JP6056443B2 - 絶縁層材料及び該絶縁層材料を用いて形成した有機薄膜トランジスタ - Google Patents

絶縁層材料及び該絶縁層材料を用いて形成した有機薄膜トランジスタ Download PDF

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Description

本発明は、絶縁層材料及び該絶縁層材料を用いて形成した有機薄膜トランジスタに関する。
有機薄膜トランジスタは、無機半導体より低温で製造できるため、その基板としてプラスチック基板やフィルムを用いることができ、このような基板を用いることによりフレキシブルであり、軽量で壊れにくい素子を得ることができる。
また、有機材料を含む溶液の塗布や印刷法を用いた成膜により素子作製が可能な場合があり、大面積の基板に多数の素子を低コストで製造することが可能な場合がある。
さらに、トランジスタの検討に用いることができる材料の種類が豊富であるため、分子構造の異なる材料を検討に用いれば、幅広い範囲の特性のバリエーションを有する素子を製造することができる。
有機薄膜トランジスタの一態様である電界効果型有機薄膜トランジスタに用いられる有機半導体は、湿度、酸素等の環境の影響を受けやすく、トランジスタ特性が、湿度、酸素等に起因する経時劣化を起こしやすい。
そのため、有機半導体が剥き出しになるボトムゲート型の電界効果型有機薄膜トランジスタの素子構造では、素子構造全体を覆うオーバーコート絶縁層を形成して有機半導体を外気との接触から保護することが必須となっている。一方、トップゲート型の電界効果型有機薄膜トランジスタの素子構造では、有機半導体はゲート絶縁層によりコートされて保護されている。
有機薄膜トランジスタの絶縁層の形成に用いる絶縁層材料としては、例えば、ポリビニルフェノールとメラミン化合物とを含む組成物が提案されている(非特許文献1)。
Appl.Phys.Lett.89,093507(2006)
しかしながら、上記絶縁層材料を用いて形成した薄膜の絶縁層を有する有機薄膜トランジスタは、リーク電流が大きいという課題がある。
本発明の目的は、有機薄膜トランジスタ絶縁層を形成するための絶縁層材料であって、該絶縁層材料を用いて形成した薄膜の絶縁層を有する有機薄膜トランジスタの比誘電率が大きく、かつ、リーク電流が小さくなる絶縁層材料を提供することにある。
即ち、本発明は第一に、環状エーテル構造を含有する繰り返し単位と式(3)で表される繰り返し単位とを含む高分子化合物(A)と、
ノボラック型エポキシ樹脂(B)と、
式(4)で表される繰り返し単位と式(5)で表される繰り返し単位とを含むフッ素樹脂(C)と、
電磁波若しくは電子線の照射、又は熱の作用により酸を発生しうる化合物(D)とを含有する絶縁層材料を提供する。
Figure 0006056443
(3)
〔式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。〕
Figure 0006056443
(4)
〔式中、Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。〕
Figure 0006056443
(5)
〔式中、RCは、アルキレン基を表す。該アルキレン基中の水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。〕
本発明は第二に、環状エーテル構造を含有する繰り返し単位が、式(1)で表される繰り返し単位又は式(2)で表される繰り返し単位である前記絶縁層材料を提供する。
Figure 0006056443
(1)
〔式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。Rは、二価の基を表す。a1は、0又は1を表す。〕
Figure 0006056443
(2)
〔式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。Rは、二価の基を表す。b1は、0又は1を表す。〕
本発明は第三に、高分子化合物(A)が、さらに、以下の第1の官能基を含有する繰り返し単位を含む前記絶縁層材料を提供する。

第1の官能基:活性水素と反応しうる第2の官能基を、電磁波の照射もしくは熱の作用により生成しうる官能基
本発明は第四に、第1の官能基が、ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基又はブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基である前記絶縁層材料を提供する。
本発明は第五に、ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基及びブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基が、式(6)で表される基である前記絶縁層材料を提供する。
Figure 0006056443
(6)
〔式中、Xaは、酸素原子又は硫黄原子を表し、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。〕
本発明は第六に、ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基及びブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基が、式(7)で表される基である前記絶縁層材料を提供する。
Figure 0006056443
(7)
〔式中、Xbは、酸素原子又は硫黄原子を表し、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。〕
本発明は第七に、前記絶縁層材料を用いて形成した有機薄膜トランジスタ絶縁層を有する有機薄膜トランジスタを提供する。
本発明は第八に、前記有機薄膜トランジスタ絶縁層がゲート絶縁層である前記有機薄膜トランジスタを提供する。
本発明は第九に、前記有機薄膜トランジスタを含むディスプレイ用部材を提供する。
本発明は第十に、前記ディスプレイ用部材を含むディスプレイを提供する。
本発明の絶縁層材料を用いて形成した薄膜の絶縁層を有する有機薄膜トランジスタは、比誘電率が大きく、かつ、リーク電流が小さくなる。
本発明の一実施形態であるボトムゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造を示す模式断面図である。 本発明の他の実施形態であるボトムゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造を示す模式断面図である。
本明細書において、「絶縁層材料」とは、絶縁層の形成に用いられる材料を意味する。絶縁層としては、例えば、有機薄膜トランジスタに含まれる絶縁層、有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれる絶縁層、及び有機薄膜太陽電池に含まれる絶縁層が挙げられる。「有機薄膜トランジスタ絶縁層」とは、オーバーコート絶縁層、ゲート絶縁層などの有機薄膜トランジスタに含まれる絶縁層を意味する。「有機薄膜トランジスタ絶縁層材料」とは、有機薄膜トランジスタの絶縁層の形成に用いられる材料を意味する。「有機薄膜トランジスタゲート絶縁層材料」とは、有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層の形成に用いられる材料を意味する。「有機薄膜トランジスタオーバーコート絶縁層材料」とは、有機薄膜トランジスタのオーバーコート絶縁層の形成に用いられる材料を意味する。「高分子化合物」とは、分子中に同じ構造単位が複数繰り返された構造を含む化合物をいい、いわゆる2量体もこれに含まれる。一方、「低分子化合物」とは、分子中に同じ構造単位を繰り返し有していない化合物を意味する。
<高分子化合物(A)>
本発明の絶縁層材料は高分子化合物(A)を含み、該高分子化合物(A)は、分子内に、環状エーテル構造を含有する繰り返し単位と式(3)で表される繰り返し単位とを含む。
環状エーテル構造を含有する繰り返し単位としては、例えば、式(1)で表される繰り返し単位、及び式(2)で表される繰り返し単位が挙げられる。
式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。ある一形態では、メチル基である。
式(1)中、Rは、二価の基を表し、高分子化合物の主鎖と側鎖とを連結する。該二価の基は、本発明に用いられる有機薄膜トランジスタ絶縁層材料を架橋させる環境条件の下で反応性を示さない基であればよい。該二価の基としては、例えば、炭素数1〜20の二価の有機基、−O−、−CO−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)O−、−OC(=O)NH−及びこれらの基が組み合わされた基が挙げられる。a1は、0又は1を表す。ある一形態では、a1は1であり、Rが−C(=O)O−である。
で表される炭素数1〜20の二価の有機基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよい。該炭素数1〜20の二価の有機基は、フッ素原子を含んでいてもよい。該炭素数1〜20の二価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の二価の環状炭化水素基及び置換されていてもよい炭素数6〜20の二価の芳香族炭化水素基が挙げられる。中でも、炭素数1〜6の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜6の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜6の二価の環状炭化水素基及び置換されていてもよい二価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が好ましい。
二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、二価の分岐状脂肪族炭化水素基及び二価の環状炭化水素基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、ジメチルプロピレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基が挙げられる。
置換されていてもよい炭素数6〜20の二価の芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基、アンスリレン基、ジメチルフェニレン基、トリメチルフェニレン基、エチレンフェニレン基、ジエチレンフェニレン基、トリエチレンフェニレン基、プロピレンフェニレン基、ブチレンフェニレン基、メチルナフチレン基、ジメチルナフチレン基、トリメチルナフチレン基、ビニルナフチレン基、エテニルナフチレン基、メチルアンスリレン基及びエチルアンスリレン基が挙げられる。
式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。炭素数1〜20の有機基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。該炭素数1〜20の有機基は、ハロゲン原子を含んでいてもよい。
、R、及びRで表される炭素数1〜20の有機基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の分岐状炭化水素基、炭素数3〜20の環状炭化水素基及び炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられ、好ましくは、炭素数1〜6の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜6の分岐状炭化水素基、炭素数3〜6の環状炭化水素基及び炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の分岐状炭化水素基及び炭素数3〜20の環状炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基は、基中の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などで置換されていてもよく、アルキル基を含有していてもよい。
炭素数1〜20の有機基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチニル基、シクロヘキシニル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、トリル基、キシリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メチルナフチル基、ジメチルナフチル基、トリメチルナフチル基、ビニルナフチル基、エテニルナフチル基、メチルアンスリル基、エチルアンスリル基、クロロフェニル基及びブロモフェニル基が挙げられる。
炭素数1〜20の有機基としては、アルキル基が好ましい。
式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。ある一形態では、Rはメチル基である。
式(2)中、Rは、二価の基を表す。Rで表される二価の基の定義及び具体例は、前述のRで表される二価の基の定義及び具体例と同じである。b1は、0又は1を表す。ある一形態では、b1は1であり、Rが−C(=O)O−である。
式(2)中、R、R、R、R、及びR10は、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。R、R、R、R、及びR10はで表される炭素数1〜20の有機基の定義及び具体例は、前述のR、R、及びRで表される炭素数1〜20の有機基の定義及び具体例と同じである。R、R、R、R、及びR10で表される炭素数1〜20の有機基としては、アルキル基が好ましい。
式(3)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。R11及びR12で表される炭素数1〜20の有機基の定義及び具体例は、前述のR、R、及びRで表される炭素数1〜20の有機基の定義及び具体例と同じである。R11及びR12で表される炭素数1〜20の有機基としては、アルキル基が好ましい。
本発明の高分子化合物(A)の一態様は、式(1)で表される繰り返し単位又は式(2)で表される繰り返し単位、及び式(3)で表される繰り返し単位を含み、更に、以下の第1の官能基を含有する繰り返し単位を含む高分子化合物である。

第1の官能基:活性水素と反応しうる第2の官能基を、電磁波の照射もしくは熱の作用により生成しうる官能基
本明細書において「活性水素」とは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子に結合している水素原子を意味する。
第1の官能基は活性水素と反応しないが、該第1の官能基に電磁波を照射又は熱を作用させると第2の官能基が生成し、該第2の官能基が活性水素と反応する。つまり、第1の官能基は電磁波の照射又は熱の作用により脱保護されて、活性水素と反応しうる第2の官能基を生成しうる。第2の官能基は、高分子化合物(A)が重合する際に環状エーテル構造から生成する水酸基と反応して結合し、絶縁層の内部に架橋構造を有する化合物が生成される。
絶縁層の形成工程において、前記第2の官能基は、電磁波又は熱が加えられるまで保護(ブロック)されており、前記第1の官能基の形態で絶縁層材料中に存在する。その結果、絶縁層材料の貯蔵安定性が向上する。
第1の官能基の好ましい例としては、ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基及びブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基が挙げられる。
ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基は、イソシアナト基と反応しうる活性水素を1分子中に1個だけ有するブロック化剤とイソシアナト基とを反応させることにより製造することができる。
ブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基は、イソチオシアナト基と反応しうる活性水素を1分子中に1個だけ有するブロック化剤とイソチオシアナト基とを反応させることにより製造することができる。
ブロック化剤は、イソシアナト基又はイソチオシアナト基と反応した後に、170℃以下の温度で解離するものが好ましい。ブロック化剤としては、例えば、アルコ−ル系化合物、フェノ−ル系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、重亜硫酸塩、ピリジン系化合物及びピラゾール系化合物が挙げられる。ブロック化剤は、単独使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。好ましいブロック化剤としては、オキシム系化合物及びピラゾール系化合物が挙げられる。
以下に、具体的なブロック化剤を例示する。アルコ−ル系化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、及び、シクロヘキサノールが挙げられる。フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、スチレン化フェノール、及び、ヒドロキシ安息香酸エステルが挙げられる。活性メチレン系化合物としては、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、及び、アセチルアセトンが挙げられる。メルカプタン系化合物としては、例えば、ブチルメルカプタン、及び、ドデシルメルカプタンが挙げられる。酸アミド系化合物としては、例えば、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、及び、γ−ブチロラクタムが挙げられる。酸イミド系化合物としては、例えば、コハク酸イミド、及び、マレイン酸イミドが挙げられる。イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、及び、2−メチルイミダゾールが挙げられる。尿素系化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、及び、エチレン尿素が挙げられる。オキシム系化合物としては、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、及び、シクロヘキサノンオキシムが挙げられる。アミン系化合物としては、例えば、ジフェニルアミン、アニリン、及び、カルバゾールが挙げられる。イミン系化合物としては、例えば、エチレンイミン、及び、ポリエチレンイミンが挙げられる。重亜硫酸塩としては、例えば、重亜硫酸ソーダが挙げられる。ピリジン系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシピリジン、及び、2−ヒドロキシキノリンが挙げられる。ピラゾール系化合物としては、例えば、3,5−ジメチルピラゾール、及び、3,5−ジエチルピラゾールが挙げられる。
本発明に用いてもよいブロック化剤でブロックされたイソシアナト基及びブロック化剤でブロックされたイソチアシアナト基としては、式(6)で表される基及び式(7)で表される基が好ましい。
式(6)及び式(7)中、Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、R13、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。
13、R14、R15、R16、及びR17で表される炭素数1〜20有機基の定義及び具定例は、前述のR、R、及びRで表される炭素数1〜20の有機基の定義及び具定例と同じである。R13、R14、R15、R16、及びR17で表される炭素数1〜20の有機基としては、アルキル基が好ましい。
ある一形態では、R13はメチル基、R14はエチル基、R15、R16、及びR17は水素原子である。
ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基としては、例えば、O−(メチリデンアミノ)カルボキシアミノ基、O−(1−エチリデンアミノ)カルボキシアミノ基、O−(1−メチルエチリデンアミノ)カルボキシアミノ基、O−[1−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ基、(N−3,5−ジメチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、(N−3−エチル−5−メチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、(N−3,5−ジエチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、(N−3−プロピル−5−メチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、及び、(N−3−エチル−5−プロピルピラゾリルカルボニル)アミノ基が挙げられる。
ブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基としては、例えば、O−(メチリデンアミノ)チオカルボキシアミノ基、O−(1−エチリデンアミノ)チオカルボキシアミノ基、O−(1−メチルエチリデンアミノ)チオカルボキシアミノ基、O−[1−メチルプロピリデンアミノ] チオカルボキシアミノ基、(N−3,5−ジメチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、(N−3−エチル−5−メチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、(N−3,5−ジエチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、(N−3−プロピル−5−メチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、及び、(N−3−エチル−5−プロピルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基が挙げられる。
第1の官能基としては、ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基が好ましい。
高分子化合物(A)は、例えば、式(1)で表される繰り返し単位の原料となる重合性モノマー又は式(2)で表される繰り返し単位の原料となる重合性モノマーと、式(3)で表される繰り返し単位の原料となる重合性モノマーと、第1の官能基を含有する重合性モノマーとを含む重合性モノマー混合物を、光重合開始剤もしくは熱重合開始剤を用いて共重合させる方法により製造することが出来る。
式(1)で表される繰り返し単位の原料となる重合性モノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−グリシジルエチルアクリレート、及び、2−グリシジルエチルメタクリレートが挙げられる。
式(2)で表される繰り返し単位の原料となる重合性モノマーとしては、例えば、3−アクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン、及び、3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタンが挙げられる。
式(3)で表される繰り返し単位の原料となる重合性モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、及び、N,N−ジプロピルアクリルアミドが挙げられる。
第1の官能基を含有する重合性モノマーとしては、例えば、ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基とブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基のいずれかと不飽和結合とを有するモノマーが挙げられる。該ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基とブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基のいずれかと不飽和結合とを有するモノマーは、イソシアナト基とイソチオシアナト基のいずれかと不飽和結合とを有する化合物と、ブロック化剤とを反応させることにより製造することが出来る。不飽和結合としては、二重結合が好ましい。
二重結合とイソシアナト基とを有する化合物としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、及び、2−(2’−メタクリロイルオキシエチル)オキシエチルイソシアネートが挙げられる。
二重結合とイソチオシアナト基とを有する化合物としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、及び、2−(2’−メタクリロイルオキシエチル)オキシエチルイソチオシアネートが挙げられる。
第1の官能基を含有する重合性モノマーの製造には、前記ブロック化剤を好適に用いることが出来る。イソシアナト基とイソチオシアナト基のいずれかと不飽和結合とを有する化合物と、ブロック化剤とを反応させて、ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基とブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基のいずれかと不飽和結合とを有するモノマーを製造する反応においては、必要に応じて有機溶媒、触媒等を添加することが出来る。
ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基と二重結合とを有するモノマーとしては、例えば、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート、及び、2−〔N−[1’,3’−ジメチルピラゾリル]カルボニルアミノ〕エチル−メタクリレートが挙げられる。
ブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基と二重結合とを有するモノマーとしては、例えば、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]チオカルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート、及び、2−〔N−[1’,3’−ジメチルピラゾリル]チオカルボニルアミノ〕エチル−メタクリレートが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、メチル(o−ベンゾイル)ベンゾエート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインオクチルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ジアセチル等のカルボニル化合物、メチルアントラキノン、クロロアントラキノン、クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のアントラキノン誘導体及びチオキサントン誘導体、ジフェニルジスルフィド、ジチオカーバメート等の硫黄化合物が挙げられる。
共重合を開始させるエネルギーとして光エネルギーを用いる場合、重合性モノマーに照射する光の波長は、360nm以上が好ましく、360〜450nmがより好ましい。
前記熱重合開始剤としては、ラジカル重合の開始剤となる化合物であればよく、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩等のアゾ系化合物、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、イソブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、o−メチルベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、ターシャリーブチルヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ターシャルーブチルクミルパーオキシド、ジターシャリーブチルパーオキシド、トリス(ターシャリーブチルパーオキシ)トリアジン等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ターシャリーブチルパーオキシイソブチレート、ジターシャリーブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジターシャリーブチルパーオキシアゼレート、ターシャリーブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ターシャリーブチルパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ジターシャリーブチルパーオキシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシカーボネート類が挙げられる。
高分子化合物(A)は、式(1)で表される繰り返し単位の原料となる重合性モノマー、式(2)で表される繰り返し単位の原料となる重合性モノマー、式(3)で表される繰り返し単位の原料となる重合性モノマー、第1の官能基を含有する重合性モノマー以外の他の重合性モノマーを重合時に添加して製造してもよい。
追加して使用される重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル及びその誘導体、メタアクリル酸エステル及びその誘導体、スチレン及びその誘導体、メタアクリロニトリル及びその誘導体、アクリロニトリル及びその誘導体、有機カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体、有機カルボン酸のアリルエステル及びその誘導体、フマル酸のジアルキルエステル及びその誘導体、マレイン酸のジアルキルエステル及びその誘導体、イタコン酸のジアルキルエステル及びその誘導体、有機カルボン酸のN−ビニルアミド誘導体、末端不飽和炭化水素及びその誘導体、及び、不飽和炭化水素基を含む有機ゲルマニウム誘導体が挙げられる。
追加して使用される重合性モノマーの種類は、絶縁層に要求される特性に応じて適宜選択される。溶媒に対する優れた耐久性や有機薄膜トランジスタのヒステリシスを小さくする観点からは、スチレンやスチレン誘導体のように、これらの化合物を用いて製造した高分子化合物(A)を含む膜において、分子の密度が高く、硬い膜を形成するモノマーが選択される。また、ゲート電極や基板の表面等の絶縁層の隣接面に対する密着性の観点からは、メタアクリル酸エステル及びその誘導体、アクリル酸エステル及びその誘導体のように、高分子化合物(A)に可塑性を付与するモノマーが選択される。
アクリル酸エステル及びその誘導体は、単官能のアクリレートであっても、使用量に制約は出てくるものの、多官能のアクリレートであってもよい。アクリル酸エステル及びその誘導体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−sec−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシフェニルエチル、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチルアクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルアクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルアクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、及び、N−アクリロイルモルフォリンが挙げられる。
メタアクリル酸エステル及びその誘導体は、単官能のメタアクリレートであってもよく、使用量に制約は出てくるものの、多官能のメタアクリレートであってもよい。メタアクリル酸エステル及びその誘導体としては、例えば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸−n−プロピル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸−n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸−sec−ブチル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸オクチル、メタアクリル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸イソボルニル、メタアクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸ベンジル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシフェニルエチル、エチレングリコールジメタアクリレート、プロピレングリコールジメタアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパンジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルメタアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルメタアクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチルメタアクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルメタアクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルメタアクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピルメタアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタアクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタアクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルメタアクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルメタアクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチルメタアクリレート、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルメタアクリルアミド、及び、N−アクリロイルモルフォリンが挙げられる。
スチレン及びその誘導体としては、例えば、スチレン、2,4−ジメチル−α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2,4,5−トリメチルスチレン、ペンタメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−ビニルビフェニル、3−ビニルビフェニル、4−ビニルビフェニル、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−ビニル−p−ターフェニル、1−ビニルアントラセン、α−メチルスチレン、o−イソプロペニルトルエン、m−イソプロペニルトルエン、p−イソプロペニルトルエン、2,4−ジメチル−α−メチルスチレン、2,3−ジメチル−α−メチルスチレン、3,5−ジメチル−α−メチルスチレン、p−イソプロピル−α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロピルベンゼン、及び、4−アミノスチレンが挙げられる。
メタアクリロニトリル及びその誘導体としては、例えば、メタアクリロニトリルが挙げられる。
アクリロニトリル及びその誘導体としては、例えば、アクリロニトリルが挙げられる。
有機カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル及びアジピン酸ジビニルが挙げられる。
有機カルボン酸のアリルエステル及びその誘導体としては、例えば、酢酸アリル、安息香酸アリル、アジピン酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル及びフタル酸ジアリルが挙げられる。
フマル酸のジアルキルエステル及びその誘導体としては、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−sec−ブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジ−n−ブチル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル及びフマル酸ジベンジルが挙げられる。
マレイン酸のジアルキルエステル及びその誘導体としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジ−sec−ブチル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル及びマレイン酸ジベンジルが挙げられる。
イタコン酸のジアルキルエステル及びその誘導体としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジイソプロピル、イタコン酸ジ−sec−ブチル、イタコン酸ジイソブチル、イタコン酸ジ−n−ブチル、イタコン酸ジ−2−エチルヘキシル及びイタコン酸ジベンジルが挙げられる。
有機カルボン酸のN−ビニルアミド誘導体としては、例えば、N−メチル−N−ビニルアセトアミドが挙げられる。
末端不飽和炭化水素及びその誘導体としては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、ビニルシクロヘキサン、塩化ビニル及びアリルアルコールが挙げられる。
不飽和炭化水素基を含む有機ゲルマニウム誘導体としては、例えば、アリルトリメチルゲルマニウム、アリルトリエチルゲルマニウム、アリルトリブチルゲルマニウム、トリメチルビニルゲルマニウム及びトリエチルビニルゲルマニウムが挙げられる。
追加して使用される重合性モノマーとしては、有機薄膜トランジスタ絶縁層の特性を向上させる観点から、アクリル酸アルキルエステル、メタアクリル酸アルキルエステル、スチレン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、及び、アリルトリメチルゲルマニウムが好ましい。
追加して使用される重合性モノマーとしてメタアクリロニトリル及びその誘導体、又はアクリロニトリル及びその誘導体を用いると、有機薄膜トランジスタ絶縁層の内部にシアノ基が導入され、有機薄膜トランジスタ絶縁層の耐溶剤性及び強靭性等が向上する。また、この場合、有機薄膜トランジスタ絶縁層の誘電率も向上する。
高分子化合物(A)が含む環状エーテル構造を含有する繰り返し単位の量は、高分子化合物(A)が含む繰り返し単位の合計量に対して、1〜70モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましい。環状エーテル構造を含有する繰り返し単位の原料となる重合性モノマーの仕込みモル量をこの範囲に調節することにより、絶縁層の内部に架橋構造が十分形成される。
高分子化合物(A)が含む式(3)で表される繰り返し単位の量は、高分子化合物(A)が含む繰り返し単位の合計量に対して、1〜70モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましい。式(3)で表される繰り返し単位の原料となる重合性モノマーの仕込みモル量をこの範囲に調節することにより、ノボッラク型エポキシ樹脂(B)及びフッ素樹脂(C)との相溶性が良好となる。
高分子化合物(A)が第1の官能基を含有する繰り返し単位を含有する場合、第1の官能基を含有する重合性モノマーの仕込みモル量は、重合に関与する全ての重合性モノマー中、好ましくは5モル%以上50モル%以下であり、より好ましくは5モル%以上40モル%以下である。第1の官能基を含有する重合性モノマーの仕込みモル量をこの範囲に調節することにより、絶縁層の内部に架橋構造が十分形成される。
高分子化合物(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、3000〜1000000が好ましく、5000〜500000がより好ましい。高分子化合物(A)は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、環状であってもよい。
高分子化合物(A)としては、例えば、ポリ(グリシジルメタクリレート−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(4−メトキシスチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(4−メトキシスチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−アクリロニトリル−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−アクリロニトリル−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(4−(メトキシメトキシ)スチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(4−(メトキシメトキシ)スチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(4−(メトキシエトキシメトキシ)スチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(4−(メトキシエトキシメトキシ)スチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(4−(テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(4−(テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(4−(2-エトキシエトキシ)スチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド−コ−[2−〔O−(1’−メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート])、ポリ(4−(2−エトキシエトキシ)スチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド−コ−[2−〔O−(1’−メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート])、ポリ(4−(テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド−コ−[2−〔O−(1’−メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート])、ポリ(4−(テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド−コ−[2−〔O−(1’−メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート])、ポリ(4−(2−エトキシエトキシ)スチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド−コ−[2−〔1’−(3’,5’−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ〕エチル−メタクリレート])、ポリ(4−(2−エトキシエトキシ)スチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド−コ−[2−〔1’−(3’,5’−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ〕エチル−メタクリレート])、ポリ(4−(テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド−コ−[2−〔1’−(3’,5’−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ〕エチル−メタクリレート])、ポリ(4−(テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド−コ−[2−〔1’−(3’,5’−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ〕エチル−メタクリレート])、ポリ(スチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−ペンタフルオロスチレン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−グリシジルメタクリレート−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド−コ−[2−〔O−(1’−メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート]−コ−アクリロニトリル)、及び、ポリ(スチレン−コ−3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン−コ−N,N−ジエチルアクリルアミド−コ−[2−〔O−(1’−メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート]−コ−アクリロニトリル)が挙げられる。
<ノボラック型エポキシ樹脂(B)>
本発明の絶縁層材料は、ノボラック型エポキシ樹脂(B)を含有する。ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック樹脂中の水酸基をグリシジルエーテル化又は(3−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル化した樹脂、及びクレゾールノボラック樹脂中の水酸基をグリシジルエーテル化又は(3−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル化した樹脂が挙げられる。
環状エーテル構造を含む化合物は、酸の存在下、カチオン重合する。高分子化合物(A)とノボラック型エポキシ樹脂(B)とは、酸の存在下、カチオン重合し、架橋構造を形成する。光酸発生剤、光カチオン重合開始剤、熱酸発生剤及び熱カチオン重合開始剤等の重合開始剤を用いて高分子化合物(A)とノボラック型エポキシ樹脂(B)とのカチオン重合を行えば、光及び熱により重合が促進され、形成した有機薄膜トランジスタ絶縁層の架橋密度が特に高くなる。
<フッ素樹脂(C)>
本発明の絶縁層材料は、式(4)で表される繰り返し単位、及び式(5)で表される繰り返し単位を有するフッ素樹脂(C)を含む。
式(4)中、Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。該炭素数1〜20の有機基はフッ素原子を含んでいてもよい。Xで表される炭素数1〜20の有機基の定義及び具体例は、前述のR、R、及びRで表される炭素数1〜20の有機基の定義及び具体例と同じである。
式(5)中、RCで表わされるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、及びジメチルプロピレン基が挙げられる。
該フッ素樹脂は、例えば、式(4)で表される繰り返し単位の原料となる単量体化合物(モノマー)と式(5)で表される繰り返し単位となる単量体化合物(モノマー)とを共重合させる方法、式(4)で表される繰り返し単位の原料となるモノマーと式(5)で表される繰り返し単位の原料となるモノマーと追加して用いられる重合性モノマーとを共重合させる方法によって得られる。重合の際には、光重合開始剤や熱重合開始剤を用いてもよい。該光重合開始剤、及び熱重合開始剤の具体例は、上述した光重合開始剤、及び熱重合開始剤の具体例と同じである。
式(4)で表される繰り返し単位の原料となるモノマーとしては、例えば、トリフルオロエチレン、トリフルオロメチルエチレン、及びクロロトリフルオロエチレンが挙げられる。
式(5)で表される繰り返し単位の原料となるモノマーとしては、例えば、ヒドロキシメチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、及び4−ヒドロキシブチルビニルエーテルが挙げられる。
追加して用いられる重合性モノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、及びブチルビニルエーテルが挙げられる。
フッ素樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、1000〜1000000であることが好ましく、3000〜500000であることがより好ましい。フッ素樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、1000〜1000000であると、絶縁層の平坦性及び均一性が良好になる。
該フッ素樹脂は市販されているものを用いてもよい。市販品の具体例としては、旭硝子社製「ルミフロンLF200F」(商品名)及び旭硝子社製「ルミフロンLF906N」(商品名)が挙げられる。
<電磁波若しくは電子線の照射、又は熱の作用により酸を発生しうる化合物(D)>
本発明の有機薄膜トランジスタ絶縁層材料は、電磁波若しくは電子線の照射、又は熱の作用により酸を発生しうる化合物(D)を含む。
化合物(D)としては、例えば、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、及び、トリルキュミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムホスフェート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、及び、4−[4−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ(4−メチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
電磁波若しくは電子線の照射、又は熱の作用により酸を発生しうる化合物(D)は、光カチオン重合開始剤や熱カチオン重合開始剤として用いることができる。光カチオン重合開始剤として用いられる化合物(D)の具体例としては、商品名ロードシル2074(ローディアジャパン株式会社製)、商品名アデカオプトマ−SP−150(株式会社ADEKA製)、商品名アデカオプトマ−SP−152(株式会社ADEKA製)、商品名アデカオプトマ−SP−170(株式会社ADEKA製)、及び商品名アデカオプトマ−SP−172(株式会社ADEKA製)が挙げられる。また、特開平9−118663号公報に記載された化合物、及び特開2007−262401号公報に記載された化合物も光カチオン重合開始剤として使用することができる。
熱カチオン重合開始剤として用いられる化合物(D)の具体例としては、商品名TA−100(サンアプロ株式会社製)、商品名TA−120(サンアプロ株式会社製)、及び商品名TA−160(サンアプロ株式会社製)が挙げられる。
<絶縁層材料>
本発明の絶縁層材料は、混合や粘度調節のための溶媒、環状エーテル構造を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物(A)を架橋させるために用いる架橋剤、該架橋剤と組み合わせて用いられる添加剤などを含有していてもよい。該溶媒としては、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどのエーテル溶媒、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素溶媒、ペンテンなどの不飽和炭化水素溶媒、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、アセトンなどのケトン溶媒、ブチルアセテートなどのアセテート溶媒、イソプロピルアルコールなどのアルコール溶媒、クロロホルムなどのハロゲン溶媒、これらの溶媒の混合溶媒が挙げられる。また、添加剤としては、架橋反応を促進するための触媒、増感剤、レべリング剤、粘度調節剤などが挙げられる。
本発明の絶縁層材料は、有機薄膜トランジスタなどの素子に含まれる絶縁層の形成に用いられる。有機薄膜トランジスタの絶縁層の形成に用いられることが好ましく、有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層の形成に用いられることがより好ましい。絶縁層材料としては、有機薄膜トランジスタ絶縁層材料が好ましい。絶縁層材料としては、有機薄膜トランジスタ絶縁層材料が好ましく、有機薄膜トランジスタゲート絶縁層材料、及び、有機薄膜トランジスタオーバーコート絶縁層材料がより好ましく、有機薄膜トランジスタゲート絶縁層材料がさらに好ましい。
<有機薄膜トランジスタ>
図1は、本発明の一実施形態であるボトムゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造を示す模式断面図である。この有機薄膜トランジスタには、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極2と、ゲート電極2上に形成されたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3上に形成された有機半導体層4と、有機半導体層4上にチャネル部を挟んで形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、素子全体を覆うオーバーコート絶縁層7とが、備えられている。
ボトムゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタは、例えば、基板上にゲート電極を形成し、ゲート電極上にゲート絶縁層を形成し、ゲート絶縁層上に有機半導体層を形成し、有機半導体層上にソース電極及びドレイン電極を形成し、オーバーコート絶縁層を形成することで製造することができる。本発明の有機薄膜トランジスタ絶縁層材料は、有機薄膜トランジスタゲート絶縁層材料として、ゲート絶縁層を形成するのに好適に用いられる。また、有機薄膜トランジスタオーバーコート絶縁層材料として、オーバーコート絶縁層を形成するのに用いることもできる。
図2は、本発明の一実施形態であるボトムゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造を示す模式断面図である。この有機薄膜トランジスタには、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極2と、ゲート電極2上に形成されたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3上にチャネル部を挟んで形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6上に形成された有機半導体層4と、素子全体を覆うオーバーコート絶縁層7とが、備えられている。
ボトムゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタは、例えば、基板上にゲート電極を形成し、ゲート電極上にゲート絶縁層を形成し、ゲート絶縁層上にソース電極及びドレイン電極を形成し、ソース電極及びドレイン電極上に有機半導体層を形成し、オーバーコート絶縁層を形成することで製造することができる。本発明の有機薄膜トランジスタ絶縁層材料は、有機薄膜トランジスタゲート絶縁層材料として、ゲート絶縁層を形成するのに好適に用いられる。また、有機薄膜トランジスタオーバーコート絶縁層材料として、オーバーコート絶縁層を形成するのに用いることもできる。
ゲート絶縁層及びオーバーコート絶縁層の形成は、例えば、高分子化合物(A)、ノボラック型エポキシ樹脂(B)、フッ素樹脂(C)、電磁波若しくは電子線の照射又は熱の作用により酸を発生しうる化合物(D)、及び有機溶媒を含む絶縁層塗布液を調製し、該絶縁層塗布液を基材上に塗布して塗布層を形成し、塗布層を乾燥させ、次いで、硬化させることにより行う。ここで、「基材」とは、その上に有機薄膜トランジスタ絶縁層が配置されることになる有機薄膜トランジスタの構成部材をいい、「乾燥」とは、塗布された絶縁層塗布液に含まれる有機溶媒を除去することをいい、「硬化」とは、高分子化合物(A)、ノボラック型エポキシ樹脂(B)及びフッ素樹脂(C)が架橋されたことをいう。該絶縁層塗布液に用いられる有機溶媒としては、高分子化合物(A)、ノボラック型エポキシ樹脂(B)、フッ素樹脂(C)、及び電磁波若しくは電子線の照射又は熱の作用により酸を発生しうる化合物(D)を溶解させるものであれば特に制限は無いが、好ましくは、常圧での沸点が100℃〜200℃の有機溶媒である。該有機溶媒の例としては、2−ヘプタノン(沸点151℃)、及び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)が挙げられる。該絶縁層塗布液には、必要に応じてレベリング剤、界面活性剤、硬化触媒等を添加することができる。
絶縁層塗布液はスピンコート、ダイコーター、スクリーン印刷、インクジェット等の公知の方法により基材上に塗布することができる。
乾燥させた塗布層は、次いで硬化させる。高分子化合物(A)、ノボラック型エポキシ樹脂(B)及びフッ素樹脂(C)の架橋は、例えば、塗布層に電磁波若しくは電子線を照射することにより行われる。電磁波若しくは電子線の照射により、光酸発生剤である化合物(D)又は光カチオン開始剤である化合物(D)が分解して酸が生成し、高分子化合物(A)及びノボラック型エポキシ樹脂(B)中の環状エーテルが開環して重合する。環状エーテルがカチオン重合する過程で、重合末端のカチオンがフッ素樹脂(C)中の水酸基と連鎖移動反応を起こし、高分子化合物(A)、ノボラック型エポキシ樹脂(B)及びフッ素樹脂(C)が架橋する。
また、熱酸発生剤である化合物(D)及び熱カチオン重合開始剤である化合物(D)を用いた場合は、熱の作用により熱酸発生剤及び熱カチオン重合開始剤が分解して酸が生成し、高分子化合物(A)及びノボラック型エポキシ樹脂(B)中の環状エーテルが開環して重合し、上述のように架橋構造が形成される。
本発明の有機薄膜トランジスタ絶縁層の形成方法の一態様は、有機薄膜トランジスタ絶縁層材料を含む液を基材上に塗布して該基材上に塗布層を形成する工程;及び該塗布層に熱を印加する工程;を包含する形成方法である。
塗布層に熱を印加する場合は、塗布層を約80〜250℃、好ましくは約100〜230℃の温度に加熱して約5〜120分、好ましくは約10〜60分維持する。加熱温度が低すぎたり加熱時間が短すぎると有機薄膜トランジスタ絶縁層の架橋が不十分になる場合があり、加熱温度が高すぎたり加熱時間が長すぎると有機薄膜トランジスタ絶縁層が損傷する場合がある。
塗布層に電磁波を照射する場合、有機薄膜トランジスタ絶縁層の架橋及び損傷の度合いを考慮して、照射条件を調節する。マイクロ波を印加して加熱する場合は、有機薄膜トランジスタ絶縁層の架橋が及び損傷の度合いを考慮して印加条件を調節する。
照射する電磁波の波長は450nm以下が好ましく、より好ましくは150〜410nmである。照射する電磁波の波長が450nmを越えると環状エーテルの架橋が不十分になる場合がある。電磁波としては、紫外線が好ましい。
紫外線の照射は、例えば、半導体の製造のために使用されている露光装置やUV硬化性樹脂を硬化させるために使用されているUVランプを用いて行うことができる。電子線の照射は、例えば、超小型電子線照射管を用いて行うことができる。加熱はヒーター及びオーブンなどを用いて行うことができる。
ゲート絶縁層上には、自己組織化単分子膜層を形成してもよい。該自己組織化単分子膜層は、例えば、有機溶媒中にアルキルクロロシラン化合物もしくはアルキルアルコキシシラン化合物を1〜10重量%溶解させた溶液でゲート絶縁層を処理することにより形成することが出来る。
アルキルクロロシラン化合物の例としては、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、及びオクタデシルトリクロロシランが挙げられる。
アルキルアルコキシシラン化合物の例としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、及びオクタデシルトリメトキシシランが挙げられる。
基板1、ゲート電極2、ソース電極5、ドレイン電極6及び有機半導体層4は、通常使用される材料及び方法で構成すればよい。基板の材料には樹脂やプラスチックの板やフィルム、ガラス板、シリコン板などが用いられる。電極の材料には、クロム、金、銀、アルミニウム、モリブデン等を用い、蒸着法、スパッタ法、印刷法、インクジェット法等の公知の方法で電極を形成する。
有機半導体層4を形成するための有機半導体としてはπ共役ポリマーが用いられ、例えば、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリアリルアミン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリカルバゾール及びその誘導体、ポリインドール及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体を用いることができる。また、有機溶媒に溶解する低分子物質、例えば、ペンタセンなどの多環芳香族の誘導体、フタロシアニン誘導体、ペリレン誘導体、テトラチアフルバレン誘導体、テトラシアノキノジメタン誘導体、フラーレン及びその誘導体、カーボンナノチューブ及びその誘導体も用いることができる。具体的には、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジ(エチレンボロネート)と、2,6−ジブロモ−(4,4−ビス−ヘキサデカニル−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]−ジチオフェンとの縮合物、9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジ(エチレンボロネート)と、5,5’−ジブロモ−2,2’−バイチオフェンとの縮合物等があげられる。
有機半導体層の形成は、例えば、有機半導体に要すれば溶媒などを添加して有機半導体塗布液を調製し、該有機半導体塗布液をゲート絶縁層上に塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることにより行う。
有機半導体塗布液に使用される溶媒としては、有機半導体を溶解又は分散させるものであれば特に制限は無いが、好ましくは、常圧での沸点が50℃〜200℃の溶媒である。
該溶媒の例としては、クロロホルム、トルエン、アニソール、2−ヘプタノン、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。該有機半導体塗布液は、前記絶縁層塗布液と同様にスピンコート、ダイコーター、スクリーン印刷、インクジェット等の公知の方法によりゲート絶縁層上に塗布することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタは、有機薄膜トランジスタを保護し、また、表面の平滑性を高める目的で、オーバーコート材でコートしてもよい。
本発明の有機薄膜トランジスタ絶縁層材料を用いて製造した有機薄膜トランジスタ絶縁層は、その上に平坦な膜等を積層することができ、積層構造を容易に形成することができる。また、該有機薄膜トランジスタ絶縁層上に有機エレクトロルミネッセンス素子を好適に搭載することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタ絶縁層材料を用いて、好適に有機薄膜トランジスタを有するディスプレイ用部材を作製できる。該有機薄膜トランジスタを有するディスプレイ用部材を用いて、ディスプレイ用部材を備えるディスプレイを作製できる。
本発明の有機薄膜トランジスタ絶縁層材料は、絶縁層以外のトランジスタに含まれる層、有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれる層を形成する用途にも用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明が実施例により限定されるものではないことは言うまでもない。
合成例1
(化合物1−Aの合成)
三方コック及びセプタムを取り付けた300mlの三つ口フラスコに、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成株式会社製、商品名:OXT−101)を33.29g、トリエチルアミン(和光純薬工業株式会社製)を48.31g、脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業株式会社製)を200ml、及び攪拌子を入れ、フラスコ内部の空気を窒素で置換した。フラスコを氷浴中に浸け、マグネティックスターラーで攪拌子を攪拌させることにより反応混合物を攪拌させながら、ガスタイトシリンジを用いてメタクリロイルクロライド25.00gをゆっくり滴下した。滴下終了後、氷浴中で更に2時間攪拌を続け、その後、室温で一晩攪拌を続けて反応させた。反応終了後、生成したトリエチルアミンの塩酸塩を濾別し、濾液を500mlの分液ロートに移し、濾液にジエチルエーテルを200ml加えた後、100mlのイオン交換水で有機層を水洗し、有機層を分液した。有機層の水洗を3回繰り返し行った後、有機層を分液し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。無水硫酸マグネシウムを濾別した後、ロータリーエバポレーターを用いて濾液を濃縮し、化合物(1−A)を淡褐色液体として得た。化合物(1−A)の得量は29.3gであり、収率は61.3%であった。
Figure 0006056443
化合物(1−A)
(高分子化合物1の合成)
50ml耐圧容器(ACE GLASS社製)に、化合物(1−A)を1.50g、N,N−ジエチルアクリルアミド(興人フィルム&ケミカルズ株式会社製)を1.55g、4−ビニルアニソール(和光純薬工業株式会社製)を1.64g、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート(商品名「カレンズMOI−BM」、昭和電工株式会社製)を1.95g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)を0.02g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(東京化成工業株式会社製)を10.01g入れ、アルゴンガスをバブリングした後、密栓した。80℃のオイルバス中で5時間重合させ、高分子化合物1が溶解している粘稠なプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。高分子化合物1は、下記繰り返し単位を有している。括弧の添え数字は繰り返し単位のモル分率を示している。
Figure 0006056443
高分子化合物1
得られた高分子化合物1の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、104000であった(島津製GPC、Tskgel super HM−H 1本+Tskgel super H2000 1本、移動相=THF)。
合成例3
(高分子化合物2の合成)
2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジ(エチレンボロネート)を1.88g、及び2,6−ジブロモ−(4,4−ビス−ヘキサデカニル−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]−ジチオフェンを3.81g含む80mLのトルエン溶液中に、窒素雰囲気下において、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを0.75g、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(シグマアルドリッチ社製、商品名「Aliquat 336」(登録商標))を1.0g、及び2Mの炭酸ナトリウム水溶液を24mL加えた。得られた混合物を激しく攪拌し、加熱して24時間還流させた。得られた粘稠な反応混合物をアセトン500mLに注ぎ、繊維状の黄色のポリマーを沈澱させた。このポリマーを濾過して集め、アセトンで洗浄し、真空オーブンにおいて60℃で一晩乾燥させた。得られたポリマーを高分子化合物2とよぶ。高分子化合物2は、下記構造で表される。nは繰り返し単位の数を示している。
Figure 0006056443
高分子化合物2
高分子化合物2の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、32000であった(島津製GPC、Tskgel super HM−H 1本+Tskgel super H2000 1本、移動相=THF)。
実施例1
(有機薄膜トランジスタ絶縁層材料及び電界効果型有機薄膜トランジスタの製造)
20mlのサンプル瓶に、合成例1で得た高分子化合物1のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を0.25g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂YDCN−704(東都化成株式会社製)を5.00g、ルミフロンLF-906N(旭硝子株式会社製)の40重量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を0.25g、電磁波若しくは電子線の照射又は熱の作用により酸を発生しうる化合物(D)として熱カチオン重合開始剤であるTA−100(サンアプロ株式会社製)を0.036g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを6.50g入れ、攪拌しながら溶解させ、有機薄膜トランジスタ絶縁層材料である塗布液1を調製した。
「ルミフロンLF906N」は、式(4−a)で表される繰り返し単位と式(5−a)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物である。式(4−a)中、Xはフッ素原子、塩素原子又はトリフルオロメチル基を表す。式(5−a)中、R18はアルキレン基を表す。
Figure 0006056443
(4−a) (5−a)
得られた塗布液1を孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、クロム電極のついたガラス基板上にスピンコートした後、窒素中、ホットプレート上で100℃で1分間乾燥し、更に、220℃で30分間焼成してゲート絶縁層を得た。段差計で測定したゲート絶縁層の厚さは、206nmであった。
次に、高分子化合物2をキシレンに溶解させ、高分子化合物2の濃度が0.5重量%である溶液を作製し、該溶液をメンブランフィルターで濾過して塗布液2を調製した。
得られた塗布液2を前記ゲート絶縁層上にスピンコート法により塗布し、約30nmの厚さの活性層を形成した。次いで、メタルマスクを用いた真空蒸着法により、活性層上にソース電極及びドレイン電極を形成し、電界効果型有機薄膜トランジスタを作製した。ソース電極及びドレイン電極は、活性層側から、酸化モリブデンと金が積層した構造を有し、チャネル長が20μmであり、チャネル幅が2mmであった。
<トランジスタ特性の評価>
電界効果型有機薄膜トランジスタについて、ゲート電圧Vgを20〜−40V、ソース・ドレイン間電圧Vsdを0〜−40Vに変化させた条件で、トランジスタ特性を真空プロ−バ(BCT22MDC−5−HT−SCU;Nagase Electronic Equipments Service Co., LTD製)を用いて移動度及び閾値電圧(Vth1)を測定した。結果を表1に示す。
<電気特性の評価>
前記塗布液1を孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、クロム電極のついたガラス基板上にスピンコートした後、窒素中、ホットプレート上で100℃で1分間乾燥し、更に、220℃で30分間焼成して厚さ206nmのゲート絶縁層を得た。
次に、得られたゲート絶縁層上に、メタルマスクを用いてアルミニウムを蒸着し、アルミニウム電極を形成し、MIM素子を作製した。
作製したMIM素子について、電極間に1MV/cmの電界をかけて、比誘電率、及びVgが−40Vにおけるリーク電流(Ion)を真空プロ−バ(BCT22MDC−5−HT−SCU;Nagase Electronic Equipments Service Co., LTD製)を用いて測定した。リーク電流は、8.5×10−10A/cmであった。
比較例1
ポリビニルフェノール(シグマアルドリッチ社製、Mn=8000)1.00g、N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメトキシメチルメラミン(住友化学株式会社製)0.163g、熱酸発生剤(みどり化学株式会社製、商品名:TAZ-108)0.113g、2−ヘプタノン7.00gを10mlのサンプル瓶に入れ、攪拌して溶解させ、均一な塗布液3を調製した。
塗布液1に代えて塗布液3を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ224nmのゲート絶縁層を有する電界効果型有機薄膜トランジスタを作製し、得られた電界効果型有機薄膜トランジスタのトランジスタ特性を測定した。結果を表1に示す。
<電気特性の評価>
塗布液1に代えて塗布液3を用いた以外は実施例1と同様にしてMIM素子を作製し、リーク電流及び誘電率を測定した。リーク電流は、1.1×10−8A/cmであった。
Figure 0006056443
1…基板、
2…ゲート電極、
3…ゲート絶縁層、
4…有機半導体層、
5…ソース電極、
6…ドレイン電極、
7…オーバーコート絶縁層。

Claims (10)

  1. 環状エーテル構造を含有する繰り返し単位と式(3)で表される繰り返し単位とを含む高分子化合物(A)と、
    ノボラック型エポキシ樹脂(B)と、
    式(4)で表される繰り返し単位と式(5)で表される繰り返し単位とを含むフッ素樹脂(C)と、
    電磁波若しくは電子線の照射、又は熱の作用により酸を発生しうる化合物(D)とを含有する絶縁層材料。
    Figure 0006056443
    (3)
    〔式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。〕
    Figure 0006056443
    (4)
    〔式中、Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。〕
    Figure 0006056443
    (5)
    〔式中、RCは、アルキレン基を表す。該アルキレン基中の水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。〕
  2. 環状エーテル構造を含有する繰り返し単位が、式(1)で表される繰り返し単位又は式(2)で表される繰り返し単位である請求項1に記載の絶縁層材料。
    Figure 0006056443
    (1)
    〔式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。Rは、二価の基を表す。a1は、0又は1を表す。〕
    Figure 0006056443
    (2)
    〔式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。Rは、二価の基を表す。b1は、0又は1を表す。〕
  3. 高分子化合物(A)が、さらに、以下の第1の官能基を含有する繰り返し単位を含む請求項1又は2に記載の絶縁層材料。

    第1の官能基:活性水素と反応しうる第2の官能基を、電磁波の照射もしくは熱の作用により生成しうる官能基
  4. 第1の官能基が、ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基又はブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基である請求項3に記載の絶縁層材料。
  5. ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基及びブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基が、式(6)で表される基である請求項4に記載の絶縁層材料。
    Figure 0006056443
    (6)
    〔式中、Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。〕
  6. ブロック化剤でブロックされたイソシアナト基及びブロック化剤でブロックされたイソチオシアナト基が、式(7)で表される基である請求項4に記載の絶縁層材料。
    Figure 0006056443
    (7)
    〔式中、Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。〕
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の絶縁層材料を用いて形成した有機薄膜トランジスタ絶縁層を有する有機薄膜トランジスタ。
  8. 前記有機薄膜トランジスタ絶縁層がゲート絶縁層である請求項7に記載の有機薄膜トランジスタ。
  9. 請求項7又は8に記載の有機薄膜トランジスタを含むディスプレイ用部材。
  10. 請求項9に記載のディスプレイ用部材を含むディスプレイ。
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