JP4549149B2 - ナビゲーションシステムの表示方法および表示装置 - Google Patents

Description

本発明は、ユーザを目的地へ案内するためのナビゲーションシステムの表示方法および表示装置に係わり、特に、大構造物内に位置するかどうかに関する識別情報を持たせてポイントオブインタレスト（ＰＯＩ）をリストアップすることができるナビゲーションシステムの表示方法および表示装置に係わる。

ナビゲーションシステムは、走行案内を行ってユーザが選択した目的地に簡単かつ迅速に到着できるようにするものである。代表例として、ユーザがナビゲーション機能を装備した車を運転する車輌用ナビゲーションシステムがある。このようなナビゲーションシステムは、ユーザ位置またはユーザの車輌位置を検出し、例えばＣＤ−ＲＯＭ（コンパクトディスクリードオンリメモリ）、ＤＶＤ（汎用デジタルディスク）またはハードディスクなどのデータ記憶媒体から、現車輌位置における領域に関係する地図データを読み出す。上記とは別に、インターネットなどの通信ネットワークを介してリモートサーバからユーザへこのような地図データの供給を行うこともできる。ナビゲーションシステムは、地図画像におけるユーザの現在の所在位置を表すマークをスーパーインポーズしながらモニタ画面に地図画像を表示する。

目的地が設定されると、ナビゲーションシステムは、出発点から目的地までの案内ルートを設定するルートガイダンス機能を開始する。目的地までの案内ルートを決定するために、ナビゲーションシステムは種々のパラメータに基づいて目的地までの最適ルートを算出し、最適ルートを決定する。例えば、案内ルートは、目的地に達する最短距離、一般道路より高速道路の方を優先するルート、目的地までの最も費用の少ない距離、有料道路を利用しないルート等に基づいて決定される。

ルートガイダンス中、ナビゲーションシステムはＤＶＤなどのデータ記憶媒体からノードデータを読み出し、地図情報メモリ内の案内ルートを構成する（経度と緯度とで表現された）道路セグメントを示すノードデータを連続して記憶する。実際の走行時には、地図情報メモリに記憶されたノード列が、モニタ画面の地図表示領域に表示されるべき案内ルート部分について探索され、その案内ルート部分がハイライトされて他のルートと区別される。接近していく交差点から所定の距離内に車輌があるとき、交差点案内ダイアグラム（交差点において車輌が向くべき方向を矢印が示す拡大またはハイライトされた交差点ダイアグラム）が表示され、交差点における選択可能な道路や方向のうち所望のものについてユーザに情報が与えられる。ナビゲーションシステムによるこのようなルートガイダンスは音声による指示によっても行われる。

図１Ａ〜１Ｈは、ナビゲーションシステムに含まれる処理手順と画面表示全体の１例を示す図である。図１Ａは、目的地が指定されていない場合のナビゲーションシステムのロケータ地図画面の１例を示す。一般に、ナビゲーションシステムは、地図画像上で車輌（現車輌位置ＶＰ）が走行している街路と、その街路名とを表示する。北向きポインタＮＰ、地図スケールおよび現在時刻などの別の情報が表示画面に示される場合もある。

ポイントオブインタレスト（ＰＯＩ）を用いた目的地探索方法によってナビゲーションシステムで目的地を指定する処理の１例が図１Ｂ〜１Ｆに示されている。目的地入力用の“目的地”メニューを含むメニュー項目が図１Ｂに図示のようなメインメニュー画面に表示される。“目的地（Destination）”を選択すると、ナビゲーションシステムは、目的地選択を行う入力方式を指定するための図１Ｃに図示のような“目的地探索”画面を表示する。“目的地探索”画面によって、（1）都市と目的地の番地を指定する“番地（Address）”と、（2）互いに交差する２つの街路の名称を指定する“交差点（Intersection）”と、（3）カテゴリまたは電話番号に基づいてプログラムされた目的地を選択する“ポイントオブインタレスト（Point of Interest）”等を含む目的地の種々の選択方法がリストされる。“目的地探索”画面での別の方法には、(4)ナビゲーションシステムに保存された目的地の最新の履歴に基づいて目的地を指定する“最新ルート（Recent Route）”と、(5)システムに記憶された予め定められた番地リストの中から得られる目的地の番地を選択する“アドレス帳（Address Book）”とが含まれる。

図１Ｃの“ポイントオブインタレスト(ＰＯＩ)”の方法を選択すると、ナビゲーションシステムによって、図１Ｄの“場所の名称（Place Name）”または“場所の種別（Place Type）”のいずれかによりポイントオブインタレスト（ＰＯＩ）の選択方法が表示される。“場所の名称”はＰＯＩの名称を指定するものであり、“場所の種別”はＰＯＩのカテゴリを指定するものである。図１Ｄで“場所の種別”を選択した場合、ナビゲーションシステムは図１Ｅに示すようなＰＯＩのカテゴリをリストする。カテゴリがリストされる順序は、例えばアルファベット順や、現在位置からの距離の順で構成することができる。ユーザはこのリストからＰＯＩの所望のカテゴリを選択する。１つの画面に表示できないほど多数のエントリがリスト内に存在する場合、ユーザはスクロールバーのスクロールキーによってリストをスクロールすることができる。

図１Ｆは、図１Ｅの例でユーザが“ファーストフード（Fast Food）”カテゴリを選択したときの画面を示す。本例では、画面最上部にＰＯＩ種別の名称“ファーストフード”が示され、通常現在の目的地からの距離によってソートされたファーストフードレストラン名のリストが示される。このリストには、矢印によって個々のファーストフードレストランのおおまかな方向も示すことができる。本例では、ユーザは自分の目的地として“ピザハット（Pizza Hut）”を選択する。

図１Ｇで、ナビゲーションシステムは、目的地、すなわち選択されたＰＯＩである“ピザハット”までの案内ルートの計算と、その決定を行う。本例では、ナビゲーションシステムは目的地へのルートの計算中、計算進行状態スケールを表示する。案内ルートを決定した後、ナビゲーションシステムは図１Ｈに図示のようなルートガイダンスを開始する。一般に、ナビゲーションシステムはハイライトされた交差点を示して、次の曲がり角とその曲がり角の方向とを示す。ナビゲーションシステムによるこのようなルートガイダンスは音声による指示によっても行われる。

ＰＯＩは大構造物または大複合施設（large compound）（以下“大構造物”とする）内に位置することがある。例えば、街路の片側にではなく、レストランがショッピングモール、空港、駅、遊園地、等に位置する場合がある。時として、ユーザは、レストランで食事をしたいというためではなく、特定のレストランが存在する大構造物へ行きたいという理由で該大構造物内のレストランなどの特定のＰＯＩを見つけたいと思うことがある。例えば、ユーザは、複合施設で誰かと会うことを望んだり、洗面所を利用することなどを望んだりする場合である。
さらに、ユーザは時として、特定のＰＯＩが大構造物内に位置するかどうかを知りたいと思うことがある。これはユーザが大きなショッピングモール内に在るレストランを避けたいと思う場合があるからである。というのは、レストランが駐車場から遠く離れたところにあったり、又、レストランが空港または別の大複合施設の内部に位置する場合には、ユーザは駐車料金を払わなければならないからである。

図２Ａ〜２ＢはＰＯＩが大構造物内に位置したり、大構造物から独立に位置したりするような状況を含む地図画像を示す図である。地図上の実線の円は、或る特定のＰＯＩ“ピザハット”の位置を示す。図２Ａの状況は“ピザハット”が独立に位置することを示す。図２Ｂで、陰を付けた領域は空港または駅などの大構造物を示す。本例では、“ピザハット”は大構造物内に位置する。

ＰＯＩのリストを示す図３Ａの表示方法では、ユーザは特定のＰＯＩが大構造物内に位置するかどうかわからない。画面はＰＯＩのリスト、ＰＯＩまでの距離および当該ＰＯＩへのおおまかな方向を示しているにすぎない。従来の表示方法では、特定のＰＯＩが大構造物と関連づけられているかどうかに関する情報がさらに含まれることになる。このような一例が図３Ｂに示され、大構造物の名称がＰＯＩ名リストのＰＯＩに追加されている。例えば、該リストにおいて、ＰＯＩ“ハンバーガーキング”には、大構造物としての“ラックス空港（LAX Airport）”が併記され、これにより“ハンバーガーキング”がロスアンジェルス空港内に位置していることが示されている。同様に、表示は、“ケンタッキーフライドチキン”がショッピングモール“フェアグラウンドモール（Fairground Mall）”内に位置し、“ピザハット(Pizza Hut)”が“ＬＡ駅(LA Station)”に位置することを示している。

しかし、上記種別の表示は車輌用ナビゲーションシステム用としては適切でない。第1の理由は、ナビゲーションシステムが自動車内のように限られたスペースで利用されるため、ナビゲーション表示用として許されるスペースが同様に限られたものとなるからである。すなわち、ＰＯＩと大構造物の双方に関する情報を表示部に示すことには困難がつきまとう。第２の理由は、個々のエントリに関する情報があまりに多いと、安全運転に対するユーザの注意が逸らされがちになるからである。テキスト情報を最小限にして、安全運転に対するユーザの注意が逸らされないようにすることが望ましい。
以上より、大構造物内に特定のＰＯＩが位置するかどうかについての情報をユーザに効果的に伝えることができるナビゲーションシステムが要望されている。

したがって、本発明の目的は、特定のポイントオブインタレスト（ＰＯＩ）が大構造物内に位置するかどうかをユーザが容易に識別できるナビゲーションシステムを提供することである。

本発明の別の目的は、ＰＯＩ名リスト画面にＰＯＩが位置する大構造物の種別を表すアイコンを表示するナビゲーションシステムの表示方法および装置を提供することである。

本発明の別の目的は、ＰＯＩ名リスト画面の大構造物のアイコンを選択することにより該大構造物に関する詳細情報を表示するナビゲーションシステムの表示方法および装置を提供することがである。

本発明の第１は、ポイントオブインタレストのリストを表示するナビゲーションシステムの表示方法であり、地図データ記憶装置から地図データを受け取り、ユーザが指定したポイントオブインタレストに関する情報を検索するステップ、前記検索した情報内の前記ポイントオブインタレストが大構造物内に位置するかどうかをチェックするステップ、大構造物内に前記ポイントオブインタレストが位置する場合には、該大構造物の種別を求めるステップ、該大構造物の種別を表すアイコンを検索するステップ、前記大構造物の種別を表すアイコンと共に前記大構造物内に位置する前記ポイントオブインタレストの名称をモニタ画面に表示するステップ、を備えている。
本発明の第２は、ナビゲーションシステムの表示装置であり、地図データ記憶装置から地図データを受け取り、ユーザが指定したポイントオブインタレストに関する情報を検索する手段、前記検索した情報内の前記ポイントオブインタレストが大構造物内に位置するかどうかをチェックする手段、大構造物内に前記ポイントオブインタレストが位置する場合には、該大構造物の種別を識別する手段、該大構造物の種別を表すアイコンを検索する手段、前記大構造物の種別を表すアイコンと共に前記大構造物内に位置する前記ポイントオブインタレストの名称をモニタ画面に表示する手段を備えている。

本発明によれば、特定のＰＯＩが大構造物内に位置するとき、ナビゲーションシステムは、大構造物の存在をユーザに通報することができる。したがって、ユーザは、当該特定のＰＯＩが大構造物内に位置するという理由で当該特定のＰＯＩへ行かないと決定したり、あるいは、ユーザが、ショッピングをしたり、洗面所を利用したりすることなどのためにその大構造物を利用できるという理由で当該特定のＰＯＩへ行くと決定したりすることができる。ナビゲーションシステムはユーザへ提供する情報を効果的に最小限にして、絵文字アイコンを用いて情報を提供することによりユーザの注意が運転から逸らされるのを防ぐようにすることができる。さらに、本発明は、アイコンが表示部上に多くのスペースを占めないので、表示用スペースが限定される従来の一般的なナビゲーションシステムに対しても容易に実現することが可能である。本発明のナビゲーションシステムは、ナビゲータの画面で多くのスペースを占めないグラフィックによる方法で大構造物の種別を表示することにより、特定のＰＯＩがその大構造物内に位置するかどうかをユーザが迅速かつ簡単に認識することを可能にするものである。

ナビゲーションシステムはユーザが指定した所望のポイントオブインタレストＰＯＩを探索し、該ポイントオブインタレストが大構造物内に位置するかどうかをチェックし、ポイントオブインタレストが大構造物内に位置する場合には該大構造物の種別を示すアイコンをＰＯＩリストのＰＯＩ名の隣に表示する。アイコンを選択すると、ナビゲーションシステムは大構造物に関する詳細情報を表示する。

本発明について添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。本発明のナビゲーションシステムは、ユーザが、或る特定の場所、すなわちポイントオブインタレスト（ＰＯＩ）が大構造物内に位置するかどうかを迅速に把握できるように設計される。ナビゲーションシステムは、ユーザが運転から注意を逸らされるのを最小限にとどめながら、上記特定のＰＯＩが大構造物と関連するかどうかをユーザに知らせる。この目標を達成するために、ナビゲーションシステムの表示部によって、ＰＯＩ名リスト内のＰＯＩ名の隣りにアイコンがスーパーインポーズされ、ＰＯＩが或る特定の種別の大構造物内に位置することが示される。
このような大構造物や大複合施設（以後、単に大構造物という）の例として、ショッピングモール、空港、駅、遊園地、スポーツスタジアム、軍事利用基地、オフィスビル、大学、等が含まれる。本発明では、以上リストした人工的構造物だけでなく、大構造物の例として、山、川、湖、砂漠、貯水池、等の広い領域も含まれる。このような大構造物を示すアイコンは該構造物の視覚像や特徴が示されるようにデザインされることが望ましい。しかし、単純な記号や数字あるいは色などの種々の形をとることもできる。

図４は本発明を実現する車輌用ナビゲーションシステムのブロック構成図を示すものである。ＰＤＡ（個人用情報機器）装置または他のハンドヘルド装置により実現されるような携帯用ナビゲーション装置に本発明を適用することも可能であることを付記しておく。図４のブロック図では、ナビゲーションシステムは、地図情報を記憶するＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ、ハードディスク（以下“ＤＶＤ”）などの地図記憶媒体２１と、ＤＶＤから地図情報を読み出す処理を制御するＤＶＤ制御ユニット２２と、現車輌位置を測定する位置測定装置２３とを備える。位置測定装置２３は、移動距離を検出する車輌速度センサと、移動方向を検出するジャイロと、位置を算出するマイクロプロセッサと、ＧＰＳ受信装置とを備える。

図４のブロック図には、ＤＶＤ２１から検索される地図情報を記憶する地図情報メモリ２４と、ＤＶＤ２１から読み出されるポイントオブインタレスト（ＰＯＩ）情報などのデータベース情報を記憶するデータベースメモリ２５と、メニュー選択処理、拡大／縮小処理、目的地入力処理などを実行するリモートコントローラ２７と、リモートコントローラインタフェース２８とがさらに含まれる。

リモートコントローラ２７は、図５Ａに図示のような種々の機能キーと図５Ｂに図示のような数字キーとを有する。図５Ａの下部の蓋部分が開くと、数字キーが現れる。リモートコントローラ２７は、ジョイスティック／エンターキー２７ａ、ロータリエンコーダ２７ｂ、取り消しキー２７ｃ、ＭＰ／ＲＧキー２７ｄ、メニューキー２７ｅ、ズーム／スクロールキー２７ｑ、モニタオン／オフキー２７ｆ、リモコン式送信機２７ｇ、プランキー２７ｈ、Ｎ／Ｈキー２７ｉ、音声キー２７ｊ、リストキー２７ｋ、迂回キー２７ｌ、目的地削除キー２７ｍ、削除キー２７ｎ、数字キー２７ｏ、およびＯＫキー２７ｐを備える。

ジョイスティック／エンターキー２７ａは、メニュー内のハイライトされた項目を選択し、地図表示と車輌位置アイコンとを移動させる。ロータリエンコーダ２７ｂはズームスケールの変更、リストページのスクロール、カーソルの移動、等を行う。取り消しキー２７ｃは現在の表示画面の取り消し操作や、前のメニュー画面へ画面を戻すときの操作に使用される。ＭＰ／ＲＧキー２７ｄは、案内の最中に、詳細な地図表示と基本案内表示との間での切り替えを行う。メニューキー２７ｅはメインメニューを表示する。プランキー２７ｈは２以上の目的地を含むルートに対して案内を開始し、Ｎ／Ｈキー２７ｉはノースアップとヘディング・アップ方向間での変更を行い、音声キー２７ｊは音声による指示を開始する。

上述のようなリモートコントローラは、メニュー選択用、選択された機能の実行用等として代表的な例であるが、本ナビゲーションシステムは、リモートコントローラを介して実行される処理と同一あるいは同様の処理を達成する種々の別の入力方式が含まれる。例えば、本ナビゲーションシステムには、本ナビゲーションシステムのダッシュボードに装着されたヘッド・ユニットにハードキーおよびジョイスティックと、ディスプレイパネルのタッチ画面と、音声通信手段とが含まれる。

図４に戻って、本ナビゲーションシステムには、本システム内の上記ユニットのインタフェース用バス２６と、本ナビゲーションシステムの処理全体を制御するプロセッサ（ＣＰＵ）２９と、ナビゲーション制御に必要なルート探索プログラムとマップマッチプログラムなどの種々の制御プログラムが格納されたＲＯＭ３０と、案内ルートなどの処理結果が記憶されるＲＡＭ３１と、音声通信インタフェースと音声指示のための音声インタフェース／案内ユニット３２と、地図情報に基づいて地図画像（地図案内画像と矢印案内画像）を生成する表示制御装置３３と、表示制御装置により生成された画像を記憶するＶＲＡＭ（ビデオＲＡＭ）３４と、メニュー画像／種々のリスト画像を生成するメニュー／リスト生成用ユニット３５と、合成用ユニット３６と、ＰＯＩ表示用アイコンデータなどのデータを一時的に記憶するバッファメモリ３９と、本発明によるＰＯＩ表示処理を制御するＰＯＩ表示制御ユニット４０とがさらに含まれる。

ＰＯＩ表示制御ユニット４０は本発明の表示方法で主要な役割を果たすユニットである。ＰＯＩ表示制御ユニット４０は、ユーザが指定した探索方法に基づいて地図データ記憶装置２１から検索された地図データのチェックを行う。ＰＯＩ表示制御ユニット４０は、検索されたＰＯＩの各々が大構造物内に位置するかどうかを地図データでの点座標情報とポリゴン情報とに基づいて判定する。好適には、大構造物を記号化したアイコンを表すデータがバッファメモリ３９により記憶されていることが望ましい。

このようにして、ＰＯＩがショッピングモール、空港、駅などのような或る特定の大構造物に属することが決定されると、表示制御ユニット４０は特定の大構造物を表すアイコンをバッファメモリ３９から検索する。表示制御ユニット４０はモニタ３８を制御して、検索した上記アイコンをＰＯＩと共に画面に表示する。表示制御ユニット４０はモニタ３８をさらに制御して、ユーザがアイコンを指定したとき、大構造物に関する詳細情報を表示する。ＰＯＩ表示制御ユニット４０の構造および処理のさらなる詳細について図６を参照しながら以下開示する。

図６は、本発明の表示方法を実行する本ナビゲーションシステムの構造例を示す概略ブロック図である。上述したように、本ナビゲーションシステムは、ＰＯＩリスト画面に、大構造物を示すアイコンをＰＯＩ名の隣りにスーパーインポーズして、ＰＯＩがその大構造物内に位置することを示す。このような大複合施設を示すアイコンは、空港アイコン用の飛行機マークや駅のアイコン用の列車の画像などのように大構造物の機能や視覚像を示すように設計することが望ましい。しかし、大構造物を示すアイコンは単純な記号や数字あるいは色などの種々の形をとるものであってもよい。このような大構造物あるいは複合施設として、ショッピングモール、空港、駅、遊園地、軍事利用基地、スポーツスタジアム、オフィスビル、港、大学など、並びに、山、川、湖、砂漠、貯水池などの広い領域が含まれる。

図６のブロック図には、地図データ記憶装置２１、地図情報メモリ２４、ＰＯＩ表示制御ユニット４０、バッファメモリ３９、およびモニタ３８が含まれる。これらすべては図４のブロック図に示されている。地図データ記憶装置２１は本ナビゲーションシステムのデータベースである地図データを記憶する。地図データ記憶装置２１は、ＤＶＤ、ＣＤ−ＲＯＭ、ハードディスクあるいは大量の地図データを記憶することが可能なその他の任意の記憶媒体である。本ナビゲーションシステムがインターネットなどの通信ネットワークを介してリモートサーバと組み合わされた場合、リモートサーバ内の地図データ記憶装置から上記のような地図データをユーザへ供給することが可能となる。ＣＰＵ２９（図４）の制御の下で、地図データは地図データ記憶装置２１から取り出され、次いで、地図情報メモリ２４へ送られて、ＰＯＩ表示制御ユニット４０がこのデータにアクセスすることが可能となる。

ＰＯＩ表示制御ユニット４０はユーザの現在位置を示す位置データをＣＰＵ２９から受け取り、地図情報メモリ２４から地図データを受け取る。ＰＯＩ表示制御ユニット４０はＰＯＩが大構造物内に位置するかどうかに関して地図データのチェックを行う。ＰＯＩが大構造物内に位置すれば、ＰＯＩ表示制御ユニット４０は、バッファメモリ３９をチェックして、地図データ内のＰＯＩと関連する大構造物の種別を示すアイコンを検索する。ＰＯＩ表示制御ユニット４０は、ＰＯＩリストと、大構造物を示すアイコンとを送信して、モニタ３８にその検索結果を表示する。

本発明のナビゲーションシステムにおける図７Ａ〜７Ｂの表示例を参照しながらここで図６のブロック図の基本処理について説明する。まず、ユーザは目的地入力法として、“ポイントオブインタレスト”を設定し（図７Ａ）、次いで、“場所の種別”または“場所の名称”などＰＯＩ名をリストする方法を選択する（図７Ｂ）。本例では、ユーザは“場所の種別”による方法を選択する。これに応じて、本ナビゲーションシステムはＰＯＩデータべースメモリ２５を参照して図７Ｃに示すようなＰＯＩのリスト種別（カテゴリ）を表示する。本例では、ユーザは“ファーストフード(FAST FOODS)”を選択する。

これに応じて、本ナビゲーションシステムは、ＰＯＩ情報を含む地図データを地図データ記憶装置２１から検索し、地図情報メモリ２４に記憶する。ＰＯＩ表示制御ユニット４０は地図情報メモリ２４から得た地図データのチェックを行って、検索したＰＯＩが大構造物内に位置するかどうかを調べる。図１０と図１１を参照して後述するように、検索したＰＯＩが大構造物内に位置するかどうかを判定するための情報は、既存の地図データ記憶装置に記憶された地図データから利用することが可能である。大構造物内に位置するＰＯＩが存在すれば、ＰＯＩ表示制御ユニット４０はその大構造物の種別に関する情報を検出する。次いで、ＰＯＩ表示制御ユニット４０は大構造物の種別と一致するアイコンデータをバッファメモリ３９から検索する。このようにして、大構造物内に位置するＰＯＩに関して、そのＰＯＩ名にアイコンデータが付けられる。

上記位置データに基づいて、ＰＯＩ表示制御ユニット４０は、例えば、ユーザの現在位置からの距離順にＰＯＩリストを配列し、このＰＯＩリストをモニタ３８へ送信する。モニタ３８は図７Ｄに図示のような大構造物のアイコンと組み合わされたＰＯＩリストを表示する。例えば、“カール・ジュニア”がそれよりも大きな構造物内に位置することを示す“アイコン”が、“カール・ジュニア”の隣りに表示される。図７Ｄでは“アイコン”はテキスト形式で示されているが、実際の実施例では、大構造物の種別を示すビデオ画像のアイコンを画面に表示することが望ましい。ＰＯＩが大構造物内に位置しないことを示すアイコンを表示することも可能ではあるが、ＰＯＩが大構造物内に位置しない場合、アイコンは表示されない。ユーザがこの大構造物に関するさらに詳細な情報を所望する場合、ユーザは特定のアイコンを選択して、大構造物に関する詳細情報を地図データから検索する。

図８は、本発明で大構造物の種別を示すのに用いるアイコン例を示す図である。アイコン９１は空港を示し、ＰＯＩが空港内に位置することを示す。アイコン９３は駅を示し、ＰＯＩが駅内に位置することを示す。アイコン９５はショッピングモールを示し、ＰＯＩがショッピングモール内に位置することを示す。図８に示されているのは３つの例にすぎないが、別の大構造物を表すその他の多くのアイコンが考えられる。例えば、オフィスビルを表すアイコン、スポーツスタジアムを表すアイコン、大学を表すアイコン等が考えられる。好ましい実施形態では、アイコンは、多くの大構造物の種別を提示する視覚像を描いて、ユーザが大構造物の種別を迅速に認識できるようにする。あるいは、アイコンは単に記号、数字または色のうちの１つあるいはこれらの組み合わせであってもよい。大構造物の種別を示すアイコン用としてボタンやマークの使用も可能である。

本発明を実現する表示画面の１例が図９Ａに示されているが、この図は図７Ｄのさらに詳細な図である。図９Ａでは、本ナビゲーションシステムの表示には、ＰＯＩが大構造物内に位置する場合、ＰＯＩ名の隣りにスーパーインポーズされたアイコンが含まれる。例えば、図８で示したショッピングモールのアイコン９５は、ＰＯＩである“ハンバーガーキング”がショッピングモール内に位置することを示すために該“ハンバーガーキング”名の隣りに示されている。

同様に、図８に示した空港アイコン９３は“ケンタッキーフライドチキン”名の隣りに示され、これによりＰＯＩである“ケンタッキーフライドチキン”が空港内に位置することを示している。このような大構造物に関する情報がアイコンによって示されるため、或る特定のＰＯＩがある特定種別の大構造物内に位置することがユーザにはひと目で簡単に認識できる。さらに、表示画面に関する情報テキストが必要とするスペースよりもアイコンが占めるスペースの方が少ないため、本発明は既存のナビゲーション表示部で効果的に実現することが可能である。

ユーザが画面のアイコンを指定すると、本ナビゲーションシステムは大構造物に関する情報を示す。例えば、図９Ｂには、ユーザが図９Ａに図示の“ケンタッキーフライドチキン”の隣りの空港アイコン９１を選択した状態が示されている。次いで、図９Ｂに図示のように、ポップアップ画面が現れ、空港の名称、その番地および電話番号などを含む詳細情報が示される。上記機能は、ユーザがさらに詳細な情報を取得するために設けられたものではあるが、或る特定のＰＯＩが独立したＰＯＩであるか、あるいはＰＯＩが大構造物内に位置しているかどうかをユーザが知りたいだけであれば、この機能は必要ではない場合もある。

上記とは別に、ユーザは、アイコンが表示される度に画面のアイコンを指定して、大構造物に関する詳細情報を取得する必要はない。例えば、ユーザと本ナビゲーションシステム間での音声による通信を介して詳細情報を知らせることが可能である。ポップアップ画面に示される情報は、営業時間、その他の設備、料金および課金、特別のイベントなどを含むさらに詳細なものとすることも可能である。さらに、情報は、図９Ｂの例ほど詳細ではないものにすることも可能であり、例えば、ポップアップ画面が大構造物の名称のみをリストするようにしてもよい。

本ナビゲーションシステムは個々のＰＯＩ用の対応する大構造物を示すものであるため、ユーザは、どのＰＯＩがユーザの状況にとって最も望ましいものがあるかに関する決定を行うことができる。例えば、図９Ａを参照すると、ユーザは、ショッピングモール内に位置することが示されている“ハンバーガーキング”は避けたいと思うかもしれない。というのは、モール内の駐車場が“ハンバーガーキング”の近くに存在しない場合、ショッピングモールでの駐車が厄介であるという事情があったり、ショッピングモールが駐車料金を課したりすることが考えられるからである。その場合、ユーザは、たとえ“カール・ジュニア”の方が“ハンバーガーキング”と比べて現在の所在位置からずっと遠くにあったとしても、“カール・ジュニア”へ行くことを選ぶことが考えられる。一方、ハンバーガを食べる他にショッピングモールでのショッピングをユーザが望むとき、ユーザは“ハンバーガーキング”へ行くことを選ぶかもしれない。このようにして、ユーザは、どのＰＯＩを選択すべきかを決定する際に、さらに多くの考慮を働かせることが可能となる。

図１０は本ナビゲーションシステムの地図化された画面の１例を示す図であり、本発明におけるさらに大きな構造内のＰＯＩを示すものである。本例では、いくつかのＰＯＩが大構造物内に位置することが示されているが、この場合地図上の実線の円はＰＯＩの位置を示す。陰を付けた領域はその領域がショッピングモール、空港、駅などの大構造物であることを示す。本例では、陰付きの領域によって示される大構造物はショッピングモールである。

図４や図６のＤＶＤなどの地図データ記憶装置２１から現在利用可能な地図データにおいて、個々のＰＯＩの所在位置は、ＰＯＩが位置する点の座標情報により表される。また、地図データにおいて、大構造物を示す陰付きの領域は、所在位置と該領域の形状とを示すポリゴン情報により表される。ポリゴン情報は、ショッピングモール、空港、学校などのような大構造物を示す領域、あるいは、軍事利用基地、山、川、湖、砂漠、貯水池などの土地を示す領域、並びに、それらの名称を含んでいる。したがって、本ナビゲーションシステムは、地図データ記憶装置２１から検索された地図データに基づいて、或る特定のＰＯＩが大構造物内に位置するかどうかを識別することができる。例えば、本ナビゲーションシステムは、上記点座標データとポリゴンデ−タを比較し、ポイントオブインタレストの点が大構造物のポリゴンデ−タの境界内に位置するかどうかを決定する。

図１１は、図１０の例における、大構造物と、大構造物内のＰＯＩとの間での上記のような関係を概略的に示す図である。上述したように、検索されたＰＯＩがいずれかの大構造物に属するかどうかに関する関係は地図データからすぐに利用可能であるか、地図データ記憶装置から一般に利用可能な地図データをチェックすることによりこの関係を決定することが可能である。したがって、図１１では、本ナビゲーションシステムによって、ファーストフードＰＯＩである“ハンバーガーキング”や“ピザハット”等が大構造物である“デルアモ・ファッションセンタ”内に位置することを決定することができる。

たとえ、ＰＯＩ所在位置（座標点情報）と大構造物（ポリゴン情報）との間の関係が、地図データからすぐに利用可能ではなくても、本ナビゲーションシステムは、地図データ内のＰＯＩの位置、および、大構造物の位置とサイズとを分析することによりＰＯＩが大構造物内に存在するかどうかを検出することができる。本ナビゲーションシステムの処理速度が比較的高速な場合、この構成は効果的なものになる。さらに、この方法には、使用する記憶域が少なくて済むという利点がある。というのは、ＰＯＩと大構造物との間の関係を示すデータを地図データ記憶媒体に記憶する必要がないからである。

大構造物を示すアイコンをＰＯＩ名の隣りに表示する処理について、図７Ａ〜７Ｄの表示例に対応する図１２のフローチャートを参照しながら説明する。まず、ユーザはステップ１０１で目的地の入力方式を“ポイントオブインタレスト”に設定する（図７Ａ）。次に、ユーザは、ＰＯＩ名を名称リストでリストする方法をステップ１０２で選択する（図７Ｂ）。このようにして、ユーザは、“場所の種別”か“場所の名称”かのいずれかにより目的地を見つけるかの選択を行うことができる。“場所の種別”により目的地を見つける方を選択した場合、ユーザは、“ファーストフード”により目的地を見つけることを選ぶことができる（図７Ｃ）。したがって、ステップ１０３で、本ナビゲーションシステムは、ユーザの現在位置からの距離によりソートされるような所定の順序で、ファーストフードＰＯＩをステップ１０３でリストする（図７Ｄ）。

ステップ１０４で、本ナビゲーションシステムは、抽出されたＰＯＩが大構造物のある領域内に位置するかどうかを判定し、大構造物の種別を決定する。次いで、本ナビゲーションシステムはショッピングモールなどの大構造物の種別を表すアイコンをバッファメモリ３９などから検索し、ステップ１０５でアイコンをＰＯＩリストに重ね合わせる。このステップは図９Ａの画面表示に対応する。大構造物アイコンの例が図８に示されている。大構造物に関するさらに詳細な情報をユーザが望む場合、ユーザは対応するアイコンをステップ１０６で選択することにより表示画面の特定の大構造物を選択することができる。ステップ１０７で、本ナビゲーションシステムは大構造物の名称、番地、電話番号などの詳細情報を示す。このステップは図９Ｂに示す画面表示に対応する。

上述したように、本発明のナビゲーションシステムは、或る特定のＰＯＩが大構造物内に位置するとき、大構造物の存在をユーザに示すことができる。したがって、ユーザは、当該特定のＰＯＩが大構造物内に位置するという理由で、当該特定のＰＯＩの方へ行かないことを決定することができる。あるいは上記とは別に、ユーザは、ショッピングをしたり、洗面所を使用したりするなどのためにその大構造物を利用することができるという理由で、当該特定のＰＯＩへ行くことを決定する。本ナビゲーションシステムは、画面の情報を効果的に最小化して、テキストデータではなくアイコンを示すことにより運転に対するユーザの注意が逸らされるのを防ぐことができる。さらに、本発明は、アイコンが表示部で多くのスペースを占めないため、表示部用のスペースが制限される従来のナビゲーションシステムに対しても容易に本発明を実現することが可能である。

好ましい実施形態を参照しながら本明細書で本発明について説明してきたが、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱することなく種々の修正と変形とを行うことが可能であることはすぐに理解されるであろう。このような修正と変形は添付の請求項およびそれらの均等物の範囲内に属すると考えるべきものである。

目的地を選択するためのナビゲーションシステムに含まれる処理プロセスと画面表示の例を示す概略図である。 特定のポイントオブインタレストが位置する状況の例を示す概略図であり、図２Ａは、ポイントオブインタレストが大構造物内に位置しない状況を示し、図２Ｂはポイントオブインタレストが大構造物内に位置する状況を示す。 従来のナビゲーションシステムの画面の例を示す概略図であり、図３Ａは、ＰＯＩに対応する大構造物に関する情報が含まれない表示例を示し、図３Ｂは大構造物に関するテキスト情報がリスト内のＰＯＩ名に追加された表示部を示す。 本発明を実現するための車輌用ナビゲーションシステムにおける構造の１例を示すブロック図である。 本発明の車輌用ナビゲーションシステムで併用されるリモートコントローラの例である。 車輌用ナビゲーションシステムの構造の１例を示すブロック図であり、本発明の表示方法を実行する必須構成要素が示されている。 本発明のナビゲーションシステムにおけるＰＯＩのカテゴリを指定することにより、目的地として特定のＰＯＩを選択する処理と画面表示の例を示す概略図である。 本発明のナビゲーションシステムにおいて特定種別の大構造物を表すのに用いるアイコンの例を示す。 本発明のナビゲーションシステムにおけるいくつかの大構造物の種別を表すアイコンと共にＰＯＩをリストする表示例を示す概略図であり、図９Ａはいくつかの大構造物の種別を表すアイコンと共にＰＯＩのリストを示し、図９Ｂは、アイコンがユーザにより指定された後、上記大構造物に関する詳細情報を示すポップアップ画面と共にＰＯＩのリストを示す図である。 本発明のナビゲーションシステムで使用するＰＯＩを指定する点座標データと、大構造物を指定するポリゴンデ−タとを含む、地図データ記憶装置から検索された地図データに基づいて地図画像の１例を示す概略図である。 図１０における大構造物とその大構造物内のＰＯＩとの間の関係を示す概略図である。 本発明のナビゲーションシステムにおいて、探索方法を選択し、大構造物に関する情報と一体にＰＯＩのリストを表示する処理の流れを示すフローチャートである。

符号の説明

２１ 地図データ記憶装置
２４ 地図情報メモリ
３８ モニタ
３９ バッファメモリ
４０ ＰＯＩ表示制御ユニット

Claims (2)

1. ポイントオブインタレストのリストを表示するナビゲーションシステムの表示方法において、
   地図データ記憶装置から地図データを受け取り、ユーザが指定したポイントオブインタレストに関する情報を検索するステップ、
   前記検索した情報内の前記ポイントオブインタレストが大構造物内に位置するかどうかをチェックするステップ、
   大構造物内に前記ポイントオブインタレストが位置する場合には、該大構造物の種別を求めるステップ、
   該大構造物の種別を表すアイコンを検索するステップ、
   前記大構造物の種別を表すアイコンと共に前記大構造物内に位置する前記ポイントオブインタレストの名称をモニタ画面に表示するステップ、
   を備えたことを特徴とするナビゲーションシステムの表示方法。
2. ナビゲーションシステムの表示装置において、
   地図データ記憶装置から地図データを受け取り、ユーザが指定したポイントオブインタレストに関する情報を検索する手段、
   前記検索した情報内の前記ポイントオブインタレストが大構造物内に位置するかどうかをチェックする手段、
   大構造物内に前記ポイントオブインタレストが位置する場合には、該大構造物の種別を識別する手段、
   該大構造物の種別を表すアイコンを検索する手段、
   前記大構造物の種別を表すアイコンと共に前記大構造物内に位置する前記ポイントオブインタレストの名称をモニタ画面に表示する手段、
   を備えたことを特徴とするナビゲーションシステムの表示装置。

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