〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る通信システムを示している。この通信システム2は、本開示の無線通信装置、その制御方法および制御プログラムの一例である。
図1に示す通信システム2では、少なくとも1つの無線LANアクセスポイント装置(以下、単に「アクセスポイント」と称する)4が含まれる。このアクセスポイント4は本開示の無線通信装置の一例である。
このアクセスポイント4はたとえば、無線通信や有線通信が可能なコンピュータで構成される。このアクセスポイント4には、一例としてプロセッサ40、通信部42、メモリ44、単一または複数のLANポートとして複数の有線LANポート46−1、46−2、46−3・・・46−Nが備えられている。
プロセッサ40は制御部の一例である。このプロセッサ40では、通常時(平常時)、通常モード(M1)を実行し、災害時などの緊急時、災害モード(M2)を実行する。通常時は第1の状態の一例であり、緊急時は第1の状態より緊急度の高い第2の状態の一例である。通常時、通常プロファイル120を用いた通常モードでの通信などの制御を行う。通常プロファイル120は第1の状態プロファイルの一例である。災害などの緊急時、緊急災害用プロファイル122を用いた災害モードでの通信などの制御を行う。緊急災害用プロファイル122は第2の状態プロファイルの一例である。
通信部42は、アンテナ48を備え、プロセッサ40の制御により、アクセスポイント4の電波受信エリア10に入った無線LAN端末装置(以下、単に「端末装置」と称する)6−1、6−2・・・6−Nと無線接続を行う。
メモリ44は記憶手段の一例である。このメモリ44は、プロファイルなどの各種のデータを格納する記録媒体で構成される。この実施の形態のメモリ44には、通常プロファイル120および緊急災害用プロファイル122が格納されている。通常プロファイル120は、通常時の通信に用いる接続情報を格納した無線LANプロファイルの一例である。緊急災害用プロファイル122は、緊急時の通信に用いる接続情報を格納した無線LANプロファイルの一例である。
有線LANポート46−1、46−2、46−3・・・46−Nにはサーバなど、有線LANデバイス8が接続される。
このアクセスポイント4に対し、複数の無線LAN端末装置(以下、単に「端末装置」と称する)6−1、6−2・・・6−Nが存在する。各端末装置6−1、6−2・・・6−Nは特定端末装置または不特定端末装置である。各端末装置6−1、6−2・・・6−Nはアンテナ62を備え、一定の条件によりアクセスポイント4との無線通信が可能である。つまり、通常時、特定ユーザ(たとえば、アクセスポイント4の管理者または所有者など)が使用するたとえば、端末装置6−1はアクセスポイント4との無線接続が可能である。これに対し、災害時、不特定の他の端末装置6−2・・・6−Nはアクセスポイント4の電波受信エリア10に入れば、アクセスポイント4と無線接続が可能である。
斯かる構成では、災害などの緊急時、プロセッサ40により実行中の通常プロファイル120から緊急災害用プロファイル122に切り替えられる。これにより、災害モードが実行され、不特定の端末装置6−1、6−2・・・6−Nとの無線接続が可能となる。そして、緊急災害用プロファイル122による制御では、緊急災害用プロファイル122にある接続情報に基づいて特定の有線LANポート46−1、46−2、46−3・・・46−Nのうちから特定のものがシャットされる。これにより、緊急時に無線接続された端末装置6と特定の有線LANデバイス8との接続が禁止される。
<通信制御の処理手順>
図2は、通信システム2の通信制御の処理手順を示している。この処理手順は、本開示の無線通信装置の制御方法または制御プログラムの一例である。
図2に示す処理手順は、既述のアクセスポイント4の制御を実行する。メモリ44に通常プロファイル120および緊急災害用プロファイル122を記憶する(S11)。つまり、通常プロファイル120が存在していれば、緊急災害用プロファイル122を追加する。緊急災害用プロファイル122には、緊急災害用の接続情報を格納する。
プロセッサ40が災害時かを判別する(S12)。通常時、緊急災害の到来を監視する。緊急災害か否かの判別にはたとえば、緊急地震速報を用いればよい。
通常時には(S12のNO)、通常プロファイル120により通常モードを実行する(S13)。これに対し、緊急時には(S12のYES)、プロセッサ40が通常プロファイル120から緊急災害用プロファイル122に切り替える。これにより、災害時には緊急災害用プロファイル122により災害モードを実行する(S14)。
災害モードでは、緊急災害用プロファイル122にある接続情報に基づいて特定の有線LANポートをシャットする。これにより、緊急時に無線接続される端末装置6と特定の有線LANデバイス8との接続が禁止される(S15)。
<第1の実施の形態の効果>
上記実施の形態によれば、次のような効果が得られる。
(a) 災害などの緊急時、特定のアクセスポイント4が一般に開放され、緊急時に必要な通信手段を構成できる。
(b) アクセスポイント4には緊急災害用プロファイル122が備えられ、その設定により不特定の端末装置6−2、6−3・・・6−Nとの接続が可能である。端末装置6は、アクセスポイント4に接続されているインターネット回線に接続することができる。
(c) アクセスポイント4ではたとえば、緊急地震速報の受信を契機に通常プロファイル120から緊急災害用プロファイル122に自動切替えを行うことができる。したがって、緊急災害用プロファイル122に格納されている接続情報を用いて緊急時に必要な通信を不特定の端末装置6−2、6−3・・・6−Nで行うことができる。
(d) 災害モードに切り替えられたとき、緊急災害用プロファイル122に登録されている有線LANポートをシャットするので、災害モードの実行時、セキュリティを確保することができる。
〔第2の実施の形態〕
図3は、第2の実施の形態に係る通信システムを示している。この通信システムは、本開示の無線通信装置、その制御方法または制御プログラムの一例である。
この通信システム2には複数の無線LANアクセスポイント装置4−1、4−2(以下、単に「アクセスポイント4−1、4−2またはアクセスポイント4」と称する)および端末装置6が含まれる。アクセスポイント4−1はたとえば、家屋13−1内に設置される。アクセスポイント4−2はたとえば、ビル13−2、その他の店舗などに設置される。
端末装置6は無線接続媒体の一例として電波14を用いた無線接続によりたとえば、インターネットを通じて情報の授受が可能な情報端末の一例である。この端末装置6には、スマートフォン60−1、60−2、パーソナルコンピュータ(PC)60−3などが含まれる。スマートフォン60−1、60−2、PC60−3は、既述の端末装置6−1、6−2・・・6−Nの一例である。
通常時、アクセスポイント4−1、4−2には特定のスマートフォン60−1、60−2、PC60−3のいずれかまたは2以上が無線接続される。そして、端末装置6には無線LAN設定情報12が設定されている。この無線LAN設定情報12には、通常プロファイル120および緊急災害用プロファイル122が含まれる。通常プロファイル120は、無線LAN設定情報12のうち、通常時に用いられるプロファイルであり、所有者などの特定のユーザ16により任意に設定される。
緊急災害用プロファイル122は、災害発生18の際、既述の電波14により無線接続を可能にするためのプロファイルである。この緊急災害用プロファイル122が各アクセスポイント4−1、4−2および端末装置6に共通に設定されている。つまり、災害発生18の際には、緊急災害用プロファイル122を用いて既述の電波14により無線接続を可能にする。
<緊急災害用プロファイル122>
図4は、緊急災害用プロファイル122の一例を示している。この緊急災害用プロファイル122は、無線LAN設定情報12の一部を構成する。この緊急災害用プロファイル122には、項目情報20と、設定値情報22が格納されている。項目情報20は情報の種別である。この項目情報20にはたとえば、SSID(Service set identifier:通信先識別情報)、セキュリティキー(Key )、チャンネル情報が含まれる。
SSIDは無線LANで通信相手を識別するために用いられる文字列である。この場合、SSIDの設定値情報22では一例として、「KINKYU」である。
セキュリティキー(Key)は、通信接続に用いられるキー情報であって、この場合、設定値情報22は「OPEN」である。「OPEN」は、通信規制を解除した状態を表している。
チャンネル情報は接続可能チャンネル情報である。この場合、設定値情報22には、接続可能チャンネル情報として、「11〔ch〕」が表示されている。この11〔ch〕は、最もポピュラーな周波数チャンネルを表している。このチャンネルの周波数はたとえば、2.462〔GHz〕である。
<アクセスポイント4−1、4−2>
図5は、アクセスポイント4−1、4−2のハードウェアの一例を示している。
たとえば、アクセスポイント4−1は無線通信機能を備えたコンピュータで構成されている。このアクセスポイント4−1は、プロセッサ40、有線LAN通信部402、無線LAN通信部404、無線受信部406、ルーティング制御部408、メモリ44、電源部412、表示部414、有線WAN通信部416などの機能部を含んでいる。これら機能部はバス418で接続されている。
プロセッサ40は既述の機能部の制御部であって、メモリ44に格納されているOS(Operating System)の実行により、ファームウェアプログラム、アプリケーションプログラムなど、各種のプログラムを実行する。この場合、プロセッサ40は、「災害モード」の切替え手段を構成しており、無線受信部406がたとえば、「緊急地震速報」を受信した際、これを契機に「災害モード」に移行する。つまり、プロセッサ40は、緊急時、無線接続中の端末装置6に対する無線接続の許可、不許可、切断を表す情報、緊急災害用プロファイル122にある接続情報のいずれかまたは2以上を出力する。
有線LAN通信部402は主として通常時、有線LANを媒介とする外付けハードディスク、プリンタなどの各種の有線LANデバイス8と有線接続を行う。
無線LAN通信部404は既述の通信部42(図1)の一例である。この無線LAN通信部404はアンテナ48を備え、通常時および緊急災害時など、プロセッサ40の制御により無線LAN機器との無線接続を行う。無線LAN機器には、既述の端末装置6が含まれる。
無線受信部406は緊急地震速報受信部の一例であり、アンテナ422を備え、「緊急地震速報」を無線電波により受信する。この「緊急地震速報」はたとえば、基地局から送信される。非常時を表す信号は、緊急地震速報に限定されない。
ルーティング制御部408は経路設定に用いられ、有線または無線の経路設定を行う。
メモリ44には、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)などの記憶手段が含まれる。ROMには、既述のOSやファームウェアプログラム、アプリケーションプログラムなどのプログラムの他、情報記憶部が設定されている。この情報記憶部にはテーブルA、テーブルBなどの複数のテーブル444−1、444−2が設定されている。テーブル444−1(テーブルA)にはたとえば、過去に接続した端末が持つ「有線LAN−MACアドレス」とその端末が災害時にネットワーク回線からシャットするか接続維持とするかの設定情報を格納する。テーブル444−2(テーブルB)にはアクセスポイントに現在、有線LAN接続している端末のマックアドレスとそのポート情報を格納する。メモリ44はハードディスク装置や半導体記憶装置などで構成される。
電源部412は既述の各機能部に電源を供給する。表示部414はたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)で構成され、各種の情報を表示する。
有線WAN(wide area network )通信部416はプロセッサ40の制御によりインターネット24と接続され、外部のコンピュータと接続され、有線により情報の授受を行う。
斯かる構成において、アクセスポイント4−1では、無線受信部406が「緊急地震速報」を受信すると、プロセッサ40は、「災害モード」に切り替え、「災害モード」の動作を行う。
これらのハードウェア構成および機能は、既述のアクセスポイント4−2においても同様であるので、その説明を割愛する。
<有線LAN通信部402>
図6は、有線LAN通信部402の一例を示している。この有線LAN通信部402ではバス418を介して有線LAN制御部426が接続されている。この有線LAN制御部426にはセレクタ428を介して有線LANポートA、Bなど複数の有線LANポート46−1、46−2、46−3・・・46−Nが設けられている。有線LAN制御部426はセレクタ428の制御を行う。セレクタ428はスイッチである。セレクタ428の制御により、有線LANポート46−1、46−2、46−3・・・46−Nが切り替えられる。
この実施の形態では、有線LANポート46−1には一例としてサーバ26が接続されている。有線LANポート46−2には一例としてHDD(Hard Disk Drive :ハードディスク装置)28が接続されている。有線LANポート46−3には一例としてプリンタ29が接続されている。有線LANポート46−Nには一例としてNAS(Network Attached Storage:ネットワークに接続可能な記憶装置)30が接続されている。
サーバ26は、プロセッサ40と連携される情報処理装置の一例である。HDD28、NAS30はプロセッサ40と連携される記憶装置の一例であり、各種の情報が格納される。つまり、これらの有線LAN装置は、緊急非常時に外部接続される端末装置6とはセキュリティ上、接続回避が必要である。プリンタ29は、電子情報を紙媒体などに文字や図形、画像に顕在化させる手段の一例である。
<無線LAN通信部404>
図7は、無線LAN通信部404の一例を示している。この無線LAN通信部404では、無線LAN送受信部432、無線LAN制御部434、セレクタ436、記憶手段としてROM−A、ROM−Bなどの複数のROM448−1、448−2、入力部440、入力バッファ442が設置されている。
無線LAN送受信部432は、既述のアンテナ48を備え、無線LAN信号の送受信を行う。
無線LAN制御部434は、無線LAN信号の送受信の制御、セレクタ436の切替え制御を行う。セレクタ436はスイッチであり、ROM448−1、448−2の切替えを行う。
ROM448−1、448−2は、既述のメモリ44に含まれている。ROM448−1には、緊急災害時に用いられる緊急災害用プロファイル122が格納されている。ROM448−2には、通常プロファイル120が格納されている。つまり、通常時の設定情報には、ROM448−2(ROM−B)に格納されている通常プロファイル120が用いられる。これに対し、緊急災害時の設定情報には、ROM448−1(ROM−A)にある緊急災害用プロファイル122に切り替えられ、緊急災害用プロファイル122が用いられる。たとえば、無線受信部406(図5)が緊急地震速報を受信した場合、この受信を契機に無線LAN制御部434がセレクタ436により、ROM448−1からROM448−2に切り替える。
通常時、入力部440は情報入力に用いられる。この情報入力を受け、その入力情報が入力バッファ442に保持される。
<無線受信部406>
図8は、無線受信部406の一例を示している。この無線受信部406には緊急情報受信部445が備えられている。この緊急情報受信部445はアンテナ422を通してたとえば、緊急地震速報を受信する。この緊急地震速報を受信すると、緊急情報受信部445は緊急地震速報の受信情報を含む制御情報を緊急情報制御部446に伝える。この緊急情報制御部446は、緊急情報の受信に基づく制御情報をプロセッサ40に通知する。
<テーブル444−1(テーブルA)>
図9のAは、テーブル444−1(図5)の一例を示している。このテーブル444−1は、アクセスポイント4−1、4−2(図3)のメモリ44に備えられる。このテーブル444−1には、過去に接続した端末装置6の識別情報および設定情報が格納される。識別情報は、端末装置6の識別情報であるたとえば、有線LAN−MACアドレスである。設定情報は、端末装置6の災害時などの緊急時にネットワーク回線(LAN回線)から遮断するか否かを設定するための情報である。つまり、この設定情報は「シャットするか接続したままとするか」についての設定情報である。この設定情報は、設定後、手動での変更も可能とする。
このテーブル444−1はたとえば、図9のAに示すように、識別情報格納部32および設定情報格納部34を備えている。
識別情報格納部32には過去に接続した端末の有線LAN−MACアドレスが格納されている。「aa・・・・・・、bb・・・・・・、cc・・・・・・、dd・・・・・・」は、有線LAN−MACアドレスの一例であり、接続された端末の識別情報を示している。
設定情報格納部34にはたとえば、災害モード時のポート設定情報が格納されている。‘Open’および‘Shut’はポート設定情報の一例である。‘Open’はポートが接続可の状態を表す。‘Shut’はポート閉止状態を表す。
<テーブル444−2(テーブルB)>
図9のBは、テーブル444−2(図5)の一例を示している。このテーブル444−2にはアクセスポイント4−1、4−2に対し、現在、有線LANポート46に接続している端末のMACアドレスと、そのポート情報を格納する。端末が接続されていない有線LANポートでは‘Open’とする。設定がされていないデバイスたとえば、ネットワークに接続されているHDD28、プリンタ29などの設定できないデバイスが接続されている有線LANポートについてはシャット(‘Shut’)とする。これらの設定情報により、災害モード時、有線LANポート46を停止(シャット)するか、接続可(オープン:‘Open’)とするかの動作を決定できる。
このテーブル444−2はたとえば、図9のBに示すように、有線LANポート情報格納部36、識別情報格納部38および設定情報格納部39を備えている。
有線LANポート情報格納部36には有線LANポートを特定する情報が格納される。つまり、この有線LANポート情報格納部36には既述の有線LANポート46−1、46−2、46−3・・・46−Nを表す情報が格納される。この場合、‘A’は有線LANポート46−1、‘B’は有線LANポート46−2、‘C’は有線LANポート46−3、‘D’は有線LANポート46−4を示している。
識別情報格納部38には過去に接続した端末の有線LAN−MACアドレスが格納されている。「aa・・・・・・」、「bb・・・・・・」・・・・・「zz・・・・・・」は、有線LAN−MACアドレスの一例であり、接続された端末の識別情報を示している。「接続なし」は未接続の状態である。この場合、「zz・・・・・・」は、テーブル444−1に登録されていない「有線LAN−MACアドレス」を示している。
設定情報格納部39にはたとえば、災害モード時のポート設定情報が格納されている。‘Open’および‘Shut’はポート設定情報の一例である。‘Open’はポートが接続可の状態を表す。‘Shut’はポート閉止状態を表す。
この場合、有線LANポート46−1を表す‘A’は、有線LAN−MACアドレスが「bb・・・・・・」であり、ポート閉止状態‘Shut’である。つまり、緊急時に外部接続された端末装置6との接続が禁止されている。
そして、有線LANポート46−4を表す‘D’は、有線LAN−MACアドレスが「zz・・・・・・」であって、テーブル444−1に登録されていない「有線LAN−MACアドレス」であるから、ポート閉止状態‘Shut’となっている。つまり、緊急時に外部接続された端末装置6との接続が禁止されている。
<端末装置6>
図10は、端末装置6のハードウェアの一例を示している。この端末装置6は無線通信機能を備えたコンピュータで構成されている。この端末装置6は、プロセッサ600、表示部602、操作部604、無線受信部606、メモリ608、電源部610、無線通信部612、614などの機能部を含んでいる。これら機能部はバス616で接続されている。
プロセッサ600は既述の機能部の制御部であって、メモリ608に格納されているOSの実行により、ファームウェアプログラム、アプリケーションプログラムなど、各種のプログラムを実行する。この場合、プロセッサ600は、「災害モード」の切替え手段を構成しており、無線受信部606がたとえば、「緊急地震速報」を受信した際、これを契機に「災害モード」に移行する。
表示部602はたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)で構成され、各種の情報を表示する。この表示部602には情報を表示する画面603が備えられている。
操作部604はキーボードなどの情報入力手段であって、文字、記号などの入力に用いられる。表示部602の既述の画面上にタッチパネルセンサで構成してもよい。
無線受信部606は緊急地震速報受信部の一例であり、アンテナ618を備え、緊急地震速報を無線により受信する。
メモリ608には、ROM、RAMなどの記憶手段が含まれる。ROMには、既述のOSやファームウェアプログラム、アプリケーションプログラムなどのプログラムの他、情報記憶部が設定されている。メモリ608はハードディスク装置や半導体記憶装置などで構成される。
電源部610は既述の各機能部に電源を供給する。
無線通信部612はアンテナ620を備え、プロセッサ600の制御により基地局に接続される。
無線通信部614はアンテナ622を備え、プロセッサ600の制御により無線LANアクセスポイントとの無線接続が可能であり、たとえば、既述のアクセスポイント4−1または4−2に接続される。
係る構成において、端末装置6では、無線受信部606が「緊急地震速報」を受信すると、プロセッサ600は、「災害モード」に切り替え、「災害モード」の動作を行う。
<端末装置6の表示部602の表示例>
(1) 表示例1(緊急地震速報の受信表示、モード切替え表示など)
この表示例1は、緊急地震速報を受信した際の端末装置6の画面表示の一例である。図11のAに示す表示例1には表示部602の画面にその旨のメッセージ表示72−1、ガイド表示72−2およびダイアログアイコン表示72−3が表示されている。
メッセージ表示72−1には緊急地震速報の受信情報、接続の災害モードへの切替えの問い合わせ情報などが表示されている。このメッセージ表示72−1では一例として「緊急地震速報を受信しましたので、無線LAN(Wi−Fi)接続を災害モードに切り替えますがよろしいですか。」と表示されている。
ガイド表示72−2にはモード切替えの注意情報が表示されている。このガイド表示72−2では一例として「(このモードに切り替えることで、災害モードが許可された全てのアクセスポイントへの接続が可能になります。また、切り替えない場合は無線LAN接続ができなくなる場合があります。)」と表示されている。
ダイアログアイコン表示72−3は、表示画面603の下欄に表示された選択操作部の一例として「はい」および「いいえ」で構成されている。「はい」または「いいえ」の選択は、該選択操作を割り当てたハードキーまたはタッチ入力により、ユーザの選択に委ねられる。つまり、「はい」を選択すれば、災害モードへの移行が指示される。「いいえ」を選択すれば、災害モードへの移行が禁止され、現状モードの選択となる。
(2) 表示例2(設定モードの切替え通知表示、切替え情報表示など)
この表示例2は、災害モード切替えの画面表示の一例である。図11のBに示す表示例2には表示部602の画面603にその旨のメッセージ表示74−1、ガイド表示74−2および接続情報表示74−3が表示される。
メッセージ表示74−1には災害モード切替えの通知情報などが表示されている。このメッセージ表示74−1では一例として「接続中のアクセスポイントの設定を災害モードに切り替えます。」と表示される。
ガイド表示74−2にはモード切替えの注意情報が表示されている。このガイド表示74−2では一例として「(接続中のアクセスポイントと無線LAN接続が出来なくなる場合があります。接続出来ない場合は、下記設定内容で手動接続を行ってください。)」と表示されている。
接続情報表示74−3には接続キーなど、接続に必要な情報が表示されている。この接続情報表示74−3では一例として、既述の「SSID:KINKYU/セキュリティキー:OPEN」(図4)が表示される。
(3) 表示例3(通常モードの無線LAN接続の切断)
この表示例3は、通常モードの無線LAN接続の切断時の画面表示の一例である。図12のAに示す表示例3には表示部602の画面603にその旨のメッセージ表示76が表示されている。
このメッセージ表示76には通常モードの無線LAN接続の切断通知が表示されている。このメッセージ表示76では一例として「通常モードの無線LAN接続が切断されました。」と表示される。
(4) 表示例4(災害モードの切替えの問い合わせ)
この表示例4は、災害モードの切替えの問い合わせの画面表示の一例である。図12のBに示す表示例4には表示部602の画面603にその旨のメッセージ表示78−1およびダイアログアイコン78−2が表示されている。
メッセージ表示78−1には災害モードの切替えの問い合わせが表示されている。このメッセージ表示78−1では一例として「災害モードに切り替えてもよろしいですか?」と表示される。
ダイアログアイコン78−2は、表示画面603の下欄に表示された選択操作部の一例として「はい」および「いいえ」で構成されている。「はい」または「いいえ」の選択は、該選択操作を割り当てたハードキーまたはタッチ入力により、ユーザの選択に委ねられる。つまり、「はい」を選択すれば、災害モードへの移行が指示される。「いいえ」を選択すれば、災害モードへの移行が禁止され、現状の通常モードの選択となる。
(5) 表示例5(アクセスポイントの接続表示)
この表示例5は、アクセスポイントとの接続を表す画面表示の一例である。図12のCに示す表示例5には表示部602の画面603にその旨のメッセージ表示80が表示されている。
このメッセージ表示80には アクセスポイントとの接続を表すメッセージが表示されている。このメッセージ表示80では一例として「災害モードのアクセスポイントと接続しました。」と表示されている。
(6) 表示例6(通常モード時の表示)
表示例6は、通常モード時を表す画面表示の一例である。通常モード時には、図13のAに示すように、表示部602の画面上部にメッセージアイコン82が表示される。メッセージアイコン82は、通常モードでアクセスポイントとの無線通信が可能である旨を表している。
(7) 表示例7(災害モード時の表示)
表示例7は、災害モード時を表す画面表示の一例である。災害モード時には、図13のBに示すように、表示部602の画面上部の既述のメッセージアイコン82−1に隣接して災害モードアイコン82−2が表示されている。つまり、メッセージアイコン82−1および災害モードアイコン82−2のダブル表示により、災害モードでアクセスポイント4との無線通信が可能である旨を表している。
(8) 表示例8(通常モードの切り替え表示)
この表示例8は、通常モードの切替え時の画面表示の一例である。図14のAに示す表示例8には表示部602の画面603にその旨のメッセージ表示84が表示されている。
このメッセージ表示84には 通常モードへの切替えを表すメッセージが表示されている。このメッセージ表示84では一例として「通常モードに切り替えます。」と表示されている。
(9) 表示例9(災害モードの無線LAN接続の切断表示)
この表示例9は、災害モードの無線LAN接続の切断時の画面表示の一例である。図14のBに示す表示例9には表示部602の画面603にその旨のメッセージ表示86が表示されている。
このメッセージ表示86には、災害モードの無線LAN接続の切断を表すメッセージが表示されている。このメッセージ表示86では一例として「災害モードの無線LAN接続が切断されました。」と表示されている。
(10)表示例10(通常モードの無線LAN接続の表示)
この表示例10は、通常モードの無線LAN接続の接続時の画面表示の一例である。図14のCに示す表示例10には表示部602の画面603にその旨のメッセージ表示88が表示されている。
このメッセージ表示88には、通常モードの無線LAN接続を表すメッセージが表示されている。このメッセージ表示88では一例として「通常モードで無線LAN接続しました。」と表示されている。
<有線LANポートの設定処理>
図15は、有線LANポートの設定の処理手順を示している。この処理手順は、本開示の制御方法または制御プログラムの一例である。
この処理手順では、無線LAN接続されている端末装置6を確認する(S201)。この確認は通常プロファイル120を参照して行い、無線LAN接続されている端末装置6があるか否かを確認する(S202)。無線LAN接続されている端末装置6があれば(S202のYES)、その端末装置6に対して災害モードの実行に必要な情報を通知する(S203)。この情報には、「緊急災害用プロファイル122に切り替わることおよび緊急災害用プロファイル122の設定情報(SSID、セキュリティキーなど)」が含まれる。この通知はポップアップなどで行えばよい。
この通知の後、ROM448−1(ROM−A)に格納されている緊急災害用プロファイル122を読み込む(S204)。アクセスポイント4の再起動により(S205)、アクセスポイント4が災害モード(M2)に切り替えられる(S206)。災害モードに切り替えられたアクセスポイント4で災害モードを実行する(S207)。たとえば、アクセスポイント4−1、4−2が災害モードに切り替えられ、災害モードを実行する(S207)。
S202において、無線LAN接続されている機器がなければ(S202のNO)、この処理を終了する。
<テーブル444−1(テーブルA)の情報設定処理>
図16は、テーブル444−1(テーブルA)の情報設定の処理手順を示している。この処理手順は、本開示の制御方法または制御プログラムの一例である。
この処理手順には、アクセスポイント4の有線LANポート46に接続されている有線LANデバイス8の有線LAN−MACアドレスがテーブル444−1(テーブルA)に登録されているかの確認処理を含む。この処理では、アクセスポイント4の有線LANポート46に有線LANデバイス8が接続された場合、その有線LAN−MACアドレスがテーブル444−1に登録されているか否かを確認する。
この処理手順ではアクセスポイント4の有線LANポート46に有線LANデバイス8が接続される(S211)。接続された有線LANデバイス8の有線LAN−MACアドレスはテーブル444−1(テーブルA)に登録されているMACアドレスかを判定する(S212)。テーブル444−1に既に設定されているMACアドレスであれば(S212のYES)、この処理を終了する。
テーブル444−1にMACアドレスが設定されていない場合には(S212のNO)、災害時に有線LANポート46をシャット設定とするかを確認する(S213)。
シャット設定を選択した場合には(S213のYES)、テーブル444−1に‘有線LAN−MACアドレス’と、災害モード時のポート設定として‘Shut’を追加し(S214)、この処理を終了する。
シャットを選択しない場合には(S213のNO)、テーブル444−1(テーブルA)に‘有線LAN−MACアドレス’と、災害モード時のポート設定として‘Open’を追加し(S215)、この処理を終了する。
<災害時のアクセスポイント4の処理>
図17は、災害時のアクセスポイント4側の処理手順を示している。この処理手順は、本開示の制御方法または制御プログラムの一例である。
災害時、アクセスポイント4は、「緊急地震速報」を受信する(S221)。この「緊急地震速報」を契機に、アクセスポイント4では、‘災害モード’の許可を設定しているかを確認する(S222)。
‘災害モード’の許可を設定している場合には(S222のYES)、災害モード時にネットワーク接続のシャットを設定している有線LANポート46をシャットする(S223)。これにより、災害モードで、ネットワーク内に新しく端末装置6が進入した際、これまでに有線LAN接続している共有サーバやその他共有しているファイルなどへのアクセスを禁止する。
無線LANで接続している有線LANデバイス8があるかを確認する(S224)。無線LANで接続している有線LANデバイス8があれば(S224のYES)、緊急災害用プロファイル122に切り替わることおよび緊急災害用プロファイル122の設定情報を端末装置6に通知する(S225)。この通知情報は、既述のSSID、セキュリティキーなどである。
ROM448−1(ROM−A)の緊急災害プロファイル122を読み込み(S226)、アクセスポイント4を再起動する(S227)。これにより、災害モードの設定を完了する。
S224において、無線LANで接続している有線LANデバイス8がなければ(S224のNO)、S225をスキップし、ROM448−1(ROM−A)の緊急災害プロファイル122を読み込み(S226)、アクセスポイント4の再起動(S227)を行う。これにより、災害モードの設定を完了する。
<アクセスポイント4側の終了処理>
図18は、アクセスポイント4側の終了処理の処理手順を示している。この処理手順は、本開示の制御方法または制御プログラムの一例である。
緊急災害用プロファイル122で無線LAN接続されている端末装置6の確認は一定時間Nの間隔で行う。この一定時間Nは任意の値に設定可能である。この処理手順では、一定時間Nが経過したか否かを確認し、一定時間Nの経過まで時間監視状態が維持される。
一定時間Nが経過すれば(S231のYES)、緊急災害用プロファイル122で無線LAN接続されている端末装置6があるかを確認する(S232)。無線LAN接続されている端末装置6があれば(S232のYES)、無線接続されている端末装置6に対して「通常プロファイル120に切り替わること」を通知する(S233)。この通知はポップアップなどで行えばよい。
この通常プロファイル120への切替え通知の後、ROM448−2に格納されている通常プロファイル120を読み込む(S234)。これにより、アクセスポイント4を再起動する(S235)。アクセスポイント4が通常モードに切り替わり、シャット状態にあった全ての有線LANポートがオープン状態に移行し(S246)、この処理を終了する。
斯かる構成によれば、災害時、特定ユーザ以外からのアクセスを禁止できる。つまり、「災害モード」のありまたはなしを任意に設定でき、特定ユーザ以外からのアクセスによる弊害を防止することができる。
災害時にあって、「緊急地震速報」が正しく発信されない場合には、「災害モード」のONまたはOFFを手動で設定する構成としてもよい。
<災害時の端末装置6の処理>
図19は、災害時の端末装置6の処理手順を示している。この処理手順は、本開示の制御方法または制御プログラムの一例である。
災害時、アクセスポイント4は「緊急地震速報」を受信する(S241)。アクセスポイント4は「緊急地震速報」の受信を契機に、「災害モード」が許可に設定されているか否かを確認する(S242)。この確認は、ポップアップなどにより端末装置6に対して行う。この確認には「災害モードが許可に設定されていますか」のメッセージを送信する。「災害モード」が許可に設定されていなければ(S242のNO)、この処理を終了する。
「災害モード」が許可に設定されていれば(S242のYES)、緊急災害用プロファイル122に切り替えるか否かを確認する(S243)。この確認もポップアップなどで行えばよい。この確認には「緊急災害用プロファイルに切り替えますか?」のメッセージを送信する。緊急災害用プロファイル122に切り替えない場合には(S243のNO)、この処理を終了する。
緊急災害用プロファイル122に切り替える場合には(S243のYES)、緊急災害用プロファイル122を最上位に設定する(S244)。これにより災害モードの設定を完了する。
<端末装置6側の終了処理>
図20は、端末装置6側の終了処理の処理手順を示している。この処理手順は、本開示の制御方法または制御プログラムの一例である。
緊急災害用プロファイル122で無線LAN接続されている端末装置6の確認は一定時間Nの間隔で行うことは既述のとおりである。また、この一定時間Nは、事前に任意に設定可能である。
一定時間Nの経過が監視される(S251)。一定時間Nが経過すれば(S251のYES)、最上位に設定されている緊急災害用プロファイル122を最低位に設定する(S252)。これにより、終了処理を完了する。
<災害モード時の有線LANポートの設定処理>
図21は、災害モード時の有線LANポート設定の処理手順を示している。この処理手順は、表示機能を有する端末装置6から有線LANポート46に接続されている複数の有線LANデバイス8(表示機能を有さない機器を含む)に対して災害モード時の有線LANポートを設定する処理である。
この処理手順では、アクセスポイント4の有線LANポート46に接続する(S261)。他の有線LANポート46に接続されている有線LANデバイス8のポート情報を変更するかの判定をする(S262)。他の有線LANポートに接続されている有線LANデバイス8のポート情報を変更しない場合には(S262のNO)、この処理を終了する。
他の有線LANポートに接続されている有線LANデバイス8のポート情報を変更する場合には(S262のYES)、メモリ44からテーブル444−2(テーブルB)の情報を読み出す(S263)。端末装置6の表示部602に各ポートの設定情報を表示する(S264)。各ポートに対し、災害モード時のポート設定を行う(S265)。
設定した設定情報により、テーブル444−1(テーブルA)を更新し(S266)、この処理を終了する。
<災害モード時のLAN接続の表示処理>
図22は、災害モード時のLAN接続の処理手順を示している。この処理手順は、アクセスポイント4の通信可能エリアに端末装置6が入った際に、LAN接続が可能である旨の表示処理である。
この処理手順では、周波数帯域の自動スキャン時にアクセスポイント4からのビーコンを受信したか否かを端末装置6で判定する(S271)。端末装置6は、周波数帯域の自動スキャンを行う。緊急災害用プロファイル122に設定されたアクセスポイント4からのビーコンを受信する。この処理では、アクセスポイント4からのビーコンを受信したか否かが判定される。
ビーコンを受信すれば(S271のYES)、接続処理を行う(S272)。ビーコンを受信しなければ(S271のNO)、周波数帯域の自動スキャン状態が維持される。
接続が成立すれば、緊急災害用プロファイル122に設定されたアクセスポイント4と接続されたことを表示する(S273)。
緊急災害用プロファイル122に設定されたアクセスポイント4と接続中であることを画面603に表示し(S274)、この処理を終了する。
<災害モード時の処理>
図23および図24は、災害モード時の処理シーケンスを示している。この処理シーケンスは一例として、1つのアクセスポイント4と2つの端末装置6−1、6−2の関係を示している。
この処理シーケンスは当初、アクセスポイント4−1および端末装置6−1が通常モードM1(通常プロファイル120の実行中)で、無線LAN接続中である(S301)。これに対し、端末装置6−2は単独状態にある。通常モード時には表示の一例である表示例6(図13のA)が実行される。
この状態で、アクセスポイント4−1および端末装置6−1、6−2は緊急地震速報を受信している(S302、S303、S304)。アクセスポイント4−1では、災害モードが許可に設定されているかを判断する(S305)。この処理に続いて災害モード時に接続を許可していない有線LANポート46をシャットする(S306)。また、無線LANで接続している端末装置6がいるかを確認する(S307)。
端末装置6−1では、通常モードM1において、災害モードを許可するかを表示する(S308)。この表示は、表示例1(図11のA)で実行される。一方、端末装置6−2では同様に、災害モードを許可するかを表示する(S309)。
アクセスポイント4−1と端末装置6−1は無線LAN接続中である。そこで、アクセスポイント4−1は、端末装置6−1に対し、緊急災害用プロファイル122に切り替わることおよび設定情報(SSID、セキュリティキー)を通知する(S310)。この通知を受けた端末装置6−1では、その通知情報を表示する。この表示は既述の表示例2(図11のB)で行う。この通知の後、アクセスポイント4−1は端末装置6−1に対し、無線LANの切断処理を実行する(S311)。
端末装置6−1では、通常プロファイル120による接続が切断されたことを表示する(S312)。この表示は表示例3および表示例4(図12のA、B)で実行される。端末装置6−1では、アクセスポイント4の通知を受け、緊急災害用プロファイル122に切り替えるかの表示を行う(S313)。また、端末装置6−1では、緊急災害用プロファイル122の優先順位を最上位に移行させる(S314)。これにより、端末装置6−1では、緊急災害用プロファイル122の実行により、動作状態を災害モードM2に遷移する。
端末装置6−2では、緊急災害用プロファイル122に切り替えるかの表示を行う(S315)。緊急災害用プロファイル122の優先順位を最上位に移行させる(S316)。これにより、端末装置6−2においても、緊急災害用プロファイル122の実行により、動作状態を災害モードM2に遷移する。
アクセスポイント4−1では、緊急災害用プロファイル122に設定情報を変更し(S317)、動作状態を災害モードM2に遷移する。そして、アクセスポイント4−1は再起動を行う(S318)。
アクセスポイント4−1および端末装置6−1は無線LAN接続を実行する(S319)。同様に、アクセスポイント4−1および端末装置6−2は無線LAN接続を実行する(S320)。
この接続状態において、アクセスポイント4−1は、端末装置6−1に緊急災害用プロファイル122で接続されたことを通知する(S321)。この通知は端末装置6−1に表示され、表示例5(図12のC)で実行される。同様に、アクセスポイント4−1は、端末装置6−2に緊急災害用プロファイル122で接続されたことを通知する(S322)。この通知は端末装置6−2に表示され、表示例5(図12のC)で実行される。
端末装置6−1では、緊急災害用プロファイル122で接続中であることを表示する(S323)。この表示は、表示例7(図13のB)で実行される。また、端末装置6−1ではN時間の経過を監視する(S324)。
端末装置6−2では、緊急災害用プロファイル122で接続中であることを表示する(S325)。この表示は、表示例7(図13のB)で実行される。また、端末装置6−2ではN時間の経過を監視する(S326)。
アクセスポイント4−1では、N時間の経過を監視し(S327)、これに続いて、無線LANで接続している端末装置6があるかを確認する(S328)。
アクセスポイント4−1は、端末装置6−1、6−2に対し、通常プロファイル120に切り替えることを通知する(S329、S330)。このとき、その旨の表示を行い、表示例8(図14のA)で実行される。この通知の後、アクセスポイント4−1は無線LAN接続中の端末装置6−1、6−2に対し、無線LANの切断処理を実行する(S331、S332)。これにより、端末装置6−1、6−2は災害モードM2を終了する。
端末装置6−1では、緊急災害用プロファイル122による接続が切断されたことを表示する(S333)。この表示は、表示例9(図14のB)で実行される。そして、端末装置6−1では、緊急災害用プロファイル122を最下位にする(S334)。これにより、端末装置6−1では通常モードM1に遷移する。
端末装置6−2では、緊急災害用プロファイル122による接続が切断されたことを表示する(S335)。この表示は、表示例9(図14のB)で実行される。そして、端末装置6−2では、緊急災害用プロファイル122を最下位にする(S336)。
アクセスポイント4−1では、災害モードM2を終了した後、通常プロファイル120に設定情報を変更する(S337)。そして、アクセスポイント4−1は、再起動を行う(S338)。
アクセスポイント4−1と端末装置6−1は、無線LAN接続を実行する(S339)。アクセスポイント4−1は、端末装置6−1に対し、通常プロファイル120で接続されたことを通知する(S340)。この通知表示は、表示例10(図14のC)で実行される。
そして、アクセスポイント4−1では、災害モード時にシャットしていた有線LANポート46をオープンにする(S341)。
<第2の実施形態の効果>
第2の実施の形態によれば、次のような効果が得られる。
(a) 災害などの緊急時に無線LAN接続の利用により連絡手段および情報収集手段を拡大でき、インターネット回線などの回線接続を利用することができる。この場合、ホットスポットエリアの拡大などの大規模な設備は不要である。また、個別の特別な接続のための契約などの締結も不要である。
(b) アクセスポイントにおいて緊急災害用プロファイル122への切替えの許可または不許可を行ない、災害モードの設定として許可または不許可を設定できる。
(c) 通常時、特定ユーザに制限されている通信システムを災害などの緊急時、緊急通信システムとして利用の機会を拡大できる。災害などの緊急時、不特定多数の利用者に対して連絡や情報の提供手段として利用することができる。
(d) 災害などの緊急時、通常時には特定のユーザに設定された無線LANプロファイルを緊急災害用プロファイル122に自動的に切り替え、不特定多数のユーザに対し、一般家庭や店舗などにあるアクセスポイントを有効利用できる。災害時、有効に機能しているアクセスポイントの利用機会を拡大でき、電話などの通信手段が制限された環境下にあっても、インターネット回線への接続機会を拡げることができ、連絡手段や各種情報取得手段に利用できる。
(e) 災害時に被害を免れ、機能しているアクセスポイントを特定することなく、ユーザが接続可能なアクセスポイントに任意に接続できる。しかも、接続の可能性をユーザがサーチすることなく、無線接続の自動化に寄与することができる。つまり、アクセスポイントの電波受信エリアに端末装置が入れば、無線接続が行えるので、利便性の高い緊急無線接続の支援システムを構築できる。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、有線LANポート46に接続された有線LANデバイス8との無断接続を防止する場合について記載したが、これに限定されない。すなわち、アクセスポイントに無線接続された無線LANデバイスとの無断接続を禁止する構成にも利用することができる。
(2) 上記実施の形態では、緊急時の動作モードとして災害モードを例示したが、第2の状態の動作モードは災害モードに限定されるものではない。第2の状態の動作モードは、災害モード以外の緊急性を要する状態を広く含むものである。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。