッファ溝21に連通し、前記空気噴出細孔19は前記空気バッファ溝21、前記連通孔22を介して前記1次空気室15に連通する。
前記ハウジング3の上側には燃料給排部24が設けられており、該燃料給排部24の中心部を貫通する様にパイプ状のシュート25が設けられ、該シュート25は前記ハウジング3の内部に延出し、下端が前記粉砕テーブル5の中央上方に位置している。前記シュート25にはバイオマス、例えば木質ペレットが供給され、供給された石炭や木質ペレットは前記粉砕テーブル5の中心部に落下する様になっている。
前記シュート25には回転管26が外嵌され、該回転管26は回転管支持部27に軸受け28を介して回転自在に支持されている。前記回転管26には、プーリ29が設けられ、該プーリ29とプーリ31との間にはベルト32が掛回され、前記プーリ31は減速機33の出力軸に嵌着されている。而して、前記回転管26は前記減速機33、前記プーリ31、前記ベルト32、前記プーリ29を介して分級機モータ34によって回転される様になっている。
又、前記回転管26にはブレード35が取付けられ、前記回転管26、前記プーリ29、前記プーリ31、前記ベルト32、前記減速機33、前記分級機モータ34、前記ブレード35によって分級機36が構成されている。
前記ブレード35は短冊状であり、倒立円錐曲面上に円周方向に所定角度ピッチで配設される。又、前記ブレード35は下端から上端に向って前記回転管26から離反する様に傾斜しており、ブレード支持部37を介して前記回転管26に取付けられている。
前記燃料給排部24には、バイオマスが粉砕された粉砕物(粉砕粉)を送給する粉砕粉送給管38が接続されており、該粉砕粉送給管38はボイラのバーナ(図示せず)に接続されている。
前記バイオマスは、例えば木質ペレットであり、木質ペレットは、おがくず等の1〜2mmの木粉がφ6〜10×L20〜30mm程度に押固められた物体である。
次に、前記竪型ミル1に於ける木質ペレットの粉砕について説明する。
図1中、実線は1次空気の流れを示しており、点線は木質ペレット或は粉砕粉の流れを示している。
前記粉砕テーブル5が、前記減速機4を介して前記テーブル駆動モータ6により回転され、前記1次空気供給口17より200℃前後の1次空気が前記1次空気室15に導入された状態で、前記シュート25より木質ペレットが投入される。木質ペレットは、前記シュート25の下端より前記粉砕テーブル5の中心部に流落し、該粉砕テーブル5上に供給される。
前記1次空気供給口17より前記1次空気室15に導入された1次空気は、前記粉砕テーブル5の周面に垂直に形成された吹出し口18より略垂直に吹上げられる。該吹出し口18より吹上げられる1次空気の流速は、粉砕粉を上方に吹上げるに充分な流速に設定される。又、前記吹出し口18から吹上がった1次空気は、前記ハウジング3の内壁面に沿って垂直に上昇する。
又、前記1次空気室15に導入された1次空気の一部は、前記連通孔22を通って前記空気バッファ溝21に流入し、該空気バッファ溝21で滞留した状態となり全周に亘って均圧され、前記空気噴出細孔19より分散して上方に噴出される。
前記空気噴出細孔19より噴出される1次空気の流速は、木質ペレットが粉砕された際に発生する細粉を所定の距離だけ上昇させる速さとなっていればよい。従って、前記吹出し口18から吹上げられる1次空気(主1次空気20a)の流速に比べ、前記空気噴出細孔19より吹上げられる1次空気(副1次空気20b)の流速は小さくてよい。副1次空気20bの流速については、前記連通孔22の径、前記空気噴出細孔19の径を適宜選択することで最適な値に設定される。
尚、前記主1次空気20aの流速は、粉砕された粉体を搬送するに充分な速度で、且つ重力による分級作用を損わない程度の流速とされ、例えば20m/sec程度である。又、前記副1次空気20bの流速は、細粉を前記粉砕テーブル5の表面から離反させ、浮遊させる程度でよく、例えば5m/sec程度である。又、前記副1次空気20bの流速は、最大でも粉砕前のバイオマスを吹上げる流速以下とする。
前記粉砕テーブル5の中心部に供給された木質ペレットは、前記粉砕テーブル5の回転による遠心力で外周方向に移動し、前記加圧ローラ11に噛込まれて粒径の小さい細粉と粒径の大きい粗粉とに粉砕される。
この時、細粉は前記副1次空気20bによって吹上げられ、浮遊状態となり、周囲の主1次空気20aの上昇流に巻込まれて上昇するか、或は粗粉と共に遠心力によって更に外周に移動する。又、前記凹溝7には多数の空気噴出細孔19が穿設され、該空気噴出細孔19から副1次空気20bが分散して噴出していることから、前記粗粉と前記テーブルセグメント8との間に空気層が形成され、該空気層によって前記粗粉の流動性が増大し、粗粉の外周方向への移動が促進される。
前記粉砕テーブル5の回転による遠心力によって前記テーブルセグメント8を乗越えた粗粉及び細粉(以下、粗粉及び細粉を総称する場合は、粉体と称する)は、前記吹出し口18から吹上がった主1次空気20aに乗って前記ハウジング3の内壁面に沿って垂直に上昇する。
主1次空気20aと共に前記ハウジング3の内壁面を上昇する粉体は、前記分級機36に流入し、該分級機36によって所定粒径以下となる様に分級が行われる。
最終的に分級された粒径の小さい細粉体が前記粉砕粉送給管38より送出され、図示しないボイラのバーナに供給される。粒径の大きい粗粉体はブレード35により弾かれ、或は自重により落下し、又粗粉体の一部は再び前記粉砕テーブル5上に落下する。
落下した粗粉体は、該粉砕テーブル5の回転遠心力によって前記凹溝7迄移動し、前記加圧ローラ11によって再度粉砕され、1次空気により吹上げられた後に、再度前記分級機36により分級が行われる。
上述した様に、前記粉砕テーブル5の上面より副1次空気20bを分散して噴出しているので、前記粉砕テーブル5の上面に細粉が滞留することがない。この為、滞留した細粉による緩衝作用が抑止でき、更に粉砕後の粉体の流動性が向上するので、粉砕効率が向上すると共に粉砕容量が増大する。
次に、図2は第2の実施例を示している。尚、図2中、図1中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
上記第1の実施例では、前記テーブルセグメント8と前記粉砕テーブル5との間に空気バッファ溝21を設け、前記空気噴出細孔19を前記空気バッファ溝21及び前記連通孔22を介して前記1次空気室15に連通したが、第2の実施例では空気噴出細孔19を前記テーブルセグメント8、前記粉砕テーブル5を貫通して形成し、前記1次空気室15から1次空気が直接、前記空気噴出細孔19に流入し、該空気噴出細孔19から噴出される様にする。
又、前記粉砕テーブル5の外周部の、底面に摺接する様に、或は僅かな間隙を介して遮蔽板41が設けられ、該遮蔽板41は前記ハウジング3のベースプレート42に、支持柱43を介して支持されている。尚、前記遮蔽板41は前記ハウジング3に固定されたが、前記基台2に固定されてもよい。要は前記粉砕テーブル5に対して固定されていればよい。
前記遮蔽板41は中心側に位置する前記空気噴出細孔19から外周側に位置する前記空気噴出細孔19に掛渡り、覆う幅(半径方向の寸法)を有する。前記遮蔽板41は円弧形状の平板であり、前記加圧ローラ11の下方を覆う長さ(周方向寸法)を有している。
前記遮蔽板41が設けられていることから、該遮蔽板41を通過する間は、前記空気噴出細孔19は閉塞される。前記粉砕テーブル5が回転し、前記空気噴出細孔19が前記遮蔽板41から外れ、前記加圧ローラ11,11の間に移動した前記空気噴出細孔19のみから前記副1次空気20bが噴出される。
第2の実施例に於いても、前記粉砕テーブル5の上面より副1次空気20bが分散して噴出されているので、前記粉砕テーブル5の上面に細粉が滞留せず、細粉による緩衝作用が抑止できる。更に、粉砕後の粉体の流動性が向上し、粉砕効率が向上すると共に粉砕容量が増大する。
尚、前記遮蔽板41を設けることで、前記副1次空気20bを噴出させる位置、噴出させる範囲を設定でき、細粉を浮遊させる最適な条件、或は前記空気層の形成に最適な条件を選択することができる。
又、前記遮蔽板41は省略してもよい。
図3により、第3の実施例を説明する。又、図3中、図1中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
第3の実施例では、副1次空気を別系統で供給する様にしたものである。
第1の実施例と同様、少なくとも前記テーブルセグメント8に、更に少なくとも、前記凹溝7部分に、前記テーブルセグメント8を上下に貫通する空気噴出細孔19が穿設される。又、前記テーブルセグメント8と前記セグメント収納溝の底部との間に、空気バッファ溝21が形成される。前記粉砕テーブル5の外周部を上下に貫通する連通孔22が円周方向所定の間隔で穿設され、該連通孔22の上端は前記空気バッファ溝21に開口する。
前記粉砕テーブル5の外周部の、底面に摺接する様に、或は僅かな隙間を介在させる様に、副1次空気導入ダクト45が設けられる。該副1次空気導入ダクト45はリング形状を有し、断面は矩形で上面が開放されており、該副1次空気導入ダクト45の中心直径は、前記連通孔22が設けられている円周の直径と同一となっている。
前記副1次空気導入ダクト45は、前記ハウジング3のベースプレート42に、支持柱43を介して支持されている。
又、前記副1次空気導入ダクト45には、副空気供給管46が連通され、該副空気供給管46は図示しない副空気供給源と接続されている。前記副空気供給管46には流量調整弁47が設けられ、該流量調整弁47によって供給される副1次空気20bの流量が調整される様になっている。
尚、前記副空気供給源が供給する副1次空気20bの温度は、前記主1次空気20aの温度より低い温度、例えば常温(20℃)とし、加熱された前記粉砕テーブル5上の粉体を冷却する効果を有する。
前記副1次空気導入ダクト45、前記連通孔22、前記空気バッファ溝21を介して前記空気噴出細孔19より副1次空気20bを噴出させることで、第1、第2の実施例と同様、前記粉砕テーブル5の上面に細粉が滞留せず、細粉による緩衝作用が抑止できる。更に、粉砕後の粉体の流動性が向上し、粉砕効率が向上すると共に粉砕容量が増大する。
又、前記副1次空気20bの温度が低いことから、前記空気噴出細孔19に細粉が詰った場合にも、冷却効果により自然発火を防止できる。又、前記流量調整弁47により、副1次空気20bの流量を調整できることから、細粉を浮遊させる最適な流速、或は前記空気層の形成に最適な流速とする調整が容易である。
図4は、第4の実施例を示すものである。
尚、図4中、図2中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
空気噴出細孔19が、前記テーブルセグメント8、前記粉砕テーブル5を貫通して形成され、前記1次空気室15から1次空気が直接、前記空気噴出細孔19に流入し、該空気噴出細孔19から噴出される様にする。
又、前記粉砕テーブル5の外周部の、底面に摺接する様に、或は僅かな間隙を介して目詰り噴射ノズル49が設けられ、該目詰り噴射ノズル49は前記ハウジング3のベースプレート42に、支持柱43を介して支持されている。
前記目詰り噴射ノズル49は、前記加圧ローラ11,11との間に設けられる。前記目詰り噴射ノズル49は、中心側に位置する前記空気噴出細孔19から外周側に位置する前記空気噴出細孔19に掛渡る長さ(半径方向の寸法)を有する。又、前記目詰り噴射ノズル49は直方体形状の中空体であり、幅(円周方向の寸法)は周方向で少なくとも1の空気噴出細孔19を含む寸法とする。
前記目詰り噴射ノズル49は、副空気供給管46によって図示しない副空気供給源に接続され、前記副空気供給管46には流量調整弁47が設けられている。該流量調整弁47によって、流量調整された空気は前記空気噴出細孔19より目詰り除去用空気20cとして噴出される。
尚、前記目詰り除去用空気20cの温度は、前記主1次空気20aの温度より低い温度、例えば常温(20℃)とし、又、副1次空気20bが、細粉によって目詰りした空気噴出細孔19を貫通させるに充分な流量、流速とされる。又、前記目詰り除去用空気20cの温度を、前記主1次空気20aの温度より低い温度とすることで、加熱された前記粉砕テーブル5上の粉体を冷却する効果が得られる。又、前記主1次空気20aと同温度として、目詰りした細粉を吹飛ばすのみとしてもよい。
尚、前記目詰り噴射ノズル49は、円周方向で1箇所のみに設けられてもよく、或は、各加圧ローラ11,11間にそれぞれ、前記加圧ローラ11に対して、該加圧ローラ11の下流側、直後に前記目詰り噴射ノズル49が設けられ、前記加圧ローラ11による粉砕直後に直ちに、目詰りした細粉を吹出す様にしてもよい。
又、前記空気噴出細孔19が前記目詰り噴射ノズル49を通過する過程で、前記目詰り除去用空気20cが前記空気噴出細孔19より噴出され、目詰りが除去される。従って、前記目詰り噴射ノズル49以外のところの前記空気噴出細孔19から、均等に前記副1次空気20bが噴出され、前記粉砕テーブル5の上面に細粉が滞留せず、細粉による緩衝作用が抑止できる。更に、空気層が形成されることで粉砕後の粉体の流動性が向上し、粉砕効率が向上すると共に粉砕容量が増大する。
1 竪型ミル
2 基台
3 ハウジング
5 粉砕テーブル
7 凹溝
8 テーブルセグメント
11 加圧ローラ
15 1次空気室
16 分級室
19 空気噴出細孔
20a 主1次空気
20b 副1次空気
20c 目詰り除去用空気
21 空気バッファ溝
22 連通孔
25 シュート
41 遮蔽板
42 ベースプレート
43 支持柱
45 副1次空気導入ダクト
46 副空気供給管
47 流量調整弁
49 目詰り噴射ノズル

Claims (7)

  1. 分級室を形成するハウジングと、該ハウジングの上部に収納された分級機と、前記ハウジングの下部に収納され、テーブル駆動装置によって駆動される粉砕テーブルと、該粉砕テーブルに押圧される加圧ローラを有する加圧ローラユニットと、前記粉砕テーブルの下方に形成され、1次空気が導入される1次空気室と、前記粉砕テーブルの周囲から1次空気を吹出す吹出し口と、前記粉砕テーブルの中心に木質系バイオマスを供給するシュートとを具備し、前記粉砕テーブルの押圧面に全周に亘って均一の分布で空気噴出細孔が穿設され、該空気噴出細孔より副1次空気が噴出され、前記粉砕テーブル上に空気層が形成され、粉砕後の微粉を浮遊させる様構成したことを特徴とするバイオマスミル。
  2. 前記粉砕テーブルの上面にリング状にテーブルセグメントが敷設され、前記加圧ローラは前記テーブルセグメントに押圧され、前記空気噴出細孔は前記テーブルセグメントと前記粉砕テーブルとを貫通して設けられ、前記空気噴出細孔は前記1次空気室と連通する請求項1のバイオマスミル。
  3. 前記加圧ローラに対応して前記粉砕テーブルの下面側に遮蔽板が配設され、該遮蔽板は前記加圧ローラの回転に対して固定され、前記遮蔽板を通過する空気噴出細孔を閉塞する請求項2のバイオマスミル。
  4. 前記加圧ローラと前記加圧ローラとの間に対応し、且つ全周で少なくとも1箇所に、目詰り噴射ノズルが前記粉砕テーブルの下面側に配設され、前記目詰り噴射ノズルには副空気供給管を介して副空気供給源が接続され、前記目詰り噴射ノズルを通過する前記空気噴出細孔より目詰り防止用の空気が噴出される請求項2のバイオマスミル。
  5. 前記粉砕テーブルの上面にリング状にテーブルセグメントが敷設され、前記加圧ローラは前記テーブルセグメントに押圧され、前記空気噴出細孔は前記テーブルセグメントに穿設され、前記テーブルセグメントと前記粉砕テーブルとの間に空気バッファ溝が形成され、該空気バッファ溝と前記1次空気室とは前記粉砕テーブルの外周部を上下に貫通する連通孔により連通された請求項1のバイオマスミル。
  6. 前記粉砕テーブルの下面側に副1次空気導入ダクトが配設され、該副1次空気導入ダクトは前記連通孔を介して前記空気バッファ溝に連通し、又前記副1次空気導入ダクトは副空気供給管を介して副空気供給源と接続され、該副空気供給源から供給される空気が前記空気噴出細孔より副1次空気として噴出される請求項5のバイオマスミル。
  7. 前記副空気供給源より供給される空気は、前記1次空気より低温である請求項4又は請求項6のバイオマスミル。
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