JP3175027U - 弛み止めボルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外周にねじを有する軸部1と、軸部1の一端に設けられた頭部2と、からなり、頭部2は、六角横断面形状をなす本体部201と、本体部201に連設され、本体部201からその半径方向外方へ遠去かるように、かつ、逆懸垂曲面を用いた凸面を描いて拡開状に形成された筒状のスカート部202と、からなっており、スカート部202の外面の下側端面203が本体部201の軸線と平行になっていると共に、中央縦断面のスカート部202の内面が、スカート部202の底部周縁204に平坦部を残しつつ、前記平坦部の最内側から、軸部1の最上部101にかけて、略逆懸垂曲面を用いた凸面を描いてくり抜かれている。
【選択図】図2
Description
しかしながら、締め付け固定した部分に繰返し振動が作用すると、ボルトやナットが弛むという問題があった。
例えば、ヘッド部とテーパ部とを備え、テーパ部の内面が円錐曲面に形成され、テーパ部の外面が凹面状の曲面に形成されていることを特徴とする締結部材が提案されている(特許文献1)。
また、特にボルト(軸部)の直径を6mm以上とすると、振動や衝撃が加わった際に、テーパ部の内面にヘアークラックが入るおそれがあり、その改善が求められていた。
また、本考案は、振動や衝撃が加わった際に、内面(特に、内面の軸の付け根部に相当する部分付近)にヘアークラックが入るおそれのない弛み止めボルトを提供することを目的とするものである。
さらに、本考案は、鉄系材料を用いて焼き入れ処理しても、拡開状のスカート部の先端部分に割れ(亀裂)が発生することのない弛み止めボルトを提供することを目的とするものである。
外周にねじを有する軸部1と、
軸部1の一端に設けられた頭部2と、
からなり、
頭部2は、六角横断面形状をなす本体部201と、
本体部201に連設され、本体部201からその半径方向外方へ遠去かるように、かつ、逆懸垂曲面を用いた凸面を描いて拡開状に形成された筒状のスカート部202と、
からなっており、
スカート部202の外面の下側端面203が本体部201の軸線と平行になっていると共に、
中央縦断面のスカート部202の内面が、スカート部202の底部周縁204に平坦部を残しつつ、
前記平坦部の最内側から、軸部1の最上部101にかけて、略逆懸垂曲面を用いた凸面を描いてくり抜かれている構造を有する弛み止めボルトを提供するものである。
しかも、本考案の弛み止めボルトは、ボルトの直径が6mm以上のものであっても、振動や衝撃が加わった際に、内面(特に、内面の軸の付け根部に相当する部分付近)にヘアークラックが入るおそれがない。
さらに、本考案の弛み止めボルトは、鉄系材料を用いて焼き入れ処理しても、拡開状のスカート部202の先端部分に割れ(亀裂)が発生することがない。
図1は、本考案の弛み止めボルトの一態様を示す正面図であり、図2は、図1の中央縦断面説明図であり、図3は、図2の部分拡大図である。
図4は、本考案の弛み止めボルトの一態様を示す平面図であり、図5は、本考案の弛み止めボルトの一態様を示す底面図である。
さらに、図6は、本考案の弛み止めボルトの一態様を示す側面図であり、図7は、図6の中央縦断面説明図であり、図8は、図7の部分拡大図である。
また、図9は、本考案の弛み止めボルトの一態様を示す斜視図であり、図10は、本考案の弛み止めボルトの一態様を上下逆さまにした状態を示す斜視図である。
外周にねじを有する軸部1と、
軸部1の一端に設けられた頭部2と、
からなり、
頭部2は、六角横断面形状をなす本体部201と、
本体部201に連設され、本体部201からその半径方向外方へ遠去かるように、かつ、逆懸垂曲面を用いた凸面を描いて拡開状に形成された筒状のスカート部202と、
からなっており、
スカート部202の外面の下側端面203が本体部201の軸線と平行になっていると共に、
中央縦断面のスカート部202の内面が、スカート部202の底部周縁204に平坦部を残しつつ、
前記平坦部の最内側から、軸部1の最上部101にかけて、略逆懸垂曲面を用いた凸面を描いてくり抜かれている構造を有するものである。
一方、スカート部202は、この本体部201に連設され、本体部201からその半径方向外方へ遠去かるように形成された、略スカートの如き形状を有する筒状のものである。
しかも、このスカート部202は、逆懸垂曲面を用いた凸面を描いて拡開状に(つまり、中央縦断面説明図である図2や図3で見て、相対する面が対称的に傾斜して、斜面状に開く形になるように)形成されている。即ち、断面でいうと、図2、3に示すように、逆懸垂曲線(懸垂線;カテナリー曲線の逆の形状)を描いて、拡開状に形成されている。
なお、鎖やロープなどの両端を、固定して吊り下げた(持って垂らした)ときにできる形を懸垂曲線と呼び(懸垂線或いはカテナリー曲線とも呼び)、この懸垂曲線(懸垂線;カテナリー曲線)を回転させてできる曲面を懸垂曲面と呼んでいる(懸垂面或いはカテノイドとも呼んでいる)。
逆懸垂曲面とは、このような懸垂曲面を上下逆さまにした形状を意味している。
このようにスカート部202の外面は、逆懸垂曲面を用いた凸面を描いて、拡開状に形成されている。スカート部202の外面をこのように形成することにより、この部分に弾性を与え、部材等を締め付け固定するに際し、充分な締め付け力をもって固定することができると共に、締め付け後は弛みのない状態とすることができる。
なお、スカート部202の外面は、逆懸垂曲面を用いたものとする他、スプライン曲線状とすることもできる。
ここで「逆懸垂曲面」としたのは、くり抜かれている構造は、「懸垂曲面」(懸垂面;カテノイド)とは上下反対の形状をなしているからであり、また、「略」逆懸垂曲面としたのは、図2〜3から明らかなように、逆懸垂曲面そのものではなく、これに近い形状のものであるからである。
即ち、図2〜3において、軸部1の最上部101から続く直ぐ上の部分(図3のC部分)は、各サイズのボルトに共通して、高さ1.0〜1.5mmにわたって、直線部分としてある。つまり、座面にあたる底部周縁204より、1.0〜1.5mm高い位置で、逆懸垂曲面が終了するようにし、その後は直線としてある。これにより、一層ひび割れ(クラック)防止を図ることができる。
なお、スカート部202の内面としては、逆懸垂曲面状にくり抜かれている構造を有しているものの他、スプライン曲線(スプライン曲面)状にくり抜かれている構造を有しているものとすることもできる。
なお、軸部の直径が3mm〜5mmまでのボルトについては、特に広げないものとしている。
このため、本考案の弛み止めボルトAは、振動や衝撃が加わった際に、内面(特に、内面の軸の付け根部に相当する部分付近)にヘアークラックが入るおそれがなく、しかも繰返し振動が作用しても弛むことがなく、極めて強固に部材等を締め付け固定することができるのである。
ここでスカート部202の内面に、最先端がクサビ形状となった軸の付け根部、すなわちスカート部202の内面と軸部1との交点といった、尖った部分が存在すると、弾性の吸収が大きいものの、最先端の尖った部分に圧縮応力が集中し、次いで座面の内円側の縁に集中することから、このような状態に耐え切れずに、トルクをかけても、座面での完全固定が出来ず、時間の経過と共に弛んでしまうものとなる。
図11中、符号30は供試ボルト、符号31は供試ナット、符号32はワッシャー(座金)、符号33は振動バーレル、符号34は加振台、符号35は加振ストローク、符号36はインパクトストローク、をそれぞれ示している。
供試ボルト(本考案の弛み止めボルト;M12×50−P1.5)を、これに見合う大きさのナット(供試ナット)と共に試験機に取り付け、次の条件で試験を実施した。17分間弛まなかったときは、もどしトルクを測定した。
・振動条件:振動数:1780rpm
加振台ストローク:11mm
インパクトストローク:19mm
振動方向:ボルト軸直角方向
なお、市販されているような通常のボルトでは、弛み止めを謳ったものであっても、4分少々から、最大8分弱程度で、弛んでしまうことが確認されている。
また、本考案の弛み止めボルトは、17分間の弛み試験中や試験後にも、内面(特に、内面の軸の付け根部に相当する部分付近)にヘアークラックが入ることはなかった。
このように本考案の弛み止めボルトは、17分間の弛み試験中や試験後も、弛むことがなく、振動が特に激しい土木建設機械や、削岩機器類、冷間・熱間鍛造機、成形機等の金型取り付けボルトなどの他、耐久レース用のタイヤ等の締め付けボルトとして使用しても、著しく弛み止め効果に優れていることが確認されている。
1:軸部
2:頭部
101:軸部1の最上部
201:本体部
202:スカート部
203:スカート部202の外面の下側端面
204:スカート部202の内面の底部周縁
205:平坦部の最内側
Claims (1)
- 外周にねじを有する軸部1と、
軸部1の一端に設けられた頭部2と、
からなり、
頭部2は、六角横断面形状をなす本体部201と、
本体部201に連設され、本体部201からその半径方向外方へ遠去かるように、かつ、逆懸垂曲面を用いた凸面を描いて拡開状に形成された筒状のスカート部202と、
からなっており、
スカート部202の外面の下側端面203が本体部201の軸線と平行になっていると共に、
中央縦断面のスカート部202の内面が、スカート部202の底部周縁204に平坦部を残しつつ、
前記平坦部の最内側から、軸部1の最上部101にかけて、略逆懸垂曲面を用いた凸面を描いてくり抜かれている構造を有する弛み止めボルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012000565U JP3175027U (ja) | 2012-02-06 | 2012-02-06 | 弛み止めボルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012000565U JP3175027U (ja) | 2012-02-06 | 2012-02-06 | 弛み止めボルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3175027U true JP3175027U (ja) | 2012-04-19 |
Family
ID=48002113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012000565U Expired - Lifetime JP3175027U (ja) | 2012-02-06 | 2012-02-06 | 弛み止めボルト |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3175027U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140100578A (ko) * | 2011-12-22 | 2014-08-14 | 가부시키가이샤 야마자키 액티브 | 체결부재 |
JP2015218780A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-07 | 日東精工株式会社 | 締結具 |
-
2012
- 2012-02-06 JP JP2012000565U patent/JP3175027U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20140100578A (ko) * | 2011-12-22 | 2014-08-14 | 가부시키가이샤 야마자키 액티브 | 체결부재 |
KR101985316B1 (ko) | 2011-12-22 | 2019-06-03 | 가부시키가이샤 야마자키 액티브 | 체결부재 |
JP2015218780A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-07 | 日東精工株式会社 | 締結具 |
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