JP6058575B2 - ウォータージェット切断方法及びウォータージェット切断装置 - Google Patents

ウォータージェット切断方法及びウォータージェット切断装置 Download PDF

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Description

本発明は、ウォータージェット切断の技術に関し、特にウォータージェットに研磨材を混入して噴射するアブレシブウォータージェット切断の技術に関する。
水を高圧に加圧し、ノズルを通すと噴流(以下、「ウォータージェット」という。)が得られる。そして、このノズル内でウォータージェットに研磨材を混入すると、研磨材を伴うウォータージェット(アブレシブウォータージェット)が得られる。アブレシブウォータージェットは様々な材質の切断に用いられる。アブレシブウォータージェットによる切断は切断幅が狭く、切断面に対して熱影響を与えない特徴を有する。
アブレシブウォータージェットによる切断(以下、単に「ウォータージェット切断」という。)は、切断材質(被切断物の材質)と切断条件によって、その切断面が傾斜する場合がある。
また、切断速度(被切断物に対するノズルの相対移動速度)が切断材質及び板厚によって定まる所定の速度を超過すると、切遅れが生じる。著しく切遅れが生じた状態において、切断形状が曲線又は折れ線の頂点(以下、これらを「コーナ部」という。)を描くと、コーナ部において、被切断物のノズルから遠い面に切り残りが生ずる。
そこで、切断中のノズルの軸線を、切断方向(被切断物に対するノズルの相対移動方向)に垂直にするのではなく、適宜傾斜させることで、切断後に必要とする側(製品側)の切断面の傾斜角度を制御し、切遅れを解消する提案がされている(特許文献1,2参照)。
特公平6−45120号公報 特許第5266169号公報
特許文献1においては、姿勢制御される基礎となる前進角α、テーパ補正角βの予測方法が開示されていないため、特許文献1に記載の技術は、切断処理を自動制御するシステムとしてそのまま利用できない。
また、特許文献2に記載の技術は、作業者が切断速度を変更して切断時間を調整しようと望む場合、提案されたシステム上で新たに切断プログラムを作成し直す必要があった。しかし、同一形状の切断形状を得るために、切断速度を変更する毎に切断形状から新たに切断プログラムを作成するのは手間がかかる。また、このようなシステムにおいては、切断形状と切断パラメータにより、異なる切断プログラムが多数生ずるため、切断プログラムを整理保存することが不便である。
そこで、本発明は、希望する切断品質に合わせて切断処理を自動制御してコーナ部に切り残りのない製品を得るとともに、切断速度の変更にも柔軟に対応可能な、ウォータージェット切断方法及びウォータージェット切断装置を提供することを第1の課題とする。
また、本願の発明者は、切断速度に応じて自動的にノズルの角度を制御して、希望する切断品質の製品を得ることができれば望ましいと考えるに至った。
そこで、本発明は、現実の切断速度に応じてノズルの角度(姿勢)を自動的に制御することによって、製品側の切断面の傾斜を解消することを第2の課題とする。
本発明に係るウォータージェット切断方法は、研磨材を混入したウォータージェットをノズルから噴射し、ノズルと被切断物とを相対移動させて被切断物を切断するウォータージェット切断方法であって、切断処理に関するプログラムである切断プログラム、設定切断速度、及び前記被切断物の材質に関する情報と切断品質とを含む切断パラメータを入力するステップと、前記切断品質に適合する切断速度である算定切断速度を前記切断パラメータに基づいて演算するステップと、前記切断プログラムから切断形状を演算し、該切断形状を直線部とコーナ部とに分割するステップと、前記コーナ部の形状に基づき、前記算定切断速度以上、かつ、前記算定切断速度以上である前記設定切断速度以下の範囲内で、前記コーナ部に適用するコーナ切断速度を演算するステップと、前記設定切断速度を前記切断プログラムにおける前記直線部に、前記コーナ切断速度を前記切断プログラムにおける前記コーナ部に、それぞれ指令切断速度として割り当てる割当処理を行うステップと、前記指令切断速度が割り当てられた前記切断プログラムに基づき、前記ノズルを前記被切断物に対して相対移動させるステップと、を含む。
ここで、切断品質とは、被切断物の切断後における一対の切断面間の幅(切断幅)の上下差(表裏差)、切断面のテーパ角度、切断面の表面粗さ等に基づいて定める切断面の品質をいう。
この発明によれば、切断プログラムから切断形状を演算し、切断形状のうちのコーナ部の形状に対応する適切な切断速度を切断プログラムに割り当て、その切断速度が割り当てられた切断プログラムに基づいてウォータージェット切断を行うことができる。このため、切断品質に合わせてコーナ部に切り残りが生じない製品を得ることができる。更に、切断時間は入力された設定切断速度に基づいて変動するため、切断時間を調整したい場合には、設定切断速度の入力値を変更すれば、切断時間と切断品質のみが異なる同一形状の製品を、容易に得ることができる。
すなわち、希望する切断品質に合わせて切断処理を自動制御してコーナ部に切り残りのない製品を得るとともに、切断速度の変更にも柔軟に対応可能な、ウォータージェット切断方法を提供することができる。
また、本発明は、前記被切断物の材質に関する情報が、材質名称であり、材質名称に対応する材質係数を記録した材質テーブル上から、入力した前記材質名称に対応する材質係数の値を検索して読み込んで前記算定切断速度の演算に用いる、ことを特徴とする。
このような構成によれば、被切断物の材質名称を入力し、材質テーブルから材質係数を読み込むため、入力作業が容易となる。
また、本発明は、前記切断プログラムの実行中のブロックから先の一定数のブロックを読み込み、その読み込んだブロックごとに前記割当処理を順次行う、ことを特徴とする。
このような構成によれば、長大な切断プログラムが与えられた場合においても、現在実行中のブロックから先の一定数のブロックごとに切断速度を割り当てるため、コーナ切断速度の割当て負担が減少し、全体として作業時間の短縮化が図られる。
また、本発明は、前記設定切断速度を前記算定切断速度と同じ値に変更する処理を行う、ことを特徴とする。
このような構成によれば、被切断物の材質に関する情報を含む切断パラメータに応じた最適な切断速度を自動的に演算し、これを用いて製品を得ることができる。ウォータージェット切断の切断面の品質は、様々な切断パラメータによって変動し、目的の切断品質の製品を得ることが困難である。しかし、このような構成によれば、切断品質、被切断物の材質に関する情報などの切断パラメータと切断プログラムとを入力すれば、希望の切断品質の製品を容易に得ることができる。
また、本発明は、前記切断品質が、前記被切断物の切断後における一対の切断面のうちの製品側の切断面の傾斜角度に係る情報を含み、前記ウォータージェット切断方法が、前記ノズルの前記被切断物に対する相対移動速度である切断速度を検出するステップと、検出された前記切断速度、前記被切断物の切断後における一対の切断面のテーパ角度を最小化する前記算定切断速度、及び前記切断パラメータに基づき、前記一対の切断面のテーパ角度を予測するステップと、前記被切断物の一対の切断面のうちの製品側の切断面の傾斜角度を指定範囲に抑えるためのノズル姿勢の角度補正量を演算するステップと、を含み、前記切断プログラムに基づく前記ノズルの前記被切断物に対する相対的な移動量に、前記角度補正量を加算して、前記ノズルを前記被切断物に対して相対移動させる、ことを特徴とする。
このような構成によれば、現在の切断速度下における一対の切断面のテーパ角度を予測して、予測されたテーパ角度に対応してノズルを傾斜させることにより、製品側の切断面の傾斜を解消することができる。ここで、入力された設定切断速度や切断形状によらず、常にノズルが最適な姿勢を保ち、被切断物を切断した際に生ずる2つの切断面のうちの一方(製品側)の切断面の傾斜が解消される。
また、ノズルを傾斜させて製品側の切断面の傾斜角度を指定範囲に収めるようにしたため、ノズルを傾斜させずに一対の切断面のテーパ角度を一定範囲に保つ切断速度に比較して、高い切断速度での切断が可能となる。
本発明に係るウォータージェット切断装置は、ノズルと被切断物とを相対的に移動させる移動機構と、前記ノズルへ高圧水を供給する高圧水供給機構と、前記ノズルへ研磨材を供給する研磨材供給機構と、前記移動機構の制御装置と、を備えるウォータージェット切断装置であって、前記移動機構は、前記制御装置から受信したポジション指令に基づいて移動し、前記制御装置は、切断処理に関するプログラムである切断プログラム、設定切断速度、及び前記被切断物の材質に関する情報と切断品質とを含む切断パラメータを入力するための入力装置と、前記切断プログラム、前記ノズルの前記被切断物に対する相対移動速度である切断速度を決定する演算プログラム、及び前記切断速度が割り当てられた切断プログラムを記憶する記憶装置と、前記切断パラメータを前記記憶装置に記憶させ、前記切断品質に適合する切断速度である算定切断速度を前記切断パラメータに基づいて演算し、前記切断プログラムから切断形状を演算し、該切断形状を直線部とコーナ部とに分割し、前記コーナ部の形状に基づき、前記算定切断速度以上、かつ、前記算定切断速度以上である前記設定切断速度以下の範囲内で、前記コーナ部に適用するコーナ切断速度を演算し、前記設定切断速度を前記切断プログラムにおける前記直線部に、前記コーナ切断速度を前記切断プログラムにおける前記コーナ部に、それぞれ指令切断速度として割り当て、前記指令切断速度が割り当てられた前記切断プログラムに基づいて前記ポジション指令を作成する演算装置と、前記ポジション指令を前記移動機構に送信する通信装置と、を含む。
この発明によれば、演算装置が切断プログラムから切断形状を演算し、切断形状のうちのコーナ部の形状に対応する適切な切断速度を切断プログラムに割り当て、その切断速度が割り当てられた切断プログラムに基づいてウォータージェット切断を行うことができる。このため、切断品質に合わせてコーナ部に切り残りが生じない製品を得ることができる。更に、切断時間は入力された設定切断速度に基づいて変動するため、切断時間を調整したい場合には、設定切断速度の入力値を変更すれば、切断時間と切断品質のみが異なる同一形状の製品を、容易に得ることができる。
すなわち、希望する切断品質に合わせて切断処理を自動制御してコーナ部に切り残りのない製品を得るとともに、切断速度の変更にも柔軟に対応可能な、ウォータージェット切断装置を提供することができる。
また、本発明は、前記被切断物の材質に関する情報が、材質名称であり、前記記憶装置が、材質名称に対応する材質係数を記録した材質テーブルを記憶しており、前記演算装置が、前記材質テーブル上から、入力した前記材質名称に対応する材質係数の値を検索して読み込んで前記算定切断速度の演算に用いる、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記設定切断速度を前記算定切断速度と同じ値に変更する処理を行う、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記切断品質は、前記被切断物の切断後における一対の切断面のうちの製品側の切断面の傾斜角度に係る情報を含み、前記移動機構は、前記ノズルの前記被切断物に対する相対移動速度である切断速度を検出する検出機構を更に備え、前記通信装置は、前記切断速度を受信し、前記演算装置は、受信された前記切断速度、前記被切断物の切断後における一対の切断面のテーパ角度を最小化する前記算定切断速度、及び前記切断パラメータに基づき、前記一対の切断面のテーパ角度を予測し、前記被切断物の一対の切断面のうちの製品側の切断面の傾斜角度を指定範囲に抑えるためのノズル姿勢の角度補正量を演算し、前記角度補正量に対応するポジション指令補正量を演算し、前記ポジション指令に前記ポジション指令補正量を合成する、ことを特徴とする。
本発明によれば、希望する切断品質に合わせて切断処理を自動制御してコーナ部に切り残りのない製品を得るとともに、切断速度の変更にも柔軟に対応可能な、ウォータージェット切断方法及びウォータージェット切断装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態におけるウォータージェット切断装置の全体構成を示す。 本発明の第1実施形態における切断状況表示画面を示す。 本発明の第1実施形態における移動機構を示す。 本発明の第1実施形態における切断方法の手順についてのフローチャートを示す。 本発明の第1実施形態における切断面の断面図を示す。 本発明の第1実施形態におけるコーナ部での切断速度を示し、(a)は頂点の切断形状を、(b)は頂点の前後の距離に対するコーナ部での切断速度を示す。 本発明の第1実施形態において、円弧で構成されるコーナ形状が連続する場合における切断速度の割当てを示し、(a)は切断形状を、(b)は切断距離に対する切断速度を示す。 本発明の第1実施形態において、円弧で構成されるコーナ形状が連続する場合における切断速度の割当てを示し、(a)は切断形状を、(b)は切断距離に対する切断速度を示す。 本発明の第2実施形態における切断面の断面図を示す。 本発明の第2実施形態における切断方法の手順についてのフローチャートを示す。 本発明の第2実施形態におけるノズル姿勢の角度補正量、切断方向及びノズル傾斜角度を示す。
[第1実施形態]
(ウォータージェット切断装置の構成)
図1を参照して、ウォータージェット切断装置100の構成を説明する。
ウォータージェット切断装置100は、ノズル4と、ノズル4へ高圧水を供給する高圧水供給機構6と、ノズル4へ研磨材を供給する研磨材供給機構7と、ノズル4と被切断物Wを相対移動させる移動機構2と、制御装置1とを備えている。
被切断物Wは、キャッチャ5とノズル4との間に配置される。移動機構2はノズル4又は被切断物Wを移動させる。ノズル4は、移動機構2により、被切断物Wに対して相対的に移動する。移動機構2は、門型XYZ移動機構に1以上の角度軸を有した門型装置、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボットその他の移動機構を用いることができる。
キャッチャ5はタンク式のキャッチャである。被切断物Wをキャッチャ5に固定し、ノズル4をキャッチャ5の上部に配設された移動機構2に固定し、ノズル4が、固定された被切断物Wに対して、被切断物Wの上方を移動する。移動機構2は、ここでは、相互に直角に配設されたXYZの各直線軸と、AB軸の回転軸により5軸制御される門型移動機構であり、数値制御により制御される。移動機構2は、各軸を駆動するサーボモータ(図1に示される各軸モータ)、制御装置1から送信されたポジション指令に基づいてサーボモータへ駆動パルスを送るサーボアンプを含む。サーボモータは内部にエンコーダである検出機構3を有する。検出機構3はサーボモータの回転数及び角度をサーボアンプへ送り、フィードバック制御を行うとともに、現在の切断速度を制御装置1に送信する。
なお、本実施形態では移動機構2に門型の移動機構を用いたが、片梁式の移動機構、垂直多関節移動機構、又は水平多関節移動機構を使用しても良い。また、XYZ各軸の1つ以上の軸に沿って被切断物Wが移動するように構成することができる。
また、移動機構2のモータがサーボモータでなく、フィードバック制御を行わない場合においては、検出機構3は必要ではない。
高圧水供給機構6は水タンク8と、高圧ポンプ9と、高圧ポンプ9からノズル4へ高圧水を供給する高圧配管10とを備えている。ここでは、高圧水供給機構6は、高圧水を遮断するバルブ(不図示)を備えており、高圧水の供給開始及び停止を制御装置1により調整可能とする。また、高圧ポンプ9が発生する高圧水の圧力を制御装置1により調整可能とする。この場合には、切断処理に関するプログラムである切断プログラムに圧力、噴射タイミング、及び停止タイミングを入力することにより、制御装置1から高圧水供給機構6の状態を自動制御することができる。
高圧ポンプ9は、水タンク8に貯留された水を100MPa乃至700MPaの設定された切断圧力まで加圧する。そして、加圧された高圧水は、高圧配管10を通り、ノズル4に供給される。ノズル4から噴流として吐出した高圧水は、研磨材供給機構7から供給された研磨材を吸引し、研磨材を伴う高圧噴流が被切断物Wに激突し、被切断物Wが摩耗する。被切断物Wとノズル4は相対的に移動するため、ノズル4の相対的移動に伴って上記噴流により被切断物Wが摩耗し、噴流が裏面に達して被切断物Wが切断される。
研磨材供給機構7は研磨材を貯蔵し、所定流量の研磨材をノズル4へ供給する。研磨材供給機構7は、加圧空気により圧力を調整可能なホッパーが用いられる。研磨材供給量は、制御装置1により調整可能であることが望ましい。研磨材供給機構7が排出した研磨材は、高圧水を吐出するノズル4において、高圧噴流と混合される。ノズル4から吐出した高圧水と研磨材は、キャッチャ5により受け止められ、その動圧を失い、ウォータージェット切断装置100から排出される。
制御装置1について説明する。制御装置1は、演算装置11、記憶装置12、表示装置14、入力装置15、及び通信装置13から構成される。
演算装置11は、記憶装置12から切断パラメータ(切断処理に関するパラメータ)、演算式等を読み出す。そして、それらの数値、演算式に基づき、切断プログラムへの切断速度(被切断物Wに対するノズル4の相対移動速度)の割当て、切断速度が割り当てられた切断プログラムのコード(ポジション指令の作成)、通信装置13による移動機構2へのポジション指令の送信を行う。演算装置11の詳細な機能については後述する。
記憶装置12としてはハードディスクドライブ(HDD)、ダイナミックランダムアクセスメモリー(DRAM)、フラッシュメモリが用いられる。記憶装置12は、後述する材質テーブル、移動機構2の命令セット、入力された切断プログラムを保存する。ここで、命令セットは、移動機構2への指令を行うためのプログラム(例えばGコード指令)の他、高圧水供給機構6への圧力指示、噴射又は停止の指示を行う命令セット(例えばMコード指令)を含む。
入力装置15は、キーボード、マウス、及びダイヤルの少なくとも一つを含む。作業者は、入力装置15から切断プログラム、又は設定切断速度V、切断厚t、切断許容角度、切断圧力P、研磨材供給量F、材質名称その他の切断パラメータを入力する。
なお、作業者は、切断プログラム等を入力装置15から入力することに代えて、外部で作成した切断プログラム等を通信装置13を通じて入力することができる。
入力値は記憶装置12に保存される。
表示装置14は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を備える液晶パネルである。表示装置14は、入力した切断プログラム、切断パラメータ、切断プログラムの実行中のブロックにおける、現在時刻のノズル位置からこのブロックの移動完了までの移動量である残移動量、切断速度等を表示する。なお、表示装置14は、入力装置15の機能を兼ねたタッチ式表示装置を利用できる。
通信装置13は、I/Oポートを含み、移動機構2、高圧水供給機構6、及び研磨材供給機構7へデータを送信し、又はデータを受信する。また、通信装置13は、イーサネット(登録商標)ポート、光コネクタ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、PCカードドライブ等の切断装置外部とのデータ通信を行う各種の通信ポートを備えることができる。このような通信ポートを備えることで、切断パラメータ、切断プログラムを入力し、又は出力することができる。
通信装置13は、サーボアンプに対してポジション指令を発信する。サーボアンプは通信装置13から送られたポジション指令に基づいてサーボモータに駆動パルス列を送り、サーボモータが回転し、各軸方向の移動が行われる。また、検出機構3であるエンコーダはサーボアンプを通じて通信装置13に現在の各軸方向の切断速度を送信し、通信装置13はこれを受信する。
ここで、ポジション指令は、通信装置13からサーボアンプに送信され、サーボアンプが受信した後、消滅するパルス列である。このパルス列は、外部から認識できず、外部へ取出すことも出来ない。この点で、切断プログラムのような人が理解でき、保存され、再度利用される命令とは根本的に異なる。
(画面表示)
次に、画面表示について説明する。
切断状況表示画面(図2)においては、切断速度(Fコード指令)を含まない切断プログラム、絶対座標系(ワーク座標系)における現在座標、残移動量、現在の切断速度(現在速度)を表示する。現在座標は、実際のノズル座標であり、工具径補正等の補正を含む実際のノズル位置を表示する。現在座標を表示するための座標系は絶対座標系の他、ある位置からの相対位置を表示する相対座標系、機械原点を座標原点として座標原点からの距離を示す機械座標系が用意される。作業者は現在座標を表示する座標系を必要に応じて切替えることができる。
なお、入力された切断プログラムが切断速度を含む場合、演算装置11は、後述の機能に基づいて切断プログラムの切断速度を、演算した切断速度に置き換える。
表示装置14は、さらに、現在の切断速度(現在速度)V[m/s]を表示する。現在速度Vは、移動機構2が備える検出機構3で検出した現実の切断速度である。
また、表示装置14は、切断圧力P[MPa]、材質係数M、切断厚t[mm]、切断品質、研磨材供給量F[kg/s]、最適切断速度V、コーナ前加減速度、コーナ後加減速度、及び設定切断速度V、の入力値、並びに算定切断速度Vrv[m/s]等の算出値を表示する。
なお、算定切断速度Vrvの表示は、設定切断速度Vの入力の参考とするものである。本発明においては、コーナ部は、自動演算される算定切断速度Vrvに基づき割り当てられるコーナ切断速度Vで切断されるため、コーナ部は確実な切断が行われる。他方、直線部分においては、設定切断速度Vによりノズルが移動するため、設定切断速度Vが大きすぎる場合、目的の切断品質が得られない場合がある。この算定切断速度Vrvの表示は、設定切断速度Vの入力の参考になり、より望ましい切断品質を得やすくなる効果がある。
(移動機構)
図3を参照して、移動機構2について説明する。
キャッチャ5の左右の水平方向に平行な一組の直動装置(Y軸装置)21を配設し、Y軸装置21上を移動するYサドル22を設ける。Yサドル22にはY軸と直交する水平方向の直動装置(X軸装置)23を配設する。X軸装置23上を移動可能なXサドル上に鉛直方向に直動装置(Z軸装置)24を配設する。Z軸装置24上を移動するZサドル上に、X軸に平行な回転軸を有するA軸装置25を設ける。A軸装置25の回転軸を中心として回転するAサドル26上にY軸に平行な回転軸を有するB軸装置27を設ける。B軸装置27の回転軸を中心に回転するBサドル28にノズル4を配設する。X軸装置23,Y軸装置21,Z軸装置24の各直線軸は、ボールねじ機構により直動し、A軸装置25,B軸装置27の各回転軸は、サーボモータにより直接駆動するか、歯付ベルト又は歯車を介して駆動する。
なお、直線軸としては、ボールねじ機構に替えて、ラック・ピニオン機構、リニアモーター機構その他の直動機構を用いることができる。
(コーナ部加減速)
演算装置11は、切断プログラムが想定した切断経路に沿ってノズル4を移動させる。そして、切断経路の形状(切断形状)に応じてコーナ部の切断速度(コーナ切断速度V)を自動的に演算し、切断プログラムに割り当てて加減速制御する。演算装置11がコーナ切断速度Vを各々のコーナ部に対して適切に割り当てることで、所定の品質レベルに応じた切断結果が得られる。ここで、コーナ部とは、切断経路の形状の内、直線部以外の部分をいい、特に円弧部分、折れ線の頂点部分をいう。以下の説明においては、円弧部分を円弧に係るコーナ部、折れ線の頂点部分を頂点に係るコーナ部という。
図4に従って、切断方法について説明する。作業者が切断プログラム、材質名称、および切断品質を含む切断パラメータを入力装置15を用いて入力する(S1)。入力された数値等は記憶装置12に保存され、表示装置14に表示される。演算装置11は、記憶装置12から切断プログラム、および材質係数Mを含む切断パラメータを読み込む(S2)。ここで、演算装置11は、ステップS2において、材質名称に対応する材質係数Mを記憶装置12に記憶された材質テーブルから検索して読み取る。演算装置11は、読み出した数値等に基づいて、切断品質に適合する算定切断速度Vrvを演算する(S3)。このように、被切断物Wの材質名称を入力し、材質テーブルから材質係数Mを読み込むため、入力作業が容易となる。また、作業者が設定切断速度Vを入力装置15を用いて入力する(S4)。ここで、入力された設定切断速度Vは記憶装置12に保存されるとともに表示装置14に表示され、演算装置11は、記憶装置12から設定切断速度Vを読み込む。なお、作業者は設定切断速度VをステップS1〜S4の間のいずれかの時期に入力することができ、一度入力した後に入力し直すこともできる。更に、演算装置11は、切断プログラムから切断形状を演算する(S5)。そして、演算装置11は、演算した切断形状を直線部とコーナ部に分割する(S6)。演算装置11は、分割したコーナ部の形状に基づいて、それぞれのコーナ部の形状及び切断品質に適合するコーナ切断速度Vを演算する(S7)。続いて、演算装置11は、切断プログラムのそれぞれのブロックに適切な切断速度を割り当てる(S8)。さらに、演算装置11は、切断速度が割り当てられた切断プログラムに基づくポジション指令を作成し、通信装置13を介してポジション指令を移動機構2に送信する。そして、移動機構2はこのポジション指令に従ってノズル4を移動して、被切断物Wがノズル4から噴出したウォータージェットにより切断される(S9)。
なお、ステップS1において作業者が、材質名称に代えて、材質係数Mを入力装置15を通じて制御装置1に入力することができる。また、演算装置11が切断プログラムに、高圧水又は研磨材を供給するタイミングを、定められた命令セット(例えばMコード指令)によって挿入しても良い。これに代えて、予め切断プログラムに高圧水又は研磨材を供給するタイミングを挿入しておいても良い。これらの場合においては、演算装置11は、通信装置13を介して高圧水供給機構6又は研磨材供給機構7に対して、切断プログラムに従って、供給命令を発する。
図5に従って、切断面の鉛直軸に対する傾斜について説明する。ウォータージェットによる被切断物Wの切断を行うと、切断厚tを含む切断パラメータにより、切断面が傾斜しない切断速度が変化する。切断面のテーパ角度が無視できる、すなわちテーパ角度がほぼ0°である(テーパ角度を最小化する)切断速度を最適切断速度Vと呼ぶ。一般的に、切断速度が最適切断速度V未満であれば、上面の切断幅Wよりも下面の切断幅Wは大きくなる。逆に、切断速度が最適切断速度V超であれば、上面の切断幅Wは、下面の切断幅Wよりも大きくなる。そして、その上面の切断幅Wと下面の切断幅Wとの差を切断幅の上下差と呼ぶ。
本実施形態では、切断品質は、被切断物の切断後における一対の切断面間の幅(切断幅)の上下差(表裏差)とする。得ようとする切断部の切断品質を、切断幅の上下差に対して、上下差の小さい方(品質の良い方)から順に例えば1〜3の3段階で規定する。ここでは、切断品質1は、切断幅の上下差が殆ど0である切断品質とする。切断品質2は、切断幅の上下差が生ずるが、殆どの用途に対して許容できる品質とする。そして、切断品質3は、切断幅が不問であり、その被切断物Wを切断できる最大限の速度に対して与えられる、最低限度の切断品質を表す。切断品質係数Qは、切断品質に応じて設定され、後述の算定切断速度Vrvを演算するために使用する係数である。本実施形態では、切断品質1における算定切断速度Vrvをもって最適切断速度Vとする。
なお、切断品質として、切断面の表面粗さ又はテーパ角度を用いても良い。また、切断品質として切断幅の上下差を用いた場合においても、その上下差の数値幅をどの様に切断品質に置換えても良い。
算定切断速度Vrv[m/s]は、切断品質に適合する切断速度、ここでは切断品質に応じて与えられる最大の切断速度であり、式1により算出される。ここで、Mは材質係数、Qは切断品質係数、tは切断厚、Pは噴射圧力(MPa)、Fは研磨材供給量(kg/s)、dはアブレシブノズル径(mm)、dはウォーターノズル径(mm)である。
Figure 0006058575
なお、切断品質を含む切断パラメータと算定切断速度Vrvとの関係は数式で与えているが、数式に代えて、例えば切断品質、被切断物Wの材質(切断材質)等を含む切断パラメータと算定切断速度Vrvとの相関表として与えても良い。この関係付けは、切断品質、切断材質等の切断パラメータに適合する適切な切断速度を与える機能を備えればよい。
算定切断速度Vrvは、上述の自動計算による方法に代えて、作業者が任意の数値を入力して与えることができる。例えば、自動計算によって推測した数値を表示装置14に表示させ、その数値を参考に、作業者が任意の数値を入力しても良い。
材質係数Mは、材質テーブルに記載される。材質テーブルは、例えば表1のように与えられる。
Figure 0006058575
なお、材質名称を入力し、材質名称に相当する材質係数Mを材質テーブル上から検索することに代えて、材質係数Mを直接入力することができる。この場合は、材質テーブル中の材質係数Mを信頼して切断した結果得られた品質が希望する切断品質から外れた場合に、直接異なる材質係数Mを入力して切断品質を変更することができる。
また、材質係数Mを材質テーブル上の数値に対する百分率、千分率その他の相対的な割合を入力することにより、間接的に変更することができる。この場合には、材質係数Mをテーブル上の数値に入力した割合を乗じた数値とする。
切断形状の演算について説明する。演算装置11は、切断プログラムから、切断プログラムの命令セット(例えばGコード指令)に基づいて切断経路の切断形状を演算する。この切断形状は、入力された切断プログラムが切断しようとしている経路の形状である。
なお、演算装置11は、切断プログラムの全領域にわたって切断形状を演算することに代えて、切断プログラムのうち、移動機構2が現在切断(実行)中のブロックから複数のブロックにわたり、切断プログラムを先行して読み込んで現在から近い未来に切断する部分の形状のみを演算しても良い。そして、切断プログラムの実行中のブロックから先の一定数のブロックを読み込み、その読み込んだブロックごとに、後記するような切断プログラムに対して切断速度を割り当てる割当処理が順次行われてもよい。このような構成によれば、長大な切断プログラムが与えられた場合においても、現在実行中のブロックから先の一定数のブロックごとに切断速度を割り当てるため、コーナ切断速度の割当て負担が減少し、全体として作業時間の短縮化が図られる。
図6ないし図8を参照して、切断プログラムに対する切断速度の割当てについて説明する。演算装置11は、切断形状が折れ線の頂点又は円弧(コーナ部)を含む場合に、切断プログラムのそのコーナ部に相当するブロックにコーナ切断速度Vを割り当て、その頂点又は円弧に接続する部分に加減速を行う。
演算装置11は、頂点に係るコーナ部(図6参照)へ進入する直前のコーナ前加減速距離LB1を離した部分からコーナ部までを直線減速し、コーナ部をコーナ部の切断速度(コーナ切断速度V)で移動し、コーナ部脱出直後からコーナ後加減速距離LA1を離した位置まで直線加速する。
コーナ部の前後部分の加減速を行う部分について、演算装置11は切断プログラムを細かく分割して段階的(階段状)に切断速度を割り当てても良い。この場合においては、表示装置14は、再度分割した切断プログラムを表示せず、入力された切断プログラムを表示することが望ましい。表示装置14が入力された切断プログラムを表示することにより、作業者は、入力した切断プログラムの内容の確認、及び切断状況の把握が容易となる。
作業者は、コーナ前加減速度、コーナ後加減速度を、入力装置15を通じて制御装置1に入力する。
なお、切断材質に応じたそれぞれの加減速度の値を材質テーブルに規定しても良い。この場合には、材質名称に応じて材質テーブルからそれぞれの加減速度を読み込み、記憶装置12に一時的に記憶してその値を利用することができる。
なお、コーナ前加減速度の入力に代えて、コーナ前加減速距離を、コーナ後加減速度に代えてコーナ後加減速距離をそれぞれ入力することができる。この場合には、設定切断速度Vと算定切断速度Vrvとの差をコーナ前加減速距離又はコーナ後加減速距離で除して得られた値をそれぞれコーナ前加減速度、コーナ後加減速度として使用することができる。
それぞれのコーナ部に割り当てられるコーナ切断速度Vは、設定切断速度V及び算定切断速度Vrvに応じて演算される。コーナ切断速度Vは、コーナ部の形状が急激な変化を伴えば伴うほどその速度を低下し、急激な変化を示す一定の基準を満たしたときにその速度を算定切断速度Vrvと同一とする。また、コーナ部の形状が緩やかな変化を伴えば伴うほどコーナ切断速度Vを上昇させ、緩やかな変化を示す一定の基準を満たしたときにその速度を設定切断速度Vと同一とする。コーナ切断速度Vは、設定切断速度V及び算定切断速度Vrvの中間の値とする。
頂点に係るコーナ部については、頂点の角度ψにより制御する。頂点の角度ψは、頂点の前後における進行角度(進行方向の角度)の差分として与えられる(図6(a)参照)。頂点の角度ψが大きければ大きいほどコーナ切断速度Vを低下し、頂点の角度ψが小さくなればなるほどコーナ切断速度Vを増加する。
なお、コーナ切断速度Vはコーナ形状によらず、常に算定切断速度Vrv又は最適切断速度Vとしても良い。
図6(b)に従って、速度の割当てについて説明する。頂点に係るコーナ部の直前の直線であるブロックN1において、コーナ部近傍のコーナ前加減速距離LB1の直前までは設定切断速度Vで進む。続いて、コーナ前加減速距離LB1の区間において、コーナ前加減速度で減速し、頂点にコーナ切断速度Vc1で到達する。頂点箇所を経過した後にブロックN2に入る。ブロックN2においては、当初コーナ後加減速度で増速し、コーナ後加減速距離LA1進み設定切断速度Vに到達する。その後、設定切断速度VでブロックN2の残部における切断を行う。
なお、設定切断速度Vを算定切断速度Vrvと同じ値に変更する処理を行うことができる。この場合、直線部分の切断速度に対して、設定切断速度Vに代えて、算定切断速度Vrvが割り当てられる。この場合においては、設定切断速度Vを入力することを要しない。そして、被切断物Wの材質に関する情報を含む切断パラメータに応じた最適な切断速度を自動的に演算し、これを用いて製品を得ることができる。ウォータージェット切断の切断面の品質は、様々な切断パラメータによって変動し、目的の切断品質の製品を得ることが困難である。しかし、このようにすれば、切断品質、被切断物Wの材質に関する情報などの切断パラメータと切断プログラムとを入力すれば、希望の切断品質の製品を容易に得ることができる。すなわち、全ての切断速度が自動的に演算されるため、作業者がウォータージェット切断についての知識や経験を殆ど有さない場合においても、切断品質に適した条件により切断することができる。
図7に従って、円弧に係るコーナ部の加減速について説明する。円弧に係るコーナ部におけるコーナ切断速度Vは円弧半径に基づいて算出される。すなわち、円弧半径が小さくなればなるほどコーナ切断速度Vを低下し、円弧半径が大きくなればなるほどコーナ切断速度Vを増加する。
ここで、図7、図8に示すように、コーナ部が連続する場合には、遅い速度が優先される。先ず、図7に従って、先のブロックN21におけるコーナ切断速度Vc21が、後のブロックN22におけるコーナ切断速度Vc22よりも速い場合について説明する。先のブロックN21においては当初、先のブロックN21に対応するコーナ切断速度VC21でノズル4が移動する。そして、先のブロックN21の経路に沿ってコーナ前加減速距離LB2手前からコーナ前加減速度により直線的に減速を行う。そして、後のブロックN22では最初からブロックN22におけるコーナ切断速度VC22でノズル4が進入する。ここで、先のブロックN21の経路に沿った距離がコーナ前加減速距離LB2よりも短い場合、先のブロックN21の一つ手前のブロックからコーナ前加減速を実行する。
逆に先のブロックN31に係るコーナ切断速度Vc31が後のブロックN32に係るコーナ切断速度Vc32よりも遅い場合について、図8に従って説明する。先のブロックN31においては先のブロックN31に対応したコーナ切断速度VC31で移動を完了し、後のブロックN32に進入してから加速を行う。そして、後のブロックN32に進入後、このブロックN32の経路に沿ってコーナ前加減速度で加速する。ブロックN32の経路に沿ってコーナ後加減速距離LA3を切断した後では、後のブロックN32に対応したコーナ切断速度VC32で移動する。これらの動作は、加速区間及び減速区間が連続する場合にも同様に適用される。
(ポジション指令の作成、送信及び切断)
演算装置11は、各ブロック(経路)に切断速度が割り当てられた切断プログラムに対応したポジション指令(データ列)を、通信装置13を介して移動機構2のサーボアンプへ出力する。そして、サーボアンプは、通信装置13から受けたポジション指令に基づき、サーボモータへ駆動パルスを発信し、移動機構2を移動させる。ノズル4は、高圧水供給機構6から供給された高圧水と、研磨材供給機構7から供給された研磨材を混合しウォータージェットとして被切断物Wに対して噴出し、移動機構2により移動する。被切断物Wはウォータージェットにより切断される。
前記したように本実施形態では、切断プログラム、設定切断速度V、及び材質名称と切断品質とを含む切断パラメータを入力し、切断品質に適合する算定切断速度Vrvを切断パラメータに基づいて演算し、切断プログラムから切断形状を演算し、該切断形状を直線部とコーナ部とに分割し、コーナ部の形状に基づき、算定切断速度Vrv以上、かつ、算定切断速度Vrv以上である設定切断速度V以下の範囲内で、コーナ部に適用するコーナ切断速度Vを演算し、設定切断速度Vを切断プログラムにおける直線部に、コーナ切断速度Vを切断プログラムにおけるコーナ部に、それぞれ割り当て、切断速度が割り当てられた切断プログラムに基づき、ノズル4を被切断物Wに対して相対移動させて、ウォータージェット切断が行われる。
したがって本実施形態によれば、切断プログラムから切断形状を演算し、切断形状のうちのコーナ部の形状に対応する適切な切断速度を切断プログラムに割り当て、その切断速度が割り当てられた切断プログラムに基づいてウォータージェット切断を行うことができる。このため、切断品質に合わせてコーナ部に切り残りが生じない製品を得ることができる。更に、切断時間は入力された設定切断速度に基づいて変動するため、切断時間を調整したい場合には、設定切断速度の入力値を変更すれば、切断時間と切断品質のみが異なる同一形状の製品を、容易に得ることができる。
すなわち、希望する切断品質に合わせて切断処理を自動制御してコーナ部に切り残りのない製品を得るとともに、切断速度の変更にも柔軟に対応可能となる。
[第2実施形態]
(ノズル姿勢の補正によるテーパ角度の制御)
本発明の第2実施形態として、切断面の板厚方向に対する傾斜角度を制御するために、第1実施形態のウォータージェット切断装置100に、更に現在の切断速度Vに基づいて、ノズル姿勢を変更して、2つ(一対)の切断面のうちの一方の切断面の傾斜角度を指定範囲に抑える機能を有する場合について説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同一のものについては、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9に従って、本実施形態における切断面の断面図について説明する。現在の切断速度(現在速度)Vが最適切断速度Vを超えると、上面の切断幅Wが下面の切断幅Wよりも広くなる。逆に現在速度Vが最適切断速度Vを下回ると、上面の切断幅Wが下面の切断幅Wよりも狭くなる。このときに、切断面は切断箇所の両側に発生し、2つの切断面はノズル4の軸心に対して均等に傾斜する(図5参照)。しかし、その切断面のテーパ角度を予測し、ノズル4の進行方向に垂直な面において切断面のテーパ角度分だけノズル4をθ傾斜させると、2つの切断面のうちの一方の切断面CFをほぼ垂直にすることができる(図9参照)。本願の発明者は、切断面のテーパ角度は、切断材質を含む切断パラメータ等によって定まる前記した最適切断速度Vと現在速度Vとによって定まることを発見した。本実施形態に係るウォータージェット切断装置100は、現在速度Vを検出機構3によって検出し、検出された現在速度Vに従ってノズル4の姿勢を自動的に変化させることによって、2つの切断面のうちの一方の切断面CFの傾斜を解消する。
ここで、2つの切断面のうちどちらの切断面の傾斜角度を指定範囲に保つかについての判断手法を説明する。傾斜角度を指定範囲に保つのは、切断によって切り離した場合に、製品となる側の切断面である。切断プログラム上で、進行方向に沿って左右のどちらの切断面を製品となる側かを指定する。製品側を指定する方法としては、指定するためのコード(例えばGコードであればG41/G42)を入力することができる。
なお、切断形状を計算した際に、切断形状が閉じられた形状であれば、通常はその形状の内側を製品側として認識し、切断形状が閉じられた形状でない場合、各軸の正負の方向を指定して、その製品側を設定することができる。また、切断プログラム上でのコード入力に替えて、記憶装置12に、入力装置15を介して、進行方向の左右の何れかの面を精密に仕上げるかをフラグにより入力しても良い。
図10を参照して、本実施形態におけるウォータージェット切断の手順について説明する。図10におけるステップS1ないしステップS8は図4におけるステップS1ないしステップS8と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
演算装置11は、読み出した切断パラメータ、材質係数M等に基づいて、最適切断速度Vを演算する(S11)。ここで、最適切断速度Vは、切断面のテーパ角度がほぼ0度となる(テーパ角度を最小化する)切断速度であり、本実施形態では切断品質が1である切断速度をいう。演算装置11は、検出機構3が検出した現在速度V[m/s]を通信装置13を介して受け取る(S12)。次に、演算装置11は、切断パラメータと受信した現在速度Vにより、切断面のテーパ角度の予測値(ノズル傾斜角度)θを演算する(S13)。続いて、演算装置11は、このテーパ角度の予測値(ノズル傾斜角度)θと現在速度Vから算出される進行方向φとからノズル4の姿勢の角度補正量を演算する(S14)。そして、演算装置11は、移動機構2へ送信するポジション指令値に角度補正量に基づくポジション指令補正値を加算し、得られたポジション指令を通信装置13を介して移動機構2へ送信する。移動機構2は、送られたポジション指令に基づいてノズル4を移動し、被切断物Wを切断する(S15)。演算装置11は、現在速度Vを検出機構3を介して常に監視し、ノズル姿勢の割込み制御を切断の実行中、連続して常時実行する。被切断物Wの切断が未だ完了していない場合には(S16でNo)、演算装置11は、ステップS12に処理を戻し、被切断物Wの切断が完了した場合には(S16でYes)、図10に示す切断処理を終了する。
図1を参照して、速度の検出について説明する。
X,Y,Z各軸のサーボモータは、角度を検出する検出機構3であるエンコーダを備える。このエンコーダの回転速度に各軸のボールねじピッチを乗じて各軸の切断速度が得られる。サーボアンプは各軸の切断速度に相当する信号を通信装置13を介して制御装置1に送信する。演算装置11は各軸の切断速度ベクトルを合成することで、現在速度Vを算出する。
なお、検出機構3は、各軸のサーボモータに内蔵するエンコーダに代えて、駆動軸に接続したレゾルバ、リニアスケールを用いても良い。
なお、移動機構として多関節ロボットを用いた場合には、各軸のサーボモータが内蔵するエンコーダ、又は各軸が有するレゾルバにより、回転角、角速度を検出する。各軸の角速度に各軸のアーム長を乗じて得たスカラ量と、アーム角度に垂直な角度成分の内積により各軸の速度を演算し、その合成速度を現在速度Vとして算出する。
図11を参照して、ノズル姿勢の角度補正量の演算について説明する。切断面のテーパ角度の予測値は、ノズル傾斜角度θの算出に利用される。ノズル傾斜角度θは、式2によって、求められる。ここで、tは被切断物Wの切断厚、Vは現在の切断速度、Vは最適切断速度を示す。ここで、θは規定テーパ角度である。規定テーパ角度θを0度とすれば、製品側の切断面の傾斜を解消できる。
Figure 0006058575
切断方向(被切断物Wに対するノズル4の相対移動(進行)方向)φは、実際の切断速度VのX軸成分と、Y軸成分をそれぞれV,Vとして、式3で求められる。
Figure 0006058575
ノズル傾斜方向φ[°]は、鉛直方向を含み、切断方向に垂直な面である。この面上でノズル4を上記ノズル傾斜角度θ常に傾斜させながら被切断物Wの切断を行う。このノズル傾斜方向φは、切断を進める進行方向の左右いずれの切断面を精度よく仕上げるかにより、その方向が入れ替わる。進行方向の左側が切断後の必要部材であって、左側の切断面を精度よく仕上げるときは、ノズル傾斜方向φは式4で与えられる。その逆に、進行方向の右側が切断後の必要部材であって、右側の切断面を精度よく仕上げるときは、ノズル傾斜方向φは式5で与えられる。
Figure 0006058575
Figure 0006058575
このとき、A軸の角度補正量γは式6で、B軸の角度補正量δは式7で求められる。
Figure 0006058575
Figure 0006058575
(ポジション指令の作成、送信及び切断)
演算装置11は、切断プログラムの各ブロック(経路)に割り当てられた速度に応じて、移動機構2のサーボアンプへ送信するポジション指令(パルス列)を出力する。その際に、演算装置11は、現在速度V、材質係数M、及び切断パラメータに基づき算出した角度補正量γ,δに応じたポジション指令補正量を常時演算し、切断プログラムにより作成したポジション指令に常時合成して、出力するポジション指令を作成する。
通信装置13は、補正されたポジション指令をサーボアンプへ出力する。そして、サーボアンプは、通信装置13から受けたポジション指令に基づき、サーボアンプへ駆動パルスを発信し、移動機構2を移動させる。移動機構2の実際の移動量、切断速度Vは検出機構3により検出され、サーボアンプへ送信される。
ノズル4は、演算装置11の作成したポジション指令に基づいて移動機構2により移動する。この作用により、ノズル4は、コーナ部付近の加減速、及び角度補正量を加味し、入力した切断プログラムと入力した設定切断速度Vに対応し、自動的にノズル姿勢の角度補正がなされつつ移動を行う。これにより切断面の一方の側(製品側)の傾斜角度が規定値内に収まり、所定の切断形状の切断物(製品)が得られる。
前記したように本実施形態によれば、現在の切断速度V下における一対の切断面のテーパ角度を予測して、予測されたテーパ角度に対応してノズル4を傾斜させることにより、製品側の切断面の傾斜を解消することができる。ここで、入力された設定切断速度Vや切断形状によらず、常にノズル4が最適な姿勢を保ち、被切断物Wを切断した際に生ずる2つの切断面のうちの一方(製品側)の切断面の傾斜が解消される。
また、ノズル4を傾斜させて製品側の切断面の傾斜角度を指定範囲に収めるようにしたため、ノズル4を傾斜させずに一対の切断面のテーパ角度を一定範囲に保つ切断速度に比較して、高い切断速度での切断が可能となる。
なお、以上の実施形態においては、切断プログラムがXYの2次元の動作を行う場合について説明したが、切断プログラムがXYZの3次元の動作及びXYZAB各軸を移動する場合の動作を含んでも良い。この場合は、AB軸の指示角度によって具現化されるノズルの中心軸の方向を仮想の鉛直方向として進行方向に対してノズル4を傾斜することができる。
なお、移動機構2の軸構成として、XYZAB軸の軸構成としたが、これをXYZAC軸、又はXYZBC軸の軸構成に替えても良い。各軸への角度割付は、軸構成によって適宜変更する。なお、軸構成によっては、C軸角度を変更してもノズル4が傾斜しない場合があり得る。このときは、切断の形状に従って、C軸の方向を進行方向に沿わせるようにいわゆる法線方向制御を行い、常にノズル4の角度(姿勢)を制御可能な状態とする。
1 制御装置
11 演算装置
12 記憶装置
13 通信装置
14 表示装置
15 入力装置
2 移動機構
3 検出機構
4 ノズル
5 キャッチャ
6 高圧水供給機構
7 研磨材供給機構
8 水タンク
9 高圧ポンプ
10 高圧配管
100 ウォータージェット切断装置
CF 製品側の切断面
アブレシブノズル径
ウォーターノズル径
研磨材供給量
M 材質係数
N1,N2,N21,N22,N31,N32 ブロック
P 切断圧力(噴射圧力)
Q 切断品質係数
t 切断厚
V 現在の切断速度
最適切断速度
コーナ切断速度
設定切断速度
rv 算定切断速度
W 被切断物
γ A軸の角度補正量
δ B軸の角度補正量
θ ノズル傾斜角度
φ 切断方向
φ ノズル傾斜方向
ψ 頂点の角度

Claims (9)

  1. 研磨材を混入したウォータージェットをノズルから噴射し、ノズルと被切断物とを相対移動させて被切断物を切断するウォータージェット切断方法であって、
    切断処理に関するプログラムである切断プログラム、設定切断速度、及び前記被切断物の材質に関する情報と切断品質とを含む切断パラメータを入力するステップと、
    前記切断品質に適合する切断速度である算定切断速度を前記切断パラメータに基づいて演算するステップと、
    前記切断プログラムから切断形状を演算し、該切断形状を直線部とコーナ部とに分割するステップと、
    前記コーナ部の形状に基づき、前記算定切断速度以上、かつ、前記算定切断速度以上である前記設定切断速度以下の範囲内で、前記コーナ部に適用するコーナ切断速度を演算するステップと、
    前記設定切断速度を前記切断プログラムにおける前記直線部に、前記コーナ切断速度を前記切断プログラムにおける前記コーナ部に、それぞれ指令切断速度として割り当てる割当処理を行うステップと、
    前記指令切断速度が割り当てられた前記切断プログラムに基づき、前記ノズルを前記被切断物に対して相対移動させるステップと、を含むウォータージェット切断方法。
  2. 前記被切断物の材質に関する情報は、材質名称であり、
    材質名称に対応する材質係数を記録した材質テーブル上から、入力した前記材質名称に対応する材質係数の値を検索して読み込んで前記算定切断速度の演算に用いる、請求項1に記載のウォータージェット切断方法。
  3. 前記切断プログラムの実行中のブロックから先の一定数のブロックを読み込み、その読み込んだブロックごとに前記割当処理を順次行う、請求項1又は請求項2に記載のウォータージェット切断方法。
  4. 前記設定切断速度を前記算定切断速度と同じ値に変更する処理を行う、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のウォータージェット切断方法。
  5. 前記切断品質は、前記被切断物の切断後における一対の切断面のうちの製品側の切断面の傾斜角度に係る情報を含み、
    前記ウォータージェット切断方法は、
    前記ノズルの前記被切断物に対する相対移動速度である切断速度を検出するステップと、
    検出された前記切断速度、前記被切断物の切断後における一対の切断面のテーパ角度を最小化する前記算定切断速度、及び前記切断パラメータに基づき、前記一対の切断面のテーパ角度を予測するステップと、
    前記被切断物の一対の切断面のうちの製品側の切断面の傾斜角度を指定範囲に抑えるためのノズル姿勢の角度補正量を演算するステップと、を含み、
    前記切断プログラムに基づく前記ノズルの前記被切断物に対する相対的な移動量に、前記角度補正量を加算して、前記ノズルを前記被切断物に対して相対移動させる、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のウォータージェット切断方法。
  6. ノズルと被切断物とを相対的に移動させる移動機構と、前記ノズルへ高圧水を供給する高圧水供給機構と、前記ノズルへ研磨材を供給する研磨材供給機構と、前記移動機構の制御装置と、を備えるウォータージェット切断装置であって、
    前記移動機構は、前記制御装置から受信したポジション指令に基づいて移動し、
    前記制御装置は、
    切断処理に関するプログラムである切断プログラム、設定切断速度、及び前記被切断物の材質に関する情報と切断品質とを含む切断パラメータを入力するための入力装置と、
    前記切断プログラム、前記ノズルの前記被切断物に対する相対移動速度である切断速度を決定する演算プログラム、及び前記切断速度が割り当てられた切断プログラムを記憶する記憶装置と、
    前記切断パラメータを前記記憶装置に記憶させ、前記切断品質に適合する切断速度である算定切断速度を前記切断パラメータに基づいて演算し、前記切断プログラムから切断形状を演算し、該切断形状を直線部とコーナ部とに分割し、前記コーナ部の形状に基づき、前記算定切断速度以上、かつ、前記算定切断速度以上である前記設定切断速度以下の範囲内で、前記コーナ部に適用するコーナ切断速度を演算し、前記設定切断速度を前記切断プログラムにおける前記直線部に、前記コーナ切断速度を前記切断プログラムにおける前記コーナ部に、それぞれ指令切断速度として割り当て、前記指令切断速度が割り当てられた前記切断プログラムに基づいて前記ポジション指令を作成する演算装置と、
    前記ポジション指令を前記移動機構に送信する通信装置と、を含むウォータージェット切断装置。
  7. 前記被切断物の材質に関する情報は、材質名称であり、
    前記記憶装置は、材質名称に対応する材質係数を記録した材質テーブルを記憶しており、
    前記演算装置は、前記材質テーブル上から、入力した前記材質名称に対応する材質係数の値を検索して読み込んで前記算定切断速度の演算に用いる、請求項6に記載のウォータージェット切断装置。
  8. 前記演算装置は、前記設定切断速度を前記算定切断速度と同じ値に変更する処理を行う、請求項6又は請求項7に記載のウォータージェット切断装置。
  9. 前記切断品質は、前記被切断物の切断後における一対の切断面のうちの製品側の切断面の傾斜角度に係る情報を含み、
    前記移動機構は、前記ノズルの前記被切断物に対する相対移動速度である切断速度を検出する検出機構を更に備え、
    前記通信装置は、前記切断速度を受信し、
    前記演算装置は、受信された前記切断速度、前記被切断物の切断後における一対の切断面のテーパ角度を最小化する前記算定切断速度、及び前記切断パラメータに基づき、前記一対の切断面のテーパ角度を予測し、前記被切断物の一対の切断面のうちの製品側の切断面の傾斜角度を指定範囲に抑えるためのノズル姿勢の角度補正量を演算し、前記角度補正量に対応するポジション指令補正量を演算し、前記ポジション指令に前記ポジション指令補正量を合成する、請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載のウォータージェット切断装置。
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