JP6057452B2 - 集光装置およびこれを用いた採光構造 - Google Patents

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本発明は、アクリル,ポリカーボネート,ガラス,ダイヤモンド,サファイアなどの各種光透過材の内部領域での全反射作用を利用した集光装置や、これを用いた採光構造に関する。
空気中などの外部媒質から光透過材への入射光が、その入射面と、これに対向した先開きの外部媒質境界面の内側部分(以下、必要に応じて「対向反射面」という。)との間の反射作用により、光透過材内部領域にいわば閉じ込められた状態で出射面へ伝播するようにしたものである。
特に、対向反射面を鏡面仕様のいわば強制反射面に設定し、光透過材内部領域への入射光がこの強制反射面における鏡面反射後に入射面で全反射を起こしえるときの、当該入射光の最小入射角をより小さい方(=後述の伝播限界角βがより大きくなる方)へシフトさせたものである。
すなわち光透過材内部領域への小入射角自然光などについても、強制反射面と入射面との間での鏡面反射および全反射を繰り返しながら例えば下方の出射面へと伝播させることにより、集光能力を大幅に高めた集光装置に関する。
本明細書では、入射面への入射角として、〔「90.0°」−(入射面から入射光への図示反時計回りの角度:伝播限界角βの角度表示に対応)〕の計算で求まる正負の値を用いている。
例えば図2〜図5で示す各βに対応した入射光の入射角はそれぞれ「+34.3°」,「+18.4°」,「0.0°」,「−12.1°」と順次小さくなっている。このように入射角の大小関係は正負の数列上で判断し、「0.0°」よりも「−12.1°」の方が小入射角となる。
本発明の集光装置は、一方の対向側面を構成する入射面およびその対向反射面の他に、少なくとも他方の対向側面および出射面を備えている。
本明細書では、上述したように対向反射面およびその鏡面仕様の強制反射面を、いずれも入射面と対向する内側面部分、すなわちその外側を捨象した形の面部分の意で用いる。
また、この対向反射面,強制反射面とは別の側面である他方の対向側面(図示1e)に関しては、それぞれの内側,外側の両面を含む意で用いる。
本明細書では集光装置の、一方の対向側面である入射面および対向反射面それぞれの側を「左」,「右」と記し、他方の対向側面それぞれの側を「前」,「後」と記し、出射面の側を「下」と記す(図1参照)。
また、必要に応じて、左右方向を「横」、上下方向を「縦」とそれぞれ記し、入射面と出射面との境界線と直交する上下方向の断面を「縦断面」と記す。
集光装置の全体形状は、例えば左右の入射面および強制反射面が出射面の方ほど、より外方へと広がった下広がり態様で、前後の対向側面が例えば線対称台形または線対称三角形からなるいわば略堰形状(堤防形状)である。
なお、東西南北はそれぞれ、北半球においてこの集光装置を採光部などに配設したときの方角を示している。南半球においては勿論「南北」の関係が逆になる。
従来、入射角の大きい入射光については一つの多角錐プリズムの中で全反射を繰り返しながら底面へ到達させ、入射角の小さい入射光については複数の多角錐プリズムを通過させることにより方向調整してから一つの多角錐プリズムの中で全反射を繰り返しながら底面へ到達させる、ようにした集光装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−84817号公報
本発明では、この従来例のように複数の多角錐プリズムを使うことなしに、空気中などから光透過材内部領域への入射光を、その入射面と、これに対向した先開きで鏡面仕様の強制反射面との間で順に生じる鏡面反射,全反射の作用により出射面へ伝播するといった構成の集光装置を提供している。
これにより、光透過材内部領域に入射した低仰角自然光についても、強制反射面と入射面との間での鏡面反射および全反射を繰り返しながら出射面へと伝播するようにして、集光装置製造の簡単化および集光能力の大幅アップ化を図ることを目的とする。
また、強制反射面の裏側外部分も鏡面仕様にし、これにより集光装置の内部伝播光のみならず外面反射光についても採光化を図ることを目的とする。
また、入射面および強制反射面をいわば連結する対向側面の内側部分なども鏡面仕様にし、これにより出射面以外からの光洩れの防止化を図ることを目的とする。
また、強制反射面からの反射光が入射面と出射面との境界部分に到達する場合の強制反射面における最終反射位置より下側部分を入射面の方に変位させて出射面の面積を小さくし、これにより集光密度(入射面と出射面との面積比)のアップ化を図ることを目的とする。
また、出射面に続く部分に空気よりも屈折率が大きい媒質を配設して、出射面での全反射臨界角を大きくし、これにより出射面まで伝播した入射反射光の当該媒質への有効利用化を図ることを目的とする。
また、入射面と強制反射面とを先開きの対向構造とし、これにより集光装置への入射光の広がり角度を出射面で狭くする、すなわち出射光の整列化を図ることを目的とする。
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)外部媒質よりも大きな屈折率を示す光透過材からなり、入射面(例えば後述の入射面1a)と、先開きの形でこれに対向する強制反射面(例えば後述の強制反射面1b)と、当該入射面および当該強制反射面の間で反射しながら内部伝播する反射光の出射面(例えば後述の出射面1c,1c')と、を備えた集光装置(例えば後述の集光装置1,1',1'')において、
前記入射面と対向状態の前記強制反射面が内鏡面仕様で、かつその反射光が前記出射面に到達して全反射する場合の当該強制反射面での反射位置より下側の部分(例えば後述の下側部分1f)を、当該反射位置より上側の強制反射面部分の延長面よりも内側に変位させて、当該出射面の面積を小さくする形に設定され、
前記強制反射面の裏側外部分(例えば後述の裏側外部分1g)が外鏡面仕様に設定され、
前記内鏡面仕様の部分で反射した内部伝播光が前記入射面で全反射し、かつ、前記外鏡面仕様の部分への入射光が前記入射面の方に内部伝播せずに外側へ反射する、
構成態様のものを用いる。
(2)上記(1)において、
前記入射面,前記強制反射面および前記出射面のそれぞれに連続する形の一対の対向側面(例えば後述の側面1e)を備え、
前記対向側面は、
その内側部分が鏡面仕様に設定されている、
構成態様のものを用いる。
(3)外部媒質よりも大きな屈折率を示す光透過材からなり、入射面(例えば後述の入射面1a)と、先開きの形でこれに対向する強制反射面(例えば後述の強制反射面1b)と、当該入射面および当該強制反射面の間で反射しながら内部伝播する反射光の出射面(例えば後述の出射面1c,1c')と、を備え、
前記入射面と対向状態の前記強制反射面が内鏡面仕様に設定され、
前記強制反射面の裏側外部分(例えば後述の裏側外部分1g)が外鏡面仕様に設定され、
前記内鏡面仕様の部分で反射した内部伝播光が前記入射面で全反射し、かつ、前記外鏡面仕様の部分への入射光が前記入射面の方に内部伝播せずに外側へ反射する集光装置(例えば後述の集光装置1,1',1'')を、
複数、前記裏側外部分同士が対向状態となる形で配設し、
前記出射面からの全反射光と、対向状態の前記裏側外部分からの鏡面反射光を取り込む、
構成態様の採光構造を用いる。
(4)上記(3)において、
前記集光装置それぞれは、
前記入射面,前記強制反射面および前記出射面のそれぞれに連続する形の一対の対向側面(例えば後述の側面1e)を備え、
前記対向側面は、
その内側部分が鏡面仕様に設定されたものである、
構成態様のものを用いる。
(5)上記(3),(4)において、
前記集光装置それぞれの前記内鏡面仕様の強制反射面は、
その反射光が前記出射面に到達して全反射する場合の当該強制反射面での反射位置より下側の部分(例えば後述の下側部分1f)を、当該反射位置より上側の強制反射面部分の延長面よりも内側に変位させて、
当該出射面の面積を小さくする形に設定されている、
構成態様のものを用いる。
(6)上記(3)〜(5)において、
前記集光装置それぞれの前記出射面(例えば後述の出射面1c')は、
空気よりも屈折率が大きい媒質領域(例えば後述の水領域1h)と接して、
当該出射面での臨界角を大きくする形に設定されている、
構成態様のものを用いる。
以上の構成からなる集光装置およびこれを用いた採光構造を本発明の対象としている。
本発明は以上の課題解決手段により、
(11)集光装置製造の簡単化および集光能力の大幅アップ化を図る、
(12)集光装置の内部伝播光のみならず外面反射光についても採光化を図る、
(13)出射面以外からの光洩れの防止化を図る、
(14)集光密度(入射面と出射面との面積比)のアップ化を図る、
(15)出射面に続く部分に配設された空気よりも大きい屈折率の媒質への、入射反射光の有効利用化を図る、
(16)集光装置への入射光の広がり角度が出射面で狭くなり、出射光の整列化を図る、
ことなどができる。
集光装置の全体形状を示す説明図である。 入射面と強制反射面との開き角度αが10.0°の場合の伝播限界角β(10.0)を示す説明図である。 入射面と強制反射面との開き角度αが15.0°の場合の伝播限界角β(15.0)を示す説明図である。 入射面と強制反射面との開き角度αが臨界角の半分に相当する21.1°の場合の伝播限界角β(21.1)を示す説明図である。 入射面と強制反射面との開き角度αが25.0°の場合の伝播限界角β(25.0)を示す説明図である。 強制反射面付加にともなう、図2〜図5それぞれの開き角度αにおける伝播限界角βの拡大化(対向反射面の鏡面化による変化)を示す説明図である。 図4と同じ開き角度「21.1°」で、横幅が異なる幅狭および幅広の各出射面からなる二種類の集光装置縦断面を対比した説明図である。 図4と同じ開き角度「21.1°」で、強制反射面下端側の所定部分について入射面との下端側開き角度が開き角度の1/2に設定された(当該所定部分が出射面と直交する)集光装置縦断面を示す説明図である。 図4と同じ開き角度「21.1°」で、出射面直下部分に外部媒質の空気よりも屈折率が大きい縦断面方形状の水領域を設けた集光装置縦断面を示す説明図である。 同一形状の二個の集光装置を保持金具に、全体が略面対称となるように取り付けた形の太陽追尾用集光装置を示す説明図である。 光ダクトなどの採光部の東,西,北の各端部それぞれに集光装置を設けた採光構造を示す説明図である。 図11の採光構造の低仰角太陽光の取込み状態を示す説明図である。 図11の採光構造の高仰角太陽光の取込み状態を示す説明図である。
図1〜図13を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
図1〜図13で用いるアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば入射面1a)は原則として当該参照番号の数字部分の構成要素(例えば集光装置1)の一部である、ことを示している。
図1〜図13において、
1,1'は下方が幅広で、縦断面形状が縦方向線を中心とした左右対称の台形からなるいわば堰形状の集光装置(1'は図11〜図13参照),
1''は下方が幅広で、縦断面形状が縦方向線を中心とした左右対称の台形およびその下の方形の水領域からなるいわば基部付き堰形状の集光装置(図9参照)
1aは方形状の入射面,
1bは入射面1aと対向状態の鏡面からなる方形状の強制反射面(内側部分),
1cは方形状の出射面(下面)
1c'は集光装置1''のいわば仮想的な出射面(図9参照),
1dは出射面1c,1'と対向する方形状の上面,
1eは対向状態で設定された台形状または三角形状の一対の側面、またはこれと平行な面からなる側断面(縦断面),
1fは強制反射面1bからの反射光が入射面1aと出射面1cとの交差直線部分に到達する場合の、当該強制反射面1bにおけるその最終反射位置より下側部分,
1gは集光装置1'の強制反射面1bの裏側に鏡面仕様で形成された裏側外部分(図11〜図13参照),
1hは集光装置1''の出射面1c'と接する直下部分に設定された縦断面方形状の水領域(空気よりも屈折率が大きい媒質領域),
をそれぞれ示している。
また、
αは集光装置個々の入射面1aと強制反射面1bとの開き角度,
βは入射面1aへの入射光の中、強制反射面1bで鏡面反射した光が当該入射面で全反射して集光装置内部を伝播する入射光範囲の最小入射角に対応した、入射面上側からの入射光角度を示す伝播限界角(=最小入射角に対する余角),
Vpは入射面1aの任意の仮想入射点,
R1は仮想入射点Vpに伝播限界角βで入射する入射光の内部伝播径路,
R2は仮想入射点Vpに垂直に入射する入射光の内部伝播径路,
R3は仮想入射点Vpに一つ前の図における伝播限界角で入射する入射光の内部伝播径路(図3〜図5参照),
Aは仮想入射点Vpへの入射光の中、強制反射面1bからの反射光が対向側の入射面1aで全反射する内部伝播入射光範囲,
をそれぞれ示している。
図11〜図13において、
2は同じ大きさの二台の集光装置1を均等に搭載する保持金具,
2aは太陽への集光装置追尾動作を行なう際の保持金具2の追尾回転軸,
3は建物の屋根,屋上に配設された周知の光ダクトや天窓などの採光部,
3aは採光部3の東側端部に配設された東方集光装置(=集光装置1')
3bは採光部3の西側端部に配設された西方集光装置(=集光装置1')
3cは採光部3の北側端部に配設された北方集光装置(=集光装置1)
をそれぞれ示している
ここで、光透過部材からなる集光装置1,1',1''としては「臨界角42.2°,屈折率1.49」の特性値を持つアクリル樹脂を用いている。
上述したようにアクリル以外の例えばポリカーボネート,ガラス,ダイヤモンド,サファイアなどの各種光透過材を適宜用いることができるのは勿論である。
集光装置1,1'の高さは「100mm」である。側面(側断面)1eの斜辺部分の長さはこの高さと開き角度αから算出でき、「α=21.1°」の場合は「101.7mm」である(図7参照)。
内部伝播径路R1はそれぞれ入射面1aに沿った内部径路を含んでいる。また、集光装置1,1',1''の入射面1aおよび強制反射面1b以外の各内面部分を鏡面仕様にすれば、集光装置への内部入射光が外部へ洩れることを少なくできる。
本発明の集光装置の基本的特徴は、入射面1aから入射した屈折光の次の反射面(対向反射面)を鏡面としたことである。
入射面1aの対向反射面を鏡面仕様の強制反射面1bに設定することにより、例えば図2の当該入射面と当該強制反射面との開き角度αが「10.0°」の集光装置1の場合、その伝播限界角βが「37.4°」から「55.7°」へ拡大している。
すなわち入射面1aの任意の仮想入射点Vpへの入射光の中で入射角度「34.3°」以上のものが、強制反射面1bでの反射後、入射面1aで全反射する。この「34.3°」の数値は「90.0°」から伝播限界角βの「55.7°」を引いた値である。
このように鏡面仕様の強制反射面1bを設けることにより、集光装置内部を伝播していく入射光の最小入射角度が、「52.6°(90.0−37.4)」から「34.3°」へ小さくなっている。
この入射光の最小入射角度の減少にともない縦置き(出射面が下側)の集光装置1は、より低仰角の自然光を内部に取り込んで出射面へと伝播させることができる。
図3〜図5で示すように、伝播限界角βは、入射面1aと強制反射面1bとの開き角度αを大きくするほど小さくなっていく。これに応じる形でより低仰角の自然光が縦置き集光装置内部に取り込まれる。
すなわち、開き角度αを大きく設定するのに応じて、仮想入射点Vpに到達する入射自然光のうち、入射面内側での全反射をともなう内部伝播により出射面1cから出射できる光の入射角度範囲が広くなる。
図6は、図2〜図5の各集光装置1の入射面1aと強制反射面1bとの開き角度αと、当該強制反射面(鏡面仕様)の設定にともなう伝播限界角βの拡大との関係をまとめた一覧表である。
すなわち、鏡面仕様の強制反射面(対向反射面)1bを用いることにより、図2〜図5の各開き角度αにおける伝播限界角βは、対向反射面が鏡面仕様でない場合に比べて、
(21)図2の「α=10.0°」のとき、37.4°から55.7°へと拡大し、
(22)図3の「α=15.0°」のとき、47.1°から71.6°へと拡大し、
(23)図4の「α=21.1°」のとき、57.6°から90.0°へと拡大し、
(24)図5の「α=25.0°」のとき、63.9°から102.1°へと拡大している。
上述したようにこの拡大にともない、強制反射面1bの反射光が入射面1aで全反射するといったことを繰り返しながらの集光装置内部を伝播していく入射光の最小入射角が小さくなる。
なお、図2〜図5それぞれにおけるこの最小入射角は上述したように、「+34.3°(=90.0−55.7)」,「+18.4°」,「0.0°」,「−12.1°(=90.0−102.1」と順次小さくなっている。「0.0°」よりも「−12.1°」の方が小入射角である。
図7は、開き角度αが「21.1°」の図4の集光装置1における、左右方向の幅狭(a)のものと幅広(b)のものとを比較している。
図7(a),(b)の集光装置1はいずれも同じ角度の伝播限界角βを持つものの、それぞれの出射光密度(=入射面の面積/出射面の面積)は異なっている。
図7(a),(b)の集光装置それぞれにおける出射光密度は略、(a)の集光装置が「2.6(=101.7/39.7)」で、(b)の集光装置が「1.6(=101.7/62.2)」となる。
集光装置の出射光密度を高めるには、図7(a)のように左右方向の幅を狭くするか、屈折光率がアクリル(1.49)よりも高い光サファイヤ(1.77)やダイヤモンド(2.42)からなる集光装置を用いればよい。
図8は、図4の集光装置の強制反射面1bの下側部分1fを、それと当該入射面との間の「開き角度」がもともとの開き角度α「21.1°」の1/2になるように設定した集光装置1である。
下側部分1fの始まり部分は、図8(b)で示すように、図4の集光装置1の伝播限界角β(90.0°)で入射する入射光の強制反射面1bでの反射光が入射面1aと出射面1cとの境界部分に到達する場合の、当該強制反射面における反射位置である。
換言すればこの反射位置は、強制反射面1bからの最初の反射光が入射面1aに対するいわば仮想的な臨界角で当該入射面と出射面1cとの境界部分に到達する場合の、反射位置といえる。
なお、図4の台形状の側断面はその縦方向線を中心とした線対称形状であるので、図8の下側部分1fは出射面1cとの直交面形状となる。
この下側部分1fの形成により、出射面1cからの出射光量減少を抑えた状態で当該出射面での出射光密度を高めている。
これは、図8(a)に示すように、強制反射面1bのもともとの開き角度αにおける下側部分1fで反射した光線が出射面1cに届くものの、このときの入射角が臨界角よりも大きくて出射面1cから出射できない、すなわち当該下側部分が入射光の出射面への内部伝播に関与しえないことに着目したものである。
すなわちそこでの反射光が出射面1cへの内部伝播に関与しえない下側部分1fをいわば内側に折り曲げて出射面自体の面積を小さくし、出射光密度を高めている。
図9(a)は、出射面臨界角を水領域1hの設定により大きくし、そのままでは図8の場合と同様に出射面1cから出射できない図9(b)の全反射光に対する出射面臨界角を大きくした集光装置1''を示している。なお、図示の集光装置1,1''の開き角度αは図4のそれと同一の「21.1°」である。
図9(b)の伝播限界角β(90.0°)で入射する入射光の強制反射面1bにおける反射光の出射面1cに対する入射角は「58.4°」で、アクリル製集光装置1の臨界角「42.2°」をこえている。そのため当該反射光は出射面1cで全反射をおこし出射できない。
ここでは出射面1c'に接する下側部分に水領域1hを設けることにより出射面臨界角を、アクリル・空気境界面の「42.2°」からアクリル・水境界面の「63.2°」へ拡大している。
この出射面臨界角の拡大により、出射面1c'での全反射が抑えられて、強制反射面1bからの内部反射光の一部は水領域1hに出射する。図9(b)の出射面1cに対する入射角「58.4°」の最終反射光も出射面1cから水領域1hに出射できる。水領域1hに出射した伝播光は収容済みの「水」を加熱する。
図10は、保持金具2に同じ大きさの集光装置1,1を均等に配設して追尾回転軸2aに同じ回転モーメントがかかるようにした太陽光追尾機能を備えた採光構造である。
図11は、建物の屋根,屋上に配設された光ダクトや天窓などの採光部の東側,西側,北側の各端部に集光装置1,1'を配設した採光構造である。
ここで、東側,西側の各端部に配設された東方集光装置3a(集光装置1')および西方集光装置3b(集光装置1')は、それぞれの強制反射面1bおよびその裏側外部分1gが鏡面仕様で形成された両面ミラー態様になっている。北側端部の北方集光装置3cは、裏側外部分1gの設定なしの集光装置1をそのまま用いたものである。
図12は低仰角からの太陽光(朝陽,夕陽)を東方集光装置3aまたは西方集光装置3bで採光部3へと取り込む状態を示している。
このときの太陽光は、東方集光装置3aまたは西方集光装置3bの入射面1aを透過してから強制反射面1bと当該入射面との間で反射しながら採光部3へと伝播する。
図13は比較的高仰角からの太陽光を東方集光装置3aまたは西方集光装置3bで採光部3へと取り込む状態を示している。
このときの太陽光は、
(31)東方集光装置3aおよび西方集光装置3bの入射面1aを透過してから強制反射面1bと当該入射面との間で反射し、
(32)かつ、東方集光装置3aおよび西方集光装置3bの鏡面仕様の裏側外部分1gで反射する、
形で採光部3へと伝播する。
図12,図13において太陽光が北方集光装置3c(集光装置1)からも採光部3へ取り込まれるのは勿論である。
これら東方集光装置3a,西方集光装置3bおよび北方集光装置3cから採光部3へ取り込まれる太陽光はその進行方向が下向きに変えられている。そのため、採光部の先が光ダクトの場合には当該太陽光のダクト内での反射回数も少なくなって、その伝播損失を抑えることができる。
なお、強制反射面1b,上面1d,側面1eおよび裏側外部分1gの鏡面仕様は、
(41)アルミニウム,ガラス,樹脂フィルムなどの鏡面部材を配置する、
(42)アルミニウム,銀などを真空蒸着する、
などの手法によって形成する。
また、図9の水領域1hを備えた集光装置1''は、例えば堰形状の上部光伝播構造と直方体形状の下部水収容構造とを接着することにより作成する。
本発明が以上の実施形態に限定されないことは勿論であり例えば、
(51)実施形態で示した開き角度αの値は単なる一例であり、このαとして、強制反射面1bでの反射光が入射面で全反射するといた内部伝播光の径路が確保される限りでの任意の値を用いる、
(52)図10〜図13で用いる集光装置1,1'の開き角度αについても上記(51)と同様の任意の値を用いる、
(53)側面1eが三角形状となる集光装置を用いる、
(54)側面1eなどが非対称形状の集光装置を用いる、
(55)強制反射面1bの下側部分1fの全体または下端側部分を図8とは異なる態様で入射面1aの方に変形させる、
(56)強制反射面1bの下側部分1fの始まり部分を、図8(b)の点線で示す反射光の強制反射面1bでの反射位置から上または下にずれた位置とする、
(57)水領域1hに代わる媒質として、シリコーン油,ダウサムA(登録商標)などを用いる、
ようにしてもよい。
1:集光装置
1':集光装置(図11〜図13)
1'':集光装置(図9)
1a:入射面
1b:強制反射面
1c:出射面(下面)
1c':出射面(図9)
1d:上面
1e:側面,側断面
1f:強制反射面の最終反射位置より下側部分(図8)
1g:裏側外部分(図11〜図13)
1h:水領域(図9)
α:入射面1aと強制反射面1bとの開き角度
β:伝播限界角(=最小入射角に対する余角)
Vp:入射面1aの任意の仮想入射点
R1:仮想入射点Vpに伝播限界角βで入射する入射光の内部伝播径路
R2:仮想入射点Vpに垂直に入射する入射光の内部伝播径路
R3:仮想入射点Vpに前図の伝播限界角で入射する入射光の内部伝播径路
A:強制反射面1bからの反射光が入射面1aで全反射する内部伝播入射光範囲
(図10〜図13)
2:保持金具
2a:追尾回転軸
3:採光部
3a:東方集光装置(=集光装置1')
3b:西方集光装置(=集光装置1')
3c:北方集光装置(=集光装置1)

Claims (6)

  1. 外部媒質よりも大きな屈折率を示す光透過材からなり、入射面と、先開きの形でこれに対向する強制反射面と、当該入射面および当該強制反射面の間で反射しながら内部伝播する反射光の出射面と、を備えた集光装置において、
    前記入射面と対向状態の前記強制反射面が内鏡面仕様で、かつその反射光が前記出射面に到達して全反射する場合の当該強制反射面での反射位置より下側の部分を、当該反射位置より上側の強制反射面部分の延長面よりも内側に変位させて、当該出射面の面積を小さくする形に設定され、
    前記強制反射面の裏側外部分が外鏡面仕様に設定され、
    前記内鏡面仕様の部分で反射した内部伝播光が前記入射面で全反射し、かつ、前記外鏡面仕様の部分への入射光が前記入射面の方に内部伝播せずに外側へ反射する、
    ことを特徴とする集光装置。
  2. 前記入射面,前記強制反射面および前記出射面のそれぞれに連続する形の一対の対向側面を備え、
    前記対向側面は、
    その内側部分が鏡面仕様に設定されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の集光装置。
  3. 外部媒質よりも大きな屈折率を示す光透過材からなり、入射面と、先開きの形でこれに対向する強制反射面と、当該入射面および当該強制反射面の間で反射しながら内部伝播する反射光の出射面と、を備え、
    前記入射面と対向状態の前記強制反射面が内鏡面仕様に設定され、
    前記強制反射面の裏側外部分が外鏡面仕様に設定され、
    前記内鏡面仕様の部分で反射した内部伝播光が前記入射面で全反射し、かつ、前記外鏡面仕様の部分への入射光が前記入射面の方に内部伝播せずに外側へ反射する集光装置を
    複数、前記裏側外部分同士が対向状態となる形で配設し、
    前記出射面からの全反射光と、対向状態の前記裏側外部分からの鏡面反射光を取り込む、
    ことを特徴とする採光構造
  4. 前記集光装置それぞれは、
    前記入射面,前記強制反射面および前記出射面のそれぞれに連続する形の一対の対向側面を備え、
    前記対向側面は、
    その内側部分が鏡面仕様に設定されたものである、
    ことを特徴とする請求項記載の採光構造
  5. 前記集光装置それぞれの前記内鏡面仕様の強制反射面は、
    その反射光が前記出射面に到達して全反射する場合の当該強制反射面での反射位置より下側の部分を、当該反射位置より上側の強制反射面部分の延長面よりも内側に変位させて、
    当該出射面の面積を小さくする形に設定されている、
    ことを特徴とする請求項または記載の採光構造
  6. 前記集光装置それぞれの前記出射面は、
    空気よりも屈折率が大きい媒質領域と接して、
    当該出射面での臨界角を大きくする形に設定されている、
    ことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の採光構造
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