JP6052645B2 - 車両用ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、車体に対して懸架装置を介して車輪側に固定された車輪側装置と、車体側に配置された車体側装置との間を接続する車両用ケーブルに関する。
従来、車輪側に固定された車輪側装置と、車体側に配置された車体側装置との間を接続するケーブルとして、複数の電線を一括してシースに収容したケーブルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のケーブル(ハーネス)は、車輪側に設けられた電動ブレーキ装置に一端部が接続され、他端部は車体側に搭載されたバッテリに接続されている。電動式ブレーキ装置は、ケーブルを介してバッテリから電力の供給を受け、この電力によってモータを駆動し、ブレーキパッドをブレーキディスクに押圧して制動力を発揮する。
特開2008−238987号公報(図9)
このような車両用のケーブルは、車両の走行に伴う車輪の動きに追従して屈曲し、かつ長期の使用に耐える高い屈曲耐久性が要求される。特許文献1では、屈曲耐久性の向上について言及されておらず、なお改善の余地があるものと考えられる。
そこで、本発明は、屈曲耐久性を向上させた車両用ケーブルを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、車輪側に固定された車輪側装置と、車体側に配置された車体側装置との間を接続する車両用ケーブルであって、中心導体を絶縁被覆してなり、互いに撚り合わされる2本の電線と、前記2本の電線を一括して被覆するシースとを備え、前記中心導体は、素線径が0.05mm以上0.12mm以下の素線を50本以上100本以下撚り合わせてなる子撚導体を、7本以上19本以下、前記子撚導体における前記素線の撚り方向と同じ方向に親撚りしてなり、前記2本の電線の撚り合わせの方向は、前記子撚導体における素線の撚り方向、前記中心導体における前記子撚導体の撚り方向とは逆である車両用ケーブルを提供する。
本発明に係る車両用ケーブルによれば、屈曲耐久性を向上させることが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る車両用複合ケーブルが装着された電動式ブレーキ装置、及びその周辺部を模式的に示す概略構成図である。 電動式ブレーキ装置の構成例を示す概略図である。 複合ケーブルを示し、(a)は複合ケーブルのシースの一部を除去して示す斜視図、(b)は第1の電線の端部の拡大図、(c)は第2の電線の端部の拡大図である。 図3(a)のA−A線断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る複合ケーブルを示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例に係る複合ケーブルを示す断面図である。
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態に係る複合ケーブルが装着された電動式ブレーキ装置、及びその周辺部を模式的に示す概略構成図である。
車輪側装置としての電動式ブレーキ装置1は、車体9に対して懸架装置90を介して車輪900側に固定されている。懸架装置90は、アッパアーム91と、ロアアーム92と、ショックアブソーバ93と、サスペンションスプリング94とを有して構成されている。アッパアーム91及びロアアーム92は、車輪支持部材としてのナックル95に軸受を介して連結されている。アッパアーム91は、ナックル95の第1取付部951にショックアブソーバ93と共に連結されている。ロアアーム92は、ナックル95の第2取付部952に連結されている。サスペンションスプリング94は、ショックアブソーバ93の外周に同軸状に配置されている。
ナックル95には、ハブユニット96のハブ外輪961が固定されている。ハブ外輪961の内側には、車輪取付フランジ962aを有するハブ輪962が配置されている。ハブ外輪961の内周面とハブ輪962の外周面との間には、図略の複数の転動体が保持器に保持されて配置され、ハブ輪962をハブ外輪961に対して回転可能としている。
ハブ輪962の車輪取付フランジ962aには、円板状のブレーキロータ97が車輪900のホイール901と共に固定されている。ブレーキロータ97は、後述するブレーキパッド1a,1bと摩擦摺動する摩擦部971と、ハブ輪962の車輪取付フランジ962aに固定される固定部972とを一体に有し、摩擦部971は固定部972の外周側に設けられている。ホイール901には、タイヤ902が装着されている。
ナックル95には、第3取付部953が突設され、この第3取付部953に電動式ブレーキ装置1が固定されている。電動式ブレーキ装置1は、本体部10とキャリパ100とを備え、ブレーキロータ97の摩擦部971に一対のブレーキパッド1a,1bを押し付け、走行時における車両の制動力となる摩擦力を発生させる。この電動式ブレーキ装置1は、駐車中にブレーキロータ97の摩擦部971と一対のブレーキパッド1a,1bとの摩擦力を維持するための駐車ブレーキ機構(後述)を備えている。また、電動式ブレーキ装置1には、駐車ブレーキ機構を作動させるための電流を供給する複合ケーブル2の一端部が接続されている。
上記構成により、タイヤ902が路面から突き上げられたり、あるいは旋回や加減速によって車体9が傾くと、車輪900が車体9に対して揺動する。電動式ブレーキ装置1は、車輪900と共に揺動し、この電動式ブレーキ装置1の揺動によって複合ケーブル2が屈曲される。
(電動式ブレーキ装置1の構成)
図2は、電動式ブレーキ装置1の構成例を示す概略図である。電動式ブレーキ装置1は、電動モータ11と、電動モータ11の出力を減速する減速機構12と、減速機構12によって減速された電動モータ11のトルクを直線運動に変換し、ブレーキパッド1a,1bをブレーキロータ97の摩擦部971に押し付ける推力を発生させる推力発生機構13と、駐車ブレーキ機構14とを本体部10に備えている。
電動モータ11は、例えばDCモータからなり、図略の配線を介してモータ電流が供給される。減速機構12は、例えば遊星歯車式の減速機構からなる。推力発生機構13は、例えば周方向に対して傾斜したボール溝をボールが転動することにより軸方向の推力を発生し、第1及び第2の出力部材131,132を相互に離間させるボールランプ機構からなる。第1の出力部材131は内側(車体9側)のブレーキパッド1aに対向して配置され、第2の出力部材132はその反対側に配置されている。
キャリパ100は、外側(ホイール901側)のブレーキパッド1bに対向する爪部101と、爪部101との間に推力発生機構13を挟むように設けられたフランジ部102と、爪部101とフランジ部102とを連結する腕部103とを一体に有している。フランジ部102と推力発生機構13の第2の出力部材132との間には、推力発生機構13の推力を測定する軸力センサ15が配置されている。軸力センサ15は、推力発生機構13の推力に応じた強度の電気信号を出力する。
駐車ブレーキ機構14は、電動モータ11のシャフト110に連結された第1係合部材141と、第1係合部材141に対して軸方向移動可能かつ本体部10に対して回転不能に配置された第2係合部材142と、第2係合部材142を第1係合部材141に向かって軸方向移動させるソレノイド機構143と、第2係合部材142を第1係合部材141から離間する方向に付勢するコイルばね144とを有している。
第1係合部材141には、周方向に沿って複数の係合突起141aが形成されている。複数の係合突起141aは、径方向から見た場合に頂角が鋭角である三角形状であり、基部から頂部に向かうにつれて互いに接近する2つの斜面が周方向の同じ方向に傾斜している。第2係合部材142には、第1係合部材141の複数の係合突起141aに係合する複数の係合突起142aが形成されている。複数の係合突起142aは、第1係合部材141の複数の係合突起141aと同様、径方向から見た場合に頂角が鋭角である三角形状であり、基部から頂部に向かうにつれて互いに接近する2つの斜面が周方向の同じ方向に傾斜している。
第1係合部材141の複数の係合突起141aの斜面の傾斜方向と第2係合部材142の複数の係合突起142aの斜面の傾斜方向とは、互いに逆方向である。これにより、第1係合部材141の複数の係合突起141aと第2係合部材142の複数の係合突起142aとが係合すると、電動モータ11のシャフト110が両係合突起142a,142aの係合を解除する方向に回転しない限り、これらの係合が解除されないように構成されている。
ソレノイド機構143は、環状の電磁コイル143aを有し、電磁コイル143aに通電することにより、第2係合部材142が第1係合部材141に向かって移動し、第1係合部材141の複数の係合突起141aと第2係合部材142の複数の係合突起142aとが係合する。電磁コイル143aには、車体9に設けられたコントローラ99(図1に示す)から複合ケーブル2の第1及び第2の電線3,4(後述)を介して電流が供給される。複合ケーブル2は、ホイールハウジング98(図1に示す)に導出口98aを有する配策経路981から導出された一端部が電動式ブレーキ装置1に接続され、他端部がコントローラ99に接続されている。複合ケーブル2の一端部にはコネクタ20(図1に示す)が設けられ、このコネクタ20が電動式ブレーキ装置1の装置側コネクタ16に嵌合される。コントローラ99は、車体9側に配置された車体側装置の一例である。
上記のように構成された電動式ブレーキ装置1は、電動モータ11のトルクによってブレーキパッド1a,1bがブレーキロータ97の摩擦部971に押し付けられた状態で電磁コイル143aに通電すると、第1係合部材141と第2係合部材142とが係合する。なお、第1係合部材141と第2係合部材142の係合は、電磁コイル143aへの通電を遮断した状態で電動モータ11にモータ電流を供給し、シャフト110をブレーキパッド1a,1bがブレーキロータ97に押し付ける方向に回転させることにより、解除することができる。第1係合部材141と第2係合部材142の係合が解除されると、第2係合部材142は、コイルばね144の復元力によって第1係合部材141から離間する。
(複合ケーブル2の構成)
図3は複合ケーブル2を示し、(a)は複合ケーブル2のシース5の一部を除去して示す斜視図、(b)は第1の電線3の端部の拡大図、(c)は第2の電線4の端部の拡大図である。図4は、図3(a)のA−A線断面図である。
複合ケーブル2は、第1及び第2の電線3,4と、第1及び第2の電線3,4を一括して被覆するシース5と、第1及び第2の電線3,4とシース5の間に介在する潤滑材6とを備えている。また、本実施の形態においては、図3(a)に示すように、潤滑材6は、第1の電線3と第2の電線4との間にも介在している。
第1の電線3は、中心導体31を絶縁体32で絶縁被覆してなる絶縁電線である。第2の電線4は、中心導体41を絶縁体42で絶縁被覆してなる絶縁電線である。第1の電線3と第2の電線4とは、シース5の内部で互いに撚り合わされている。
シース5は、例えばポリウレタン等の可撓性を有する樹脂からなる。図4に示すように、シース5には、第1の電線3及び第2の電線4を収容する内部空間50が形成されている。シース5の外周面5aは、複合ケーブル2の長手方向に直交する断面において円形である。シース5の硬度は、JISA硬度が80度以上95度以下の範囲であることが好ましく、本実施の形態においては、シース5のJISA硬度が90度である。
潤滑材6は、シース5の内部空間50における第1及び第2の電線3,4の潤滑性を高めるためのものである。潤滑材6は、シース5の内部空間50における内面50aと、第1の電線3及び第2の電線4の外周面3a,4aとの間に介在し、第1の電線3及び第2の電線4とシース5との間における摩擦抵抗を低減する。本実施の形態では、潤滑材6が粒径5μm以上50μm以下の粉体からなる。この粉体の材料としては、タルク(Mg3Si4O10(OH)2)やシリカ(SiO2)等を好適に用いることができる。ここで、粒径とは、JIS8801で規定されるふるい分け法、顕微鏡法、レーザ回析散乱法、電気検知法、クロマトグラフィー法等により求められる粒子の大きさのことである。
図3(b)に示すように、第1の電線3の中心導体31は、複数の素線300を撚り合わせてなる撚線である。より具体的には、中心導体31は、前記複数の素線300を撚り合わせてなる複数の子撚導体30を親撚りしてなる二重撚線である。素線300は、銅や銅合金等の良導電性の金属からなり、その素線径は、0.05mm以上0.12mm以下である。より好ましくは、0.07mm以上0.09mm以下である。素線径が0.05mm未満であると、素線自体の強度が低くなり、複合ケーブル2が繰り返し屈曲又は揺動した際に素線の断線が発生しやすくなると考えられる。また、素線径が0.12mmを超えると、複合ケーブル2の柔軟性が低下し、同じく複合ケーブル2が繰り返し屈曲又は揺動した際に、素線の断線が発生しやすくなると考えられる。
子撚導体30は、例えば50本以上100本以下の素線300を撚り合わせてなる。また、中心導体31は、例えば7本以上19本以下の子撚導体30を撚り合わせてなる。
第2の電線4は、第1の電線3と同様に構成されている。第2の電線4は、図3(c)に示すように、複数の素線400を撚り合わせた子撚り線40を親撚りしてなる二重撚線であり、素線400の素線径及び材質は第1の電線3の素線300と同じである。また、子撚導体40として撚り合わされた素線400の本数、及び中心導体41として撚り合わされた子撚導体40の本数も、第1の電線3と同じである。
子撚導体30,40における素線300,400の撚り方向と、中心導体31,41における子撚導体30,40の撚り方向とは同方向である。例えば図3において、複合ケーブル2の長手方向の中心側(図3の右側)から端部側(図3の左側)に向かって見た場合に、複数の素線300,400が反時計方向に撚り合わされて子撚導体30,40を構成し、複数の子撚導体30,40が同じく反時計方向に撚り合わされて中心導体31,41を構成する。
また、第1の電線3と第2の電線4との撚り合わせの方向は、子撚導体30,40における素線300,400の撚り方向、及び中心導体31,41における子撚導体30,40の撚り方向とは逆である。つまり、複合ケーブル2の長手方向の中心側から端部側に向かって見た場合に、第1の電線3と第2の電線4とは時計方向に撚り合わされている。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態によれば、次に述べる作用及び効果が得られる。
(1)第1及び第2の電線3,4の中心導体31,41を素線径が0.05mm以上0.12mm以下である複数の素線300,400を撚り合わせた撚線とし、第1及び第2の電線3,4とシース5との間に潤滑材6を介在させたので、素線300,400の強度を確保しながら複合ケーブル2の柔軟性が高められ、かつ第1及び第2の電線3,4とシース5との間における摩擦抵抗が低減されることで、第1及び第2の電線3,4が内面50aから受ける力を低減でき、屈曲耐久性を向上させることができる。これにより、例えば車体9側に配置されたコントローラ99と懸架装置90を介して車輪900側に固定された電動式ブレーキ装置1とを複合ケーブル2によって接続した場合でも、長期にわたって複合ケーブル2における電気抵抗の増加や断線の発生を抑制することができる。
(2)第1及び第2の電線3,4の中心導体31,41は、複数の素線300,400を撚り合わせてなる複数の子撚導体30,40を子撚導体30,40における素線300,400の撚り方向と同じ方向に親撚りしたので、これらの撚り方向が逆方向である場合に比較して、複合ケーブル2の屈曲耐久性をさらに向上させることができる。つまり、子撚導体30,40における素線300,400の撚り方向と中心導体31,41における複数の子撚導体30,40の撚り方向とを同じ方向とすることにより、例えば図3(b),(c)に示すように、素線300,400の延びる方向が複合ケーブル2の軸方向(長手方向)に対して大きく傾斜する。これにより、複合ケーブル2が屈曲された場合に素線300,400同士の撚りの締り及び緩みによって子撚導体30,40、ひいては中心導体31,41が柔軟に伸び縮みし、複合ケーブル2の屈曲耐久性がさらに向上する。
(3)第1及び第2の電線3,4とシース5との間に介在する潤滑材6を粒径5μm以上50μm以下の粉体から構成したので、複合ケーブル2が屈曲された場合に第1及び第2の電線3,4がシース5の内部空間50における内面50aから受ける力が十分に軽減され、複合ケーブル2の屈曲耐久性をさらに向上させることができる。
(4)第1の電線3と第2の電線4とは、互いに撚り合わされているので、複合ケーブル2が湾曲した場合に第1及び第2の電線3,4のうち何れか一方の電線が湾曲の外側に位置し、他方が内側に存在する距離を短くすることができ、複合ケーブル2の屈曲耐久性をさらに向上させることができる。つまり、仮に第1の電線3と第2の電線4とが撚り合わされておらず、第1及び第2の電線3,4が複合ケーブル2の軸方向に沿って互いに平行に配置されている場合には、複合ケーブル2が湾曲したときに、その湾曲の全範囲にわたって、例えば第1の電線3が湾曲の外側に位置し、第2の電線4が湾曲の内側に位置することが有り得る。この場合には、第1の電線3がその長手方向に引き伸ばされる方向の力を受け、第2の電線4がその長手方向に圧縮される方向の力を受ける。これにより、素線300,400に断線が発生しやすくなるが、本実施の形態によれば、第1の電線3と第2の電線4とが互いに撚り合わされているので、第1及び第2の電線3,4が湾曲の外側又は内側に位置する距離が短くなり、素線300,400の断線を抑制することが可能となる。
(5)第1の電線3と第2の電線4との撚り合わせの方向は、子撚導体30,40における素線300,400の撚り方向、及び中心導体31,41における子撚導体30,40の撚り方向とは逆であるので、複合ケーブル2が車両等に固定されていない自然状態における複合ケーブル2の湾曲が抑制され、複合ケーブル2の配策性を高めることができる。つまり、子撚導体30,40における素線300,400の撚り方向、及び中心導体31,41における子撚導体30,40の撚り方向に加え、さらに第1の電線3と第2の電線4との撚り合わせの方向が同じ方向である場合には、複合ケーブル2の自然状態において複合ケーブル2が湾曲してしまい、例えば配策経路981(図1に示す)に複合ケーブル2を配策する作業が困難になることがあるが、本実施の形態では、第1の電線3と第2の電線4との撚り合わせの方向が逆方向であるので、自然状態における複合ケーブル2の湾曲を抑制し、配策性を高めることが可能となる。
(6)潤滑材6は、第1の電線3と第2の電線4との間にも介在している。これにより、第1の電線3と第2の電線4との間の摩擦抵抗を低減することが可能となり、複合ケーブル2の屈曲耐久性をさらに向上させることができる。
(7)シース5は、JISA硬度が80度以上95度以下である。これにより、複合ケーブル2が屈曲した際におけるシース5の内部空間50のつぶれを低減することが可能となり、第1及び第2の電線3,4とシース5との間における摩擦抵抗を更に低減することが可能となり、複合ケーブル2の屈曲耐久性をさらに向上させることができる。
以下に、本発明の実施例に係る複合ケーブル2の90°屈曲試験及び揺動耐久試験の実験結果を示す。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本実施例に係る複合ケーブル2の諸元は、次に示すとおりである。
・素線300,400の材質:錫入り銅合金
・素線300,400の素線径:0.08mm
・絶縁体32,42の材質:架橋ポリエチレン
・第1及び第2の電線3,4の外径:3.0mm
・シース5の材質:熱可塑性ポリウレタン
・シース5の外径:8.0mm
・潤滑材6の材質:タルク粉体(平均粒径11μm)
・シースの硬度:JISA90
(90°屈曲試験)
上記諸元の複合ケーブル2を用いて90°屈曲試験を行った。この90°屈曲試験では、曲げ半径を10mm、屈曲速度を30回/分とし、2kgfの荷重で複合ケーブル2を引っ張りながら、支点を挟んで互いに逆方向に90°ずつ複合ケーブル2を屈曲させた。屈曲の回数は、中立位置(複合ケーブル2が直線状態となる位置)から一方に90°屈曲し、さらに中立位置を経て他方に90°屈曲して中立位置に戻るまでを1回の屈曲とし、常温(25℃)及び低温(−35℃)において、断線(複合ケーブル2が完全に断線する全断線)が発生するまでの屈曲回数をカウントした。
この試験を、3本の上記諸元の複合ケーブル2に対して行ったところ、常温において断線が発生するまでの屈曲回数の平均値は49,645回であった。また、低温において断線が発生するまでの屈曲回数の平均値は10,705回であった。これにより、十分な屈曲耐久性を有していることが確認された。
(揺動耐久試験)
上記諸元の複合ケーブル2を用いて揺動耐久試験を行った。この揺動耐久試験では、複合ケーブル2を常温(25℃)で214万回、低温(−40℃)で43万回、高温(90℃)で43万回にわたって、複合ケーブル2の一端を固定し、他端を上下方向に揺動させ、第1及び第2の電線3,4の両端での電気抵抗を測定した。揺動の距離は、中立位置から上端位置までの距離を60mm、中立位置から下端位置までの距離を同じく60mmとし、中立位置から上端位置及び下端位置を経て中立位置に戻るサイクルを1回の揺動とした。また、複合ケーブル2の支点(固定点)から上記の距離で上下動する端部(移動点)までのケーブル長は308mmとした。
この試験を、No.1〜5の5本の上記諸元の複合ケーブル2に対して行った。第1及び第2の電線3,4の両端での電気抵抗の初期値の平均は6.91mΩ/mであり、上記の回数の揺動を行った後の電気抵抗が10mΩ/mであれば評価を「可」とした。表1に実験結果を示す。
Figure 0006052645
表1に示すように、No.1〜5の何れの複合ケーブル2の第1及び第2の電線3,4についても、揺動後の電気抵抗が10mΩ/m以下であり、評価が「可」であった。これにより、十分な揺動耐久性を有していることが確認された。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る複合ケーブル2Aを示す断面図である。この複合ケーブル2Aは、第1及び第2の電線3,4に加え、第1の信号線71及び第2の信号線72がシース5によって被覆された構成が第1の実施の形態に係る複合ケーブル2と異なる。その他の構成については、第1の実施の形態に係る複合ケーブル2と共通であるので、機能及び構成が共通する要素については、第1の実施の形態について説明したものと同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
第1の信号線71は、中心導体711を絶縁体712で被覆してなる絶縁電線である。第2の信号線72は、中心導体721を絶縁体722で被覆してなる絶縁電線である。第1の信号線71の外周面71a及び第2の信号線72の外周面72aとシース5の内部空間50における内面50aとの間には、潤滑材6が介在している。潤滑材6は、第1の電線3の外周面3aと第2の電線4の外周面4aとの間、第1の信号線71の外周面71aと第1の電線3及び第2の電線4の外周面3a,4aとの間、ならびに第1の信号線71の外周面71aと第2の信号線72の外周面72aとの間にも介在している。
第1の信号線71及び第2の信号線72は、例えば電動式ブレーキ装置1の軸力センサ15の出力信号をコントローラ99に伝送するために用いることができる。また、第1の信号線71及び第2の信号線72によって例えば車輪900の回転速センサ(図示せず)の出力を伝送してもよい。
本実施の形態に係る複合ケーブル2Aによっても、第1の実施の形態に係る複合ケーブル2と同様の作用及び効果が得られる。また、第1の信号線71及び第2の信号線72が第1及び第2の電線3,4と共にシース5に収容されているので、1本の複合ケーブル2Aによって例えば電動式ブレーキ装置1の駐車ブレーキ機構14の電磁コイル143aに電流を供給すると共に、軸力センサ15の出力信号をコントローラ99に伝送することができる。またさらに、潤滑材6によって第1の信号線71及び第2の信号線72の屈曲耐久性を向上させることができる。
なお、図6に示す第2の実施の変形例に係る複合ケーブル2Bのように、第1の信号線71及び第2の信号線72を内部ジャケット8によって一括して被覆し、この内部ジャケット8をシース5に収容してもよい。この場合、内部ジャケット8の外周面8aとシース5の内部空間50における内面50aとの間に潤滑材6を介在させることにより、内部ジャケット8に被覆された第1の信号線71及び第2の信号線72の屈曲耐久性が向上する。また、潤滑材6は、内部ジャケット8の外周面8aと第1の電線3及び第2の電線4の外周面3a,4aとの間にも介在し、これにより内部ジャケット8と第1及び第2の電線3,4との間における摩擦抵抗が低減されている。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、複合ケーブル2,2Aを電動式ブレーキ装置1の駐車ブレーキ機構14を動作させるために用いる場合について説明したが、これに限らず、電動式ブレーキ装置1の電動モータ11の動作のためのモータ電流を供給するために複合ケーブル2,2Aを用いてもよい。
また、上記実施の形態では、電動式ブレーキ装置1の駐車ブレーキ機構14が、主として走行時における車両の制動を行うための電動モータ11のシャフト110の回転を規制することによって駐車中の制動力を維持するように構成された場合について説明したが、これに限らず、走行時における制動を行う油圧式のブレーキ装置に加えて別途設けられた駐車ブレーキ専用の電動式ブレーキ装置に複合ケーブル2を接続してもよい。
また、第1及び第2の電線3,4における子撚導体30,40の本数や、素線300,400の本数、及び第1及び第2の電線3,4の外径等は、必要な電流容量に応じて適宜設定することが可能である。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]車体(9)に対して懸架装置(90)を介して車輪(900)側に固定された車輪側装置(1)と、車体(9)側に配置された車体側装置(99)との間を接続する車両用複合ケーブル(2,2A)であって、中心導体(31,41)を絶縁被覆してなる複数の電線(3,4)と、前記複数の電線(3,4)を一括して被覆するシース(5)とを備え、前記中心導体(31,41)は、素線径が0.05mm以上0.12mm以下の複数の素線を撚り合わせてなる撚線であり、前記複数の電線(3,4)と前記シース(5)との間に介在し、前記複数の電線(31,41)と前記シース(5)との間における摩擦抵抗を低減する潤滑材(6)をさらに備えた車両用複合ケーブル(2,2A)。
[2]前記中心導体(31,41)は、前記複数の素線(300,400)を撚り合わせてなる複数の子撚導体(31,41)を前記子撚導体(31,41)における前記素線(300,400)の撚り方向と同じ方向に親撚りしてなる、[1]に記載の車両用複合ケーブル(2,2A)。
[3]前記潤滑材(6)は、粒径5μm以上50μm以下の粉体からなる、[1]又は[2]に記載の車両用複合ケーブル(2,2A)。
[4]前記複数の電線(3,4)は、互いに撚り合わされている、[1]乃至[3]の何れか1つに記載の車両用複合ケーブル(2,2A)。
[5]前記潤滑材(6)は、前記複数の電線(3,4)間にも介在している[1]乃至[3]の何れか1つに記載の車両用複合ケーブル(2,2A)。
[6]前記シース(5)は、JISA硬度が80度以上95度以下である[1]乃至[5]の何れか1つに記載の車両用複合ケーブル(2,2A)。
[7]前記複数の素線の素線径は、0.07mm以下0.09mm以上である[1]乃至[6]の何れか1つに記載の車両用複合ケーブル(2,2A)。
1…電動式ブレーキ装置(車輪側装置)、1a,1b…ブレーキパッド、2,2A…複合ケーブル、3…第1の電線、4…第2の電線、3a,4a…外周面、5…シース、5a…外周面、6…潤滑材、8…内部ジャケット、9…車体、10…本体部、11…電動モータ、12…減速機構、13…推力発生機構、14…駐車ブレーキ機構、15…軸力センサ、16…装置側コネクタ、20…コネクタ、30,40…子撚導体、31,41…中心導体、32,42…絶縁体、50…内部空間、50a…内面、71…第1の信号線、72…第2の信号線、90…懸架装置、91…アッパアーム、92…ロアアーム、93…ショックアブソーバ、94…サスペンションスプリング、95…ナックル、96…ハブユニット、97…ブレーキロータ、98…ホイールハウジング、98a…導出口、99…コントローラ(車体側装置)、100…キャリパ、101…爪部、102…フランジ部、103…腕部、110…シャフト、131,132…出力部材、141…第1係合部材、141a…係合突起、142…第2係合部材、142a…係合突起、143…ソレノイド機構、143a…電磁コイル、300,400…素線、711,721…中心導体、712,722…絶縁体、900…車輪、901…ホイール、902…タイヤ、951…第1取付部、952…第2取付部、953…第3取付部、961…ハブ外輪、962…ハブ輪、962a…車輪取付フランジ、971…摩擦部、972…固定部、981…配策経路

Claims (6)

  1. 車輪側に固定された車輪側装置と、車体側に配置された車体側装置との間を接続する車両用ケーブルであって、
    中心導体を絶縁被覆してなり、互いに撚り合わされる2本の電線と、
    前記2本の電線を一括して被覆するシースとを備え、
    前記中心導体は、素線径が0.05mm以上0.12mm以下の素線を50本以上100本以下撚り合わせてなる子撚導体を、7本以上19本以下、前記子撚導体における前記素線の撚り方向と同じ方向に親撚りしてなり、
    前記2本の電線の撚り合わせの方向は、前記子撚導体における素線の撚り方向、前記中心導体における前記子撚導体の撚り方向とは逆である
    車両用ケーブル。
  2. 前記2本の電線と前記シースとの間に介在し、前記2本の電線と前記シースとの間における摩擦抵抗を低減する潤滑材を備えた
    請求項1に記載の車両用ケーブル。
  3. 前記潤滑剤は、粉体からなり、
    前記粉体の粒径は、5μm以上50μm以下である、
    請求項2に記載の車両用ケーブル。
  4. 前記潤滑材は、前記2本の電線間にも介在している
    請求項2又は3に記載の車両用ケーブル。
  5. 前記シースは、JISA硬度が80度以上95度以下である
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用ケーブル。
  6. 前記複数の素線の素線径は、0.07mm以上0.09mm以下である
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両用ケーブル。
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