JP6058970B2 - 制御装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高度制御のような上位側制御とPID制御のような下位側制御とを組み合わせたハイブリッド制御を実現する制御装置および制御方法に関するものである。
従来より、多変数モデル予測制御などの技術に基づく高度制御(例えば大規模プラントで利用されるAdvanced Process Control)技術が知られている。多変数モデル予測制御は、制御変数や操作変数などの多変数間の関係をモデル化して、拘束条件や経済効率などの相互関係を与えることで、最適運転・経済運転を行うための制御である。このような多変数モデル予測制御(特許文献1参照)あるいは多点温度均熱化制御(特許文献2参照)の上位側や目標値整形制御(特許文献3参照)の上位側やシミュレーションベースのオープンループ制御(特許文献4参照)のような高度制御と、PID制御とのハイブリッド制御を実現する手法としては、上位側の高度制御の出力を下位側のPID制御の設定値SPとして設定する手法が考えられる。
図10は高度制御とPID制御とを組み合わせたハイブリッド制御系の構成を示すブロック図である。多くのケースで、高度制御演算部100は、複数の状態観測値を取り込む多入力のアルゴリズムが採用され、シミュレーションや最適化演算などを経て、温度や圧力などの状態量について維持すべき値(目標値)を算出する。そして、温度や圧力などの単変数の状態量を目標値に維持するために、PID制御演算部101は、高度制御演算部100が算出した目標値を設定値SPとして、電力調整器102やバルブ等への指示値である操作量MVを算出する。
したがって、上位側の高度制御演算部100のハードウェアが故障したり、多入力系ゆえに想定された入力値のカバー範囲を外れて無効状態になったりしても、設定値SPが維持されたままのPID制御が継続するので、温度や圧力などの状態量が暴走することは起こらない。すなわち、制御アルゴリズムとしては、高度制御の異常をPID制御で補うバックアップ構造になる。
また、高度制御が例えばシミュレーションベースのオープンループ制御であれば、状態量観測値に基づく修正動作が不十分な構造という可能性もあることになる。このような高度制御に対し、下位の制御アルゴリズムとしてPID制御が組み合わせられていれば、最低限の修正動作が末端に備えられている形になるので、制御系全体の安全性が高められることになる。すなわち、制御アルゴリズムとしては相互補完関係になる。
上記のような有効な組み合わせ方が成り立つのは、PID制御が、高度制御から設定値SPを受け取るポジションに入ることが条件になる。逆に言えば、PID制御が、高度制御と設定値SPを共有する形にできなければ、制御アルゴリズムのバックアップ構造、相互補完関係にはならない。
特許第3758862号公報 特許第4358674号公報 特許第4639821号公報 特開平10−285804号公報
高度制御側の出力を、電力調整器やバルブへの指示値である操作量MVとすることも、理論上は十分可能である。このとき、高度制御の操作量MVがPID制御の操作量MVと同じ変数になって重複する場合は、図11に示すように高度制御の単独構造にならざるを得ない。
多くのケースで、高度制御は複数の状態観測値を取り込む多入力のアルゴリズムが採用されるのであるが、それゆえに演算量も大きくなる。そして、演算量が大きい(演算が集中的になる)高度制御は、演算機能がダウンするリスクも無視できないということになるので、高度制御のアルゴリズムを単独で実装するのは、リスクの高い計装ということになる。
また、高度制御が状態量観測値をフィードバックする制御でない場合、温度や圧力などの目標値(設定値SPに相当)と実際の値(制御量PVに相当)との間に誤差が生じる可能性が高くなる。高度制御のアルゴリズムを単独で実装する場合には、この誤差を吸収できないことになる。
したがって、高度制御とPID制御とを組み合わせたハイブリッド制御を実装することが好ましいが、高度制御とPID制御とを組み合わせる手法は実際には確立されておらず、高度制御の異常をPID制御で補うバックアップの技術や高度制御の誤差をPID制御で吸収する誤差吸収の技術は実現できていなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、高度制御とPID等のフィードバック制御とを組み合わせたハイブリッド制御を実現し、高度制御の異常をフィードバック制御で補うバックアップの技術や高度制御の誤差をフィードバック制御で吸収する誤差吸収の技術を実現することができる制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明の制御装置は、高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算手段と、この上位側制御演算手段で算出された操作量MV1に、規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換手段と、下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換手段で算出された値に変更する上下限値設定手段と、フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算手段と、この下位側制御演算手段で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理手段と、このリミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力手段と、予め規定された制御周期の回数Nを数える制御周期計数手段と、前記下位側制御演算手段で算出された操作量MV2が前記リミット処理手段によって制限された制御周期の回数Mを数える処理周期計数手段と、この処理周期計数手段の計数結果に基づき、指標βを算出する指標算出手段とを備え、前記指標算出手段で算出される指標βは比率M/Nであることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記指標βが適正な範囲よりも小さい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を小さくするように修正する下限側評価修正手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記指標βが適正な範囲よりも大きい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を大きくするように修正する上限側評価修正手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記設定値SPの変更を検出し、検出後の特定の時間帯において、前記制御周期計数手段、前記処理周期計数手段および前記指標算出手段の動作を停止させる指標算出停止手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置は、上位側制御演算手段と、操作量変換手段と、上下限値設定手段と、下位側制御演算手段と、リミット処理手段と、操作量出力手段と、予め規定された制御周期の回数Nを数える制御周期計数手段と、前記下位側制御演算手段で算出された操作量MV2が前記リミット処理手段によって制限されない制御周期の回数M’を数える非処理周期計数手段と、この非処理周期計数手段の計数結果に基づき、指標γを算出する指標算出手段とを備え、前記指標算出手段で算出される指標γは比率M’/Nであることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記指標γが適正な範囲よりも小さい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を大きくするように修正する下限側評価修正手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記指標γが適正な範囲よりも大きい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を小さくするように修正する上限側評価修正手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記設定値SPの変更を検出し、検出後の特定の時間帯において、前記制御周期計数手段、前記非処理周期計数手段および前記指標算出手段の動作を停止させる指標算出停止手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置は、上位側制御演算手段と、操作量変換手段と、上下限値設定手段と、下位側制御演算手段と、リミット処理手段と、操作量出力手段と、予め規定された制御時間Tを計測する制御時間計測手段と、前記下位側制御演算手段で算出された操作量MV2が前記リミット処理手段によって制限された制御時間Sを計測する処理時間計測手段と、この処理時間計測手段の計測結果に基づき、指標βを算出する指標算出手段とを備え、前記指標算出手段で算出される指標βは比率S/Tであることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記指標βが適正な範囲よりも小さい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を小さくするように修正する下限側評価修正手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記指標βが適正な範囲よりも大きい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を大きくするように修正する上限側評価修正手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記設定値SPの変更を検出し、検出後の特定の時間帯において、前記制御時間計測手段、前記処理時間計測手段および前記指標算出手段の動作を停止させる指標算出停止手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置は、上位側制御演算手段と、操作量変換手段と、上下限値設定手段と、下位側制御演算手段と、リミット処理手段と、操作量出力手段と、予め規定された制御時間Tを計測する制御時間計測手段と、前記下位側制御演算手段で算出された操作量MV2が前記リミット処理手段によって制限されない制御時間S’を計測する非処理時間計測手段と、この非処理時間計測手段の計測結果に基づき、指標γを算出する指標算出手段とを備え、前記指標算出手段で算出される指標γは比率S’/Tであることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記指標γが適正な範囲よりも小さい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を大きくするように修正する下限側評価修正手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記指標γが適正な範囲よりも大きい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を小さくするように修正する上限側評価修正手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記設定値SPの変更を検出し、検出後の特定の時間帯において、前記制御時間計測手段、前記非処理時間計測手段および前記指標算出手段の動作を停止させる指標算出停止手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法は、高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算ステップと、この上位側制御演算ステップで算出した操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換ステップと、下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換ステップで算出した値に変更する上下限値設定ステップと、フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算ステップと、この下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理ステップと、このリミット処理した操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力ステップと、予め規定された制御周期の回数Nを数える制御周期計数ステップと、前記下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2が前記リミット処理ステップによって制限された制御周期の回数Mを数える処理周期計数ステップと、この処理周期計数ステップの計数結果に基づき、指標βを算出する指標算出ステップとを含み、前記指標算出ステップで算出する指標βは比率M/Nであることを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法は、上位側制御演算ステップと、操作量変換ステップと、上下限値設定ステップと、下位側制御演算ステップと、リミット処理ステップと、操作量出力ステップと、予め規定された制御周期の回数Nを数える制御周期計数ステップと、前記下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2が前記リミット処理ステップによって制限されない制御周期の回数M’を数える非処理周期計数ステップと、この非処理周期計数ステップの計数結果に基づき、指標γを算出する指標算出ステップとを含み、前記指標算出ステップで算出する指標γは比率M’/Nであることを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法は、上位側制御演算ステップと、操作量変換ステップと、上下限値設定ステップと、下位側制御演算ステップと、リミット処理ステップと、操作量出力ステップと、予め規定された制御時間Tを計測する制御時間計測ステップと、前記下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2が前記リミット処理ステップによって制限された制御時間Sを計測する処理時間計測ステップと、この処理時間計測ステップの計測結果に基づき、指標βを算出する指標算出ステップとを含み、前記指標算出ステップで算出する指標βは比率S/Tであることを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法は、上位側制御演算ステップと、操作量変換ステップと、上下限値設定ステップと、下位側制御演算ステップと、リミット処理ステップと、操作量出力ステップと、予め規定された制御時間Tを計測する制御時間計測ステップと、前記下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2が前記リミット処理ステップによって制限されない制御時間S’を計測する非処理時間計測ステップと、この非処理時間計測ステップの計測結果に基づき、指標γを算出する指標算出ステップとを含み、前記指標算出ステップで算出する指標γは比率S’/Tであることを特徴とするものである。
本発明によれば、上位側制御演算手段で算出された操作量MV1に、規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換手段と、下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを操作量変換手段で算出された値に変更する上下限値設定手段とを設けることにより、高度制御とPID等のフィードバック制御とを組み合わせたハイブリッド制御を実現することができ、高度制御の異常をフィードバック制御で補うバックアップの技術や高度制御の誤差をフィードバック制御で吸収する誤差吸収の技術を実現することができる。また、本発明では、下位側制御演算手段とリミット処理手段と操作量出力手段として、例えば温調計のような市販のコントローラを利用することができる。また、本発明では、制御周期計数手段と処理周期計数手段と指標算出手段とを設けることにより、操作量幅の妥当性に関する指標βを得ることができる。
また、本発明では、制御周期計数手段と非処理周期計数手段と指標算出手段とを設けることにより、操作量幅の妥当性に関する指標γを得ることができる。
また、本発明では、制御時間計測手段と処理時間計測手段と指標算出手段とを設けることにより、操作量幅の妥当性に関する指標βを得ることができる。
また、本発明では、制御時間計測手段と非処理時間計測手段と指標算出手段とを設けることにより、操作量幅の妥当性に関する指標γを得ることができる。
また、本発明では、下限側評価修正手段を設けることにより、操作量幅を修正することができる。
また、本発明では、上限側評価修正手段を設けることにより、操作量幅を修正することができる。
先願技術の制御系の構成を示すブロック図である。 先願技術の動作を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の動作を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置の動作を説明するフローチャートである。 高度制御とPID制御とを組み合わせたハイブリッド制御系の構成を示すブロック図である。 高度制御単独の制御系の構成を示すブロック図である。
[先願技術]
発明者は、高度制御とPID制御とを組み合わせたハイブリッド制御を実現し、高度制御の異常をPID制御で補うバックアップの機能や高度制御の誤差をPID制御で吸収する誤差吸収の機能を実現することができる技術を提案した(特願2012−194955)。以下、この技術を先願技術と呼ぶ。
図1は先願技術の制御系の構成を示すブロック図である。先願技術では、高度制御の操作量MVに、誤差範囲を想定した幅を考慮する。この操作量幅を、PID制御ループの操作量下限値OL、操作量上限値OHとしてPID制御ループに与えれば、PID制御ループはフィードバック演算による誤差吸収が行なえる。このとき、PID制御ループの設定値SPには、高度制御側に設定されるはずの設定値SPと同じ変数を重複して割当てればよい。また、これによりPID制御ループが常時動作することになるので、高度制御が不調になったり無効状態になったりしたときのためのバックアップ構造としても機能するようになる。
さらに、操作量幅(あるいは上限値OHと下限値OLとの差)をゼロに近づければ、高度制御側から直接的に操作量MVを電力調整器などに作用させている状態に近づけることができる。すなわち、操作量幅を調整することで、高度制御の影響割合(支配率)を実質的に調整できるというように、可調整なハイブリッド制御を実現することができる。
そして、先願技術では、高度制御の操作量MV1と操作量下限値OLとの差および高度制御の操作量MV1と操作量上限値OHとの差を、操作量幅αというパラメータとして規定し、次式により操作量下限値OL、操作量上限値OHを与えるようにしている。
OL=MV1−α ・・・(1)
OH=MV1+α ・・・(2)
したがって、操作量上限値OHと操作量下限値OLとの差は2αになる。
図2(A)、図2(B)は先願技術の動作を説明する図であり、図2(A)は高度制御の操作量MV1(図1の高度制御演算部1で算出される操作量)の変化に伴う操作量下限値OL、操作量上限値OHの変化を示す図、図2(B)は操作量下限値OL、操作量上限値OHによって制約されるPID制御の操作量MV2(図1の温調計2から出力される操作量)の変化を示す図である。
図2(A)には、操作量MV1が時間の経過とともに8%から92%に直線的に上昇し、α=8%の設定に基づき操作量下限値OLが0%から84%に直線的に上昇し、操作量上限値OHが16%から100%に直線的に上昇する事例が示されている。図2(B)には、時間の経過とともに操作量下限値OLが0%から84%、操作量上限値OHが16%から100%に直線的に上昇し、この操作量下限値OLと操作量上限値OHの範囲内で操作量MV2が算出される事例が示されている。このように、先願技術では、上位側の高度制御により大局的な操作量変化が与えられ、下位側のPID制御により誤差吸収程度の操作量の調整(変更)が常時継続するようになっている。
以上の先願技術では、操作量幅を調整することで、高度制御の影響割合(支配率)を実質的に調整できるが、調整した結果としての操作量幅の妥当性に関する指標が与えられてないので、妥当性を判断できない。現実的には、妥当であるか否かは目的に応じて変わるものであるが、いずれにしろ妥当性を判断するための指標は必要になる。あるいは、妥当性を具体的に定量化する指標が与えられることにより、操作量幅の調整が場当たり的にならないように管理することも可能になる。
[発明の原理1]
そこで、発明者は、以下のような原理によれば、下位側のPID制御ループに与えられる操作量幅の妥当性に関する指標が得られることに想到した。
例えば、高度制御の操作量MV1と操作量幅αに基づき、MV1±αで決定した操作量下限値OLと操作量上限値OHにより、PID制御で算出された操作量MV2がリミット処理される範囲にある状況(MV2<OLあるいはMV2>OH)が多くなる場合には、設定されている操作量幅αが小さ過ぎる可能性がある。一方で、MV1±αで決定した操作量下限値OLと操作量上限値OHにより、PID制御で算出された操作量MV2がリミット処理されない範囲にある状況(OL<MV2<OH)が多くなる場合には、操作量幅αが大き過ぎる可能性がある。
操作量MV2がリミット処理される範囲にある状況が多い場合、PID制御による誤差吸収に支障が発生する可能性が高くなり、操作量MV2がリミット処理されない範囲にある状況が多い場合、高度制御を実施していることが無意味になる可能性が高くなる。発明者は、このようにPID制御で算出された操作量MV2がリミット処理される頻度が、高度制御とPID制御のハイブリッド化の有効性に関連することに着眼した。
そして、発明者は、MV1±αで決定した操作量下限値OLと操作量上限値OHにより、PID制御で算出された操作量MV2がリミット処理される頻度に基づき、操作量幅αの妥当性に関する指標βを決定することが有効であることに想到した。具体的には、例えば予め規定された制御周期の回数Nの間に、PID制御で算出された操作量MV2がリミット処理される制御周期の回数Mを検出し、その比率M/Nを指標βとすることができる。あるいは、予め規定された制御時間Tの間に、PID制御で算出された操作量MV2がリミット処理されている制御時間Sを検出し、その比率S/Tを指標βとすることもできる。あるいは、リミット処理されていない制御周期の回数や制御時間の比率を指標γとすることもできる。
[発明の原理2]
また、発明者は、上記の指標β(比率M/Nあるいは比率S/T)に対し、適正と思われる範囲を規定し、この適正な範囲から外れる場合に、自動的に操作量幅αを修正することで、操作量幅αの妥当性を判断できると同時に、操作量幅αを妥当な状態に維持できることに想到した。
例えば、指標βの適正な範囲をAL≦β≦BH(AL≦M/N≦BHあるいはAL≦S/T≦BH)とする。指標βが下限側のALよりも小さい場合は、操作量MV2がリミット処理される頻度が少ないわけであり、操作量幅αが大き過ぎる可能性があることになるので、操作量幅αを小さくするように自動修正すればよい。指標βが上限側のBHよりも大きい場合は、操作量MV2がリミット処理される頻度が多いわけであり、操作量幅αが小さ過ぎる可能性があることになるので、操作量幅αを大きくするように自動修正すればよい。
なお、リミット処理されていない制御周期の回数や制御時間の比率である指標γを用いる場合、操作量幅αに対する自動修正の操作は、指標βを用いる場合の操作量幅αに対する自動修正の操作と逆になる。
[発明の原理3]
設定値SPの変更に伴う過渡状態では、高度制御とPID制御とで異なる制御動作になることが前提にあって、高度制御を適用するケースが多い。また、誤差吸収は、高度制御側の不備により発生する誤差を修正するのが目的であるが、この誤差とは、設定値SPと制御量PVが一致するべきであるときに発生する不備を意味するのであるから、定常状態(整定状態)が誤差吸収の対象になる。したがって、設定値SPの変更に伴う過渡状態は、指標β(あるいは指標γ)算出の対象から外すのが好ましい。具体的な方法としては、例えば設定値SP変更後の特定の時間帯においては、指標算出を停止するような方法がある。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は、上記発明の原理1、発明の原理2、発明の原理3に対応するものである。本実施の形態においても、制御系全体の構成は先願技術と同様であるので、図1の符号を用いて説明する。本実施の形態の制御系は、高度制御演算部1と、温調計2と、SSR(Solidstate Relay)やSCR(Silicon Controlled Rectifier)などの電力調整器3とから構成される。なお、図1では、操作量MVの出力先である制御対象として電力調整器3を例に挙げているが、これに限るものではなく、バルブ等を制御対象としてもよい。
図3は本実施の形態の制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、図1に示した高度制御演算部1と温調計2とから構成される。
高度制御演算部1は、例えば高度制御演算により操作量MV1を算出する上位側制御演算部10と、上位側制御演算部10で算出された操作量MV1に、規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHに変換する操作量変換部11と、操作量変換部11で得られた操作量下限値OL、操作量上限値OHを、温調計2の後述するリミット処理部で用いる値として設定する上下限値設定部12と、指標βの適正な範囲をβ≧ALとし、βがALよりも小さい場合は、操作量幅αを小さくするように修正する下限側評価修正部13と、指標βの適正な範囲をβ≦BHとし、βがBHよりも大きい場合は、操作量幅αを大きくするように修正する上限側評価修正部14とを有する。
温調計2は、例えばPID制御演算等のフィードバック制御演算により操作量MV2を算出する下位側制御演算部20と、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限するリミット処理を行なうリミット処理部21と、このリミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力部22と、予め規定された制御周期の回数Nを数える制御周期計数部23と、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2がリミット処理部21によって制限された制御周期の回数Mを数える処理周期計数部24と、処理周期計数部24の計数結果に基づき、比率M/Nを指標βとして算出する指標算出部25と、設定値SPの変更を検出し、検出後の特定の時間帯において、制御周期計数部23、処理周期計数部24および指標算出部25の動作を停止させる指標算出停止部26とを有する。
次に、本実施の形態の制御装置の動作を図4、図5を用いて説明する。図4のI,II,IIIは、それぞれ図5のI,II,IIIと接続されていることは言うまでもない。本実施の形態では、説明を簡単にするために、上位側制御演算部10の制御演算式を、簡易な多入力1出力の1次多項式とする。また、炉内温度を制御対象の状態量とする。つまり、炉を加熱するヒータ(不図示)が図1の電力調整器3に接続されていて、電力調整器3は、温調計2から出力される操作量MV2に応じてヒータに供給する電力を調整する。
上位側制御演算部10は、次式の制御演算式により、電力調整器3に出力されることを想定した操作量MV1を算出する(図4ステップS1)。
MV1=ASP+BX1+CX2+DX3 ・・・(3)
式(3)において、SPは制御装置のオペレータによって設定される、制御対象の炉内温度に対する設定値、X1は操作量MV1を決定するために考慮すべき第1の状態量(例えば炉内圧力計測値)、X2は操作量MV1を決定するために考慮すべき第2の状態量(例えば炉内湿度計測値)、X3は操作量MV1を決定するために考慮すべき第3の状態量(例えば炉外周辺温度計測値)、A,B,C,Dは予め規定される1次多項式係数である。
続いて、操作量変換部11は、上位側制御演算部10で算出された操作量MV1に、予め規定された操作量幅を加減算して、温調計2の操作量下限値OL、操作量上限値OHを次式のように算出する(図4ステップS2)。
OL=MV1−αL ・・・(4)
OH=MV1+αH ・・・(5)
式(4)、式(5)においてαLは予め規定された下限値用の操作量幅、αHは予め規定された上限値用の操作量幅である。操作量幅αLとαHは同じ値でもよいし、異なる値でもよい。
上下限値設定部12は、操作量変換部11で得られた操作量下限値OL、操作量上限値OHを、通信機能などを介して温調計2のリミット処理部21に対して設定する(図4ステップS3)。
次に、下位側制御演算部20は、PID制御演算により、以下の伝達関数式のように操作量MV2を算出する(図4ステップS4)。
MV2=(100/Pb){1+(1/Tis)+Tds}(SP−PV)
・・・(6)
式(6)において、SPは制御対象の炉内温度に対する設定値であり、上位側制御演算部10が用いる値と同じである。PVは図示しない温度センサによって計測される制御対象の炉内温度計測値(制御量)、Pbは予め規定された比例帯、Tiは予め規定された積分時間、Tdは予め規定された微分時間、sはラプラス演算子である。
続いて、リミット処理部21は、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する上下限リミット処理を行なう(図4ステップS5)。
IF MV2<OL THEN MV2=OL ・・・(7)
IF MV2>OH THEN MV2=OH ・・・(8)
つまり、リミット処理部21は、操作量MV2が操作量下限値OLより小さい場合、操作量MV2=OLとし、操作量MV2が操作量上限値OHより大きい場合、操作量MV2=OHとする。
そして、操作量出力部22は、リミット処理部21でリミット処理された操作量MV2を制御対象の電力調整器3に出力する(図4ステップS6)。
次に、指標算出停止部26は、例えば設定値SPが直前の値に対して所定の変更幅以上変更された場合に設定値SPが変更されたと判定し、現在の制御周期が設定値SPの変更を検出した後の特定の時間帯Qにあたる制御周期であれば(図4ステップS7においてYES)、制御周期計数部23、処理周期計数部24および指標算出部25の動作を停止させる(図4ステップS8)。ここで、特定の時間帯Qとは、例えば設定値SPが変更されてから所定の時間内の期間である。
一方、現在の制御周期が設定値SPの変更を検出した後の特定の時間帯Qにあたる制御周期でない場合(図4ステップS7においてNO)、制御周期計数部23は、制御周期の計数値を1増やす(図4ステップS9)。
処理周期計数部24は、現在の制御周期が設定値SPの変更を検出した後の特定の時間帯Qにあたる制御周期でない場合、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2がリミット処理部21で制限されたか否かを判定し(図4ステップS10)、操作量MV2が操作量下限値OLより小さいか又は操作量上限値OHより大きいために制限された場合には、操作量MV2の制限が実施された処理周期の計数値Mを1増やす(図4ステップS11)。
こうして、ステップS1〜S11の処理が制御周期毎に繰り返し実行される。次に、指標算出部25は、制御周期計数部23がカウントしている制御周期の計数値が予め規定された値Nに到達すると(図4ステップS12においてYES)、処理周期計数部24がカウントしている処理周期の計数値Mと規定値Nとの比率M/Nを指標βとして算出する(図4ステップS13)。
指標βの算出後、指標算出部25は、制御周期計数部23がカウントしている制御周期の計数値と処理周期計数部24がカウントしている処理周期の計数値を共に0にリセットする(図4ステップS14)。さらに、指標算出部25は、算出した指標βを、通信機能などを介して高度制御演算部1の下限側評価修正部13および上限側評価修正部14に送信する(図4ステップS15)。
高度制御演算部1の下限側評価修正部13は、指標βが指標算出部25から送信されたときに、指標βが予め規定された適正範囲の下限値ALよりも小さい場合は(図5ステップS16においてYES)、操作量幅αL,αHを小さくするように修正する(図5ステップS17)。
IF β<AL THEN αL←0.95αL,αH←0.95αH ・・(9)
ここでは、操作量幅αL,αHをそれぞれ現在の値の0.95倍にする。
一方、高度制御演算部1の上限側評価修正部14は、指標βが指標算出部25から送信されたときに、指標βが予め規定された適正範囲の上限値BHよりも大きい場合は(図5ステップS18においてYES)、操作量幅αL,αHを大きくするように修正する(図5ステップS19)。
IF β>BH THEN αL←1.05αL,αH←1.05αH
・・・(10)
ここでは、操作量幅αL,αHをそれぞれ現在の値の1.05倍にする。
以上のようなステップS1〜S19の処理が、例えばオペレータからの指令によって制御が終了するまで(図5ステップS20においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行される。
図1、図3に示した制御系の構成において、上位側制御演算部10により算出される操作量MV1は、多入力の条件値を参照して決定されるので、複雑な多変数系、非線形系に対して効率的な制御を実現するのに有効である。しかし、操作量MV1は、予め規定された数式により一意的に算出されるので、条件変動により生じる制御誤差を修正するようには作用しない。すなわち、正確な制御を実現するための操作量の値は、操作量MV1の周辺に存在することになる。
温調計2によるPID制御演算は、操作量下限値OL、操作量上限値OHによりMV1−αL〜MV1+αHの範囲で操作量MV2を探索するように作用する。操作量MV2の範囲が限定されているので、複雑な多変数系、非線形系に対して操作量MV2が発散するリスクが低減された状態で、PID制御ループによるフィードバック制御が行なわれる。
操作量幅αL,αHの値が小さ過ぎると、温調計2のPID制御演算による操作量MV2の探索範囲が狭過ぎることになり、すなわち上位側の誤差をPID制御演算で吸収する誤差吸収の機能が過度に抑制される。この場合、指標βにより、オペレータは、操作量幅αL,αHの値が小さ過ぎるという状況判断を下すことが可能になる。また、適正な操作量幅αL,αHに近づくように自動修正することができる。
一方、操作量幅αL,αHの値が大き過ぎると、温調計2のPID制御演算による操作量MV2の探索範囲が広過ぎることになり、すなわち上位側制御演算の実施意義が希薄になる。この場合、指標βにより、オペレータは、操作量幅αL,αHの値が大き過ぎるという状況判断を下すことが可能になる。また、適正な操作量幅αL,αHに近づくように自動修正することができる。
図6(A)、図6(B)、図6(C)は本実施の形態の制御装置の動作を説明する図であり、図6(A)は操作量MV1の変化に伴う操作量下限値OL、操作量上限値OHの変化を示す図、図6(B)は操作量下限値OL、操作量上限値OHによって制限される操作量MV2の変化を示す図、図6(C)は制御量PVの変化を示す図である図6(A)、図6(B)、図6(C)では、設定値SPの変更を検出した後の特定の時間帯Qの間、処理周期計数部24による処理周期のカウントを停止し、時間帯Qが終了した後に、処理周期計数部24による処理周期のカウントを開始することが示されている。
なお、本実施の形態では、操作量変換部11において操作量下限値OLと操作量上限値OHの両方を算出して、リミット処理部21で用いる値を変更しているが、これに限るものではなく、操作量変換部11は操作量下限値OLと操作量上限値OHのうちどちらか一方の値だけを算出するようにしてもよい。この場合、上下限値設定部12は、リミット処理部21で用いる操作量下限値OLと操作量上限値OHのうち操作量変換部11で算出されていない方の値については変更しないものとし、操作量変換部11で算出された方の値だけを変更することになる。
そして、処理周期計数部24は、上下限値設定部12によって設定された操作量下限値OLまたは操作量上限値OHによって操作量MV2が制限された場合のみ、処理周期の計数値Mを1増やす。つまり、処理周期計数部24は、例えば操作量下限値OLがリミット処理部21に予め設定された値のままで上下限値設定部12による変更を受けない場合、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2が操作量下限値OLより小さいために制限されたとしても、処理周期の計数値Mを増やすことはせず、操作量上限値OHによって操作量MV2が制限されたときのみ、処理周期の計数値Mを1増やす。同様に、処理周期計数部24は、操作量上限値OHがリミット処理部21に予め設定された値のままで上下限値設定部12による変更を受けない場合には、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2が操作量上限値OHより大きいために制限されたとしても、処理周期の計数値Mを増やすことはせず、操作量下限値OLによって操作量MV2が制限されたときのみ、処理周期の計数値Mを1増やす。
また、処理周期計数部24の代わりに、非処理周期計数部を設けるようにしてもよい。この非処理周期計数部は、現在の制御周期が設定値SPの変更を検出した後の特定の時間帯Qにあたる制御周期でない場合、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2がリミット処理部21で制限されたか否かを判定し(図4ステップS10)、操作量MV2が操作量下限値OL以上、操作量上限値OH以下の値でリミット処理部21による制限が実施されていない場合には、操作量MV2の制限が実施されていない非処理周期の計数値M’を1増やすようにすればよい。この場合、指標算出部25は、制御周期計数部23がカウントしている制御周期の計数値が規定値Nに到達した時点で、非処理周期計数部がカウントしている非処理周期の計数値M’と規定値Nとの比率M’/Nを指標γとして算出する。
下限側評価修正部13は、指標γが予め規定された適正範囲の下限値ALよりも小さい場合に、操作量幅αL,αHを大きくするように修正する。
IF γ<AL THEN αL←1.05αL,αH←1.05αH
・・・(11)
上限側評価修正部14は、指標γが予め規定された適正範囲の上限値BHよりも大きい場合に、操作量幅αL,αHを小さくするように修正する。
IF γ>BH THEN αL←0.95αL,αH←0.95αH
・・・(12)
また、本実施の形態では、指標βまたはγを操作量幅αL,αHの両方の調整に利用しているが、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2が操作量下限値OLによって制限された場合と操作量上限値OHによって制限された場合で別々に処理周期の計数値MまたはM’をカウントして個別の指標を算出するようにしてもよい。例えば処理周期計数部24は、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2が操作量下限値OLによって制限された場合に、処理周期の計数値MLを1増やし、操作量MV2が操作量上限値OHによって制限された場合に、処理周期の計数値MHを1増やす。非処理周期計数部は、操作量MV2が操作量下限値OLによって制限されていない場合に、非処理周期の計数値ML’を1増やし、操作量MV2が操作量下限値OHによって制限されていない場合に、非処理周期の計数値MH’を1増やす。
指標算出部25は、制御周期計数部23がカウントしている制御周期の計数値が規定値Nに到達した時点で、処理周期の計数値MLと規定値Nとの比率ML/Nを指標βLとして算出し、処理周期の計数値MHと規定値Nとの比率MH/Nを指標βHとして算出し、非処理周期の計数値ML’と規定値Nとの比率ML’/Nを指標γLとして算出し、非処理周期の計数値MH’と規定値Nとの比率MH’/Nを指標γHとして算出する。
下限側評価修正部13は、指標βLが予め規定された適正範囲の下限値ALよりも小さい場合に、操作量幅αLを小さくするように修正する。
IF βL<AL THEN αL←0.95αL ・・・(13)
また、下限側評価修正部13は、指標βHが予め規定された適正範囲の下限値ALよりも小さい場合に、操作量幅αHを小さくするように修正する。
IF βH<AL THEN αH←0.95αH ・・・(14)
上限側評価修正部14は、指標βLが予め規定された適正範囲の上限値BHよりも大きい場合に、操作量幅αLを大きくするように修正する。
IF βL>BH THEN αL←1.05αL ・・・(15)
また、上限側評価修正部14は、指標βHが予め規定された適正範囲の上限値BHよりも大きい場合に、操作量幅αHを大きくするように修正する。
IF βH>BH THEN αH←1.05αH ・・・(16)
また、下限側評価修正部13は、指標γLが予め規定された適正範囲の下限値ALよりも小さい場合に、操作量幅αLを大きくするように修正する。
IF γL<AL THEN αL←1.05αL ・・・(17)
また、下限側評価修正部13は、指標γHが予め規定された適正範囲の下限値ALよりも小さい場合に、操作量幅αHを大きくするように修正する。
IF γH<AL THEN αH←1.05αH ・・・(18)
また、上限側評価修正部14は、指標γLが予め規定された適正範囲の上限値BHよりも大きい場合に、操作量幅αLを小さくするように修正する。
IF γL>BH THEN αL←0.95αL ・・・(19)
また、上限側評価修正部14は、指標γHが予め規定された適正範囲の上限値BHよりも大きい場合に、操作量幅αHを小さくするように修正する。
IF γH>BH THEN αH←0.95αH ・・・(20)
以上のようにして、例えば操作量幅αLのみが自動修正され、操作量幅αHは自動修正されないというような動作を実現することも可能である。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記発明の原理1、発明の原理2、発明の原理3に対応する別の例である。本実施の形態においても、制御系全体の構成は先願技術と同様であるので、図1の符号を用いて説明する。
図7は本実施の形態の制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。本実施の形態の高度制御演算部1は、上位側制御演算部10と、操作量変換部11と、上下限値設定部12と、指標γの適正な範囲をγ≧AL’とし、γがAL’よりも小さい場合は、操作量幅αを大きくするように修正する下限側評価修正部13aと、指標γの適正な範囲をγ≦BH’とし、γがBH’よりも大きい場合は、操作量幅αを小さくするように修正する上限側評価修正部14aとを有する。
本実施の形態の温調計2は、下位側制御演算部20と、リミット処理部21と、操作量出力部22と、予め規定された制御時間Tを計測する制御時間計測部27と、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2がリミット処理部21によって制限されない制御時間S’を計測する非処理時間計測部28と、非処理時間計測部28の計測結果に基づき、比率S’/Tを指標γとして算出する指標算出部25aと、設定値SPの変更を検出し、検出後の特定の時間帯において、制御時間計測部27、非処理時間計測部28および指標算出部25aの動作を停止させる指標算出停止部26aとを有する。
次に、本実施の形態の制御装置の動作を図8、図9を用いて説明する。図8のI,II,IIIは、それぞれ図9のI,II,IIIと接続されていることは言うまでもない。本実施の形態においても、炉内温度を制御対象の状態量とする。
図8のステップS1〜S6の処理は第1の実施の形態で説明したとおりである。
指標算出停止部26aは、現在の制御周期が設定値SPの変更を検出した後の特定の時間帯Qにあたる制御周期であれば(図8ステップS7においてYES)、制御時間計測部27、非処理時間計測部28および指標算出部25aの動作の動作を停止させる(図8ステップS21)。
一方、現在の制御周期が設定値SPの変更を検出した後の特定の時間帯Qにあたる制御周期でない場合(図8ステップS7においてNO)、制御時間計測部27は、現在までの制御時間の計測値に制御周期の時間を加算する(図4ステップS22)。
非処理時間計測部28は、現在の制御周期が設定値SPの変更を検出した後の特定の時間帯Qにあたる制御周期でない場合、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2がリミット処理部21で制限されたか否かを判定し(図8ステップS10)、操作量MV2が制限されていない場合には、リミット処理部21による操作量MV2の制限が実施されていない非処理時間の計測値S’に制御周期の時間を加算する(図8ステップS23)。
こうして、ステップS1〜S7,S10,S21〜S23の処理が制御周期毎に繰り返し実行される。
指標算出部25aは、制御時間計測部27が計測している制御時間の計測値が予め規定された値Tに到達すると(図8ステップS24においてYES)、非処理時間計測部28が計測している非処理時間の計測値S’と規定値Tとの比率S’/Tを指標γとして算出する(図8ステップS25)。
指標γの算出後、指標算出部25aは、制御時間計測部27が計測している制御時間の計測値と非処理時間計測部28が計測している非処理時間の計測値を共に0にリセットする(図8ステップS26)。さらに、指標算出部25aは、算出した指標γを、通信機能などを介して高度制御演算部1の下限側評価修正部13aおよび上限側評価修正部14aに送信する(図8ステップS27)。
高度制御演算部1の下限側評価修正部13aは、指標γが指標算出部25aから送信されたときに、指標γが予め規定された適正範囲の下限値AL’よりも小さい場合は(図9ステップS28においてYES)、操作量幅αL,αHを大きくするように修正する(図9ステップS29)。
IF γ<AL’ THEN αL←1.05αL,αH←1.05αH
・・・(21)
一方、高度制御演算部1の上限側評価修正部14aは、指標γが指標算出部25aから送信されたときに、指標γが予め規定された適正範囲の上限値BH’よりも大きい場合は(図9ステップS30においてYES)、操作量幅αL,αHを小さくするように修正する(図9ステップS31)。
IF γ>BH’ THEN αL←0.95αL,αH←0.95αH
・・・(22)
以上のようなステップS1〜S7,S10,S21〜S31の処理が、例えばオペレータからの指令によって制御が終了するまで(図9ステップS20においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行される。
なお、本実施の形態では、操作量変換部11において操作量下限値OLと操作量上限値OHの両方を算出して、リミット処理部21で用いる値を変更しているが、これに限るものではなく、操作量変換部11は操作量下限値OLと操作量上限値OHのうちどちらか一方の値だけを算出するようにしてもよい。この場合、上下限値設定部12は、リミット処理部21で用いる操作量下限値OLと操作量上限値OHのうち操作量変換部11で算出されていない方の値については変更しないものとし、操作量変換部11で算出された方の値だけを変更することになる。
そして、非処理時間計測部28は、上下限値設定部12によって設定された操作量下限値OLまたは操作量上限値OHによって操作量MV2が制限されていない場合のみ、非処理時間の計測値S’に制御周期の時間を加算する。つまり、非処理時間計測部28は、例えば操作量下限値OLがリミット処理部21に予め設定された値のままで上下限値設定部12による変更を受けない場合、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2が操作量下限値OL以上のために制限されていない場合でも、非処理時間の計測値S’に制御周期の時間を加算することはせず、操作量上限値OHによって操作量MV2が制限されていないときのみ、非処理時間の計測値S’に制御周期の時間を加算する。同様に、非処理時間計測部28は、操作量上限値OHがリミット処理部21に予め設定された値のままで上下限値設定部12による変更を受けない場合には、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2が操作量上限値OH以下のために制限されていない場合でも、非処理時間の計測値S’に制御周期の時間を加算することはせず、操作量下限値OLによって操作量MV2が制限されていないときのみ、非処理時間の計測値S’に制御周期の時間を加算する。
また、非処理時間計測部28の代わりに、処理時間計測部を設けるようにしてもよい。この処理時間計測部は、現在の制御周期が設定値SPの変更を検出した後の特定の時間帯Qにあたる制御周期でない場合、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2がリミット処理部21で制限されたか否かを判定し(図8ステップS10)、操作量MV2が操作量下限値OLより小さいか又は操作量上限値OHより大きいために制限された場合には、操作量MV2の制限が実施された処理時間の計測値Sに制御周期の時間を加算すればよい。この場合、指標算出部25aは、制御時間計測部27が計測している制御時間の計測値が予め規定された値Tに到達した時点で、処理時間計測部が計測している処理時間の計測値Sと規定値Tとの比率S/Tを指標βとして算出する。
下限側評価修正部13aは、指標βが予め規定された適正範囲の下限値AL’よりも小さい場合に、操作量幅αL,αHを小さくするように修正する。
IF β<AL’ THEN αL←0.95αL,αH←0.95αH
・・・(23)
上限側評価修正部14aは、指標βが予め規定された適正範囲の上限値BH’よりも大きい場合に、操作量幅αL,αHを大きくするように修正する。
IF β>BH’ THEN αL←1.05αL,αH←1.05αH
・・・(24)
第1、第2の実施の形態で説明した制御装置は、CPU、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、高度制御のような上位側制御とPID制御のような下位側制御とを組み合わせたハイブリッド制御に適用することができる。
1…高度制御演算部、2…温調計、3…電力調整器、10…上位側制御演算部、11…操作量変換部、12…上下限値設定部、13,13a…下限側評価修正部、14,14a…上限側評価修正部、20…下位側制御演算部、21…リミット処理部、22…操作量出力部、23…制御周期計数部、24…処理周期計数部、25,25a…指標算出部、26,26a…指標算出停止部、27…制御時間計測部、28…非処理時間計測部。

Claims (20)

  1. 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算手段と、
    この上位側制御演算手段で算出された操作量MV1に、規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換手段と、
    下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換手段で算出された値に変更する上下限値設定手段と、
    フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算手段と、
    この下位側制御演算手段で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理手段と、
    このリミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力手段と、
    予め規定された制御周期の回数Nを数える制御周期計数手段と、
    前記下位側制御演算手段で算出された操作量MV2が前記リミット処理手段によって制限された制御周期の回数Mを数える処理周期計数手段と、
    この処理周期計数手段の計数結果に基づき、指標βを算出する指標算出手段とを備え
    前記指標算出手段で算出される指標βは比率M/Nであることを特徴とする制御装置。
  2. 請求項記載の制御装置において、
    さらに、前記指標βが適正な範囲よりも小さい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を小さくするように修正する下限側評価修正手段を備えることを特徴とする制御装置。
  3. 請求項記載の制御装置において、
    さらに、前記指標βが適正な範囲よりも大きい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を大きくするように修正する上限側評価修正手段を備えることを特徴とする制御装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の制御装置において、
    さらに、前記設定値SPの変更を検出し、検出後の特定の時間帯において、前記制御周期計数手段、前記処理周期計数手段および前記指標算出手段の動作を停止させる指標算出停止手段を備えることを特徴とする制御装置。
  5. 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算手段と、
    この上位側制御演算手段で算出された操作量MV1に、規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換手段と、
    下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換手段で算出された値に変更する上下限値設定手段と、
    フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算手段と、
    この下位側制御演算手段で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理手段と、
    このリミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力手段と、
    予め規定された制御周期の回数Nを数える制御周期計数手段と、
    前記下位側制御演算手段で算出された操作量MV2が前記リミット処理手段によって制限されない制御周期の回数M’を数える非処理周期計数手段と、
    この非処理周期計数手段の計数結果に基づき、指標γを算出する指標算出手段とを備え
    前記指標算出手段で算出される指標γは比率M’/Nであることを特徴とする制御装置。
  6. 請求項記載の制御装置において、
    さらに、前記指標γが適正な範囲よりも小さい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を大きくするように修正する下限側評価修正手段を備えることを特徴とする制御装置。
  7. 請求項記載の制御装置において、
    さらに、前記指標γが適正な範囲よりも大きい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を小さくするように修正する上限側評価修正手段を備えることを特徴とする制御装置。
  8. 請求項乃至のいずれか1項に記載の制御装置において、
    さらに、前記設定値SPの変更を検出し、検出後の特定の時間帯において、前記制御周期計数手段、前記非処理周期計数手段および前記指標算出手段の動作を停止させる指標算出停止手段を備えることを特徴とする制御装置。
  9. 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算手段と、
    この上位側制御演算手段で算出された操作量MV1に、規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換手段と、
    下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換手段で算出された値に変更する上下限値設定手段と、
    フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算手段と、
    この下位側制御演算手段で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理手段と、
    このリミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力手段と、
    予め規定された制御時間Tを計測する制御時間計測手段と、
    前記下位側制御演算手段で算出された操作量MV2が前記リミット処理手段によって制限された制御時間Sを計測する処理時間計測手段と、
    この処理時間計測手段の計測結果に基づき、指標βを算出する指標算出手段とを備え
    前記指標算出手段で算出される指標βは比率S/Tであることを特徴とする制御装置。
  10. 請求項記載の制御装置において、
    さらに、前記指標βが適正な範囲よりも小さい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を小さくするように修正する下限側評価修正手段を備えることを特徴とする制御装置。
  11. 請求項記載の制御装置において、
    さらに、前記指標βが適正な範囲よりも大きい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を大きくするように修正する上限側評価修正手段を備えることを特徴とする制御装置。
  12. 請求項乃至11のいずれか1項に記載の制御装置において、
    さらに、前記設定値SPの変更を検出し、検出後の特定の時間帯において、前記制御時間計測手段、前記処理時間計測手段および前記指標算出手段の動作を停止させる指標算出停止手段を備えることを特徴とする制御装置。
  13. 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算手段と、
    この上位側制御演算手段で算出された操作量MV1に、規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換手段と、
    下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換手段で算出された値に変更する上下限値設定手段と、
    フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算手段と、
    この下位側制御演算手段で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理手段と、
    このリミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力手段と、
    予め規定された制御時間Tを計測する制御時間計測手段と、
    前記下位側制御演算手段で算出された操作量MV2が前記リミット処理手段によって制限されない制御時間S’を計測する非処理時間計測手段と、
    この非処理時間計測手段の計測結果に基づき、指標γを算出する指標算出手段とを備え
    前記指標算出手段で算出される指標γは比率S’/Tであることを特徴とする制御装置。
  14. 請求項13記載の制御装置において、
    さらに、前記指標γが適正な範囲よりも小さい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を大きくするように修正する下限側評価修正手段を備えることを特徴とする制御装置。
  15. 請求項13記載の制御装置において、
    さらに、前記指標γが適正な範囲よりも大きい場合は、所定の倍率を乗算して前記操作量幅を小さくするように修正する上限側評価修正手段を備えることを特徴とする制御装置。
  16. 請求項13乃至15のいずれか1項に記載の制御装置において、
    さらに、前記設定値SPの変更を検出し、検出後の特定の時間帯において、前記制御時間計測手段、前記非処理時間計測手段および前記指標算出手段の動作を停止させる指標算出停止手段を備えることを特徴とする制御装置。
  17. 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算ステップと、
    この上位側制御演算ステップで算出した操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換ステップと、
    下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換ステップで算出した値に変更する上下限値設定ステップと、
    フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算ステップと、
    この下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理ステップと、
    このリミット処理した操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力ステップと、
    予め規定された制御周期の回数Nを数える制御周期計数ステップと、
    前記下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2が前記リミット処理ステップによって制限された制御周期の回数Mを数える処理周期計数ステップと、
    この処理周期計数ステップの計数結果に基づき、指標βを算出する指標算出ステップとを含み、
    前記指標算出ステップで算出する指標βは比率M/Nであることを特徴とする制御方法。
  18. 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算ステップと、
    この上位側制御演算ステップで算出した操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換ステップと、
    下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換ステップで算出した値に変更する上下限値設定ステップと、
    フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算ステップと、
    この下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理ステップと、
    このリミット処理した操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力ステップと、
    予め規定された制御周期の回数Nを数える制御周期計数ステップと、
    前記下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2が前記リミット処理ステップによって制限されない制御周期の回数M’を数える非処理周期計数ステップと、
    この非処理周期計数ステップの計数結果に基づき、指標γを算出する指標算出ステップとを含み、
    前記指標算出ステップで算出する指標γは比率M’/Nであることを特徴とする制御方法。
  19. 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算ステップと、
    この上位側制御演算ステップで算出した操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換ステップと、
    下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換ステップで算出した値に変更する上下限値設定ステップと、
    フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算ステップと、
    この下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理ステップと、
    このリミット処理した操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力ステップと、
    予め規定された制御時間Tを計測する制御時間計測ステップと、
    前記下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2が前記リミット処理ステップによって制限された制御時間Sを計測する処理時間計測ステップと、
    この処理時間計測ステップの計測結果に基づき、指標βを算出する指標算出ステップとを含み、
    前記指標算出ステップで算出する指標βは比率S/Tであることを特徴とする制御方法。
  20. 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算ステップと、
    この上位側制御演算ステップで算出した操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換ステップと、
    下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換ステップで算出した値に変更する上下限値設定ステップと、
    フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算ステップと、
    この下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理ステップと、
    このリミット処理した操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力ステップと、
    予め規定された制御時間Tを計測する制御時間計測ステップと、
    前記下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2が前記リミット処理ステップによって制限されない制御時間S’を計測する非処理時間計測ステップと、
    この非処理時間計測ステップの計測結果に基づき、指標γを算出する指標算出ステップとを含み、
    前記指標算出ステップで算出する指標γは比率S’/Tであることを特徴とする制御方法。
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