JP6055949B1 - 処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロ波を照射した場合に発生する容器内の位置毎の加熱のばらつきを低減させることが可能な処理装置を提供する。【解決手段】回転形状を有しており、この回転形状の回転の中心となる中心軸が伸びる方向に第一の端部1011と第二の端部1012とを有する容器101と、容器101の第一の端部1011側の中心軸上の位置から容器101内にマイクロ波を照射する照射部103と、容器101の第二の端部1012の中心軸上に設けられた導波管104であって、長さが、導波管104内における照射部103が照射するマイクロ波の半波長の倍数である導波管104と、を備えた処理装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、容器内にマイクロ波を照射して加熱等の処理を行なう処理装置に関するものである。
従来、内容物にマイクロ波(電磁波)を照射することにより、内容物の加熱等を行う化学反応装置が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、円筒横型透明体容器および同容器を載置、回転させるターニングローラを具備してなるバイオリアクタ槽が知られていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−235262号公報(第1頁、第1図等) 特開平5−344879号公報(第1頁、第1図等)
しかしながら、従来の技術においては、容器内にマイクロ波を照射することにより加熱を行なう場合、容器内の位置毎の加熱のばらつきを低減させることが困難であるという課題があった。例えば、特許文献1に示すように、容器内にマイクロ波を照射することによって、容器内の内容物等を加熱しようとした場合、容器内に発生する電界分布に大きなばらつきが生じてしまい、容器内における加熱のばらつきを低減させることができなかった。
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたものであり、マイクロ波を照射した場合に発生する容器内の位置毎の加熱のばらつきを低減させることが可能な処理装置を提供することを目的とする。
本発明の処理装置は、回転形状を有しており、この回転形状の回転の中心となる中心軸が伸びる方向に第一の端部と第二の端部とを有する容器と、容器の第一の端部側の中心軸上の位置から容器内にマイクロ波を照射する照射部と、容器の第二の端部の中心軸上に設けられた導波管であって、長さが、導波管内における照射部が照射するマイクロ波の半波長の倍数である導波管と、を備えた処理装置である。
かかる構成により、マイクロ波を照射した場合に発生する容器内の位置毎の加熱のばらつきを低減させることができる。
また、本発明の処理装置は、前記処理装置において、導波管の長さは、導波管内における照射部が照射するマイクロ波の半波長の奇数倍である処理装置である。
かかる構成により、マイクロ波を照射した場合に発生する容器内の位置毎の加熱のばらつきをさらに低減させることができる。
また、本発明の処理装置は、前記処理装置において、容器は、回転軸を中心として回転可能な容器であり、容器を回転させる回転機構を更に備えた処理装置である。
かかる構成により、回転により容器内の位置毎の加熱のばらつきをさらに低減させることができる。
また、本発明の処理装置は、前記処理装置において、回転軸と、中心軸とが一致する処理装置である。
かかる構成により、容器内の位置毎の加熱のばらつきを低減させることができる。
また、本発明の処理装置は、前記処理装置において、容器の中心軸が伸びる方向は、横方向である処理装置である。
かかる構成により、容器内の位置毎の加熱のばらつきを低減させることができる。
本発明によれば、マイクロ波を照射した場合に発生する容器内の位置毎の加熱のばらつきを低減させることができる。
本発明の実施の形態における処理装置の一例を示す正面図(図1(a))、および一部切り欠き断面図(図1(b)) 同処理装置に関するシミュレーション試験に用いられた、同処理装置に相当する装置モデルの寸法を説明するための平面図(図2(a)〜図2(e)) 同処理装置に関するシミュレーション試験結果を示す電界分布図(図3(a)、図3(b)) 同処理装置に関するシミュレーション試験結果を示す電界分布図(図4(a)、図4(b)) 同処理装置に関するシミュレーション試験結果を示す電界分布図
以下、処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における処理装置1の一例を示す正面図(図1(a))、および処理装置1の側面側から見た一部切り欠き断面図(図1(b))である。
処理装置1は、容器101、回転機構102、照射部103、導波管104を備える。本実施の形態の処理装置1は、例えば、容器101内の内容物10等に対してマイクロ波を照射するものである。
容器101は、後述する照射部103により、内部にマイクロ波の照射が行なわれる容器である。容器101内においては、例えば、マルチモードでマイクロ波照射が行なわれる。容器101は、例えば、内部にマイクロ波を照射することにより、内容物10等の加熱を行なう装置である。容器101は、例えば、加熱容器と考えてもよい。容器101は、例えば、マイクロ波を照射することにより、内部で1以上の処理を行なうための処理容器である。容器101内で行なう1以上の処理は、どのような処理であってもよい。1以上の処理は、例えば、マイクロ波の照射による加熱を含む処理であってもよい。また、1以上の処理は、例えば、1以上の反応を行なうための加熱工程を含む処理であってもよい。1以上の反応は、例えば、容器101内の内容物10を用いて行なわれる化学反応等であってもよく、化学反応以外の処理であってもよい。化学反応は、例えば、内容物10を構成する1以上の物質の結合や分解、変性等である。1以上の処理は、加熱処理や、加熱を含む乾燥処理や、殺菌処理や、滅菌処理等であってもよい。また、容器101で行なわれる処理は、加熱が不要である処理や工程を含んでいてもよい。また、1以上の反応は、上記のような反応の2以上の組合せ等であってもよい。
処理装置1で行なわれる処理は、例えば、構成する原子が主としてC,H,Oから成る細孔を有する粒子群の乾燥処理である。この粒子群は、例えば、実質的に有機物の粒子群であり、一部に無機物を含んでいてもよいが、乾燥の対象となる部分は、有機物からなる粒子の集合体を指す。従って、無機物粒子表面を有機物でコーティングした粒子の集合体も対象としてもよい。すなわち、この粒子群は、有機物表面に液体が付着した、あるいは有機物からなる細孔内に液体が存在するような粒子の集合体であってもよい。例えば、上記の粒子群は、天然黒鉛やショ糖、ショ糖とステアリン酸のエステル化合物等である。また、処理装置1で行なわれる処理は、例えば、アルミナ、シリカなどの無機物の乾燥処理である。
このような乾燥処理は、容器101内にマイクロ波を照射する際に、空気または不活性ガスの気流下、もしくは減圧下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンのようなガスを例示できるが、これに限定されるものではない。空気の場合には、あらかじめ除湿したものを使用することが好ましい。空気または不活性ガスの風量および風速は、乾燥する粒子群の含液率および照射するマイクロ波の出力に応じて調整すればよい。減圧下で行う場合には、減圧度は乾燥する粒子群の含液率および照射するマイクロ波の出力に応じて調整すればよい。
容器101には、このような空気や不活性ガス等のガスを容器101内に供給するための給気口(図示せず)や、ガス等を容器101内から排気する排気口(図示せず)等を有していてもよい。なお、後述するような容器101内に内容物10を供給するための供給口1013や内容物を取り出す取出口1014から、上記のようなガスを給気あるいは排気するようにしてもよい。なお、例えば、容器101内に供給された空気や、不活性ガス等も内容物10と考えてもよい。また、空気等に加えて、あるいは空気等に変えて、上記のガス等を容器101に供給してもよい。
容器101は、例えば、内部で化学反応等の1以上の反応を行なうためのリアクターであってもよい。リアクターは、内部で1以上の反応を行なうための反応器である。容器101は、例えば、マルチモードでマイクロ波照射が行なわれるリアクターである。
容器101は、回転形状を有する容器である。容器101が回転形状を有するということは、容器10が回転体であることと考えてもよい。容器101は、例えば、予め決められた中心軸を回転の中心とした回転形状を有している。中心軸は、容器101の回転形状の回転の中心となる軸である。この回転形状の回転の中心となる軸である中心軸は、例えば、予め決められた方向に伸びる軸である。中心軸は、通常、仮想の軸である。中心軸の伸びる方向は問わない。中心軸が伸びる方向は、横方向であってもよく、縦方向であってもよい。中心軸が横方向に伸びる場合の容器101を、例えば、横型の容器と考えてもよい。また、中心軸が縦方向に伸びる場合の容器101を、例えば、縦型の容器と考えてもよい。。横方向に伸びる中心軸とは、通常、水平、もしくは略水平に伸びる軸である。ただし、水平に対して45°以下の角度で傾斜する中心軸も、横方向に伸びる中心軸と考えてもよい。また、縦方向に伸びる中心軸とは、通常、鉛直、もしくは略鉛直に伸びる軸である。ただし、鉛直に対して、45°未満の角度で傾斜する中心軸も、縦方向に伸びる中心軸と考えてもよい。例えば、回転形状を有する容器101の形状は、円筒形状や、樽形状、球形状、鼓形状、楕円球形状、カプセル形状、円錐形状等である。ここでは、一例として、容器101が、横方向に伸びる円筒形状である場合を例に挙げて説明する。横方向に伸びる円筒形状は、例えば、横方向に伸びる中心軸を回転の中心とした回転形状である。
なお、容器101のサイズ等は問わない。ただし、容器101の中心軸の伸びる方向における長さは、容器101内に照射されるマイクロ波の1波長以上の長さとする必要がある。
容器101は、回転軸1015を中心として回転可能な容器である。回転可能な容器とは、例えば、回転可能となるよう設置されている容器である。回転軸1015は、例えば、容器101を回転させる際の回転の中心である。回転軸1015は、例えば、予め指定された方向に伸びる軸である。ここでの回転軸1015は、例えば、仮想の回転軸であると考えてもよい。ただし、回転軸1015は、容器101に設けられた回転の中心となる軸部材(図示せず)等であってもよい。
図1においては、容器101を回転させる際の回転軸1015が横方向、具体的には水平方向に設定されている場合を例に挙げて示している。回転軸1015が横方向に設定されるということは、例えば、回転軸の伸びる方向が横方向であることである。回転軸1015が横方向に設定されるということは、例えば、回転軸1015が水平、もしくは略水平となるよう設定されることである。ただし、回転軸1015が水平に対して45°以下の角度で傾斜するよう設定されることも、ここでは、回転軸1015が横方向に設定されることと考えてもよい。ただし、回転軸1015がどの方向に設定されるかは問わない。例えば、回転軸1015が縦方向に設定されてもよい。回転軸1015が縦方向に設定されるということは、例えば、回転軸の伸びる方向が縦方向であることである。回転軸1015が縦方向に設定されるということは、例えば、回転軸1015が鉛直、もしくは略鉛直となるよう設定されることである。ただし、回転軸1015が鉛直に対して45°未満の角度で傾斜するよう設定されることも、ここでは、回転軸1015が縦方向に設定されることと考えてもよい。
容器101が、回転可能な容器である場合、容器101の回転形状の中心となる中心軸が、容器101を回転させる際の回転軸1015と一致していることが好ましい。図1においては、一例として、容器101が横方向に伸びる回転形状である円筒形状であり、容器101の中心軸と、容器101の回転軸1015とが一致する場合について示している。
なお、ここでの容器101の回転は、容器101全体の回転であってもよく、容器101の少なくとも一部の回転(例えば、円筒形状の容器101の側面部分の回転等)であってもよい。
容器101は、回転形状の回転の中心となる中心軸の伸びる方向において第一の端部1011と第二の端部1012とを有している。図1に示した例においては、中心軸は、回転軸1015と一致しているため、容器101は、回転軸1015の伸びる方向において第一の端部1011と第二の端部1012とを有している。第一の端部1011と第二の端部1012とは、通常、中心軸の伸びる方向において対向する位置関係にある。ここでは、第一の端部1011と第二の端部1012とのいずれもが平面である場合を例に挙げて示しているが、これらの少なくとも一方が曲面であってもよい。
容器101は、容器101の内部を加熱するためのヒータや、温水ジャケット等の加熱手段(図示せず)等を有していても良い。また、容器101の内部を冷却するための冷水ジャケット等の冷却手段(図示せず)等を有していても良い。容器101は、内部に、1または2以上の仕切板(図示せず)や、内容物を撹拌するためのスクリューや撹拌羽根等の撹拌手段等を有していても良い。また、容器101内には、容器101内部の状況を示す情報を取得するための1以上のセンサ(図示せず)を有していても良い。センサは、例えば、温度センサや、圧力センサ、湿度センサ等である。
容器101の材質等は問わない。容器101は、内壁がマイクロ波を反射する物質で構成されていることが好適である。マイクロ波を反射する物質は、例えば、金属である。
以下、図1に示した処理装置1の一例について、容器101や容器101の回転機構102等について説明する。
容器101は、回転軸1015に沿って伸びる回転軸1015を中心軸とした回転形状である円筒形状を有する円筒部508を有しており、円筒部508の第一の端部1011側には、円筒部508の円周に沿って同心円状に配列された二列の環状の突起部506a、506bを備えた回転軸受フランジ506が設けられている。突起部506a、506bのうちの外側の突起部506aの内側には、複数のニードルベアリング516が、その回転軸(図示せず)が、容器101の回転軸1015と平行になるよう配置されている。ニードルベアリング516は、突起部506aの先端側に設けられたシールカバー507と、回転軸受フランジ506の突起部506aに隣接する部分とにより回転可能となるよう保持されている。
回転軸受フランジ506の突起部506bよりも内側は、正面から見た形状が円形となるよう開口している。この開口している部分には、正面から見た形状が円形である固定部504が嵌め合わせられるように配置されている。固定部504は、回転軸受フランジ506を回転させるための固定軸等と考えてもよい。固定部504の容器101に対して外側になる部分には、上記のニードルベアリング516を支持するための、正面からみた形状が円形であるフランジ504aが設けられており、フランジ504aの容器101の内側方向には、円周に沿って容器101の内側方向に突起するよう設けられた環状のベアリング受け金具505が設けられ、このベアリング受け金具505は、上記の突起部506aと突起部506bとの間に嵌め込まれるように配置される。ベアリング受け金具505は、突起部506aと突起部506bとの間にはめ込まれた状態で、ニードルベアリング516と当接される。また、ベアリング受け金具505と突起部506bとの間には、オイルシール515が設けられている。オイルシール515は、例えば、固定部504と、回転軸受フランジ506との間が回転可能な状態でシールされ、容器101内の気密を保つために設けられている。なお、容器101内を減圧、好ましくは真空状態にすることで、固定部504と回転軸受フランジ506との間を、更に密着させることが可能である。
固定部504は、容器101を据付けるための架台501の上面に設置されたブラケット503に取付けられて固定されている。円筒部508は、回転軸受フランジ506の突起部506aが、ニードルベアリング516が回転することにより、架台501に固定された固定部504のベアリング受け金具505の周りを移動することで、回転軸1015を中心として回転可能である。ここでは、固定部504に、容器101内に後述する内容物10を投入するための供給口1013、および内容物10を取り出すための取出口1014とが設けられている。供給口1013は、例えば、投入口と考えてもよい。また、取出口1014は、例えば、排出口や回収口と考えてもよい。ただし、供給口1013および取出口1014が設けられている場所等は適宜変更可能である。供給口1013や、取出口1014は、必要に応じて、適宜に、他の配管やバルブ等と接続されてもよい。例えば、供給口1013を、容器101内を減圧、あるいは真空にするための吸引を行なう吸引口として用いてもよい。また、取出口1014を、温度センサ等のセンサ(図示せず)を容器101内に挿入して配置するための孔等として用いてもよい。なお、供給口と取出口とを一の入出口(図示せず)等で実現してもよい。また、供給口1013および取出口1014の数は、それぞれ単数であっても複数であってもよい。また、容器101は、図示しない供給口や取出口を有していても良い。また、供給口を取出口として併用してもよい。また、固定部504を回転軸受フランジ506から取り外して、容器101に内容物10を出し入れするようにしてもよい。
架台501には、高さを独立して調節可能な複数(ここでは、4つ)のアジャストボルト502が設けられており、この高さを調節することで,容器101の回転軸の傾斜を調節可能である。
処理装置1は、容器101を回転軸1015を中心として回転させる回転機構102を備えている。回転機構102による容器101の回転方向は問わない。回転機構102は、容器101を連続的に回転させてもよく、間欠的に回転させてもよい。また、回転機構102は、一定または不定のタイミング毎に、あるいは予め決められたトリガー毎に、回転方向を反転させてもよい。ここでは、一例として、回転機構102が、容器側ギア511と、モータ側ギア512と、モータ513とにより構成される場合について説明する。
容器側ギア511は、回転対象となる円筒部508の外周に沿って設けられている。また、架台501には、容器側ギア511とかみ合わせられたモータ側ギア512が回転軸に取付けられたモータ513が設置されている。このモータ513を回転させることで、モータ513の回転運動が、モータ側ギア512を介して円筒部508の容器側ギア511に伝達され、容器側ギア511とともに円筒部508が回転する。このようにして、回転機構102により容器101を回転させることができる。
なお、回転機構102は容器101を回転軸1015を中心として回転させることが可能な機構であれば、上記以外のどのような構成を有するものであってもよい。例えば、回転機構は、モータ513等の動力源と、動力源が生み出す動力を、回転方向の動力として容器101に伝達するためのギアやチェーンやベルト等とを組合せた機構等であってもよい。横方向に伸びる円筒形状等を有する容器を回転させる機構等は公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
また、円筒部508には、外周に沿ってリング状部材510が設けられている。このリング状部材510が、架台501上面の、正面から見て容器101の左右にそれぞれ設けられたキャスター514のタイヤ514aに当接するよう配置されることで、円筒部508は、結果的に、キャスター514により、回転可能に支持されている。
照射部103は、容器101の第一の端部1011側の中心軸上の位置から、容器101内にマイクロ波を照射する。例えば、容器101の中心軸上の、容器101の第一の端部1011側の位置に、マイクロ波を照射する位置1033が位置している。マイクロ波を照射する位置1033は、マイクロ波を出射する位置と考えてもよい。図1に示した例においては、中心軸と回転軸1015とが一致することから、照射部103は、例えば、第一の端部1011側の回転軸1015上の位置からマイクロ波を照射する。例えば、照射部103は、容器101の第一の端部1011に設けられている。照射部103は、通常、マイクロ波発振器1031と照射側導波管1032とを有している。例えば、処理装置1においては、容器101を回転軸1015を中心として回転させながら、照射部103から容器101内にマイクロ波が照射することが好ましい。ここでは、照射部103が、マイクロ波発振器1031と照射側導波管1032とを有する場合を例に挙げて説明する。ただし、本発明の照射部103は、マイクロ波を照射可能であれば、どのような構成を有していても良い。
マイクロ波発振器1031は、マイクロ波を発生する。マイクロ波発振器1031はどのような構成のものであってもよく、例えば、マグネトロンや、クライストロン、ジャイロトロン等を用いたものであってもよく、半導体素子を用いて構成されたマイクロ波発振器であってもよい。マイクロ波発振器1031が発生するマイクロ波の周波数や、強度等は問わない。マイクロ波発振器1031が発生するマイクロ波の周波数は、例えば、2.45GHzであってもよく、5.8GHzであってもよく、24GHzであってもよく、915MHzであってもよく、その他の300MHzから300GHzの範囲内の周波数であってもよい。
なお、マイクロ波発振器1031がマイクロ波を出力する際に利用する電源(図示せず)等は、マイクロ波発振器1031が有していても良く、処理装置1がマイクロ波発振器1031の外部に有していても良い。あるいは、電源等は、処理装置1の外部等に設けられていても良い。また、マイクロ波発振器1031は、増幅器等を有していても良い。
照射側導波管1032は、マイクロ波発振器1031が発生したマイクロ波を伝送する導波管である。照射側導波管1032は、マイクロ波発振器1031が発生するマイクロ波の周波数に応じた規格のものを使用することが好適である。
照射側導波管1032は、例えば、方形や円形の中空導波管である。照射側導波管1032は、例えば、マイクロ波発振器1031が設けられていない一端において、容器101の第一の端部1011側に接続されている。照射側導波管1032は、例えば、その開口部の中心が、容器101の中心軸上に位置するよう容器101に取付けられている。照射側導波管1032は、容器101に対して直接接続されていてもよく、間接的に接続されていてもよい。なお、照射側導波管1032の容器101への接続構造や取付構造等については、公知技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。例えば、照射側導波管1032が中空導波管である場合、照射側導波管1032の一端が、容器101内に対して開口するよう接続されていてもよい。なお、この開口している部分は、マイクロ波を透過可能な材質のプレート等の部材で塞がれていてもよい。マイクロ波を透過可能な材質とは、例えば、誘電率が低い物質である。マイクロ波を透過可能な材質とは、例えば、ガラスや、ゴム、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等である。また、照射側導波管1032が同軸ケーブルである場合、照射側導波管1032が接続された部分には、伝送されたマイクロ波を容器101内に照射するためのアンテナ(図示せず)等が設けられていてもよい。照射部103がマイクロ波を照射する位置1033は、例えば、第一の端部1011の、照射側導波管1032が接続された領域の中心位置等である。
なお、照射側導波管1032の代わりに、同軸ケーブルや同軸管等を用いてもよい。同軸ケーブル等を用いる場合、伝送されたマイクロ波を容器101内に照射するためのアンテナ(図示せず)等を容器101内に設け、同軸ケーブル等と接続することが好ましい。なお、この場合、照射部103がマイクロ波を照射する位置は、アンテナの位置と考えてもよい。
容器101の第二の端部1012の中心軸上に、導波管104が設けられている。例えば、導波管104は、第二の端部1012の中心軸上において、一端が容器101と接続されている。導波管104は、例えば、導波管104の開口部の中心が、容器101の中心軸上に位置するよう容器101に取付けられている。図1に示した例においては、中心軸と回転軸1015とが一致することから、導波管104は、第二の端部1012側の回転軸1015上に設けられている。導波管104が接続された位置1041は、例えば、第二の端部1012の、導波管104が接続された領域の中心位置等である。
導波管104は、方形や円形等の中空導波管である。導波管104は、容器101に対して直接接続されていてもよく、間接的に接続されていてもよい。導波管104が中空導波管である場合、例えば、導波管104の一端が、容器101内に対して開口するよう接続されていてもよい。なお、この開口している部分は、照射側導波管1032の場合と同様に、マイクロ波を透過可能な材質のプレート等の部材で塞がれていてもよい。導波管104は、照射部103が照射するマイクロ波の周波数に応じた規格のものを使用することが好適である。なお、導波管104の容器101への接続構造や取付構造等については、上記の照射側導波管1032と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、導波管104は、容器101の回転とともに回転するようにしてもよく、回転しないようにしてもよい。例えば、第二の端部1012に固定部504と同等の固定部分を取り付け、この固定部分に導波管104を取り付けてもよい。
照射部103が容器101内にマイクロ波を照射する位置1033と、導波管104が容器101と接続された位置1041とは、中心軸上、つまり同一直線上に位置している。このように、マイクロ波を照射する位置1033と、導波管104が接続された位置1041とが同一直線上に位置することが、容器101内の加熱のばらつきをなくすうえで好ましい。また、この同一直線が、容器101の中心軸であることが、容器101内の加熱のばらつきをなくすうえで好ましい。
ここでは、図1に示すように、照射側導波管1032が、円筒形状である容器101の第一の端部1011の、円筒形状の回転中心となる中心軸と交わる位置、つまり、円形である第一の端部1011の中心において、容器101と接続されており、導波管104が、円筒形状である容器101の第二の端部1012の、円筒形状の回転中心となる中心軸と交わる位置、つまり、円形である第二の端部1012の中心において、容器101と接続されている場合を例に挙げて説明する。この場合の、導波管104が容器101の第二の端部1012と接続されている位置1041は、例えば、円筒形状である容器101の第二の端部1012の、円筒形状の回転中心となる軸と交わる位置、つまり、正面からみた形状が円形である第二の端部1012の中心である。また、導波管104は、上述した容器101の回転形状の軸に沿って直線状に伸びる形状であることが好ましい。かかることは、照射側導波管1032についても同様である。
導波管104は、容器101の第二の端部1012の反対側に反射端を有している。つまり、導波管104は、容器101と接続されている側とは反対側に、反射端を有している。反射端は、導波管104を伝送されるマイクロ波を反射する端部である。例えば、導波管104が中空導波管である場合、導波管104の第二の端部1012の反対側に位置する端部をマイクロ波を反射する材料、例えば、導波管104の他の部分と同様の材質のプレート等の部材で塞ぐことで、この端部を反射端とすることができる。ここでは、導波管104が金属製の方形の中空導波管であり、第二の端部1012の反対側に位置する端部を金属板で塞ぐことで、この端部を反射端としている場合を例に挙げて説明する。
導波管104の長さは、導波管104内における照射部103が照射するマイクロ波の半波長の倍数、つまり整数倍とある。導波管104の長さは、例えば、導波管104内におけるマイクロ波の半波長の奇数倍の長さであることが好ましい。導波管104における波長とは、いわゆる管内波長である。管内波長については、以下のURLの情報を参照されたい「"方形及び円形導波管 方形導波管 管内波長,高周波誘電加熱,技術情報,山本ビニター"、[online]、山本ビニター株式会社、[平成28年3月28日検索]、インターネット<URL:http://www.vinita.co.jp/institute/microwave/070070.html>」。例えば、導波管104として、長辺が109mmであるものを用い、マイクロ波として、周波数が2.45GHz、つまり波長が122mmのものを用いた場合、管内波長は147mmとなる。
なお、図1に示した処理装置1のサイズの一例を以下に示す。円筒形状である容器101の直径は、319mmであり、円筒形状の長手方向の長さは600mmである。導波管104および照射側導波管1032は、断面形状が55×109mmの矩形で、長さが220.5mmである。いずれも、断面の中心が、円形形状である容器101の端部の中心に位置するよう容器101に取付けられている。ただし、本発明においては処理装置1のサイズは、上記のサイズに限定されされるものではない。
容器101内には、例えば、内容物10が配置される。内容物10は、例えば、上述したような容器101内で行なわれる処理に用いられるものである。例えば、容器101内には内容物10が、連続的、あるいは非連続的に供給される。内容物10は、例えば、容器101内の照射部103がマイクロ波を照射する位置および導波管104が接続されている位置を塞がない高さとなるよう容器101内に配置されることが好ましいが、塞ぐ高さとなるよう配置されてもよい。なお、内容物10が照射側導波管1032や導波管104の開口部を塞ぎうる場合等においては、この開口部を、上述したようなマイクロ波を透過するポリテトラフルオロエチレン等のプレートで塞ぐことが好ましい。
内容物10は、例えば、ポンプ(図示せず)等を用いて、容器101内に供給されたり、容器101内から取り出しが行なわれても良い。容器101は、例えば、バッチ式の容器であってもよい。容器101がバッチ式である場合、例えば、内容物10は、非連続に(例えば、バッチ単位で)容器101内に供給される。また、容器101は、例えば、連続的に供給された内容物10に対して1以上の反応を連続的に行なって、内容物10を連続的に取り出すような、いわゆるフロー式容器等の連続式の容器であってもよい。例えば、容器101は、液状や粉体や粒状の内容物が、上方に未充填空間を有した状態で水平方向に流れる横型のフロー式の容器であってもよい。例えば、内容物10の供給口を、取出口が設けられている高さと、同じ、あるいは高い位置に設けることで、供給口から供給された流体である内容物10が、供給口側から取出口側に向かって容器101内を自然に流れて取出口から排出されることとなり、容器101をこのようなフロー式の容器として用いることができる。
容器101内に配置される内容物10は、例えば、単一の物質であってもよく、二以上の種類の物質の混合物であってもよい。また、内容物は、例えば、不純物等を有する物質であってもよい。また、内容物10は、例えば、粉体や粒状体、ペレット等の固体であってもよく、流動性を有するものであってもよい。流動性を有する内容物10は、例えば、液状の内容物である。液状の内容物10は、例えば、水や油、水溶液、コロイド溶液等のように、流動性の高いものであってもよく、あるいは、スラリーや懸濁液のように、流動性の低いものであってもよい。なお、容器101における化学反応等によって、原料から生成物が生成される場合、容器101の内容物10には生成物が含まれていると考えてもよい。すなわち、内容物10は、原料および/または生成物であってもよい。例えば、容器101内においてエステル化を行なう場合、油脂とアルコールが原料であってもよい。
内容物10は、例えば、1または2以上の種類の原料と1または2以上の種類の触媒との混合物であってもよい。原料と混合される触媒は固体触媒等の不均一系触媒であってもよく、液状の触媒等の均一系触媒であってもよい。また、固体触媒は、容器101内で流動床を形成してもよく、あるいは、そうでなくてもよい。また、固体触媒の形状は問わない。固体触媒の形状は、例えば、無定型の粒状、円柱状、球状、ペレット状、リング状、シェル状等であってもよい。また、これらの形状の固体触媒は、中空であってもよく、中空でなくてもよい。また、固体触媒は、多孔質であってもよく、多孔質でなくてもよい。また、その固体触媒は、例えば、マイクロ波吸収性もしくはマイクロ波感受性を有してもよく、または、そうでなくてもよい。固体触媒がマイクロ波吸収性やマイクロ波感受性を有する場合には、容器101の内部においてマイクロ波を照射した際に、固体触媒がマイクロ波によって加熱されることになり、その固体触媒近傍での化学反応が促進されることになる。なお、そのマイクロ波吸収性やマイクロ波感受性については、照射されるマイクロ波の周波数や容器101の内部の温度等に依存することになる。すなわち、使用するマイクロ波の周波数、及び原料を反応させる容器101の内部の温度において、誘電損失係数の高いものがマイクロ波吸収性の高いものとなる。したがって、例えば、そのようなマイクロ波吸収性の高い物質を含む固体触媒を用いるようにしてもよい。例えば、2.45GHzのマイクロ波が照射される場合には、マイクロ波吸収性を有する物質として、フラーレンを除くカーボン類(例えば、グラファイト、カーボンナノチューブ、または活性炭など)や、鉄、ニッケル、コバルト、またはフェライト等がある。したがって、固体触媒は、そのようなマイクロ波吸収性を有する物質を含むものであってもよい。具体的には、固体触媒は、そのようなマイクロ波吸収性やマイクロ波感受性を有する物質と、金属もしくは金属酸化物とを組み合わせたコンポジットであってもよく、そのようなマイクロ波吸収性やマイクロ波感受性を有する物質と、アルカリ触媒もしくは酸触媒等の触媒とを組み合わせたコンポジットであってもよく、または、マイクロ波吸収性やマイクロ波感受性を有する物質と、アルカリ触媒もしくは酸触媒等の触媒と、金属もしくは金属酸化物とを組み合わせたコンポジットであってもよい。そのコンポジット化は、例えば、物理吸着によって行われてもよく、化学結合によって行われてもよく、合金化によって行われてもよく、または、その他の方法によって行われてもよい。容器101がいわゆるフロー型容器である場合、原料である内容物や、原料と固体触媒とを混合した内容物は、容器101の上流側に入れられる。
容器101内、特に、マイクロ波を照射する際の容器101内は、常圧であってもよく、減圧されていてもよく、加圧されていてもよい。なお、処理装置1は、容器101内の減圧や加圧を行なうための、図示しない減圧手段や加圧手段を有していてもよい。また、容器101は気密性を保てるものであってもよく、保てないものであってもよい。
次に、本実施の形態の処理装置1の動作の一例について簡単に説明する。容器101内に、供給口1013から内容物10を供給し、回転機構102を動作させることにより、容器101を、回転軸1015を中心として回転させる。容器101を回転させた状態で、マイクロ波発振器1031にマイクロ波を発生させると、発生したマイクロ波が、照射側導波管1032を伝送されて、照射する位置1033から容器101内にマイクロ波が照射される。照射されたマイクロ波によって、内容物10が加熱される。容器101内の内容物10は、例えば、マイクロ波の照射を終了し、回転機構102の動作を終了した後等に、取出口1014から取り出される。
次に、本実施の形態の処理装置1についてのシミュレーションによる実証試験結果について説明する。
図2は、シミュレーション試験に用いられた処理装置1に相当する装置モデルの寸法を説明するため、長手方向の長さが147mmの1.5倍である導波管104(以下、導波管104aと称す)を設けた場合の側面図(図2(a))、長さが147mm×2倍である導波管104(以下、導波管104bと称す)を設けた場合の側面図(図2(b))、長さが122mm×1.5倍である導波管104(以下、導波管104cと称す)を設けた場合の側面図(図2(c))、長さが122mm×2倍である導波管104(以下、導波管104dと称す)を設けた場合の側面図(図2(d))、および導波管104を設けなかった場合の側面図(図2(e))である。なお、図において、説明の便宜上、図1に相当する部分については、同一または相当する符号を付与している。
図2において、容器101は、直径が319mmで、長さが600mmである円筒形状であるとする。また、図2において、導波管104a〜104dおよび照射側導波管1032は、長手方向に垂直な断面の長辺が109mmで、短辺が55mmである中空の方形導波管であるとする。照射側導波管1032の長さは、200mmであるとする。照射側導波管1032を介して照射されるマイクロ波の周波数は、2.45GHzで、波長が122mmであるとする。容器101、導波管104a〜104d、および照射側導波管1032の材質は、マイクロ波を反射する金属であるものとする。導波管104a〜104dの容器101と反対側の端部はいずれも、他の部分と同じ金属の板で塞がれているものとする。
ここでは、図2(a)〜図2(e)にそれぞれ示した装置モデルにおいて、照射側導波管1032から周波数が2.45GHz、出力が1.5kWであるマイクロ波を2波長分照射した場合の装置モデル内の電界分布をシミュレーション試験により取得した。シミュレーションの際には、容器101内に空気だけが存在する設定とした。なお、シミュレーション試験には、シミュレーション試験には電場解析ソフト(ANSYS製HFSS13.0)を用いた。
なお、上記の147mmは、上述したように、2.45GHzの周波数のマイクロ波が、長辺が109mmである中空の方形導波管104内を伝送される際の波長(即ち管内波長)である。また、導波管104aの長さ147mm×1.5は、この管内波長の半波長の奇数倍の例を示し、導波管104bの長さ147mm×2は、この管内波長の半波長の偶数倍の例を示している。また、上記の122mmは、2.45GHzの周波数のマイクロ波が自由空間で伝送される際の波長であり、導波管104cの長さ122mm×1.5は、この波長の半波長の奇数倍の例、導波管104dの長さ122mm×2は、この波長の半波長の偶数倍の例をそれぞれ示している。なお、ここでの長辺は、方形導波管104の長手方向、つまり導波管104が伸びる方向に垂直な矩形の断面の長辺である。
図3は、図2(a)に示した装置モデルを用いた場合のシミュレーション試験結果を示す電界分布図(図3(a))、及び図2(b)に示した装置モデルを用いた場合のシミュレーション試験結果を示す電界分布図(図3(b))である。
図4は、図2(c)に示した装置モデルを用いた場合のシミュレーション試験結果を示す電界分布図(図4(a))、及び図2(d)に示した装置モデルを用いた場合のシミュレーション試験結果を示す電界分布図(図4(b))である。
図5は、図2(e)に示した装置モデルを用いた場合のシミュレーション試験結果を示す電界分布図である。
なお、図3〜図5におけるマイクロ波により発生する電界分布は、例えば、実質的にマイクロ波による加熱の分布を示すものと考えてよい。
図3(a)、図3(b)と、図5とを比較すると、図5においては、容器101内に電界分布の大きな偏りがあるのに対し、図3(a)、図3(b)においては、いずれも、図5に比べて電界分布の偏りが低減されていることがわかる。このことから、容器101の第二の端部1012の、中心軸上に、導波管104を設けることで、容器101内の電界分布の偏りを低減させることできることがわかる。
また、図3(a)と図3(b)と、図4(a)および図4(b)とを比較すると、図3(a)および図3(b)の方が、図4(a)および図4(b)に比べて、明らかに電界分布の偏りが小さいことがわかる。このことから、導波管104の長さを、照射されたマイクロ波の導波管内における波長の半波長の倍数とすることにより、容器101内の電界分布の偏りを低減させられることがわかる。また、図4(a)および図4(b)と、図5とを比較した場合、いずれも電界分布の偏りが大きいことから、導波管104の長さを、照射されたマイクロ波の自由空間における半波長の倍数とした場合では、電界分布の偏りを低減できないことや、適切な導波管を用いなければ電界分布の偏りを低減させられないことがわかる。
また、図3(a)と図3(b)とを比較すると、図3(a)の方が容器101内における電界分布がさらに均一化されていることがわかる。このことから、導波管104の長さを、照射されたマイクロ波の導波管内における波長の半波長の奇数倍とすることで、容器101内の電界分布の偏りをより低減させられることがわかる。
以上、本実施の形態によれば、回転形状を有する容器101の第二の端部1012の中心軸上に、長さが管内におけるマイクロ波の半波長の倍数である導波管104を設けたことにより、マイクロ波を照射した場合に発生する容器101内の位置毎の加熱のばらつきを低減させることができる。
また、導波管104の長さを、導波管104内のマイクロ波の波長の半波長の奇数倍とすることで、位置毎の加熱のばらつきをさらに低減させることができる。
なお、図1においては、横型の容器101を用いた場合の例を示したが、本発明においては、上述したような縦型の容器(図示せず)を用いてもよい。縦型の容器を用いた場合、容器の下側に、照射側導波管1032または導波管104が位置することとなるが、この場合、容器の下側の照射側導波管1032または導波管104が取付けられた開口部は、管内に内容物10が入らないよう、上述したようなマイクロ波を透過するポリテトラフルオロエチレン等のプレートで塞ぐことが好ましい。
なお、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる処理装置は、マイクロ波を利用した処理装置として適しており、特に、容器内にマイクロ波を照射する処理装置等として有用である。
1 処理装置
10 内容物
101 容器
102 回転機構
103 照射部
104、104a〜104d 導波管
1011 第一の端部
1012 第二の端部
1013 供給口
1014 取出口
1015 回転軸
1031 マイクロ波発振器
1032 照射側導波管
1033 照射する位置
1041 接続された位置

Claims (5)

  1. 回転形状を有しており、当該回転形状の回転の中心となる中心軸が伸びる方向に第一の端部と第二の端部とを有する容器と、
    前記容器の第一の端部側の前記中心軸上の位置から当該容器内にマイクロ波を照射する照射部と、
    前記容器の第二の端部の前記中心軸上に設けられた導波管であって、長さが、当該導波管内における前記照射部が照射するマイクロ波の半波長の倍数である導波管と、を備えたマルチモードでマイクロ波照射を行なう処理装置。
  2. 前記導波管の長さは、当該導波管内における前記照射部が照射するマイクロ波の半波長の奇数倍である請求項1記載の処理装置。
  3. 前記容器は、回転軸を中心として回転可能な容器であり、
    前記容器を回転させる回転機構を更に備えた請求項1または請求項2記載の処理装置。
  4. 前記回転軸と、前記中心軸とが一致する請求項3記載の処理装置。
  5. 前記容器の中心軸が伸びる方向は、横方向である請求項1から請求項4いずれか一項記載の処理装置。
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