JP6057290B2 - 傾斜路昇降設備 - Google Patents

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Description

本発明は、階段又は傾斜路に設定される昇降経路に沿って設置される案内レールと、前記案内レールに案内されて前記昇降経路を昇降自在な昇降体と、搭乗者が着座する着座部を前記昇降体に対して揺動自在に支持する揺動支持軸と、前記揺動支持軸に対して前記着座部を連結固定する連結固定部材と、が設けられ、前記昇降体は、前記昇降経路を昇降するに伴って水平面に対する姿勢が変化する形態で前記案内レールに案内され、前記着座部を、遊びのある状態で前記揺動支持軸周りに揺動操作して、当該着座部の基準面を水平面に沿う姿勢に維持する姿勢維持機構が設けられている傾斜路昇降設備に関する。
上記のような傾斜路昇降設備では、例えば、案内レールの設置対象の階段や傾斜路に設定される昇降経路の水平面に対する傾斜角度が変化する場合(例えば昇降経路の途中に踊り場に対応する水平部分を有する場合や、昇降経路の上下端部に搭乗のための水平部分を有する場合等)がある。案内レールは、昇降経路に沿って設置されるため、案内レールに案内される昇降体は、その昇降に伴って、水平面に対する姿勢が変化する。
一方、搭乗者が着座する着座部は、搭乗者を安定して昇降搬送すべく、その基準面を常に水平面に沿う姿勢とするように、姿勢を維持する必要がある。
このため、上記傾斜路昇降設備では、従来から、昇降体に対して着座部を揺動自在に支持する揺動支持軸と、揺動支持軸に対して着座部を連結固定する連結固定部材とを設け、着座部を姿勢維持機構によって揺動支持軸周りに揺動操作することによって、着座部の基準面を水平面に沿う姿勢に維持するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−213009号公報
特許文献1の傾斜路昇降設備では、揺動支持軸が着座部の横幅方向の中央部に設けられ、姿勢維持機構としてラックアンドピニオン機構が備えられている。具体的には、連結固定部材とラックギアとが一体に揺動支持軸周りに揺動できるようにラックギアを連結固定部材に固設して、ラックギアと噛み合うピニオンギアを昇降体に取り付けて、モータによりピニオンギアを回転駆動することで、着座部の基準面が水平面に沿う姿勢となるように着座部の姿勢を維持している。
ちなみに、特許文献1の傾斜路昇降設備では、着座部の傾斜を検出する傾斜センサが設けられ、制御部が、傾斜センサにて検出される傾斜に基づいて、着座部の基準面が水平面に沿う姿勢となるようにモータの回転量をフィードバック制御している。
このようなラックアンドピニオン機構においては、ラックギアとピニオンギアとを無理なく噛み合わせるために、ラックギアの歯とピニオンギアの歯との間に遊びとして所定の量の隙間(バックラッシュ)を設ける必要がある。そのため、ピニオンギアの回転を停止させていても、着座部は、ラックアンドピニオン機構における遊びに相当する量の揺動が許容された状態となっている。上記のように、揺動支持軸が着座部の横幅方向の中央部に設けられる構成において、ラックアンドピニオン機構に遊びが存在すると、搭乗者が着座部上で姿勢を変えることによる重心変化や、昇降体が加速または減速することによって、揺動支持軸に作用するトルクの向きが変化し、上記遊び分の揺動幅に起因する着座部の急激な姿勢変化が発生し易いという問題があった。
このような急激な姿勢変化の発生を回避するために、例えば昇降体と着座部との間にダンパーやサスペンションを介在させることも考えられるが、このようにすると構成が煩雑になり、コストの上昇や製造工程の煩雑化を招くことになり好ましくない。
また、姿勢維持機構の別の例として、例えば、ローラチェーンとスプロケットとを用いることも考えられるが、この場合にも、ローラチェーンのローラとスプロケットの歯とを無理なく噛み合わせるために、ローラチェーンのローラとスプロケットの歯との間に、遊びとしての隙間(バックラッシュ)や遊びとしてのローラチェーンの緩みを設ける必要がある。この場合にも、着座部は、上記遊びが存在することによりその遊び分の揺動が許容されることになるため、上記と同様の問題が存在する。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成によって、着座部の姿勢の安定化を図ることが可能な傾斜路昇降設備を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る傾斜路昇降設備の第1特徴構成は、階段又は傾斜路に設定される昇降経路に沿って設置される案内レールと、前記案内レールに案内されて前記昇降経路を昇降自在な昇降体と、搭乗者が着座する着座部を前記昇降体に対して揺動自在に支持する揺動支持軸と、前記揺動支持軸に対して前記着座部を連結固定する連結固定部材と、が設けられ、前記昇降体は、前記昇降経路を昇降するに伴って水平面に対する姿勢が変化する形態で前記案内レールに案内され、前記着座部を、遊びのある状態で前記揺動支持軸周りに揺動操作して、当該着座部の基準面を水平面に沿う姿勢に維持する姿勢維持機構が設けられている傾斜路昇降設備であって、
前記揺動支持軸は、設定条件に基づいて定められる設定距離だけ前記着座部の横幅方向の中央部から離間した箇所に設けられ、前記揺動支持軸が、前記連結固定部材の上下方向下端部に位置する形態で設けられ、前記揺動支持軸が、前記昇降体の下端部から、平面視で前記案内レールと直交する方向に沿って突出する状態で取り付けられ、前記着座部が、前記連結固定部材の上端に取り付けられ、前記搭乗者が足を乗せるための足置き台が、前記揺動支持軸と同じ向きに突出する状態で、前記連結固定部材の下端部に取り付けられている点にある。
姿勢維持機構を、例えばラックアンドピニオン機構等のギア機構で構成した場合、ギア同志を無理なく噛み合わせるために、噛み合う一方のギアの歯と他方のギアの歯との間には、所定の遊び(バックラッシュ)を設ける必要がある。また、姿勢維持機構の別の例として、例えば、ローラチェーンとスプロケットとを用いることも考えられるが、この場合にも、ローラチェーンのローラとスプロケットの歯とを無理なく噛み合わせるために、ローラチェーンに遊び(緩み)を設ける必要がある。つまり、停止状態と駆動状態との間に不感帯が存在する状態で着座部を揺動操作する構成である場合には、遊びが存在する。
このように、姿勢維持機構が、着座部を遊びのある状態で揺動支持軸周りに揺動操作して、当該着座部の基準面を水平面に沿う姿勢に維持するものである場合、搭乗者の重心変化や昇降体の加減速等の外力により揺動支持軸周りのトルクに変化が生じることによって、遊び分の揺動に起因する急激な姿勢変化が発生する虞がある。
本第1特徴構成によれば、着座部は、その着座部の横幅方向の中央部から設定条件に基づいて定められる設定距離だけ離間して設けられた揺動支持軸周りに揺動自在に昇降体に固定支持される。このため、着座部及び連結固定部材の荷重と当該着座部に着座する搭乗者の荷重とを併せた荷重(以下、纏めて着座部荷重と称する)の荷重重心は、着座部の横幅方向で揺動支持軸とは異なる位置となる。
したがって、揺動支持軸が着座部の横幅方向の中央部に設けられている場合に比べて、揺動支持軸に作用するトルクは、着座部の横幅方向での位置に対応した向きで大きなトルクになる。
ここで、設定条件に基づいて定められる設定距離を、例えば、着座部荷重によって発生するトルクが、搭乗者の姿勢変化や昇降体の加減速等に起因して想定されるトルク(着座部荷重によって発生するトルクとは逆向きのトルク)よりも大きくなるような距離以上に設定すれば、上記のような搭乗者の姿勢変化や昇降体の加減速等が発生する等して外力によるトルクの変化があっても、その外力によるトルク変化の前後でトルクの向きが変化せず、遊び分の移動が発生しない。このように、外力によるトルク変化の前後でトルクの向きが変化し難いため、搭乗者の姿勢変化や昇降体の加減速等に伴って、着座部が急激に姿勢変化する事態を抑制することができる。なお、揺動支持軸を着座部の横幅方向で着座部の存在範囲の端部に位置させることが好ましい。このように、揺動支持軸を着座部の横幅方向で着座部の存在範囲の端部に位置させるように上記設定距離を設定すれば、上記の効果は顕著なものとなる。
しかも、上記のように搭乗者の姿勢変化や昇降体の加減速等に伴って遊び分の揺動に伴う急激な姿勢変化が発生する事態を抑制するにしても、昇降体と着座部との間にダンパーやサスペンションを介在させる等の煩雑な機構を用いずに済み、構成の簡素化を図ることができる。
このように、第1特徴構成によれば、簡素な構成によって、着座部の姿勢の安定化を図ることが可能な傾斜路昇降設備を提供することができる。
また、揺動支持軸と着座部との間の距離を大きく取ることができるので、揺動支持軸と着座部との間に、例えば制御装置や昇降体駆動のためのバッテリー等の各種の機器を配設するためのスペースを確保しやすいものとなる。また、上記姿勢維持機構を連結固定部材の上下方向上端部近傍に位置させると、揺動支持軸と姿勢維持機構との間のストロークを大きくとることができ、揺動操作の精度を向上することができるので、着座部の基準面を適正に水平面に沿う姿勢に維持するように着座部を揺動支持軸周りに揺動操作することができるものとなる。
本発明に係る傾斜路昇降設備の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記揺動支持軸が、前記着座部の横幅方向の中央部に対して、前記案内レールにおける階段上端部側に離間して設けられている点にある。
すなわち、揺動支持軸を、着座部の横幅方向の中央部に対して案内レールにおける階段上端部側に離間して設けることにより、揺動支持軸を着座部の横幅方向の中央部に対して案内レールにおける階段下端部側に離間して設ける場合に比べて、案内レールの階段踏面からの設置高さが高くなるのを抑制することができ、かつ、着座部の姿勢の安定化を図った状態で連結固定部材及び着座部の横幅方向の寸法を大きくして搭乗者が着座し易い着座部を備えた傾斜路昇降設備を提供することができる。
説明を加えると、揺動支持軸を着座部の横幅方向の中央部に対して案内レールにおける階段下端部側に離間して設けるように構成すると、連結固定部材が揺動支持軸から階段上端側に向けて水平方向に延出する長さ(以下、延出長さと称する)が、揺動支持軸が着座部の横幅方向の中央部に対して案内レールにおける階段上端部側に離間して設けられている場合よりも長くなる。案内レールを側面から見た場合、階段上端側には階段の蹴上板等が存在する可能性があり、連結固定部材と階段との干渉を回避するために、案内レールは、階段の踏面の階段下端側端部から水平に上記延出長さ以上離間させる必要がある。
案内レールの階段の踏面からの設置高さは、階段の踏面の階段下端側端部から上記延出長さが長くなると、それに伴って高くなるため、上記延出長さが長いほど案内レールの階段の踏面からの設置高さが高くなる。
本第2特徴構成によれば、揺動支持軸を、着座部の横幅方向の中央部に対して案内レールにおける階段上端部側に離間して設けることにより、延出長さを短くすることができる。このため、案内レールの階段の踏面からの設置高さを低くすることができる。
また、案内レールを側面から見た場合、階段上端側には階段の蹴上板等が存在する可能性があるが、階段下端側にはそのような部材が存在しないため、着座部の横幅方向で連結固定部材及び着座部が揺動支持軸から階段下端側に向けて延出する長さを大きくすることができる。このため、連結固定部材及び着座部の横幅方向の寸法を大きくすることができ、搭乗者が着座しやすい着座部を備えた傾斜路昇降設備を提供することができる。
このように、本第2特徴構成によれば、案内レールの階段の踏面からの設置高さを低くすることができ、加えて、着座部の姿勢の安定化を図った状態で連結固定部材及び着座部の横幅方向の寸法を大きくすることができて搭乗者が着座しやすい着座部を備えた傾斜路昇降設備を提供することができる。
実施形態の階段昇降装置を示す側面図 昇降体、着座部、及び連結固定部材の構成を説明する図 姿勢維持機構の構成を示すブロック図 着座部にかかる力と揺動支持軸との関係を示す図 姿勢維持機構を構成するラックとピニオンを説明する図 階段昇降装置の別の例を示す側面図 従来の階段昇降装置を示す側面図
以下、本発明の傾斜路昇降設備を階段昇降設備に適用した場合を例に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における階段昇降設備を示す側面図であり、図2は、昇降体10、連結固定部材21及び着座部20の構成を示す構成図である。階段昇降設備は、階段に設定される昇降経路に沿って設置される1本の案内レールRと、その案内レールRに案内されて昇降経路を昇降自在な昇降体10とを備えている。
図1に示すように、本実施形態の階段昇降設備において、案内レールRは踊り場1Lのある階段1に設置される。このため、案内レールRは、その長手方向での水平面に対する傾斜角度が、階段の上端と下端との間で変化する。
案内レールRは、階段の横幅方向(平面視で昇降経路と直交する方向)の端部近傍に位置する状態で設置されている。また、案内レールRは、図2に示すように、断面視において複数の面を有する異形矩形状に形成され、階段の横幅方向端部側の面には、案内レールRを固定するためのレール支持体が取り付けられる。案内レールRにおけるレール支持体が取り付けられる面と対向する面には、昇降用チェーン50Cを嵌入する溝部が設けられている。
昇降用チェーン50Cは、案内レールRの長手方向、すなわち昇降経路にその長手方向が沿う形態で、かつ、長手方向の移動を規制すべく案内レールRの上端と下端とで固定されて支持される。
昇降体10は、図2に示すように、案内レールRの複数の面に当接する複数の被案内ローラ11をフレームFに支持する形態で備えている。
また、フレームFには、案内レールRに支持される昇降用チェーン50Cに噛み合う昇降用スプロケット50Sが回転自在に支持されている。昇降用スプロケット50Sの回転軸は、昇降用モータ50の出力軸に連結され、昇降用モータ50の回転によって回転駆動される。昇降用モータ50は、図示しない制御部からの回転駆動指令に基づいて正逆回転するように構成され、この回転駆動による昇降用スプロケット50Sの回転に伴って、昇降用チェーン50Cの長手方向に移動する。これにより、昇降体10は、昇降用チェーン50Cを支持する案内レールRの長手方向に沿って昇降移動する。なお、昇降用モータ50は、連結固定部材21における揺動支持軸Y(後述)と着座部20との間に形成される空間に備えられるバッテリー(図示省略)によって駆動されるようになっている。また、図示は省略するが、このバッテリーは、階段の上端及び下端に設けられる休止位置に備えられる充電装置によって充電されるようになっている。
昇降体10は、複数の被案内ローラ11が案内レールRの複数の面に当接することによって、案内レールRの長手方向の傾斜に対応する姿勢で案内される。すなわち、昇降体10は、昇降経路を昇降するに伴って水平面に対する姿勢が変化する形態で案内レールRに案内される。
昇降体10には、平面視で案内レールRと直交する方向に沿って、階段横幅方向にて案内レールRの設置される端部とは逆側の端部に向けて片持ち状に突出する揺動支持軸Yが取り付けられている。そして、連結固定部材21が、揺動支持軸Y周りに揺動自在に支持されている。連結固定部材21は、上端に着座部20を支持するように構成されている。
着座部20は、搭乗者が着座する座面20Z、背もたれ20S及び左右一対の肘掛20Tを備えている。連結固定部材21は、図1に示すように、横幅方向で着座部20の座面20Zとほぼ同じ幅を有する形態に構成されている。揺動支持軸Yは、当該連結固定部材21の上下方向下端部で、かつ、着座部20の横幅方向の中央部に対して案内レールRにおける階段上端部側の端部に離間した箇所に設けられている。
すなわち、搭乗者が着座する着座部20を昇降体10に対して揺動自在に支持する揺動支持軸Yと、揺動支持軸Yに対して着座部20を連結固定する連結固定部材21とが設けられている。
図1及び図2に示すように、連結固定部材21には、着座部20を揺動支持軸Y周りに揺動操作する姿勢維持機構30が設けられている。
姿勢維持機構30は、図2及び図3に示すように、揺動支持軸Yを中心とする円弧状に形成されて昇降体10に固設されるラックギア31と、ラックギア31と噛み合うピニオンギア32と、ピニオンギア32の回転軸を一体に回転可能な出力軸を備えてピニオンギア32を回転駆動する姿勢維持用モータ33とを備えている。姿勢維持用モータ33はサーボモータとして構成されており、サーボ信号に基づいて、指令された向きの回転及び指令された大きさのトルクを発生させることができる。
また、連結固定部材21又は着座部20には、図4に示すように、当該連結固定部材21又は座面20Zの傾斜(案内レールRの長手方向での水平面に対する傾斜)を検出する傾斜センサDと、姿勢制御部Hとが設けられている。姿勢制御部Hには、傾斜センサDと姿勢維持用モータ33とが電気的に接続され、傾斜センサDの検出情報に基づいて、着座部20の基準面(例えば座面20Zにおいて搭乗者が着座する面)を水平面に沿う姿勢に維持すべく、姿勢維持用モータ33にサーボ信号を送信する。
また、連結固定部材21の下端部には、搭乗者が足を乗せるための足置き台(フットレスト)22が、揺動支持軸Yと同じ向きに突出するように設けられている。
以下、姿勢維持機構30による姿勢維持作用を、図3〜図5、及び比較例としての従来構成である図7に基づいて具体的に説明する。図3に示すように、ラックギア31とピニオンギア32とが無理なく噛み合うために、ラックギア31の歯31Tとピニオンギア32の歯32Tとの間には、所定の遊び(バックラッシュBL)が存在する必要がある。
従来の階段昇降設備では、図7に示すように、揺動支持軸Yが着座部20の横幅方向の中央部に位置して設けられている。このような構成では、搭乗者の姿勢変化又は昇降体10の加減速に起因して、着座部20及び連結固定部材21の荷重と当該着座部20に着座する搭乗者の荷重とを併せた荷重(以下、纏めて着座部荷重と称する)の荷重重心が変化した場合、着座部20は、その横幅方向で揺動支持軸Yよりも階段上端側(図1において時計回り方向)と階段下端側(図1において反時計回り方向)との間で揺動し易い状態となる。
ピニオンギア32はバックラッシュBL分の移動を許容されているため、上記のような揺動が発生すると、ピニオンギア32の歯の32Tの左側面32TLとラックギア31の歯31Tの右側面31TRとが当接する状態からピニオンギア32の歯の32Tの右側面32TRとラックギア31の歯31Tの左側面31TLとが当接する状態へ急激に揺動したり、あるいはその逆に急激に揺動する虞があり、着座部20の姿勢が不安定になったり、着座部20に着座する搭乗者に不快感を与える可能性がある。
本実施形態では、図5に示すように、揺動支持軸Yは、着座部20の横幅方向で階段上端部側に離間して設けられ、荷重重心Mcは着座部20の横幅方向の中央部に位置しているから、着座部荷重によって生じる揺動支持軸Y周りのトルクによって、図3のようにピニオンギア32の歯の32Tの左側面32TLとラックギア31の歯31Tの右側面31TRとが当接する状態を維持しやすい。
また、本実施形態では、揺動支持軸Yを着座部20の横幅方向の中央部から、設定条件に基づいて定められる設定距離dだけ離間させて設けている。この設定条件を、少なくとも、着座部荷重によって生じる揺動支持軸Y周りのトルクが、搭乗者の姿勢変化や昇降体10の加減速等に起因して生じるトルク(着座部荷重によって生じるトルクとは逆向きのトルク)よりも大きくなるような条件に設定する。
これにより、搭乗者の姿勢変化や昇降体10の加減速等が発生したとしても、上記のようにラックギア31の歯31Tの右側面31TRとピニオンギア32の歯32Tの左側面32TLとが当接した状態を維持することができ、ラックギア31とピニオンギア32との間にバックラッシュBLが存在しても、着座部20に急激な姿勢変化が生じることを抑制することができる。
また、連結固定部材21と階段1(踏面1Fと蹴上1Kとで形成される出隅、又は踊り場1Lの踏面)が連結固定部材21と干渉しないようにするためには、連結固定部材21において最も階段1に近接する箇所の軌跡を示す一点鎖線Tと階段1とが所定長さ以上離間する位置に案内レールRを位置させる必要がある。このとき、階段1の踊り場1L以外の部分では、揺動支持軸Yに対して連結固定部材21が階段上端部側に向けて延出する端点が一点鎖線Tの軌跡となる。本実施形態では、揺動支持軸Yは、着座部20の横幅方向で階段上端部側に離間させて設けられているので、連結固定部材21が階段1の上端側に向けて水平に延出する長さを短くすることができる。このため、階段1と連結固定部材21とが干渉しないようにするにしても、案内レールRの設置高さL1を、例えば揺動支持軸Yを着座部20の横幅方向で階段下端部側に離間させて設ける場合(図6)における案内レールRの設置高さL2や、従来構成(図7)における案内レールRの設置高さL3と比べて低い位置とすることができる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、揺動支持軸Yを着座部20の横幅方向の中央部に対して案内レールRにおける階段上端部側の端部に離間した箇所に設ける構成を説明したが、このような構成に限定されるものではなく、図6に示すように、着座部20の横幅方向の中央部に対して案内レールRにおける階段下端部側の端部に離間した箇所に設けられていてもよい。また、上記実施形態では、設定条件を、少なくとも、着座部荷重によって生じる揺動支持軸Y周りのモーメントが、搭乗者の姿勢変化や昇降体10の加減速等に起因して生じるトルク(着座部荷重によって生じるトルクとは逆向きのトルク)よりも大きくなるような条件に設定する例を示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、設定条件を、搭乗者の姿勢変化や昇降体10の加減速等に起因して生じるトルクよりも小さい所定のトルクを生じさせるような条件に設定してもよい。
また、上記実施形態では、揺動支持軸Yを連結固定部材21の上下方向下端部に設ける構成を説明したが、揺動支持軸Yが着座部20の横幅方向の中央部とは異なる位置に位置していれば、揺動支持軸Yを連結固定部材21の上下方向で下端部以外の位置(例えば上下方向中間部や上端部)に設けてもよい。また、このとき、姿勢維持機構30が上下方向で揺動支持軸Yよりも下方となるように配置されてもよい。
(2)上記実施形態では、案内レールRを1本のレールで構成するものを例示したが、このような構成に限定されるものではなく、案内レールRを2本又はそれ以上のレールで構成するものであってもよい。
(3)上記実施形態では、姿勢維持機構をラックギア31とピニオンギア32とで構成する例を示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、ローラチェーンとスプロケットを用いる構成でもよい。また、上記実施形態では、傾斜センサDと姿勢制御部Hとを備え、姿勢制御部Hが傾斜センサDの検出情報に基づいて姿勢維持用モータ33の駆動を制御する構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、着座部20を遊びのある状態で揺動支持軸Y周りに揺動操作するものであれば、例えば、案内レールRの傾斜に連動して機械的に着座部20の基準面Pを水平面に沿う姿勢に維持するものであってもよい。
(4)上記実施形態では、連結固定部材21の上端に着座部20を支持するように構成したが、着座部20を連結固定部材21の方向中間部にて支持するように構成してもよい。また、上記実施形態では、姿勢維持機構30を平面視で揺動支持軸Yと重複する位置に設ける例を示したが、姿勢維持機構30を平面視で揺動支持軸Yと重複しない位置(例えば横側方)に設けるようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、バッテリーに貯留された電力により駆動される昇降用モータ50によって昇降体10を昇降駆動させる構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、階段の上端部に備えたウィンチによってワイヤを巻き取り又は繰り出し操作し、そのワイヤにて昇降体10を牽引することによって昇降体10を昇降駆動するものであってもよい。また、上記実施形態では、昇降用モータ50をバッテリーに貯留された電力で駆動する例を示したが、案内レールRに非接触給電装置を設けて、その非接触給電装置から供給される電力によって昇降用モータ50を駆動するようにしてもよい。
10 昇降体
20 着座部
21 連結固定部材
30 姿勢維持機構
BL 遊び
R 案内レー
揺動支持軸
ST 階段

Claims (2)

  1. 階段又は傾斜路に設定される昇降経路に沿って設置される案内レールと、
    前記案内レールに案内されて前記昇降経路を昇降自在な昇降体と、
    搭乗者が着座する着座部を前記昇降体に対して揺動自在に支持する揺動支持軸と、
    前記揺動支持軸に対して前記着座部を連結固定する連結固定部材と、が設けられ、
    前記昇降体は、前記昇降経路を昇降するに伴って水平面に対する姿勢が変化する形態で前記案内レールに案内され、
    前記着座部を、遊びのある状態で前記揺動支持軸周りに揺動操作して、当該着座部の基準面を水平面に沿う姿勢に維持する姿勢維持機構が設けられている傾斜路昇降設備であって、
    前記揺動支持軸は、設定条件に基づいて定められる設定距離だけ前記着座部の横幅方向の中央部から離間した箇所に設けられ
    前記揺動支持軸が、前記連結固定部材の上下方向下端部に位置する形態で設けられ、
    前記揺動支持軸が、前記昇降体の下端部から、平面視で前記案内レールと直交する方向に沿って突出する状態で取り付けられ、
    前記着座部が、前記連結固定部材の上端に取り付けられ、
    前記搭乗者が足を乗せるための足置き台が、前記揺動支持軸と同じ向きに突出する状態で、前記連結固定部材の下端部に取り付けられている傾斜路昇降設備。
  2. 前記揺動支持軸が、前記着座部の横幅方向の中央部に対して、前記案内レールにおける階段上端部側に離間した箇所にて設けられている請求項1記載の傾斜路昇降設備。
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