JP6056297B2 - 空調室内機 - Google Patents
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Description
図1は、運転停止時の空調室内機10の断面図である。図2は、運転時の空調室内機10の断面図である。
(2−1)ケーシング
本体ケーシング11は、天面部11a、前面パネル11b、背面板11c及び下部水平板11dを有している。天面部11aは、本体ケーシング11の上部に位置しており、吸込口19は、天面部11aの前部に設けられている。
水平フラップ31は、空調室内機10の長手方向に長い板状の部材であって、吹出口15を塞ぐことができる程度の面積を有している。また、水平フラップ31が吹出口15を閉じた状態において、その外側面31aは、前面パネル11bの曲面の延長上にあるような外側に凸のなだらかな円弧曲面に仕上げられている。そして、水平フラップ31の内側面31bは、外側面31aにほぼ平行な円弧曲面を成している。なお、本実施形態では、水平フラップ31の内側面31bが円弧曲面を成しているが、水平フラップ31の内側面が平面であってもよい。
コアンダフラップ32は、空調室内機10の長手方向に長い板状の部材である。また、コアンダフラップ32の外側面32aは、コアンダフラップ32が収容部12に収容された状態で、前面パネル11bのなだらかな円弧曲面の延長上にあるような外側に凸のなだらかな円弧曲面に仕上げられている。なお、コアンダフラップ32は、空調室内機10の運転が停止している場合には、収容部12に収納されている。
制御装置60は、図4に示すように、空調室内機10の備える各種部材と接続されている。また、制御装置60は、リモートコントローラ80を介してユーザから各種設定指示を受け付けることができ、受け付けたユーザからの設定指示に基づいて各種部材の動作制御を行う。なお、本実施形態の制御装置60は、本体ケーシング11を前面パネル11b側から視た場合に、室内熱交換器13及び室内ファン14の右側方に位置している。
「上下風向」が通常吹きモードに設定されると、風向制御部61は、水平フラップ31のみを回動させて吹出空気の風向を調整し、通常吹きモードを実行する。なお、通常吹きモードでは、ユーザは、さらに、水平吹きモードと前方下吹きモードとを選択可能であり、「上下風向」が水平吹きモードに設定されると、風向制御部61は、水平フラップ31に水平吹き姿勢を採らせる。具体的には、風向制御部61は、図3Aに示すように、水平フラップ31の内側面31bが略水平になる位置まで水平フラップ31を回動させて、吹出空気を水平フラップ31の内側面31bに沿った前方に吹き出させる。また、「上下風向」が前方下吹きモードに設定されると、風向制御部61は、水平フラップ31に前方下吹き姿勢を採らせる。具体的には、風向制御部61は、図3Cに示すように、水平フラップ31の内側面31bが水平よりも前下がりになるまで水平フラップ31を回動させることで、吹出空気を水平フラップ31の内側面31bに沿った前方下向きに吹き出させる。このように、通常吹きモードが実行されることで、吹出空気は、吹出口15から前方(水平方向)に、或いは、前方下向きに吹き出される。
「上下風向」が上吹きモードに設定されると、風向制御部61は、水平フラップ31及びコアンダフラップ32を回動させて吹出空気の風向を調整し、上吹きモードを実行する。なお、本実施形態では、ユーザは、「運転モード」を冷房、除湿、又は、送風に設定しているときのみ、「上下風向」を上吹きモードに設定可能であるものとする。
「上下風向」が下吹きモードに設定されると、風向制御部61は、水平フラップ31及びコアンダフラップ32を回動させて吹出空気の風向を調整し、下吹きモードを実行する。なお、下吹きモードは、水平フラップ31の姿勢がスクロールの終端Fの接線L0よりも下向きになる場合に実行されるモードであって、風向制御部61は、水平フラップ31及びコアンダフラップ32に下吹き姿勢を採らせる。具体的には、風向制御部61は、まず、水平フラップ31の内側面31bが下向きなるまで水平フラップ31を回動させる。次に、風向制御部61は、コアンダフラップ32の外側面32aが下向きになるまでコアンダフラップ32を回動させる(図3D参照)。これにより、吹出空気は、水平フラップ31とコアンダフラップ32との間を通過し、下向きに、すなわち、床面に向かって吹き出されて、室内の床面へと向かう。
自然風向モードは、いわゆるオートルーバー機能によって風向を調整するモードであって、吹出空気を人体に当てる動作と当てない動作との繰り返し手段として利用される。
風向自動モードは、吹出空気の風向を自動的に調整するモードであって、設定されている「運転モード」に応じて風向が自動的に切り替えられる。
制御装置60がユーザから「上下風向」の設定として風向自動モードの設定指示を受け付けたとき、風向制御部61は、「運転モード」が暖房に設定されている場合には、室内温度センサ90から受信した室内温度情報に基づく室内温度、すなわち、現在の室内温度と、設定温度との差が所定温度以下であるか否かを判断し、判断結果に基づいて上吹きモード又は下吹きモードのいずれかのモードを実行する。
(4−1)
外気温度が低い場合には、外気の影響で室内温度が低下しやすく、また、暖気は室内の天井近傍に溜まる性質があるため、外気温度が低い場合には、特に床面近傍の空気の温度が低下しやすくなる。したがって、外気温度が低い場合に、吹出空気が室内の床面に向かう方向以外の方向に向けて吹き出されると、吹出空気によって室内の床面近傍の空気が積極的に暖められないことで、室内の床面近傍の空気の温度が急速に低下して、室内に居るユーザの快適性を損なうおそれがある。
本実施形態では、風向制御部61が、設定温度と現在の室内温度との差が所定温度以下となってから一定時間以上経過しているという条件、すなわち、室内の温度が安定した状態となっているという条件を満たしていると判断しなければ、上下風向モードを下吹きモードから上吹きモードに切り替えない。このように、室内の温度が安定しなければ、上下風向モードが下吹きモードから上吹きモードに切り替えられないため、床面近傍の空気の温度が上がっていないにもかかわらず、床面近傍の空気が積極的に暖められなくなるおそれを低減することができる。
本実施形態では、水平フラップ31に水平吹き姿勢を採らせ、コアンダフラップ32に上吹き姿勢を採らせることで、吹出空気を、コアンダフラップ32の外側面32aに沿ったコアンダ気流にして、天井面へと誘導している。この空調室内機10では、水平フラップ31及びコアンダフラップ32を利用して、吹出空気を室内の天井面に向かって吹き出させることで、循環気流を形成することができている。
本実施形態では、暖房時に風向自動モードが実行される場合には、一時的に、水平フラップ31の姿勢が下吹き姿勢から水平吹き姿勢に切り替えられ、かつ、コアンダフラップ32の姿勢が下吹き姿勢から上吹き姿勢に切り替えられている。この結果、暖気が吹出口15から上方向に吹き出されるため、床面近傍の空気と、水平フラップ31及びコアンダフラップ32が下吹き姿勢を採っていたときに室内の天井近傍に溜また暖気とを攪拌することができる。このように、室内全体の空気を攪拌することで、暖房時における室内の温度ムラを解消することができている。
暖房時に吹出空気が吹出口15から上方向に吹き出され続けると、床面近傍の空気が積極的に暖められないために、床面近傍の空気の温度が下がってしまい、ユーザに不快感を与えるおそれがある。
(5−1)変形例A
上記実施形態では、暖房時の風向自動モードでは、風向制御部61は、上吹きモード及び下吹きモードを選択し、所定条件が満たされた場合に上吹きモードと下吹きモードとを切り替えている。
上記実施形態では、第1暖房時切替条件として、外気温度が所定温度よりも高いという条件が含まれているため、外気温度が所定温度以下であれば、下吹きモードから上吹きモードに切り替えられることはない。また、上吹きモードに切り替えられてから所定時間が経過したという第2暖房時切替条件が満たされたときに、上吹きモードから下吹きモードに切り替えられている。
上記実施形態では、吹出空気の風向を、室内の床面に向かって吹き出される風向や、吹出口15から上方向に吹き出される風向にするために、水平フラップ31とコアンダフラップ32とが利用されている。しかしながら、吹出空気の風向を室内の床面に向かって吹き出される風向や吹出口15から上方向に吹き出される風向にすることができれば、空調室内機10の構成はこれに限定されない。例えば、水平フラップ31だけで、吹出空気の風向を吹出口15から上方向に吹き出される風向にすることができるのであれば、空調室内機10がコアンダフラップ32を備えていなくてもよい。
上記実施形態では、吹出空気を吹出口15から上方向に吹き出させる上吹きモード実行時には、風量制御が行われていない。しかしながら、吹出空気を吹出口から上方向に吹き出させたとしても、吹出空気の風量が少ない場合には、吹出空気が室内の隅まで届かず、室内全体を循環する循環気流が形成できないことがある。
14 室内ファン(ファン)
15 吹出口
31 水平フラップ(フラップ/第1フラップ)
32 コアンダフラップ(フラップ/第2フラップ)
32a 外側面(下面)
60 制御装置(制御部)
90 室内温度センサ(室内温度取得部)
91 外気温度センサ(外気温度取得部)
Claims (4)
- 室内温度を取得する室内温度取得部(90)と、
外気温度を取得する外気温度取得部(91)と、
吹出口(15)から前記室内の床面に向かって吹出空気が吹き出される下吹き姿勢と、前記吹出口から水平方向又は上方向に前記吹出空気が吹き出される上吹き姿勢と、を採ることが可能であり、前記吹出空気の上下方向の風向を変更するためのフラップ(31,32)と、
前記フラップの姿勢を調整して前記吹出空気の風向を自動的に変更することで前記室内の温度ムラを解消する風向自動モードを有する制御部(60)と、
を備え、
前記制御部は、
暖房時に、前記風向自動モードを実行する場合には、
前記室内温度取得部によって取得される前記室内温度、及び、前記外気温度取得部によって取得される前記外気温度が所定条件を満たしている場合に、前記フラップの姿勢を前記下吹き姿勢から前記上吹き姿勢に切り替える、
及び/又は、
前記外気温度に応じて、前記フラップに前記上吹き姿勢を継続して採らせる時間を調整し、
さらに前記制御部は、前記風向自動モード実行時には、前記フラップに前記上吹き姿勢を継続して採らせる時間を、前記外気温度が低いほど短くなるように調整する、
空調室内機(10)。 - 前記制御部は、
前記室内温度が安定した状態となり、かつ、前記外気温度が所定温度よりも高い場合に、前記所定条件が満たされたと判断し、
前記フラップの姿勢を、前記下吹き姿勢から前記上吹き姿勢に切り替える、
請求項1に記載の空調室内機。 - 前記吹出口から吹き出される前記吹出空気の風量を変更可能なファン(14)、
を備え、
前記制御部は、前記フラップに前記上吹き姿勢を採らせる場合には、前記吹出空気が前記室内全体を循環する気流を形成するために必要な最低風量が確保されるように前記風量を調整する、
請求項1又は請求項2に記載の空調室内機。 - 前記フラップは、
前記吹出口近傍に配置される第1フラップ(31)と、
前記第1フラップと共同して、前記吹出空気を下面(32a)に沿ったコアンダ気流にする第2フラップ(32)と、
を有し、
前記上吹き姿勢では、前記コアンダ気流を利用して、前記吹出空気を前記室内の天井面へと向かわせる、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空調室内機。
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