JP6058435B2 - オゾン発生装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、オゾン発生装置に関する。
一般的なオゾン発生装置は、気密容器内に配置された誘電体電極と金属電極とを備え、誘電体電極と金属電極との間には放電ギャップを形成するためのスペーサが挿入されている。ここで、誘電体電極の内面には導電膜が設けられている。
このようなオゾン発生装置において、ガス入口から気密容器内に導入された原料ガスは、誘電体電極と金属電極との間に形成された放電ギャップを流れ、ガス出口から流出される。
この原料ガスの導入と並行して誘電体電極と金属電極との間に高圧電源から交流高電圧をヒューズ及び高圧給電端子を介して印加すると、放電ギャップに誘電体バリア放電が形成され、オゾンが発生する。なお、誘電体バリア放電は単にバリア放電、あるいは無声放電と呼ばれることもある。
この誘電体バリア放電で発生する熱は、金属電極と気密容器とで形成された冷却水流路内に供給される冷却水により冷却される。これにより、放電ギャップのガス温度上昇を抑制し、効率的にオゾンが得られることとなっていた。
特開平10−182109号公報
ここで、円筒状の放電管数が2本のオゾン発生装置を考える。
そして、誘電体電極と金属電極との位置関係について、誘電体電極及び金属電極に曲がりがないものとして、二重管構造の電極ユニットを構成した場合に、誘電体電極及び金属電極の中心軸が一致し、放電ギャップが均一となる(双方が同心となる)場合と、一方が偏心していて誘電体電極及び金属電極の中心軸が一致しておらず互いに平行であり、放電ギャップが直径方向で不均一となる場合と、を考える。
この場合に、一方が偏心している場合であっても流路断面積は双方が同心の場合と同じである。
しかし、一方だけが偏心している場合の電極ユニット内のガス流量は、両方が同心の場合と比較して流路抵抗が小さいため、増加する。
これらの結果、原料ガス導入量を同一とした場合、一方が偏心している場合には、発生されるオゾン濃度が低下するとともに、オゾン発生効率も低下することとなっていた。
特に、多数の放電管を配置してオゾン発生装置を構成する場合には、オゾン濃度の低下並びにオゾン発生効率の低下は無視することができないものとなり得る。
そこで、本発明の目的は、放電管と金属電極とが偏心している電極ユニットを含む場合であっても、オゾン発生効率を最大限に引き出すことが可能なオゾン発生装置を提供することにある。
実施形態のオゾン発生装置の複数の電極ユニットは、円筒状の高圧電極及び前記高圧電極に対して二重管を構成するように配置された円筒状の低圧電極を有し、前記高圧電極と前記低圧電極との間のギャップに原料ガスを流すとともに、誘電体を介して所定の高電圧を印加して放電させ、放電によりオゾンを発生させる。
このとき、複数の電極ユニットの少なくとも一部の電極ユニットに設けられた流量調整部材は、対応する電極ユニットにおける原料ガスの流量の基準原料ガス流量に対する流量比が1となるように原料ガスの流路中に設けられている。
ここで、基準原料ガス流量は、高圧電極及び前記低圧電極のいずれもが直管で、前記高圧電極の中心軸及び前記低圧電極の中心軸が一致して作成された電極ユニットにおける原料ガス流量である。
図1は、実施形態のオゾン発生装置の概要構成断面図である。 図2は、実施形態のオゾン発生装置におけるオゾン発生原理説明図である。 図3は、電極ユニットが2本の場合のオゾン発生装置の説明図である。 図4は、オゾン発生シミュレータに用いる解析モデルの一例の説明図である。 図5は、オゾン発生シミュレータの計算方法の説明図である。 図6は、偏心していない2本の電極ユニットを備えたオゾン発生装置におけるオゾン発生効率の算出結果の説明図である。 図7は、偏心していない1本の電極ユニットと偏心している1本の電極ユニットとを備えたオゾン発生装置におけるオゾン発生効率の算出結果の説明図である。 図8は、電極ユニット1本あたりの流量と、オゾン発生効率との関係を説明するための図である。 図9は、原料ガス流量とオゾン濃度の関係説明図である。 図10は、原料ガス流量とオゾン発生効率の関係説明図である。 図11は、原料ガスの流量を低下させた場合における偏心していない1本の電極ユニットと偏心している1本の電極ユニットとを備えたオゾン発生装置におけるオゾン発生効率の算出結果の説明図である。 図12は、電極ユニットの偏心量と原料ガス流量との関係の説明図である。 図13は、電極ユニットの偏心量と原料ガス流量との関係を計算する場合の計算条件説明図である。 図14は、ガス流れの等価回路を説明する図である。 図15は、流量比FR(=偏心側流量/同心側流量)を変えたときの、電極ユニット1本あたりの流量とオゾン濃度との関係を説明する図である。 図16は、流量比FRを変えたときの、2本の電極ユニットの合計のオゾン発生効率を説明する図である。 図17は、流量比を変えたときのオゾンを生成するための動力、ガスを流すために要する動力、両者の和(必要電力合計)を説明する図である。 図18は、原料ガスを流す動力を考慮したオゾン発生効率を示す図である。
次に実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態のオゾン発生装置の概要構成断面図である。
実施形態のオゾン発生装置10は、誘電体バリア放電式のオゾン発生装置として構成されている。
オゾン発生装置10は、大別すると、オゾン発生装置本体11と、オゾン発生装置本体11を気密状態で収納する収納容器12と、収納容器12内のオゾン発生装置本体11に高圧碍子13を介して、オゾン発生用電力を供給する高圧電源(高圧交流電源)14と、を備えている。
収納容器12内のオゾン発生装置本体11は、高圧碍子13に電気的に接続された接続板15及びヒューズ16を介してオゾン発生用電力が供給される複数の誘電体電極17と、誘電体電極17の外周面のそれぞれに対向して、所定の放電ギャップ長dが保たれて二重管を形成するように保持された円筒状かつステンレス鋼製の金属電極18が配置されている。
ここで、誘電体電極17は、図1中、左右の両方向から金属電極18内に同軸に挿入されている。さらに誘電体電極17には、高圧電源が供給されているので、高電位側電極として機能している。
また、金属電極18の誘電体電極17の対向している面とは逆の面側には、金属電極18と一体に冷却水流路19が形成されており、全体として、蜂の巣状の金属電極集合体18Aをなしている。ここで、金属電極集合体18Aは、接地されており、金属電極18は低電位側電極として機能している。
これらの結果、二重管を構成している一対の誘電体電極17及び金属電極18は、電極ユニットEUを構成している。
複数(図1では4本)の電極ユニットEUのうち、原料ガスを流したときの流路抵抗値あるいは流量が所定の条件を満たしていない場合には、流量調整部材(流路抵抗調整部材)31−1、31−2が設けられる。
ここで、流量調整部材31−1、31−2は、流路抵抗値はそれぞれ適宜設定されるが、材料としては、ガラス(例えば、グラスウール)、セラミックス(例えば、スポンジ状に形成された多孔体セラミックス)、ステンレス(例えば、ステンレスウール)等のオゾンガスあるいは原料ガスと反応を起こさない無機材料が用いられる。
あるいは、ガラス、セラミックスあるいはステンレスでオリフィス形状を有するものとしてもよい。
なお、この流量調整部材31−1、31−2の機能については、後に詳述する。
この金属電極18の背面に設けられた冷却水流路19は、収納容器12に設けられた冷却水が導入される冷却水入口21と冷却水が導出される冷却水出口22との間に配置されている。
さらに収納容器12には、原料ガスが導入されるガス入口23及び未反応の原料ガス及びオゾン(O)が導出されるガス出口24が設けられている。
図2は、実施形態のオゾン発生装置におけるオゾン発生原理説明図である。
上述したように、収納容器12内には、円筒状の誘電体電極17が配置されている。この誘電体電極17の外周面に対向して、突起31により所定の放電ギャップ長dが保たれた状態で円筒状の金属電極18が配置されている。
ここで、誘電体電極の詳細構成について説明する。
誘電体電極17は、耐熱性及び耐電圧性を有する誘電体として、熱膨張係数の小さい石英ガラス等で形成された円筒状(試験管状)に形成された円筒状誘電体25を備えている。円筒状誘電体25の内周面には、導電電極(高電位側電極)としての電極皮膜層26が形成されている。この電極皮膜層26には、ヒューズ16を介して高圧電源14に接続された高圧給電端子27が接続されている。
上記構成において、円筒状誘電体25は、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、高ケイ酸ガラス、アルミのケイ酸ガラス、セラミックスなどにより形成する。
また電極皮膜層26は、金、銀、銅、ステンレス、クロム、錫、亜鉛、ニッケルカーボンあるいはアルミニウムをスパッタリング、溶射、蒸着、無電解メッキ、電解メッキ、塗料塗布などにより形成される。
上記構成において、放電ギャップ長dの距離に相当する放電ギャップ長dは、従来の一般的なオゾン発生装置の放電ギャップ長である0.6mmよりも短い0.3mm〜0.5mmに設定されている。
次に流量調整部材31−1、31−2の機能について説明する。
まず、流量調整部材31−1、31−2の機能について説明するに先立ち、従来の問題点について説明する。
図3は、電極ユニットが2本の場合のオゾン発生装置の説明図である。
オゾン発生装置10は、電極ユニットEU0と、電極ユニットEU1と、を備えている。
電極ユニットEU0及び電極ユニットEU1は、上述した電極ユニットEUと同様に、誘電体電極17と、金属電極18と、を備えている。
ここで、電極ユニットEU0は、理想的な二重管として作成された電極ユニットであり、誘電体電極17及び金属電極18のいずれも直管で、誘電体電極17の中心軸CX17及び金属電極18の中心軸CX18が一致している場合のものである。より具体的には、いずれの位置で測定しても放電ギャップ長d=0.4mmとなっているものとする。
一方、電極ユニットEU1は、実際に二重管として作成され得る電極ユニットであり、誘電体電極17及び金属電極18のいずれも直管であるが、誘電体電極17の中心軸CX17及び金属電極18の中心軸CX18が一致しておらず、平行である場合のものである。より具体的には、誘電体電極17が金属電極18に対して、0.2mm偏心し、もっとも長い放電ギャップ長d=0.6mmであり、もっとも短い放電ギャップ長d=0.2mmとなっているものとする。
ここで、発明者らは、上述した電極ユニットEU0及び電極ユニットEU1のオゾン発生能力を検討するに際し、オゾン発生シミュレータを用いた。
図4は、オゾン発生シミュレータに用いる解析モデルの一例の説明図である。
解析モデルMDLは、誘電体電極17と、金属電極18との間の放電ギャップを、微少なオゾン発生器(オゾナイザ)として、断面長方形状で長さLiの複数の直方体領域MOZに分割して表す。
そして、それぞれの直方体領域MOZにおいて、以下の(1)〜(3)を計算する。
(1)放電ギャップ、圧力こう配から求まる流量
(2)放電ギャップ、印加電圧、駆動周波数から求まる電力密度
(3)原料ガス(今回は空気である)に印加される比エネルギー
次に、オゾン濃度成長曲線を用いてオゾン濃度Cozoneを求める。
そして、複数の直方体量域について得られるオゾンの発生量の総和を計算することで、オゾン発生量、収率を見積る。
図5は、オゾン発生シミュレータの計算方法の説明図である。
まず、電極ユニットEU内の流れシミュレーションを行い(ステップS1)、流速計算式及び圧力差dP/dxを導出する。
さらに、ギャップ測定器GMDにより放電ギャップhiを測定し(ステップS2)、流速計算式及び圧力勾配に相当する圧力差dP/dxに基づいて流速v[m/s]を算出し(ステップS3)、流量Q[Nm/s]を求める(ステップS4)。
一方、測定した放電ギャップhi、印加電圧及び周波数から電力密度[kW/m2]を求め(ステップS5)、流速vと電力密度に基づいて原料ガスに印加される比エネルギーを求める(ステップS6)。
続いて、求めた比エネルギーの値を別途求めたオゾン濃度成長曲線の実験データを参照することでオゾン濃度Cozone[g/Nm]を求める(ステップS7)。
そして、求めた流量及びオゾン濃度からオゾン発生量[g/s]を求める(ステップS8)。
続いて、電力密度及びオゾン発生量からオゾン発生効率[g/kWh]を求める(ステップS9)。
まず、上述した手順に従って、まず、電極ユニットが2本のオゾン発生装置において、両電極ユニットとも、上述した電極ユニットEU0で構成されている場合について考察する。
図6は、偏心していない2本の電極ユニットを備えたオゾン発生装置におけるオゾン発生効率の算出結果の説明図である。
両電極ユニットが電極ユニットEU0で構成されている場合には、図6に示すように、一方の電極ユニットEU0の流量は16.0slm、オゾン濃度40.0g/Nm、オゾン発生効率67.5g/kWhとなり、2本合計では、32.0slm、オゾン濃度40.0g/Nm、オゾン発生効率67.5g/kWhとなる。
図7は、偏心していない1本の電極ユニットと偏心している1本の電極ユニットとを備えたオゾン発生装置におけるオゾン発生効率の算出結果の説明図である。
2本の電極ユニットのうち、一方の電極ユニットが電極ユニットEU0で構成され、他方の電極ユニットが電極ユニットEU1で構成されている場合には、2本の電極ユニットEU0、EU1は、電源に対して、並列接続されているため、印加電圧振幅と周波数は同じである。
しかしながら、放電ギャップの分布が異なるため(ただし、平均値は0.4mmである)、電力密度の平均値が若干異なっている。
そして、原料ガスの投入流量Qnが大きく異なる。
すなわち、図7に示すように、電極ユニットEU0では、流量=16.0slmに対し、電極ユニットEU1では、流量=22.0slmに増加している。
電極ユニットEU1において、誘電体電極17が金属電極18に対して偏心しても流路断面積は電極ユニットEU0の場合と比較して、変化しないが、投入流量Qnが大きく変化していることがわかる。
そこで、流路断面積が同じで、投入流量Qnが大きく変化している点に着目すると、誘電体電極17が金属電極18に対して偏心している電極ユニットEU1においては、投入流量Qnが増加した分、オゾン濃度Cozoneが低下してしまったということがわかる。
すなわち、図7の例の場合には、オゾン濃度Cozone=26.8g/Nmまで低下してしまっているのである。
このように、誘電体電極17が金属電極18に対して偏心した電極ユニットEU1において生成されるオゾン量と、誘電体電極17が金属電極18に対して偏心していない電極ユニットEU0において生成されるオゾン量と、を合わせたオゾン発生装置の実効的に発生したオゾンガスのオゾン濃度Cozone=32.3g/Nmに低下し、オゾン発生効率も66.2g/kWhに低下する。
続いて、オゾン濃度とオゾン発生効率の関係を述べる。
図8は、電極ユニット1本あたりの流量と、オゾン発生効率との関係を説明するための図である。
図8に示すように、オゾン濃度が低いときは、オゾン発生効率は高い。一方オゾン濃度が高いときは、オゾン発生効率は低い。原料ガスに放電によりエネルギーを与えると酸素がオゾンに変化するが、オゾンが酸素に戻る変化もある。オゾン濃度が高い場合、ガス温度は高くなっている。オゾンが酸素に戻る量は、ガス温度が高いほど多いので、オゾン濃度が高い場合、沢山のオゾンが酸素に戻ることになり、この結果、オゾン発生効率が低くなる。
また、誘電体電極17が金属電極18に対して、偏心している場合は、もともとオゾン発生効率が低い。
図9は、原料ガスの流量とオゾン濃度の関係説明図である。
図9に示すように、一つの電極ユニットにおいては、原料ガスの流量(投入流量Qn)を操作することで所望のオゾン濃度が得られることがわかる。
図10は、原料ガス流量とオゾン発生効率の関係説明図である。
図10に示すように、原料ガスの流量(投入流量Qn)を変化させることで、オゾン発生効率が変化することがわかる。
この場合において、図9に示したように、誘電体電極17が金属電極18に対して偏心した場合には、誘電体電極17が金属電極18に対して偏心していない場合と比較してオゾン濃度が低下してしまうことが問題であり、オゾン濃度をあらかじめ定めた装置定格(本実施形態では、40g/Nm)に戻さなければならない。
オゾン濃度をあらかじめ定めた装置定格に戻す方法としては、電力密度を上げる方法と原料ガスの流量(投入流量Qn)を低下させる方法と、が考えられるが、ここでは流量を低下させる方法について検討する。
図11は、原料ガスの流量を低下させた場合における偏心していない1本の電極ユニットと偏心している1本の電極ユニットとを備えたオゾン発生装置におけるオゾン発生効率の算出結果の説明図である。
図11に示すように、差圧(圧力損失Pa)を2.52kPaに下げることで、偏心のない電極ユニットEU0の流量を11.8slmに下げてオゾン濃度を49.3g/Nmに上げた。
一方、偏心のある電極ユニットEU1については、流量16.2slm、オゾン濃度Cozone=33.2g/Nmとなる。
したがって、両者を合わせたオゾン濃度は40g/Nmとなる。しかし両者を合わせたオゾン発生効率は60.3g/kWhとなってしまう。
オゾン発生効率が低下する理由は、電極ユニットEU0では、オゾン濃度が上昇して効率が低下したためと、電極ユニットEU1では、偏心によりもともと効率が低いためである。
ところで、2本の電極ユニットEU0、EU1は、流れに関しても並列接続である。つまり、両者の差圧は常に等しいこととなる。
したがって、偏心している電極ユニットである電極ユニットEU1の流量を独立に操作することはできない。
図12は、電極ユニットの偏心量と原料ガス流量との関係の説明図である。
図13は、電極ユニットの偏心量と原料ガス流量との関係を計算する場合の計算条件説明図である。
図13に示す条件にしたがって、電極ユニットの偏心量と原料ガス流量との関係を計算すると、図12に示すように、偏心側である電極ユニットEU1側に原料ガスが沢山流れすぎて、偏心側である電極ユニットEU1側のオゾン濃度が低下し、オゾン発生装置が出力するオゾン濃度が、装置定格値である40g/Nmを下回ったことが問題となる。
一方、図8に示した問題は、全体流量を下げることで、装置が出力するオゾン濃度を仕様値である40g/Nmとしたが、同心側である電極ユニットEU0の流量を下げてオゾン濃度を上げたために、オゾン発生効率が低下したことである。
上記検討内容から導き出せることは、偏心側である電極ユニットEU1側の流量を何らかの手段で独立に調整できれば、オゾン発生装置10全体の性能を上げることができるということである。
すなわち、偏心側である電極ユニットEU1側の流量を下げることで、偏心側である電極ユニットEU1側が生成するオゾン濃度を上昇させることができるのである。
この結果、もともとオゾン発生効率の低い電極ユニットEU1側の流量を下げて運転できる。一方、同心側はオゾン濃度を若干上げるだけで済むため、オゾン発生効率の低下は少ない。
次に、偏心側である電極ユニットEU1の流量を下げる方法を述べる。
すなわち、図1に示したように、偏心している電極ユニットEUの金属電極18内に流量調整部材31−1、31−2を挿入し、偏心している電極ユニットEUの流量を下げることができる。
図14は、ガス流れの等価回路を説明する図である。
流量調整部材31−1、31−2の流体抵抗R3を適切な値とすることで、Q1とQ2の比を所望の値とできる。
総流量Q=Q1+Q2を所望の値にするときは、差圧ΔPを変化させる。
2本の電極ユニットの合計のオゾン濃度を40g/Nmに固定し、偏心側と同心側の流量を変化させて、2本の放電管が出す合計のオゾン発生効率をシミュレートした。
図15は、流量比FR(=偏心側流量/同心側流量)を変えたときの、電極ユニット1本あたりの流量とオゾン濃度との関係を説明する図である。
従来例では、流量比FRは偏心量によって決定されるため、ある値に固定される。今回の場合は、流量比FR=1.375であるが、本実施形態では、流量比を任意の値にすることができる。
図16は、流量比FRを変えたときの、2本の電極ユニットの合計のオゾン発生効率を説明する図である。
従来例において流量比は、流路抵抗により定まる値であるので、一つの値しか持つことはできず流量比FR=1.375であった。この結果、オゾン発生効率は60.30g/kWhに留まった。
一方、本実施形態によれば、流量比を任意に変えることができるので、オゾン発生効率がより高い流量比FR(好ましくはオゾン発生効率が最高となる流量比FR)でオゾン発生装置を運転できることになる。具体的には、流量比FR=0.973に設定すれば、効率は60.95g/kWhとなり、約1.07%効率を向上できる。
ところで、実際のオゾン発生装置は多数の電極ユニットEUを有しており、それぞれの電極ユニットは、製造誤差等に起因して異なる偏心量を持っている。このため、流量比FRを個別に決定することは困難であった。
そこで、原料ガスの流量の基準原料ガス流量に対する流量比FR=1となるようにする。なお、ここでいう流量比FR=1は数学的に厳密な意味ではなく、オゾン発生効率的にみて、ほぼ1とみなせる範囲も含むものとし、より現実的には、全ての電極ユニットにおける原料ガスの流量が基準原料ガス流量に対して、所定のガス流量範囲内(例えば、流量比FR=0.95以上)に収まるようにされていてもよい。
ここで、基準原料ガス流量としては、電極ユニットEUのシミュレーション結果に基づく理想的な原料ガス流量に基づいて設定したり、複数の電極ユニットEUのうち、もっとも流量の大きな電極ユニットに対応する流量に基づいて設定したりすればよい。
そして、流量比FR=1にした場合には、効率はほとんど低下しない。つまり、流量比FR=1でよいことになる。
すなわち、基準原料ガス流量に基づいて、流量調整部材31−1、31−2の流体抵抗値を、それぞれの電極ユニットEUを流れ出るガスの流量がすべて等しくなるように調整すれば、オゾン発生効率を最大限に引き出すことができるのである。
ここで、流量調整部材31−1、33−2を入れることでガスを流すために要する動力が増加し、この結果、総合的なオゾン発生効率が低下する懸念がある。この点について検討する。
図17は、流量比を変えたときのオゾンを生成するための動力、ガスを流すために要する動力、両者の和(必要電力合計)を説明する図である。
ガスを流す電力(右目盛)に注目する。
従来例では流量調整部材が設けられていないため、ガスを流す電力が最も低く1.177Wである。
これに対し、本実施形態では、流量調整部材31−1、31−2を入れるため、ガスを流す電力は上昇し、流量比FR=1のとき1.427Wに上昇する。従って、ガスを流す電力の増加量は、
1.427−1.177=0.250W
である。
一方、オゾン生成電力(左目盛)は、どの流量比FRであっても、1114.6Wと一定である。
従って、流量調整部材31−1、31−2を入れる前と比較して電力の増加率は、
0.250/1114.6×100=0.022[%]
となる。
すなわち、オゾン生成電力は、ガスを流す電力の500倍であり、ガスを流す電力はほとんど無視できる。
図18は、原料ガスを流す動力を考慮したオゾン発生効率を示す図である。
図18に示すように、原料ガスを流す動力を考慮した場合のオゾン発生効率は、原料ガスを流す動力を考慮しない場合と比較して、原料ガスを流す動力が非常に小さいため、考慮しない場合とその効果はほとんど変わらない。
すなわち、流量調整部材31−1、31−2を設けることにより総合的なオゾン発生効率はほとんど低下しないため、流量調整部材31−1、31−2の流路抵抗値(流体抵抗値)をそれぞれの電極ユニットEUを流れ出るガスの流量がすべて等しくなるように調整すれば、オゾン発生効率を最大限に引き出すことができるという結論は変わらない。
換言すれば、図1に示したように、複数の電極ユニットの少なくとも一部の電極ユニットEUに流量調整部材31−1、31−2を設けることにより、対応する電極ユニットEUにおける原料ガスの流量の基準原料ガス流量に対する流量比が1となるようにすることで、オゾン発生効率を最大限に引き出すことができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 オゾン発生装置
11 オゾン発生装置本体
12 収納容器
13 高圧碍子
14 高圧電源
15 接続板
16 ヒューズ
17 誘電体電極
18 金属電極
18A 金属電極集合体
19 冷却水流路
21 冷却水入口
22 冷却水出口
23 ガス入口
24 ガス出口
25 円筒状誘電体
26 電極皮膜層
27 高圧給電端子
31 突起
31−1、31−2 流量調整部材
d 放電ギャップ長
EU、EU0、EU1 電極ユニット

Claims (3)

  1. 円筒状の高圧電極及び前記高圧電極に対して二重管を構成するように配置された円筒状の低圧電極を有し、前記高圧電極と前記低圧電極との間のギャップに原料ガスを流すとともに、誘電体を介して所定の高電圧を印加して放電させ、放電によりオゾンを発生させる複数の電極ユニットと、
    前記複数の電極ユニットの少なくとも一部の電極ユニットに設けられ、対応する電極ユニットにおける前記原料ガスの流量の基準原料ガス流量に対する流量比が1となるように前記原料ガスの流路中に設けられた流量調整部材と、を備え、
    前記基準原料ガス流量は、前記高圧電極及び前記低圧電極のいずれもが直管で、前記高圧電極の中心軸及び前記低圧電極の中心軸が一致して作成された電極ユニットにおける原料ガス流量である、
    オゾン発生装置。
  2. 前記流量調整部材は、前記基準原料ガス流量に対して所定の流量比未満の電極ユニットに設けられている、
    請求項1記載のオゾン発生装置。
  3. 全ての前記電極ユニットにおける前記原料ガスの流量が前記基準原料ガス流量に対して、所定のガス流量範囲内に収まるようにされている、
    請求項1又は請求項2記載のオゾン発生装置。
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