JP2000235420A - 石油製品製造プロセスの制御装置及び方法 - Google Patents

石油製品製造プロセスの制御装置及び方法

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JP2000235420A
JP2000235420A JP11354632A JP35463299A JP2000235420A JP 2000235420 A JP2000235420 A JP 2000235420A JP 11354632 A JP11354632 A JP 11354632A JP 35463299 A JP35463299 A JP 35463299A JP 2000235420 A JP2000235420 A JP 2000235420A
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Japan
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reaction temperature
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petroleum product
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control
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English (en)
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Tetsuji Tani
哲次 谷
Takahiro Kobayashi
隆広 小林
Fumio Furuya
富美男 古谷
Masahiro Fukuyama
雅弘 福山
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応温度の調整を自動化することによってガ
ソリン基材のオクタン価、あるいは灯軽油基材の硫黄量
などの石油製品の物性値を容易かつ正確に制御できるよ
うにする石油製品製造プロセスの制御装置を提供する。 【解決手段】 反応温度を算出するモデルを形成すると
ともに、このモデルに、少なくとも、測定した原料油の
処理量と、反応温度モデルのバイアス、及び設定した石
油製品の特定の物性目標値を代入することによって反応
温度目標値を求める反応温度算出部を有する上位目標設
定器100と、この上位目標設定器100で求めた反応
温度目標値に制御制約を加味して制御目標値を求める予
測制御部200と、この予測制御部200からの制御目
標値にもとづいてプロセスの操作部を作動させてリアク
タの反応温度を制御する個別制御部300とを備えて構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油製品製造プロ
セスにおける制御装置及び方法に関し、例えば、プラッ
トフォーミング法で製造する改質ガソリン基材のオクタ
ン価制御プロセスあるいは灯軽油基材の脱硫制御プロセ
スにおいて、反応温度を、原料組成変化や処理量変化等
に対応して適切に制御する石油製品製造プロセスの制御
装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油製品、例えばガソリン基材は、通
常、図9に示すようなプロセスによって製造する。すな
わち、同図において、10aから10cは第1〜第3リ
アクタであり、原料として供給される重質ナフサを環化
する。このとき、原料をリアクタ10a〜10cに供給
する前に、第1〜第3ヒータ11a〜11cで予備加熱
する。
【0003】次いで、リアクタ10a〜10cで環化し
た後、フラシュドラム20において水素を抜き、さらに
スタビライザ30において蒸留によりC5 ライタを抜
いて蒸気圧を調整する。その後、脱ベンゼン装置40に
おいてベンゼンを抜いた後、残油をブレンドしてガソリ
ン基材を製造する。
【0004】ここで、オクタン価を調整する操作点は、
各ヒータ11a〜11cの出口温度、すなわちリアクタ
の反応温度であり、この反応温度は、各リアクタ触媒充
填量によるリアクタ入口温度の加重平均値(触媒量加重
平均反応温度:WAIT)で評価する。このようにして
製造するガソリン基材のオクタン価を制御する場合、プ
ロセスの特性上、次の点について考慮しなければならな
い。
【0005】1.プロセス制御上の問題点 (a)オクタン価の測定点と、操作点である各ヒータの
出口温度の間に大きな時間遅れがある。 (b)スタビライザでC5 ライタを抜くとき、及び、
その後脱ベンゼン装置でベンゼンを抜くときなどに大き
な外乱を生じる。
【0006】2.制御上におけるハード的制約 (a)各ヒータの表面温度に上限がある。
【0007】3.運転方法上の制約 (a)オクタン価の規格には高オクタン価と低オクタン
価の二種類があり、生産工程に基づいて運転モードを切
り換える必要がある。 (b)蒸気圧やガソリン基材中のベンゼン濃度を製品規
格内におさめる必要がある。このため、触媒の劣化とと
もに反応温度を上げる必要があり、その際、各ヒータの
出口温度を極力均一化したい。しかし、各ヒータの表面
温度に上限があるため、プロセス後半のヒータ表面温度
は常に上限値となってしまう。
【0008】次に、灯軽油の脱硫プロセスを図10にし
たがって説明する。原油タンク50から原油が常圧蒸留
装置60に供給され、ここで蒸留,分離された灯軽油留
分が一時的に中間タンク70に貯留される。そして、こ
の中間タンク70から灯軽油留分がDH加熱炉80に送
られ、加熱脱硫された後、さらに脱硫反応塔90で脱硫
される。
【0009】このような灯軽油基材の脱硫プロセスにお
ける反応温度の制御においてもガソリン基材のオクタン
価制御の場合と同様のプロセス制御上の問題点、ハード
的制約、運転方法上の制約がある。特に、灯軽油基材の
場合には、硫黄濃度を製品規格内におさめる必要があ
り、一つ又は複数あるヒーターの制御を最適化する必要
がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、ガソ
リン基材のオクタン価制御を行う場合には、種々の問題
点や制約があるため、従来は反応温度の調整を自動化す
ることができず、運転員の経験に頼って制御してきた。
したがって、オクタン価の振れ幅が大きく、さらに反応
温度が高めに調整され、用役ロスがあった。さらに、こ
の調整作業は運転員にとっても大きな負担となってい
た。
【0011】また、灯軽油基材の脱硫プロセスにおける
硫黄量制御においても、ガソリン基材のオクタン価制御
と同様の問題点があることから、平均反応温度の調整を
自動化することによって、灯軽油基材の硫黄含量を容易
かつ正確に制御できるようにする必要があった。さら
に、灯軽油基材の脱硫プロセスでは常圧蒸留装置60で
加熱,蒸留,分離された灯軽油留分を一旦冷却して中間
タンク70に貯留し、この中間タンク70からDH加熱
炉80に灯軽油留分を供給して再び加熱しているためエ
ネルギ損失が大きく、また、中間タンク70は定期的に
保守、点検、整備する必要があることからコストが高く
なるという問題があった。
【0012】本発明は、上記事情にかんがみてなされた
ものであり、反応温度の調整を自動化することによって
ガソリン基材のオクタン価、あるいは灯軽油基材の硫黄
量などの石油製品の物性値を容易かつ正確に制御できる
ようにした石油製品製造プロセスの制御装置及び方法の
提供を目的とする。また、特に灯軽油基材の脱硫プロセ
スにおいて、中間タンクを省略して常圧蒸留装置で蒸
留,分離された灯軽油留分を直接DH加熱炉に供給する
ことができるようにしてエネルギ損失の低減とコストの
削減を図ることのできる石油製品製造プロセスの制御装
置及び方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の本発明は、石油製品製造プロセスにおけ
る反応温度を制御する装置において、反応温度を算出す
るモデルを形成するとともに、このモデルに、少なくと
も、測定した原料油の処理量と、反応温度モデルのバイ
アス、及び設定した石油製品の特定の物性目標値を代入
することによって反応温度目標値を求める反応温度算出
部を有する上位目標設定器と、この上位目標設定器で求
めた反応温度目標値に制御制約を加味する制御制約加味
部と、この制御制約加味部によって制御制約が加味され
た前記反応温度目標値に基づいて制御目標値を求める予
測制御部と、この予測制御部からの制御目標値にもとず
いてプロセスの操作部を作動させてリアクタの反応温度
を制御する個別制御部とを備えた構成としてある。これ
により、従来、熟練運転員の勘に頼って行なっていた石
油製品の特定の物性値制御を自動的に行うことが可能と
なる。
【0014】また、請求項2記載の発明は、前記上位目
標設定器の反応温度算出部が、測定した石油製品の特定
の物性値と当該物性値の変化率にもとづいて、実際の石
油製品の特定の物性値を目標の石油製品の特定の物性値
(石油製品の特定の物性目標値)に近づけるようにする
ファジィルールを有し、このファジィルールによって、
前記モデルで求めた反応温度目標値を補正するファジィ
制御部を備えた構成としてある。これにより、モデルに
もとづいて算出した反応温度目標値を、実際の物性値及
び当該物性値の変化率によって補正を行なうことにより
正確な反応温度目標値を得ることが可能となる。
【0015】また、請求項3記載の発明は、前記物性値
の実測値と前記物性の制御目標値との差が予め設定した
値よりも大きいときには、前記ファジィルールによる処
理の繰り返し周期を短くする構成としてある。この構成
によれば、ファジィルールによる処理の実行周期を、実
測値が目標値よりも大きくずれている場合に短くするこ
とで、短時間で硫黄分量を予め設定された範囲内に安定
的に導くことができるようになる。
【0016】また、請求項4記載の発明は、前記上位目
標設定器が、前記反応温度モデルのバイアスを、測定し
た石油製品の特定の物性値及び原料油の累積処理量によ
って修正する係数アップデート部を備えた構成としてあ
る。このように、反応温度モデルのバイアスを修正する
ことにより、モデルで求めた反応温度を実際の反応温度
とする。
【0017】また、請求項5記載の発明は、前記上位目
標設定器が、前記反応温度算出部で求めた反応温度目標
値と実際の反応温度との差を計算して反応温度変更量を
求め、この変更量が一定の範囲より大きいときには、両
反応温度の差がなくなるように処理を行う反応温度変更
部を備えた構成としてある。これにより、上位目標設定
器を再起動する際、反応温度算出部で算出した反応温度
と実際の温度との差が大きいときには適切に反応温度を
変更することが可能となる。
【0018】また、請求項6記載の発明は、前記上位目
標設定器が、予測制御部が停止しているときは、上位目
標設定器からの出力を停止し、また、反応温度変更部か
らの出力と実際の反応温度を比較して、差が大きい場合
は一回の出力を小さくして予約制御部に与える変動を安
全範囲内に抑える安全対策部を備えた構成としてある。
これにより、プラントを安全に制御することが可能とな
る。
【0019】また、請求項7記載の発明は、前記上位目
標設定器が、上位目標設定器自体の作動をチェックし、
作動に異常のある場合には、異常を報知する監視部を備
えた構成としてある。これにより、上位目標設定器の異
常を確実に監視し、異常発生を迅速に報知することが可
能となる。
【0020】また、請求項8記載の発明は、前記石油製
品がガソリン基材であって、前記特定の物性値がガソリ
ン基材のオクタン価である構成としてある。これによ
り、ガソリン基材のオクタン価制御を自動的に行うこと
ができる。
【0021】また、請求項9記載の発明は、前記石油製
品が灯軽油基材であって、前記特定の物性値が灯軽油基
材の硫黄量である構成としてある。これにより、灯軽油
基材の脱硫制御を自動的に行うことができる。また、常
圧蒸留装置で蒸留、分離された灯軽油留分の変化に対し
迅速に対処できるため、灯軽油留分を貯留するための中
間タンクを省略して、常圧蒸留装置で蒸留,分離された
灯軽油留分を直接DH加熱炉に供給することができるよ
うになる。
【0022】また、請求項10記載の発明は、石油製品
製造プロセスにおける反応温度を制御する方法におい
て、反応温度を算出するモデルを形成するとともに、こ
のモデルに、少なくとも、測定した原料油の処理量と、
反応温度モデルのバイアス、及び設定した石油製品の特
定の物性目標値を代入することによって反応温度目標値
を求め、次いで、この反応温度目標値に制御制約を加味
して制御目標値を求め、かつ、この制御目標値にもとづ
いてプロセスの操作部を作動させて反応温度を制御する
方法としてある。
【0023】また、請求項11記載の発明は、測定した
石油製品の特定の物性値と当該物性値の変化率にもとづ
いて、実際の石油製品の特定の物性値を目標の石油製品
の特定の物性値(石油製品の特定の物性目標値)に近づ
けるようにするファジィルールによって、前記反応温度
目標値を補正する方法としてある。このように、ガソリ
ン基材のオクタン価制御を方法としても実現することが
できる。
【0024】また、請求項12記載の発明は、前記物性
値の実測値と前記物性の制御目標値との差が予め設定し
た値よりも大きいときには、前記ファジィルールによる
処理の繰り返し周期を短くした方法としてある。この方
法によれば、ファジィルールによる処理の実行周期を、
実測値が目標値よりも大きくずれている場合に短くする
ことで、短時間で硫黄分量を予め設定された範囲内に安
定的に導くことができるようになる。
【0025】また、請求項13記載の発明は、請求項1
0〜12記載における各処理が、CPU内でプログラム
にしたがって行われる場合に、前記プログラムが正常に
作動しているかをチェックする。
【0026】これら請求項10〜13の石油製品製造プ
ロセスの制御方法によれば、本発明を方法発明としても
具現化することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガソリン基材のオ
クタン価制御装置及び方法の実施形態について説明す
る。図1は、実施形態にかかる装置の全体を示す概略構
成図である。図1に示すように、本制御系は、上位目標
設定器100と、予測制御部(例えば、多変数予測制御
部)200及び個別制御部(例えば、PID制御部)3
00からなっている。ここで、上位目標設定器100
は、ガソリン基材のオクタン価(リサーチ法オクタン
価、RON)や処理量等のプラント各部におけるデータ
を測定して、適切なガソリン基材の反応温度を計算し
て、多変数予測制御部に反応温度目標値として与える。
【0028】また、多変数予測制御部200は、上位目
標設定器100から与えられた反応温度目標値等を測定
して将来のプラントの動向を予測し、さらに、図示しな
い制御制約加味部で上記した制御上におけるハード的制
約及び運転方法上の制約等(制御制約)を加味して、各
ヒータ11a〜11cの出口温度を実際に制御するPI
D制御部300に制御目標値を設定する。
【0029】また、PID制御部300は、多変数予測
制御部200で設定された制御目標値にもとづき、各ヒ
ータ11a〜11cへ供給される燃料を制御するバルブ
12a〜12cの開度調整を行う。
【0030】なお、多変数予測制御部200及びPID
制御部300は、公知の制御手段を用いるので、ここで
はその説明を省略する。
【0031】次に、上位目標設定器100について説明
する。図2は、上位目標設定器100の全体構成図を示
している。同図に示すように上位目標設定器100の全
体構成は、反応温度算出部110、係数アップデート部
120、反応温度変更部130、安全対策部140及び
プログラム監視部150からなっている。
【0032】反応温度算出部 反応温度算出部110は、反応温度計算モデル部111
とファジィ制御部112を主要な構成要素としている。
反応温度計算モデル部111は、入力されたオクタン価
目標値と、測定したプロセスからの処理量、原料性状
(パラフィン分、オレフィン分、ナフテン分及びアロマ
分の比率)、及び係数アップデート部120からの後述
する反応温度モデルのバイアス等のデータを反応温度モ
デル式に代入して反応温度値を算出する。ここで、反応
温度値は、単位触媒量当たりについて計算される。ま
た、ガソリン基材の処理量により係数が異なるため、次
のように原料油の処理量を少量、中量、大量の三段階に
分け、各区間ごとのモデルとして表現する。
【0033】具体的には、 IF x1 is low THEN wait = f1 (x1 )+g(x2 )+h(x3
)+c
【0034】IF x1 is middle THEN wait = f2 (x1 )+g(x2 )+h(x3
)+c
【0035】IF x1 is high THEN wait = f3 (x1 )+g(x2 )+h(x3
)+c ただし、waitは反応温度値、x1,x2 ,x3 は、それぞ
れ処理量、オクタン価目標値、原料性状値であり、cは
バイアスである。
【0036】また、反応温度算出部110のファジィ制
御部112では、実際のオクタン価を目標オクタン価の
範囲内となるようにするために、熟練運転員のオクタン
価調整方法を模倣して、測定した実際のオクタン価及び
オクタン価変化に基づいて、実際のオクタン価を目標オ
クタン価に対してどのように制御するのか(例えば、
「上げる」又は「下げる」ように制御するのか、若しく
は「そのまま」の状態を維持するように制御するのか)
を求め、これを補正データとして出力する。
【0037】ここで、熟練運転員が、オクタン価を調整
する際は、次のように行っている。すなわち、オクタン
価の一時的変動にはフィルタをかけ、長期的な視野でオ
クタン価が目標範囲に入っているかどうかを判断し、反
応温度値を調整する。また、オクタン価の現在値が生産
工程表目標に示される目標範囲を超えそうな場合、ある
いは超えた場合は目標範囲に戻すように反応温度を調整
する。
【0038】したがって、これら熟練運転員のオクタン
価調整方法をルール化してファジィ制御ルールとしてま
とめる。図3に、熟練運転員の上記調整方法にもとづい
てまとめたファジィ制御ルールを示す。入力は測定した
オクタン価とオクタン価変化である。
【0039】このとき、オクタン価のフィルタリング
は、熟練運転員の調整方法にもとづいて経験によって求
められた次式のような指数平均フィルタを用いて行な
う。 x*t=x*t-dt+α(xt−x*t-dt) ただし、x*t,x*t-dtは時刻t,t−dtにおけるフィ
ルタ値、xtは時刻tにおける測定値、αは重み関数を
表す。また、オクタン価変化(上昇、変化なし、下降)
は、フィルタリングした値の12分ごとの平均値三点を
とり、図4のように評価する。
【0040】加算部113は、反応温度計算モデル部1
11で算出された反応温度値を、ファジィ制御部112
で求めたルールにもとづいて補正する。
【0041】係数アップデート部 係数アップデート部120は、周期的に、実際のガソリ
ン基材のオクタン価と反応温度計算モデル部111で算
出するオクタン価を比較して、バイアスを修正する。こ
こで、バイアスとは、触媒失活等により生じる変動を修
正するためのものであり、具体的にはWAIT式に現在
の処理量,オクタン価目標値,原料性状値を代入して算
出した値と実際に運転しているWAITとの差を計算し
て決定する。
【0042】反応温度変更部 反応温度変更部130では、反応温度算出部110で計
算された反応温度値(wait)を反応温度目標値とし、この
反応温度目標値と実際の反応温度値との差を計算し、反
応温度変更量を算出する。この反応温度変更部130を
設けるのは以下の理由による。すなわち、処理量の増
減、あるいはオクタン価目標変更にともなってヒータの
火量を調整する場合、バーナの点火や消火のため、多変
数予測制御部200をオフラインにする場合がある。多
変数予測制御部200をオフラインにすると、安全確保
のため上位目標設定器100もオフラインとする。この
ような場合、多変数予測制御部200を再調整してオン
ラインとした後、上位目標設定器100を再起動する
が、このときに、反応温度を「上げる」のか、「下げ
る」のか、あるいは「そのまま」とするのかが判断でき
ない現象を生じる。そこで、このような現象を生じない
ようにするために、計算された反応温度値(wait)と実
際の反応温度値の差が、一定の範囲になるまで反応温度
値を適切に変更していく必要があるためである。
【0043】また、例えば、処理量を大きく変更する場
合は、上位目標設定器100を再起動した際、次のよう
な処理を行う。
【0044】(a)反応温度目標値よりも実際の反応温
度値が高くなった場合 ・反応温度目標値が実際の反応温度値以上になるまで反
応温度値は変更しない。 ・反応温度目標値が実際の反応温度値以上になれば、反
応温度目標値に合わせて実際の反応温度値を自動的に変
更する。
【0045】(b)反応温度目標値よりも実際の反応温
度値が低くなった場合 ・反応温度目標値に合わせて実際の反応温度値を自動的
に変更する。
【0046】なお、処理量最終目標値(生産管理の面か
ら決定される最終的な処理量)における反応温度目標値
よりも実際の反応温度値が高くなった場合には、反応温
度値を処理量最終目標値における反応温度目標値に合わ
せる。
【0047】安全対策部 安全対策部140は、下部の多変数予測制御部200が
停止しているときは、上位目標設定器100からの出力
を停止し、また、反応温度変更部130からの出力と実
際の反応温度値を比較して、差が大きい場合は段階的に
上昇させてプラントの変動を安全範囲内に押さえ、プラ
ントを安全に制御する。なお、多変数予測制御部200
で説明した制御制約加味部をこの安全対策部140にも
設け、制御制約を加味して多変数予測制御部200に入
力することにより、安全性をさらに高めることができ
る。
【0048】プログラム監視部 上位目標設定器100における反応温度算出部110、
係数アップデート部120、反応温度変更部130及び
安全対策部140は、必ずしも実体のある手段である必
要はなく、CPU内でプログラムにしたがって処理を行
なう形態のものであってもよい。この場合、上位目標設
定器100における反応温度算出部110、係数アップ
デート部120、反応温度変更部130及び安全対策部
140の各処理はCPU内で行なわれる。したがって、
上位目標設定器110は、プログラム監視部150を設
けて反応温度算出部110、係数アップデート部12
0、反応温度変更部130及び安全対策部140のプロ
グラムが正常に動いているかをチェックする。そして、
異常を感知した場合は、図示しない分散計装計算機(D
CS)を通じて画面表示等を行い、異常を報知する。
【0049】次に、実施形態にかかるガソリン基材のオ
クタン価制御方法を、図5のフローチャートにしたがっ
て説明する。ガソリン基材を製造しているときに、原料
の組成が変化したり、処理量が変化したりした場合に
は、これら変化があってもガソリン基材のオクタン価が
規格内から逸脱しないように反応温度を制御する必要が
ある。また、オクタン価の規格を変更した場合にも、こ
の規格変更に対応すべく反応温度を制御する必要があ
る。
【0050】処理が開始されると(ステップS701)
上位目標設定器100の反応温度算出部110は、原料
組成の変化,処理量の変化を測定データから検知し、あ
るいは目標オクタン価の設定(変更)が運転員によって
行われると、これらのデータを反応温度計算モデル部1
11に入力して(ステップS702)反応温度値(wai
t)を算出する(ステップS703)。また、反応温度
算出部110のファジィ制御部112は、測定データか
ら実際のオクタン価とオクタン価変化を、また設定デー
タから目標オクタン価を入力(ステップS704)し、
フィルタリングを行なう(ステップS705)とともに
これらのデータをファジィ制御ルールに照合し、反応温
度を「上げる」のか、「下げる」のか、「そのまま」に
するかの判断を行い補正データとして出力する(ステッ
プS706)。
【0051】反応温度算出部110の加算部113は、
反応温度計算モデル部111で算出した反応温度基準値
とファジィ制御部112からの補正データを入力し、こ
れらによって反応温度目標値を求める(ステップS70
7)。
【0052】このようにして求められた反応温度目標値
は上位目標設定器100から多変数予測制御部200に
入力され、この多変数予測制御部200において、測定
された実際の反応温度値と前記反応温度目標値との差
(反応温度変更量)が求められ(ステップS708)
の、この反応温度変更量にもとづいて上記したハード的
制約が加味され、制御目標値が求められる。この場合、
反応温度変更量が前記ハード的制約の範囲内であるかど
うかを判断し(ステップS709)、範囲内であれば、
前記反応温度変更量に基づいて制御目標値を設定する
(ステップS710)。反応温度変更量が前記ハード的
制約を超えて大きい場合は、前記ハード的制約の範囲内
の、例えばその上限に制御目標値を設定する(ステップ
S711)。PID制御部300は、多変数予測制御部
200で設定された前記制御目標値にもとづいてバルブ
12a〜12cの開度調整を行い、各ヒータ11a〜1
1cへ供給する燃料量を制御する(ステップS71
2)。この結果、第1〜第3リアクタ10a〜10cに
供給される原料の出口温度、すなわちリアクタの反応温
度制御を行い、ガソリン基材のオクタン価を制御する。
【0053】上位目標設定器100の反応温度変更部1
30では、反応温度算出部110で計算された反応温度
目標値と、現在の反応温度値との差を計算し、反応温度
変化量を算出する(ステップS713)。そして、反応
目標値に対する現在の反応温度の関係を、反応温度変化
量から判断する(ステップS714)。例えば、実際の
反応温度値が反応温度目標値よりも高ければ、制御目標
値を現状のまま維持して、反応温度目標値が実際の反応
温度よりも高くなるまで待ち(ステップS715)、処
理を終了する(ステップS716)。実際の反応温度値
が反応温度目標値よりも低ければ、ステップS709)
に戻り、反応温度目標値に合わせて制御目標値を変更
し、実際の反応温度値を変更する。
【0054】上位目標設定器100の安全対策部140
では、下部の多変数予測制御が停止しているときは、上
位目標設定器100の出力を停止し、反応温度変更部1
30からの出力と実際の反応温度を比較して、差が大き
い場合は安全範囲内に押さえる。
【0055】上位目標設定器100の係数アップデート
部120は、原料油の累積処理量、オクタン価からWA
IT式の係数f1 ,f2 ,f3 ,g,hを周期的に
与える。さらに、実際のガソリン基材のオクタン価と反
応温度計算モデル部111で算出するオクタン価を比較
して、バイアス修正する。反応温度算出部110の加算
部113は、反応温度計算モデル部111で算出した反
応温度基準値とファジィ制御部112からの補正データ
を入力し、これらによって反応温度目標値を求める。な
お、上記の実施形態では、安全確保のためのステップS
708〜S711の処理を、多変数予測制御部200
(図1参照)で行うものとして説明したが、この処理
を、安全対策部140(図1参照)で行うようにしても
よい。また、安全対策部140及び多変数予測制御部2
00の双方でステップS708〜S711の処理行うよ
うにすれば、安全対策部140と多変数予測制御部20
0で二重の安全対策を行うことになり、安全性をさらに
向上させることができる。
【0056】本発明はガソリン基材のオクタン価を制御
する場合以外にも適用でき、例えば、灯軽油基材の硫黄
量を制御する場合にも同様にして行うことができる。以
下、灯軽油基材の硫黄量を制御する場合の実施形態につ
いて説明する。この実施形態における制御装置及び処理
手順は、先の実施形態の「オクタン価」が「硫黄分量」
となる以外は、基本的に先の実施形態で示したものと同
じである。
【0057】図6は、この実施形態におけるファジィ制
御による灯軽油の脱硫プロセスの概略構成図である。な
お、図6では、先の実施形態及び従来例で示した部分と
同一の部位には同一の符号を付し、詳しい説明は省略す
る。図6に示すように、本発明を灯軽油の脱硫プロセス
に適用すると、常圧蒸留装置で蒸留、分離された灯軽油
留分の変化に対し、迅速に対処できるようになる。その
ため、中間タンクを省略することができ、常圧蒸留装置
で蒸留,分離された灯軽油留分を直接DH加熱炉に供給
することができるようになる。
【0058】この実施形態では、上位目標設定器100
には処理量やリアクタ温度のほか、未洗灯油性状(原料
組成)、灯油硫黄分量が入力される。上位目標設定器1
00では目標硫黄分量が決定され、多変数予測制御部2
00に送られる。ここで加熱温度が決定され、PID制
御部300がDH加熱炉の加熱温度の制御を行う。DH
反応塔95からは反応温度が多変数予測制御部200に
送られる。一方、上位目標設定器100は、製品灯油の
硫黄分と原料である未洗灯油性状から現在の反応温度目
標をどのように変更していけばよいかの指示を与える。
【0059】図7は、ファジィ制御ルールテーブルを示
す図で、(a)は灯油の硫黄成分とその変化に対応する
温度補正の関係を示す表、(b)は(a)の補正温度と
原料灯油の留分に対応する補正温度係数を示す表であ
る。この表のルールに基づいて、加算部113が、反応
温度計算モデル部111で算出された反応温度値を補正
する。
【0060】この場合、灯軽油の脱硫プロセスでは、未
洗灯油性状の留分の変化によって補正値をさらに補正す
る必要があることから、まず、未洗灯油性状の留分に変
化がないと仮定して灯油硫黄分量とその変化とから補正
温度を推定し、次に、未洗灯油性状の留分に変化があっ
た場合にはその変化量に応じた係数を前記の補正温度に
掛け合わせる。
【0061】例えば、硫黄分量が目標値に対して低く、
灯油硫黄分量の変化が下降傾向にあるときは、まず、未
洗灯油性状の留分に変化がないと仮定して補正温度を
0.6℃上昇させ、未洗灯油性状の留分が90%から9
5%に上昇していれば、次に、留分の上昇量に応じた係
数1.2を前記補正温度(0.6℃)に掛け合わせる。
そしてこのように得られた補正温度値を、waitに基づい
て得られた温度調整値に加えて温度調整を行う。なお、
この場合、硫黄分量変化やカット変化においてフィルタ
リングを行う点については、先の実施形態と同様であ
る。
【0062】この実施形態では、ファジィルールによる
処理の実行の周期を、実測値が制御目標値から大きく外
れているときには短くし、目標に近づいてきたときには
周期を長くして、可能な限り早く安定した領域内に硫黄
分量を導くようにしている。これを図8のフローチャー
トにしたがって説明する。当初、ファジィルールの実行
周期Cは、時間K(例えば60分)に設定される(ステ
ップS1)。原油切換が行われない場合は、この時間K
で硫黄分量が予め設定された範囲(例えば±3ppmの
範囲)内になるまで、ファジィルールによる処理(ステ
ップS7)が繰り返される。このステップS7では、図
5に示したステップS701〜S716までの処理が実
行される。
【0063】原油切換が行われた場合は、上位設定器を
オフラインにし(ステップS3)、予め設定された反応
温度まで調整する(ステップS4)。調整が終了すれ
ば、上位設定器をオンラインにし(ステップS5)、実
行周期Cを時間K′(K′<K、K′は例えば30分)
に設定して(ステップS6)、ファジィルールによる処
理を実行する(ステップS7)。そして、ステップS7
の処理の後に、硫黄分量が前記予め設定された値以下か
どうかを判断し(ステップS8)、前記予め設定された
値より大きければ、短い周期時間K′でファジィルール
による処理(ステップS7、すなわち図5のステップS
701〜S716の処理)を繰り返し、硫黄分量が前記
予め設定された値より小さくなれば、処理を終了するか
どうかを判断する(ステップS9)。プラントの停止等
により処理を終了させる場合には、上記処理を終了させ
るが、これ以外の場合は、ステップS1に戻ってステッ
プS1〜S9までの処理を繰り返す。
【0064】このように、ファジィルールによる処理の
実行周期を、実測値が目標値よりも大きくずれている場
合に短くすることで、短時間で硫黄分量を予め設定され
た範囲内に安定的に導くことができるようになる。
【0065】本発明の好適な実施形態について説明して
きたが、本発明は上記の実施形態により何ら限定される
ものではない。例えば、図8のフローチャートで示した
処理は、灯軽油基材の硫黄量を制御するものとして説明
したが、例えば、先に説明したガソリンのオクタン価を
制御する場合にも適用することが可能である。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、反応温
度の調整を自動化することによってガソリン基材のオク
タン価、あるいは灯軽油基材の硫黄量などの石油製品の
物性値を容易かつ正確に制御できるようにした石油製品
製造プロセスの制御装置及び方法を提供することができ
る。
【0067】また、本発明を特に灯軽油基材の脱硫プロ
セスに適用すれば、常圧蒸留装置で蒸留、分離された灯
軽油留分の変化に対し迅速に対処することができるよう
になるので、中間タンクを省略して、常圧蒸留装置で蒸
留,分離された灯軽油留分を直接DH加熱炉に供給する
ことができるようになる。したがって、設備の簡素化を
図るとともに、エネルギ損失の低減とコストの削減を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガソリン基材のオクタン価制御装置の
一実施形態を示す全体構成ブロック図である。
【図2】図1における上位目標設定器の詳細ブロック図
である。
【図3】(A)(B)はファジィ制御部におけるファジ
ィルールを示す表である。
【図4】オクタン価変化の捉え方を示す表である。
【図5】ガソリン基材のオクタン価制御方法を説明する
フローチャートである。
【図6】ファジィ制御による灯軽油の脱硫プロセスの概
略構成図である。
【図7】ファジィ制御ルールテーブルを示す図で、
(a)は灯油の硫黄成分とその変化に対応する温度補正
の関係を示す表、(b)は(a)の補正温度と原料灯油
の留分に対応する補正温度係数を示す表である。
【図8】ガソリン基材の硫黄量の制御方法を説明するフ
ローチャートである。
【図9】ガソリン基材の製造プラントの概略構成図であ
る。
【図10】灯軽油の脱硫プロセスの概略構成図である。
【符号の説明】
10a〜10c 第1〜第3リアクタ 11a〜11c 第1〜第3ヒータ 12a〜12c 第1〜第3バルブ 100 上位目標設定器 110 反応温度算出部 111 反応温度計算モデル部 112 ファジィ制御部 120 係数アップデート部 130 反応温度変更部 140 安全対策部 150 プログラム監視部 200 多変数予測制御部 300 PID制御部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05B 13/04 G05B 13/04 // C10G 35/24 C10G 35/24

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油製品製造プロセスにおける反応温度
    を制御する装置において、 反応温度を算出するモデルを形成するとともに、このモ
    デルに、少なくとも、測定した原料油の処理量と、反応
    温度モデルのバイアス、及び設定した石油製品の特定の
    物性目標値を代入することによって反応温度目標値を求
    める反応温度算出部を有する上位目標設定器と、 この上位目標設定器で求めた反応温度目標値に制御制約
    を加味する制御制約加味部と、 この制御制約加味部によって制御制約が加味された前記
    反応温度目標値に基づいて制御目標値を求める予測制御
    部と、 この予測制御部からの制御目標値にもとづいてプロセス
    の操作部を作動させてリアクタの反応温度を制御する個
    別制御部とを備えたことを特徴とした石油製品製造プロ
    セスの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記上位目標設定器の反応温度算出部
    が、 測定した石油製品の特定の物性値と当該物性値の変化率
    にもとづいて、実際の石油製品の特定の物性値を目標の
    石油製品の特定の物性値に近づけるようにするファジィ
    ルールを有し、このファジィルールによって、前記モデ
    ルで求めた反応温度目標値を補正するファジィ制御部を
    備えた請求項1記載の石油製品製造プロセスの制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記物性値の実測値と前記物性の制御目
    標値との差が予め設定した値よりも大きいときには、前
    記ファジィルールによる処理の繰り返し周期を短くする
    請求項2に記載の石油製品製造プロセスの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記上位目標設定器が、 前記反応温度モデルのバイアスを、測定した石油製品の
    特定の物性値及び原料油の累積処理量によって修正する
    係数アップデート部を備えた請求項1〜3のいずれかに
    記載の石油製品製造プロセスの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記上位目標設定器が、 前記反応温度算出部で求めた反応温度目標値と実際の反
    応温度との差を計算して反応温度変更量を求め、この変
    更量が一定の範囲より大きいときには、両反応温度の差
    がなくなるように処理を行う反応温度変更部を備えた請
    求項1〜4のいずれかに記載の石油製品製造プロセスの
    制御装置。
  6. 【請求項6】 前記上位目標設定器が、 予測制御部が停止しているときは、上位目標設定器から
    の出力を停止し、また、反応温度変更部からの出力と実
    際の反応温度を比較して、差が大きい場合は一回の出力
    を小さくして予約制御部に与える変動を安全範囲内に抑
    える安全対策部を備えた請求項1〜5のいずれかに記載
    の石油製品製造プロセスの制御装置。
  7. 【請求項7】 前記上位目標設定器が、 上位目標設定器自体の作動をチェックし、作動に異常の
    ある場合には、異常を報知する監視部を備えた請求項1
    〜6のいずれかに記載の石油製品製造プロセスの制御装
    置。
  8. 【請求項8】 前記石油製品がガソリン基材であって、
    前記特定の物性値がガソリン基材のオクタン価である請
    求項1〜7のいずれかに記載の石油製品製造プロセスの
    制御装置。
  9. 【請求項9】 前記石油製品が灯軽油基材であって、前
    記特定の物性値が灯軽油基材の硫黄量である請求項1〜
    7のいずれかに記載の石油製品製造プロセスの制御装
    置。
  10. 【請求項10】 石油製品製造プロセスにおける反応温
    度を制御する方法において、 反応温度を算出するモデルを形成するとともに、このモ
    デルに、少なくとも、測定した原料油の処理量と反応温
    度モデルのバイアス、及び設定した石油製品の特定の物
    性目標値を代入することによって反応温度目標値を求
    め、 次いで、この反応温度目標値に制御制約を加味して制御
    目標値を求め、 かつ、この制御目標値にもとづいてプロセスの操作部を
    作動させて反応温度を制御することを特徴とした石油製
    品製造プロセスの制御方法。
  11. 【請求項11】 測定した石油製品の特定の物性値と当
    該物性値の変化率にもとづいて、実際の石油製品の特定
    の物性値を目標の石油製品の特定の物性値に近づけるよ
    うにするファジィルールによって、前記反応温度目標値
    を補正する請求項10記載の石油製品製造プロセスの制
    御方法。
  12. 【請求項12】 前記物性の制御目標値と前記物性値の
    実測値との差が予め設定した値よりも大きいときには、
    前記ファジィ制御部における前記ファジィルールによる
    処理の繰り返し周期を短くする請求項11に記載の石油
    製品製造プロセスの制御方法。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12のいずれかに記載の
    各処理が、CPU内でプログラムにしたがって行われる
    場合に、前記プログラムが正常に作動しているかをチェ
    ックする石油製品製造プロセスの制御方法。
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