以下、本発明の実施形態について図1〜13を用いて説明する。図1は、本発明が適用されたナビゲーション装置1の概略的な構成の一例を示すブロック図である。以下で述べるナビゲーション装置1は車両に搭載されているものとし、ナビゲーション装置1が搭載されている車両を自車両と呼ぶ。
なお、本実施形態ではナビゲーション装置1は、車両に搭載されているものとするが、もちろん車両に持ち込み可能な携帯端末であってもよい。ナビゲーション装置1として携帯端末を用いる構成とする場合には、ナビゲーション装置1は、Bluetooth(登録商標)等の公知の無線通信やUSB接続等での有線通信により、自車両のシステムと情報をやり取りする構成とすればよい。また、ナビゲーション装置1は自車両のシステムと通信を実施しない携帯端末であっても良い。
ここで、ナビゲーション装置1の概略的な構成について説明を行う。図1に示すようにナビゲーション装置1は、位置検出器11、地図データベース(DB)16、メモリ17、表示装置18、音声出力装置19、操作スイッチ群20、リモートコントロール端末(以下リモコン)21、リモコンセンサ22、外部入力インターフェース(I/F)23、及び制御装置24を備えている。制御装置24と、位置検出器11、地図DB16、メモリ17、表示装置18、音声出力装置19、操作スイッチ群20、リモコンセンサ22、外部入力インターフェース(I/F)23とは、それぞれCAN(Controller Area Network)などの通信プロトコルに準拠した車内LAN24で接続されている。
位置検出器11は、いずれも周知の地磁気センサ12、ジャイロスコープ13、走行距離を算出するための車速(距離)センサ14、及び衛星からの電波に基づいて自装置の位置を検出するGNSS(Global Navigation Satellite System)のためのGNSS受信機15を有しており、自車両の現在位置(以下、車両位置)を逐次検出する。車両位置は、例えば緯度・経度で表される座標であるものとする。
これらは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、各センサの精度によっては位置検出器11を上述した内の一部で構成しても良い。
地図DB16は、道路の接続構造を示す道路データ、地図画像を表示する際に地形や施設に関する背景を表示するための背景データ、および地名等を表示するための文字データなどを備えた地図データを格納している。
道路データは、複数の道路が交差、合流、分岐する地点に関するノードデータと、その地点間を結ぶ道路に関するリンクデータを有する。ノードデータは、ノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標(緯度・経度)、ノード名称、ノードに接続する全てのリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、及び交差点種類などの各データから構成される。
リンクデータは、道路毎に固有の番号を付したリンクID、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端ノード座標、高速道路や一般道路などの道路種別、道路幅員、リンク方位、道路名称、車線数、および制限速度等の各データから構成される。なお、後述のメモリ17には、このリンクデータに対応づけて、各リンクを走行した回数を記録したデータである走行道路履歴データが格納される。
背景データは、地図上の各施設や地形等と、それに対応する地図上の座標を関連付けたデータとして構成している。なお、施設に関しては、その施設に関連付けて電話番号や、住所等のデータも記憶されている。また、文字データは、地名、施設名、道路名等を地図上に表示するものであって、その表示すべき位置に対応する座標データと関連付けて記憶されている。
従って、この道路データに背景データ及び文字データを組み合わせることにより、道路を含む地図画像を描画することができる。また、道路データは、地図を表示する以外に、マップマッチング処理を行う際の道路の形状を与えるために用いられたり、目的地までの案内経路を検索する際に用いられたりする。なお、以上で述べた地図データは、地図収録領域を包含する矩形領域を細分化した矩形のメッシュ毎に区切られて管理されており、このメッシュ毎の地図データをメッシュデータとする。
地図DB16のデータは、図示しない通信I/Fを通じてインターネット等のネットワークから制御装置24がダウンロードする構成としてもよいし、予め格納している構成としてもよい。地図DB16としては、例えばCD−ROM、DVD−ROM、メモリカード、HDD等の記憶媒体を用いる構成としてもよい。
メモリ17は、書き込み可能なHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置である。メモリ17には大量のデータや電源をオフしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図DB16からコピーして利用したりする等の用途がある。本実施形態においてはこのメモリ17に、後述の目的地履歴データ、走行道路履歴データ、訪問履歴データなどが格納される。したがって、このメモリ17が請求項に記載の走行履歴記憶手段に相当する。また、自宅位置や勤務先などのユーザが頻繁に訪問する地点は、このメモリ17に予め記録されている構成とする。なお、メモリ17は、HDDの他、SSD(Solid State Drive)などの公知の記憶媒体であってもよく、比較的記憶容量の小さいリムーバブルなメモリであってもよい。
表示装置18は、例えばフルカラー表示が可能なものであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて構成することができる。また、音声出力装置19は、スピーカ等から構成され、制御装置24の指示に基づいて案内音声等を出力する。
操作スイッチ群20は、例えば表示装置18と一体になったタッチスイッチ若しくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、ユーザはこれらのスイッチを操作することにより制御装置24へ各種機能の実行指示を行う。リモコン21には複数の操作スイッチ(図示せず)が設けられ、スイッチ操作によりリモコンセンサ22を介して各種指令信号を制御装置24に入力することにより、操作スイッチ群20と同じ機能を制御装置24に対して実行させることが可能である。
ユーザは、この操作スイッチ群20を操作することによって、目的地として指定する地点(これを指定地点Rとする)をナビゲーション装置1に入力することができる。言い換えれば、操作スイッチ群20は、ユーザから入力された指定地点Rを表す信号を制御装置24に出力する。したがって、この操作スイッチ群20が請求項に記載の目的地指定手段に相当する。
外部入力I/F23は、自車両に搭載されたECUやセンサから、車両状態の情報を制御装置24が取得するためのインターフェースである。例えば、外部入力I/F23には、CANなどの通信プロトコルに準拠した車内LAN等を介して自車両に搭載されたECUやセンサから車両状態の情報が入力されてくるものとする。
車両状態の情報の一例としては、シフトポジションセンサの信号、パーキングブレーキスイッチのオンオフの信号、ドアカーテシスイッチのオンオフの信号、イグニッション電源のオンオフの信号、助手席や後部座席の着座センサの信号等がある。
制御装置24は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROMやRAMやEEPROMなどのメモリ、I/O、及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)などが備えられている。制御装置24は、位置検出器11、地図DB16、メモリ17、操作スイッチ群20、リモコンセンサ22、外部入力I/F23から入力された各種情報に基づき、種々の処理を実施する。制御装置24は、種々の処理の実行するための機能ブロックとして、主としてナビゲーション部24N、表示処理部24D、履歴記憶部24M、道路認知度評価部24L、およびエリア認知度評価部24Aを備える。
まず、ナビゲーション部24Nは、施設検索処理や、経路計算処理、経路案内処理などを実施する。施設検索処理では、操作スイッチ群20やリモコン21より取得した地点名称を検索語として、地図DB16が記憶する施設の中から検索語に一致(完全な一致にかぎらず、部分一致なども含む)する施設を取得する。なお、施設検索処理の他の形態として、施設のジャンルを選択することで指定地点を絞り込み、ユーザの選択したジャンルに属する施設を取得する処理も実施する。経路計算処理では、例えば現在の車両位置などの出発地から目的地までの、距離優先、時間優先等の予め設定された条件を満たす推奨経路を公知の探索法を用いて計算する。
経路案内処理では、案内経路の走行を案内する。案内経路は、経路計算処理によって計算した推奨経路であって、ユーザの経路確定操作により確定された経路である。例えば経路案内処理では、案内経路及び自車両の車両位置を示した電子地図を表示装置18に逐次表示させるとともに、目的地までの案内音声を音声出力装置19から逐次出力させることで、案内経路の走行を案内する。
表示処理部24Dは、表示装置18に表示させる地図画像など種々のデータを生成する処理を実施する。地図画像の描画時には、地図画像の表示縮尺や表示方向などに基づいて地図画像の描画に必要なデータを地図DB16から読み出す。ここでの表示方向とは、地図画像中の北となる方向が、画面においてどちらの方向を向いているかを意味し、表示方向の設定としては、ノースアップ(N/U)モードとヘディングアップ(H/U)モードの2種類の表示モードに設定できるものとする。表示モードがN/Uモードとなっている場合には、北が画面の上方向となるように地図画像を表示する。また、H/Uモードなっている場合には、自車両の進行方向が画面の上方向となるように地図画像を表示する。
また、表示処理部24Dは、指定地点Rが目的地として正しいか否かをユーザが確認するための画面である確認画面を表示装置18に表示させる。確認画面は、指定地点Rが目的地として正しいか否かをユーザ判定するための情報(これを判定用情報とする)を含む。この判定用情報についての詳細は後述するが、たとえばユーザにとって馴染みのある道路や施設、または有名な観光施設などがある。
また、確認画面には、静止した地図画像だけでなく、地図画像をスクロール表示したり、ズームイン(表示縮尺を大きくしながら表示する処理)・ズームアウト(表示縮尺を小さくしながら表示する処理)したりするなどの視覚効果も含む。指定地点Rに対するユーザの認知の度合い(認知度)に応じた種々の確認画面を表示させる処理については、後でフローチャートを用いて説明する。
履歴記憶部24Mは、それまでに走行した道路や目的地などの種々の履歴データをメモリ17に記憶させる。より具体的には、自車両の走行した道路をリンク単位で取得し、走行道路履歴データを生成および更新する。走行道路履歴データは、リンク毎に当該リンクを走行した回数(走行回数)を記録したものであり、リンクを走行するたびに加算される。走行したリンクの特定方法は、公知の方法と同様であるものとすればよく、例えば位置検出器11が検出した位置から走行中のリンクを特定すればよい。
また、履歴記憶部24Mは、自車両が駐車したことをシフトポジションセンサ、イグニッションオフ信号などから検出することで、その駐車した地点を訪問地点として訪問履歴データに記録する。さらに、目的地として設定された地点の履歴を目的地履歴データに記録する。走行履歴道路データ、訪問履歴データ、および目的地履歴データのそれぞれが請求項に記載の走行履歴データに相当する。
道路認知度評価部24Lは、走行道路履歴データに基づいて、リンクごとのユーザの認知度を評価し、マイロード、サブロード、アウトロードの3段階に格付けする。より具体的には、走行道路履歴データにおいて、N回(第1所定回数,たとえばN=6)以上走行したことがあるリンクを、ユーザにとって認知度の高い道であることを表すマイロードに登録する。また、N回未満、かつ、M回(第2所定回数,たとえばM=3)以上走行したことがあるリンクを、ユーザにとってやや認知度の高い道であることを表すサブロードに登録する。アウトロードは、走行回数がM回未満の道路である。整数N、Mは、N>M>0を満たす範囲であって、Nが、ユーザにとってその道路をよく知っている道路と認識するようになる走行回数の範囲において適宜設計されればよく、N=10、M=4などであってもよい。よく知っている道路と認識するまでの走行回数には個人差があるが、一般的な数値としても良いし、ユーザにより設定できるようにしてもよい。
また、本実施形態では、リンクの認知度をマイロード、サブロード、アウトロードの3段階で評価するが、その他、4段階などの複数段階で格付けしてもよい。その場合、適宜その閾値となる整数を設定するものとする。なお、リンクがマイロードであるか、サブロードであるか、アウトロードであるかは、走行道路履歴データに、各リンクのリンクデータと対応付けて格納しておくものとする。アウトロードに関しては、マイロードでもサブロードでも無いという余事象として認識できるため、リンクの認知度としては、マイロードおよびサブロードとなっているリンクについてのみ記憶しておけばよい。この道路認知度評価部24Lが請求項に記載の高認知道路設定手段、および低認知道路設定手段に相当する。また、マイロードが請求項に記載の高認知道路に相当し、サブロードが請求項に記載の低認知道路に相当する。
エリア認知度評価部24Aは、走行道路履歴データに基づいて、エリア毎のユーザの認知度合いを評価する。ここで言うところのエリアとは、例えば市町村単位の行政区画で区切られた領域であってもよいし、例えば1km四方といった単位で区切られた領域であってもよい。本実施形態においては、地図データを管理する所定レベルのメッシュデータで区切られる範囲を1つのエリアとする。
より具体的には、エリア認知度評価部24Aは、前述のメッシュデータで区切られるエリアごとのユーザの認知度を評価し、マイエリア、サブエリア、アウトエリアの3段階に格付けする。マイエリアは、ユーザにとって相対的に馴染みのある、すなわち認知度の高いエリアであって、たとえばエリアが備えるリンクの内、マイロードとなっているリンクがX%以上(例えばX=30)含まれるエリアをマイエリアとする。サブエリアは、マイエリアほど馴染みは無いが見知らぬ土地ではないことを表す。サブエリアは、マイロードだけの割合はX%に達しないが、マイロードとサブロードとなっているリンクを合わせた割合がY%(例えばY=30)以上となるエリアとする。アウトエリアは、マイエリアでもサブエリアでもないエリアを指すものとする。割合の分母は、距離であってもよいし、リンクの数であってもよい。また、リンクの道路種別によって、マイロードかサブロードかの重みを変更して、エリアの認知度を評価しても良い。この場合、マイロードやサブロードとなっているリンクの道路種別が主要な道路となっているほど重みを大きくすればよい。なお、本実施形態では、エリアの認知度を3段階で評価するが、その他、4段階などの複数段階で格付けしてもよい。また、走行道路履歴データだけではなく、目的地履歴データや訪問履歴データを利用してエリアの認知度を算出してもよい。この場合、目的地として設定した地点が含まれるエリアや、訪問したことがある地点をより多く含むエリアの認知度を、より高く設定すれば良い。このエリア認知度評価部24Aが請求項に記載のエリア認知度格付手段に相当する。
ここで、図2及び図3に示すフローチャートを用いて、制御装置24が実施する目的地設定処理についての説明を行う。図2及び図3のフローチャートは、ユーザより目的地を設定するための操作を受け付けたときに開始される構成とすればよい。この目的地設定処理を実施する制御装置24が請求項に記載の目的地設定手段に相当する。なお、本実施形態では現在地を、目的地に向かう出発地として説明するが、その他、ユーザによって指定される地点を出発地としてもよい。
ステップS1では、ユーザが指定した指定地点Rを取得する。指定地点Rは、たとえば次の手順によって取得する。まず、ユーザが操作スイッチ群20を介して入力した地点名称をキーワードとした検索を実施し、その検索結果として得られた複数の地点からなるリストを表示する。そのリストの中からユーザによって選択された地点を指定地点Rとする。なお、他の態様として、ユーザが操作スイッチ群20を介して入力した地点名称をそのまま指定地点Rとしてもよい。
ステップS1で指定地点Rを取得するとステップS300に移る。ステップS300では、認知度算出処理を実施して、ステップS5に移る。このステップS300における認知度算出処理について、別途図4に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、このステップS300の認知度算出処理を実施する制御装置24が請求項に記載の指定地点認知度格付手段に相当する。
図4のフローチャートは、図2においてステップS300に移った時に開始される。まず、ステップS301では、目的地履歴データを参照し、指定地点Rが目的地として設定された回数(これを設定回数とする)が、所定回数L(たとえばL=10)回以上となっているか否かを判定する。設定回数がL回以上となっている場合にはステップS301がYESとなってステップS303に移る。ステップS303では、指定地点Rの認知度をAランクであると決定し、認知度算出処理を終了する。また、設定回数がL回未満となっている場合にはステップS301がNOとなってステップS305に移る。
ステップS305では、設定回数が0回であるか否かを判定する。設定回数が0回である場合にはステップS305がYESとなってステップS309に移る。また設定回数が1回以上(かつ、L回未満)である場合には、ステップS305がNOとなってステップS307に移る。ステップS307では、指定地点Rの認知度をBランクであると決定し、認知度算出処理を終了する。
ステップS309では、走行道路履歴データを参照し、指定地点Rの周辺にマイロードが存在するか否かを判定する。ここで言う周辺とは、指定地点Rから所定距離Dth2以内となる範囲を指す。所定距離Dth2は、指定地点Rから比較的近くに存在すると判定できる値に設定されればよい。本実施形態では所定距離Dth2を一定値(たとえば300m)とするが、その他、所定の規則に基づいて適応的に定まる値であってもよい。たとえば、所定距離Dth2は、現在地から指定地点Rまでの距離D1に比例して定まる値であってもよい。この場合、例えば所定距離Dth2は、距離D1のZ%(すなわち、Dth2=0.01×Z×D1;たとえばZ=10)となるように設定する。なお、現在地点から指定地点Rまでの距離D1は、直線距離であってもよいし、曲線道路や右左折を考慮した経路として走行する予定の距離であってもよい。ただし、後者の場合は、直線距離を用いる場合よりも複雑な計算を必要とするため、ここではD1として直線距離を用いることとする。
指定地点Rから所定距離Dth2以内にマイロードが存在する場合にはステップS309がYESとなってステップS311に移る。ステップS311では、指定地点Rの認知度をCランクであると決定し、認知度算出処理を終了する。また、指定地点Rから所定距離Dth2以内にマイロードが存在しない場合にはステップS309がNOとなってステップS313に移る。
ステップS313では、前ステップS309と同様に走行道路履歴データを参照し、指定地点Rの周辺にサブロードが存在するか否かを判定する。指定地点Rから所定距離Dth2以内にサブロードが存在する場合にはステップS313がYESとなってステップS315に移る。ステップS315では、指定地点Rの認知度をDランクであると決定し、認知度算出処理を終了する。また、指定地点Rから所定距離Dth2以内にサブロードが存在しない場合にはステップS313がNOとなってステップS317に移る。ステップS317では、指定地点Rの認知度をEランクであると決定し、認知度算出処理を終了する。
以上で述べた認知度算出処理によって、指定地点に対するユーザの認知度を算出する。なお、以上で決定した認知度は、Aが最も認知度が高く、A,B,C,D,Eの順に認知度が低いことを表している。
ここで、再び図2に戻り、目的地設定処理の説明を続ける。図2のステップS300では上述した認知度算出処理を実施し、ステップS5に移る。ステップS5では、指定地点Rの認知度がAランクであるか否かを判定する。指定地点Rの認知度がAランクである場合には、ステップS5がYESとなってステップS13に移る。ステップS13では指定地点Rを目的地として設定し、目的地設定処理を終了する。
この場合、指定地点Rが目的地として正しいか否かをユーザが確認するための画面を表示する処理を省略し、指定地点Rを目的地として設定することとなる。指定地点RがAランクであるということは、指定地点RをL回以上目的地として設定したことのある地点であることを意味する。これまでに何度も(少なくともL回は)目的地として設定した地点については、ユーザは確認画面を見なくとも正しい地点を入力している可能性が高い。
指定地点Rが目的地として正しいかをユーザが確認するための画面を省略して目的地と設定することで、ユーザは、より簡単な手続きで、より早く出発できるようになる。また、行き慣れた地点の確認画面を毎回見せられることの煩わしさをユーザに与えてしまう恐れを低減することができる。
また、ステップS5において指定地点Rの認知度がAランクではない場合には、ステップS5がNOとなってステップS7に移る。ステップS7では、指定地点Rの認知度がBランクであるか否かを判定する。指定地点Rの認知度がBランクである場合には、ステップS7がYESとなってステップS9に移る。また、指定地点Rの認知度がBランクでない場合には、ステップS7がNOとなってステップS19に移る。
ステップS9では、確認画面の1つである指定地点地図を表示する。この指定地点地図の一例を、図9を用いて説明する。図9は、指定地点Rを画面の中心に配置した地図画像であって、道路33や指定地点Rの位置を表すマーク31を表示する。また、指定地点地図は、方位角35、決定スイッチ34、エリア情報32などを表示する。方位角35は、現在の表示方向を表すためのものであって、画面内に表示されている地図の北の方角を表している。本実施形態において指定地点地図は、現在のナビゲーション装置1の表示方向と同じ表示方向で表示されるものとする。もちろん、その他、現在の表示方向にかかわらず、常にN/Uとなるように表示する構成としてもよい。
決定スイッチ34は、現在表示している指定地点Rが目的地として正しいことをユーザが入力するためのソフトウェアスイッチである。制御装置24は、例えば、決定スイッチ34がタッチされたことを検出した場合に指定地点Rを目的地として決定する。
指定地点地図の表示縮尺は、現在のナビゲーション装置1に設定されている表示縮尺を用いるものとするが、その他、予め設定されている表示縮尺で表示する構成としても良い。表示処理部24Dは、指定地点Rの座標、表示縮尺、および表示方向によって指定地点地図を描画するための地図データの範囲を決定する。そして、地図DB16から必要なデータを読み出して指定地点地図を描画して、表示装置18に表示させる。また、表示処理部24Dは、指定地点地図で表示されている地図領域にうち、認知度の高いエリアがある場合に、そのエリアの名称を、エリア情報32として表示する。
指定地点地図を表示している状態において、指定地点Rが目的地として決定する旨の操作がユーザによって為されたことを検出した場合には、ステップS11がYESとなってステップS13に移る。指定地点Rが目的地として決定する旨の操作として前述の決定スイッチ34がタッチされたことを検出するほか、操作スイッチ群20が備えるメカニカルスイッチや、リモコン21を介して、目的地として決定する操作を受け付けても良い。ステップS13については前述のとおりである。
また、指定地点Rが目的地として誤っている旨の操作(キャンセル操作)がユーザによって為された場合には、制御装置24は、指定地点Rがユーザの意図していた地点ではないと判定し、ステップS11がNOとなってステップS17に移る。ステップS17のエラー処理では、指定地点Rを破棄し、目的地設定処理を中断する。エラー処理については、適宜設計されればよく、本発明の範囲から外れるため省略する。
ステップS19では、現在地から指定地点Rまでの距離D1が、所定の閾値Dth1(たとえば15km)未満となっているか否かを判定する。もちろん、この閾値Dth1は適宜設計されたり、ユーザの好みに応じて設定を変更されたりできるものであってよい。距離D1が所定閾値Dth1未満となっている場合には、ステップS19がYESとなってステップS21に移る。また、距離D1が所定閾値Dth1以上となっている場合には、ステップS19がNOとなって図3のステップS23に移る。
ステップS21では、確認画面の1つである相対位置地図を表示する。この相対位置地図の一例を、図10を用いて説明する。図10に示す相対位置地図は、自車両の現在地と、指定地点Rの両方が含まれる表示縮尺および表示領域で表示される。自車両の現在地は、二等辺三角形のマーク36で表し、指定地点Rは、図9と同様のマーク31で表している。なお、自車両の位置を表す二等辺三角形の頂点の方向は、自車両の進行方向を表す。また、相対位置地図は、自車両の現在地および指定地点Rの他、指定地点地図と同様に、方位角35、道路33、エリア情報32、決定スイッチ34などを表示する。
表示処理部24Dは、この相対位置地図を次の手順によって描画する。まず、自車両の現在地および指定地点Rの座標から、これらを表示するための表示縮尺を決定する。そして、自車両の現在地、指定地点Rの座標、および表示縮尺から、表示領域を決定する。そして、必要な地図データを地図DB16から読み出し、相対位置地図を描画して表示する。なお、相対位置地図は、現在の表示方向で表示する。また、相対位置地図を表示している状態において、拡大表示する旨の操作がユーザによって為された場合には、指定地点R周辺の地図を拡大表示する。
制御装置24は、相対位置地図を表示している状態において指定地点Rが目的地として決定する旨の操作がユーザによって為されたことを検出すると、ステップS11がYESとなって前述のステップS13に移る。また、キャンセル操作がユーザによって為された場合には、ステップS11がNOとなって前述のステップS17に移る。
ステップS23では、指定地点Rの認知度がCランクであるか否かを判定する。指定地点Rの認知度がCランクである場合には、ステップS23がYESとなってステップS25に移る。また、指定地点Rの認知度がCランクでない場合には、ステップS23がNOとなってステップS27に移る。
ステップS25では、確認画面の1つであるマイロード地図(請求項に記載の高認知道路地図)を表示する。このマイロード地図の一例を、図11を用いて説明する。図11に示すマイロード地図は、指定地点Rと、指定地点Rに最も近いマイロードML1の両方が含まれるように表示処理部24Dによって描画される。図11において指定地点Rに最も近いマイロードML1は、ノード38Aおよび38Bを始端/終端に備えるリンクである。また、マイロードML1において、指定地点Rに最も近い点(最近傍点)をP1で表す。この最近傍点P1が請求項に記載の第1近傍点に相当し、最近傍点P1を取得する制御装置24が請求項に記載の第1近傍点取得手段に相当する。マイロード地図には、判定用情報としてマイロードML1が表示されていればよいが、道路の連続性からマイロードML1に接続する他のマイロード格のリンクも併せて表示する。すなわち、ノード38Aに接続する他のマイロード格のリンクML2、およびノード38Bに接続する他のマイロード格のリンクML3も表示する。
図11では、マイロードML1〜3に相当する道路を、マイロードではない道路33とは異なる表示様式で表す。一例として図11では、マイロードML1〜3に相当する道路を、道路33よりも太い線で表している。もちろん、色や点滅などを用いることによって道路33と区別がつくように表示しても良い。また、マイロードML1が接続する交差点(すなわち、ノード38Aや38B)の名称を表示しても良い。これによって、ユーザは、どの交差点でマイロードML1を含む道路から離脱すればよいかを知ることができる。
なお、本実施形態では、マイロードML1の全域が含まれるように表示する構成としたがこれに限らない。マイロードML1のリンク長が予め設定されている閾値Lthよりも長い場合は、マイロードML1のうち、最近傍点P1を含む少なくともLth以上の区間が表示されるように表示領域を調整しても良い。閾値Lthは適宜設計されればよく、たとえば平均リンク長を用いればよい。また、閾値Lthは、マイロードML1の道路の種別に応じて異なる値に設定されても良い。
また、マイロード地図に表示されるマイロードML1の長さが相対的に短く、マイロード地図において少ししか表示されない場合には、ユーザにとって表示されているマイロードがどの道路であるのか把握しにくくなる恐れがある。したがって、マイロードML1が閾値Lthよりも短い場合には、マイロードML1に接続する他のマイロード(ここではL2、L3)を併せて表示することで、マイロード地図内に表示されるマイロードの延距離が閾値Lth以上となるように調整する構成としても良い。これによって、マイロード地図に表示されるマイロードの長さの下限を設定することができ、マイロード自体の位置を認識しやすくすることができる。
なお、現在の表示モードがH/Uモードに設定されている場合には、マイロード地図はマイロードML1における最近傍点での進行方向が画面の上方向となるように表示する。マイロードML1における最近傍点での進行方向は、最近傍点P1での道路の接線方向が画面の上下方向と一致するものとして決定すれば良い。この場合、最近傍点P1を基準にして、より現在地から遠い側の道路方向に伸びる接線方向を画面の上方向とする。また、マイロードML1における最近傍点での進行方向は、現在地からマイロードML1までの経路を算出して決定しても良い。一方、現在の表示モードがN/Uモードで表示されている場合には、N/Uで表示する。
マイロード地図を表示している状態において、指定地点Rが目的地として決定する旨の操作がユーザによって為されたことを検出した場合には、ステップS11がYESとなって前述のステップS13に移る。また、キャンセル操作がユーザによって為された場合には、ステップS11がNOとなって前述のステップS17に移る。
ステップS27では、指定地点Rの認知度がDランクであるか否かを判定する。指定地点Rの認知度がDランクである場合には、ステップS27がYESとなってステップS400に移る。また、指定地点Rの認知度がDランクでない場合には、ステップS27がNOとなってステップS500に移る。
ステップS400では、後述する第3確認画面表示処理を実施して、サブロード地図(請求項に記載の低認知道路地図)を表示する。サブロード地図の詳細については第3確認画面表示処理についての説明の中で言及するが、指定地点Rと、指定地点Rに最も近いサブロードSL1の両方が含まれるように表示処理部24Dによって描画される地図である。この場合、指定地点Rに最も近いサブロードが、判定用情報となる。サブロード地図を表示している状態において、指定地点Rが目的地として決定する旨の操作がユーザによって為されたことを検出した場合には、図2のステップS11がYESとなって前述のステップS13に移る。また、キャンセル操作がユーザによって為された場合には、ステップS11がNOとなって前述のステップS17に移る。
ステップS500では、次の第4確認画面表示処理で用いる確認用地点を設定する処理(確認用地点設定処理)を実施してステップS600に移る。ここでの確認用地点とは、指定地点Rに周辺に存在するユーザにとって気になる地点を意味し、この確認用地点設定処理については、別途図7に示すフローチャートを用いて後述する。
ステップS600では、後述する第4確認画面表示処理を実施して、指定地点周辺地図を表示する。指定地点周辺地図の詳細については第4確認画面表示処理についての説明の中で言及するが、指定地点Rと、前ステップS500で設定された確認用地点の両方が含まれるように表示処理部24Dによって描画される地図である。したがって、指定地点周辺地図においては、判定用情報として確認用地点が含まれる。指定地点周辺地図を表示している状態において、指定地点Rが目的地として決定する旨の操作がユーザによって為されたことを検出した場合には、ステップS11がYESとなって前述のステップS13に移る。また、キャンセル操作がユーザによって為された場合には、ステップS11がNOとなって前述のステップS17に移る。
ここで、図5および図6に示すフローチャートを用いて、表示処理部24Dが実施する第3確認画面表示処理について説明する。このフローチャートは、図2に示す目的地設定処理において、ステップS400に移った時に開始される。
まずステップS401では、走行道路履歴データを参照し、指定地点Rに最も近いサブロード(最近傍サブロードとする)SL1、および最近傍サブロードSL1上において最も指定地点Rに近い地点(これを最近傍点とする)P2を取得する。この最近傍点P2が請求項に記載の第2近傍点に相当し、ステップS401を実施する制御装置24が請求項に記載の第2近傍点取得手段に相当する。
ステップS403では、走行道路履歴データを参照し、サブロードやマイロードを用いて現在地から最近傍点P2まで到達できるか否かを判定する。言い換えれば、アウトロードを走行せずに、現在地から最近傍点P2まで到達できるか否かを判定する。サブロードやマイロードを用いて現在地から最近傍点P2まで到達できない場合としては、例えば、現在地がサブロード上でもマイロード上でもない場合がある。
サブロードやマイロードを走行して現在地から最近傍サブロードSL1に到達できる場合は、ステップS403がYESとなってステップS405に移る。ステップS405では、走行道路履歴データに格納されているマイロードおよびサブロードとなっているリンクを用いて、現在地から最近傍点P2に到達するまでの経路を算出し、ステップS411に移る。
また、サブロードやマイロードを走行して現在地から最近傍サブロードSL1に到達できない場合は、ステップS403がNOとなってステップS407に移る。ステップS407では、最近傍サブロードSL1から辿ることができるサブロードまたはマイロードにおいて、現在地に最も近い点(現在地側最近傍点)を取得し、ステップS409に移る。この場合、現在地側最近傍点が経路上の出発地に相当する。ステップS409では、走行道路履歴データに格納されているマイロードおよびサブロードとなっているリンクを用いて、現在地側最近傍点から最近傍点P2に到達するまでの経路を算出し、ステップS411に移る。
ステップS411では、現在の地図の表示モードを取得し、ステップS413に移る。ステップS413では、最近傍点P2の座標、指定地点Rの座標、および最終表示方向から、第3確認画面表示処理において最終的に表示される地図の表示縮尺(最終表示縮尺とする)を決定する。最終表示方向とは、サブロード地図の表示方向のことであって、現在の表示モードによって決定される。現在の表示モードがN/Uモードである場合には、最終表示方向は北を画面の上方向とするものである。また、現在の表示モードがH/Uモードである場合には、前述の経路を走行して最近傍点P2に到達したときの進行方向が画面の上方向となる表示方向が最終表示方向となる。最終表示縮尺は、最終表示方向で表示した地図において指定地点Rと、最近傍サブロードSL1の両方が表示される表示縮尺の範囲において、指定地点Rや最近傍サブロードSL1が視認しやすい程度の値(たとえば最近傍サブロードSL1と指定地点Rとの間に存在する道路が見える表示縮尺)に設定されればよい。また、最終表示縮尺が定まることによって第3確認画面表示処理において最終的に画面に表示される地図(サブロード地図)の表示領域が定まる。
ステップS415では、ステップS405またはステップS409で算出した経路に沿って地図をスクロール表示する処理(オンルートスクロール)を開始する。オンルートスクロールについては公知の技術(たとえば特許文献2:特開2005−55288)を用いればよい。ここで、現在の表示モードがH/Uモードである場合には、進行方向が画面の上方向となるようにスクロール表示する。また、現在の表示モードがN/Uモードである場合には、北が画面の上方向となるように表示する。オンルートスクロール中の仮想的な自車位置はマーク36Aによって表示する。なお、仮想的な自車位置を表すマーク36Aは、実際の自車位置を表すマーク36とは異なる表示様式とし、画面中央付近に配置して表示する。また、オンルートスクロール時の表示縮尺は現在の表示縮尺を適用するものとする。ただし、細街路が表示されるなど、現在の表示縮尺が所定の閾値Sth以上となっている場合には、オンルートスクロール時の表示縮尺をSthに自動的に設定する構成としても良い。もちろん、日本地図が表示されるなど、表示縮尺が小さすぎる場合もオンルートスクロール時の表示縮尺をSthに自動的に設定する構成としても良い。たとえば閾値Sthは、経路の総距離などに応じて適宜定まる値とすればよい。もちろん、予め設定された値(たとえば細街路は表示されず、国道などは表示される縮尺)としてもよい。
ステップS417では、オンルートスクロールによって仮想的な自車位置が最近傍点P2に到達したか否かを判定する。最近傍点P2に到達していない場合は、ステップS417がNOとなってオンルートスクロールを継続する。また、最近傍点P2に到達した場合は、ステップS417がYESとなってステップS419に移る。
ステップS419では、オンルートスクロールを停止し、図6のステップS421に移る。したがって、仮想的な自車位置が請求項に記載のスクロール終了位置に相当する。なお、その他、仮想的な自車位置を表すマーク36を表示しない場合には、画面中央(中央よりやや下方も含む)など、画面内の所定の位置に最近傍点P2に到達した時にオンルートスクロールを停止する構成とすれば良い。
ステップS421では、現在の表示縮尺からステップS413で決定した最終表示縮尺となるように表示縮尺の調整を開始する。より具体的には、現在の表示縮尺が最終表示縮尺よりも大きい場合はズームアウトを開始する。また、現在の表示縮尺が最終表示縮尺よりも小さい場合はズームインを開始する。ズームイン/アウトしながら地図を表示する技術に関しては、公知の技術を用いればよい。
ステップS423では、表示縮尺が最終表示縮尺となっているか否かを判定する。最終表示縮尺となっている場合には、ステップS423がYESとなってステップS425に移る。また、最終表示縮尺となっていない場合には、ステップS423がNOとなって、最終表示縮尺と一致するまで表示縮尺の調整を実施する。ステップS425では、表示縮尺の調整(すなわち、ズームインまたはズームアウト)を終了し、ステップS427に移る。
ステップS427では、画面に表示されている地図の領域(これを表示領域とする)を、現在の表示領域から最終表示領域へとスクロールを開始する。ここでの最終表示領域とは、サブロード地図の表示領域のことである。
ステップS429では、最終表示領域となっているか否か、すなわち、サブロード地図が表示されているか否かを判定する。サブロード地図が表示されている場合には、ステップS429がYESとなってステップS431に移る。サブロード地図が表示されていない場合には、ステップS429がNOとなってステップS429を繰り返す。ステップS431に移ると、スクロールを停止し、サブロード地図を表示してユーザからの入力(図2 ステップS11)を待機する。
ここで、サブロード地図の一例を、図12を用いて説明する。図12に示すサブロード地図は、前述の第3確認画面表示処理によって画面に最終的に表示される地図であって、指定地点Rと、最近傍サブロードSL1の両方が含んでいる。図中のSL1は最近傍サブロードを、P2は最近傍点を表している。また、最近傍サブロードSL1を含む経路を、他の道路33と区別がつく表示様式(図12の場合は太線)で表示する。36Aは仮想的な自車位置を表しており、その他、エリア情報32や決定スイッチ34、方位角35などは他の確認画面と同様に表示される。
次に、図7に示すフローチャートを用いて、制御装置24が実施する確認用地点設定処理について説明する。このフローチャートは、図2に示す目的地設定処理において、ステップS500に移った時に開始される。
まず、ステップS501では高速道路利用判定処理を実施する。この高速道路利用判定処理では、現在地から指定地点Rに移動する場合に高速道路を利用するか否かを判定する。高速道路を利用するか否かは、現在地点から指定地点Rまでの距離D1と所定の閾値Dth3(たとえば30km)との比較に基づいて決定する。すなわち、D1≧Dth3となっている場合には高速道路を利用すると決定し、D1<Dth3となっている場合には高速道路を利用しないと決定する。閾値Dth3は、適宜設計されればよいが、ユーザが高速道路を使うことが想定される距離となっていることが好ましい。たとえば、閾値Dth3が相対的に小さい値であれば、これに伴って現在地から相対的に近い地点であっても高速道路を利用すると判定されてしまう。したがって、閾値Dthは、現在地から指定地点Rに向かうと仮定した場合に、高速道路を用いることが尤もらしい値となっているべきである。
言い換えれば、この高速道路利用判定処理では、高速道路を利用することの尤もらしさ(尤度)に応じて高速道路を利用するか否かを決定している。したがって、過去の走行履歴から30km離れた地点への移動であっても高速道路を利用しない傾向が強いと判定される場合には、閾値Dth3を40kmなどに調整する構成としても良い。また、ユーザによって設定できる構成としても良い。
なお、本実施形態ではD1とDth3との比較に基づいて高速道路を用いるか否かを判定したが、これに限らない。たとえば、指定地点Rを目的地と決定する前に現在地から指定地点Rまでの経路を算出し、その算出結果に応じて高速道路が利用するか否かを判定しても良い。経路計算を実施するための条件としては、所要時間を優先するか所要費用(有料道路料金など)を優先するかなど種々存在するが、たとえば所要時間を優先して経路を算出すればよい。経路計算の条件は、それまでのユーザの選択した条件の履歴から適宜適切な条件を適用する構成としても良い。もちろん、指定地点Rが目的地として正しい場合において、現在地から目的地に向かう際に高速道路を利用するか否かはユーザの入力によって決定されればよい。
ステップS501での高速道路利用判定処理において高速道路を利用すると決定した場合は、ステップS503がYESとなってステップS505に移る。また、ステップS501で高速道路を利用しないと決定した場合には、ステップS503がNOとなってステップS509に移る。
ステップS505では、指定地点Rから最も近い高速道路のインターチェンジ(以降、最寄りICと略す)を地図データから取得し、ステップS507に移る。ステップS507では、確認用地点を最寄りICに設定し、確認用地点設定処理を終了する。
ステップS509では、指定地点Rの周辺に存在する、指定地点Rの位置を確認するための目印となる地点(有名な施設や観光名所、鉄道の主要な駅)を取得し、ステップS511に移る。ステップS511では、ステップS509で取得した目印となる地点を確認用地点に設定し、確認用地点設定処理を終了する。
また、図8に示すフローチャートを用いて、表示処理部24Dが実施する第4確認画面表示処理について説明する。このフローチャートは、図2に示す目的地設定処理において、ステップS600に移った時に開始される。
まず、ステップS601では確認用地点の座標および指定地点Rの座標から、指定地点周辺地図の最終表示縮尺を決定し、ステップS603に移る。なお、最終表示縮尺は、地図の北が画面の上方向となる表示方向において確認用地点と指定地点Rが含まれるように決定される。ステップS603では、現在地から指定地点Rまでの距離D1に基づいて後述するスクロール表示中にズームアウト可能な表示縮尺の最大値(最大表示縮尺とする)を決定する。最大表示縮尺の決定方法は、特許文献1に記載の方法を適用すればよい。最大表示縮尺を決定すると、ステップS605に移る。ステップS605では、現在の表示モードを取得し、N/Uモードであるか否かを内部状態として保持する。
ステップS607では、現在地からスクロール停止地点へのスクロールを開始する。スクロール停止地点とはスクロールを停止するか否かを判定するための地点であって、スクロール停止地点は、たとえば確認用地点と指定地点Rとの中間地点とする。この場合、スクロール停止地点が画面の中心に到達するとスクロールを停止する。
スクロールの開始時の画面は、現在地を中心とした地図を現在の表示縮尺で表示しており、この画面からスクロール停止地点の方向へスクロールして地図を表示する。地図をスクロール表示する速度は、現在地からスクロール停止地点までの地図のスクロールに要する時間Tscが一定(例えば20秒)となるように決定される。
スクロールを開始後、現在の表示モードがN/Uモードである場合には、ステップS609がYESとなって、ステップS611でズームアウトを開始する。これにより、地図がスクロールしつつズームアウトされることになる。また、現在の表示モードがH/Uモードである場合には、ステップS609がNOとなってステップS613に移り、現在の表示方向からN/Uとなるように地図を回転させながらズームアウトを開始する。これによって、N/Uへと回転し、かつ、ズームアウトしながらスクロールされることとになる。現在の表示方向からN/Uにする際の回転角速度は、現在の表示方向からN/Uとなるまでに要する時間が所定時間(たとえば5秒)となるように決定すればよい。或いは、ズームアウトによって表示縮尺が最大縮尺に到達するまでに(または、最大縮尺に到達すると同時に)完了するように回転角速度を求めても良い。
ステップS615では、現在の表示縮尺が最大表示縮尺となっているか否かを判定する。現在の表示縮尺が最大表示縮尺となった場合にはステップS615がYESとなってステップS617に移り、ズームアウトを停止する。また、現在の表示縮尺が最大表示縮尺に到達していない場合はステップS615がNOとなって、ズームアウトを継続する。
なお、ステップS607で開始したズームアウトの処理において、単位時間当たりの表示縮尺を小さくする度合い(ズームアウト速度)は、スクロールの速度を鑑みて適宜設計されればよい。たとえば本実施形態においては、スクロールによって画面中心部がスクロール停止地点に到達するまでにズームアウトが完了していることが望ましい。言い換えれば、ステップS613でズームアウトを開始した時点の表示縮尺から最大表示縮尺に到達するまでに要する時間Toutは、Tout≦Tscの関係を満たすことが好ましい。したがって、ズームアウト速度は、Tout≦Tscの関係を満たすように適宜算出して用いればよい。もちろん、予め設定しておいたズームアウト速度でズームアウトを実施してもよい。
ステップS619では、スクロール停止地点が画面の中心部に到達したか否かを判定する。スクロール停止地点が画面の中心部に到達した場合にはステップS619がYESとなってステップS621に移る。また、スクロール停止地点が画面の中心部に到達していない場合にはステップS619がNOとなってスクロールを継続する。ステップS621では、スクロールを停止し、ステップS623に移る。
ステップS623では、最大表示縮尺から最終表示縮尺へとズームインを開始し、ステップS625に移る。ステップS625では、現在の表示縮尺が最終表示縮尺に到達しているか否かを判定する。現在の表示縮尺が最終表示縮尺に到達していない場合には、ステップS625がNOとなってズームインを継続する。また、現在の表示縮尺が最終表示縮尺に到達している場合にはステップS625がYESとなってステップS627に移り、ズームインを停止し、第4確認画面表示処理を終了する。なお、ステップS627でズームインを停止した時に表示されている地図画像が、前述の指定地点周辺地図に相当する。この指定地点周辺地図を表示装置18に表示した状態でユーザからの入力を待機する(図2 ステップS11に移る)。
ここで、指定地点周辺地図の一例を、図13を用いて説明する。図13に示す指定地点周辺地図は、確認用地点として指定地点Rの最寄りICが設定されている場合の地図であって、指定地点R、最寄りIC40、および最寄りIC40が設けられている高速道路41を含んでいる。エリア情報32や決定スイッチ34、方位角35などは他の確認画面と同様に表示される。したがって、ユーザは、指定地点Rと最寄りIC40との位置関係を見ることで、指定地点Rがユーザの意図した地点と合っていそうかどうかを判断することができる。また、指定地点Rが意図した地点として正しい場合には、最寄りIC40からの距離感を把握することができるため、指定地点を入力した時点で予想していたよりも、時間がかかりそうか否かを推測することができる。そして、その推測に基づいて、指定地点Rを目的地として決定するか、別の地点を目的地にするかなどの判断をすることができるようになる。
以上の構成では、それまでの走行道路履歴や目的地設定履歴から指定地点Rに対するユーザの認知度を算出し、認知度が相対的に低い場合(認知度がDやEの場合)には、スクロール表示などの視覚効果(すなわち、動きのある画像表示)を用いて確認用画面を表示する。静止した地図画像だけでなく視覚効果を用いることで、ユーザに現在地と指定地点Rとの位置関係を把握するための情報を相対的に多く表示する。一方、認知度が高い場合(認知度がBやCの場合)には、スクロール表示などの視覚効果は用いずに、認知度に応じた判定用情報を含んだ確認用画面(静止地図画像)に遷移させる。
以上の構成とすることで、ユーザにとって認知度の低い地点に対して、現在地と指定地点Rとの相対的な位置関係をユーザが把握しやすくすることができる。また、認知度の高い地点については、スクロール表示などの視覚効果がないため、すぐにその指定地点Rが正しいか否かを決定することができる。
より具体的には、過去に何回か目的地として設定したことがある地点に対しては、その指定地点Rを中心とした地図画像(すなわち指定地点地図)を表示すれば、ユーザはその指定地点地図を見れば、目的地として正しそうか否かを確認できる可能性が高い(ステップS7 YES)。本実施形態によれば、そのような場合にスクロール表示によって位置をユーザに確認させる手間を省くことができる。
また、実際に目的地として設定したことが無くても、普段使っている道路(すなわち、マイロード)の近くにある地点についても、そのマイロードと指定地点Rの相対位置関係が分かれば、指定地点Rとして正しいか否かは判定できる可能性が高い。したがって、指定地点Rの相対的に近くにマイロードが存在する場合(ステップS23 YES)には、マイロード地図を表示することで、スクロール表示で位置をユーザに確認させる手間を省きつつ、指定地点Rが正しいか否かを把握しやすい確認用画面を表示することができる。さらに、マイロードと指定地点Rとの間に存在する道路が見える表示縮尺で、マイロード地図を表示することによって、マイロードからの離脱地点や、離脱後のルートを目的地の設定時点で把握することができる。
なお、他の態様として、指定地点Rの近くにマイロードがある場合であっても現在地と指定地点Rとの双方を含む地図(相対位置地図)を表示してもよい。しかし、現在地が指定地点Rと相対的に離れている場合(少なくとも最寄りのマイロードにいない場合)は、相対位置地図の表示縮尺が、マイロード地図の表示縮尺よりも小さくなってしまう。現在地が最寄りのマイロードとなっている可能性は低いため、指定地点Rの近くにマイロードがある場合には、マイロード地図を表示することで、相対的に大きい表示縮尺で指定地点Rと判定用情報として作用するマイロードを含んだ地図を表示することができる。表示縮尺が大きい地図で、指定地点Rおよび判定用情報が表示されることでユーザは、指定地点Rが目的地として正しいか否かを把握しやすくなるとともに、どの位置でマイロードを離脱すればよいかを把握しやすくなる。
また、マイロードやサブロードの有無にかかわらず、現在地から比較的近くに指定地点Rが存在する場合(ステップS19 YES)には、相対位置地図を表示しても、その表示縮尺は相対的に(すなわち、現地と指定地点Rが離れている場合ほどには)小さくならない。現在地の近くの地点であれば、現在地と指定地点Rとの相対的な位置関係が一目で分かる相対位置地図のほうが、マイロード地図やサブロード地図よりも、指定地点Rが目的地として正しいか否かが分かりやすい。したがって、現在地と指定地点Rとの距離D1が所定の閾値Dth1よりも小さい場合には、相対位置地図を表示することで、ユーザに指定地点Rが目的地として正しいか否かを把握しやすくすることができる。
なお、ユーザ毎に、現在地から近い遠いといった距離感は異なることが想定される。したがって、現在地に対して指定地点Rが近いか否かを判定するための閾値Dth1は、ユーザの好みに応じて設定できるようにしておけばよい。もちろん、予め設計したDth1(5kmや10kmなど)を用いても良い。また、相対位置地図の表示範囲内にマイロードやサブロードが存在する場合には、それらの情報を表示しても良い。
さらに、指定地点Rの近くにマイロードは存在しないが、サブロードが存在する場合(ステップS27 YES)には、サブロードを判定用情報として表示することで、指定地点Rが目的地として正しいか否かを判定できる場合もある。したがって、指定地点Rとサブロードとを含む地図(サブロード地図)を表示することで、ユーザは指定地点Rが目的地として正しいか否かを判定できるようになる。
ただし、サブロードは、マイロードほど認知度が高くない。したがって、いきなりサブロード地図を表示しても相対的な位置関係が把握しにくいことが懸念される。このような懸念から、本実施形態では、サブロードを判定用情報の一要素として用いる場合には、現在地から最近傍点P2までオンルートスクロール表示(ステップS415)をすることで、ユーザに提示する判定用情報を相対的に多く提供する構成とした。これによって、ユーザは、サブロード地図に表示される最近傍点P2までどのような経路で到達できるのかを把握でき、現在地と最近傍点P2との位置関係を把握しやすくなる。そして、サブロード地図を見て最近傍点P2と指定地点Rとの位置関係を把握する。オンルートスクロール表示することで、現在地と最近傍点P2との位置関係を把握できるだけでなく、どういった経路でいくのかを認識することができ、指定地点Rが目的地として正しかった場合の運転の手助けとなり、ユーザの利便性を高めることができる。なお、オンルートスクロールで表示する距離が長い場合には、経路の一部(直線部分など)を省略してもよい。
さらに、指定地点Rが現在地から所定距離Dth1以上離れており、かつ、指定地点Rの近くにマイロードもサブロードも存在しない場合(ステップS27 NO)には、現在地から指定地点R周辺へのスクロール表示などの視覚効果を用いて、現在地と指定地点Rとの相対的な位置関係を提示する。このとき、最終的に表示される指定地点周辺地図に表示される、判定用情報として作用する確認用地点は、高速道路を利用するか(利用しそうか)否かによって、異なる地点が設定される。高速道路を利用すると判定された場合には、最寄りの高速道路のインターチェンジを確認用地点とする。これによって、指定地点Rの位置を把握しやすくするとともに、指定地点Rが目的地として正しかった場合に、高速道路の出口と指定地点Rとの位置関係が分かるため、高速道路を出た後の走行経路のイメージをしやすくすることができる。
また、高速道路を利用しなかった場合であっても、指定地点R周辺に存在する観光名所などが表示されるため、指定地点Rが目的として正しいか否かの判定がしやくなるとともに、どのような施設が指定地点Rの周辺に存在するかを認識することができる。なお、指定地点周辺地図を描画するための確認用地点は1つとするが、指定地点周辺地図に表示される観光名所や主要な施設などのPOI(Point of Interest)は、複数表示されても良い。また、地図に表示されるPOIは、訪問履歴や検索履歴などから、ユーザの好みに応じた種類の施設を表示する構成としても良い。
さらに、確認画面として最終的に表示される地図画像に、エリア情報32を表示することによって、ユーザは指定地点Rの大まかな位置を把握しやすくなり、ユーザの利便性をより高めることができる。
また、本実施形態では、現在の表示モードがH/UモードかN/Uモードかによって、種々の確認用画面を異なる表示方向で表示する構成とした。具体的には、N/Uモードである場合には常にN/Uで表示する一方、H/Uモードである場合には、オンルートスクロール時やマイロード地図での表示方向を、H/Uとなる表示方向で表示する(図10〜12)。
一般的に、ユーザは普段見ている表示方向とは異なる表示方向で地図を表示されると、地図の方向や位置関係を把握するのに戸惑ってしまう可能性が高い。たとえば普段H/Uで地図を見ているユーザは、マイロードやサブロードを含む地図をH/Uで見ることに慣れている。したがって、ステップS25でマイロード地図を表示する場合も、普段H/Uで地図を見ているユーザに、N/Uで表示してしまうと位置関係を把握するための負担を大きくしてまったり、違和感をユーザに与えてしまったりする。これに対し、現在の表示モードがH/UモードであればH/Uでマイロード地図などを表示することで、ユーザが普段見ている表示方向で地図を表示し、位置関係を認識しやすくすることができる。
なお、ここでは、現在の表示モードがH/Uモードであれば日常的にH/Uで地図を表示させていると決定するが、もちろんそれまでの表示モードの設定の履歴から、ユーザの好みを決定して表示方向を決定しても良い。すなわち、指定地点に対するユーザの認知度だけでなく、ユーザの好む表示モードを鑑みた表示方向で地図を表示することで、ユーザは位置関係を認識しやくするなり、ユーザの利便性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、認知度をA〜Eの5段階に分けて評価したが、その他、i段階(iは2以上の任意の正数)で分けて評価してもよい。たとえば、2段階であれば、指定地点Rおよび指定地点Rから所定距離の領域に訪れた場合を認知度が高いと設定し、それ以外の場合を認知度が低いとすればよい。そして、認知度が高い場合は、スクロールなどの視覚効果を用いずに指定地点地図を表示し、認知度が低い場合にはスクロールなどの視覚効果を用いて現在地からの相対的な位置を表示すればよい。
(変形例1)
本実施形態では、指定地点Rを目的地に設定した回数に応じて認知度を評価する(S301)構成としたがこれに限らない。目的地に設定した回数の他、実際に訪問した回数によって、認知度を評価してもよい。また、回数だけでなく、最後に訪問または目的地に設定した時点からの経過時間によって認知度を評価してもよい。この場合、最後に訪問または目的地に設定した時点からの経過時間が短いほど認知度が高いものとする。もちろん、訪問した回数や目的地に設定した回数と、その最後に訪問または目的地に設定したからの経過時間とを、組み合わせて認知度を評価してもよい。
(変形例2)
また、マイロードやサブロードの格付けに関しても、変形例1で述べたように、最後にそのリンクを走行してからの経過時間に応じて、第1所定回数の値を変更して認知度を算出してもよい。これによって、昔はよく走行していたが、最近は走行していない道路に関しては、認知度をより低く格付けし、一方、最近走行したリンクの認知度はよく高く格付けすることができる。したがって、この変形例2のように最後に走行してからの経過時間も認知度の評価の要素とすることで、よりユーザの認知度に近い認知度を算出することができる。
(変形例3)
本実施形態では、指定地点Rから所定距離Dth2内にマイロードまたはサブロードが存在するかによって、指定地点Rに対する認知度を算出する構成としたが、これに限らない。たとえば、指定地点Rと最も近いマイロードとが、近ければ近いほど認知度を高く評価するような構成としてもよい。また、サブロードの場合も同様に、指定地点Rと最寄りのサブロードとが近いほど認知度を高く評価する。そして、その認知度を算出するのに用いた情報を判定用情報として表示する構成とすれば良い。
(変形例4)
また、指定地点Rがマイエリア内に存在するか否か、および、指定地点Rがサブエリア内に存在するか否かによって認知度を算出しても良い。たとえば指定地点Rがマイエリア内に存在する場合の認知度を、上述の実施形態に対応付けるならばCランク、指定地点Rがサブエリア内に存在する場合の認知度をDとすればよい。