JP6056523B2 - 旅行時間予測装置及び経路探索システム - Google Patents
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そこで、各車両が実際に道路を走行しながら送信したプローブ情報を、道路に設置された無線通信機を通じてサーバ装置が収集し、これらプローブ情報に基づいて各道路区間の旅行時間を算出し蓄積するようにしている。すなわち、プローブ情報には、車両の位置の情報と、その位置での時刻の情報とが含まれることから、サーバ装置は、各道路区間を走行する車両からプローブ情報を収集することにより、各道路区間を走行するために車両が要した時間(旅行時間)を求めることが可能となる。そして、旅行時間は道路区間毎に求められ、道路区間毎の旅行時間の情報としてサーバ装置に蓄積されている。
これに対して、ある道路区間の途中やその周囲に、例えばコンサート会場が存在しており、この会場でイベントが特定日に開催されると、そのイベントの開催時間帯及びその前後の時間帯では、周辺道路が渋滞する。
そこで、例えば、特許文献1には、イベントの開催内容に関するイベント情報を取得し、イベントに起因する渋滞を予測する方法が提案されている。
つまり、特許文献1の旅行時間の予測は、過去に同じ場所で同じイベントが開催された実績があることが前提にあり、未知のイベントが開催される場合には対応不可能である。
また、所定イベントと異なるが種類が同じである類似イベントの所定会場での開催実績が取得されると、この開催により影響を受けた道路区間の旅行時間を用いて、対象道路区間の旅行時間を求めることで、仮に、所定イベントが所定会場で開催された実績がなくても、対象道路区間の旅行時間を予測することができる。
つまり、所定イベントが所定会場で初めて開催される場合にも、その所定イベントにより影響を受ける旅行時間の予測が可能となる。
この場合、対象道路区間の旅行時間を求めるために評価情報を活用することができる。
(3)例えば、評価情報の活用の例として、旅行時間予測装置は、これから開催される又は過去に開催されたイベントの情報を蓄積するイベント情報データベースを、更に備え、前記予測部は、前記イベント情報データベース中の情報から、前記評価情報に基づいて前記所定イベントに最も類似する類似イベントを決定する。
この場合、これから所定イベントと異なるが所定イベントと種類が同じであってこの所定イベントと最も類似する類似イベントを、評価情報(イベントの評価)に基づいて決定することで、類似性の高い類似イベントを見つけることが可能となる。
(4)また、前記予測部は、前記イベント情報データベースに蓄積されている過去に開催された複数のイベントのうち、これから開催される前記所定イベントと前記評価情報が類似しているイベントを、当該所定イベントに最も類似する類似イベントとして決定するのが好ましい。
この場合、取得部によって、これから開催される前記所定イベントの評価を示す評価情報及び過去に開催されたイベントの評価を示す評価情報が取得されると、予測部は、イベント情報データベースに蓄積されている過去に開催された複数のイベントのうち、これから開催される所定イベントと評価情報が類似しているイベントを、この所定イベントに最も類似する類似イベントとして決定することができる。
この場合、過去の実績に基づいて、所定イベントがこれから開催されることで影響を受ける道路区間の旅行時間を求めることが可能となる。
この場合、所定イベントの開催実績があっても、所定イベントの注目度がその開催当時(過去)と現在とで異なることもあるため、旅行時間に及ぼす影響の度合いが現在と過去とで異なることもあり得る。そこで、イベント時旅行時間データベースから抽出した旅行時間を、これから開催される所定イベントの評価情報及び過去に開催された所定イベントの評価情報に基づいて補正し、対象道路区間の旅行時間を求めることで、旅行時間の予測精度を高めることが可能となる。
この場合、別の会場で所定イベントが開催されたことにより、その別の会場周囲の道路区間では旅行時間について影響を受けるが、その影響を受けた道路区間の旅行時間の変化率を取得することで、所定イベントがこれから開催されることによる旅行時間への影響の度合いを取得することができる。そして、所定会場で類似イベントが開催されると旅行時間について影響を受ける道路区間は、所定会場で所定イベントがこれから開催される場合にも旅行時間について影響を受ける道路区間であるとみなし、所定会場で類似イベントが開催された際に影響を受けた道路区間の旅行時間を、前記変化率を用いて補正し、補正した旅行時間を、所定会場で所定イベントがこれから開催される場合の対象道路リンクの旅行時間として推定する。
この場合、所定会場で類似イベントが開催されたことで旅行時間について影響を受けた道路区間は、所定会場で所定イベントがこれから開催される場合にも旅行時間について影響を受ける道路区間であるとみなし、所定会場で類似イベントが開催されたことで影響を受けた道路区間の旅行時間を、所定会場で所定イベントがこれから開催される場合の対象道路リンクの旅行時間として推定する。
この場合、別の会場で類似イベントが開催されたことにより、その別の会場周囲の道路区間では旅行時間について影響を受けるが、その影響を受けた旅行時間の変化率を取得することで、類似イベントが開催されたことによる旅行時間への影響の度合いを取得することができる。そして、所定会場でイベントが開催されると旅行時間の変化が起きやすい道路区間が決定され、この決定された道路区間の旅行時間を、前記変化率を用いて補正し、補正した旅行時間を、所定会場で所定イベントがこれから開催される場合の対象道路リンクの旅行時間として推定する。
本発明によれば、旅行時間予測部が前記(1)〜(9)のいずれかに記載の旅行時間予測装置であることから、所定イベントが所定会場で初めて開催される場合にも、その所定イベントにより影響を受ける旅行時間の予測が可能となる。
このため、経路探索が行われる対象領域中に、所定会場で所定イベントが初めて開催され、交通量が増えて交通渋滞が発生することが予想されるような場合であっても、この交通渋滞を考慮した経路探索を行うことができる。
本発明の経路探索システムによれば、経路探索が行われる対象領域中に、所定会場で所定イベントが初めて開催され、交通量が増えて交通渋滞が発生することが予想されるような場合であっても、この交通渋滞を考慮した経路探索を行うことができる。
〔1. 全体構成〕
図1は、本発明の経路探索システムの全体構成図である。この経路探索システムには、中央装置1、車載装置3、車載装置3を搭載した車両4、及び、車載装置3と無線通信する路側通信機5等が含まれる。
この経路探索システムは、各道路区間の旅行時間を用いて経路探索を行うことができ、この経路探索を実質的に行う経路探索装置7と、この経路探索のために用いる旅行時間を求める旅行時間予測装置2(以下、予測装置2という)とを備えている。本実施形態では、中央装置1が経路探索装置7及び予測装置2を備えている。
「所定イベント」には、これから開催されるイベントと、過去に開催されたイベントとがある。
「類似イベント」は、所定イベントと異なるがこの所定イベントと種類が同じイベントである。
なお、「過去に開催されたイベント」には、過去に開催された所定イベントの他に、過去に開催され類似イベント等、いろいろな過去に開催されイベントが含まれる。
単に「イベント」と記載している場合、所定イベント、類似イベント等、いろいろなイベントが含まれる。
車載装置3はGPS機能を有しており、車両4の位置をGPS信号に基づいて算出する。また、車載装置3は時計機能を有しており、各位置の通過時刻を示す情報を取得可能である。なお、プローブ情報は、プローブカーデータ、又は、フローティングカーデータともいう。
車載装置3は、車両4に固定された装置以外に、例えばドライバが携帯しているスマートフォン等の携帯端末であってもよい。
図2は、中央装置1の概略構成を示すブロック図である。中央装置1は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等のサーバコンピュータを備えている。このサーバコンピュータは、CPUを有する中央処理ユニット10と、通信インタフェースからなる通信部11と、ハードディスク等からなる記憶部12とを備えている。前記経路探索装置7及び前記予測装置2として機能させるためのコンピュータプログラムが、このサーバコンピュータにインストールされており、このコンピュータプログラムが中央処理ユニット10により実行されることで、このサーバコンピュータが経路探索装置7及び予測装置2として機能する。
イベント情報データベース31(図3参照)は、イベントに関する基本的な情報を格納しており、過去に開催されたイベント及びこれから開催される将来のイベントの情報が蓄積されている。このデータベース31には、イベント毎に、識別情報(イベントID)、開催日、開催時間(開始時刻と終了時刻)、場所、イベント種類及びイベント名等が、相互に対応付けられて蓄積されている。このデータベース31に格納する情報は、予測装置2(後述の取得部21)が有するWebクローリングの機能によって、ワールドワイドウエブ(Web)から、定期的に収集される。
これに対して、ネガティブユーザ数データベース37(図8参照)は、各イベントについて情報提供した単一ユーザ数のうち、ポジティブな発言が半分を超えているユーザ数を、イベントIDと対応付けて格納する。
ネガティブとポジティブの判別は、予測装置2(後述の取得部21)が有する言語処理機能により行われ、例えば、否定表現、肯定表現、願望表現等を識別することにより行われる。また、肯定表現が含まれていなくても、イベントの情報のみを発言したユーザは、宣伝効果が見込めるため、ポジティブなユーザとして計上する。
データベース34(35,36,37)に格納されている情報(ユーザのリアクションに関する情報)は、各イベントの評価を示す評価情報であると言える。
図9に示すように、車両4の車載装置3から、経路探索の要求信号が送信されると、経路探索装置7は、その車両4の出発地(現在地)から目的地までの所要時間(総旅行時間)を求める処理、及び、目的地までの経路探索の処理を行うことができる。
しかし、出発地から目的地までの間の道路リンク(L1)の近くに、コンサート会場Aが存在しており、この会場AでコンサートイベントG1がこれから開催される場合、このイベントG1の開催時間帯及びその前後の時間帯では、周辺道路が渋滞する。なお、イベントG1は、前記経路探索の処理等が行われる当日に、しかも、出発地の時刻から目的地に到着する時刻までの間に、開催される予定である。
そして、経路探索装置7は、対象道路リンクについては、通常旅行時間データベース32に蓄積されている「通常の旅行時間」の代わりに、予測装置2が求めた旅行時間(予測旅行時間)を用いる。つまり、経路探索装置7は、イベントG1の影響を考慮して目的地までの所要時間を算出したり、経路探索を行ったりする。
取得部21は、イベント情報データベース31(図3)を参照し、会場(A)でのイベント(G1)の開催実績を取得可能である。さらに、取得部21は、イベント情報データベース31を参照し、会場(A)とは別の会場でのイベント(G1)の開催実績、及び、イベント(G1)と異なるがこのイベント(G1)と種類(分類)が同じ類似イベント(G2)の会場(A)での開催実績を取得可能である。
そして、予測部22は、この取得部21による取得結果に応じて、対象道路リンクの旅行時間を求める(予測する)処理を行う。
車載装置3から出発地から目的地までの経路探索を要求する要求信号が送信され、この要求信号を経路探索装置7が受信すると、その目的地までの途中又はその近傍に本日開催のイベントが存在するか否かの判定を行う。なお、この判定は、イベント情報データベース31を参照することにより行われる。
以下に説明する各例(その1〜その4)では、図9に示すように、会場A(所定会場)でコンサートイベントG1(所定イベント)が開催される。そこで、中央装置1は、予測装置2を機能させる。図10は、予測装置2が行う予測処理の一部を示すフロー図である。
なお、このイベントG1のイベント名を、以下の説明では「G1」とする。また、このイベントG1により、少なくとも道路リンクL1で旅行時間について影響を受ける。また、要求信号が送信され経路探索の処理が行われる時刻は15:15であり、これから開催されるイベントG1が、この経路探索の処理と同日であって、休日の時刻23:45に開始される場合について説明する。
取得部21は、イベント情報データベース31(図3)を参照し、これから開催される会場AでのイベントG1と同じである、会場AでのイベントG1の開催実績を検索する。ここでは、この開催実績があると仮定する(図10のステップS1でYes)。つまり、会場Aで、過去に全く同じイベントG1が開催されたことがある。図11(A)に示すように、イベント情報データベース31には、過去に開催された会場AでのイベントG1の情報が蓄積されている。
また、過去にイベントG1が会場Aで開催されたことで、この開催により会場Aの周辺道路リンク(影響道路リンク)L1では、渋滞が発生しており、図11(B)に示すように、その際の旅行時間が、イベント時旅行時間データベース33に、このイベントG1のイベントID「101」と、影響道路リンクL1のリンクID「L1」と対応付けられて蓄積されている。
さらに、過去にイベントG1が実施されていることで、ポジティブユーザ数データベース36、ネガティブユーザ数データベース37には、この過去のイベントG1が開催された時期のユーザ数が蓄積されている。そして、現在においても、同じイベントG1がこれから開催されることから、データベース36,37には、これから開催されるイベントG1のユーザ数も蓄積されている。
図10のステップS2において、取得部21により判定処理が行われるが、ここでは、その判定結果を「No」として次のステップS3を説明する。
このステップS3では、取得部21が、イベント情報データベース31(図11(A)参照)の中から、これから開催されるイベント名「G1」と一致するイベントを検索し、このデータベース31から、会場Aでの開催実績のあるイベントG1のイベントID「101」を取得する。
前記のとおり、会場AでのイベントG1の開催実績があっても、このイベントG1の注目度が、その開催当時(過去)と現在とで異なることもあるため、対象道路リンクの旅行時間に及ぼす影響の度合いが、現在と過去とで異なることもあり得る。
そこで、予測部22は、ポジティブユーザ数データベース36とネガティブユーザ数データベース37との内の少なくとも一方を参照する。そして、予測部22は、データベース36(37)に蓄積されている過去に開催されたイベントG1に関するユーザ数と、データベース36(37)に蓄積されているこれから開催されるイベントG1に関する現在のユーザ数との差(変化)を求める。この差が、予め設定されている閾値よりも大きい場合(ステップS2のYes)、予測部22は、ステップS3で用いたイベント時旅行時間データベース33中の道路リンク「L1」の旅行時間を、補正する処理を行う(ステップS4)。
つまり、予測部22は、データベース33から抽出した旅行時間を、これから開催されるイベントG1の評価を示す評価情報と、既に開催された過去のイベントG1の評価を示す評価情報とに基づいて補正し、対象道路リンクの旅行時間を求める。このように、過去の実績の情報のみを用いるのではなく、現在の評価情報を用いて補正することにより、旅行時間の予測精度を高めることが可能となり、また、旅行時間についてリアルタイム性を持たせることが可能となる。
取得部21は、イベント情報データベース31(図3)を参照し、これから開催される会場AでのイベントG1と同じである、会場AでのイベントG1の開催実績を検索する。ここでは、この開催実績が無いと仮定する(図10のステップS1でNo)。しかし、過去に、同じイベントG1が、会場Aとは異なる別の会場Bで開催された実績があり(図10のステップS20でYes)、かつ、過去に、会場Aでは、イベントG1と異なるが種類が同じイベントG2が開催された実績がある(図10のステップS21でYes)と仮定する。
なお、「種類が同じイベント」とは、イベントをその内容に基づいて分類した場合に同類となるイベントのことである。例えば、女性歌手Pのコンサートと、男性歌手Qのコンサートとでは、具体的なイベントは異なるが、コンサートという分類が同じであるため、これらコンサートは種類が同じコンサートであると言える。
また、図13(A)は、通常時旅行時間データベース32であり、このデータベース32には、前記影響道路リンクL7,L8,L9の、イベントが開催されていない通常時における平日、休日の平均旅行時間が蓄積されている。
取得部21は、イベント情報データベース31から、会場AでのイベントG1の開催実績を検索するが、実績がないので、このデータベース31の中から、会場Aで開催実績のある種類が同じイベントを検索する。図12(A)において、このデータベース31から、会場Aでの開催実績のあるイベントG2を見つけることができ、そのイベントID「202」を取得する。
予測部22は、イベント時旅行時間データベース33(図12(B))の中から、取得部21が取得したイベントID「202」及びこれに対応する道路リンクL1を見つけることができる。つまり、会場AでイベントID「202」のイベントが開催されたことで、旅行時間が変化した(増加した)道路リンクL1を見つけることができる。
予測部22は、取得部21が取得したイベントID「201」に基づいて、別の会場BでイベントG1が開催されたことにより影響を受けた会場B周囲の道路リンクL7,L8,L9(図9参照)の旅行時間を、イベント時旅行時間データベース33(図13(B))から抽出することができ、また、この道路リンクL7,L8,L9の通常時の旅行時間を通常時旅行時間データベース32(図13(A))から抽出することができる。
そして、予測部22は、別の会場BでイベントG1が開催されたことにより影響を受けた会場B周囲の道路リンクL7,L8,L9(図9参照)の旅行時間の変化(渋滞量の変化)の度合い(α)を求める。
また、予測部22は、図13(A)のデータベース32の情報に基づいて、影響を受けた前記道路リンクL7,L8,L9について、イベントAが会場Aでこれから開始される時刻(23:45)を含む時間帯での通常時の旅行時間の累積値(累積旅行時間)を求める。図13(A)の場合、25+15+70=110(秒)である。
そして、この変動率αを乗算した旅行時間を、イベントG1が会場Aでこれから開催されることにより旅行時間について影響を受ける対象道路リンク(L1)の旅行時間として適用する。
そして、会場Aで類似イベントG2が開催されると旅行時間について影響を受ける道路リンクは、会場AでイベントG1が開催される場合にも旅行時間について影響を受ける道路リンクであるとみなし、会場Aで類似イベントG2が開催された際に影響を受けた道路リンクL1の旅行時間を、前記変化率αを用いて補正し、補正した旅行時間を、会場AでイベントG1がこれから開催される場合の対象道路リンクの旅行時間として推定することが可能となる。
取得部21は、イベント情報データベース31(図3)を参照し、これから開催される会場AでのイベントG1と同じである、会場AでのイベントG1の開催実績を検索する。ここでは、この開催実績が無いと仮定する(図10のステップS1でNo)。さらに、過去に、同じイベントG1について、別の会場でも開催された実績がない(ステップS20でNo)と仮定する。しかし、過去に、会場Aでは、イベントG1と異なるが種類が同じイベントG2が開催された実績がある(ステップS30でYes)と仮定する。
また、会場Aでこれから開催されるイベントG1のコンサート名は「○○コンサート」であるのに対して、過去に開催されたイベントG2,G3,G4それぞれは、図14に示すように「××コンサート」「△△コンサート」「□□コンサート」である。なお「種類が同じイベント」とは、イベントをその内容に基づいて分類した場合に同類となるイベントのことである。
図14において、イベント情報データベース31から、会場AでのイベントG1「○○コンサート」の開催実績を検索するが、実績がないので、取得部21は、このデータベース31の中から、会場Aで開催実績のある種類が同じイベントを検索する。図14において、データベース31から、会場Aでの開催実績のあるイベントG2,G3,G4を見つけることができ、そのイベントID「302,309,310」を取得する。
また、図15(B)に示すユーザ数データベース35から、会場Aでこれから開催されるイベントG1の“ユーザ数“を抽出する。
そして、これら“ユーザ数”同士の差(絶対値)を求める。なお、この差は、時間帯毎のユーザ数の差である。
さらに、これら差について、経路探索の処理を行う時刻(15:15)を含む時間帯までの合計σを求める。このようにして算出された合計の値σ302、σ309、σ310を「ユーザ数スコア」と呼ぶ。
σ302=|40-30|+|50-45|+|70-60|+|80-70|+・・・+|170-150|=55
イベントIDが「309」のイベント(G3)に関して次の計算を行う。
σ309=|20-30|+|30-45|+|40-60|+|50-70|+・・・+|65-150|=150
イベントIDが「310」のイベント(G4)に関して次の計算を行う。
σ310=|30-30|+|60-45|+|70-60|+|100-70|+・・・+|150-150|=55
さらに、ネガティブユーザ数データベース37に蓄積されているネガティブユーザ数についても、前記の合計σ302、σ309、σ310を求める処理と同様の処理が行われ、算出された合計の値σn302、σn309、σn310を「ネガティブスコア」と呼ぶ。
本実施形態では、イベントG2に関してスコアを加算すると、55+35+20=110となる。イベントG9に関してスコアを加算すると、150+200+110=460となる。イベントG10に関してスコアを加算すると、55+80+20=155となる。
つまり、本実施形態では、図16に示すように、イベント時旅行時間データベース33に蓄積されている旅行時間の情報のうち、イベントG2のイベントID「302」に対応する旅行時間を、対象道路リンクの旅行時間として適用する。
取得部21は、イベント情報データベース31(図3)を参照し、これから開催される会場AでのイベントG1と同じである、会場AでのイベントG1の開催実績を検索する。ここでは、この開催実績が無いと仮定する(図10のステップS1でNo)。さらに、過去に、同じイベントG1について、別の会場でも開催された実績がなく(ステップS20でNo)、過去に、会場Aでは、イベントG1と異なるが種類が同じイベントG2も開催された実績がない(ステップS30でNo)と仮定する。
つまり、イベントG1は、会場Aでこれから新規に開催されるイベントであり、会場Aのみならず、別の会場でも過去に開催された実績はなく、さらに、会場Aでは、過去に、種類が同じイベントすら開催されたこともない。
このように、過去に会場Bで種類が同じイベントG11,G12,G13が開催されていることで、図18(A)に示すように、これらイベントG11,G12,G13それぞれについて、所定時間帯毎のユーザ数が、イベントID(411,412,413)と対応付けられてユーザ数データベース35に蓄積されている。さらに、図示しないが、ポジティブユーザ数データベース36にも、所定時間帯毎のポジティブユーザ数が、イベントID(411,412,413)と対応付けられて蓄積されており、ネガティブユーザ数データベース37にも、所定時間帯毎のネガティブユーザ数が、イベントID(411,412,413)と対応付けられて蓄積されている。
取得部21は、会場Aの周辺の会場で、イベントG1と種類が同じイベントの開催実績を、イベント情報テーブル31から検索する。図17において、データベース31の中から、会場Bで、種類が同じイベントG11,G12,G13の開催実績を見つけることができ、これらイベントG11,G12,G13のイベントID「411,412,413」を取得する。
また、図18(B)に示すユーザ数データベース35から会場Aでこれから開催されるイベントG1の“ユーザ数“を抽出する。
そして、これら“ユーザ数”同士の差(絶対値)を求める。なお、この差は、時間帯毎のユーザ数の差である。
さらに、これら差について、経路探索の処理を行う時刻(15:15)を含む時間帯までの合計σを求める。このようにして算出された合計の値σ411、σ412、σ413を「ユーザ数スコア」と呼ぶ。
σ411=|40-30|+|50-45|+|70-60|+|80-70|+・・・+|170-150|=55
イベントIDが「412」のイベント(G12)に関して次の計算を行う。
σ412=|20-30|+|30-45|+|40-60|+|50-70|+・・・+|65-150|=150
イベントIDが「413」のイベント(G13)に関して、次の計算を行う。
σ413=|30-30|+|60-45|+|70-60|+|100-70|+・・・+|150-150|=55
さらに、ネガティブユーザ数データベース37に蓄積されているネガティブユーザ数についても、前記の合計σ411、σ412、σ413を求める処理と同様の処理が行われ、算出された合計の値σn411、σn412、σn413を「ネガティブスコア」と呼ぶ。
本実施形態では、イベントG11に関してスコアを加算すると、55+35+20=110となる。イベントG12に関してスコアを加算すると、150+200+110=460となる。イベントG13に関してスコアを加算すると、55+80+20=155となる。
したがって、予測部22は、イベントG11を、イベントG1の類似イベントとして決定する。
そこで、前記の〔3.2 その2〕の場合のように、予測部22は、別の会場BでイベントG11が開催されたことにより影響を受けた会場B周囲の道路リンクL7,L8,L9の旅行時間の変化(渋滞量の変化)の度合い(β)を求める。
また、図19(A)は、通常時旅行時間データベース32であり、このデータベース32には、前記影響道路リンクL7,L8,L9の、イベントが開催されていない通常時における平日、休日の平均旅行時間が蓄積されている。
また、予測部22は、図19(A)のデータベース32の情報に基づいて、影響を受けた前記道路リンクL7,L8,L9について、経路探索の処理を開始する時刻(15:15)を含む時間帯での通常時の旅行時間の累積値(累積旅行時間)を求める。図13(A)の場合、25+15+70=110(秒)である。
そして、最も類似する類似イベントG11が見つけられると、予測部22は、この類似イベントG11が開催されることにより影響を受けた道路リンクL7,L8,L9の旅行時間の変化率を示す係数(β)を、前記演算(180(秒)÷110(秒)=1.64)により取得する。さらに、予測部22は、会場AでイベントG1が開催されると旅行時間の変化が起きやすい道路リンク(例えば、上位80%の道路リンク)を決定し、この決定した道路リンクの旅行時間と、前記係数(β)とを用いて、対象道路区間の旅行時間を求める。つまり、係数(β)を乗算した旅行時間を対象道路リンクの旅行時間として適用する。
以上のように、前記その1〜その4の機能を備えている予測装置2によれば、予測部22は、別の会場でイベントG1が過去に開催されたことにより影響を受けた道路リンクの旅行時間、及び、会場Aで類似イベントが過去に開催されたことにより影響を受けた道路リンクの旅行時間の内の一方又は双方を用いて、対象道路区間の旅行時間を求めることができる。
このため、仮に、イベントG1が会場Aで過去に開催された実績がなくても、対象道路区間の旅行時間を予測することができる。つまり、イベントG1が会場Aで初めてこれから開催される場合にも、そのイベントG1により影響を受ける旅行時間の予測が可能となる。
例えば、前記の〔3.1 その1〕で説明したように、会場AでイベントG1の開催実績が過去にあっても、そのイベントG1の注目度が、その開催当時(過去)と現在とで異なることもあるため、旅行時間に及ぼす影響の度合いが現在と過去とで異なることもあり得るが、イベント時旅行時間データベース33から抽出した旅行時間を、イベントG1の評価情報に基づいて補正し、対象道路リンクの旅行時間を求めることで、旅行時間の予測精度を高めることが可能となる。
また、他の活用例として、 前記の〔3.3 その3〕及び〔3.4 その4〕で説明したように、予測部22は、イベント情報データベース31中の情報から、評価情報に基づいてイベントG1に最も類似する類似イベントを決定することにより、類似性の高い類似イベントの決定が可能となる。
本実施形態の経路探索システムは、前記のとおり、各道路リンクの旅行時間が蓄積されている旅行時間データベースとして、通常時旅行時間データベース32と、イベント時旅行時間データベース33とを備えている。
このシステムは、更に、所定イベント(G1)が所定会場(会場A)でこれから開催されることにより旅行時間について影響を受ける対象道路リンクの旅行時間を求める旅行時間予測部と、前記旅行時間データベース(32,33)に蓄積されている旅行時間、及び、前記旅行時間予測部により求められた旅行時間を用いて経路探索を行う経路探索部とを備えている。そして、本実施形態では、前記旅行時間予測部は、前記予測装置2からなり、前記経路探索部は、前記経路探索装置7からなる。
経路探索処理としては、まず、現在地から目的地までの間に、本日開催のイベントが存在するか否かを判定する(ステップS53)。この判定は、予測装置2(取得部21)がイベント情報データベース31を参照することで行われる。
そして、経路探索装置7は、通常時旅行時間データベース32に蓄積されている旅行時間、及び、予測装置2が求めた旅行時間を用いて、所定の探索アルゴリズムにより目的地までの経路を探索する(ステップS55)。探索した経路の情報は、中央装置1から、前記要求信号を送信した車載装置3へ送信され、車載装置3は探索された経路を、ユーザ(ドライバ)へ報知する(ステップS56)。
例えば、上述の実施形態では、取得部21は、会場Aとは別の会場でのイベントG1の開催実績、及び、イベントG1と異なるがこのイベントG1と種類(分類)が同じ類似イベントの会場Aでの開催実績の双方を取得可能としたが、いずれか一方の開催実績であってもよい。
7:経路探索装置(経路探索部) 21:取得部 22:予測部
31:イベント情報データベース 32:通常時旅行時間データベース
33:イベント時旅行時間データベース 34:ユーザリアクション用データベース
35:ユーザ数データベース 36:ポジティブユーザ数データベース
37:ネガティブユーザ数データベース G1:イベント(所定イベント)
A:会場(所定会場) B:別の会場
Claims (9)
- 所定イベントが所定会場でこれから開催されることにより旅行時間について影響を受ける対象道路区間の旅行時間を求める旅行時間予測装置であって、
前記所定会場での前記所定イベントの開催実績を取得可能である取得部と、
前記取得部による取得結果に応じて前記対象道路区間の旅行時間を求める予測部と、を備え、
前記取得部は、更に、前記所定会場とは別の会場での前記所定イベントの開催実績、及び、前記所定イベントと異なるが当該所定イベントと種類が同じ類似イベントの前記所定会場での開催実績の内の一方又は双方の開催実績を取得可能であると共に、これから開催される前記所定イベントの評価を示す評価情報及び過去に開催されたイベントの評価を示す評価情報を取得可能であり、
前記予測部は、前記別の会場で前記所定イベントが開催されたことにより影響を受けた道路区間の旅行時間、及び、前記所定会場で前記類似イベントが開催されたことにより影響を受けた道路区間の旅行時間の内の一方又は双方を用いて、前記対象道路区間の旅行時間を求めることを特徴とする旅行時間予測装置。 - これから開催される又は過去に開催されたイベントの情報を蓄積するイベント情報データベースを、更に備え、
前記予測部は、前記イベント情報データベース中の情報から、前記評価情報に基づいて前記所定イベントに最も類似する類似イベントを決定する請求項1に記載の旅行時間予測装置。 - これから開催される又は過去に開催されたイベントの情報を蓄積するイベント情報データベースを、更に備え、
前記予測部は、前記イベント情報データベースに蓄積されている過去に開催された複数のイベントのうち、これから開催される前記所定イベントと前記評価情報が類似しているイベントを、当該所定イベントに最も類似する類似イベントとして決定する請求項1に記載の旅行時間予測装置。 - 所定イベントが所定会場でこれから開催されることにより旅行時間について影響を受ける対象道路区間の旅行時間を求める旅行時間予測装置であって、
前記所定会場での前記所定イベントの開催実績を取得可能である取得部と、
前記取得部による取得結果に応じて前記対象道路区間の旅行時間を求める予測部と、
イベントの識別情報と、そのイベントが開催された場合の道路区間の旅行時間と、を対応付けて蓄積するイベント時旅行時間データベースと、を備え、
前記取得部は、更に、前記所定会場とは別の会場での前記所定イベントの開催実績、及び、前記所定イベントと異なるが当該所定イベントと種類が同じ類似イベントの前記所定会場での開催実績の内の一方又は双方の開催実績を取得可能であり、
前記予測部は、前記別の会場で前記所定イベントが開催されたことにより影響を受けた道路区間の旅行時間、及び、前記所定会場で前記類似イベントが開催されたことにより影響を受けた道路区間の旅行時間の内の一方又は双方を用いて、前記対象道路区間の旅行時間を求めることができ、
前記取得部により、前記所定会場での前記所定イベントの開催実績が取得されると、
前記予測部は、当該所定イベントが過去に開催されたことで影響を受けた道路区間の旅行時間を、前記イベント時旅行時間データベースから抽出し、この抽出した前記旅行時間を、これから開催される前記所定イベントの評価を示す評価情報及び過去に開催された前記所定イベントの評価を示す評価情報に基づいて補正し、前記対象道路区間の旅行時間を求めることを特徴とする旅行時間予測装置。 - 所定イベントが所定会場でこれから開催されることにより旅行時間について影響を受ける対象道路区間の旅行時間を求める旅行時間予測装置であって、
前記所定会場での前記所定イベントの開催実績を取得可能である取得部と、
前記取得部による取得結果に応じて前記対象道路区間の旅行時間を求める予測部と、を備え、
前記取得部は、更に、前記所定会場とは別の会場での前記所定イベントの開催実績、及び、前記所定イベントと異なるが当該所定イベントと種類が同じ類似イベントの前記所定会場での開催実績の内の一方又は双方の開催実績を取得可能であり、
前記予測部は、前記別の会場で前記所定イベントが開催されたことにより影響を受けた道路区間の旅行時間、及び、前記所定会場で前記類似イベントが開催されたことにより影響を受けた道路区間の旅行時間の内の一方又は双方を用いて、前記対象道路区間の旅行時間を求めることができ、
前記取得部により、前記所定会場での前記所定イベントの開催実績は取得されないが、前記別の会場での前記所定イベントの開催実績、及び、前記所定会場での前記類似イベントの開催実績が取得されると、
前記予測部は、前記別の会場で前記所定イベントが開催されたことにより影響を受けた道路区間の旅行時間の変化率を示す係数を取得すると共に、前記所定会場で前記類似イベントが開催されたことにより影響を受けた道路区間の旅行時間と、前記係数とを用いて、前記対象道路区間の旅行時間を求めることを特徴とする旅行時間予測装置。 - 所定イベントが所定会場でこれから開催されることにより旅行時間について影響を受ける対象道路区間の旅行時間を求める旅行時間予測装置であって、
前記所定会場での前記所定イベントの開催実績を取得可能である取得部と、
前記取得部による取得結果に応じて前記対象道路区間の旅行時間を求める予測部と、を備え、
前記取得部は、更に、前記所定会場とは別の会場での前記所定イベントの開催実績、及び、前記所定イベントと異なるが当該所定イベントと種類が同じ類似イベントの前記所定会場での開催実績の内の一方又は双方の開催実績を取得可能であり、
前記予測部は、前記別の会場で前記所定イベントが開催されたことにより影響を受けた道路区間の旅行時間、及び、前記所定会場で前記類似イベントが開催されたことにより影響を受けた道路区間の旅行時間の内の一方又は双方を用いて、前記対象道路区間の旅行時間を求めることができ、
前記取得部により、前記所定会場での前記所定イベントの開催実績、前記別の会場での前記所定イベントの開催実績、及び、前記所定会場での前記類似イベントの開催実績のいずれもが取得されない場合、
前記取得部は、前記所定会場とは別の会場での類似イベントの開催実績を取得し、
前記予測部は、前記別の会場で前記類似イベントが開催されたことにより影響を受けた道路区間の旅行時間の変化率を示す係数を取得すると共に、前記所定会場でイベントが開催されると旅行時間の変化が起きやすい道路区間を決定し、この決定した道路区間の旅行時間と、前記係数とを用いて、前記対象道路区間の旅行時間を求めることを特徴とする旅行時間予測装置。 - イベントの識別情報と、そのイベントが開催された場合の道路区間の旅行時間と、を対応付けて蓄積するイベント時旅行時間データベースを、更に備え、
前記取得部により、前記所定会場での前記所定イベントの開催実績が取得されると、
前記予測部は、当該所定イベントが過去に開催されたことで影響を受けた道路区間の旅行時間を、前記イベント時旅行時間データベースから抽出し、この抽出した旅行時間に基づいて、前記対象道路区間の旅行時間を求める請求項1〜3のいずれか一項に記載の旅行時間予測装置。 - 前記取得部により、前記所定会場での前記所定イベントの開催実績、及び、前記別の会場での前記所定イベントの開催実績は取得されないが、前記所定会場での前記類似イベントの開催実績が取得されると、
予測部は、前記類似イベントの中から前記所定イベントに最も類似するイベントを決定し、この決定した類似イベントが開催されたことで影響を受けた道路区間の旅行時間を、前記対象道路区間の旅行時間として求める請求項1〜3のいずれか一項に記載の旅行時間予測装置。 - 各道路区間の旅行時間を用いて経路探索を行う経路探索システムであって、
各道路区間の旅行時間が蓄積されている旅行時間データベースと、
所定イベントが所定会場でこれから開催されることにより旅行時間について影響を受ける対象道路区間の旅行時間を求める旅行時間予測部と、
前記旅行時間データベースに蓄積されている旅行時間、及び、前記旅行時間予測部により求められた旅行時間を用いて経路探索を行う経路探索部と、を備え、
前記旅行時間予測部は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の旅行時間予測装置であることを特徴とする経路探索システム。
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