JP6056953B1 - 遠心ファンの羽根車の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸線周りに環状に配置される複数のブレードと、ブレードの回転軸線方向側の両端部である2つのブレード軸端部に対向して配置される主板及びシュラウドと、の相互間を溶着させてなる、遠心ファンの羽根車、を安価に製造できるようにする。【解決手段】羽根車(8)の製造装置(100)は、ブレード(70)及び主板(60)に対して超音波振動を付与する主板側超音波ホーン(111)と、ブレード(70)及びシュラウド(80)に対して超音波振動を付与するシュラウド側超音波ホーン(112)と、を有する。主板側超音波ホーン(111)は、主板(60)を貫通して主板側ブレード軸端部(71)の一部に達するまで挿入される主板側挿入部(113)を有し、シュラウド側超音波ホーン(112)は、シュラウド(80)を貫通してシュラウド側ブレード軸端部(72)の一部に達するまで挿入されるシュラウド側挿入部(114)を有する。【選択図】図16

Description

本発明は、遠心ファンの羽根車の製造装置、特に、回転軸線周りに環状に配置される複数のブレードと、ブレードの回転軸線方向側の両端部である2つのブレード軸端部に対向して配置される主板及びシュラウドと、の相互間を溶着させてなる、遠心ファンの羽根車の製造装置に関する。
空気調和装置や空気清浄機等においては、空気の吸入や供給、排出のために遠心ファンが使用されることがある。遠心ファンを構成する羽根車は、主として、回転軸線周りに環状に配置される複数のブレードと、ブレードの回転軸線方向側の両端部である2つのブレード軸端部に対向して配置される主板及びシュラウドと、を有している。
そして、このような遠心ファンの羽根車として、特許文献1、2(特開2008−111393号公報、特開2015−86827号公報)に示すように、ブレードの主板側のブレード軸端部と主板との相互間、及び、ブレードのシュラウド側の軸端部とシュラウドとの相互間、を超音波溶着させてなるものがある。これにより、主板側ブレード軸端部と主板との相互間には、主板側溶着部が形成され、シュラウド側ブレード軸端部とシュラウドとの相互間には、シュラウド側溶着部が形成されている。
特許文献1においては、超音波溶着によって遠心ファンの羽根車を製造するにあたり、主板側溶着部やシュラウド側溶着部をなす部分にエッジを形成しておき、超音波振動を付与してエッジを溶融させるようにしている。また、特許文献2においては、超音波溶着によって遠心ファンの羽根車を製造するにあたり、主板側溶着部やシュラウド側溶着部をなす部分に貫通孔及び貫通孔を貫通する突起を設けておき、超音波振動を付与して突起先端を溶融変形させるようにしている。
しかし、特許文献1、2の超音波溶着の手法では、主板側溶着部やシュラウド側溶着部をなす部分にエッジや貫通孔、突起を予め形成しておく必要があるため、これらの部分を形成するための金型や成形加工のコストアップが発生してしまい、主板側溶着部やシュラウド側溶着部の面積も大きくなる。そして、主板側溶着部やシュラウド側溶着部の面積が大きくなると、超音波振動を付与するための超音波ホーンや超音波発振器が大型化することによるコストアップも発生する。特に、特許文献2のように、主板全体を覆うサイズの超音波ホーンを採用すると、超音波ホーンや超音波発振器の大型化が過大なものになる。
このように、上記従来の超音波溶着の手法では、溶着に必要なエッジや貫通孔、突起を予め形成しておくための金型や成形加工のコストアップ、溶着部の面積の増大、及び、超音波ホーンや超音波発振器の大型化によって、遠心ファンの羽根車を安価に製造することが難しい。
本発明の課題は、回転軸線周りに環状に配置される複数のブレードと、ブレードの回転軸線方向側の両端部である2つのブレード軸端部に対向して配置される主板及びシュラウドと、の相互間を溶着させてなる、遠心ファンの羽根車、を安価に製造できるようにすることにある。
第1の観点にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置は、回転軸線周りに環状に配置される複数のブレードと、ブレードの回転軸線方向側の両端部である2つのブレード軸端部に対向して配置される主板及びシュラウドと、の相互間を溶着させてなる遠心ファンの羽根車の製造装置である。この遠心ファンの羽根車の製造装置は、2つのブレード軸端部の一方である主板側ブレード軸端部と主板との相互間を溶着させるためにブレード及び主板に対して超音波振動を付与する主板側超音波ホーンと、2つのブレード軸端部の他方であるシュラウド側ブレード軸端部とシュラウドとの相互間を溶着させるためにブレード及びシュラウドに対して超音波振動を付与するシュラウド側超音波ホーンと、を有している。そして、ここでは、主板側超音波ホーンが、主板を貫通して主板側ブレード軸端部の一部に達するまで挿入される主板側挿入部を有しており、シュラウド側超音波ホーンが、シュラウドを貫通してシュラウド側ブレード軸端部の一部に達するまで挿入されるシュラウド側挿入部を有している。
回転軸線周りに環状に配置される複数のブレードと、ブレードの回転軸線方向側の両端部である2つのブレード軸端部に対向して配置される主板及びシュラウドと、の相互間を溶着させてなる、遠心ファンの羽根車を安価に製造できるようにするためには、溶着に必要なエッジや貫通孔、突起を予め形成しておくための金型や成形加工を減らし、溶着部の面積を小さくし、超音波ホーンや超音波発振器を小型化する必要がある。
そこで、ここでは、上記のように、主板側ブレード軸端部と主板との相互間を溶着させるためにブレード及び主板に対して超音波振動を付与する主板側超音波ホーンを、主板を貫通して主板側ブレード軸端部の一部に達するまで挿入される主板側挿入部を有するものとしている。また、シュラウド側ブレード軸端部とシュラウドとの相互間を溶着させるためにブレード及びシュラウドに対して超音波振動を付与するシュラウド側超音波ホーンを、シュラウドを貫通してシュラウド側ブレード軸端部の一部に達するまで挿入されるシュラウド側挿入部を有するものとしている。このような主板側挿入部を有する主板側超音波ホーンは、ブレード及び主板に対して超音波振動を付与して、主板を貫通して主板側ブレード軸端部の一部まで達する凹みである主板側溶着穴が形成されるように主板側ブレード軸端部及び主板を溶融させて、主板側溶着穴を有する主板側溶着部を形成する。また、このようなシュラウド側挿入部を有するシュラウド側超音波ホーンは、ブレード及びシュラウドに対して超音波振動を付与して、シュラウドを貫通してシュラウド側ブレード軸端部の一部まで達する凹みであるシュラウド側溶着穴が形成されるようにシュラウド側ブレード軸端部及びシュラウドを溶融させて、シュラウド側溶着穴を有するシュラウド側溶着部を形成する。そして、このような溶着穴を有する溶着部であれば、従来の超音波溶着で必要なエッジや貫通孔、突起を予め形成しておくための金型や成形加工を減らすことができ、溶着部の面積を小さくすることができる。また、溶着部の面積が小さくなれば、超音波ホーンを小型化することができ、超音波発振器の出力も小さくすることができる。
このように、ここでは、回転軸線周りに環状に配置される複数のブレードと、ブレードの回転軸線方向側の両端部である2つのブレード軸端部に対向して配置される主板及びシュラウドと、の相互間を溶着させてなる、遠心ファンの羽根車、を安価に製造することができる。
第2の観点にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置は、第1の観点にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置において、主板側超音波ホーンが、主板側挿入部を主板側ブレード軸端部の翼長方向に沿って複数個有しており、シュラウド側超音波ホーンが、シュラウド側挿入部をシュラウド側ブレード軸端部の翼長方向に沿って複数個有している。
ここでは、主板側ブレード軸端部と主板との相互間、及び、シュラウド側ブレード軸端部とシュラウドとの相互間の溶着を強固なものとすることができる。
第3の観点にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置は、第1又は第2の観点にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置において、主板側超音波ホーン及びシュラウド側超音波ホーンが、複数のブレードのいずれか1つと主板及びシュラウドとの相互間の溶着を行うように設けられている。この遠心ファンの羽根車の製造装置は、主板側超音波ホーン及びシュラウド側超音波ホーンに対して、複数のブレードのいずれか1つを位置合わせすることが可能になるように、主板、複数のブレード及びシュラウドを回転軸線周りに回転自在に支持する羽根車支持装置をさらに有している。
ここでは、主板側ブレード軸端部と主板との相互間、及び、シュラウド側ブレード軸端部とシュラウドとの相互間の溶着を、複数のブレードの1つずつに対して順次行うことができるようになる。
これにより、ここでは、主板やシュラウド全体を覆うサイズの大型の超音波ホーンを用いて複数のブレードをまとめて溶着する場合に比べて、超音波ホーンをさらに小型化することができ、超音波発振器の出力もさらに小さくすることができる。
第4の観点にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置は、第1〜第3の観点のいずれかにかかる遠心ファンの羽根車の製造装置において、主板側超音波ホーンによって主板側ブレード軸端部と主板との相互間を溶着させるにあたり、シュラウドを主板側に押圧するシュラウド押圧装置をさらに有している。
主板側ブレード軸端部と主板との相互間を溶着させるにあたり、主板側からブレード及び主板に対して超音波振動を付与する際には、主板側超音波ホーンによって主板がシュラウド側に向かって押圧されることになる。
そこで、ここでは、上記のようなシュラウド押圧装置を設けるようにしている。
これにより、ここでは、主板側ブレード軸端部と主板との相互間を溶着させるにあたり、シュラウドを主板側に向かって押圧することができ、主板側超音波ホーンによる主板側からの押圧力を受けることができる。
第5の観点にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置は、第4の観点にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置において、シュラウド押圧装置が、シュラウドのうち主板側挿入部が主板及び主板側ブレード軸端部に挿入される部分の回転軸線方向に対向する部分を主板側に押圧する。
ここでは、主板側ブレード軸端部と主板との相互間を溶着させるにあたり、シュラウドのうち主板側への最も押圧が必要な部分を適切に押圧することができる。
第6の観点にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置は、第1〜第5の観点のいずれかにかかる遠心ファンの羽根車の製造装置において、主板側超音波ホーンによって主板側ブレード軸端部と主板との相互間を溶着させるにあたり、主板側ブレード軸端部の翼後縁側の部分と主板のうち主板側挿入部が主板及び主板側ブレード軸端部に挿入される部分よりもブレードの翼後縁側の部分との間に隙間が確保されるように、主板を撓み変形させる非溶着装置をさらに有している。
ブレード及び主板に対して超音波振動を付与することによって、主板側ブレード軸端部と主板との相互間を溶着させると主板側超音波ホーンの主板側挿入部が挿入される部分に主板側溶着部が形成されるが、このとき、このような主板側溶着部よりも翼後縁側の部分にも超音波振動が伝わり、弱く溶着されるおそれがある。そして、主板側溶着部よりも翼後縁側の部分で弱く溶着されると、遠心ファンの運転時にこのような弱く溶着された部分が外れてしまい、異音を発生させるおそれがある。
そこで、ここでは、上記のように、主板側ブレード軸端部と主板との相互間を溶着させるにあたり、非溶着装置を用いて主板を撓み変形させることによって、主板側ブレード軸端部の翼後縁側の部分と主板との間に隙間を確保した状態で、主板のうち隙間よりも翼前縁側の部分からブレード及び主板に対して超音波振動を付与するようにしている。
これにより、主板側溶着部よりも翼後縁側の部分が弱く溶着されるのを防ぎ、遠心ファンの運転時における異音の発生を抑えることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、主板やシュラウドを貫通してブレード軸端部の一部に達するまで挿入される挿入部を有する超音波ホーンを用いてブレードと主板やシュラウドとの間を溶着する製造装置を採用することによって、遠心ファンの羽根車、を安価に製造することができる。
本発明の一実施形態にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置を用いて製造された羽根車を備えた遠心ファンが採用された空気調和装置の外観斜視図である。 空気調和装置の概略側面断面図である。 羽根車の外観斜視図である。 図3のA矢視図(シュラウドの一部を除いて図示)である。 図3のB矢視図(主板の一部を除いて図示)である。 図4のC部を拡大した図である。 図5のD部を拡大した図である。 図6及び図7のI−I断面を示す図である。 図7のII−II断面及びIII−III断面を示す図である。 主板の一部を回転軸線方向ブレード側から見た図である。 図7のIV−IV断面及びV−V断面を示す図である。 図7のE部を正圧面側から見た拡大断面図である。 図6のVI−VI断面を示す図である。 羽根車の製造装置の概略平面図である。 羽根車の製造装置の概略側面図である。 羽根車の製造装置の概略正面図(羽根車支持装置を除いて図示)である。 主板側超音波ホーン及びシュラウド側超音波ホーンの挿入部を示す概略図である。 羽根車の製造装置の制御ブロック図である。 羽根車の製造工程を示すフローチャートである。 羽根車の製造工程における製造装置の各部の動作状況を説明する図である。 主板側超音波ホーン及びシュラウド側超音波ホーンの挿入部を溶着箇所に挿入した状態を示す図である。 非溶着装置を用いて主板の外周縁部を撓み変形させた状態を示す図である。
以下、本発明にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる遠心ファンの羽根車の製造方法の実施形態の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)空気調和装置の全体構成
図1に本発明の一実施形態にかかる遠心ファンの羽根車の製造装置を用いて製造された羽根車を備えた遠心ファンが採用された空気調和装置1の外観斜視図(天井は省略)を示す。空気調和装置1は、ここでは、天井埋込型の空気調和装置であり、主として、内部に各種構成機器を収納するケーシング2と、ケーシング2の下側に配置された化粧パネル3と、を有している。
空気調和装置1のケーシング2は、下面が開口した箱状の部材であり、図2(空気調和装置1の概略側面断面図)に示されるように、空調室の天井に形成された開口に挿入されて配置されている。そして、化粧パネル3は、空調室の空気をケーシング2に吸入するために略中央に配置された吸入口3aと、ケーシング2から空調室に空気を吹き出すために吸入口3aの外周を囲むように配置された吹出口3bと、を有しており、天井の開口に嵌め込まれるように配置されている。
ケーシング2内には、主として、化粧パネル3の吸入口3aを通じて空調室の空気をケーシング2内に吸入して外周方向に吹き出す遠心ファン4と、遠心ファン4の外周を囲む熱交換器5と、吸入口3aから吸入される空気を遠心ファン4に案内するためのベルマウス6と、が配置されている。遠心ファン4は、ケーシング2の天板2aの略中央に設けられたファンモータ7と、ファンモータ7に連結されて回転駆動される羽根車8と、を有している。
尚、遠心ファン4が設けられる空気調和装置1の具体例は、天井設置型のものに限定されるものではなく、他の型式であってもよい。そして、羽根車8の構成、羽根車8の製造方法及び羽根車8の製造装置については、後述する。
(2)羽根車の構成
次に、羽根車8の構成について、図3〜図13を用いて説明する。ここで、図3は、羽根車8の外観斜視図である。図4は、図3のA矢視図(シュラウド80の一部を除いて図示)である。図5は、図3のB矢視図(主板60の一部を除いて図示)である。図6は、図4のC部を拡大した図である。図7は、図5のD部を拡大した図である。図8は、図6及び図7のI−I断面を示す図である。図9は、図7のII−II断面及びIII−III断面を示す図である。図10は、主板60の一部を回転軸線O方向ブレード70側から見た図である。図11は、図7のIV−IV断面及びV−V断面を示す図である。図12は、図7のE部を正圧面側から見た拡大断面図である。図13は、図6のVI−VI断面を示す図である。
羽根車8は、主として、ファンモータ7に連結される円板状の主板60と、主板60の回転軸線O周りに主板60の反ファンモータ7側に環状に配置された複数(ここでは、7枚)のブレード70と、複数のブレード70を主板60との回転軸線O方向間に挟むように配置された環状のシュラウド80と、を有している。ここで、羽根車8の回転方向をRとする。
主板60は、その中央部に、略円錐形状のハブ部61が吸入口3a側に向かって突出するように形成された樹脂製の部材である。ハブ部61には、主板60の同心円上に並んで形成された長孔からなる複数(ここでは、3個)の冷却用空気孔62等が形成されている。
シュラウド80は、その外周部から中央部の開口に向かうにつれて吸入口3a側に湾曲しながら突出するベル形状の樹脂製の部材である。シュラウド80を構成する樹脂素材は、特に限定されるものではないが、ここでは、主板60と同じ樹脂素材が使用されている。また、シュラウド80のベル形状をなす部分をシュラウド曲板部81とする。
ブレード70は、主板60及びシュラウド80とは別に成形された樹脂製の部材である。ブレード70を構成する樹脂素材は、特に限定されるものではないが、ここでは、主板60やシュラウド80と同じ樹脂素材が使用されている。ブレード70の回転軸線O方向側の一端部は、主板60に対向して配置される主板側ブレード軸端部71であり、主板60に固定されている。ブレード70の回転軸線O方向側の他端部は、シュラウド80に対向して配置されるシュラウド側ブレード軸端部72であり、シュラウド80に固定されている。ブレード70は、ここでは、羽根車8を回転軸線O方向に沿って見た際に、主板側ブレード軸端部71がシュラウド側ブレード軸端部72よりも後傾した翼形状を有しており、かつ、ブレード軸端部71、72同士が交差するように形成されている。つまり、ブレード70は、主板60とシュラウド80との間をねじれながら回転軸線O方向に延びる三次元翼形状をなしている。ブレード70は、主として、ブレード本体73と、ブレード本体73に嵌め込みにより装着されブレード本体73との間に中空の空間Sを形成するブレード蓋体74と、を有する中空ブレードであり、これにより、ブレード70の軽量化が図られている。尚、ブレード70の中空化は、2つの部材73、74の嵌め込み構造によるものではなく、ブロー成形等によるものであってもよい。また、ここでは、ブレード70の翼後縁部に遠心ファン4の性能を向上させるための凹凸形状が形成されているが、凹凸形状を形成しなくても十分な性能が得られる場合には必ずしも形成しなくてもよい。
ブレード70の主板側ブレード軸端部71の主板60への固定は、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させることによって行われており、その溶着部分が主板側溶着部8a、8bを形成している。第1主板側溶着部8aは、主板側ブレード軸端部71の翼長方向の翼後縁寄りの部分に対応して配置されており、第2主板側溶着部8bは、主板側ブレード軸端部71の翼長方向の翼前縁寄りの部分に対応して配置されている。主板側溶着部8a、8bにはそれぞれ、主板60を貫通して主板側ブレード軸端部71の一部まで達する凹みである主板側溶着穴8dが形成されている。主板側溶着穴8dは、主板側溶着部8a、8bのそれぞれに対して、主板側ブレード軸端部71の翼長方向に沿って複数個(ここでは、3個)ずつ形成されている。尚、主板側溶着部8a、8bは2個に限定されるものではなく、また、主板側溶着穴8dの個数も3個に限定されるものではない。
ここで、主板60は、主板側ブレード軸端部71に対向する面であるブレード側主板面63と、ブレード側主板面63の回転軸線O方向の反対側の面である反ブレード側主板面64と、を有している。そして、ここでは、反ブレード側主板面64には、主板側ブレード軸端部71に対応して凸状の反ブレード側主板凸部65が形成されており、反ブレード側主板凸部65には、凹状の反ブレード側主板凹部65a、65bが形成されており、主板側溶着部8a、8bが、反ブレード側主板凹部65a、65bに配置されている。第1ブレード側主板凹部65aは、第1主板側溶着部8aに対応して配置されており、第2ブレード側主板凹部65bは、第2主板側溶着部8bに対応して配置されている。すなわち、主板60の主板側ブレード軸端部71に対応する部分は、その周囲部分よりも板厚を少し大きくしているところ、この板厚が大きくなった部分の一部については板厚を小さくして、この板厚が小さくなった部分に主板側溶着部8a、8bを配置するようにしている。したがって、主板側溶着部8a、8bは、主板側ブレード軸端部71と主板60の反ブレード側主板凹部65a、65bが配置されている部分とが回転軸線O方向に重なり、この重なり部分に、主板60を貫通して主板側ブレード軸端部71まで達するように主板側溶着穴8dが形成されているのである。
また、主板側ブレード軸端部71には、第1主板側溶着部8aよりもブレード70の翼後縁側の部分に、主板側ブレード軸端部71と主板60との間に隙間を確保するための非溶着部8fが形成されている。ここでは、非溶着部8fは、主板側ブレード軸端部71の翼後縁部のうちブレード側主板面63に対向する部分を切り欠いたような形状をなす部分である。尚、非溶着部8fは、主板側ブレード軸端部71の翼後縁部に形成されたものに限定されるものではなく、例えば、主板60の主板側ブレード軸端部71の外周縁部の主板側ブレード軸端部71の翼後縁部に対向する部分を凹ませたような形状をなす部分であってもよい。
また、主板60には、主板側ブレード軸端部71の翼後縁側の部分に沿うように堰部66が形成されている。堰部66は、主板60のブレード側主板面63から回転軸線O方向シュラウド80側に向かって突出する壁状の部分である。堰部66は、主板側ブレード軸端部71の翼後縁側の部分のうちブレード70の正圧面側に沿って形成された正圧面側堰部66aと、主板側ブレード軸端部71の翼後縁側の部分のうちブレード70の負圧面側に沿って形成された負圧面側堰部66bと、を有している。尚、ここでは、負圧面側堰部66bが主板側ブレード軸端部71の翼後縁側の部分だけでなく、主板側ブレード軸端部71の翼前縁側の部分にも配置されているが、主板側ブレード軸端部71の翼後縁側の部分だけに配置されていてもよい。
また、主板60の主板側ブレード軸端部71に対向する部分には、主板60のブレード側主板面63から回転軸線O方向シュラウド80側に向かって突出する主板突起67が形成されており、主板側ブレード軸端部71には、主板突起67に挿入可能な主板側ブレード孔75が形成されている。ここでは、主板突起67及び主板側ブレード孔75は、2組あり、一方は、第2主板側溶着部8bよりもブレード70の翼前縁側の部分に配置され、他方は、第1主板側溶着部8aと第2主板側溶着部8bとの翼長方向間の部分に配置されている。すなわち、主板突起67及び主板側ブレード孔75によって、主板60の所定位置にブレード70が位置決めされるようになっている。尚、主板突起67及び主板側ブレード孔75の組数は2組に限定されるものではない。
ブレード70のシュラウド側ブレード軸端部72のシュラウド80への固定は、主板側ブレード軸端部71の主板60への固定と同様に、シュラウド側ブレード軸端部72とシュラウド80との相互間を溶着させることによって行われており、その溶着部分がシュラウド側溶着部8cを形成している。シュラウド側溶着部8cには、主板側溶着部8a、8bと同様に、シュラウド80を貫通してシュラウド側ブレード軸端部72まで達する凹みであるシュラウド側溶着穴8eが形成されている。シュラウド側溶着穴8eは、主板側溶着穴8dと同様に、シュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向に沿って複数個(ここでは、3個)形成されている。尚、シュラウド側溶着部8cは1個に限定されるものではなく、また、シュラウド側溶着穴8eの個数も3個に限定されるものではない。
ここで、シュラウド80には、シュラウド側ブレード軸端部72に対応して平板状のシュラウド平板部82が形成されており、シュラウド側溶着部8cが、シュラウド平板部82に配置されている。すなわち、シュラウド80の大部分は、ベル形状をなすシュラウド曲板部81によって構成されているところ、シュラウド曲板部81のうちシュラウド側ブレード軸端部72に対応する部分に回転軸線O方向に垂直な平板形状のシュラウド平板部82が形成されている。そして、ブレード70のシュラウド側ブレード軸端部72には、シュラウド平板部82に対応して回転軸線O方向に垂直なシュラウド側ブレード平板部76が形成されている。したがって、シュラウド側溶着部8cは、シュラウド平板部82とシュラウド側ブレード平板部76とが回転軸線O方向に重なり、この重なり部分に、シュラウド平板部82を貫通してシュラウド側ブレード平板部76まで達するようにシュラウド側溶着穴8eが形成されているのである。
ここでは、シュラウド平板部82は、シュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向の中央付近に対応するように配置されている。このため、シュラウド側ブレード平板部76もシュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向の中央付近に配置されている。
また、シュラウド平板部82は、第1主板側溶着部8aの回転軸線O方向に対向して配置されている。すなわち、シュラウド平板部82は、第1主板側溶着部8aを回転軸線O方向に沿って見た際に、シュラウド平板部82のシュラウド側ブレード軸端部72と回転軸線O方向に重なる部分のうち、第1主板側溶着部8aに最も近い位置、ここでは、シュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向の中央付近に対応する位置に配置されている。尚、ここでは、シュラウド平板部82を第1主板側溶着部8aの回転軸線O方向に対向して配置しているが、これに限定されず、主板側溶着部8a、8bの配置に応じて、第2主板側溶着部8bの回転軸線O方向に対向して配置してもよい。
また、シュラウド80は、シュラウド側ブレード軸端部72に対向する面であるブレード側シュラウド面84と、ブレード側シュラウド面84の回転軸線O方向の反対側の面である反ブレード側シュラウド面85と、を有している。そして、ここでは、反ブレード側シュラウド面85には、第2主板側溶着部8bの回転軸線O方向に対向して平坦面からなるシュラウド平坦面86aが形成されている。すなわち、シュラウド平坦面86aは、第2主板側溶着部8bを回転軸線O方向に沿って見た際に、シュラウド80のシュラウド側ブレード軸端部72と回転軸線O方向に重なる部分のうち、第2主板側溶着部8bに最も近い位置、ここでは、シュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向の翼前縁部に対応する位置に配置されている。ここでは、シュラウド平坦面86aは、シュラウド曲板部81のうちシュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向の翼前縁部に対応する位置から回転軸線O方向に突出するシュラウド突起86の回転軸線O方向の端面であり、回転軸線O方向に垂直な平坦面をなしている。尚、ここでは、シュラウド平坦面86aを第2主板側溶着部8bの回転軸線O方向に対向して配置しているが、これに限定されず、主板側溶着部8a、8bの配置に応じて、第1主板側溶着部8aの回転軸線O方向に対向して配置してもよい。
また、シュラウド80には、シュラウド平板部82の周囲部分にシュラウド曲板部81との間を繋ぐシュラウド段差部83が形成されており、シュラウド側ブレード軸端部72には、シュラウド側ブレード平板部76の周囲部分にシュラウド段差部83に嵌合可能なブレード段差部77が形成されている。そして、シュラウド平板部82とシュラウド側ブレード平板部76とが回転軸線O方向に重なった状態で、ブレード段差部77がシュラウド段差部83に嵌り合うようになっている。すなわち、シュラウド段差部83及びブレード段差部77によって、シュラウド80の所定位置にブレード70が位置決めされるようになっている。
(3)遠心ファンの羽根車の製造方法及び製造装置
次に、羽根車8の製造方法及び製造装置について、図3〜図22を用いて説明する。ここで、図14は、羽根車8の製造装置100の概略平面図である、図15は、羽根車8の製造装置100の概略側面図である。図16は、羽根車8の製造装置100の概略正面図(羽根車支持装置101を除いて図示)である。図17は、主板側超音波ホーン111及びシュラウド側超音波ホーン112の挿入部113、114を示す概略図である。図18は、羽根車8の製造装置100の制御ブロック図である。図19は、羽根車8の製造工程を示すフローチャートである。図20は、羽根車8の製造工程における製造装置100の各部の動作状況を説明する図である。図21は、主板側超音波ホーン111及びシュラウド側超音波ホーン112の挿入部113、114を溶着箇所に挿入した状態を示す図である。図22は、非溶着装置105を用いて主板60の外周縁部を撓み変形させた状態を示す図である。
<羽根車の製造装置の構成>
羽根車8の製造装置100は、回転軸線O周りに環状に配置される複数のブレード70と、ブレード70の回転軸線O方向側の両端部である2つのブレード軸端部71、72に対向して配置される主板60及びシュラウド80と、の相互間を溶着させることによって、羽根車8を製造する装置である。製造装置100は、主として、溶着装置101と、羽根車支持装置102と、シュラウド押圧装置103、104と、非溶着装置105と、制御装置106と、を有している。
溶着装置101は、主として、主板側超音波ホーン111と、シュラウド側超音波ホーン112と、を有している。主板側超音波ホーン111は、2つのブレード軸端部71、72の一方である主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるためにブレード70及び主板60に対して超音波振動を付与する超音波ホーンである。シュラウド側超音波ホーン112は、2つのブレード軸端部71、72の他方であるシュラウド側ブレード軸端部72とシュラウド80との相互間を溶着させるためにブレード70及びシュラウド80に対して超音波振動を付与する超音波ホーンである。そして、ここでは、主板側超音波ホーン111は、主板60を貫通して主板側ブレード軸端部71の一部に達するまで挿入される主板側挿入部113を有している。また、シュラウド側超音波ホーン112は、シュラウド80を貫通してシュラウド側ブレード軸端部72の一部に達するまで挿入されるシュラウド側挿入部114を有している。また、主板側超音波ホーン111は、主板側挿入部113を主板側ブレード軸端部71の翼長方向に沿って複数個(ここでは、3個)有している。シュラウド側超音波ホーン112は、シュラウド側挿入部114をシュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向に沿って複数個(ここでは、3個)有している。主板側超音波ホーン111及びシュラウド側超音波ホーン112への超音波振動の供給は、超音波発振器115(図18のみに図示)によって行われるようになっている。また、主板側超音波ホーン111及びシュラウド側超音波ホーン112は、それぞれ、エアシリンダ等によって移動可能になるようにベース107に支持されている。そして、ここでは、主板側超音波ホーン111及びシュラウド側超音波ホーン112は、複数のブレード70のいずれか1つと主板60及びシュラウド80との相互間の溶着を行うように設けられている。
羽根車支持装置102は、主板60、複数のブレード70及びシュラウド80を回転軸線O周りに回転自在に支持する装置であり、主として、モータ等によって駆動される回転テーブル121を有している。回転テーブル121は、主板60よりも径が小さな円板形状を有している。また、回転テーブル121には、主板側超音波ホーン111を反ブレード側主板面64側から主板60に挿入するためのテーブル切り欠き122及びテーブル貫通孔123が形成されている。テーブル切り欠き122及びテーブル貫通孔123は、ブレード70と同じ数(ここでは、7個)ずつ形成されている。ここで、テーブル切り欠き122は、第1主板側溶着部8aが形成される部分に対応して配置されており、テーブル貫通孔123は、第2主板側溶着部8bが形成される部分に対応して配置されている。そして、羽根車支持装置102は、回転テーブル121を回転させることによって、主板側超音波ホーン111及びシュラウド側超音波ホーン112に対して、複数のブレード70のいずれか1つを位置合わせすることを可能にしているのである。
シュラウド押圧装置103、104は、主板側超音波ホーン111によって主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、シュラウド80を主板60側に押圧する装置であり、主として、シュラウド80の所定の部分を押圧する押圧ピン131、141を有している。シュラウド押圧装置103、104は、シュラウド80のうち主板側挿入部113が主板60及び主板側ブレード軸端部71に挿入される部分の回転軸線O方向に対向する部分を主板60側に押圧するようになっている。すなわち、ここでは、押圧ピン131、141が、シュラウド80のうち主板側挿入部113が主板60及び主板側ブレード軸端部71に挿入される部分の回転軸線O方向に対向する部分を押圧するようになっている。ここで、第1押圧ピン131を有する第1シュラウド押圧装置103は、第1主板側溶着部8aが形成される部分の回転軸線O方向に対向して配置されているシュラウド80のシュラウド平板部82を押圧するようになっている。また、第2押圧ピン141を有する第2シュラウド押圧装置104は、第2主板側溶着部8bが形成される部分の回転軸線O方向に対向して配置されているシュラウド80のシュラウド平坦面86aを押圧するようになっている。また、シュラウド押圧装置103、104は、主板側超音波ホーン111及びシュラウド側超音波ホーン112と同様に、それぞれ、エアシリンダ等によって移動可能になるようにベース107に支持されている。そして、ここでは、シュラウド押圧装置103、104は、主板側超音波ホーン111及びシュラウド側超音波ホーン112によって、複数のブレード70のいずれか1つと主板60及びシュラウド80との相互間の溶着を行う際に、シュラウド80を主板60側に押圧するように設けられている。
非溶着装置105は、主板側超音波ホーン111によって主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、主板側ブレード軸端部71の翼後縁側の部分と主板60のうち主板側挿入部113が主板60及び主板側ブレード軸端部71に挿入される部分よりもブレード70の翼後縁側の部分との間に隙間が確保されるように、主板60を撓み変形させる装置である。非溶着装置105は、主として、主板60の外周縁部を主板側ブレード軸端部71の翼後縁部から離れる方向に曲げる曲げピン151を有している。また、非溶着装置105は、主板側超音波ホーン111及びシュラウド側超音波ホーン112やシュラウド押圧装置103、104と同様に、それぞれ、エアシリンダ等によって移動可能になるようにベース107に支持されている。そして、ここでは、非溶着装置105は、主板側超音波ホーン111によって、複数のブレード70のいずれか1つと主板60との相互間の溶着を行う際に、主板60を撓み変形させるように設けられている。
制御装置106は、上記の各種装置の制御動作を行うための装置であり(図18のみに図示)、各種装置やベース107に付属して、又は、各種装置やベース107から離れた場所に設けられている。そして、製造装置100の動作は、制御装置106によって行われる。
<羽根車の製造工程>
まず、樹脂成形されたブレード本体73、ブレード蓋体74、主板60及びシュラウド80を準備する。そして、ブレード蓋体74をブレード本体73に嵌め込みにより装着してブレード70を組み立てる。そして、複数のブレード70、主板60及びシュラウド80の仮組みを行う。ここでは、ブレード70の主板側ブレード軸端部71の主板側ブレード孔75に主板60の主板突起67を挿入することによって、ブレード70を主板60の所定位置に配置し、ブレード70のシュラウド側ブレード軸端部72のブレード段差部77をシュラウド60のシュラウド段差部83に嵌合することによって、ブレード70をシュラウド80の所定位置に配置するのである。
次に、仮組みされた複数のブレード70、主板60及びシュラウド80(ワーク)を羽根車支持装置102の回転テーブル121上に配置する(ステップST1)。このとき、ワーク(仮組みされた複数のブレード70、主板60及びシュラウド80)は、主板60の第1反ブレード側主板凹部65aがテーブル切り欠き122に対応し、かつ、主板60の第2反ブレード側主板凹部65bがテーブル貫通孔123に対応した状態で、回転テーブル121上に配置される。
次に、ステップST2〜ST9の工程によって、複数のブレード70の2つのブレード軸端部71、72と主板60及びシュラウド80と、の相互間を溶着させることによって、遠心ファン4の羽根車8を完成させる。これらのステップST2〜ST9の工程は、制御部106によって行われる。ここでは、以下に説明するように、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間、及び、シュラウド側ブレード軸端部72とシュラウド80との相互間の溶着を、複数のブレード70の1つずつに対して順次行うようにしている。
まず、ステップST2において、ブレード70の主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、シュラウド押圧装置103、104によってシュラウド80を主板60側に押圧する。具体的には、第1シュラウド押圧装置103の押圧ピン131によって、シュラウド平板部82を主板60側に押圧する。これにより、主板側ブレード軸端部71の翼長方向の翼後縁寄りの部分が主板60の第1反ブレード側主板凹部65aに押圧された状態が得られる。第2シュラウド押圧装置104の押圧ピン141によって、シュラウド80のシュラウド平坦面86aを主板60側に押圧する。これにより、主板側ブレード軸端部71の翼長方向の翼前縁寄りの部分が主板60の第2反ブレード側主板凹部65bに押圧された状態が得られる。また、ブレード70の主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、非溶着装置105の曲げピン151によって、主板60の外周縁部を主板側ブレード軸端部71の翼後縁部から離れる方向に曲げて、主板60を撓み変形させる。これにより、主板側ブレード軸端部71の翼後縁側の部分と主板60との間に隙間が確保された状態が得られる。尚、シュラウド押圧装置103、104によるシュラウド80の押圧、及び、非溶着装置105による主板60の撓み変形は、後述のステップST3、ST4、ST6の溶着工程において行うようにしてもよい。
次に、ステップST3において、超音波発振器115から主板側超音波ホーン111に超音波振動を供給し、主板側超音波ホーン111の主板側挿入部113によって、ブレード70及び主板60に対して超音波振動を付与する。ここでは、シュラウド平板部82の回転軸線O方向に対向する部分である第1反ブレード側主板凹部65aからブレード70及び主板60に対して、超音波振動を付与する。具体的には、主板側挿入部113を、主板60(ここでは、第1反ブレード側主板凹部65a)を貫通して主板側ブレード軸端部71の一部に達するまで挿入する。これにより、主板側ブレード軸端部71の翼長方向の翼後縁寄りの部分及び主板60の第1反ブレード側主板凹部65aには、主板60を貫通して主板側ブレード軸端部71の一部まで達する凹みである主板側溶着穴8dが形成されるように主板側ブレード軸端部71及び主板60が溶融する。そして、このような主板側溶着穴8dを有する第1主板側溶着部8aが形成される。ここで、主板側溶着穴8dは、複数個(ここでは、3個)の主板側挿入部113によって、主板側ブレード軸端部71の翼長方向に沿って複数個形成されている。
次に、ステップST4において、超音波発振器115からシュラウド側超音波ホーン112に超音波振動を供給し、シュラウド側超音波ホーン112のシュラウド側挿入部114によって、ブレード70及びシュラウド80に対して超音波振動を付与する。ここでは、シュラウド平板部82からブレード70及びシュラウド80に対して超音波振動を付与する。具体的には、シュラウド側挿入部114を、シュラウド80(ここでは、シュラウド平板部82)を貫通してシュラウド側ブレード軸端部72の一部まで達するまで挿入する。これにより、シュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向の中央付近の部分及びシュラウド80のシュラウド平板部82には、シュラウド80を貫通してシュラウド側ブレード軸端部72の一部まで達する凹みであるシュラウド側溶着穴8eが形成されるようにシュラウド側ブレード軸端部72及びシュラウド80が溶融する。そして、このようなシュラウド側溶着穴8eを有するシュラウド側溶着部8cが形成される。ここで、シュラウド側溶着穴8eは、複数個(ここでは、3個)のシュラウド側挿入部114によって、シュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向に沿って複数個形成されている。
また、ステップST5において、ステップST4の工程と並行して、主板側超音波ホーン111を、主板60の第1反ブレード側主板凹部65aに対応する位置(テーブル切り欠き122の位置)から主板60の第2反ブレード側主板凹部65bに対応する位置(テーブル貫通孔123の位置)まで移動させておく。尚、主板側超音波ホーン111を主板60側の2つの溶着箇所のそれぞれに対応して設ける場合には、この工程は不要となる。
次に、ステップST6において、超音波発振器115から主板側超音波ホーン111に超音波振動を供給し、主板側超音波ホーン111の主板側挿入部113によって、ブレード70及び主板60に対して超音波振動を付与する。ここでは、シュラウド平坦面86aの回転軸線O方向に対向する部分である第2反ブレード側主板凹部65bからブレード70及び主板60に対して、超音波振動を付与する。具体的には、主板側挿入部113を、主板60(ここでは、第2反ブレード側主板凹部65b)を貫通して主板側ブレード軸端部71の一部に達するまで挿入する。これにより、主板側ブレード軸端部71の翼長方向の翼後縁寄りの部分及び主板60の第2反ブレード側主板凹部65bには、主板60を貫通して主板側ブレード軸端部71の一部まで達する凹みである主板側溶着穴8dが形成されるように主板側ブレード軸端部71及び主板60が溶融する。そして、このような主板側溶着穴8dを有する第2主板側溶着部8bが形成される。ここで、主板側溶着穴8dは、複数個(ここでは、3個)の主板側挿入部113によって、主板側ブレード軸端部71の翼長方向に沿って複数個形成されている。
次に、ステップST7において、シュラウド押圧装置103、104によるシュラウド80の押圧、及び、非溶着装置105による主板60の撓み変形を解除する。尚、ここでは、シュラウド押圧装置103、104によるシュラウド80の押圧、及び、非溶着装置105による主板60の撓み変形をステップST2においてまとめて行うようにしているため、この工程が必要である。しかし、シュラウド押圧装置103、104によるシュラウド80の押圧、及び、非溶着装置105による主板60の撓み変形をステップST3、ST4、ST6の溶着工程において行う場合には、溶着工程を行う毎に解除されるため、この工程は不要である。
次に、ステップST8において、すべてのブレード70と主板60及びシュラウド80との相互間の溶着が完了したかどうかを判定する。そして、すべてのブレード70と主板60及びシュラウド80との相互間の溶着が完了している場合には、羽根車8の製造工程を終了する。これにより、羽根車8が完成する。
一方、すべてのブレード70と主板60及びシュラウド80との相互間の溶着が完了していない場合には、ステップST9において、羽根車支持装置102の回転テーブル121を回転させて、周方向に隣り合うブレード70に対応する位置まで移動させる。そして、すべてのブレード70と主板60及びシュラウド80との相互間の溶着が完了するまで、ステップST2〜ST9の工程を繰り返す。
(4)遠心ファンの羽根車、その製造方法及び製造装置の特徴
遠心ファン4の羽根車8、その製造方法及び製造装置100には、以下のような特徴がある。
<A>
回転軸線O周りに環状に配置される複数のブレード70と、ブレード70の回転軸線O方向側の両端部である2つのブレード軸端部71、72に対向して配置される主板60及びシュラウド80と、の相互間を溶着させてなる、遠心ファン4の羽根車8を安価に製造できるようにするためには、溶着に必要なエッジや貫通孔、突起を予め形成しておくための金型や成形加工を減らし、溶着部の面積を小さくし、超音波ホーンや超音波発振器を小型化する必要がある。
そこで、ここでは、上記のように、主板60を貫通して主板側ブレード軸端部71の一部まで達する凹みである主板側溶着穴8d、8eを有する主板側溶着部8a、8bが形成されるようにし、シュラウド80を貫通してシュラウド側ブレード軸端部72まで達する凹みであるシュラウド側溶着穴8eを有するシュラウド側溶着部8cが形成されるようにしている。このような溶着穴8d、8eを有する溶着部8a、8b、8cは、主板60やシュラウド80を貫通してブレード軸端部71、72の一部に達するまで挿入される挿入部113、114を有する超音波ホーン111、112を用いて超音波溶着することによって得ることが可能である。すなわち、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、主板側挿入部113を有する主板側超音波ホーン111を用いて、ブレード70及び主板60に対して超音波振動を付与して、主板60を貫通して主板側ブレード軸端部71の一部まで達する凹みである主板側溶着穴8dが形成されるように主板側ブレード軸端部71及び主板60を溶融させて、主板側溶着穴8dを有する主板側溶着部8a、8bを形成する。また、シュラウド側ブレード軸端部72とシュラウド80との相互間を溶着させるにあたり、シュラウド側挿入部114を有するシュラウド側超音波ホーン112を用いて、ブレード70及びシュラウド80に対して超音波振動を付与して、シュラウド80を貫通してシュラウド側ブレード軸端部72の一部まで達する凹みであるシュラウド側溶着穴8eが形成されるようにシュラウド側ブレード軸端部72及びシュラウド80を溶融させて、シュラウド側溶着穴8eを有するシュラウド側溶着部8cを形成する。そして、このような溶着穴8d、8eを有する溶着部8a、8b、8cであれば、従来の超音波溶着で必要なエッジや貫通孔、突起を予め形成しておくための金型や成形加工を減らすことができ、溶着部の面積を小さくすることができる。また、溶着部の面積が小さくなれば、超音波ホーンを小型化することができ、超音波発振器の出力も小さくすることができる。
このように、ここでは、回転軸線周りに環状に配置される複数のブレード70と、ブレード70の回転軸線O方向側の両端部である2つのブレード軸端部71、72に対向して配置される主板60及びシュラウド80と、の相互間を溶着させてなる、遠心ファン4の羽根車8、を安価に製造することができる。
<B>
ここでは、上記のように、主板側超音波ホーン111が、主板側挿入部113を主板側ブレード軸端部71の翼長方向に沿って複数個有し、シュラウド側超音波ホーン112が、シュラウド側挿入部114をシュラウド側ブレード軸端部112の翼長方向に沿って複数個有するものとしている。このため、主板側溶着穴8dが、主板側ブレード軸端部71の翼長方向に沿って複数個形成され、シュラウド側溶着穴8eが、シュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向に沿って複数個形成される。
これにより、ここでは、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間、及び、シュラウド側ブレード軸端部72とシュラウド80との相互間の溶着を強固なものとすることができる。
<C>
ここでは、主板側溶着穴8dが、主板60の反ブレード側主板面64に開口しているところ、その開口の周囲には、溶着時の主板60やブレード70の溶融によって肉盛り部分が形成される。このような肉盛り部分は、主板60の反ブレード側主板面64よりも回転軸線O方向に突出することになるため、遠心ファン4の運転時の通風抵抗になり、騒音の原因になるおそれがある。
そこで、ここでは、上記のように、反ブレード側主板面64に主板側ブレード軸端部71に対応して凸状の反ブレード側主板凸部65を形成するとともに、反ブレード側主板凸部65に凹状の反ブレード側主板凹部65a、65bを形成しておき、反ブレード側主板凹部65a、65bに、超音波溶着を付与することで主板側溶着部8a、8bを形成するようにしている。このため、ここでは、主板側溶着部8a、8bの主板側溶着穴8dの周囲に形成される肉盛り部分が、反ブレード側主板凹部65a、65bに配置されることになり、主板60の反ブレード側主板凹部65a、65bよりも回転軸線O方向に突出することになるが、反ブレード側主板凹部65a、65bの周囲の反ブレード側主板凸部65以下の突出に抑えることができる。
これにより、ここでは、主板側溶着穴8dの開口の周囲に形成される肉盛り部分が遠心ファン4の運転時の通風抵抗になるのを抑えることができる。
<D>
ここでは、シュラウド80が、ブレード70側から回転軸線O方向に遠ざかるにつれて径が小さくなるように湾曲したベル形状の部材であるところ、このようなベル形状をなすシュラウド曲板部81とシュラウド側ブレード軸端部72との相互間を溶着することは容易ではない。
そこで、ここでは、上記のように、シュラウド80にシュラウド側ブレード軸端部72に対応して平板状のシュラウド平板部82を形成しておき、シュラウド平板部82からブレード70及びシュラウド80に対して超音波振動を付与してシュラウド側ブレード軸端部72とシュラウド平板部82との相互間を溶着することによって、シュラウド側溶着部8cが得られるようにしている。
これにより、ここでは、シュラウド側ブレード軸端部72とシュラウド80との相互間の溶着を強固なものとすることができる。
<E>
ここでは、上記のように、シュラウド平板部82が、シュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向の中央付近に対応するように配置されており、シュラウド平板部82及びシュラウド側ブレード軸端部72の翼長方向の中央付近に対して超音波振動を付与してシュラウド側ブレード軸端部72とシュラウド80との相互間の溶着を行うようにしている。
これにより、ここでは、シュラウド側ブレード軸端部72とシュラウド80との相互間の溶着をブレード70の翼前縁寄りの部分や翼後縁寄りの部分で行う場合に比べて、強固な溶着が可能になるため、シュラウド平板部82の面積、ひいては、溶着によって形成されるシュラウド側溶着部8cの面積を小さくすることができる。
<F>
ここでは、上記のように、主板60には、主板側ブレード軸端部71の翼後縁側の部分に沿うように堰部66が形成されている。
これにより、ここでは、主板側ブレード軸端部71と主板60との溶着時に主板60やブレード70が溶融するが、このとき、このような溶融物が主板側ブレード軸端部71の翼後縁側の部分と主板60との間から流出することを堰部66によって抑えることができる。
<G>
ここでは、上記のように、主板側超音波ホーン111及びシュラウド側超音波ホーン112が、複数のブレード70のいずれか1つと主板60及びシュラウド80との相互間の溶着を行うように設けられている。そして、主板側超音波ホーン111及びシュラウド側超音波ホーン112に対して、複数のブレード70のいずれか1つを位置合わせすることが可能になるように、主板60、複数のブレード70及びシュラウド80を回転軸線O周りに回転自在に支持する羽根車支持装置102が設けられている。そして、これらの構成によって、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間、及び、シュラウド側ブレード軸端部72とシュラウド80との相互間の溶着を、複数のブレード70の1つずつに対して順次行うようにしている。
これにより、ここでは、主板60やシュラウド80全体を覆うサイズの大型の超音波ホーンを用いて複数のブレード70をまとめて溶着する場合に比べて、超音波ホーンをさらに小型化することができ、超音波発振器の出力もさらに小さくすることができる。
<H>
主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、主板側からブレード70及び主板60に対して超音波振動を付与する際には、主板側超音波ホーン111によって主板60がシュラウド側に向かって押圧されることになる。
そこで、ここでは、上記のように、主板側超音波ホーン111によって主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、シュラウド80を主板側に押圧するシュラウド押圧装置103、104を設けるようにしている。
これにより、ここでは、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、シュラウド80を主板60側に向かって押圧することができ、主板側超音波ホーン111による主板60側からの押圧力を受けることができる。
<I>
ここでは、上記のように、シュラウド押圧装置103、104が、シュラウド80のうち主板側挿入部113が主板60及び主板側ブレード軸端部71に挿入される部分の回転軸線O方向に対向する部分を主板60側に押圧するようにしている。
これにより、ここでは、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、シュラウド80のうち主板60側への最も押圧が必要な部分を押圧することができる。
但し、シュラウド80は、ブレード70側から回転軸線O方向に遠ざかるにつれて径が小さくなるように湾曲したベル形状の部材であるため、シュラウド80を主板60側に向かって適切に押圧することは容易ではない。
そこで、ここでは、上記のように、シュラウド80の反ブレード側シュラウド面85に、主板側溶着部8bの回転軸線O方向に対向して平坦面からなるシュラウド平坦面86aを形成している。このため、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、シュラウド80のうちシュラウド平坦面86aというシュラウド曲板部81よりも主板60側への押圧に有利な部分を主板60側に押圧しながら、主板60のうちシュラウド平坦面86aの回転軸線O方向に対向する部分からブレード70及び主板60に対して超音波振動を付与することができる。特に、ここでは、シュラウド平坦面86aが第2主板側溶着部8bの回転軸線O方向に対向しているため、シュラウド80のうち主板60側への最も押圧が必要な部分を適切に押圧することができる。
また、ここでは、上記のように、シュラウド側ブレード軸端部72とシュラウド80との相互間を溶着させるために形成されたシュラウド平板部82を、第1主板側溶着部8aの回転軸線O方向に対向して配置するようにしている。このため、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、シュラウド80のうちシュラウド平板部82というシュラウド曲板部81よりも主板60側への押圧に有利な部分を主板60側に押圧しながら、主板60のうちシュラウド平板部82の回転軸線O方向に対向する部分からブレード70及び主板60に対して超音波振動を付与することができる。特に、ここでは、シュラウド平板部82が第1主板側溶着部8aの回転軸線O方向に対向しているため、シュラウド80のうち主板60側への最も押圧が必要な部分を適切に押圧することができる。
これにより、ここでは、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、シュラウド80を主板60側に向かって適切に押圧することができる。
<J>
上記のように、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間が溶着されることで主板側溶着部8a、8bが形成されるが、このとき、このような主板側溶着部8a、8bよりも翼後縁側の部分も、弱く溶着されるおそれがある。そして、第1主板側溶着部8aよりも翼後縁側の部分で弱く溶着されると、遠心ファン4の運転時にこのような弱く溶着された部分が外れてしまい、異音を発生させるおそれがある。
そこで、ここでは、上記のように、非溶着部8fによって、主板側ブレード軸端部71の翼後縁側の部分と主板60との間に隙間を確保した状態にして、主板60のうち隙間よりも翼前縁側の部分からブレード70及び主板60に対して超音波振動を付与するようにしている。
また、ここでは、上記のように、主板側ブレード軸端部71と主板60との相互間を溶着させるにあたり、非溶着装置105を用いて主板60を撓み変形させることによって、主板側ブレード軸端部71の翼後縁側の部分と主板60との間に隙間を確保した状態で、主板60のうち隙間よりも翼前縁側の部分からブレード70及び主板60に対して超音波振動を付与するようにしている。
これにより、主板側溶着部8a、8bよりも翼後縁側の部分が弱く溶着されるのを防ぎ、遠心ファン4の運転時における異音の発生を抑えることができる。
尚、ここでは、羽根車8側に非溶着部8fを設けるとともに、製造装置100側にも非溶着装置105を設けるようにしているが、いずれか一方だけであってもよい。
本発明は、回転軸線周りに環状に配置される複数のブレードと、ブレードの回転軸線方向側の両端部である2つのブレード軸端部に対向して配置される主板及びシュラウドと、の相互間を溶着させてなる、遠心ファンの羽根車の製造装置に対して、広く適用可能である。
4 遠心ファン
8 羽根車
60 主板
70 ブレード
71 主板側ブレード軸端部
72 シュラウド側ブレード軸端部
80 シュラウド
100 製造装置
102 羽根車支持装置
103 第1シュラウド押圧装置
104 第2シュラウド押圧装置
105 非溶着装置
111 主板側超音波ホーン
112 シュラウド側超音波ホーン
113 主板側挿入部
114 シュラウド側挿入部
特開2008−111393号公報 特開2015−86827号公報

Claims (6)

  1. 回転軸線周りに環状に配置される複数のブレード(70)と、前記ブレードの前記回転軸線方向側の両端部である2つのブレード軸端部(71、72)に対向して配置される主板(60)及びシュラウド(80)と、の相互間を溶着させてなる、遠心ファン(4)の羽根車(8)の製造装置において、
    前記2つのブレード軸端部の一方である主板側ブレード軸端部と前記主板との相互間を溶着させるために前記ブレード及び前記主板に対して超音波振動を付与する主板側超音波ホーン(111)と、
    前記2つのブレード軸端部の他方であるシュラウド側ブレード軸端部と前記シュラウドとの相互間を溶着させるために前記ブレード及び前記シュラウドに対して超音波振動を付与するシュラウド側超音波ホーン(112)と、
    を備えており、
    前記主板側超音波ホーンは、前記主板を貫通して前記主板側ブレード軸端部の一部に達するまで挿入される主板側挿入部(113)を有しており、
    前記シュラウド側超音波ホーンは、前記シュラウドを貫通して前記シュラウド側ブレード軸端部の一部に達するまで挿入されるシュラウド側挿入部(114)を有している、
    遠心ファンの羽根車の製造装置(100)。
  2. 前記主板側超音波ホーンは、前記主板側挿入部を前記主板側ブレード軸端部の翼長方向に沿って複数個有しており、
    前記シュラウド側超音波ホーンは、前記シュラウド側挿入部を前記シュラウド側ブレード軸端部の翼長方向に沿って複数個有している、
    請求項1に記載の遠心ファンの羽根車の製造装置。
  3. 前記主板側超音波ホーン及び前記シュラウド側超音波ホーンは、前記複数のブレードのいずれか1つと前記主板及び前記シュラウドとの相互間の溶着を行うように設けられており、
    前記主板側超音波ホーン及び前記シュラウド側超音波ホーンに対して、前記複数のブレードのいずれか1つを位置合わせすることが可能になるように、前記主板、前記複数のブレード及び前記シュラウドを前記回転軸線周りに回転自在に支持する羽根車支持装置(102)をさらに備えている、
    請求項1又は2に記載の遠心ファンの羽根車の製造装置。
  4. 前記主板側超音波ホーンによって前記主板側ブレード軸端部と前記主板との相互間を溶着させるにあたり、前記シュラウドを前記主板側に押圧するシュラウド押圧装置(103、104)をさらに備えている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の遠心ファンの羽根車の製造装置。
  5. 前記シュラウド押圧装置は、前記シュラウドのうち前記主板側挿入部が前記主板及び前記主板側ブレード軸端部に挿入される部分の前記回転軸線方向に対向する部分を前記主板側に押圧する、
    請求項4に記載の遠心ファンの羽根車の製造装置。
  6. 前記主板側超音波ホーンによって前記主板側ブレード軸端部と前記主板との相互間を溶着させるにあたり、前記主板側ブレード軸端部の翼後縁側の部分と前記主板のうち前記主板側挿入部が前記主板及び前記主板側ブレード軸端部に挿入される部分よりも前記ブレードの翼後縁側の部分との間に隙間が確保されるように、前記主板を撓み変形させる非溶着装置(105)をさらに備えている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の遠心ファンの羽根車の製造装置。
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