JP6058560B2 - 抗ウイルス性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、抗ウイルス活性を有するFicus arnottianaという植物からの抽出物を包含する組成物に関する。本発明は、該組成物の調製プロセスにも関し、さらに、ウイルス感染症、具体的には単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus; HSV)によって引き起こされるウイルス感染症の治療において使用するための組成物にも関する。
ウイルスは、生命を脅かしたり死に至らしめたりする多数のヒト疾患の病原である。特に懸念されるのは、例えば、単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒトヘルペスウイルス6型、7型、および8型(HHV−6、HHV−7、および、HHV−8)などの各種ヘルペスウイルスである。
単純ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされるウイルス性疾患である。HSV−1は一般に、熱の華または発熱疱疹として知られる顔面の疱疹に関連する。HSV−1感染は概ね中咽頭の粘膜において発生し、三叉神経節がコロニー化されて不顕性ウイルスを内包するようになる。HSV−2は、HSV−1に比べて性器ヘルペスに関連することが多い。HSV−2は通常性交によって伝染し、肛門、直腸、上部消化管において、さらに、仙骨神経節での播種をともなって生殖器部において発生する。いずれのウイルスも、接触部位によっては、これとは反対にそれぞれ生殖器の粘膜または口の粘膜に感染することもある。いずれのウイルスも中枢神経系に侵襲して増殖し、後根神経節において潜伏感染を確立する能力を有する。
免疫不全患者、特にヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した患者においては、HSVによって引き起こされる疾患が生命を脅かす可能性がある。一次感染の後、HSVは宿主の生涯にわたって宿主において生存し続けるので、HSV感染は生涯感染症であると考えられている(The Journal of Infectious Diseases,2002,186,S71−S77)。
疱疹を治療するために使用される抗ウイルス薬をいくつか挙げると、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ペンシクロビルなどがある。ここに列挙した抗ウイルス薬の中では、アシクロビルが、HSV−1およびHSV−2によって引き起こされるウイルス感染症の治療に使用される。
Ficus arnottianaは、インドおよびスリランカにおいて広く分布しており、気根を有しない中程度の大きさの落葉樹である。この植物は、伝統的なアーユルベーダ系医学によれば、皮膚疾患、炎症、下痢、糖尿病、灼熱感、ハンセン病、疥癬、および、創傷に対して有用である(Natural Product Radiance,2009,8(5),478−482)。
ウイルス感染症、具体的にはヘルペス感染症の予防および治療のための効果的な組成物および方法に対する必要性は依然存在している。ヘルペス感染症の発生率および重症度は、攻撃的な化学療法計画、臓器移植の拡大、および、HIV感染の発生率の増加によって、発生する免疫不全患者数が増加していることが原因となって増加している。
我々の知る限りにおいて、Ficus arnottianaという植物からの抽出物を含有する、ウイルス感染症を治療することを目的とする治療薬についての報告は一切存在しない。
〔発明の概要〕
本発明は、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物を、薬学的に許容可能な担体と組み合わせて包含する組成物に関する。
また、本発明は、Ficus arnottianaという植物からの抽出物および単離済み抽出物を有効成分として包含する組成物の調製プロセスにも関する。
また、本発明は、上記組成物の抗ウイルス活性にも関する。
本発明の一態様において、上記組成物の抗ウイルス活性は抗HSV活性である。本発明は一態様において、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされるウイルス感染症の予防および治療において使用するための、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物と薬学的に許容可能な担体とを包含する組成物に関する。
さらに、本発明は、被験体において単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされるウイルス感染症の治療方法であって、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物を薬学的に許容可能な担体と組み合わせて包含する組成物を被験体に投与することを含む方法にも関する。
また、本発明は、コンドームなどの障壁具とともに併用してウイルス感染症の予防において使用するための、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物と薬学的に許容可能な担体とを包含する組成物にも関する。
本発明には、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされるウイルス感染症の予防および治療において使用するための、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物を薬学的に許容可能な担体と組み合わせて包含する組成物が含まれる。
さらに、本発明には、Ficus arnottianaという植物の単離抽出物を、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされるウイルス感染症の治療のための治療薬を製造する用途に用いる使用方法が含まれる。
図1は、HPLCによって分析した、実施例4の試料23のクロマトグラムを示している。このクロマトグラムは、生物活性マーカー(BM)のピークを2つ、具体的にはBM−1のピークおよびBM−2のピークを示している。 図2は、HPLCによって分析した、実施例6の調合物IBのクロマトグラムを示している。このクロマトグラムは、生物活性マーカー(BM)のピークを2つ、具体的には、BM−1のピークおよびBM−2のピークを示している。 図3は、HSV−1に対する実施例4の試料23の感染前の阻害活性を、アシクロビルの阻害活性と比較して示している。 図4は、HSV−2に対する実施例4の試料23の感染前の阻害活性を、アシクロビルの阻害活性と比較して示している。 図5は、HSV−1の吸着に対する実施例4の試料23の阻害効果を、アシクロビルの阻害効果と比較して示している。 図6は、HSV−2の吸着に対する実施例4の試料23の阻害効果を、アシクロビルの阻害効果と比較して示している。 図7は、HSV−1の侵入に対する実施例4の試料23の阻害活性を、アシクロビルの阻害活性と比較して示している。 図8は、HSV−2の侵入に対する実施例4の試料23の阻害活性を、アシクロビルの阻害活性と比較して示している。 図9は、HSV−1に対する実施例4の試料23の殺ウイルス効果を、アシクロビルの殺ウイルス効果と比較して示している。 図10は、HSV−2に対する実施例4の試料23の殺ウイルス効果を、アシクロビルの殺ウイルス効果と比較して示している。
〔発明の詳細な説明〕
本発明の詳細な説明に入る前に、本発明は特定の実施形態に限定されるものではないことが理解されなければならない。さらに、本明細書において使用する用語は特定の実施形態のみを説明することを目的としているのであって、限定することを意図していないことも理解されなければならない。
本明細書および請求項において使用しているように、明らかに文脈と矛盾することがないかぎり、「a」、「an」、および、「the」という単数形には複数形に対する言及が含まれる。
特記しないかぎり、本明細書において使用する技術用語および科学用語は、すべて、本発明が属する分野の当業者が一般に理解する意味と同じ意味を有する。
本明細書において使用する「治療する」または「治療」という用語には、予防的治療および対症治療が含まれる。
「Ficus arnottiana」という用語には、例えば、「Ficus populifolia」、「Urostigma arnottianum」、および、「Urostigma cordifolium」などの異名も含まれる。
本明細書において言及する「抽出物」または「単離抽出物」は、Ficus arnottianaという植物中に存在する化合物の混合物、または、該植物から得られる画分の混合物を意味する。このような化合物または画分は、Ficus arnottianaという植物の粉砕した全体またはその部分(例えば、茎(皮の付いた茎)、皮無しの茎、皮、小枝など)から、適切な溶媒を用いて抽出することによって得られる。また、この抽出ステップに続いて、随意的に濃縮ステップが実施されてもかまわない。「抽出物」および「単離抽出物」という用語は、互換的に使用され得る。
本明細書において言及する「抗ウイルス薬」とは、ウイルス感染症、具体的には単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒトヘルペスウイルス6型、7型、および8型(HHV−6、HHV−7、および、HHV−8)などの各種単純ヘルペスウイルスによって引き起こされるウイルス感染症を治療するために特異的に使用される種類の治療薬を指す。
本明細書において言及する「組成物」とは、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の抽出物または単離抽出物を、薬学的に許容可能な担体と組み合わせて包含するハーブ性組成物または薬学的組成物を指す。なお、「組成物」という用語は広い意味で解釈されるべきであって、本用語には、例えば意図する指示事項についてラベルを付して医薬品として販売されるのか、店頭で販売されるのか、あるいは生薬として販売されるのかにかかわらず、治療効果を達成することを目的とする任意の組成物が含まれる。
本明細書では、「治療上有効な量」という用語は、Ficus arnottianaという植物からの抽出物の、所望の治療上の反応をもたらす量を意味する。この治療上の反応とは、例えば、ウイルス感染症の緩和、治療、防止、または、ウイルス感染症に関連するもしくはウイルス感染症(具体的にはHSV−1もしくはHSV−2)によって引き起こされる各種の皮膚病変、でき物、熱の華、疱疹、疣贅、しこり、腫れ物、面皰、発疹や潰瘍などの各症状の緩和、治療、防止などである。
「薬学的に許容可能」とは、担体、希釈液、賦形剤、および/または、塩が、調合物に包含される他の成分に対して融和性を有していなければならず、該調合物の服用者にとって有害であってはならないことを意味する。
本明細書では、「薬学的に許容可能な担体」という用語は、任意の種類の無毒で不活性な固体、半固体、希釈液(例えば水)、カプセル化物質、製剤補助制を意味する。薬学的に許容可能な担体として作用する物質の非限定的な例をいくつか挙げると、ラクトースやグルコース、ショ糖などの糖;トウモロコシのデンプンやジャガイモのデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;麦芽;ゼラチン;タルク;さらに、ラウリル硫酸ナトリウムやステアリン酸マグネシウムなどのその他の無毒で融和性を有する潤滑剤;さらに、着色剤;放出剤;コーティング剤;甘味剤、香料添加剤、および、芳香剤;フェノリップ(phenolip)、メチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベンなどの防腐剤;抗酸化剤;蜜蝋、カルナウバ蝋、硬蝋、黄蝋、セチルエステルなどの油またはワックス;モノステアリン酸グリセリンなどの乳化剤;パラフィン、ラノリンアルコール、白色ワセリン、黄色ワセリン、羊毛アルコール、ワセリン(petroleum jelly)、石油ワックスなどのワセリン;プロピレングリコール、メチルグリコール、メチルエチレングリコールなどのグリコール;カルボポール(carbopol(登録商標) 974P)などのカルボマー;セトステリル(cetosteryl)アルコールなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;トリエタノールアミンなどの可塑剤などがある。溶媒および親水性ゲル化剤も、組成物中において調合者の判断次第で存在可能である。
本明細書で使用する「生物活性マーカー」という用語は、Ficus arnottianaという植物の全体またはその部分(例えば、茎(皮の付いた茎)、皮無しの茎、皮、小枝など)からの抽出物中に存在する生物学的活性を有する化学物質を指す。Ficus arnottianaという植物の茎の抽出物から単離される生物活性マーカーは、抗ウイルス活性を示す。
本明細書で使用する「被験体」という用語は、動物、具体的には哺乳動物、さらに具体的にはヒトを指す。本明細書で使用する「哺乳動物」という用語は、皮膚が毛で覆われていることと、雌において幼生に栄養を与えるために乳を生成する乳腺を有することとを特徴とする、ヒトを含めた哺乳綱の温血脊椎動物を指す。哺乳動物という用語には、例えば、ネコ、イヌ、ウサギ、クマ、キツネ、オオカミ、サル、シカ、マウス、ブタ、ヒトなどの動物が含まれる。
Ficus arnottianaという植物は、インドおよびスリランカにおいて広く分布する種である。この植物の全体またはその部分(例えば、茎、皮無しの茎、皮、小枝など)を、ベルガウム(Belgaum)、コラープル(Kolhapur)、ゴア(Goa)などのインドのマハラシュトラ州およびその周辺の各地で収集した。収集したばかりの該植物またはその一部を乾燥させた。分類学によって特定するために、開花中および結果中の押し葉標本を収集し、インドのムンバイのゴレガオン(Goregaon)に所在するPiramal Healthcare Limited社(旧Piramal Life Sciences Limited社)の植物標本部門に寄託した。形態形質にもとづいて、この押し葉標本をFicus arnottianaであると特定した。本発明において得られ、使用される抽出物は、インドのマハラシュトラ州において生育するFicus arnottianaという植物から得られる抽出物に限定されるものではなく、他の地域において生育する任意のFicus arnottiana植物から得られるものであってかまわない。
本発明は、Ficus arnottianaという植物の粉砕した全体または1つ以上の部分を溶媒中において攪拌し、続いて、得られた抽出物を濃縮し、さらに随意的にこの抽出物を溶媒分離(solvent partitioning)によって濃縮することによって調製される、該植物の全体または1つ以上の部分からの単離抽出物に関する。使用可能な植物の部分としては、皮の付いた茎、皮無しの茎、皮、葉、小枝、根、花、花部、種子、果実などが挙げられる。使用される植物の部分は、茎(皮の付いた茎)、皮無しの茎、皮、および、小枝から選択されることが好ましい。
また、本発明は、Ficus arnottianaという植物の全体または1つ以上の部分からの治療上有効な量の単離抽出物を、薬学的に許容可能な担体と組み合わせて包含する組成物にも関する。
また、本発明は、Ficus arnottianaという植物からの抽出物の調製プロセス、および、この抽出物を有効成分として包含する組成物の調製プロセスにも関する。
上記組成物の調製プロセスは、
(a)溶媒中において1:8〜1:10の重量/体積比で、30℃〜50℃で3時間〜12時間攪拌することによって、Ficus arnottianaという植物の粉砕した全体または1つ以上の部分から抽出物を調製するステップと、
(b)ステップ(a)において得られた抽出物を濃縮するステップと、
(c)随意的に、ステップ(b)において得られた抽出物を、高真空下(0.01〜5mmHg)で乾燥させるステップと、
(d)随意的に、ステップ(b)またはステップ(c)において得られた抽出物を溶媒分離によって濃縮するステップと、
(e)ステップ(b)、ステップ(c)、または、ステップ(d)において得られた抽出物を薬学的に許容可能な担体と混合し、上記組成物を得るステップとを含む。
本発明の一態様において、ステップ(b)、ステップ(c)、または、ステップ(d)において得られた抽出物は、薬学的に許容可能な担体を用いずに使用されてもかまわない。
本発明の別の態様において、上記植物の部分は、茎、皮、皮無しの茎、および、小枝から選択される。
一実施形態において、本発明の組成物は、Ficus arnottianaという植物の茎からの抽出物を包含する。これに応じて、Ficus arnottianaという植物の茎からの抽出物を包含する組成物の調製プロセスが提供される。この調製プロセスは、
(a)溶媒中において1:8〜1:10の重量/体積比で、30℃〜50℃で3時間〜12時間攪拌することによって、Ficus arnottianaという植物の茎からの抽出物を調製するステップと、
(b)ステップ(a)において得られた抽出物を濃縮するステップと、
(c)随意的に、ステップ(b)において得られた抽出物を、高真空下(0.01〜5mmHg)で乾燥させるステップと、
(d)随意的に、ステップ(b)またはステップ(c)において得られた抽出物を溶媒分離によって濃縮するステップと、
(e)ステップ(b)、ステップ(c)、または、ステップ(d)において得られた抽出物を薬学的に許容可能な担体と混合し、治療用剤として調合するステップとを含む。
本発明の一態様において、ステップ(b)、ステップ(c)、または、ステップ(d)において得られた抽出物は、薬学的に許容可能な担体を用いずに使用されてもかまわない。
Ficus arnottianaという植物の上記全体または1つ以上の部分は、粉砕されてもかまわない。また、Ficus arnottianaという植物の上記全体または1つ以上の部分は、粗く粉砕されても、粉末になるまで粉砕されても、または、これ以外の種類の生地になるように粉砕されてもかまわない。
本発明の一実施形態において、Ficus arnottianaという植物の粉砕した全体または1つ以上の部分を抽出するための上記溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アセトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、水、または、これらの混合物から選択され、好ましくはメタノールと水との混合物である。
本発明の一実施形態において、上記溶媒抽出物は濃縮前に濾過される。
本発明の一実施形態において、上記溶媒抽出物の濃縮は、(i)30℃〜50℃での減圧下(150〜600mmHg)における蒸留法、(ii)凍結乾燥法、および、(iii)噴霧乾燥法から選択される1つ以上の方法を用いて行われて、抽出物が得られる。
本発明の一実施形態において、溶媒分離によって抽出物を濃縮するための上記溶媒は、水、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メタノール、アセトン、アセトニトリル、n−プロパノール、イソプロパノール、および、ブタノール、または、これらの混合物から選択される。
本発明の一態様において、Ficus arnottianaという植物の全体または1つ以上の部分からの抽出物から、1つ以上の生物活性マーカーが単離される。
本発明の一実施形態では、Ficus arnottianaという植物からの抽出物中において、2つの生物活性マーカーが特定される。これらの生物活性マーカーは該抽出物から単離され、具体的にはフロリジンおよび5,7,4’−トリヒドロキシフラボンであると特定される。
本発明の別の一実施形態では、Ficus arnottianaという植物からの抽出物を包含する組成物から、2つの生物活性マーカーが単離される。これらの生物活性マーカーは、フロリジンおよび5,7,4’−トリヒドロキシフラボンであると特定される。
これに応じて、一態様において、本発明は、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされるウイルス感染症の予防および治療において使用するための、1つ以上の生物活性マーカーを含有する、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の抽出物を包含する組成物に関する。
一実施形態において、上記抽出物中に含有される生物活性マーカーは、フロリジンおよび5,7,4’−トリヒドロキシフラボン、または、これらの混合物である。
一実施形態において、本発明は、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされるウイルス感染症の治療において使用するための、Ficus arnottianaという植物からの抽出物から単離される生物活性マーカーであって、このHSVがHSV−1またはHSV−2であってもよく、フロリジン、5,7,4’−トリヒドロキシフラボン、または、これらの混合物から選択される生物活性マーカーに関する。
また、本発明は、被験体において単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされるウイルス感染症の治療方法であって、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物を包含する組成物を被験体に投与することを含む治療方法にも関する。
また、本発明は、被験体においてHSVによって引き起こされるウイルス感染症の治療方法であって、このHSVがHSV−1であって、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物を包含する組成物を被験体に投与することを含む治療方法にも関する。
さらに、本発明は、被験体においてHSVによって引き起こされるウイルス感染症の治療方法であって、このHSVがHSV−2であって、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物を包含する組成物を被験体に投与することを含む治療方法にも関する。
さらに、本発明は、HSVによって引き起こされるウイルス感染症の予防および治療において使用するための、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物を薬学的に許容可能な担体と組み合わせて包含する組成物にも関する。
さらに、本発明は、HSVによって引き起こされるウイルス感染症の予防および治療において使用するための、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物を薬学的に許容可能な担体と組み合わせて包含する組成物であって、このHSVがHSV−1である組成物にも関する。
さらに、本発明は、HSVによって引き起こされるウイルス感染症の予防および治療において使用するための、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物を薬学的に許容可能な担体と組み合わせて包含する組成物であって、このHSVがHSV−2である組成物にも関連する。
また、本発明は、Ficus arnottianaという植物からの治療上有効な量の単離抽出物を薬学的に許容可能な担体と組み合わせて、ウイルス感染症の治療のための治療薬を製造する用途に用いる使用方法にも関する。
本発明の一態様において、治療対象または使用対象となる被験体は哺乳動物であって、具体的にはウイルスによって引き起こされる感染症に罹っていると診断されたヒトである。さらに具体的には、治療対象となる哺乳動物は、HSVによって引き起こされる感染症に罹っていると診断されたヒトである。
本発明の別の一態様において、治療対象となる被験体は哺乳動物であって、具体的にはヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染していると診断された、HSV−1との同時感染に対する予防措置として上記組成物が投与されるヒトである。
本発明のさらに別の一態様において、治療対象となる被験体は哺乳動物であって、具体的にはヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染していると診断された、HSV−2との同時感染に対する予防措置として上記組成物が投与されるヒトである。
本発明のさらに別の一態様において、治療対象となる哺乳動物は、性感染症(STI)に対する予防措置として上記組成物が投与されるヒトである。
本発明の別の一態様において、治療対象となる被験体は哺乳動物であって、具体的にはHSVによって引き起こされる回帰感染症に罹っていると診断されたヒトである。
本発明において、本発明の組成物を、例えば、アシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、イムノビル、インジナビル、または、オセルタミビルなどの別の抗ウイルス薬と組み合わせて使用してもかまわない。
本発明の一態様において、ウイルス感染症の治療方法は、上述の組成物を以下に記載するものを含めた公知の投与経路によって投与することを含む。
上記組成物は、例えば、丸剤、錠剤、コーティングされた錠剤、カプセル、顆粒、溶液、エリキシル剤、シロップなどの形態で経口的に投与されてもかまわない。
本発明によれば、経口投与用に調合された組成物(経口用調合物)は、Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物を約5重量%〜約99重量%包含する。この経口用調合物は、Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物を、例えば、糖、デンプン、潤滑剤などの従来のベースとよく混合することによって調製される。
上記組成物は局所投与または経皮投与されてもかまわない。本発明の局所投与用組成物としては、皮膚への局所適用または経皮適用に適した調合物、粘膜への投与に適した調合物、コンドームなどの障壁具とともに併用する投与に適した調合物などが挙げられる。上記組成物を調合して、さまざまな生成物の種類を生成してもかまわない。このさまざまな生成物の種類としては、ローション、クリーム、ゲル、ステック、パッチ、膣坐薬、ペッサリー、スプレー、軟膏などが挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。
本発明によれば、局所適用または経皮適用のために調合された組成物は、Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物を約5重量%〜約99重量%、好ましくは5重量%〜50重量%包含する。上記局所投与用調合物または経皮投与用調合物は、Ficus arnottianaという植物からの抽出物を、例えば油、ワックス、グリコールなどの従来のベースと混合することによって調製される。
Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物は、ある具体的な患者に対して所望の治療上の反応を達成することができ、かつ、その患者にとって有毒性を有していたり重篤な副作用を引き起こしたりすることがない効果的な量で、本発明の組成物中に包含されている。この効果的な量は、使用する本発明の抽出物の効力、投与経路、投与時刻、使用する具体的な組成物の排泄速度、治療期間、治療を受ける患者の年齢、性別、体重、病状、体調、既往歴などの、医療分野において周知の因子を含めた種々の因子に依存する。
Ficus arnottianaという植物からの抽出物の効力は、以下の実施例において詳細に記載する生物検定によって確認した。これらの実施例は、本明細書において例示を目的として提示されるものにすぎないのであって、本発明の技術的範囲を限定することを意図とするものではない。
(注意: 実験プロトコールで使用した水は脱塩水である)
〔実施例1〕
Ficus arnottianaからのジクロロメタン(DCM)およびメタノール(1:1)抽出物の調製
Ficus arnottianaの収集したばかりの茎を、除湿器を用いて乾燥させ、粉砕した。40℃±5℃で維持した水浴中に設置した丸底フラスコ中で、等速で攪拌しながら、この粗く粉砕した物質(150g)を1500mLのDCM/メタノール(1:1)に3時間浸した。抽出物を濾過した。残留物を40℃±5℃で1500mLのDCM/メタノール(1:1)に3時間浸し、抽出物を濾過した。これらの抽出物を混ぜ合わせ、ロータリーエバポレーターを真空ラインと併用して(約500mmHg)45℃で濃縮して、5.0gの粗抽出物を得た(試料1とする)。
茎、皮、皮無しの茎、小枝などの植物の他の部分からのDCM/メタノール(1:1)抽出物を、茎の場合と同じ手順で調製した。各抽出物の収率を次に示す。
(i)50gの皮からは2.5gの抽出物が得られた(試料2とする)。
(ii)50gの皮無しの茎からは2.0g抽出物が得られた(試料3とする)。
(iii)300gの小枝からは16.3gの抽出物が得られた(試料4とする)。
〔実施例2〕
実施例1の試料1、試料2、試料3、試料4の濃縮
ステップ1
試料1(1g)を30mLの水/メタノール(9:1)中において室温(25℃±5℃)で懸濁および超音波処理して溶解させ、30mLの石油エーテルを用いて3回続けて溶媒分離した(60℃〜80℃)。ロータリーエバポレーターを真空ラインと併用して石油エーテルの層を濃縮して、0.5gの石油エーテル画分を得た(試料5とする)。
ステップ2
ステップ1から得られた水性濾液を、30mLのクロロホルムを用いて3回続けて溶媒分離した。ロータリーエバポレーターを真空ラインと併用してクロロホルム層を濃縮して、0.10gのクロロホルム画分を得た(試料6とする)。
ステップ3
次に、ステップ2から得られた水層を、30mLの酢酸エチルを用いて3回続けて溶媒分離した。ロータリーエバポレーターを真空ラインと併用して酢酸エチル層を濃縮して、0.07gの酢酸エチル画分を得た(試料7とする)。
ステップ4
次に、ステップ3から得られた水層を、ロータリーエバポレーターを真空ラインと併用して濃縮して残留有機溶剤を除去して凍結乾燥し、0.24gの水性画分を得た(試料8とする)。
茎、皮、皮無しの茎、小枝などの植物の他の部分からの抽出物の濃縮を、茎からの抽出物の場合と同じ方法で実施した。各抽出物の収率を次に示す。
(i)1gの試料2を濃縮すると、0.06gの石油エーテル画分(試料9とする)と、0.16gのクロロホルム画分(試料10とする)と、0.07gの酢酸エチル画分(試料11とする)と、0.24gの水性画分(試料12とする)とが得られた。
(ii)1gの試料3を濃縮すると、0.21gの石油エーテル画分(試料13とする)と、0.19gのクロロホルム画分(試料14とする)と、0.29gの酢酸エチル画分(試料15とする)と、0.28gの水性画分(試料16とする)とが得られた。
(iii)1gの試料4を濃縮すると、0.64gの石油エーテル画分(試料17とする)と、0.15gのクロロホルム画分(試料18とする)と、0.03gの酢酸エチル画分(試料19とする)と、0.08gの水性画分(試料20とする)とが得られた。
〔実施例3〕
Ficus arnottianaという植物からのメタノール抽出物の調製
Ficus arnottianaの収集したばかりの茎を乾燥させ、粉砕した。40℃±5℃で維持した水浴中に設置した丸底フラスコ中で、攪拌しながら、この粗く粉砕した物質(50g)を500mLのメタノールに3時間浸した。抽出物を濾過した。残留物を40℃±5℃で500mLのメタノールに3時間浸し、抽出物を濾過した。これらの抽出物を混ぜ合わせ、ロータリーエバポレーターを真空ラインと併用して濃縮して、2.06gの抽出物を得た(試料21とする)。
Ficus arnottianaという植物の小枝のメタノール抽出物を、茎の場合と同じ手順で調製した。50gの小枝から、3.95gの抽出物が得られた(試料22とする)。
〔実施例4〕
Ficus arnottianaという植物からのメタノール/水(1:1)抽出物の調製
Ficus arnottianaの収集したばかりの茎を乾燥させ、粉砕した。40℃±5℃で維持した水浴中に設置した丸底フラスコ中で、等速で攪拌しながら、この粗く粉砕した物質(100g)を1Lのメタノール/水(1:1)に3時間浸した。抽出物を濾過した。残留物を40℃±5℃で800mLのメタノール/水(1:1)に3時間浸し、抽出物を濾過した。これらの抽出物を混ぜ合わせ、ロータリーエバポレーターを真空ラインと併用して濃縮して凍結乾燥し、5.67gのハイドロメタノール抽出物を得た(試料23とする)。
Ficus arnottianaという植物の小枝からのハイドロメタノール抽出物を、茎の場合と同じ手順で調製した。50gの小枝から4.03gの抽出物が得られた(試料24とする)。
〔実施例5〕
Ficus arnottianaという植物からの水抽出物の調製
Ficus arnottianaの収集したばかりの茎を乾燥させ、粉砕した。45℃±5℃で維持した水浴中に設置した丸底フラスコ中で、等速で攪拌しながら、この粗く粉砕した物質(50g)を500mLの水に3時間浸した。抽出物を濾過して凍結乾燥し、1.04gの抽出物を得た(試料25とする)。
Ficus arnottianaという植物の小枝からの水抽出物を、茎の場合と同じ手順で調製した。50gの小枝から1.11gの抽出物が得られた(試料26とする)。
〔実施例6〕
調合物の調製
クリームの調製の一般的な手順
わずかに加熱した適切なガラス/ステンレス鋼製容器内において、必要量のメチルパラベンおよびプロピルパラベンを、プロピレングリコールおよび水に溶解させた(表1を参照)。実施例4の試料23を該容器に加え、機械的な攪拌機を用いて溶解/分散させた。温度は60℃〜75℃で維持した。等速で攪拌しながら、この溶液にモノステアリン酸グリセリンおよびプロピレングリコールを加えた。蜜蝋、白色軟質パラフィン、および、モノステアリン酸グリセリンを融解させて、等速で攪拌しながら上記容器に加えた。温度を室温までゆっくりと下げた。
表1:調合物IA、調合物IB、調合物IC
Figure 0006058560
〔実施例7〕
分析的分析
第1部 実施例4の試料23の評価
実施例4の試料23(100mg)を1mLのメタノール/水(1:1)に溶解させ、1mLの0.04MのKMnO4で処理し、室温で15分間保存した。この混合物を希釈液(メタノール/水(1:1))で希釈し、0.45μのポリフッ化ビニリデン(PVDF)製フィルタで濾過し、濾液をHPLCによって分析した。
分析に際するHPLCの諸条件
カラム: Unisphere aqua C18型、150×4.6mm、3μm
移動相A: 0.1%のトリフルオロ酢酸
移動相B: アセトニトリル
勾配: 時間(分)/%A: 0/90、25/60、30/20、35/20、36/90、40/90
作動時間: 40分
濃度: 10mg/mL
希釈液: メタノール/水(1:1)
波長: 270nm
結果
図1は、実施例4の試料23の分析用クロマトグラムを示している。このクロマトグラムは、保持時間14.3および21.8においてBM1(生物活性マーカー1)およびBM2(生物活性マーカー2)の2つの生物活性マーカーのピークを示す。いずれの生物活性マーカーも抗ウイルス活性を示した。BM1およびBM2を単離し、第3部に記載するように精製した。
第2部
実施例6の調合物IBの評価
実施例6の調合物IB(1g)を15mLのメタノール/水(1:1)に溶解させ、60℃で20分間加熱した。この結果得られた溶液を上記希釈液で20mLまで希釈し、0.45μのポリフッ化ビニリデン(PVDF)製フィルタで濾過し、濾液をHPLCによって分析した。
分析に際するHPLCの諸条件
カラム: Unisphere aqua C18型、150×4.6mm、3μm
移動相A: 0.1%のトリフルオロ酢酸
移動相B: アセトニトリル
勾配: 時間(分)/%A: 0/90、25/60、30/20、35/20、36/90、40/90
作動時間: 40分
濃度: 50mg/mL
希釈液: メタノール/水(1:1)
波長: 270nm
結果
図2は、実施例6の調合物IBの分析用クロマトグラムを示している。このクロマトグラムは、保持時間14.3および21.8においてBM1およびBM2の2つの生物活性マーカーのピークを示す。いずれの生物活性マーカーも抗ウイルス活性を示した。BM1およびBM2を単離し、第3部に記載するように精製した。
第3部
生物活性マーカーの単離
実施例4の試料23(85.0g)を1.6Lのメタノールに溶解させ、10分間超音波処理し、30分間放置して沈殿させた。上清をデカントし濾過して、濾液1を得た。不溶性部は200mLのメタノールで洗浄し、上清は濾過して濾液2を得た。濾液1および濾液2をロータリーエバポレーターにプールして乾燥させ、26.18gの試料を得た。得られた試料のうち13.0gを36mLのメタノール/水(75:25; v:v)に溶解させ、超音波処理および遠心分離した。上清をLH−20型カラム(5×80cm)に仕込み、メタノール:水(75:25; v:v)で溶出させた。同じ試料の13.0gの別のバッチを、上述の手順で処理した。どちらの画分も収集して、HPLCによって分析した。
分析に際するHPLCの諸条件
カラム: Unisphere、C18型、250×4.6mm、5μm
移動相A: 0.1%のトリフルオロ酢酸
移動相B: アセトニトリル
勾配: 時間(分)/%A: 0/90、30/20、35/20、36/90、40/90
作動時間: 40分
注入体積: 10μL
波長: 270nm
2つのLH−20型カラムから得られた各画分をプールし、真空下40℃で乾燥するまで濃縮し、100mgの生物活性マーカー1と135mgの生物活性マーカー2とを得た。生物活性マーカー1および生物活性マーカー2の乾燥試料をそれぞれ別々にC−18フラッシュクロマトグラフィーにかけて、さらに精製した。
フラッシュクロマトグラフィーの際のクロマトグラフィーの諸条件
カラム: Redisep C18型、14×2cm
移動相A: 0.1%のトリフルオロ酢酸
移動相B: アセトニトリル
勾配: 時間(分)/%A: 0/90、30/20、35/20、36/90、40/90
流量: 30mL/分
波長: 270nm
生物活性マーカー1
フラッシュクロマトグラフィーの各画分をHPLCによってモニタリングした。生物活性マーカー1を含む画分をプールし、真空下40℃で乾燥するまで蒸発させて、30mgの半純粋(semipure)な生物活性マーカー1を得た。これを、シリカ系カラムを用いた半分取HPLCによってさらに精製し、5.3mgの生物活性マーカー1を得た。実施例4の試料23中に、生物活性マーカー1は0.02%〜0.8%の範囲で存在する。
シリカ系カラムを用いた半分取HPLCの際のクロマトグラフィーの諸条件
カラム: Grace Silica社製、5μ(250×10mm)
移動相: メタノール/ジクロロメタン(10:90); v:v
流量: 5mL/分
波長: 270nm
試料濃度: 20mg/mL
質量分析およびNMR分析によるデータにもとづいて、生物活性マーカー1はフロリジンであると特定した。フロリジンの分子式はC212410であり、分子量は436.41である。
生物活性マーカー2
フラッシュクロマトグラフィーの各画分をHPLCによってモニタリングした。各画分から生物活性マーカー2の結晶が得られた。これらの結晶をデカンテーションによって分離して乾燥させ、20mgの生物活性マーカー2を得た。質量分析およびNMR分析によるデータにもとづいて、生物活性マーカー2は5,7,4’−トリヒドロキシフラボンであると特定した。5,7,4’−トリヒドロキシフラボンの分子式はC15105であり、分子量は270.05である。実施例4の試料23中に、生物活性マーカー2は0.01%〜0.1%の範囲で存在する。
生物学的評価
インビトロ抗ウイルスアッセイ
〔実施例8〕
ウイルスストックの調製
使用物質
細胞株: ベロ(アフリカミドリザルの腎細胞株の腎臓の上皮細胞、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)CCL−81)
ウイルス: HSV−1(ATCC株であるVR−1493、および、インド、ピューンのNational Institute of Virologyから入手した臨床株)
: HSV−2(ATCC株であるVR−734、および、インド、ピューンのNational Institute of Virologyから入手した臨床株)
培地: Dulbecco社、Modified Eagle Medium(DMEM、Gibco、米国、Cat.番号: 12430)
血清: ウシ胎仔血清(FBS、Gibco、米国、Cat.番号: 16000−044)
トリプシン−EDTA溶液: 0.25%のトリプシン−エチレンジアミン四酢酸(トリプシン−EDTA、Gibco、米国、Cat.番号: 25200)
標準化合物: アシクロビル(Medicorp社、インド、ハイデラバード)
プラスチック器具: 組織培養フラスコ、25cm2(Nunc社、米国、Cat.番号: 156367)
: 組織培養フラスコ、75cm2(Nunc社、米国、Cat.番号: 156499)
: 遠心管、15mL(Nunc社、米国、Cat.番号: 366060)
: 遠心管、50mL(Nunc社、米国、Cat.番号: 373687)
: 96ウェルの平底プレート(Nunc社、米国、Cat.番号: 167008)
染色剤: クリスタルバイオレット(Sigma社、米国、Cat.番号:C3886−25G)
抗菌性/抗真菌性混合物: 3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(Gibco、米国、Cat.番号: 15240)
(MTT)試薬: (Trevigen社、Gaithersburg、メリーランド州、Cat.番号: 4890−25−01)
洗浄剤: (Trevigen社、Gaithersburg、メリーランド州、Cat.番号: 4890−25−02)
ステップ1
細胞株の維持
Antiviral Research,2005,67,24−30に記載されているようにして、細胞株を維持した。なお、この文献に記載の手順については参照によって本明細書に引用されるものとする。
ATCCから得られたベロ細胞株を、完全増殖培地、つまり、10%のウシ胎仔血清(FBS)と1×の抗菌性/抗真菌性混合物とを補充したDulbecco社のModified Eagle Medium(DMEM)において増殖させた。継代培養には、細胞の単層を仕込んだT−25組織培養フラスコを選択した。フラスコのDMEMを除去し、血清を含まないDMEMで短時間洗浄して、トリプシンインヒビターを包含する微量な血清をすべて除去した。1mLのトリプシン−EDTA溶液をフラスコに加えて、細胞の単層が分散するまで(通常、3〜5分間以内)倒立顕微鏡で観察した。ただちに14mLの完全増殖培地を加え、ピペットを使用して細胞を穏やかに吸引した。3つの別々のT−25組織培養フラスコに5mLの細胞懸濁液をそれぞれ加えることによっても1:3の継代培養比が得られた。フラスコを5%のCO2下において37℃で維持した。
ステップ2
ウイルス(HSV−1およびHSV−2)の増殖
Antiviral Research,2005,67,24−30に記載されているようにして、ウイルスを増殖させた。なお、この文献に記載の手順については参照によって本明細書に引用されるものとする。
HSV−1およびHSV−2をベロ細胞において増殖させた。簡潔に記載すると、ベロ細胞を、10%のFBS、ペニシリン、および、ストレプトマイシン(完全培地)を補充したDMEM中において、5%のCO2下において37℃で生育させた。細胞の培養密度が80〜90%に達したら、得られた単層をそのままのDMEMを用いて洗浄し、適切なウイルス希釈液に感染させた。5%のCO2下において37℃で1時間、ウイルスを単層に吸着させた。1時間後に、ウイルスの接種材料を除去し、2%のFBSを補充した10mLのDMEMを加え、細胞の単層が完全に破壊されるまで、フラスコをさらに48時間インキュベートした。フラスコを1日に2回顕微鏡で観察して、細胞変性効果(CPE)が見られるかどうかを確認した。CPEとは細胞形態における変化であり、例えば、ウイルスによって引き起こされる、細胞の珠化や拡大、融合細胞や封入体の形成などである。インキュベーションを48時間行った後、次に、フラスコを2〜3回の凍結解凍サイクルに付し、細胞を完全に溶解させて、ウイルスを培地中へ放出させた。細胞片を、1000rpm、4℃で遠心分離を10分間行うことによって除去した。得られた上清を部分標本として−80℃で保存した。ウイルスストックのタイターを以下の方法で決定した。
ステップ3(A)
細胞変性効果(CPE)アッセイによるウイルスのタイターの決定
World J.Gastroenterol.,2006,12:4078−4081に記載されているようにして、アッセイを行った。なお、この文献に記載の手順については参照によって本明細書に引用されるものとする。
ウイルスのタイターをCPEアッセイによって決定して、組織培養感染量50(TCID50)で表わした。(ステップ1で得られた)ベロ細胞を、2×104個/100μL/ウェルの細胞密度で96ウェルのプレートに播種し、次に、5%のCO2下において37℃で24時間インキュベートして、80〜90%の培養密度を得た。(ステップ2で得られた)ウイルスストックを維持培地(2%のFBSを補充したDMEM)中において段階希釈(10-1〜10-8)した。増殖培地を培養プレートから除去し、各ウイルス希釈液100μLを使用してベロ細胞を感染させた。ベロ細胞を維持培地のみと組み合わせたものを細胞コントロールとした。感染後、培養プレートを、CO2恒温器中で37℃で48時間インキュベートした。インキュベーションを48時間行った後、ウイルス希釈液を播種したウェル中において倒立顕微鏡でCPEを調べた。ウイルスコントロールが最大CPEを示したときに、培地を除去し、感染済み単層を固定し、ホルマリン(10%)およびクリスタルバイオレット(1%)を含有する溶液を用いて30分間染色した。この30分の経過時に、染色液を吸引除去し、過剰な染色液をすべて洗い流すまで、蒸留水を用いてプレートを洗浄した。このプレートを一晩放置して乾燥させた。Am.J.Hyg.,1938,27,493−497に記載されているようにして、ウイルスのタイター(TCID50)を算出した。TCID50とは、播種済み培養物の50%においてCPEを発生させる投与量を表わすものである。
結果
CPEアッセイによって決定したHSV−1のウイルスのタイターは、5.88×106TCID50/mLであった。
CPEアッセイによって決定したHSV−2のウイルスのタイターは、1.58×107TCID50/mLであった。
ステップ3(B)
プラークアッセイによるウイルスのタイターの決定
Antiviral Res.,2005,67(1):24−30に記載されているようにして、アッセイを行った。なお、この文献に記載の手順については参照によって本明細書に引用されるものとする。
ウイルスのタイターをプラークアッセイによっても決定して、1mL当たりのプラーク形成単位(pfu/mL)で表わした。(ステップ1で得られた)ベロ細胞をトリプシン化して勘定し、2×105個/mL/ウェルの細胞密度で24ウェルのプレートに播種し、5%のCO2下において37℃で24時間インキュベートして、80〜90%の培養密度を得た。ウイルス(ステップ2で得られたウイルスストック)の段階希釈液を、維持培地(2%のFBSを補充したDMEM)を用いて10-2〜10-7の範囲で調製した。増殖培地をプレートから除去し、細胞を溢れさせないように注意しながら、各ウイルス希釈液0.2mLを各ウェルに加えた。感染済み単層を5%のCO2下において37℃で、15分ごとに振りながら1時間インキュベートした。インキュベーションの期間後、体積が1mLの1%CMCを各ウェルに加え、プレートを48時間インキュベートし、その後、細胞を固定し、ホルマリン(10%)およびクリスタルバイオレット(1%)を含有する溶液を用いて30分間染色した。この30分の経過時に、染色液を吸引除去し、過剰な染色液をすべて洗い流すまで、蒸留水を用いてプレートを洗浄した。これらのプレートを一晩放置して乾燥させた。プラークを勘定し、ウイルスのタイターを推定して1mL当たりのプラーク形成単位(pfu/mL)で表わした。
ウイルスのタイター =
(生成されたプラークの個数 × ウイルスの希釈度 × 接種材料の体積)
結果
プラークアッセイによって決定したHSV−1のウイルスのタイターは、2.1×108pfu/mLであった。
プラークアッセイによって決定したHSV−2のウイルスのタイターは、1.65×107pfu/mLであった。
〔実施例9〕
CPE阻害アッセイ(クリスタルバイオレット染色法)により、一次抗ウイルススクリーニング検査を実施した
このアッセイは、ウイルスの生殖周期のどの段階においても活性を示す薬剤(この場合には抽出物)を検出するために設計した。Indian J.Med. Res.,2004,120:24−29に記載されているようにして、アッセイを行った。なお、この文献に記載の手順については参照によって本明細書に引用されるものとする。
(実施例8のステップ1で得られた)ベロ細胞を、96ウェルのプレートにおいて1×104個/ウェルの細胞密度で増殖させ、CO2恒温器中で37℃で24時間インキュベートして、単層を形成した。試料1〜26を、50μg/mLおよび100μg/mLの濃度(2%のFBSを含有するDMEMを用いて、20mg/mLの抽出物のDMSOストックを50μg/mLおよび100μg/mLまで希釈した)で最終的な培養物の体積を200μL/ウェルとなるように加えることによって、試験を行った。例えば、ベロ細胞のみ(細胞コントロール)、ベロ細胞とウイルス(ウイルスコントロール)、ベロ細胞とウイルスと標準化合物であるアシクロビル(市販の抗ウイルス薬)などの、適切なコントロールを含めた。HSV−1に対しては12.5μg/mL、6.25μg/mL、3.125μg/mL、1.5μg/mL、および、0.78μg/mL、また、HSV−2に対しては25μg/mL、12.5μg/mL、6.25μg/mL、および、3.125μg/mLの濃度(2%のFBSを含有するDMEMを用いて、20mg/mLのアシクロビルのDMSOストックを100μg/mLまで希釈した)で、アシクロビルに対して試験を行った。最大感度が得られるように、また、例えば吸着や侵入などの初期の増殖ステップの有望な阻害剤についての暫定的な理解が得られるように、アッセイの対象となる抽出物を感染の1時間前に加えた。1時間後に、実施例8ステップ2で得られたウイルスストックを用いて、1ウェル当たり100μLの適切なウイルス投与量に(HSV−1は104TCID50の感染効率(MOI)で、HSV−2は103TCID50のMOIで)細胞を感染させた。維持培地(2%のFBSを補充したDMEM)を用いて、感染細胞をさらに48〜50時間インキュベートした。ウイルスコントロールが最大CPEを示したときに、培地を吸引して細胞を0.85%の生理食塩水で洗浄し、続いて、0.1%のクリスタルバイオレット溶液を用いて30分間染色した。染色液を吸引除去し、過剰な染色液をすべて洗い流すまで、蒸留水を用いてプレートを洗い流した。これらのプレートを24時間放置して乾燥させた。プラークを染色した後に、CPEを視覚的および顕微鏡で評価し、コントロールと比較してCPE阻害の割合(%)によって段階分けした。得られた結果を表2に示す。
Figure 0006058560
アシクロビルについて得られた結果を表3に示す。
Figure 0006058560
上記表2および表3において使用した記号の意味を次に記す。
記号 CPE阻害率(%) 記号 CPE阻害率(%)
nd 実施せず − 0〜10%
+ 11〜25% ++ 26〜50%
+++ 51〜75% ++++ 76〜100%
〔実施例10〕
CPE阻害アッセイ、MTT法
HSV−1およびHSV−2のいずれについても投与量に対する良好な反応性を示した抽出物について、IC50を決定した。IC50はCPE阻害アッセイ(MTT法)によって推定した。
このアッセイは、ウイルスの生殖周期のどの段階においても作用する薬剤(この場合には抽出物)を検出するために設計した。World J.Gastroenterol.,2006,12:4078−4081に記載されているようにして、アッセイを行った。なお、この文献に記載の手順については参照によって本明細書に引用されるものとする。
このアッセイは、クリスタルバイオレット染色液を用いて細胞を染色することはせずに3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)アッセイを実施したこと以外は、実施例9にCPE阻害アッセイ染色法について記載したように実施した。96ウェルの平底プレートに入れた(実施例8のステップ1で得られる)ベロ細胞を、実施例1の試料1またはアシクロビルを含有する維持培地(2%のFBSを用いて補充したDMEM)を用いて1時間処理した。次に、(実施例8のステップ2で得られるウイルスストックを用いて)細胞を、100TCID50のMOIでウイルスに感染させた。37℃で48時間インキュベインキュベートした後に、MTTアッセイによって生細胞を測定した(96ウェルのプレートのELISA読み取り装置を使用することによって、570nmでの吸光度を測定した)。(ウイルスおよびコントロールで処理した)ベロ細胞の算出生存率(%)に対する試料濃度(μg/mL)のグラフを作成することによってデータを分析することによって、細胞増殖の変化が数量化できた。次式にしたがって、抗ウイルス活性を決定した。
Figure 0006058560
上記式中、
(ODTHSVは、HSV感染細胞においてある濃度の抽出物を用いて測定した吸光度である。
(ODC)HSVは、コントロールである無処置のHSV感染細胞について測定した吸光度を指す。
(ODC)mockは、コントロールである無処置のモック感染細胞について測定した吸光度を指す。
IC50値を、HSV−1およびHSV−2の最大細胞変性効果の半分を阻害するために必要な濃度として、このデータから算出した。
結果
HSV−1に対する実施例1の試料1のIC50値は、15.48μg/mLであった。
HSV−2に対する実施例1の試料1のIC50値は、17μg/mLであった。
〔実施例11〕
細胞毒性試験
World J.Gastroenterol.,2006,12:4078−4081に記載されているようにして、アッセイを行った。なお、この文献に記載の手順については参照によって本明細書に引用されるものとする。
観察された抗ウイルス効果が、細胞生存率に対する一般的な効果原因から生じたのかどうかを評価するために、毒性分析を実施した。毒性分析のための(実施例8のステップ1で得られた)ベロ細胞を96ウェルのプレートにおいて培養し、ウイルスを加えない抗ウイルスの評価に使用したのと同じスケジュールで抽出物を用いて処理した。MTT染料を用いて、生細胞をアッセイした。実施例1の試料1の中毒作用を、植物抽出物の非存在下で観察した生細胞を基準とした植物抽出物の存在下における生細胞の減少の割合(%)として算出した。次式を使用した。
Figure 0006058560
上記式中、
Aは、ELISA読み取り装置で測定した吸光度を表わす。
このデータから、50%細胞毒性濃度(CC50)を算出した。
選択指数(SI)は治療係数とも称され、これをCC50とIC50との比として評価した。得られた結果を表5に示す。実施例1の試料1が自身の毒性レベルを超える十分な抗ウイルス活性を有するかどうかを判断するために、SIをCC50/IC50にしたがって算出した。
本研究では、5を超えるSI値を、抽出物に対して効果があるとみなした。得られた結果を表4に示す。
Figure 0006058560
*実施例10から得られたIC50
〔実施例12〕
感染後の異なる時点におけるHSV−1およびHSV−2の増殖に対する実施例4の試料23の効果の評価
この研究の目的は、実施例4の試料23によって阻害されるHSV−1/HSV−2の増殖段階を決定することである。抗ウイルス薬の候補は、例えば、吸着、融合、脱外被、逆転写、統合、核酸合成、成熟などの増殖サイクルの任意の段階において特異的にウイルスを阻害し、目標とする可能性がある(Methods in Molecular Medicine,1998,vol 10,387−405)。これらの各段階は、1時間(吸着開始)から24時間(1つのHSV増殖サイクルの完了)にわたる、ウイルスの生涯過程における異なる時点で発生する。ウイルスの生涯過程の吸着段階とは、ヘルペスウイルスが宿主細胞に取り付く初期の段階であって、ウイルス上のgCおよびgD(貯蔵糖タンパク質)と細胞表面レセプター(例えばヘパリン硫酸塩)との相互作用をともなう。ウイルスの生涯過程における取り付き段階は、ウイルスが細胞と密接に関連することを可能にする安定した取り付き段階である。吸着段階および取り付き段階に続くウイルスの生涯過程の段階は、感染後の段階として知られている。
ベロ細胞を、10%のFBSを補充したDMEM増殖培地において2.2×104個/ウェルの細胞密度で96ウェルの平底プレートに播種した。20〜24時間後に、培養密度の高い単層を、100μL/ウェルの1:104ウイルス希釈液(HSV−1臨床株)(TCID50は5.88×106/mL)またはHSV−2(TCID50は2.43×106/mL)の1:103希釈液に感染させて、プレートを5%のCO2下において37℃で1時間インキュベートした。実施例4の試料23とアシクロビルとの2倍段階希釈液を2%のFBSを補充したDMEMの維持培地において調製して、3.125、6.25、12.5、25、50、100、200、および400μg/mLの8つの濃度を得た。さらに、感染から0、1、3、5、7、16、および、24時間後に、3組について、各希釈液を1ウェル当たり100μL加えた。0時間後に、実施例4の試料23およびアシクロビルの希釈液をウイルスと同時に加えた。ウイルスコントロール(ウイルス希釈液と維持培地)および細胞コントロール(維持培地のみ)については、維持培地を各ウェルに加えた。プレートを37℃で48〜50時間さらにインキュベートした。インキュベーションに続いて、プレートの内容物を捨て、プレートをDMEMを用いて1回洗浄した。このプレートに、2%のFBSを補充したDMEM維持培地において調製したMTT試薬の1:10希釈液を100μL/ウェル加え、紫色の染料が見えてくるまで4時間インキュベートした。次に、1ウェル当たり100μLの洗浄剤を加えた。プレートを、37℃の5%のCO2恒温器内に一晩放置した。インキュベーション後にプレートカバーを外して、ミクロプレート式プレート読み取り装置(BIO−TEK、Synergy HT社)を用いて、各ウェルにおいて570nmで吸光度を測定した。
HSV−1型単純ヘルペスウイルスに関連する研究のための観察結果
●吸着段階に対応する0時間後に、50μg/mLでは52%の抗ウイルス活性、100μg/mLでは77%の抗ウイルス活性、200μg/mLでは64%の抗ウイルス活性が観察された。
●取り付き段階に対応する感染後1時間で、100μg/mLでは80%の抗ウイルス効果、200μg/mLでは64%の抗ウイルス効果が観察された。
●増殖開始に対応する感染後3時間で、100μg/mLでは90%の抗ウイルス効果、200μg/mLでは70%の抗ウイルス効果が観察された。
●HSVウイルスDNA合成に対応する感染後5時間で、100μg/mLでは83%の抗ウイルス効果、200μg/mLでは68%の抗ウイルス効果が観察された。
●HSVウイルスDNA合成の後期の各段階に対応する感染後7時間で、100μg/mLでは77%の抗ウイルス効果、200μg/mLでは73%の抗ウイルス効果が観察された。
●増殖の最大効率に対応する感染後16時間で、100μg/mLでは75%の抗ウイルス効果、200μg/mLでは71%の抗ウイルス効果が観察された。
●HSVウイルス粒子の放出(増殖後に起こる、宿主細胞からの成熟したウイルス粒子の放出)に対応する感染後24時間で、100μg/mLでは36%の抗ウイルス効果、200μg/mLでは37%の抗ウイルス効果が観察された。
アシクロビルは、0〜7時間後に3.125〜200μg/mLのすべての濃縮においてHSV−1に対する強力な抗ウイルス効果を示した。この活性は、増殖およびウイルス粒子放出の後期の各段階に対応する16〜24時間後に約17%まで大幅に減少した。したがって、この研究の結果は、アシクロビルがHSV−1増殖の後期の各段階では効果的でないことを示唆している。
結論
HSV−1に対する実施例4の試料23の抗ウイルス活性は、上記のように感染後3時間でピークに達した。また、この活性は感染後0〜16時間では強力であったが、感染後24時間では大幅に低下した。
HSV−2型単純ヘルペスウイルスに関連する研究のための観察結果
●吸着段階に対応する0時間後に、50μg/mLでは77%の抗ウイルス活性、100μg/mLでは76%の抗ウイルス活性、200μg/mLでは51%の抗ウイルス活性が観察された。
●取り付き段階に対応する感染後1時間で、100μg/mLでは66%の抗ウイルス効果、200μg/mLでは52%の抗ウイルス効果が観察された。
●増殖開始に対応する感染後3時間で、100μg/mLでは74%の抗ウイルス効果、200μg/mLでは55%の抗ウイルス効果が観察された。
●HSVウイルスDNA合成に対応する感染後5時間で、100μg/mLでは79%の抗ウイルス効果、200μg/mLでは63%の抗ウイルス効果が観察された。
●HSVウイルスDNA合成の後期の各段階に対応する感染後7時間で、100μg/mLでは83%の抗ウイルス効果、200μg/mLでは67%の抗ウイルス効果が観察された。
●増殖の最大効率およびウイルス粒子放出の開始に対応する感染後16時間で、100μg/mLでは83%の抗ウイルス効果、200μg/mLでは67%の抗ウイルス効果が観察された。
●感染後24時間では、抗ウイルス効果が観察されなかった。
アシクロビルは、0〜7時間後に3.125〜200μg/mLのすべての濃縮においてHSV−2に対する強力な抗ウイルス効果を示した。この活性は、増殖およびウイルス粒子放出の後期の各段階に対応する感染後16〜24時間では存在しない。したがって、この研究の結果は、アシクロビルがHSV−2増殖の後期の各段階では効果的でないことを示唆している。
結論
HSV−2に対する実施例4の試料23の抗ウイルス活性は、感染後7〜16時間でピークに達した。また、この活性は感染後0〜16時間には強力であった。
〔実施例13〕
単純ヘルペスウイルス(HSV−1およびHSV−2)に対する、感染前の実施例4の試料23の抗ウイルス活性の評価
ヘルペスウイルスが標的細胞に侵入するためには、自身が持つ脂質膜からなる外被を、細胞が持つ脂質膜と融合させなければならない。この複雑なウイルス侵入メカニズムは、少なくとも3種類の貯蔵糖タンパク質(gC、gB、および、gD)と、該タンパク質の持つ、例えばネクチンやヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)などの細胞表面レセプターを結合させる能力とによって媒介される(Cell.Mol.Life Sci,2008,65,1653−1668)。この前処理アッセイの目的は、ベロ細胞に吸着または侵入するために必要な、例えば上記糖タンパク質などのウイルス粒子の外被の構造、または、例えばヘパラン硫酸(HS)などの細胞表面レセプターの構造と相互作用することによって、実施例4の試料23がウイルス阻害を引き起こすことができるかどうかを確認することである。
ベロ細胞を、24ウェルのプレート上に1.8×105個/ウェルの細胞密度で播種した。これらのプレートを、5%のCO2下において37℃で20〜24時間インキュベートした。実施例4の試料23の2倍段階希釈液とアシクロビルとを、いずれも3.125〜400μg/mLの濃度範囲で適切なウェル(200μL/ウェル)に加えたものを2組用意し、5%のCO2下において37℃で1時間インキュベートした。1時間後に、これらの希釈を吸引除去し、ベロ細胞をPBSで1回洗浄し、次に、2.1×108pfu/mLのタイターで200μL/ウェルのHSV−1ウイルス懸濁液を用いて、または、1.65×107pfu/mLのタイターでHSV−2ウイルス懸濁液を用いて感染させた。ウイルスを5%のCO2下において37℃で1時間吸着させ、続いて、PBSで洗浄した。次に、1mLの重層液(1%のカルボキシメチルセルロース + 2%のFBSを補充したDMEM)を各ウェルに加え、各プレートをさらに5%のCO2下において37℃で49時間インキュベートした。インキュベーションに続いて、各プレートを0.85%の生理食塩水で洗浄し、0.13%のクリスタルバイオレットで染色した。ウイルスのプラークを勘定し、実施例4の抽出物の試料23のIC50値を算出した。
結果
図3は、HSV−1に対する63〜88%の阻害率が示唆するように、実施例4の試料23が200〜400μg/mLにおいて有意な阻害活性を有することを示している。実施例4の試料23のIC50値を算出すると、HSV−1に対して171.25μg/mLであった。HSV−1に対する実施例4の試料23の観察された阻害効果は、アシクロビルが3.125〜400μg/mLの濃度範囲で示した10〜40%という弱い阻害効果と比較すると強力であった。
図4は、200〜400μg/mLにおいてHSV−2に対する実施例4の試料23の阻害率が60〜86%であることを示している。実施例4の試料23のIC50値を算出すると、HSV−2に対して202.5μg/mLであった。アシクロビルは、3.125〜400μg/mLの濃度範囲でHSV−2に対して10〜20%という弱い阻害効果を示した。
結論
実施例4の試料23を用いた前処理によって、ウイルスとの接触後すぐにHSV−1およびHSV−2のベロ細胞への侵入(吸着および取り付き)に対して有意な阻害が生じた。これは予防作用を示している。この阻害効果は、アシクロビルの持つ阻害効果に比べて非常に強力であった。
〔実施例14〕
ウイルス吸着アッセイ
ウイルスの生涯過程には、抗ウイルス性生成物となり得る有望な候補が目標とし得る、吸着、融合、脱外被、逆転写、統合、核酸合成、成熟などの多数のステップが存在する。したがって、吸着アッセイの結果は、感染サイクル中の吸着段階においてHSV−1またはHSV−2を阻害し、ウイルス上の糖タンパク質C(gC)および糖タンパク質D(gD)がヘパラン硫酸(HS)などの細胞表面レセプターであるグリコサミノグリカン(GAG)と相互作用する、実施例4の試料23の信頼性を確認するために役立つ。
ベロ細胞を、24ウェルの平底プレート上に1.8×105個/ウェル細胞濃度で播種した。各プレートを、培養密度の高い単層が形成されるまで、5%のCO2下において37℃で20〜24時間インキュベートした。実施例4の試料23の2倍段階希釈液およびアシクロビルを、3.125〜400μg/mLの範囲の濃度が得られるように調製した。濃度が2.1×108pfu/mLのHSV−1ウイルスの懸濁液、または、濃度が1.65×107pfu/mLのHSV−2ウイルスの懸濁液を調製した。実施例4の試料23/アシクロビルの各希釈液とHSV−1ウイルス/HSV−2ウイルスの懸濁液とを、等体積ずつ無菌エッペンドルフチューブ中に設置し、これらの混合物を37℃で1時間インキュベートした。次に、ベロ細胞の単層にこれらの混合物を200μLずつ加えて、抽出物の存在下でウイルスを5%のCO2下において37℃で1時間吸着させた。次に、各プレートをPBSで1回洗浄して、結合していないウイルス除去し、2%のFBSを補充したDMEM維持培地において調製した1mLの重層液(1%のカルボキシメチルセルロース; CMC)を各ウェルに加えた。さらに、定期的にモニタリングしながら5%のCO2下において37℃で49時間インキュベートし、続いて、0.85%の生理食塩水で洗浄し、0.13%のクリスタル液で染色した。ウイルスのプラークを勘定して、IC50値を算出した。
結果
図5は、実施例4の試料23が、HSV−1ウイルスの吸着に対して100〜400μg/mLでは100%の阻害率を達成でき、50μg/mLでは阻害率が65%まで低下したことを示している。実施例4の試料23のIC50は、HSV−1に対しては44μg/mLである。
図6は、実施例4の試料23が、HSV−2ウイルスの吸着に対して50〜400μg/mLでは100%の阻害率を達成し、25μg/mLでは阻害率が92%まで低下したことを示している。
実施例4の試料23のIC50は、HSV−2に対しては15μg/mLである。
HSV−1およびHSV−2に対する実施例4の試料23の活性は、HSV−1およびHSV−2に対するアシクロビルの活性に比べてわずかに良好であった。実施例4の試料23は、これが存在するときには、50〜400μg/mLの濃度範囲においてHSV−1ウイルスおよびHSV−2ウイルス感染の吸着段階前および吸着段階中のいずれにおいても効果的であり、また、該濃度において微視的な細胞毒性を有しなかった。
〔実施例15〕
ウイルス侵入アッセイ
HSVの宿主細胞への侵入は、ウイルス粒子の外被の細胞膜との融合を引き起こす、宿主細胞の表面への初期結合に続くステップであると規定され得る。そのためには、各種糖タンパク質(gB、gD、および、gH/gL)および細胞表面成分が関与する複数回の相互作用が連続して起こることが必要である(Cell.Mol.Life Sci,2008,65,1653−1668)。このウイルス侵入アッセイの目的は、実施例4の試料23が、HSV−1ウイルスおよびHSV−2ウイルスのベロ細胞への侵入を阻害するかどうかをインビトロで確認することである。
ベロ細胞を、24ウェルのプレート上に1.8×105個/ウェルの細胞密度で播種した。各プレートを5%のCO2下において37℃で20〜24時間インキュベートした。続く各ステップを4℃で実施するので、ベロ細胞が低温環境に順化できるように、培養密度の高いプレートを実験の開始に先立って4℃の環境内に約半時間置いた。タイターが2.1×108pfu/mLのHSV−1ウイルスの懸濁液、または、タイターが1.65×107pfu/mLのHSV−2ウイルスの懸濁液を調製し、200μLを培養密度の高い各単層に加えた。ウイルスが取り付くことができるように、細胞を4℃で2時間インキュベートした。3.125〜400μg/mLの濃度範囲の実施例4の試料23の2倍段階希釈液およびアシクロビルの両方を室温で適切なウェルに加え、各プレートを5%のCO2下において37℃で10分間インキュベートした。次に、実施例4の試料23の希釈液およびアシクロビルを吸引除去し、細胞の単層をPBS(pH値3.75)で短時間洗浄して、細胞に侵入しなかったウイルス粒子を失活させた。次に、細胞をPBS(pH値11.0)で洗浄して、酸性pH値環境を中和した。次に、1mLの重層液(2%のFBSを補充したDMEM維持培地を溶媒とする1%のCMC溶液)を各ウェルに加え、各プレートを37℃で48〜50時間インキュベートした。次に各プレートを0.85%の生理食塩水で洗浄し、0.13%のクリスタルバイオレットで染色した。プラークを勘定し、実施例4の試料23のIC50値を算出した。
結果
図7は、HSV−1ウイルスに対する実施例4の試料23の阻害率が50〜400μg/mLにおいて80〜95%であるが、これより低い濃度(3.125〜25μg/mL)では低下することを示している。HSV−1ウイルスに対する実施例4の試料23のIC50を算出すると、30μg/mLであった。
図8は、HSV−2ウイルスに対する実施例4の試料23の阻害率が200〜400μg/mLにおいて100%であるが、100μg/mLでは90%に、50μg/mLでは71%に低下することを示している。HSV−2ウイルスに対する実施例4の試料23のIC50を算出すると、36.1μg/mLであった。
アシクロビルは、実施例4の試料23と比較すると、HSV−1およびHSV−2に対して弱い阻害活性から中程度の阻害活性を示した。
結論
上記結果は、HSV−1ウイルスおよびHSV−2ウイルスが宿主であるベロ細胞へ侵入するというステップを強力には阻害しなかったアシクロビルと比較すると、実施例4の試料23がHSV−1ウイルスおよびHSV−2ウイルスのベロ細胞への侵入を強く阻害することができたことを示唆している。
〔実施例16〕
HSV−1およびHSV−2に対する実施例4の試料23の殺ウイルス活性の評価
殺ウイルスアッセイでは、培養細胞に対するウイルス粒子の感染力をブロックするために、抗ウイルス薬の連続的な存在が必要とされることが多い。また、ウイルス/抽出物複合体の希釈液は解離し、感染性ウイルスを放出することがある(Antiviral research,2010,86,196−203)。仮に試料がIC50または他の効果的な濃度においてウイルスの感染力を抑制することができないのであれば、抗ウイルス活性は該試料の殺ウイルス力とは無関連である。この研究の目的は、HSV−1およびHSV−2に対する実施例4の試料23の阻害活性が、該試料の持つ抗ウイルス効果または殺ウイルス効果に起因するものであるのかどうかをインビトロで評価することである。
ベロ細胞を、24ウェルの平底プレート上に1.8×105細胞/ウェルの細胞濃度で播種した。各プレートを、5%のCO2下において37℃で20〜24時間インキュベートした。実施例4の試料23の2倍段階希釈液およびアシクロビルを、25〜400μg/mLの濃度範囲が得られるように調製した。約1010pfu/mLの濃度のHSV−1ウイルスの懸濁液、および、109pfu/mLの濃度のHSV−2ウイルスの懸濁液を調製した。実施例4の試料23/アシクロビルの各希釈液とHSV−1ウイルス/HSV−2ウイルスの懸濁液とを、等体積ずつ無菌エッペンドルフチューブ中に設置し、これらの混合物を37℃で1時間インキュベートした。次に、25〜400μg/mLに対応する0.25〜4μg/mLの最終濃度範囲が得られるように、これらの混合物を10倍(1:100)に希釈した。次に、ベロ細胞の単層にこれらの混合物を200μLずつ加えて、ウイルスを5%のCO2下において37℃で1時間吸着できるようにした。次に、各プレートをPBSで1回洗浄して、結合していないウイルスを除去し、2%のFBSを補充したDMEM維持培地において調製した1mLの重層液(1%のカルボキシメチルセルロース; CMC)を各ウェルに加えた。さらに、5%のCO2下において37℃で48〜50時間インキュベーションし、続いて、0.85%の生理食塩水で洗浄し、0.13%のクリスタル液で染色した。次にウイルスのプラークを勘定した。
結果
図9は、200〜400μg/mLではHSV−1に対する実施例4の試料23の殺ウイルス効果が100%であり、100μg/mLでは阻害率が94%であることを示している。アシクロビルは、25〜400μg/mLの濃度範囲ではHSV−1に対して0〜32%の範囲の弱い殺ウイルス効果を示した。
図10は、HSV−2に対して実施例4の試料23が400μg/mLでは100%の殺ウイルス効果を有し、50〜200μg/mLでは92〜97%の阻害率を有することを示している。アシクロビルは、25〜400μg/mLの濃度範囲ではHSV−2に対して11〜38%の範囲の弱い殺ウイルス効果を示した。
結論
実施例4の試料23は、アシクロビルと比較すると、HSV−1ウイルスおよびHSV−2ウイルスに対して強力な殺ウイルス効果を示した。
インビボにおける抗ウイルスアッセイ
実験で使用する動物は、CPCSEA(Committee for the Purpose of Control and Supervision of Experiments on Animals、インド、タミルナドゥ)が公開する施工中の指針にしたがって収容および飼育した。実験動物を用いる手順は、Piramal Healthcare Limited社(インド、ムンバイ、Goregaon)のIAEC(Institutional Animal Ethics Committee)によって承認を受けた。
〔実施例17〕
マウスHSV−1の帯状疱疹様が広がる感染モデル
Antimicrobial Agents and Chemotherapy,June 2002,p.1766−1772に記載されているようにして、アッセイを行った。なお、この文献に記載の手順については参照によって本明細書に引用されるものとする。
本研究には、妊娠しておらず出産経験もない6〜8週齢のBalb/c雌マウスを使用した。すべての動物の右中背部の毛を電気バリカンで剃り、ウイルス負荷の直前に、無菌26ゲージ針を用いて毛を剃った部分の数箇所で水平に乱切した。
ウイルス負荷に先立って、各マウスの乱切箇所を70%のアルコールに浸した綿スワブで清掃し、続いて、無菌DMEMに浸した綿製スワブを用いて乱切箇所をきれいにした。次に、該乱切箇所において各マウスを1個体当たり8.27×103pfuを含有するHSV−1ウイルスに感染させた。マウスには、感染の1時間後に感染部位において局所投与によって調合物IA、調合物IB、調合物IC/アシクロビル/プラセボを与えた。マウスは、治療間隔を4時間として1日に3回治療した。すべてのグループのすべてのマウスを5日間治療した。(クリームベースの)プラセボおよびアシクロビル(225mg/kg/日)で処置したマウスをコントロールとし、ウイルス・コントロール・グループには治療を行わなかった。
実施例6において説明した以下に記載する調合物について評価した。
(a) 調合物IA
(b) 調合物IB
(c) 調合物IC
調合物IA、調合物IB、および、調合物ICを局所的に1日に3回、5日間にわたって塗布した。15mgの調合物IAがマウスにおいて評価対象となる225mg/kgの投与量に対応し、15mgの調合物IBがマウスにおいて評価対象となる450mg/kgの投与量に対応し、15mgの調合物ICがマウスにおいて評価対象となる675mg/kgの投与量に対応し、25mgの調合物IBがマウスにおいて評価対象となる750mg/kg投与量に対応する。
マウスは、感染後21日間、罹患率、死亡率、および、感染部位について毎日評価した。
確立された手法である以下の病変評価スケール(lesion score scale)を用いて、ウイルス性疾患の重症度(膣外における疾患の徴候)を定量化した。
0: 顕性感染がない
1: 小胞が形成されている
2: 大きなパッチ状の帯状疱疹が形成されている
3: 培養密度の高い帯状疱疹
4: 後肢の麻痺
帯状疱疹様病変とは、三叉神経の幹部または枝部の皮膚分布にそって発生した帯状の一側性皮膚病変を指す。
観察結果
どの投与量グループに属するマウスも、感染後2日目までに帯状疱疹様病変の初期の徴候を示し始めた。
1 プラセボによる治療を受けたグループ
(a)マウスは感染後6日目までに重度の感染を示し始めた。
(b)すべてのマウスが感染後8日目までに死亡した。
2 アシクロビルによる治療を受けたグループ
(a)すべてのマウスが感染後7日目までに帯状疱疹様病変から回復した。
(b)実験期間を通じてマウスは一匹も死亡しなかった。
3 無処置グループ(感染コントロール)
(a)マウスは感染後6日目までに重度の感染を示し始めた。
(b)すべてのマウスが感染後10日目までに死亡した。
4 調合物IBによる治療を受けたグループ(750mg/kg/日)
(a)調合物IB(750mg/kg/日)による治療を受けたマウスは90%の生存率を示した。
(b)生き残ったマウスは感染後9日目までに帯状疱疹様病変から回復した。
5 調合物ICによる治療を受けたグループ(675mg/kg/日)
(a)調合物IC(675mg/kg/日)による治療を受けたマウスは80%の生存率を示した。
(b)生き残ったマウスは感染後10日目までに帯状疱疹様病変から回復した。
6 調合物IBによる治療を受けたグループ(450mg/kg/日)
(a)調合物IB(450mg/kg/日)による治療を受けたマウスは60%の生存率を示した。
(b)生き残ったマウスは感染後10日目までに帯状疱疹様病変から回復した。
7 調合物IAによる治療を受けたグループ(225mg/kg/日)
(a)調合物IA(225mg/kg/日)による治療を受けたマウスは20%の生存率を示した。死亡したマウスの大部分は感染後8日目以内に死亡した。
(b)生き残ったマウスは感染後9日目までに帯状疱疹様病変から回復した。
結果
調合物IBおよび調合物ICは、マウスHSV−1の帯状疱疹様が広がる感染モデルにおいて、750および675mg/kg/日という比較的高い濃度において良好な抗ウイルス活性を示した。
〔実施例18〕
マウスの膣のHSV−2感染モデル
Antiviral Research,2006,69:77−85に記載されているようにして、アッセイ行った。なお、この文献に記載の手順については参照によって本明細書に引用されるものとする。
本研究には、妊娠しておらず出産経験もない6〜8週齢のBalb/c雌マウスを使用した。雌のBALB/cマウスを使用してHSV−2の膣播種を行った。膣内(IVAG)負荷の5日前に、29ゲージの針を用いて2mgのプロゲステロン(Depo−Provera(登録商標)、ファイザー社、ベルギー)をマウスの背中の上部に皮下注射(sc)した。負荷日に、1.14×105pfuのHSV−2をマウスに膣内播種した。ウイルスの膣内投与はマイクロピペットを用いてDMEMの総体積を20μLとして行った。マウスには、感染の30分後に膣内において局所投与によって調合物IA、調合物IB、調合物IC/アシクロビル/プラセボを与えた。マウスは、治療間隔を4時間として1日に3回治療した。すべてのグループのすべてのマウスを5日間治療した。アシクロビル(225mg/kg/日)を正のコントロールとして含めた。プラセボ・コントロール・マウスには同時点においてベースクリーム(プラセボ)を塗布し、ウイルス・コントロール・グループには治療を行わなかった。
実施例6において説明した以下に記載する調合物について評価した。
(a) 調合物IA
(b) 調合物IB
(c) 調合物IC
調合物IA、調合物IB、および、調合物ICを局所的に1日に3回、5日間にわたって塗布した。15mgの調合物IAがマウスにおいて評価対象となる225mg/kgの投与量に対応し、15mgの調合物IBがマウスにおいて評価対象となる450mg/kgの投与量に対応し、15mgの調合物ICがマウスにおいて評価対象となる675mg/kgの投与量に対応する。
マウスは、感染後21日間、膣外における疾患の徴候および生存率について毎日評価した。
確立された手法である以下の病変評価スケールを用いて、ウイルス性疾患の重症度(膣外における疾患の徴候)を定量化した。
0: 顕性感染がない
1: 単独の丘疹が数箇所、膣外組織の軽微な発赤
2: 単独の丘疹が数箇所、膣外組織の潰瘍および/または焼痂および/または膨化および発赤
3: 膣外組織の複数が融合してできた潰瘍/焼痂、中程度の膨化、および、発赤、周囲の組織への拡大
4: 膣外組織の重篤な発赤をともなう潰瘍および膨化、周囲の組織への拡大、後ろ脚の麻痺
観察結果
1 プラセボによる治療を受けたグループ
(a)膣外感染の最も早い徴候は7日目に現れた。
(b)マウスの90%が14日目までに死亡した。
2 アシクロビルによる治療を受けたグループ
(a)膣外疾患の徴候を示したマウスは一匹もいなかった。
(b)実験期間を通じてマウスは一匹も死亡しなかった。
3 調合物IAによる治療を受けたグループ(225mg/kg/日)
(a)調合物I(225mg/kg/日)による治療を受けたマウスは90%の生存率を示した。
(b)10匹のマウスのうち1匹に感染後8日目までに臨床的病変が現れた。このマウスその後死亡した。その他のマウスは、どの個体もウイルスに誘発された膣外疾患の特徴的な徴候を実験期間を通じて一切示さなかった。
4 調合物IBによる治療を受けたグループ(450mg/kg/日)
(a)調合物IBの抽出物(450mg/kg/日)による治療を受けたマウスは90%の生存率を示した。
(b)10匹のマウスのうち2匹に感染後14日目までに臨床的病変が現れた。このうちの1匹のマウスはその後死亡した。その他のマウスは、どの個体もウイルスに誘発された膣外疾患の特徴的な徴候を実験期間を通じて一切示さなかった。
5 調合物ICによる治療を受けたグループ(675mg/kg/日)
(a)膣外疾患の徴候を示したマウスは一匹もいなかった。
(b)実験期間を通じてマウスは一匹も死亡しなかった。
結果
調合物IA、調合物IB、および、調合物ICは、マウスの膣のHSV−2感染モデルにおいて、225、450、および、675mg/kg/日で抗ウイルス活性を示した。

Claims (25)

  1. (a)メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アセトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、水、または、これらの混合物から選択された溶媒中において1:8〜1:10の重量/体積比で、30℃〜50℃で3時間〜12時間攪拌することによって、Ficus arnottianaという植物の粉砕した1つ以上の茎、皮または小枝から抽出物を調製するステップと、
    (b)ステップ(a)において得られた抽出物を濃縮するステップと、
    (c)随意的に、ステップ(b)において得られた抽出物を、高真空下(0.01〜5mmHg)で乾燥させるステップと、
    (d)随意的に、ステップ(b)またはステップ(c)において得られた抽出物を溶媒分離によって濃縮するステップと、
    (e)ステップ(b)、ステップ(c)、または、ステップ(d)において得られた抽出物を薬学的に許容可能な担体と混合し、単純ヘルペスウイルス(HSV)により引き起こされるウイルス感染症の予防または治療のための治療用剤として調合するステップとを含む、組成物の調製プロセス。
  2. Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物が該植物の茎から得られる、請求項1に記載のプロセス。
  3. Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物が該植物の皮から得られる、請求項1に記載のプロセス。
  4. Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物が該植物の小枝から得られる、請求項1に記載のプロセス。
  5. 上記溶媒がメタノールと水との混合物である、請求項1に記載のプロセス。
  6. ステップ(d)において、溶媒分離するために使用される上記溶媒が水、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メタノール、アセトン、アセトニトリル、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、または、これらの混合物から選択される、請求項に記載のプロセス。
  7. 単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされるウイルス感染症の予防または治療のために、Ficus arnottianaという植物の1つ以上の茎、皮または小枝からの治療上有効な量の単離抽出物を包含する組成物。
  8. 上記HSVがHSV−1である、請求項7に記載の組成物。
  9. 上記HSVがHSV−2である、請求項7に記載の組成物。
  10. Ficus arnottianaという植物の1つ以上の茎、皮または小枝からの単離抽出物と薬学的に許容可能な担体とを、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされるウイルス感染症の予防または治療のための治療薬を製造する用途に用いる使用方法。
  11. Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物が1つ以上の生物活性マーカーを含有する、請求項10に記載の使用方法。
  12. 上記生物活性マーカーがフロリジンもしくは5,7,4’−トリヒドロキシフラボン、または、これらの混合物である、請求項11に記載の使用方法。
  13. 上記生物活性マーカーがフロリジンである、請求項12に記載の使用方法。
  14. 上記生物活性マーカーが5,7,4’−トリヒドロキシフラボンである、請求項12に記載の使用方法。
  15. 上記治療薬が、Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物を5%〜50%(w/w)含有する、請求項10に記載の使用方法。
  16. 上記HSVがHSV−1である、請求項10に記載の使用方法。
  17. 上記HSVがHSV−2である、請求項10に記載の使用方法。
  18. Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物が該植物の茎から得られる、請求項7に記載の組成物。
  19. Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物が該植物のから得られる、請求項に記載の組成物。
  20. Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物が該植物の小枝から得られる、請求項に記載の組成物。
  21. Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物を5%〜50%(w/w)含有する、請求項7に記載の組成物。
  22. Ficus arnottianaという植物からの上記抽出物が1つ以上の生物活性マーカーを含有する、請求項7に記載の組成物。
  23. 上記生物活性マーカーがフロリジンもしくは5,7,4’−トリヒドロキシフラボン、または、これらの混合物である、請求項22に記載の組成物。
  24. 経口投与用または局所投与用として調合される、請求項7に記載の組成物。
  25. クリーム、ゲル、または、軟膏の形態で局所投与用として調合される、請求項24に記載の組成物。
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