JP6059386B1 - 突起付きシャックル - Google Patents
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Abstract
【課題】揚重機から懸垂するワイヤのフックやワイヤ自体に吊り支持され、重量物を支持する目的で使用されるシャックル本体の側部に、ワイヤ等の連結材を接続するための突起を形成する場合に、シャックル本体の取扱い作業性と安全性を向上させる。【解決手段】湾曲した立面形状の中央部11と、中央部11の軸線方向両端に連続し、距離を置いて並列する側部12、12とに区分され、各側部12の軸方向の先端部に、側部12の並列方向にボルト2が挿通する挿通部13、13が形成されたシャックル本体1において、並列する側部12、12の内、少なくとも一方の側部12の、側部12の軸方向とボルト2の軸方向の双方に直交する方向を向く表面12aと、側部12の表面12aと同一側を向く挿通部13の外周面13bとの間に跨り、側部12の幅の範囲内に納まる幅の、挿通孔14aが形成された突起14を形成する。【選択図】図1
Description
本発明は揚重機から懸垂するワイヤのフックやワイヤ自体に吊り支持され、例えば建築資機材等の重量物を支持する目的で使用され、一部にワイヤ等の連結材が接続可能な突起を有する突起付きシャックルに関するものである。
揚重機に吊り支持され、重量物を支持するために使用されるシャックルの本体は揚重機に吊り支持される部分である湾曲した立面形状の中央部と、この中央部の軸線方向両端に連続し、互いに並列する側部の3部分に区分され、両側部の軸方向先端部間に重量物を支持するボルトが架設される(特許文献1〜5参照)。
ボルトの軸部はシャックル本体の一方の側部の挿通孔を挿通し、先端部が他方の側部の挿通孔に螺合することにより(特許文献1、2参照)、または他方の側部の挿通孔を挿通し、側部の外周側に配置されるナットに螺合することにより(特許文献3〜5参照)シャックル本体に接合される。
シャックル本体の挿通孔かナットに螺合したボルトの軸部は使用中の振動、または軸回りの回転等に起因し、挿通孔やナットから分離し、落下する可能性がある。このことから、ボルトの分離防止の目的で、ボルトの先端部、またはナットに、ボルト、もしくはナットの離脱を阻止するためのピン(割りピン)等をボルト軸部の軸に直交する方向に挿通させることがある(特許文献3、4)。
ピンはボルトやナットのシャックル本体からの分離防止のためにボルトやナットに径方向に挿通させられるが、ピン自体はシャックル本体から分離しないように拘束されてはいないため(特許文献3、4)、ピンのボルトやナットへの装着作業時とボルトやナットからの離脱作業時に落下する可能性がある。
シャックル本体に付属するボルトやナット(以下、ボルト等)の、シャックル本体からの分離は、例えばシャックル本体の側部の脇(幅方向の側面)に突起を形成し、突起に穿設した孔に、ボルト等に結ばれたワイヤ等の紐を連結することで防止することはできる(特許文献1、5)。
特許文献1、5に示す例ではボルト等がシャックル本体の側部から離脱したときに、特許文献5の図3に示すようにボルト等はいずれかの側部の幅方向(側部の並列方向)に引き抜かれ、側部に結ばれた紐から懸垂するため、ボルト等がシャックル本体から懸垂したときに、紐が側部に接触することを回避する目的で、突起を側部の幅方向外周側に形成している(段落0020、0021)。紐が側部に接触することが繰り返されることで、紐が摩耗し、破断することが想定されるためであると考えられる。ここでの側部の幅方向はボルトのシャックル本体(側部)への挿通方向、あるいは軸方向を指す。
特許文献1、5のように突起を側部の幅方向外周側に形成することには、上記のように紐の摩耗等を抑制する意味があるため、特許文献1、5では突起を側部の幅方向内周側等、幅方向外周側以外の側面に形成することは想定されていない。例えば突起を側部の幅方向内周側に形成すれば、ボルトを側部から外したときに紐が側部の表面に必ず接触し、摺動するため、摩耗し易くなる。このことは、側部の断面形状が方形状でない円形の場合でも変わりはない。
しかしながら、突起を側部の幅方向外周側に形成すると、突起がシャックル本体の外周側に突出することから、シャックル本体の取扱い時(握ったとき)に突起が手のひらのいずれかの部分に当たり、シャックル本体を握りにくくなり、手のひらが怪我をし易くなるため、取扱い作業性に支障が生じ、安全性が低下することが多い。
特許文献1には「第4図のように突起13の取付位置、方向、向きを適宜変更可能」と記載されているが(第3頁第10行〜第13行)、「(突起13は)突起13と連結すべき環状頭部21との距離が最短になる位置が好ましい」(第3頁第6行〜第8行)ことと、環状頭部21がボルトに相当するピン2の軸方向先端側に形成されていることから、特許文献1においても突起13を特許文献5と同様、側部の幅方向外周側へ張り出すように形成する場合しか想定されていない。
また特許文献1では突起13の取付位置、向きを変更できるとしても、突起13の突設位置が側部の外周側であることに変わりないことと、側部の外周側に突設することにシャックルの取扱い作業に影響があり得ることに言及はないため、突起が取扱い上、並びに安全上、支障になり得ることは特許文献1の視野にはない。
本発明は上記背景より、シャックル本体の側部に割りピンを支持する紐を接続するための突起を形成する場合に、シャックル本体の取扱い作業性と安全性を向上させる形態の突起付きシャックルを提案するものである。
請求項1に記載の発明の突起付きシャックルは、湾曲した立面形状の中央部と、この中央部の軸線方向両端に連続し、互いに距離を置いて並列する側部とに区分され、前記各側部の軸方向の先端部に、前記各側部を前記並列する方向にボルトが挿通する挿通部が形成され、前記ボルトの軸方向に見たとき、前記挿通部が前記各側部の軸に直交する方向の断面積より大きい面積を持つシャックルであり、
並列する前記側部の内、少なくとも一方の側部の、前記側部の軸方向と前記ボルトの軸方向の双方に直交する方向を向く表面と、この側部の表面と同一側を向く前記挿通部の外周面との間に跨り、前記側部の幅の範囲内に納まる幅の、挿通孔が形成された突起が形成され、
前記側部の全長に亘り、前記側部の幅方向と軸方向の双方に直交する方向の厚さは前記挿通部の高さより小さく、且つ前記側部の幅と厚さは一様であり、
前記突起は、前記挿通部を前記ボルトの軸方向に見たときの、前記挿通部の外周面上のいずれかの点を通り、前記側部の表面と交わる前記挿通部の外周面上の接線と、前記側部の表面と前記挿通部の外周面とに跨った範囲に形成され、
前記挿通部外周面上の前記接線と前記挿通部外周面との交点は、前記挿通部を前記ボルトの軸方向に見たとき、前記挿通部の挿通孔の中心を通り、前記側部の軸線に垂直な直線が前記挿通部の外周面上で交わる点より前記側部寄りに位置していることを構成要件とする。
並列する前記側部の内、少なくとも一方の側部の、前記側部の軸方向と前記ボルトの軸方向の双方に直交する方向を向く表面と、この側部の表面と同一側を向く前記挿通部の外周面との間に跨り、前記側部の幅の範囲内に納まる幅の、挿通孔が形成された突起が形成され、
前記側部の全長に亘り、前記側部の幅方向と軸方向の双方に直交する方向の厚さは前記挿通部の高さより小さく、且つ前記側部の幅と厚さは一様であり、
前記突起は、前記挿通部を前記ボルトの軸方向に見たときの、前記挿通部の外周面上のいずれかの点を通り、前記側部の表面と交わる前記挿通部の外周面上の接線と、前記側部の表面と前記挿通部の外周面とに跨った範囲に形成され、
前記挿通部外周面上の前記接線と前記挿通部外周面との交点は、前記挿通部を前記ボルトの軸方向に見たとき、前記挿通部の挿通孔の中心を通り、前記側部の軸線に垂直な直線が前記挿通部の外周面上で交わる点より前記側部寄りに位置していることを構成要件とする。
ボルト2を除くシャックル本体1は前記の通り、図1に示すように揚重機に吊り支持される湾曲した立面形状の中央部11と、中央部11に連続し、並列する側部12、12の3部分に区分される。請求項1で言うシャックルはボルト2を除くシャックル本体1を指している。
並列する両側部12、12の軸方向先端部の挿通部13、13間に重量物を支持するボルト2が架設され、ボルト2の軸部21の先端部がその側の側部12の挿通部13に形成された挿通孔13aを挿通するか、挿通孔13aに螺合する。請求項1における「ボルトが挿通する挿通部」の「挿通する」は螺合を含む。並列する両側部12、12の軸線は必ずしも互いに平行である必要はない。ボルト2が挿通する方向の「側部12、12が並列する方向」は側部12の幅方向である。
側部12先端部の挿通部13の挿通孔13aを側部12の幅方向にボルト2が挿通することから、挿通部13をボルト2の軸方向に見たときの面積はボルト2の軸部21の断面積より大きく、側部12の軸に直交する方向の断面積より大きい。ここで、側部12、12の並列する方向である側部12の幅方向に直交し、側部12の軸方向にも直交する方向を側部12の厚さ方向とすれば、ボルト2を軸方向に見たときの挿通部13の面積が側部12の断面積より大きいことは、側部12の軸方向に見たとき、側部12の厚さ(厚さ方向の高さ)が挿通部13の高さより小さいことを意味する。但し、側部12の軸に直交する方向の断面形状は円形状の場合と楕円形状や多角形状等、非円形状の場合があるため、側部12の厚さと幅は等しいこともある。側部12に連続する中央部11も同様である。
両側部12、12の挿通部13、13に挿通しているボルト2が重量物を支持したときの鉛直荷重は挿通孔13aの中心に下向きに作用し、この力の反力は側部12、12の軸線上に生じ、中央部11の中心の吊り支持位置に伝達されるから、外力としての鉛直荷重と内力としての反力に偏心がないよう、挿通孔13aの中心は側部12の軸線の延長線上に位置する。このため、側部12の軸方向に見たときには、挿通部13の高さが側部12の厚さより必ず大きくなる。
突起14は側部12の少なくとも厚さ方向いずれかの表面12aと、その表面12aと同一側の挿通部13の表面(外周面13b)との間に形成される。「いずれかの表面」とは、側部12を厚さ方向に見たときのその側の表面12aを指し、背面側から見たときにはその側の表面12a(背面)を指す。「少なくとも」とは、側部12の厚さ方向両側の表面12a、12a(表面と背面)の内、少なくともいずれか一方の表面12aに突起14が形成されることを言い、両表面12a、12aに形成されることもあることの意味である。請求項1における「並列する側部の内、少なくとも一方の側部の」とは、突起14が両側部12、12に形成されることもあることを意味する。
請求項1における「側部の軸方向とボルトの軸方向の双方に直交する方向」は上記した側部12の厚さ方向を指し、「側部の軸方向とボルトの軸方向の双方に直交する方向を向く表面」はシャックル本体1がU字形に見えるようにシャックル本体1を見たときの表面側、もしくは背面側を指す。突起14はこの側部12の厚さ方向のいずれかの側の表面12aと、同一側を向く挿通部13の外周面13b(表面)との間に形成される。
突起14は側部12の幅の範囲内に納まる幅で形成されることから(請求項1)、基本的に板状、または棒状等に形成されるが、必ずしも全体が側部12の幅方向に一様な厚さである必要はなく、側部12の表面12aから遠ざかる側に向け、次第に厚さが小さくなる形状に形成されることもある。突起14の挿通孔14aは突起14を厚さ方向に貫通する方向の、側部12の幅方向に貫通して形成されるが、挿通孔14aの大きさが挿通孔14aの軸方向に一定である必要もない。請求項1における「側部の幅」は側部12の幅方向の幅(大きさ)であり、「側部の幅の範囲内に納まる幅」とは、突起14の最大の幅が側部12の幅以下の大きさであることを言う。
突起14が側部12の厚さ方向の少なくともいずれかの側の表面12aに形成されることと、突起14の幅が側部12の幅の範囲内に納まる大きさであることで、突起14が側部12の幅方向外周側へ突出することがないため、シャックル本体1の取扱い(操作)時に突起14が手のひらに当たりにくくなる。結果としてシャックル本体1が握りにくくなることも、突起14が怪我し易い状態でもなくなり、シャックル本体1の取扱い作業性と安全性が向上する。
特に突起14が挿通部13をボルト2の軸方向に見たときの、挿通部13の外周面13b上のいずれかの点を通り、側部12の表面12aと交わる挿通部13の外周面13b上の接線と、側部12の表面12aと挿通部13の外周面13bとに跨った範囲に形成されることで、突起14が側部12の幅方向に加え、厚さ方向にも手のひらに影響する程に突出する状態にならないため、シャックル本体1に対する握り易さが高まり、取扱い作業性と安全性が向上する。「挿通部の外周面と側部の表面を結ぶ直線と、側部の表面と挿通部の外周面とに跨った範囲」とは、図2に示すように挿通部13の外周面13bと側部12の表面12aを通る直線と、側部12の表面12aと挿通部13の外周面13bとで区画される範囲(領域)のことであり、この範囲内に突起14が形成される。「側部の表面」は前記のように側部12の厚さ方向反対側の背面を指すこともある。
「挿通部の外周面と側部の表面を結ぶ直線」は挿通部13をボルト2の軸方向に見たときの、挿通部13の外周面13b上のいずれかの点を通り、側部12の表面12aと交わる挿通部13外周面13b上の接線と、この接線より、側部12の表面12aと挿通部13の外周面13bが交わる交点A寄りに位置する線(請求項4)を含む。ここで言う「直線」は挿通部13をボルト2の軸方向に見たときの、突起14の形成範囲を区画する領域の一部を言い、突起14の外形線が直線である必要はなく、曲線の場合もある。
「側部12と挿通部13の交点A」は図2に示すように挿通部13をボルト2の軸方向に見たときの、側部12の表面12aと挿通部13の外周面13bが交わる、突起14が形成される側の点Aを指す。挿通部13の外周面13b上のいずれかの点を通る線は、直線の場合に突起14をボルト2の軸方向に見たときの斜辺になり、「挿通部外周面上の接線」は図2、図4に示すように挿通部13の外周面13b上の点を通る直線が接線であることを言う。
挿通部13の外周面13b上のいずれかの点を通り、側部12の表面12aと交わる直線(斜辺)は無数にあるが、例えば側部12の軸線とのなす角度が一定の直線の中では、外周面13b上の点を通る直線(斜辺)は図4に示すように挿通部13の外周面13b上の接線である場合が最も長く、ボルト2の軸方向に見たときの、突起14の面積も最大になる。この場合、側部12の表面12aと挿通部13の外周面13bとの交点Aから、挿通部13の外周面13b上の点を通る直線(斜辺)までの距離が最大になるため、突起14に形成される挿通孔14aを最も大きく形成することが可能になる。図面では突起14の外形線が挿通部13の外周面13b上の点を通る直線(斜辺)であり、突起14の傾斜面14bをなしている場合の例を示しているが、この突起14の傾斜面14bは平面である必要はなく、曲面の場合もある。
これに対し、突起14をボルト2の軸方向に見たときの突起14の外形線(傾斜面14b)が挿通部13の外周面13b上の点を通る直線の内、図4中、一点鎖線で示す挿通部13の外周面13b上の接線より交点A寄りに位置する線(図4中、実線で示す直線)で区画される場合(請求項4)には、挿通部13の外周面13b上の点を通る線(直線)の長さが最大の場合より小さくなるため、突起14の側部12厚さ方向への突出量を更に抑えることが可能になる。この場合、挿通孔14aの大きさが制約されるが、挿通孔14aに挿通されるべき紐等の連結材4の太さに合わせた最小の大きさにすることができれば、突起14の突出量を最小に抑えることが可能になり、シャックル本体1の取扱い作業性と安全性が更に向上する。この場合の突起14の外形線(傾斜面14b)も直線である必要はない。
また突起14の外形線(傾斜面14b)が直線である場合、外形線が挿通部13外周面13b上の接線である場合も、それより交点A寄りに位置する場合も、図4に示すように交点Aを通る側部12表面12a上の直線と、交点Aと挿通部13外周面13b上の点を結ぶ直線が等辺になるように、挿通部13外周面13b上の点を通る直線である外形線が側部12の表面12aと交われば、交点Aを通る2直線と外形線が二等辺三角形を形成する。この場合、交点Aを通る外形線の垂線が外形線の垂直二等分線になるため、この垂線上に挿通孔14aを形成すれば、垂線の方向に挿通孔14aの大きさ(内法)を最大に確保できる利点がある。
図4では挿通部13の外周面13b上の点を通り、側部12の表面12aと交点A寄りで交わる直線の内、外周面13b上の接線を一点鎖線で示しており、この接線と外周面13bとの交点をBとし、接線と側部12の表面12aとの交点をCとすれば、図4は線分AB=線分ACの状況を示している。
図4ではまた、一点鎖線の接線に平行で、交点Aにより接近した直線を実線で示し、この実線の直線が突起14の外形線になっているが、ここに示すように一点鎖線の接線に平行な直線(外形線(傾斜面14b))と側部12表面12aと挿通部13外周面13bとで区画される領域内に、挿通孔14aを形成可能な範囲で、突起14を形成することが可能である(請求項4)。但し、突起14の外形線は直線であるとは限らない。
この場合、交点Aを通る、外形線の垂直二等分線上に、連結材4の接続に十分な大きさの挿通孔14aを形成しながらも、外周面13b上の接線より突起14が交点A側に寄った外形線で区画される突起14を形成できるため、側部13を握る手のひらへの影響が低減される。この場合も、外形線の垂直二等分線上に挿通孔14aを形成することで、その方向に挿通孔14aを最大に確保できる。
シャックル(シャックル本体1とボルト2)の使用時、突起14の挿通孔14aには、図3、図4に示すようにボルト2の離脱を阻止するための割りピン等の保持部品5が接続されたワイヤその他の紐等の連結材4が接続される。「接続」とは、連結材4が挿通孔14aから抜け出さない状態に挿通孔14aに連結されることを言い、連結材4が挿通孔14aを挿通して閉じた状態で連結されることと、挿通孔14aを一方側から挿通し、他方側において抜け出し側へ係合する等、挿通孔14a周りに定着される場合を含む。
保持部品5はナット3が配置される側の側部12のナット3側の側面から突出するボルト2の軸部21の軸方向先端部に、例えば図3−(b)に示すように軸部21の径方向を向いて形成された挿通孔21aに、軸部21へのナット3の螺合後に挿通させられ、挿通先で軸部21に係止することで、挿通孔21aへの挿通状態を維持する。保持部品5は軸部21への挿通状態を維持することで、ナット3の緩みによる保持部品5側への移動を阻止する働きをする。保持部品5の形態はこれには限られず、何らかの形で軸部21に螺合したナット3の緩み側への移動を阻止できればよい。
幅が側部の幅の範囲内に納まる大きさで、挿通孔を有する突起を側部の厚さ方向の少なくともいずれかの側の面に形成するため、突起を側部の幅方向外周側へ突出させることがない。この結果、シャックル本体の取扱い(操作)時に突起が手のひらに当たりにくくなり、シャックル本体が握りにくくなることも、怪我し易い状態でもなくなるため、シャックル本体の取扱い作業性と安全性を向上させることができる。
図1−(a)、図2は湾曲した立面形状の中央部11と、中央部11の軸線方向両端に連続し、互いに距離を置いて並列する側部12、12とに区分され、各側部12の軸方向の先端部に、各側部12を並列する方向にボルト2が挿通する挿通部13が形成され、少なくとも一方の側部12の表面12aに、ボルト2の離脱を阻止する保持部品5を接続するための突起14が形成されたシャックル本体1の製作例を示す。図1−(b)は(a)に示すシャックル本体1の挿通部13、13を挿通するボルト2とその軸部21に螺合するナット3を示す。図2は図1−(a)に示すシャックル本体1の挿通部13、13に(b)に示すボルト2が挿通し、ナット3が螺合した状態を示している。
ボルト2の軸方向に見たとき、挿通部13は各側部12の軸に直交する方向の断面積より大きい面積を持つ。挿通部13は側部12とは断面形状と断面積が異なるため、側部12の軸方向先端には主に溶接等により一体化させられる。シャックル本体1は主に鋼で製作されるが、材料は問われない。
突起14は図1−(a)、図2に示すように並列する側部12、12の内、少なくとも一方の側部12の、側部12の軸方向とボルト2の軸方向の双方に直交する方向を向く表面12aと、この表面12aと同一側を向く挿通部13の外周面13bとの間に跨って形成される。ボルト2の軸方向は側部12の幅方向である。側部12の軸方向とボルト2の軸方向(側部12の幅方向)の双方に直交する方向は側部12の厚さ方向である。突起14は主に溶接や接着等により側部12表面12aと挿通部13外周面13bに接合されるが、ボルト2から離脱しているときの保持部品5を支持できればよく、必ずしも挿通部13を側部12に接合する程の引張強度を要しないため、接合方法は問われない。
突起14の幅は突起14が側部12の幅方向両側に突出しないよう、側部12の幅以下の大きさに抑えられる。図面では挿通部13の幅(ボルト2軸方向の長さ)が側部12の幅より大きくなっているが、必ずしもその必要はなく、挿通部13の幅は側部12の幅以下であることもある。
突起14は側部12の幅方向のいずれかの側への突出がなければ、シャックル本体1(側部12)を手のひらで握ったときの握りにくさ等の障害が緩和されるため、側部12の幅以下の大きさの幅で、側部12の表面12aと挿通部13の外周面13bとの間に跨って形成されればよい。但し、側部12を手のひらで握ったときの手のひらへの影響を小さくする上では、図2に示すように側部12の挿通部13寄りの位置に形成されることが適切である。側部12の表面12aは側部12の厚さ方向のいずれかの面、または両面を指す。
「側部12の挿通部13寄りの位置」は目安としては、図2に示すように湾曲した形状の中央部11を除き、側部12を軸方向に中心に関して均等に区分したとき、挿通部13寄りの1/4の区間に突起14が納まる程度のことを言う。図2では側部12を軸方向に均等に区分したとき、挿通部13寄りの1/6程度の区間に突起14が納まっているが、この数値が小さい程、側部12を握ったときの手のひらへの影響が小さくなる。図4に示す例では挿通部13寄りの1/6未満の区間に突起14が納まっている。
突起14は側部12の厚さ方向には、側部12を握ったときの手のひらへの影響を抑える上では、側部12の軸に直交する方向の断面積より大きい面積の挿通部13より張り出さないことが適切である。具体的には、図2、図4に示すように挿通部13をボルト2の軸方向に見たときに、挿通部13の外周面13bと側部12の表面12aを結ぶ直線と、側部12の表面12aと挿通部13の外周面13bとに跨った範囲に突起14が形成されていることが適切である。
「挿通部13の外周面13bと側部12の表面12aを結ぶ直線」は、突起14を側部12の幅方向(ボルト2の軸方向)に見たときの、突起14の、側部12の表面12aと挿通部13の外周面13b以外の外形線を区画する線を意味する。「直線が区画する範囲内に突起14が形成されること」は、突起14の外形線がこの直線上か、直線より側部12の表面12aと挿通部13の外周面13bが交わる交点A側に位置することを述べている。
突起14の少なくとも側部12表面12a寄りの(根本)部分(脚部)は転倒に対する安定性確保のために、側部12の幅方向に厚みを持つため、外形線は実際には傾斜面14bとして面状に形成されることが多いが、突起14の厚さが側部12表面12a側から外形線側へ次第に小さくなるように突起14が形成される場合には、傾斜面14bは稜線のように形成されることもある。図2は突起4の傾斜面14b(外形線)が挿通部13外周面13bと側部12表面12aを結ぶ直線に一致している場合であり、この直線が図4に一点鎖線で示す挿通部13外周面13b上の接線である場合の例を示している。
図4は傾斜面14b(外形線)が挿通部13外周面13bと側部12表面12aを結ぶ直線より交点A寄りに位置している場合の例を示している。この例のように突起4の傾斜面14b(外形線)が一点鎖線で示す接線より交点A側に位置していれば、挿通部13の外周面13bからの突出がないため、握ったときの手のひらへの影響が更に低減され、握り易さと安全性が向上する。
突起14は前記の通り、図1−(a)に示すように少なくとも側部12表面側において側部12の幅方向に厚さを持つ板状に形成され、外形線を含む周辺以外の部分に突起14を厚さ方向に貫通する挿通孔14aが形成される。
シャックル本体1の両側部12、12の挿通部13、13には図1−(b)に示すボルト2が挿通し、軸部21先端の、挿通孔13aを挿通した、または挿通孔13aに螺合した側の挿通部13から突出した部分に、図3に示すように側部12の幅方向にシャックル本体1の外周側からナット3が螺合することによりボルト2が両側部12、12に接合される。
このボルト2の軸部21に螺合したナット3が、ボルト2付きのシャックル本体1の使用時に振動等により軸部21から離脱し、落下しないように阻止するための保持部品5が接続されたリングやフック、ワイヤ等の連結材4が上記した突起14の挿通孔14aに挿通する等により接続される。
保持部品5の形態は問われないが、図面では単純な形状の部品として割りピンを保持部品5として使用している。この関係で、軸部21の、螺合しているナット3より軸部21先端側(ナット3の離脱側)に、保持部品(割りピン)5が挿通するための挿通孔21aを軸部21を径方向に貫通させて形成しているが、挿通孔21aの向きは径方向である必要はなく、挿通孔21aは軸部21の軸線を通る必要もない。
割りピン(保持部品5)は互いに分離し、並列している軸部の内の一方がボルト2軸部21の挿通孔21aを挿通し、挿通した先において他方の軸部と弾性(復元力)で互いに密着することにより挿通孔21aからの抜け出しが阻止される。割りピン(保持部品5)が挿通孔21aを挿通した状態を保持することで、仮にナット3が緩み、ボルト2軸部21の先端側へ移動することがあったとしても、割りピンに移動側へ係止するため、ナット3のボルト2軸部21からの離脱が阻止される。
連結材4と保持部品5は分離しているため、両者に跨り、双方に連結されるワイヤ、ロープ、チェーンその他、紐状のつなぎ材6で結ばれる。
1……シャックル本体、
11……中央部、12……側部、12a……表面、13……挿通部、13a……挿通孔、13b……外周面、14……突起、14a……挿通孔、14b……傾斜面、
2……ボルト、21……軸部、21a……挿通孔、
3……ナット、
4……連結材、5……保持部品、6……つなぎ材。
11……中央部、12……側部、12a……表面、13……挿通部、13a……挿通孔、13b……外周面、14……突起、14a……挿通孔、14b……傾斜面、
2……ボルト、21……軸部、21a……挿通孔、
3……ナット、
4……連結材、5……保持部品、6……つなぎ材。
Claims (4)
- 湾曲した立面形状の中央部と、この中央部の軸線方向両端に連続し、互いに距離を置いて並列する側部とに区分され、前記各側部の軸方向の先端部に、前記各側部を前記並列する方向にボルトが挿通する挿通部が形成され、前記ボルトの軸方向に見たとき、前記挿通部が前記各側部の軸に直交する方向の断面積より大きい面積を持つシャックルであり、
並列する前記側部の内、少なくとも一方の側部の、前記側部の軸方向と前記ボルトの軸方向の双方に直交する方向を向く表面と、この側部の表面と同一側を向く前記挿通部の外周面との間に跨り、前記側部の幅の範囲内に納まる幅の、挿通孔が形成された突起が形成され、
前記側部の全長に亘り、前記側部の幅方向と軸方向の双方に直交する方向の厚さは前記挿通部の高さより小さく、且つ前記側部の幅と厚さは一様であり、
前記突起は、前記挿通部を前記ボルトの軸方向に見たときの、前記挿通部の外周面上のいずれかの点を通り、前記側部の表面と交わる前記挿通部の外周面上の接線と、前記側部の表面と前記挿通部の外周面とに跨った範囲に形成され、
前記挿通部外周面上の前記接線と前記挿通部外周面との交点は、前記挿通部を前記ボルトの軸方向に見たとき、前記挿通部の挿通孔の中心を通り、前記側部の軸線に垂直な直線が前記挿通部の外周面上で交わる点より前記側部寄りに位置していることを特徴とする突起付きシャックル。 - 前記突起を前記ボルトの軸方向に見たときの前記突起の外形線は連続した直線、もしくは曲線を描き、この外形線には前記側部の厚さ方向への突出した部分がないことを特徴とする請求項1に記載の突起付きシャックル。
- 前記突起は前記中央部を除き、前記側部を軸方向に中心に関して均等に区分したとき、前記挿通部寄りの1/4の区間に納まっていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の突起付きシャックル。
- 前記突起を前記ボルトの軸方向に見たとき、前記突起の外形線となる、前記側部の表面と前記挿通部の外周面を結ぶ線は前記挿通部の外周面上の前記接線より前記側部の表面と前記挿通部の外周面が交わる交点寄りに位置することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の突起付きシャックル。
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JP2004308718A (ja) * | 2003-04-03 | 2004-11-04 | Asano Kinzoku Kogyo Kk | 連結具 |
JP2005024091A (ja) * | 2003-06-12 | 2005-01-27 | Taiyo Seiki Kogyo Kk | シャックル |
US20130147220A1 (en) * | 2009-07-01 | 2013-06-13 | The Ulven Companies | Shackle bow and shackle |
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2016
- 2016-05-30 JP JP2016106901A patent/JP6059386B1/ja active Active
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