JP6057791B2 - 延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機 - Google Patents

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Description

本発明は、1台のシート状物の延伸機を用いて、シート状物、例えば、熱可塑性樹脂フィルム等の縦方向及び横方向延伸処理と、縦方向又は横方向の収縮処理とを、選択的に行うことができるシート状物の延伸機に関するものである。
従来の同時二軸延伸機は、特許文献1に記載されているようにリンク装置がその自重を受けるスラスト受けと案内溝を転動するローラ軸受とによって支持される構成となっていた。このような構成のリンク装置では、スラスト受けの摺動面での摺動抵抗が大きく、高速走行が困難となる。また、摺動部に潤滑油を必要とするので潤滑油がフィルムに飛散しフィルムを汚す恐れがある。
このような課題を解決するものとして、例えば、特許文献2に記載されたようにスラスト受けを転動コロにしたものがある。しかしながら、このような二軸延伸機では、リンク装置の走行を案内する案内溝を形成するガイドレールがベッド上に固定されているので、MD(縦方向延伸)倍率を変更する場合に容易に行えないという問題がある。
また、横延伸機においては、特許文献3に記載されているように、クリップの自重を受けて転動走行させるガイドローラとガイドレールを挟んで設けられクリップに横延伸方向の動きを与えるガイドローラとによって支持する構成の例がある。しかしながら、このような自重を受けて転動走行させるガイドローラ(転がり軸受)は回転軸が一方向に固定されているので、曲がり部をその進行方向に追随して走行させるためには機械的に複雑な構造を採用せざるを得なくなる。
これらの課題を解決する同時二軸延伸機として、特許文献4に記載のように、ガイドレールを挟んでシート状物の延伸力を支える一対のラジアル軸受を設け、ラジアル軸受にガイドレールに設けた凸部が噛み合う溝を設けてリンク装置の自重も同時に支えるようにしリンク装置を支持したものがある。また、ガイドレールの一方の位置を移動可能にしリンク装置の開き角度を規制することが可能にしてある。本方式によれば、グリース封入方式のラジアル軸受を採用することにより外部からの強制給油が不要となり油飛散を未然に防止でき、高速走行も可能となる。また、ガイドレール位置を移動させることによりMD倍率を無段変換可能となる。しかしながら、この同時二軸延伸機では、リンク装置を構成するリンクの掴み装置が設けられている側のリンクにリンク軸が固定され、他方のリンクがリンク軸に対して回動可能になっている。そして、リンク軸の最下端に軸受取付座を取り付け、軸受取付座に溝付きラジアル軸受を取り付ける構造になっているため、リンク軸と軸受取付座が実質的に一体になっており、リンク軸に対して軸受取付座が回転しない構造になっていた。このため、リンクが閉じた時と開いた時ではガイドレールに対するリンクプレートの交差角度が変わってしまい、軸受取付座に取り付けた2個の溝付きラジアル軸受の取付中心を結ぶ中心線とガイドレールのとの交差角度が異なってしまう、すなわち、リンクを閉じた状態で交差角度が90度となるようにしてあってもリンクが開くと交差角度が90度より小さくなってしまう。このため、リンクが開く区間、すなわち、シート状物の延伸区間及びシート状物の延伸後の送り区間では、溝付きラジアル軸受によって挟まれるガイドレールの幅を交差角度に応じて狭めた寸法に管理しなければならず、ガイドレールの保守管理が大変になるという問題がある。
この課題を解決し、簡便な構造で、複数の方向について延伸の量を可変に調節でき、シート状物の延伸の効率と歩留まりを向上するために、特許文献5に記載のシート状物の延伸機が提案されている。
特開平4−12957号公報 特開平11−77825号公報 実開昭62−147520号公報 特開2000−334832号公報 特開2008−30394号公報
ところで、特許文献5に記載のシート状物の延伸機は、簡便な構造で、縦方向及び横方向について延伸の量を可変に調節でき、シート状物の延伸の効率と歩留まりを向上することができるようにするという所期の目的を達成できるものであり、併せて、縦方向の収縮処理が可能であることの示唆はあるものの、簡易にシート状物の縦方向又は横方向の収縮処理を行うことについては考慮されていなかった。
本発明は、上記従来の延伸機の有する問題点に鑑み、1台のシート状物の延伸機を用いて、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理と、縦方向又は横方向の収縮処理とを、選択的に行うことができる延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機は、熱可塑性を有するシート状物の幅方向両端を把持する連結された等長リンク複数を、略水平面上の閉じた経路を構成するレールに沿って案内して前記シート状物を前記経路の搬送側部分を搬送しつつ処理した後に、前記経路の戻り側部分を戻って走行させる無端リンク装置の対を備え、前記レールは、前記等長リンクを案内する前記シート状物に近い側に配置された搬送側部分と前記シート状物に遠い側に配置された戻り側部分とをそれぞれ有する外周側及び内周側レールからなるガイドレールを有するとともに、該ガイドレールの搬送側部分において前記外周側及び内周側レールのレール間隔を可変に調節する調節手段を備え、前記無端リンク装置の各々は、前記経路に沿って、両端部に、向かい合った前記無端リンク装置間に形成される搬送スペースが等間隔のシート状物を搬送しつつ加熱する加熱領域と、該加熱領域を挟んで、向かい合った前記無端リンク装置間に形成される搬送スペースが前記経路の一端側から他端側に向けて漸次変化するように配置されたシート状物の延伸・収縮領域とを備え、前記等長リンクの走行方向を可変にしてなり、前記等長リンクの搬送側部分の走行方向を一端側から他端側に向けて走行させながら前記シート状物を前記経路の一端側から供給することにより行う前記シート状物の縦方向及び横方向延伸処理と、前記等長リンクの搬送側部分の走行方向を他端側から一端側に向けて走行させながら前記シート状物を前記経路の他端側から供給することにより行う前記シート状物の縦方向又は横方向の収縮処理とを、選択的に行うことができるようにしたことを特徴とする。
この場合において、前記シート状物の延伸・収縮領域の前記無端リンク装置間に形成される搬送スペースが前記経路の他端側から一端側に向けて末広がり状をなすように配置した状態で、前記等長リンクの搬送側部分の走行方向を他端側から一端側に向けて走行させながら前記シート状物を前記経路の他端側から供給することにより、前記シート状物の縦方向収縮及び横方向延伸を行うようにすることができる。
また、前記シート状物の延伸・収縮領域の前記無端リンク装置間に形成される搬送スペースが前記経路の一端側から他端側に向けて末広がり状をなすように配置した状態で、前記等長リンクの搬送側部分の走行方向を他端側から一端側に向けて走行させながら前記シート状物を前記経路の他端側から供給することにより、前記シート状物の縦方向延伸及び横方向収縮処理を行うようにすることができる。
本発明の延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機によれば、1台のシート状物の延伸機を用いて、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理と、縦方向又は横方向の収縮処理とを、選択的に行うことができる。
本発明の延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機の構成の概略を説明する上面である。 シート状物の縦方向及び横方向延伸処理を行う場合の図1に示す延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機のリンク装置の構成の概略を示す図である。 図1に示す延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機に係る予熱部の構成の概略を示す縦断面図である。 図1に示す延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機に係る延伸部の構成の概略を示す縦断面図である。 図1に示す延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機の熱固定部の構成の概略を示す縦断面図である。 図3に示す延伸部のガイドレール部近傍を拡大して示す縦断面図である。 図1に示す実施例のリンクガイドレール上のリンク装置の配置を示す模式図である。 図6に示す延伸領域の任意の領域における駆動シャフトの動作とリンクガイドレールの動作との関係を示す模式図である。 延伸領域の任意の隣り合う領域に属するレールベースを連結する関節近傍の構成の概略を示す上面図である。 図1に示す実施例のリンクガイドレールに配置されたスリットの配置とその形状を説明する図である。 図1に示す実施例に係る延伸機のMD方向のシート状物の延伸の量を変更する場合の動作の流れを示すフローチャートである。 図1に示す延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機がシート状物を延伸する動作の際の装置各部分の配置の概略を示す正面図及び側面図である。 シート状物の縦方向収縮及び横方向延伸処理を行う場合の延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機のリンク装置の構成の概略を示す図である。 シート状物の縦方向収縮及び横方向延伸処理を行う場合の延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機のリンク装置の構成の概略を示す図である。 シート状物の縦方向延伸及び横方向収縮処理を行う場合の延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機のリンク装置の構成の概略を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
まず、図1乃至図12を用いて、本発明に係る延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機を用いてシート状物の縦方向及び横方向延伸処理を行う例を説明する。
図1乃至図6を用いて、上記実施例の構成の概略を説明する。図1は、本発明の延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機の構成の概略を説明する上面である。図2は、図1に示す延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機のリンク装置の構成の概略を模式的に示す図である。図3は、図1に示す延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機に係る予熱部の構成の概略を示す縦断面図である。図4は、図1に示す延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機に係る延伸部の構成の概略を示す縦断面図である。図5は、図1に示す延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機の熱固定部の構成の概略を示す縦断面図である。図6は、図3に示す延伸部のガイドレール部近傍を拡大して示す縦断面図である。
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施例に係る延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機1及びこれに用いられるリンク装置の構成について説明する。
図1に示す、延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機1は、中央部に延伸する熱可塑性を有する樹脂等から構成されたシート状物が搬送される搬送スペース2と、閉じた経路を構成するリンクガイドレール3上を駆動され周回しつつシート状物の両端端部の各々を掴んで搬送し解放する無端リンク装置4、5が搬送スペース2のシート状物の搬送方向の両側に配置されている。
これらの無端リンク装置4、5では、搬送スペース2のシート状物の入口側及び出口側に配置されたスプロケット6、7、8が、図示しないモータ等の駆動装置と連結されて回転駆動され、これらのスプロケット6、7、8に噛み合わされたリンク装置200がリンクガイドレール3上を摺動して移動する。
すなわち、図2(a)に示すように、シート状物の端部を把持する複数(多数)の掴み装置202をシート状物の両側に具備した無端リンク装置4又は5(図中リンクの一部並びに片側の無端リンクは省略)は、折尺状に形成された複数個(多数個)の等長リンク201が連結されて環状に閉じて構成されたリンク装置200を備えている。このリンク装置200は、シート状物の入口側のスプロケット6又は7により駆動されてリンクガイドレール3上を走行し、搬送スペース2の入口に設けられた開閉ガイド等の開閉手段(図示せず)により掴み装置202が開閉されてシート状物を掴み予熱領域9で延伸に必要な温度にシート状物を加熱しつつリンクガイドレール3の搬送側のレール上を走行する。
さらに、後述の延伸領域10において、進行方向に末広がり状に配置されたリンクガイドレール3に案内されて掴み装置202同士の間の掴みピッチをP1からP2に徐々に拡大することにより、シート状物を縦横二方向に同時に延伸する。その後、熱固定領域11においてシート状物を所定の温度で熱固定した後、出口に設けられた開閉ガイド等の開閉手段(図示せず)により掴み装置202を開閉してシート状物から外し、外されたシート状物をそのまま進行させる。さらに、リンク装置200は、出口側のスプロケット8により駆動されリンクガイドレール3の戻り側レール上を走行して入口側のスプロケット6に戻るように構成される。
すなわち、本発明に係る延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機1は、熱可塑性樹脂のシート状物の端部を把持する多数の掴み装置202をシート状物の両側端に具備した無端リンク装置4、5が配置され、該無端リンク装置4、5は折尺状に形成された多数個の等長リンク201が環状に連結されたリンク装置200備えて、シート状物の入口側のスプロケット6又は7より駆動される。シート状物の幅方向両端側で対向して配置された内外周1対のレールからなり、進行方向に末広がり状に配置されたリンクガイドレール3に案内されてシート状物を延伸させた後シート状物を外し、搬送スペース2出口側のスプロケット8により駆動されて、入口側のスプロケット6に戻るように構成される。なお、無端リンク装置4又は5における等長リンク201の最大ピッチを制限するチェーンリンク203a、203bは、隣接したリンク軸204の間に設けられている。なお、無端リンク装置4又は5のリンク構成としては、特公平5−4896号公報に記載された無端リンク装置を参照することができる。
リンクガイドレール3は、図2(b)に示すように凸状になるように配置された断面略矩形状の梁状部材で構成された、内周及び外周の側の一対の組になるレールで構成されている。等長リンク201がシート状物を把持しつつ走行する搬送側のレールにおいてシート状物に近い方の外周側のレール205にはシート状物を把持する掴み装置202が連結されたジョイント用のリンク軸207が配置され、内周側のレール206には掴み装置202を有さないジョイント用のリンク軸208が配置される。
リンク軸207とリンク軸208とはリンクプレート209及び210により連結される。リンク軸207、208の最下端には第1の転がり軸受である軸受ローラ211a、212aを有する軸受ホルダ211、212が連結され、軸受ホルダ211、212の両側、すなわち、軸受ローラ211a、212aの外周部に一対の第2の転がり軸受である鍔付きラジアル軸受213a、213b、214a、214bが取り付けられている。鍔付きラジアル軸受213a、213b、214a、214bは等長リンク201の動きを規制するレール205、206の両側面を転動し、かつ、レール205、206の上面と鍔付きラジアル軸受213a、213b、214a、214bの鍔の接触で等長リンク201の自重を保持するように配置されている。
図2(c)に示すようにリンクが閉じた状態と開いた状態とでは、リンクプレートとガイドレールの交差角度(θ)がθ1、θ2と異なる。このときでも、軸受ホルダ211、212に支持された鍔付きラジアル軸受213a、213b、214a、214bは、リンク軸207、208に対する軸受ローラ211a、212aの働き(回動)により、常にレール205、206の両側面に対して実質的に垂直に位置するよう変化する(回動する)、すなわち、レール205、206の長手方向に対し直交する。
したがって、本実施例によれば、一対の鍔付きラジアル軸受をガイドレールに対して常に一定の角度にすることができるので、リンクプレート209及び210とレール205、206の交差角度(θ)やガイドレール幅に依存することなくリンク装置200を走行させることが可能となる。
図2(c)は、MD方向の延伸の量(倍率、シート状物の長手方向の倍率)が1.0より大きくした状態を示す。つまり、同図の右側に示すレール206とレール205との間が接近して等長リンク201のリンクの開き角度が大きくなる。これにより、シート状物は進行方向に延伸される(図中掴み装置は省略)。さらに、図示していない部分のガイドレールと図中ガイドレールの連結にはバネ鋼を用いることで、ガイドレールを無端状に配置可能となる。
なお、本実施例ではシート状物をフィルムの進行方向に対して延伸する方法を示したが、図2(c)の左側に示すレール206とレール205と、同図の右側に示すレール206とレール205との距離を同じくすることでθ1とθ2とを略同一にする、つまり、MD方向の延伸の量を同じにすることができる。
また、図2(c)と逆に図上左側のレール206とレール205との間の距離を右側での距離よりも接近させてリンク装置の開き角度を図示の左側で小さくすることで、図13に示すように、シート状物をフィルムのMD方向に収縮させることも可能である。この場合、TD方向にシート状物が延伸される。この場合、レール206とレール205との間の距離を、予熱領域9を含めて、往路全長に亘って可変に構成する必要がある(ちなみに、上記実施例において、図13に示す使用態様を採用しない場合には、予熱領域9のレール206とレール205との間の距離を可変に構成する必要がないこと、すなわち、リンクガイドレール3に案内される掴み装置202同士の間の掴みピッチP1を一定の値に固定できることから、シート状物の延伸機の構造を簡略化できる利点がある。)。
さらに、TD方向の延伸の量(倍率)の無段可変技術(リンクガイドレール3を末広がり状に配置させる構成)と組み合わせることで、TD方向、MD方向の延伸の量を自由に設定することが可能である。
上記のとおり、無端リンク装置4、5の間の搬送スペース2は、概略3つの領域に分けられており、入口側から出口側に向かって予熱領域9、延伸領域10、熱固定領域11に分けられる。これらの領域の各々ではシート状物を把持する無端リンク装置4、5の端部の下方に複数のブロワ12が配置されている。各ブロワ12は、そのシート端側の側方に延在するダクト12aと連結されて、このダクト12aから導入される加熱された気体である空気がブロワ12に導入される。ブロワ12内の空間に導入された高温の空気は、ブロワ12の上部の上方に向けて開口された吹き出し口からその上方を通るシート状物の下面に向けて吹き出される。
なお、ブロワ12は、無端リンク装置4、5の端部の下方に配置するほか、上方のみ又は上下両方に配置して、上方に配置したブロワ12の下部の下方に向けて開口された吹き出し口からその下方を通るシート状物の上面に向けて高温の空気を吹き出すように構成することもできる。
複数のブロワ12からこのような高温の空気の供給を受けて、予熱領域9では、シート状物が加熱され高温にされることで、熱可塑性を有するシート状物の変形が容易にされ、後方の領域での変形の際の損傷や変形の偏りの発生等が抑制される。また、この予熱領域9はシート状物が搬送スペース2に導入される入口であり、この入口においてリンクガイドレール3に案内されて駆動されたリンク装置のフィルム側端部がシート状物の端部を把持してリンク装置の周回の動作の方向である搬送スペース2の出口側に向かってシート状物を引っ張って搬送を開始する。
予熱領域9の後方に隣接する領域である延伸領域10では、シート状物の両端側で向かい合う無端リンク装置4、5のリンクガイドレール3は、一方に対して末広がり状に配置され、このようなリンクガイドレール3に案内されるリンク装置は把持するシート状物の端部を両端の方向に伸ばす(延伸する)ことができる。また、延伸領域10においても、複数のブロワ12より高温の空気がシート状物に吹き付けられ、シート状物が延伸される際の損傷や延伸量の偏りが抑制される。
延伸領域10の後方でこれに隣接する領域である熱固定領域11では、無端リンク装置4、5のリンクガイドレール3は、一方に対して予熱領域9の出口部の距離で略並行に配置され、リンク装置に把持されたシート状物は略一定の幅で搬送されるとともに、この領域の下方に配置された複数のブロワ12からの高温の空気の供給を受けて、所定の量だけ延伸された状態を維持して加熱され、その形状や長さが固定される。
また、後述のとおり、本実施例では、リンク装置はシート状物の両端側の方向(幅方向、TD方向)についての延伸のみでなく、シート状物の搬送方向(MD方向)にも延伸可能に構成され、また、これらの方向への延伸の倍率を可変に構成されている。すなわち、リンクガイドレール3のフィルム側レール同士の距離を可変に構成することで、フィルム端同士の距離を搬送方向について変化させて幅方向(TD方向)に延伸可能にするとともに、及びこれと反フィルム側レールの間の距離を可変に構成することで、延伸領域10においてリンク装置の開度を可変にして、シート状物の搬送方向(MD方向)についての延伸の量(例えば、延伸倍率)を変更可能に構成している。
また、本実施例では、このようなTD方向の延伸の量の変更は、MD方向の変更と独立に行うことが可能であり、またMD方向の延伸の量の変更をTD方向の変更と並行して行うことが可能に構成されている。
図12を用いて、本実施例がシート状物を延伸する動作について概略を説明する。図12は、図1に示す延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機がシート状物を延伸する動作の際の延伸領域10における装置各部分の配置の概略を示す正面図及び側面図である。図12(a)は、シート状物の幅方向の延伸の量が0(延伸の倍率が1.0)である動作を行う際の装置の配置を示す図である。図12(b)は、シート状物の幅方向の延伸の量が0以上(延伸の倍率が1.0以上)である動作を行う際の装置の配置を示す図である。
図12(a)において、シート状物の幅方向の延伸の量が0であるため、シート状物は、本実施例の予熱領域9、延伸領域10及び熱固定領域11のいずれにおいても、その幅は略同一となっている。すなわち、シート状物の両端側に配置された無端リンク装置4、5のそれぞれのリンクガイドレール3の対向して面するレール同士は略同じ高さで略並行に配置されており、これらのレール上でこれに案内されて走行するリンク装置200がシート状物側端部を把持する把持装置の把持位置も、略並行となっている。
図12(b)に示すように、シート状物の幅方向についての延伸の量が0以上(延伸の倍率が1.0以上)である場合には、無端リンク装置4、5の延伸領域10におけるリンクガイドレール3は、図12(a)に示される状態と比べて上記幅方向についてシート状物の外側に変位させられて、シート状物両端側に位置するリンクガイドレール3同士の距離が末広がり状に大きくなるように位置している。このため、図上矢印の両端間隔は、(b)の場合の方で大きくなっている。
本実施例では、延伸領域10でのリンクガイドレール3同士の距離は自在に変更可能であり、延伸の量が可変に調節可能となっている。この延伸の量の変更を指令する信号に応じて、上記それぞれのレールベースは、連結された駆動手段によりシート状物の幅方向に移動され、リンクガイドレール3の末広がりの大きさが変更される。
さらに、延伸領域10の下流側(シート状物の出口側)に位置する熱固定領域11では、リンクガイドレール3の対向するレール同士を、その延伸領域10の出口での距離で略並行となるように配置される。これにより、シート状物は、その幅方向の長さを延伸領域10出口のものと略同等に維持されて、その形状を固定するように下方からの高温の空気が供給されて搬送スペース2の出口に搬送された後、リンク装置が外される。
また、本実施例では、図2に示したように、シート状物の搬送方向について延伸を行い、さらにこの延伸の量を可変にする場合、延伸領域10においてシート状物の両端側で対向するリンクガイドレール3の搬送側のレール各々のフィルム側レール(外周側レール)と反フィルム側レール(内周側レール)との間の距離をシート状物の搬送方向について末細まり状に小さくすることが可能に構成されている。2つのレール同士を末細まり状に配置することで、これらの上を案内される折尺状のリンク装置同士の距離が大きくなり、リンク装置のシート状物側に位置してシート状物の端部を把持する把持位置の間隔が増大してシート状物がリンク装置の進行方向(シート状物の搬送方向)に延伸される。
また、延伸領域10に隣接する熱固定領域11では、リンク装置同士の距離を熱固定領域11を通して略一定となるように、延伸領域10の出口で設定されたリンクガイドレール3のフィルム側レール及び反フィルム側レールの間隔が維持される。熱固定領域11では、その入口から出口側のシート状物を離脱させる箇所までの上記フィルム側レール及び反フィルム側レール間隔は略一定にされ、両者が略並行に配置されている。
上記間隔は延伸領域10での延伸の量に応じて変化するため、熱固定領域11では、延伸領域10で可変にされるリンクガイドレール3の間隔に合わせてフィルム側レール及び反フィルム側レールの間の間隔を調節可能に構成されている。
さらに、本実施例では、熱固定領域11の戻り側レールの少なくとも一部で、レール間隔を増大させて、シート状物を延伸するため大きくしたリンク装置の間隔を減少させている。つまり、閉じた経路であるリンクガイドレール3上ではリンクの数が一定であることから、延伸領域10において単位長さ当たりのリンク数が減少した分を、大きくする別の箇所が必要となる。本実施例では、リンクガイドレール3の熱固定領域11の装置両端側の戻り側レール上の略直線上の箇所に配置している。
図3は、図1に示す本実施例の予熱領域9における一方の無端リンク装置4の構成の概略を示している。この図において、予熱領域9での無端リンク装置4は、上下方向について概略3段の構成に区分けされて構成されている。この無端リンク装置4が接地される床面の上方に据付ベース13が配置されている。この据付ベース13の上方に無端リンク装置4の部材が連結されて配置されており、据付ベース13は、これらの部材の重量とともにリンクを駆動する際に生じる荷重を支持する基礎の部材となっている。
この据付ベース13上方には、中間部材14を介して走行台15が連結されて、その位置が固定されている。この走行台15は、その上方に連結された部材を支持するとともに、リンク駆動時の荷重を支持して下方の据付ベース13に伝達する。さらに、この走行台15は、リンクガイドレール3及びこれに案内される複数リンクの位置をシート状物の幅方向に移動させるためのスライドベース16とこれを移動させるための駆動部17及びこの駆動部17により駆動される駆動シャフト18とが連結されている。つまり、走行台15のシート状物の端部側にはリンクガイドレール3が接地されるスライドベース16が配置され、その反対側(装置外側)の端部に、駆動シャフト18を回転駆動するモータ部19を含む駆動部17が配置されている。
さらに、走行台15上面には、シート状物の幅方向(TD方向)に延在してスライドベース16がその上に摺動可能に載せられる少なくとも1つのTDガイドレール20が配置されており、スライドベース16が駆動シャフト18の動作に応じて、このTDガイドレール20上をこれに沿って移動する。また、スライドベース16のシート状物側端部の上方には、リンクガイドレール3をその上に支持するレールベース21が載置され、スライドベース16の移動に伴って、リンクガイドレール3のTD方向にその位置が移動される。
上記のとおり、走行台15のシート幅方向の端部には、駆動部17が連結されて固定され、駆動部17内のモータ部19の駆動により駆動シャフト18の回転がスライドベース16に伝達されて、スライドベース16上面にシート状物の幅方向に延在する略直線状のTDガイドレール20に沿ってスライドベース16が移動する。
上記の構成において、略円筒形状の軸をなす駆動シャフト18の表面には、ねじ状の溝が配置されているとともに、この溝に噛み合うねじ状の溝が形成されたねじ部22がスライドベース16の下面に配置されている。駆動シャフト18の回転駆動によるねじ状の溝の回転により、これに噛み合ったねじ部22を有するスライドベース16が駆動シャフトの軸方向であるフィルム側あるいは反対の装置外側(反フィルム側)に方向に移動する。
スライドベース16の搬送スペース2側の端部上方に配置されたレールベース21は、リンクガイドレール3の搬送側及び戻り側レールそれぞれの対の下方でスライドベース16と連結されて配置されている。本実施例では4本のレールを各々支持するレールベース21とこれに支持されるリンクガイドレール3とは、スライドベース16に対して位置が固定されている。
図4は、図1に示す実施例の延伸領域における無端リンク装置の構成の概略を示している。この図において、延伸領域10での無端リンク装置4は、上下方向について概略3段の構成に区分けされて構成されている。この無端リンク装置4が接地される床面の上方に据付ベース23が配置されている。この据付ベース23の上方に無端リンク装置4の部材が連結されて配置されており、据付ベース23は、これらの部材の重量とともにリンクを駆動する際に生じる荷重を支持する基礎の部材となっている。
この据付ベース23上方には、支持体24を介して走行台車25が連結されて、その位置が固定されている。この走行台車25は、その上方に連結された部材を支持するとともに、リンクの駆動時の荷重を支持して下方の据付ベース23側に伝達する。さらに、この走行台車25上には、リンクガイドレール3及びこれに案内される複数リンクの位置をシート状物の幅方向に移動させるためのスライドベース26とこれを移動させるための駆動部27及びこの駆動部27により駆動される駆動シャフト28とが連結されている。つまり、走行台車25のシート状物の端部側にはリンクガイドレール3がその上に配置されるスライドベース26が配置され、その反対側(装置外側)の端部に、駆動シャフト28を回転駆動するモータ部29を含む駆動部27が配置されている。
さらに、走行台車25上面には、スライドベース26がその上に摺動可能に載せられるTDガイドレール30が配置されており、スライドベース26が駆動シャフト28の動作に応じて、このTDガイドレール30上をこれに沿って移動する。また、スライドベース26のフィルム側端部の上方には、リンクガイドレール3をその上に支持するレールベース31、32、33が載置され、スライドベース26の移動に伴って、リンクガイドレール3のシート状物の幅方向(TD方向)にその位置が移動される。
また、据付ベース23あるいは支持体24と走行台車25との間には、搬送スペース2の入口側あるいは出口側(搬送方向、MD方向)に延在して、走行台車25がその上にMD方向に移動可能に載置される2つのMDガイドレール34が配置されている。これは、後述のように、リンクガイドレール3あるいはスライドベース26をシート状物の幅方向に移動させた場合に、必要な延伸の量を実現する上で必要となるリンクガイドレール3のMD方向の移動を実現するために設置されている。
本実施の例では、予熱領域9の場合と同様、走行台車25のシート状物幅方向の端部には、駆動部27が連結されて固定され、駆動部27内のモータ部29の駆動により、その表面にねじ状の溝が配置された駆動シャフト28の回転が、スライドベース26下部に配置され駆動シャフト28表面のねじ状溝と噛み合わされるねじ部35を介して伝達されて、スライドベース26上面にシート状物の幅方向に延在する略直線状のTDガイドレール30に沿ってTD方向にスライドベース26が移動する。この際、スライドベース26上に連結されて配置されたレールベース31、32、33は、スライドベース26とともにその位置が移動する。さらに、MD方向についても、スライドベース26とともに位置を移動可能に構成されている。
また、本実施例では、延伸領域10において、シート状物の幅方向(TD方向)についての延伸の量のみでなく、搬送方向(MD方向)についての量も変化可能に構成されている。すなわち、スライドベース26のフィルム側端部に配置された2つのレールベース31、32の上に配置された2つのリンクガイドレール3同士の間のTD方向の距離を変更可能にするため、シート状物の端部に近いレールであるフィルム側レール36を上部に有するフィルム側のレールベース31を、シート状物の幅方向端部についてフィルム側レール36を挟んで反対側のレールである反フィルム側レール37を上部に有するレールベース32に対して変位させる構成を備えている。
このために、本実施例では、駆動部27の上部においてモータ部29上方に配置された別のモータ部38と、このモータ部38と連結され駆動シャフト28直上方に配置されレールベース31と連結された駆動シャフト39とを備えている。このように本実施例では、モータ部29、38及び駆動シャフト28、39とは、上下方向について重なって配置されている。
略円筒形状を有する上方の駆動シャフト39のシート状物側の端部の円筒部表面にはねじ状の溝が形成されたねじ部が配置され、このねじ部の溝と噛み合ってレールベース31が連結され配置され、駆動シャフト39の回転によるねじ部の回転に伴いTD方向のシート状物の側あるいは装置外側に移動する。
図6に、図4に示す延伸領域10のスライドベース26のシート状物側の端部近傍の構成の概略を示す。図6(a)は、延伸領域10の走行台車25上のスライドベース26及びレールベース31、32、33の構成を示す上面図である。図6(b)は、延伸領域10の走行台車25上部の構成の概略を示す縦断面図である。
図6(a)に示すように、本実施例は、延伸領域10のリンクガイドレール3を末広がり状に配置するため、延伸領域10のリンクガイドレール3の内外周各々のレール下方に、複数の部材を連結して構成した支持部材を配置している。すなわち、延伸領域10の入口から出口まで延在し各々のリンクガイドレール3であるフィルム側レール36及び反フィルム側レール37各々と連結、接続されてこれを支持する複数のレールベース(部材)31a〜f、32a〜fを配置し、これらのレールベースの部材同士を連結してリンクガイドレール3の内外周レール各々を支持する1つのレールベースとして構成している。また、延伸領域10の戻り側レールの内周側及び外周側レール各々を下方から支持する2つのレールベース33も、シート状物搬送側のレールと同様に、各々が6つの部材33a〜f、33a’〜f’を連結して構成された2つのレールベース33として構成されている。
すなわち、本実施例では、延伸領域10はシート状物の搬送方向について連なる複数の領域65a〜fに区画され、各領域65a〜fの各々が対応するレールベース(部材)31a〜f、32a〜f及びその部材33a〜f、33a’〜f’並びにその上方で支持されたリンクガイドレール3の部分を有している。延伸領域10に配置されるリンクガイドレール3の内周、外周の4つの部分は、それぞれ延伸領域10の入口から出口までで6つのレールベース31a〜f、32a〜f及びその部材33a〜f、33a’〜f’を連結し各々が略上下方向に延在する軸心を有した関節63によって軸周りに略水平の方向に回転可能に連結された支持部材で支持される。このため、延伸領域10では1本のガイドレールについて6つの梁状の部材とこれらを連結する7つの関節部を備えた支持部材で下方から支持される。
さらに、シート状物の幅方向(TD方向)に領域65a〜fに対応して配置されたレールベースの部材、例えば、31a、32a、33a、33a’の場合は、下方に配置された走行台車25及びスライドベース26と連結されており、対応する駆動部27及び駆動シャフト28a、39aによってTD方向及びMD方向に移動され、さらにレールベース31aとレールベース32aとの間隔が可変に調節される。
本実施例では、各領域65a〜f毎の対応する部材同士、例えば、レールベースの部材31a、32a、33a、33a’のうち、32a、33a、33a’が連結棒64aと連結されて、いずれかのTD方向の移動が他の部材に伝達されて移動させる構成となっている。また、これらの対応する部材は、略同じ長さの梁状の部材であり、リンクガイドレール3のTD方向の移動に際しこれら対応する部材同士が、各両端の関節63の間を一辺とする略平行な四辺形を形成する。また、レールベース31aは、レールベース32aと連結されているため、MD方向の延伸の量を1以上にしない場合は、これらレールベース31a、32a同士も関節部を両端として略平行四辺形を構成する。他の領域65b〜fについても同様の構成を備えている。
このような構成の延伸領域10において連結された各領域における上記駆動の動作が各領域のレールベース31、32、33を連動させてこれらによる略平行四辺形の形状が形成され、これらが連結されて上方に連結されて支持されたリンクガイドレール3の末広がりな形状が形成される。
図6(b)は、に示すように、本実施例では、スライドベース26のシート状物側端部にリンクガイドレール3及びその下方に配置されてこれらを支持するレールベース31、32、33が配置されている。このうち、レールベース33は、スライドベース26上面にその位置が固定されて連結された連結ボックス40上に固定されて連結されている。
このレールベース33上に配置された2つのガイドレールは、シート状物を把持して搬送スペース2の出口側に搬送したリンク装置が、その出口側端部でシート状物の端部を解放して放離した後、出口側に配置されたスプロケット8と噛み合わされて回転し、搬送スペース2の入口側に戻る経路を案内する戻り側レール41である。
また、反フィルム側レール37がその上方に配置され連結されたレールベース32は、スライドベース26と連結柱42の上部でこれと連結されている。さらに、フィルム側レール36がその上方に配置され連結されたレールベース31は、駆動シャフト39の先端部のねじ部と連結されるとともに、駆動シャフト39を介して連結柱42及びその上方のレールベース32、反フィルム側レール37と連結されている。このため、レールベース31、32は、図示しない駆動シャフト28の動作によるスライドベース26のTD方向の移動に伴って、TD方向に移動する。
一方、連結柱42は、その内部で駆動シャフト39上でその回転軸周りに配置された球面軸受45を介し連結されており、駆動シャフト39の回転の動作は、連結柱42には伝達されない。このため、上記スライドベース26の動作に伴って、レールベース32、33及び反フィルム側レール37、戻り側レール41と共にTD方向に移動が可能である。一方、駆動シャフト39の回転の動作は、先端部のねじ部を介してレールベース31を反フィルム側レール37、レールベース32、あるいはこれと連結された戻り側レール41とレールベース33に対して、所望の距離だけ移動させることができる。このように、フィルム側レール36下方のレールベース31は、駆動シャフト39の先端部の円筒部分に配置されたねじ部110と連結されている。
さらに、ねじ部110上方のレールベース31は、その内側に、駆動シャフト39のねじ部110と連結された円柱形状の部材であるトラニオン43が挿入されて連結されている。トラニオン43は、その円柱の軸が駆動シャフト39の軸と略垂直の角度をなすように配置されているとともに、レールベース31とその円柱の軸周りにその表面に沿って摺動して相互に回転運動が可能に構成されている。
また、駆動シャフト39は、連結ボックス40のシート状物の幅方向の側壁上に配置された軸受部111により連結ボックス40と連結されて回転可能に支持される。上述のとおり、この連結ボックス40のシート状物側の軸受部111とねじ部110との間の駆動シャフト39上には、その回転軸方向について2箇所にフレキシブルカップリング68、69が配置され、駆動シャフト39がこれら2箇所において回転軸が曲げられた状態で曲がり角度を維持して回転をねじ部110に伝達可能に構成されている。
このような構成において、駆動シャフト39の回転によりその先端部分のねじ部が回転し、駆動シャフト39のねじ部と噛み合わされた部分と連結されたトラニオン43、及びこれが内部に配置されたレールベース31及びこの上方のフィルム側レール36の位置を移動させる。上記駆動シャフト39の駆動は、その下方に重ねられて配置された駆動シャフト28を駆動するモータ部29とは別に配置されたモータ部38から駆動力が伝達されて行われる。また、モータ部29、38は、図示していない制御装置からの指令信号を授受可能に配置され、2つの駆動シャフト28、39は上記制御装置からの信号を受けた対応するモータ部29、38の動作が伝達されて受け独立に駆動可能に構成されている。
このため、レールベース31及びフィルム側レール36は、フィルムの幅方向外側に隣接するリンクガイドレール3である反フィルム側レール37に対して、その間隔を自在に変更可能にされ、本実施例はこれらフィルム側レール36及び反フィルム側レール37に案内されてこれらの上を走行する複数の無端リンクの走行方向の間隔、つまりMD方向の延伸の量を変更可能となっている。上記の構成から、駆動シャフト28の駆動によるスライドベース26の走行台車25に対するTDガイドレール30上のTD方向の移動と、駆動シャフト39の駆動によるレールベース31のスライベース26に対する駆動シャフト39先端部の軸方向に沿った移動とは、独立して行われる。
レールベース31が駆動シャフト39により駆動されずスライドベース26に対しその位置を変化させない状態で、スライドベース26が駆動シャフト28により駆動されてTD方向に移動する場合には、シート状物を挟んでその両端側に配置される無端リンク装置同士の距離が変更されることになり、TD方向の延伸の量のみが変更される。
このような動作では、上方に配置された駆動シャフト39は下方のスライドベース26の走行台車25に対する移動に応じてその長さを伸縮する。本実施例の駆動シャフト39は、少なくとも内外2つの略同軸に配置された円柱及び円筒を有した構成であり、一方が走行台車25又はこれに連結された駆動部27と連結されて走行台車25に対して位置が固定され、他方が少なくとも1箇所でスライドベース26と連結されてその位置がスライドベース26に対して固定される。このような構成により上記動作に伴って一方が他方の内部において軸に沿って摺動して収納、引出しされて長さが変更される。
本実施例では、駆動シャフト39上の箇所と反フィルム側レール37下方のレールベース32とが連結されている。すなわち、レールベース32内部に円柱形状の部材であるトラニオン44が挿入されて下方の駆動シャフト39と連結されている。トラニオン44は円柱の軸が駆動シャフト39の軸と略垂直の角度をなすように配置されているとともに、レールベース32とその円柱の軸周りにその表面に沿って摺動して相互に回転運動が可能に構成されている。
また駆動シャフト39とトラニオン43又はこの下方で連結された部材とは、駆動シャフト39上に配置された表面が球形状の部分を支持する球面軸受45により連結されて、トラニオン43及びレールベース32と駆動シャフト39とを連結してその位置を拘束している。
また、駆動シャフト28が駆動されずスライドベース26が走行台車25に対して変位せず、駆動シャフト39の動作によりレールベース31がスライドベース26に対して変位する場合には、連結された複数のリンク装置同士の距離が変更され、MD方向の延伸の量のみが変更される。
図5は、図1に示す実施例の熱固定領域における無端リンク装置の構成の概略を示している。無端リンク装置4、5の熱固定領域11の構成も、延伸領域10と同様に、上下方向に概略3つ部分から構成されている。すなわち、装置が据付られた床面の上方にこれと連結されて固定された据付ベース46、及びこの上部に連結された支持体47上方にMD方向に移動可能に配置された走行台車48及びその上方でTD方向に移動可能に配置されたスライドベース49から構成されている。
また、スライドベース49上方には、リンクガイドレール3を下方から支持するレールベース50、51、52とが配置されている。さらに、走行台車48のTD方向の端部には、スライドベース49及びレールベース50、52をTD方向に移動させるためのモータ等を含む駆動部53が走行台車48に固定されて配置されている。
走行台車48は、下方の支持体47上方に配置されMD方向に延在する2つのMDガイドレール54上に載せられて連結されており、これらの上で摺動してMD方向に移動可能に構成されている。この構成により、連結された延伸領域10のTD方向の変位に応じてMD方向へ移動することを可能にする。さらに、走行台車48の上方には、TD方向に延在する少なくとも1つのTDガイドレール55が配置され、その上方に配置されたスライドベース49と駆動部53のモータとの間でこれらを連結する駆動シャフト56がモータの回転動作をスライドベース49に伝達して、スライドベース49が上部を摺動してTD方向に移動する。
また、本図に示す熱固定領域11の無端リンク装置4の構成では、スライドベース49をTD方向に移動させる駆動シャフト56の直上方にその軸の位置を重ねて配置された駆動シャフト57が備えられている。この駆動シャフト57は、延伸領域10の駆動シャフト39と同様に、その先端部にねじ部58を有して、このねじ部58とその上方のレールベース50とが、内部に配置された円柱形状のトラニアン59を介して連結されている。駆動シャフト57は、駆動部53においてTD方向の駆動シャフト56駆動用のモータの上方に配置されたモータと連結されて回転され、この回転動作がねじ部58を介して連結された上方のトラニアン59及びレールベース50にTD方向の移動として伝達され、その上方に連結されて配置されたフィルム側レール60をレールベース51上方でこれに連結された反フィルム側レール61に対する間隔を変更する。
このような構成により、予熱領域9において変更され設定されるシート状物の幅方向の基準長さ及び延伸領域10において調節され設定されるTD方向の延伸の量に応じて、スライドベース49がTD方向に移動される。
さらに、延伸領域10において調節され設定されるMD方向の延伸の量に応じて、レールベース50及びその上方でこれに連結されたフィルム側レール60のレールベース51あるいは反フィルム側レール61に対する位置が調節され、これらの間の距離が設定される。
さらに、本図のレールベース52は、図示していない別の走行台車上でこれに連結された別のスライドベースの上方に、これらの間に配置された別のTDガイドレール上に配置されて連結されている。また、この別のスライドベースは走行台車48及びスライドベース49と同様に、別の走行台車のTD方向の無端リンク装置4の外側端部にモータを含む駆動部と駆動シャフトを介して連結され、モータの回転が駆動シャフトに伝達されることで別のスライドベースが別の走行台車上をTDガイドレール上をTD方向に移動する。
また、レールベース52はこれに連結されたスライドベースとともに、TD方向に移動するとともに、レールベース51に対して(あるいはその上方に配置された内周側の戻り側レール112に対して)距離を位置を可変に調節可能に構成されて、これらの間の間隔は変更可能に構成されている。このような構成により、例えば、レールベース52上に配置されこれに支持される外周側の戻り側レール113と内周側の戻り側レール112との間隔を増大させることで、延伸領域10においてシート状物のMD方向についての延伸の量を増大させてこの領域に存在するリンク数を減少させた場合に、その分のリンク数を増大させる箇所である貯留部を熱固定領域11の戻り側レール上に形成する。
図7を用いて、上記貯留部の作用を説明する。図7は、図1に示す実施例のリンクガイドレール上のリンク装置200の配置を示す模式図である。この模式図では、図1に示す無端リンク装置5におけるリンク装置の配置の2つの状態を例示している。これらの図で、内外2重の点線がリンクガイドレール3を示し、これらの間に示された鋸歯状の線がリンク装置を示している。
これらの図のうち、図7(a)は、MD方向の延伸の量が小さい状態を示す図であり、図7(b)はMD方向の延伸の量が大きな状態を示す図である。図7(b)の状態では、延伸領域10に存在する等長リンク201の数は、図7(a)における数よりも少なくなっている。つまり、延伸領域10におけるフィルム側レール36と反フィルム側レール37との間のシート状物の幅方向についての距離が、搬送スペース2の出口側に向かうにつれて小さくなり、等長リンク201同士の移動方向(リンクガイドレール3の方向)についての間隔が増大している。このため、リンクガイドレール3の戻り側において、上記減少したリンク数を増大させることが必要となる。
すなわち、予熱領域9の入口のスプロケット6と熱固定領域11出口側のスプロケット8との間の戻り側レール上でリンク数を調節する。すなわち、戻り側レールの装置内側(リンクガイドレール3の内周側)のレールと装置外側(リンクガイドレール3の外周側)のレールとの間の距離を増大させる箇所を配置し、この箇所での等長リンク201同士の距離を減少させてリンクガイドレール3の単位長さ当たりのリンク数を大きくする。
本実施例では、図示するとおり、熱固定領域11の戻り側レール上で、内外のリンクガイドレール3同士の間の距離を調節してリンク数を増大させる貯留部62を配置している。このために、上記のとおり、外周側の戻り側レールを下方から支持するレールベース52をスライドベース49又はレールベース51に対してTD方向に移動させる構成を備えている。この貯留部62では内周側のリンクガイドレール3は略直線状であり、さらにまた、外周側のリンクガイドレール3を支持するレールベース52は略直線状に延在する梁材で構成されており、この貯留部62でのレールベース52の移動によるリンクの間隔の変更を容易にしリンク装置の移動をスムーズにしている。
上記のとおり、熱固定領域11における無端リンク装置4、5は、スライドベース49のシート状物側でフィルム側レール60を支持するレールベース50及び戻り側レールの外周側レールを支持するレールベース52が、これらの間に配置されたスライドベース49及びこの上方に配置され反フィルム側レール61及び内周側の戻り側レールを支持するレールベース51に対してシート状物の幅方向(TD方向)について距離(隙間)を可変にする構成となっている。
そして、熱固定領域11のリンクガイドレール3のスプロケット8の後流側において、略直線状の内周側のレールに対しリンク装置の移動方向について外周側のレールを末広がり状に配置して、後流に向かうにつれて間隔を増大させている。これにより、リンク同士の間隔が減少しリンク装置が収縮して、リンクガイドレール3の単位長さ当たりのリンク数が増大する。この貯留部62の後流側では、リンク装置は予熱領域9の戻り側レール内外周レール間隔により設定されるリンク間隔から定まる単位長さ当たりのリンク数で、無端リンク装置5の入口側のスプロケット6に向かって移動する。予熱領域9の戻り側レールのスプロケット6の上流側においても同様である。
図8を用いて、駆動シャフト39とリンクガイドレール3との関係を説明する。図8は、図6に示す延伸領域10の任意の領域における駆動シャフト39の動作とリンクガイドレール3の動作との関係を示す模式図である。
図8(a)は、延伸領域10でTD方向のみの延伸の量を増大させた(延伸の倍率を1.0以上にした)場合の、領域65a〜fの間の任意の領域での動作を示している。任意の領域であることから、符号は駆動シャフト39、レールベース31、32で代表している。
リンクガイドレール3のフィルム側レール36下方のレールベース31及び反フィルム側レール37下方のレールベース32は、駆動シャフト39が駆動されることで駆動シャフト39に連結されていることから、TD方向に移動される。この図では、駆動シャフト39下方に配置され、レールベース31、32と連結されて、並行して移動するスライドベース26及びその下方に連結されてこれを支持する走行台車25は省略されている。
このようにTD方向の延伸の量のみを変動させる場合、上記のとおり、対応するレールベース31、32は両端の関節63を頂点とした略平行四辺形を構成するようにシート状物の幅方向に移動する。本図では無端リンク装置4の装置外側方向である上方に移動して延伸の量を増大する場合を示している。この際、駆動シャフト28が回転駆動されスライドベース26が無端リンク装置4の外側(図上方)に移動すると共に、上方に配置されてレールベース32と図示していない球面軸受45で連結された駆動シャフト39は図上方に移動するとともに、内外二重の円柱構造が収縮して長さが短縮される。
一方で、関節63を頂点として略平行四辺形を形成するレールベース31、32は、上記延伸の動作に応じて図上左側の関節63を支点にして図上方に回転するように移動することになり、これらと駆動シャフト39との連結部66、67の位置は上方に移動すると共に図上左側に移動する。つまり、TD方向にのみ延伸の量を変更する場合にも、連結部66、67はMD方向に移動することになる。そこで、駆動シャフト39をMD方向に移動させる構成が必要となる。
本実施例では、上記のとおり、走行台車25はその下方に配置されたMDガイドレール34上に摺動可能に配置されている。このため、スライドベース26の上記TD方向の移動に伴って走行台車25がMD方向に移動することで駆動シャフト39が移動して、レールベース31、32が円滑に移動でき、これらのレールベース31、32、駆動シャフト39及びこれらの連結部66、67への大きな外力が印加されることが抑制される。
図8(b)は、シート状物のTD方向についての延伸の量を変更するだけでなく、MD方向についての延伸の量を変更する場合の、レールベース31、32及び駆動シャフト39、連結部66、67の配置を示している。この図のように、MD方向の延伸の量を変更する、例えば、延伸の量を増大する(延伸の倍率を増大する)場合には、フィルム側レール36と反フィルム側レール37との間の隙間をシート状物の搬送方向(リンク装置の走行方向)について先細まりの形状に配置する必要がある。
このため、任意の領域のレールベース31、32について、各々対応する端の関節63同士の距離をリンク装置の走行方向側が小さくなるように駆動シャフト39が駆動される。一方、図示するように、この場合、連結部66、67は、TD方向について元来の駆動シャフト39の軸方向に並行な位置から傾きを有した位置関係となるため、1つの剛性の高い部材で構成された駆動シャフト39の構造では、レールベース31、32を上記先細まりに変位させることが困難となる。
本実施例では、MD方向の延伸の量を変更するためには、駆動シャフト39は延伸の量の変化に応じて生じる連結部66又は67の変位に応じて屈曲する構成を備えている。このため、駆動シャフト39は、反フィルム側のレールベース32と連結する連結部67の駆動モータ側(リンク装置外側)の異なる2箇所にフレキシブルカップリング68、69を配置している。これらフレキシブルカップリング68、69は、駆動シャフト39の軸方向の一方から他方に回転を伝達するとともに、両側の間を所定の角度に維持することが可能に構成された互いに略直交する2軸周りに回動可能な連結部材である。
これらフレキシブルカップリング68、69を備えたことで、駆動シャフト39は、MD方向の延伸の量を変動させた際に、フィルム側レール36に対応するレールベース31との連結部とフレキシブルカップリング68との間の駆動シャフト39aと、フレキシブルカップリング68、69間の駆動シャフト39bとが、フレキシブルカップリング69から駆動部27側の駆動シャフトに対して異なる角度、特にMD方向について反対の側(搬送方向上流側及び下流側)、傾いた形状となる。図8(b)は、MD方向の延伸倍率を1.0以上にした例でレールベース31、32が先細まりに配置された場合であり、この例では、駆動シャフト39aは搬送方向上流側(予熱領域9側)に傾き、駆動シャフト39bは搬送方向下流側(熱固定領域11側)に傾いた形態となる。
図9を用いて、延伸領域10を構成する複数の領域に属するレールベース31、32又は33同士が連結される箇所の構成を説明する。図9は、延伸領域10の任意の隣り合う領域に属するレールベース31及び32を連結する関節63近傍の構成の概略を示す上面図である。
この図では、特に、領域65a、65b間の関節63の近傍を示している。この関節63は、レールベース31a、31b及び32a、32b上のフィルム側レール36、37が、各々の下方のレールベース31a、31b及び32a、32bの移動に応じて屈曲する箇所である。すなわち、図示する実施例のとおり、フィルム側のレールベース31a、31bは、関節63において、各々の端部に形成された図示しない貫通孔を、略上下方向(図上紙面方向)に軸を有する略円柱形状の連結ピン70が貫通することで連結され、軸周りに回動可能に構成されている。
さらに、反フィルム側レール37に対応する2つのレールベース32a、32bも、同様に、略上下方向に軸を有する連結ピン71によって端部を貫通されて連結され、連結ピン71の軸周りに回動可能に構成されている。これらレールベース31a、31bあるいは32a、32b各々の対の相対的な回動動作により、それらの上方のフィルム側レール36、37は、それぞれの連結ピン70、71上方で曲げられてその方向を変えることが可能に構成されている。
本実施例では、延伸領域10のリンクガイドレール3の内周側、外周側の各々レールは、下方から支持する各支持部材上に配置された部分と、隣接する支持部材上のこの部分との間に位置しレール又は両側の支持部材と連結されて配置された部分とを備えている。
より具体的には、図示するように、レールベース31a、31bのそれぞれの上方にフィルム側レール36を構成する部分であるフィルム側レール36a、36bが配置され、それぞれが下方のレールベース31a、31bと連結されて支持されている。これらのフィルム側レール36a、36bは、その長さが対応するレールベース31a、31bの長さより短く、レールベース31a、31bの両端側の部分であって隣接する他の支持部材と連結する部分の上を覆わずにこれらの間に配置されている。反フィルム側レール37に対応するレールベース32a、32bについても同様である。
さらに、これらの間のレールベース31a、31bあるいは32a、32bの間の関節63であって連結ピン70又は71上に、フィルム側レール36を構成する関節部レール72、反フィルム側レール37を構成する関節部レール73が配置されている。この関節部レール72は、両端部が両側のレールベース31a、31b又はフィルム側レール36a、36bとボルト等の手段により締結されて位置が固定されている。関節部レール73も同様である。さらに、関節部レール72、73は各々、延伸の量の変更に応じて屈曲又は湾曲を実現するため連結ピン70、71上方の箇所にスリット74、75を複数備えている。
各スリット74、75は、断面略矩形状の関節部レール72、73の延在方向又はリンクの走行方向について両側面に配置され、一方の側面から他方の側面に向かって先端が他方の側面から所定の距離だけ余した位置まで延在している。本実施例のスリット74は、それぞれ所定幅の略平面状の隙間で構成され、関節部レール72の各側面から交互に他方の側面に向かい延在するように、千鳥状に並列に配置されている。このことにより、関節部レール72はこれらスリット74の延在する方向に湾曲又は屈曲可能にされている。スリット75も関節部レール73に同様に備えられている。
上記のとおり、関節部レール72は、下方の隣接するレールベース31a、31b又はフィルム側レール36a、36bとボルト76といった連結手段で連結されて、その両端部の位置がこれらに対して固定されている。一方で、関節63を構成する連結ピン70の上方の部分では、この連結ピン70上面と関節部レール72下面との間に隙間が形成され、湾曲又は屈曲を容易にし消耗を抑制している。関節部レール73も同様に両端側がボルト77で連結されて位置が固定されるとともに、その下面は連結ピン71との間に隙間を有している。
図10を用いて、本実施例のリンクガイドレール3の曲がり部分に配置されたスリットの構成をより詳細に説明する。
図10は、図1に示す実施例のリンクガイドレール3に配置されたスリットの配置とその形状を説明する図で、図1の無端リンク装置4、5のうちの一方の無端リンク装置4のリンクガイドレール3の関節63及びスプロケット6、7、8の配置の概略を示す模式図である。この図では、延伸領域10のリンクガイドレール3がTD方向の装置外側に移動してシート状物を延伸する状態を示している。リンクガイドレール3に案内されるリンク装置は、入口側のスプロケット6又は7又は出口側のスプロケット8により駆動されて入口側から出口側に向かって走行するとともに予熱領域9の出口であって延伸領域10の入口の曲がり部で走行方向をシート状物の搬送方向に対して外側(図上上方)に変えて把持したシート状物をTD方向あるいはMD方向に延伸し、延伸領域10の出口であって熱固定領域11の入口の曲がり部において走行方向をシート状物の搬送方向と再度並行にされて出口側に達した後、スプロケット8と噛み合って方向を入口側に変えて入口側のスプロケット6に向かい戻り側レールに案内されて走行する。
上記のとおり、延伸領域10は関節63で連結された6つの領域65a〜fに分けられ、さらに、熱固定領域11には延伸領域10のフィルム側レール36、反フィルム側レール37との間の距離に合わせてこれを設定するためにスプロケット8の上流側と、戻り側で内外レール間隔を調節して貯留部62を形成するためにスプロケット8の後流側とのそれぞれに曲がり部78、79が配置されている。
次に、図11を用いて、本実施例の延伸機1がMD方向にシート状物を延伸する延伸の量を変更する場合の動作の流れを説明する。図11は、図1に示す実施例に係る延伸機1のMD方向のシート状物の延伸の量を変更する場合の動作の流れを示すフローチャートである。
本実施例の延伸機1は、シート状物を延伸する量をTD方向のみでなくMD方向についても変更可能に構成されている。
このMD方向の延伸の量を変更する場合には、スプロケット7を経て予熱領域9の入口から熱固定領域11の出口側のスプロケット8までのリンクガイドレール3の搬送側のレール上にあるリンク装置の数が変動する。本実施例では、上記変動した数の分だけ戻り側のレール上のリンク数の数を増減させる。この際、MD方向の延伸の量の変更するための延伸領域10及び熱固定領域11のリンクガイドレール3の位置の変化に応じてリンク装置の走行を調節して、上記リンクガイドレール3上の搬送側及び戻り側レールのリンク数の増減を円滑に行えるようにしている。
本実施例の延伸機1のMD方向の延伸の量(延伸の倍率)を変更する場合、使用者が延伸機1と通信可能に配置された入力装置(図示せず)を用いて延伸の量を入力して、シート状物の延伸の量に応じた無端リンク装置4、5を含む装置の配置にする指令を延伸機1に発信する(ステップ80)。
入力装置からの延伸の倍率の情報を含む指令を受信した延伸機1は、図示しない制御装置内の演算器を用いて、この制御装置内の記録装置から読み出した記録された動作プログラム等のソフトウエアに基づいて、延伸機1の動作を検出して、駆動部17、27、53等に指令を発信して延伸機1の動作を調節する。
本実施例の延伸機1では、延伸倍率を増加させるかあるいは減少させるかにより延伸機1の動作のステップが異なるため、入力装置からの指令を受信した制御装置はまず指令に係る延伸の量の増減を判断する(ステップ81)。延伸の量を増加させる場合にはステップ82に、減少させる場合にはステップ93に進む。
ステップ82以下において、制御装置内の演算器はMDの倍率を設定し延伸倍率に応じたレール移動量を算出して制御装置内の記憶装置に入力してこの移動量の情報を保持する。すなわち、ステップ82において、制御装置がMD方向の延伸の量に相当する延伸の倍率を実現するための延伸領域10の各領域65a〜fのフィルム側レール36、反フィルム側レール37の間隔とレールベース31a〜fの移動量、さらに熱固定領域11のレールベース50の移動量を算出する。さらに、この延伸倍率に基づいて、移動させるリンク装置の数を演算する(ステップ83)。
さらに、移動させるリンク装置の数に基づいてスプロケット8の回転数を算出し(ステップ84)、貯留部62における内外周のレール間の距離又はスライドベース49とレールベース52との間の距離を算出して、レール又はレールベース52の移動量を算出する(ステップ85)。
次に、熱固定領域11の戻り側に配置されたレールベース52を駆動し、ステップ85で検出した値となるよう、熱固定領域11の戻り側での内周、外周側レール間の距離を調節し設定する(ステップ86)。ステップ86の所定の間隔への調節が開始して後、所定の時間t1経過後にスプロケット8をステップ84で得られた数だけ回転駆動してリンク装置を搬送側から戻り側へ走行させ、貯留部62内のリンク数を増大させる(ステップ87、88)。
ステップ88におけるスプロケット8の回転が所定時間t2だけ行われて貯留部62内に十分な等長リンク201があると判定された場合に、ステップ82で検出したフィルム側レール36及び反フィルム側レール37の間の距離となるように、各レールベース31a〜f及びレールベース50を駆動して移動させる(ステップ89、90)。
ステップ90の移動が終了後、スプロケット6又は7及び8を所定時間t3だけ駆動して回転させて、所定の形状の変更が終了したリンクガイドレール3上をリンク装置200全体を走行させて、走行に異常がないかを確認する。この際、リンク装置の走行の速度は、シート状物を実際に延伸する際の速度より小さくされ、異常の検出を容易にする(ステップ91)。異常の検出は、スプロケット6、7、8の少なくともいずれかに配置され回転の速度を検出するセンサやリンクガイドレール3の所定箇所に配置されリンク装置の通過数とその走行速度を検出するセンサ等で行われる。また、ステップ91のテスト走行において異常が確認された場合には、図示しない表示装置への表示やブザー等を用いて使用者に報知する。
本実施例では、入力された延伸の量の変化量が大きな場合には、このようなステップ86からステップ91までの動作を所定回数繰り返して上記延伸の量の変化を達成する。すなわち、1回の動作で大きなMD倍率の変化を行おうとすると、形状を変化させた直後のリンク装置の走行に異常を生じる虞が高く、また、各関節63や曲がり部78、79に配置されたリンクガイドレール3に印加される力の変化が大きくなり損傷や変形を生じる虞が高いため、複数回に分けて所望の変化量となるようにレールベース31、50等の位置やリンクガイドレール3の形状を変更する(ステップ92)。
ステップ81において、入力されて指令が延伸の量を減少させるものであると判断された場合には、ステップ91以降において、制御装置内の演算器はMDの倍率を設定し延伸倍率に応じたレール移動量を算出して制御装置内の記憶装置に入力してこの移動量の情報を保持する。
すなわち、ステップ93において、制御装置がMD方向の延伸の量に相当する延伸の倍率を実現するための延伸領域10の各領域65a〜fのフィルム側レール36、反フィルム側レール37の間隔とレールベース31a〜fの移動量、さらに熱固定領域11のレールベース50の移動量を算出する。さらに、この延伸倍率に基づいて、現在の延伸領域10及び熱固定領域11の搬送側のリンクガイドレール3及び戻り側のリンクガイドレール3から移動させるリンク装置の数を演算する(ステップ94)。さらに、移動させるリンク装置の数に基づいてスプロケット6又は7の回転数を算出し(ステップ95)、貯留部62における内外周のレール間の距離又はスライドベース49とレールベース52との間の距離を算出して、レール又はレールベース52の移動量を算出する(ステップ96)。
次に、ステップ91で検出したフィルム側レール36及び反フィルム側レール37の間の距離となるように、各レールベース31a〜f及びレールベース50を駆動して移動させる(ステップ97)。
上記ステップの所定の間隔への調節を開始して所定時間t4経過後、スプロケット6又は7をステップ84で得られた数だけ回転駆動してリンク装置をリンクガイドレール3の戻り側から搬送側へ、さらに搬送側の予熱領域9から延伸領域10へ走行させ、延伸領域10内のリンク数を増大させる(ステップ98、99)。
ステップ88におけるスプロケット8の回転が所定時間t5だけ行われて延伸領域10のフィルム側/反フィルム側レール間隔を変化させた部分に十分な等長リンク201があると判定された場合に、熱固定領域11の戻り側に配置されたレールベース52を駆動し、ステップ85で検出した値となるよう、熱固定領域11の戻り側での内周、外周側レール間の距離を調節し、リンク装置200の走行中に貯留部62に所望の数の等長リンク201の数が存在するように設定する(ステップ100、101)。
ステップ91と同様、ステップ97〜101の移動が終了後、スプロケット6又は7及び8を所定時間t6だけ駆動して回転させて、所定の形状の変更が終了したリンクガイドレール3上をリンク装置200全体を走行させて、走行に異常がないかを確認する。(ステップ102)。また、MD方向の延伸の量を減少させる場合も、延伸の量を増大させる場合と同様、複数回に分けて所望の変化量となるようにレールベース31、50等の位置やリンクガイドレール3の形状を変更する(ステップ103)。
次に、図14を用いて、本発明に係る延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機を用いてシート状物の縦方向収縮及び横方向延伸処理を行う例を説明する。
図14は、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理を行う例の図2(a)に対応する延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機のリンク装置の構成の概略を模式的に示す図である。
ところで、本発明に係る延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機を用いてシート状物の縦方向収縮及び横方向延伸処理を行うために、この延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機1においては、シート状物の延伸・収縮領域10の無端リンク装置4、5間に形成される搬送スペース2が経路の他端側から一端側に向けて末広がり状をなすように配置することができるように構成するとともに、等長リンク201の走行方向を可変に構成するようにしている。
そして、この延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機1においては、無端リンク装置4、5の搬送スペース2のシート状物の入口側及び出口側に配置されたスプロケット6、7、8が、図示しないモータ等の駆動装置と連結されて回転駆動されるが、これらのスプロケット6、7、8を正逆方向に選択的に回転駆動できるように、モータ等の駆動装置を構成するようにしている。
この状態で、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理を行う場合には、等長リンク201の搬送側部分の走行方向を一端側(図2(a)の左側)から他端側(図2(a)の右側)に向けて走行させながらシート状物を経路の一端側(図2(a)の左側)から供給することにより行うようにしていたのに代えて、シート状物の縦方向延伸及び横方向収縮処理を行う場合には、スプロケット6、7、8を先とは逆方向に回転駆動することにより、等長リンク201の搬送側部分の走行方向を他端側(図14の右側)から一端側(図14の左側)に向けて走行させながらシート状物を経路の他端側(図14の右側)から供給することにより行うようにする。
そして、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理を行う例の図2(c)と同様に、図上左側のレール206とレール205との間の距離を右側での距離よりも離間させてリンク装置の開き角度を図示の左側で小さくすることで、シート状物をフィルムの進行方向(MD方向)に対して収縮させるようにする。ここで、TD方向の延伸の量(倍率)の無段可変技術(リンクガイドレール3を末広がり状に配置させる構成)と組み合わせることで、TD方向、MD方向の延伸及び収縮の量を自由に設定することが可能である。
ここで、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理を行う場合の加熱領域としての予熱領域9及び熱固定領域11は、シート状物の縦方向収縮及び横方向延伸処理を行う場合には、予熱領域11及び熱固定領域9となる。
ところで、この延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機によれば、1台のシート状物の延伸機を用いて、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理と、縦方向収縮及び横方向延伸処理とを、選択的に行うことができることに加え、予熱領域9(熱固定領域9)のレール206とレール205との間の距離を可変に構成する必要がないこと、すなわち、リンクガイドレール3に案内される掴み装置202同士の間の掴みピッチP1を一定の値に固定できることから、装置の構造を簡略化できる利点がある。
次に、図15を用いて、本発明に係る延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機を用いてシート状物の縦方向延伸及び横方向収縮処理を行う例を説明する。
図15は、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理を行う例の図2(a)に対応する延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機のリンク装置の構成の概略を模式的に示す図である。
ところで、本発明に係る延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機1を用いてシート状物の縦方向延伸及び横方向収縮処理を行うために、この延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機1においては、レール206とレール205との間の距離を往路全長に亘って可変に構成するとともに、等長リンク201の走行方向を可変に構成するようにしている。
そして、この延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機1においては、無端リンク装置4、5の搬送スペース2のシート状物の入口側及び出口側に配置されたスプロケット6、7、8が、図示しないモータ等の駆動装置と連結されて回転駆動されるが、これらのスプロケット6、7、8を正逆方向に選択的に回転駆動できるように、モータ等の駆動装置を構成するようにしている。
この使用態様では、レール206とレール205との間の距離を、予熱領域9を含めて、往路全長に亘って可変に構成する必要がある(ちなみに、上記実施例において、図15に示す使用態様を採用しない場合には、予熱領域9のレール206とレール205との間の距離を可変に構成する必要がないこと、すなわち、リンクガイドレール3に案内される掴み装置202同士の間の掴みピッチP1を一定の値に固定できることから、シート状物の延伸機の構造を簡略化できる利点がある。)。
この状態で、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理を行う場合には、等長リンク201の搬送側部分の走行方向を一端側(図2(a)の左側)から他端側(図2(a)の右側)に向けて走行させながらシート状物を経路の一端側(図2(a)の左側)から供給することにより行うようにしていたのに代えて、シート状物の縦方向延伸及び横方向収縮処理を行う場合には、スプロケット6、7、8を先とは逆方向に回転駆動することにより、等長リンク201の搬送側部分の走行方向を他端側(図15の右側)から一端側(図15の左側)に向けて走行させながらシート状物を経路の他端側(図15の右側)から供給することにより行うようにする。
そして、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理を行う例の図2(c)とは逆に、図上左側のレール206とレール205との間の距離を右側での距離よりも接近させてリンク装置の開き角度を図示の左側で大きくすることで、シート状物をフィルムの進行方向(MD方向)に対して延伸させるようにする。ここで、TD方向の収縮の量(倍率)の無段可変技術(リンクガイドレール3を末広がり状に配置させる構成)と組み合わせることで、TD方向、MD方向の延伸及び収縮の量を自由に設定することが可能である。
ここで、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理を行う場合の加熱領域としての予熱領域9及び熱固定領域11は、シート状物の縦方向延伸及び横方向収縮処理を行う場合には、予熱領域11及び熱固定領域9となる。
ところで、この延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機1によれば、1台のシート状物の延伸機を用いて、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理と、縦方向延伸及び横方向収縮処理とを、選択的に行うことができることに加え、加熱領域としての予熱領域9(11)及び熱固定領域11(9)の無端リンク装置4、5間に形成される搬送スペース2の調節可能量を大きく設定する必要がないことから、装置の構造を簡略化できる利点がある。
以上、本発明の延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機は、1台のシート状物の延伸機を用いて、シート状物の縦方向及び横方向延伸処理と、縦方向又は横方向の収縮処理とを、選択的に行うことができるという特性を有していることから、シート状物の延伸・収縮処理の用途に好適に用いることができる。
1 延伸機
2 搬送スペース
3 リンクガイドレール
4、5 無端リンク装置
6、7、8 スプロケット
9 加熱領域(予熱領域又は熱固定領域)
10 延伸・収縮領域(延伸領域又は延伸・収縮領域)
11 加熱領域(熱固定領域又は予熱領域)
12 ブロワ
13 据付ベース
14 中間部材
15 走行台
16 スライドベース
17 駆動部
18 駆動シャフト
19 モータ部
20 TDガイドレール
21 レールベース
22 ねじ部
23 据付ベース
24 支持体
25 走行台車
26 スライドベース
27 駆動部
28 駆動シャフト
29 モータ部
30 TDガイドレール
31、32、33 レールベース
34 MDガイドレール
35 ねじ部
36 フィルム側レール
37 反フィルム側レール
38 モータ部
39 駆動シャフト
40 連結ボックス
41 戻り側レール
42 連結柱
43、44 トラニオン
45 球面軸受
46 据付ベース
47 支持体
48 走行台車
49 スライドベース
50、51、52 レールベース
53 駆動部
54 MDガイドレール
55 TDガイドレール
56、57 駆動シャフト
58 ねじ部
59 トラニアン
60 フィルム側レール
61 反フィルム側レール
62 貯留部
63 関節
66、67 連結部
68、69 フレキシブルカップリング
70、71 連結ピン
72、73 関節部レール
74、75 スリット
76、77 ボルト
78、79 曲がり部
110 ねじ部
111 軸受部
112、113 戻り側レール
200 リンク装置
201 等長リンク
202 掴み装置
203a、203b チェーンリンク
204 リンク軸
205、206 レール
207、208 リンク軸
209、210 リンクプレート
211、212 軸受ホルダ
211a、212a 軸受ローラ
213a、213b、214a、214b 鍔付きラジアル軸受

Claims (3)

  1. 熱可塑性を有するシート状物の幅方向両端を把持する連結された等長リンク複数を、略水平面上の閉じた経路を構成するレールに沿って案内して前記シート状物を前記経路の搬送側部分を搬送しつつ処理した後に、前記経路の戻り側部分を戻って走行させる無端リンク装置の対を備え、
    前記レールは、前記等長リンクを案内する前記シート状物に近い側に配置された搬送側部分と前記シート状物に遠い側に配置された戻り側部分とをそれぞれ有する外周側及び内周側レールからなるガイドレールを有するとともに、該ガイドレールの搬送側部分において前記外周側及び内周側レールのレール間隔を可変に調節する調節手段を備え、
    前記無端リンク装置の各々は、前記経路に沿って、両端部に、向かい合った前記無端リンク装置間に形成される搬送スペースが等間隔のシート状物を搬送しつつ加熱する加熱領域と、該加熱領域を挟んで、向かい合った前記無端リンク装置間に形成される搬送スペースが前記経路の一端側から他端側に向けて漸次変化するように配置されたシート状物の延伸・収縮領域とを備え、
    前記等長リンクの走行方向を可変にしてなり、
    前記等長リンクの搬送側部分の走行方向を一端側から他端側に向けて走行させながら前記シート状物を前記経路の一端側から供給することにより行う前記シート状物の縦方向及び横方向延伸処理と、前記等長リンクの搬送側部分の走行方向を他端側から一端側に向けて走行させながら前記シート状物を前記経路の他端側から供給することにより行う前記シート状物の縦方向又は横方向の収縮処理とを、選択的に行うことができるようにしたことを特徴とする延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機。
  2. 前記シート状物の延伸・収縮領域の前記無端リンク装置間に形成される搬送スペースが前記経路の他端側から一端側に向けて末広がり状をなすように配置した状態で、前記等長リンクの搬送側部分の走行方向を他端側から一端側に向けて走行させながら前記シート状物を前記経路の他端側から供給することにより、前記シート状物の縦方向収縮及び横方向延伸を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機。
  3. 前記シート状物の延伸・収縮領域の前記無端リンク装置間に形成される搬送スペースが前記経路の一端側から他端側に向けて末広がり状をなすように配置した状態で、前記等長リンクの搬送側部分の走行方向を他端側から一端側に向けて走行させながら前記シート状物を前記経路の他端側から供給することにより、前記シート状物の縦方向延伸及び横方向収縮処理を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の延伸・収縮機能選択式シート状物の延伸機。
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