JP6054809B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、インバータおよび回転電機を昇温可能な電力変換装置を提供することにある。
第1インバータ部は、第1スイッチング素子を有し、巻線の一端と第1電力供給源との間に接続される。第2インバータ部は、第2スイッチング素子を有し、巻線の他端と第2電力供給源との間に接続される。
第1の発明では、制御部は、第1インバータ部または第2インバータ部の一方を全相同電位とし、第1インバータ部または第2インバータ部の他方をトルク指令値および加熱指令値に基づいてスイッチングする。制御部は、第1インバータ部を全相同電位とする場合、第1上アーム素子または第1下アーム素子の一方を全相でオン、他方を全相でオフし、第1上アーム素子の全相をオン、第1下アーム素子をオフする期間と、第1上アーム素子の全相をオフ、第1下アーム素子の全相をオンする期間とを第1アーム切り替え期間毎に切り替える。また制御部は、第2インバータ部を全相同電位とする場合、第2上アーム素子または第2下アーム素子の一方を全相でオン、他方を全相でオフし、第2上アーム素子の全相をオン、第1下アーム素子の全相をオフする期間と、第2上アーム素子の全相をオフ、第2下アーム素子の全相をオンする期間とを第2アーム切り替え期間毎に切り替える。
第2の発明では、制御部は、第1インバータ部または第2インバータ部の一方を全相同電位とし、第1インバータ部または第2インバータ部の他方をトルク指令値および加熱指令値に基づいてスイッチングする。制御部は、第1インバータ部をスイッチングし第2インバータ部を全相同電位とする期間と、第1インバータ部を全相同電位とし第2インバータ部をスイッチングする期間とをインバータ切替期間毎に切り替える。
第3の発明では、制御部は、第1インバータ部および第2インバータ部をトルク指令値および加熱指令値に基づいてスイッチングし、無効電流として巻線の各相に通電方向および大きさの等しい電流を通電させる。
第4の発明では、制御部は、駆動電流の等トルク線の接線に平行な方向に無効電流を通電させる。
第5の発明では、制御部は、所定期間内における無効電流による合計トルクがゼロとなる無効電流を巻線に通電させる。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態による電力変換装置1は、回転電機としてのモータ10の電力を変換するものである。
また、モータ10には、図示しないロータの回転位置を検出する回転角センサ15が設けられる。回転角センサ15は、レゾルバ等、どのようなものでもよい。回転角センサ15の検出値は、制御部60に出力される。
第1インバータ部20は、3相インバータであり、コイル11〜13への通電を切り替えるべく、6つのスイッチング素子(以下、「SW素子」という。)21〜26がブリッジ接続される。本実施形態では、SW素子21〜26は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。本実施形態では、SW素子21〜26が「第1スイッチング素子」に対応する。
SW素子22は、SW素子25の高電位側に接続される。SW素子22とSW素子25との接続点28は、V相コイル12の一端121に接続される。
SW素子23は、SW素子26の高電位側に接続される。SW素子23とSW素子26との接続点29は、W相コイル13の一端131に接続される。
以下適宜、高電位側に接続されるSW素子21〜23を「第1上アーム素子」、低電位側に接続されるSW素子24〜26を「第1下アーム素子」という。
SW素子32は、SW素子35の高電位側に接続される。SW素子32とSW素子35との接続点38は、V相コイル12の他端122に接続される。
SW素子33は、SW素子36の高電位側に接続される。SW素子33とSW素子36との接続点39は、W相コイル13の他端132に接続される。
以下適宜、高電位側に接続されるSW素子31〜33を「第2上アーム素子」、低電位側に接続されるSW素子34〜36を「第2下アーム素子」という。
第2電力供給源42は、第2インバータ部30に接続される直流電源であって、第2インバータ部30を経由してモータ10に電力を供給する。
第2コンデンサ52は、第2電力供給源42と並列に接続され、第2電力供給源42からSW素子31〜36へ供給される電流を平滑化する平滑コンデンサである。
制御部60は、回転角取得部61、指令演算部62、および、駆動制御部65を有する。回転角取得部61、指令演算部62、および、駆動制御部65は、ハードウェアにより構成してもよいし、ソフトウェアにより構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより構成してもよい。
指令演算部62は、トルク指令値等に基づき、モータ10の駆動に係る駆動電流Itの大きさ、および、位相を演算する。駆動電流Itの位相は、例えば最大トルク、最小電流となる位相や、最大トルク、最小損失となる位相である最大トルク位相とする。例えばモータ10がIPMモータであれば、最大トルク位相は、q軸より進角している(図2参照)。
なお、図1では、指令演算部62がトルク指令値および加熱指令値を制御部60の外部から取得する例を示しているが、トルク指令値および加熱指令値を制御部60にて内部的に取得するように構成してもよい。
また、第2インバータ部30を全相同電位とする場合、駆動制御部65は、指令演算部62にて演算される駆動電流Itおよび無効電流Ir1に応じた電圧指令とキャリア波との比較により、第1インバータ部20を構成するSW素子21〜26のオンオフ作動を制御する。
本実施形態では、キャリア波の周波数は一定とする。
また、中回転、中トルク域では、第1上アーム素子21〜23の全相または第1下アーム素子24〜26の全相をオンすることにより第1インバータ部20を全相同電位とし、第2インバータ部30をスイッチングすることにより、第2電力供給源42の電力によりモータ10を駆動する。
すなわち、本実施形態では、モータ10の回転数およびトルクの少なくとも一方に基づき、制御モードを切り替えている。
第2アーム切替期間は、第1アーム切替期間と等しくてもよいし、異なっていてもよい。
第1アーム切替期間、第2アーム切替期間、および、インバータ切替期間は、例えばSW素子21〜26、31〜36が熱飽和に達するまでの時間等に応じ、適宜設定可能である。
そこで本実施形態では、モータ10の駆動に係る駆動電流Itに加え、モータ10のトルクに寄与しない無効電流Ir1をコイル11〜13に通電することにより、第1インバータ部20、第2インバータ部30、および、モータ10を昇温させる。
図3(a)に示すように、モータ10が回転している状態において、駆動電流Itを通電すると、各相電流Iu、Iv、Iwは正弦波波形となる。
第2インバータ部30は、SW素子31〜36を有し、U相コイル11、V相コイル12およびW相コイル13の他端112、122、132と第2電力供給源42との間に接続される。
ここで「全相同電位」とは、スイッチングする側のインバータ部に影響を与えない程度の誤差は許容されるものとする。
これにより、例えば低回転、低トルク域において、一方の電力供給源による電圧によりモータ10を駆動することにより、モータ効率を向上することができる。また、スイッチング損失を低減することができる。
(3)SW素子21〜26は、高電位側に接続される第1上アーム素子21〜23、および、低電位側に接続される第1下アーム素子24〜26から構成される。また、SW素子31〜36は、高電位側に接続される第2上アーム素子31〜33、および、第2下アーム素子34〜36から構成される。
また制御部60は、第2インバータ部30を全相同電位とする場合、第2上アーム素子31〜33または第2下アーム素子34〜36の一方を全相でオン、他方を全相でオフする。
これにより、第1インバータ部20または第2インバータ部30を適切に全相同電位とすることができる。
また制御部60は、第2インバータ部30を全相同電位する場合、第2上アーム素子31〜33の全相をオン、第2下アーム素子34〜36の全相をオフする期間と、第2上アーム素子31〜33の全相をオフ、第2下アーム素子34〜36の全相をオンする期間とを第2アーム切替期間毎に切り替える。
本実施形態では、オンにするアームをアーム切替期間毎に切り替えるので、一方のアームがオンされ続ける場合と比較して、アーム毎の熱損失の偏りを低減することができる。
スイッチングするインバータ部を切り替えることにより、第1インバータ部20および第2インバータ部30を均等に昇温することができる。また、第1インバータ部20と第2インバータ部30との熱損失の偏りを低減することができる。特に、オンするアームをアーム切替期間毎に切り替えるように構成すれば、SW素子21〜26、31〜36の熱損失の偏りを低減することができる。また、スイッチングするインバータ部を切り替えることにより、第1インバータ部20および第2インバータ部30を均等に昇温することができる。
本発明の第2実施形態を図4に基づいて説明する。
以下の実施形態では、無効電流が上記実施形態と異なっているので、この点を中心に説明し、構成等の説明は省略する。
本実施形態では、駆動電流Itは、上記実施形態と同様、トルク指令値等に基づき、大きさおよび位相が指令演算部62にて演算される。
また、指令演算部62は、加熱指令値等に基づき、コイル11〜13の各相に通電される電流の方向および大きさが等しい無効電流Ir2を演算する。
ここで、駆動電流Itおよび無効電流Ir2を通電したときの各相電流Iu、Iv、Iwを図4に示す。
図4に示すように、モータ10が回転している状態において、駆動電流Itに無効電流Ir2を加えることにより、駆動電流Itがオフセットされ、駆動電流Itを通電した場合と比較してコイル11〜13に通電される各相電流Iu、Iv、Iwの通電量が大きくなる。これにより、第1インバータ部20、第2インバータ部30およびモータ10を速やかに昇温させることができる。また、モータ10が回転している状態では、コイル11〜13には、正弦波電流が均等に通電されるため、各相を均等に昇温することができる。
ここで、無効電流Ir2によりコイル11〜13の各相に通電される電流は、モータ10の駆動に影響を与えない程度の誤差は許容されるものとする。
また、上記(1)、(6)と同様の効果を奏する。
本発明の第3実施形態による電力変換装置を図5に基づいて説明する。
例えば、駆動電流Itの等トルク線L1の接線L2方向以外の一方向に電流を通電し続けると、通電した電流によるトルクが生じる。また、生じたトルクを打ち消すような電流を通電すれば、トルクが相殺される。特に、モータ10の機械時定数より短い期間内において、無効電流による合計トルクがゼロであれば、モータ10の駆動に影響を与えない。
第1無効電流Ir31は、駆動電流Itと直交する方向であって、加熱指令値等に応じた大きさの電流である。第2無効電流Ir32は、第1無効電流Ir31と大きさが等しく、方向が反対向きの電流である。
ここでは、無効電流Ir31、Ir32は、駆動電流Itに直交する例を説明するが、無効電流Ir31、Ir32の方向は駆動電流Itの直交方向に限らない。
ここで、第1無効電流Ir31および第2無効電流Ir32の大きさ、および、通電期間は、モータ10の駆動に影響を与えない程度の誤差は許容されるものとする。この点については、他の実施形態に係る無効電流についても同様である。
詳細には、無効電流は、第1無効電流Ir31および第2無効電流Ir32から構成され、制御部60は、第1無効電流Ir31が通電される期間と第2無効電流Ir32が通電される期間とを所定期間Ps内にて切り替える。
また、上記(1)〜(6)と同様の効果を奏する。
なお、「合計トルクがゼロとなる無効電流」とは、モータ10の駆動に影響を与えない程度の誤差は許容されるものとする。
本発明の第4実施形態による電力変換装置を図8〜図10に基づいて説明する。
まず第1実施形態〜第3実施形態について言及しておく。
モータ10が回転しているとき、第1実施形態〜第3実施形態のように、dq座標における特定の方向に電流を通電したとしても、dq座標が回転することにより、各相に均等に通電することができる。
一方、モータ10が停止している場合、dq座標が回転しないため、特定方向に電流を通電すると、モータ10に通電される電流は直流化する。
図6に示すように、モータ10が停止している状態にて、駆動電流Itを通電すると、各相電流Iu、Iv、Iwが直流状態となる。
また図7に示すように、モータ10が停止している状態にて、第3実施形態にて説明した第1無効電流Ir31および第2無効電流Ir32を通電した場合、各相電流Iu、Iv、Iwの実効値が異なり、各相を均等に昇温することができない。
dq座標において、直交する大きさの等しい2つの電流ベクトルの各相電流Iu、Iv、Iwの実効値について説明する。大きさがIaである直交する2つの電流ベクトル(d1、q1)、(d2、q2)を式(2)、(3)に示す。
換言すると、電流ベクトル(d1、q1)方向を第1軸、電流ベクトル(d2、q2)方向を第2軸とすると、第1軸と第2軸とが直交する直交座標において、第1軸の実効値と、第2軸の実効値とが等しければ、各相電流Iu、Iv、Iwの実効値は等しい。なお、任意の直交座標における2軸の実効値が等しければ、dq座標におけるd軸の実効値とq軸の実効値も等しくなる。
本実施形態における駆動電流および無効電流を図8および図9に基づいて説明する。
また図9に示すように、本実施形態の無効電流は、4つの電流ベクトルで表される第1直交無効電流Ir41、第2直交無効電流Ir42、第1平行無効電流Ir43、および、第2平行無効電流Ir44から構成され、これらは指令演算部62にて演算される。なお、図8中には、第1直交無効電流Ir41および第1平行無効電流Ir43を示している。以下適宜、第1直交無効電流Ir41、第2直交無効電流Ir42、第1平行無効電流Ir43、および、第2平行無効電流Ir44を「無効電流Ir41〜Ir44」という。
図9(b)に示すように、第2直交無効電流Ir42は、第1直交無効電流Ir41と大きさが等しく、方向が反対方向である。
図9(c)に示すように、第1平行無効電流Ir43は、駆動電流Itと平行する方向であって、駆動電流Itおよび第1平行無効電流Ir43による駆動電流It方向の実効値と第1直交無効電流Ir41の駆動電流Itの直交方向の実効値とが等しくなる大きさである。詳細には、第1直交無効電流Ir41の大きさが駆動電流Itの大きさより大きい場合、第1平行無効電流Ir43の大きさは、第1直交無効電流Ir41の大きさの2乗値から駆動電流Itの大きさの2乗値を減じた値の平方根とする。これにより、駆動電流It方向を第1軸、駆動電流Itの直交方向を第2軸とすると、式(9)、(10)で示す実効値が等しくなる。
図9(d)に示すように、第2平行無効電流Ir44は、第1平行無効電流Ir41と大きさが等しく、方向が反対方向である。
詳細には、制御部60は、第1軸と第2軸とが直交する直交座標において、駆動電流Itおよび無効電流Ir41〜Ir44による第1軸の実効値と、駆動電流Itおよび無効電流Ir41〜Ir44による第2軸の実効値とが等しくなる駆動電流Itおよび無効電流Ir41〜Ir44をコイル11〜13に通電させる。
なお、「駆動電流および無効電流による第1軸の実効値と、駆動電流および無効電流による第2軸の実効値とが等しい」とは、完全に等しい場合に限らず、各相を均等に昇温させることができる程度の誤差は許容されるものとする。
また、上記(1)〜(6)、(8)と同様の効果を奏する。
本発明の第5実施形態による電力変換装置を図11および図12に示す。
図11に示すように、駆動電流Itは、上記実施形態と同様、例えばトルク指令値等に基づき、大きさおよび位相が指令演算部62にて演算される。
また、指令演算部62では、直交方向無効電流Ir51および平行方向無効電流Ir52を演算する。直交方向無効電流Ir51は、駆動電流Itと直交する方向であって、加熱指令値等に応じた大きさの電流である。また、平行方向無効電流Ir52は、駆動電流Itと平行する方向であって、駆動電流Itおよび平行方向無効電流Ir52による駆動電流It方向の実効値と直交方向無効電流Ir51の駆動電流Itの直交方向の実効値とが等しくなる大きさである。詳細には、直交方向無効電流Ir51が駆動電流Itより大きいとすると、平行方向無効電流Ir52の大きさは、直交方向無効電流Ir51の大きさの2乗値から駆動電流Itの大きさの2乗値を減じた値の平方根とする。
すなわち、制御部60は、図12(a)、(b)、(c)・・・と無効電流Ir5を変化させる。これにより、無効電流Ir5は、楕円軌跡L5を描く。
したがって、駆動電流Itおよび無効電流Ir5による第1軸の実効値と、駆動電流Itおよび無効電流Ir5による第2軸の実効値とが等しいので、各相電流Iu、Iv、Iwの実効値は等しい。
詳細には、本実施形態の無効電流Ir5は、所定期間Ps内に楕円軌跡L5を描く高周波回転電流である。
また上記(1)〜(6)、(9)と同様の効果を奏する。
本発明の第6実施形態による電力変換装置を図14および図15に基づいて説明する。
図14に示すように、駆動電流Itは、上記実施形態と同様、例えばトルク指令値等に基づき、大きさおよび位相が指令演算部62にて演算される。
また、指令演算部62では、加熱指令値等に応じ、d軸無効電流Ir61およびq軸無効電流Ir62を演算する。本実施形態では、駆動電流Itおよびd軸無効電流Ir61によるd軸の実効値が、駆動電流Itおよびq軸無効電流Ir62によるq軸実効値と等しくなるように、d軸無効電流Ir61およびq軸無効電流Ir62が演算される。
It(d)=Ita×cosθ ・・・(10)
It(q)=Ita×sinθ ・・・(11)
ここで、q軸方向を第1軸、d軸方向を第2軸とすると、無効電流Ir6の第1軸の実効値は、楕円軌跡L6の短半径であるq軸無効電流Ir62の実効値であり、無効電流Ir6の第2軸の実効値は、楕円軌跡L6の長半径であるd軸無効電流Ir61の実効値である。
したがって、駆動電流Itおよび無効電流Ir6によるq軸の実効値と、駆動電流Itおよび無効電流Ir5によるd軸の実効値とが等しいので、各相電流Iu、Iv、Iwの実効値は等しい。
なお、第5実施形態と同様、駆動電流Itが0であれば、無効電流Ir6の軌跡L6は円となる。
これにより、上記(1)〜(6)、(9)、(10)と同様の効果を奏する。
(ア)上記実施形態では、スイッチングする側のインバータ部を構成するスイッチング素子のオンオフ作動の制御に係るキャリア波の周波数を一定とする。他の実施形態では、制御部は、加熱指令値等に応じ、キャリア波の周波数を可変とすることによりスイッチング周波数を可変としてもよい。すなわち、スイッチング周波数を加熱指令値に基づいて決定してもよい。スイッチング周波数を高めることにより、スイッチング損失により第1インバータ部、第2インバータ部、および、回転電機を昇温可能である。なお、広義では、加算する無効電流をゼロとし、スイッチング周波数を高めることにより、第1インバータ部、第2インバータ部、および、回転電機を昇温することができる。
また、他の実施形態では、オンするアームを切り替えなくてもよいし、全相同電位とするインバータ部を切り替えなくてもよい。
この場合、各相均等ではないが、無効電流を通電することにより作動油を昇温可能であるので、作動油の温度低下による粘度増加に伴う回転電機の効率低下を抑制可能である。なお、回転電機の駆動に影響を与えずに無効電流を通電すべく、所定期間内における無効電流による合計トルクはゼロであることが好ましい。
(オ)上記実施形態では、第1インバータ部および第2インバータ部は、2レベルインバータである。他の実施形態では、第1インバータ部および第2インバータ部は、3レベル以上のインバータであってもよい。
(キ)上記実施形態では、回転電機は、電動車両の車両主機に適用される。他の実施形態では、回転電機は、車両補機に適用してもよいし、他の装置に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10・・・モータ(回転電機)
11〜13・・・コイル(巻線)
20・・・第1インバータ部
21〜26・・・SW素子(第1スイッチング素子)
30・・・第2インバータ部
31〜36・・・SW素子(第2スイッチング素子)
60・・・制御部
Claims (12)
- 巻線(11、12、13)を有する回転電機(10)の電力を変換する電力変換装置(1)であって、
第1スイッチング素子(21〜26)を有し、前記巻線の一端(111、121、131)と第1電力供給源(41)との間に接続される第1インバータ部(20)と、
第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)と第2電力供給源(42)との間に接続される第2インバータ部(30)と、
前記第1インバータ部および前記第2インバータ部の少なくとも一方をトルク指令値および加熱指令値に基づいてスイッチングし、前記トルク指令値に応じた駆動電流に前記加熱指令値に応じた無効電流を加算した電流を前記巻線に通電させる制御部(60)と、
を備え、
前記第1スイッチング素子は、高電位側に接続される第1上アーム素子(21〜23)、および、低電位側に接続される第1下アーム素子(24〜26)から構成され、
前記第2スイッチング素子は、高電位側に接続される第2上アーム素子(31〜33)、および、低電位側に接続される第2下アーム素子(34〜36)から構成され、
前記制御部は、
前記第1インバータ部または前記第2インバータ部の一方を全相同電位とし、前記第1インバータ部または前記第2インバータ部の他方を前記トルク指令値および前記加熱指令値に基づいてスイッチングし、
前記第1インバータ部を全相同電位とする場合、前記第1上アーム素子または前記第1下アーム素子の一方を全相でオン、他方を全相でオフし、前記第1上アーム素子の全相をオン、前記第1下アーム素子をオフする期間と、前記第1上アーム素子の全相をオフ、前記第1下アーム素子の全相をオンする期間とを第1アーム切り替え期間毎に切り替え、
前記第2インバータ部を全相同電位とする場合、前記第2上アーム素子または前記第2下アーム素子の一方を全相でオン、他方を全相でオフし、前記第2上アーム素子の全相をオン、前記第1下アーム素子の全相をオフする期間と、前記第2上アーム素子の全相をオフ、前記第2下アーム素子の全相をオンする期間とを第2アーム切り替え期間毎に切り替えることを特徴とする電力変換装置。 - 巻線(11、12、13)を有する回転電機(10)の電力を変換する電力変換装置(1)であって、
第1スイッチング素子(21〜26)を有し、前記巻線の一端(111、121、131)と第1電力供給源(41)との間に接続される第1インバータ部(20)と、
第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)と第2電力供給源(42)との間に接続される第2インバータ部(30)と、
前記第1インバータ部および前記第2インバータ部の少なくとも一方をトルク指令値および加熱指令値に基づいてスイッチングし、前記トルク指令値に応じた駆動電流に前記加熱指令値に応じた無効電流を加算した電流を前記巻線に通電させる制御部(60)と、
を備え、
前記制御部は、前記第1インバータ部または前記第2インバータ部の一方を全相同電位とし、前記第1インバータ部または前記第2インバータ部の他方を前記トルク指令値および前記加熱指令値に基づいてスイッチングし、
前記第1インバータ部をスイッチングし前記第2インバータ部を全相同電位とする期間と、前記第1インバータ部を全相同電位とし前記第2インバータ部をスイッチングする期間とをインバータ切替期間毎に切り替えることを特徴とする電力変換装置。 - 巻線(11、12、13)を有する回転電機(10)の電力を変換する電力変換装置(1)であって、
第1スイッチング素子(21〜26)を有し、前記巻線の一端(111、121、131)と第1電力供給源(41)との間に接続される第1インバータ部(20)と、
第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)と第2電力供給源(42)との間に接続される第2インバータ部(30)と、
前記第1インバータ部および前記第2インバータ部の少なくとも一方をトルク指令値および加熱指令値に基づいてスイッチングし、前記トルク指令値に応じた駆動電流に前記加熱指令値に応じた無効電流を加算した電流を前記巻線に通電させる制御部(60)と、
を備え、
前記制御部は、前記第1インバータ部および前記第2インバータ部を前記トルク指令値および前記加熱指令値に基づいてスイッチングし、
前記無効電流として前記巻線の各相に通電方向および大きさの等しい電流を通電させることを特徴とする電力変換装置。 - 巻線(11、12、13)を有する回転電機(10)の電力を変換する電力変換装置(1)であって、
第1スイッチング素子(21〜26)を有し、前記巻線の一端(111、121、131)と第1電力供給源(41)との間に接続される第1インバータ部(20)と、
第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)と第2電力供給源(42)との間に接続される第2インバータ部(30)と、
前記第1インバータ部および前記第2インバータ部の少なくとも一方をトルク指令値および加熱指令値に基づいてスイッチングし、前記トルク指令値に応じた駆動電流に前記加熱指令値に応じた無効電流を加算した電流を前記巻線に通電させる制御部(60)と、
を備え、
前記制御部は、前記駆動電流の等トルク線の接線に平行な方向に前記無効電流を通電させることを特徴とする電力変換装置。 - 巻線(11、12、13)を有する回転電機(10)の電力を変換する電力変換装置(1)であって、
第1スイッチング素子(21〜26)を有し、前記巻線の一端(111、121、131)と第1電力供給源(41)との間に接続される第1インバータ部(20)と、
第2スイッチング素子(31〜36)を有し、前記巻線の他端(112、122、132)と第2電力供給源(42)との間に接続される第2インバータ部(30)と、
前記第1インバータ部および前記第2インバータ部の少なくとも一方をトルク指令値および加熱指令値に基づいてスイッチングし、前記トルク指令値に応じた駆動電流に前記加熱指令値に応じた無効電流を加算した電流を前記巻線に通電させる制御部(60)と、
を備え、
前記制御部は、所定期間内における前記無効電流による合計トルクがゼロとなる前記無効電流を前記巻線に通電させることを特徴とする電力変換装置。 - 前記所定期間は、前記回転電機の機械時定数より短い期間であることを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
- 前記無効電流は、第1無効電流、および、前記第1無効電流と大きさが等しく方向が反対向きの第2無効電流から構成され、
前記制御部は、前記第1無効電流が通電される期間と前記第2無効電流が通電される期間とを前記所定期間内にて切り替えることを特徴とする請求項5または6に記載の電力変換装置。 - 前記無効電流は、前記所定期間内に楕円軌跡を描く高周波回転電流であることを特徴とする請求項5または6に記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、前記巻線の各相を均等に昇温させる前記駆動電流および前記無効電流を前記巻線に通電させることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、第1軸と第2軸とが直交する直交座標において、前記駆動電流および前記無効電流による前記第1軸の実効値と、前記駆動電流および前記無効電流による前記第2軸の実効値とが等しくなる前記駆動電流および前記無効電流を前記巻線に通電させることを特徴とする請求項9に記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子の少なくとも一方のスイッチング周波数を可変とすることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電力変換装置。
- 前記スイッチング周波数は、前記加熱指令値に基づいて決定されることを特徴とする請求項11に記載の電力変換装置。
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