JP6052483B2 - 廃液処理システム - Google Patents

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Description

本発明は電子部品等の製造工場内で排出される廃液の処理システムに関するものであり、特に廃液中の窒素(N)や燐(P)をプランクトンに摂取させ、自然に戻すことで、工場から排出される窒素や燐の処理システムを提供する。
電子部品や液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイといった部品の製造工場では、さまざまな物質が原材料や、製造工程における補助材料として使用されている。これらの材料は、そのまま自然に放出すると生態系に影響を及ぼすため、分類され、所定の方法で処理される。たとえば、重金属元素を含む物質や、放射性元素を含む物質などは、産業廃棄物としての処理が行われる。
光合成を行い無機化合物から有機化合物を生産する独立栄養生物の成育には窒素(N)、燐(P)、カリウム(K)が必須元素と言われている。このうち窒素、燐は工場で多量に使用されている。例えば基板の金属配線を作る工程では燐酸や窒酸からなる薬液を使用する。
一方、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、燐(P)、珪素(Si)といった有機物を構成する元素で構成された材料も、工場では多量に使用される。例えば、基板の表面の洗浄に有機溶媒を用いる。また、フォトリソグラフィを用いる工程を利用すれば、レジストおよびその剥離剤といった有機物を使用する。これらは、通常燃焼して二酸化炭素として放出したり、脱窒菌と硝化菌などを利用したシステムで排水処理を行い、無機物まで分解し自然に返すといった方法がとられる場合もある。
排水処理により有機物は無機物、例えば硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、アンモニア性窒素、燐酸性燐として環境中に放出される。このとき窒素や燐は放流基準が設けられており、その数値を満たすよう処理をする必要がある。
ところで、このような態様の物質を利用する産業として、海域の肥沃化を行い、海洋資源の増殖を行う分野がある。例えば、特許文献1や特許文献2では、海洋深層水を利用して海域を肥沃化し魚介類といった海洋資源の増殖を図る、若しくはさらに汚染された海域の再生を行うといった発明が開示されている。
特開2003−158944号公報 特開2001−299127号公報
上記の特許文献では、海洋深層水を利用するが、海洋深層水には、栄養塩となる硝酸性窒素などが多量に含まれ、尚且つ雑菌などがいないという点に注目している。一方、このような栄養塩は工場からも排出されるにも係らず、これらの排出物は有効に利用されているとはいえない。
本発明は上記の課題に鑑みて想到されたものであり、工場からの排出物のうち、海洋生物の栄養塩となる物質を有効利用する。具体的には、工場からの排出物で、植物性プランクトンを増殖させる。若しくは植物性プランクトンを摂取する動物性プランクトンを増殖させる。そして増殖させたプランクトンを海水中に設けた漁礁内で放出することで、魚介類の自然界での育成を促進させ、海洋資源の増産に寄与しようとするものである。
より具体的に本発明の廃液処理システムは、
工場内に設置される又は工場の近隣に設置される養殖水と植物性プランクトンが蓄えられた植物性プランクトン用養殖槽と、
前記工場からの有機物が含まれた廃液と前記養殖水を混合し、混合廃液を調整する混合手段と、
前記混合廃液を前記養殖槽に供給する供給手段と、
前記植物性プランクトン用養殖槽中の前記植物性プランクトンの数を計測するプランクトン計測手段と、
前記植物性プランクトン用養殖槽の内容物を前記養殖水と同じ塩度の自然水の場所まで運搬する運搬手段と、
前記内容物を海中に放出する放出口を少なくとも1つ有する魚礁構築物を含む魚礁を含み、
前記プランクトン計測手段によって前記植物性プランクトン用養殖槽中の前記植物性プランクトンの増殖程度を検出し前記植物性プランクトン量が増加している場合は、前記運搬手段で前記植物性プランクトン用養殖槽から養殖した前記植物性プランクトンを運搬し、海洋汚染を防止するように海洋の面積あたりの前記植物性プランクトンの前記魚礁への投入量をコントロールして前記魚礁内で放出し、
前記植物性プランクトン用養殖槽は露天下に設けられ、
照度計と酸素ガス供給手段と二酸化炭素供給手段を備え、
前記照度計で太陽光がなくなったことを検出した場合は前記酸素ガス供給手段で前記養殖水中に酸素を供給し、
太陽光が当たっていると判断できる場合は前記二酸化炭素供給手段で前記養殖水中に二酸化炭素を供給することを特徴とする。
また、上記廃液処理システムは、前記養殖水は、海水であることを特徴とするものである。
また、前記養殖槽には、キレート剤を投入するキレート剤投入手段を有することを特徴とするものである。
また、前記植物性プランクトンは、クロレラであることを特徴とするものである。
また、前記植物性プランクトン用養殖槽の内容物が供給される動物性プランクトン用養殖槽がさらに備えられた事を特徴とするものである。
また、前記養殖槽には、工場内で発生した窒素成分を含んだ硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の気体成分供給手段を有することを特徴とするものである。
また、前記養殖槽には、前記工場内で窒素ガスが製造された際に発生する高濃度酸素ガス(酸素濃度約30%)を供給する高濃度酸素ガス供給手段を有することを特徴とするものである。
また、前記養殖槽には、ボイラー等の排ガスに含まれる二酸化炭素ガスを供給する二酸化炭素ガス供給手段を有することを特徴とするものである。
本願発明によれば、海洋汚染を防止するように海洋の面積あたりの前記植物性プランクトンの前記魚礁への投入量をコントロールして前記魚礁内で放出することにより、海洋汚染を防止でき、魚介類の自然界での育成を促進させることになる。また、プランクトンの育成に必要とされる栄養塩は、工場から得られることができる。また、これらの栄養塩をプランクトン内に固定する際に効果的とされるキレート剤は、工場では基板の洗浄剤として多用している場合が多い。
また、基板表面の酸化を嫌う場合が多いフォトリゾグラフィといった工程を利用する場合は、窒素ガスを工場の敷地内で大気から製造する。この窒素ガスの製造時には、副産物として酸素濃度が30%になる高濃度酸素ガスが排出ガスとして得ることができる。
これらの材料を使って植物性プランクトンを増殖させるので、工場側としては、廃棄物の処理を安全に行えるメリットがあり、自然界としては資源の増加が行えるというメリットがある。
本発明に係る廃液処理システムの立地関係を示す図である。 本発明に係る廃液処理システムの構成を示す図である。
以下に図面を用いて本発明の実施形態を説明するが、以下の説明は本発明の一実施形態を例示するのであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更することができる。
図1は本実施の形態の廃液処理システムの立地関係を示す図である。工場10は海浜近辺に建設された場合を想定している。しかし、特に海11に限定されるものではなく、河川の近辺であってもよい。養殖槽20は、工場10の敷地内若しくは、工場10と海11の間に設置される。なお、養殖槽20は露天状態にするのが好ましい。工場10からは、廃液と共に様々な利用可能資源3が送られ、制御装置50で様々な制御を受けたのち、養殖槽20に投入される。廃液は養殖槽20でプランクトンの栄養塩として利用され、プランクトンの増殖に役立てる。
一方、海水中には、魚礁2が設けられる。そして、養殖槽20からは、運搬手段300で養殖したプランクトンを運搬し、魚礁2内で放出する。すると放出したプランクトンが魚礁2近辺で増え、それにつれて魚介類も増殖することになる。次に図2を参照して、より詳細に本発明の廃液処理システム1を説明する。
養殖槽20中には、養殖水21と植物性プランクトン22が入れられる。養殖水21は本実施の形態の場合は、海水である。しかし、淡水で育つプランクトンを利用する場合は、河川水を用いてよい。植物性プランクトンの種類は特に限定されるものではないが、処理したい排水中に珪素(Si)が含まれる場合は、スケルトネマ・コスタツム(Skeltonema costatum)、キートセロス・エスピー(Chaetoceros sp)といった珪藻類を含ませるのがよい。これらの植物性プランクトンは珪素を骨格に使用するため、珪素を含む廃液を分解するからである。また、緑藻類であるクロレラ(chlorella)を養殖槽20に含ませても良い。なぜなら光合成能力が高く、二酸化炭素、水、太陽光と極微量の無機質があれば大量に増殖させることができるからである。
また、プランクトン中には、人にとって中毒や神経毒となる物質を有するものがいる。したがって、すでにわかっているこれら有害物質を含有する種類のプランクトンは避けるのが好適である。増殖させた海洋資源はいずれ人間が再利用するからである。
また、上述した有用なプランクトン藻類でも、魚礁2に生態系を無視して大量投入をすれば、赤潮や青潮を誘引し、海洋を汚染してしまうため、海洋の面積あたりの投入量をコントロールすることが必要である。例えば、吸光光度計を用いて、海洋の海面から水深約1mの濁度を測定することで、海洋汚染を防止できる。この海洋の海面から水深約1mの濁度は海水の温度及び海水の溶存酸素との影響もあるが8月、9月の海水温度が高く、溶存酸素の濃度が低い時期において、水深約1mの濁度を6ppm以下、3ppm以上とすることで海洋汚染を防止でき、植物性プランクトンを海洋に投入することで、魚礁2近辺で増え、これに誘引して魚介類も増殖することになる。
養殖槽20には、海水取り入れ手段24が設けられる。これはポンプで実現することができる。養殖槽20は、日光を取得するため露天に曝されることになるが、養殖槽20中の海水が蒸発する場合があるからである。なお、海水取り入れ手段24は、取り入れた海水に対して紫外線照射などの方法により、雑菌やウイルス等を駆逐する殺菌手段25を設けるのが望ましい。その際に、後述する廃液と海水の混合廃液だけでなく、海水だけを組み入れたほうがよい場合も考えられるからである。例えば、養殖槽20中の塩分調整などである。
工場からの廃液は、養殖水21である海水と混合され、混合廃液として調整される。これは混合手段26で行われる。例えば、所定容量のタンクに廃液と海水を所定量混合し、それを養殖槽20に供給することで混合手段26が実現できる。廃液は使用した材料以外の不純物がほとんどないので、時間が経過すると生物の育成に必要な天然ミネラルといった物質が養殖槽20中に不足することが考えられるからである。また、廃液中にはほとんどNaClが含まれないため、養殖水21を海水とした場合は、養殖槽20中の塩分が枯渇する場合も考えられるからである。
また、養殖槽20中の混合廃液の成分は、混合廃液の1リットル中にNaClが25g、MgSOが7g、KClが0.7g、CaCl・2HOが0.4g、エチレンジアミン四酢酸が.3.0g、塩化鉄が0.1g、塩化マンガンが、0.2g、ホウ素が0.6g、Moが0.1g、塩化コバルトが0.002g〜0.003g、ビタミン12(シノアコバラミン、ヒドリキソコバラミン)が0.04〜0.02μg含まれおり、プランクトンの活性・増殖を高めている。
なお、混合排水のために取水される海水は海水取り入れ手段24を利用してもよい。また別途設ける場合は、海水取り入れ手段24同様、殺菌手段25を併設するのが望ましい。
養殖槽20中には、プランクトンの数を計測するプランクトン計測手段28が設けられる。おおよそのプランクトンの数を把握するためである。具体的には、養殖水21の透過光度や吸光度を測定することで実現できる。単位体積あたりのプランクトン量が増えると、養殖水21がにごってくるので、その濁度を透過光度若しくは吸光度と予め測定しておいた検量線から推定できるからである。
養殖槽20には、キレート剤投入手段30を有しているのが望ましい。キレート剤は、プランクトンの栄養塩がプランクトンの体内に固定されることを促進する機能があるからである。キレート剤は、錯体を作りやすい物質で、工場では、基板表面のMg2+やCa2+の洗浄剤としてエチレンジアミン四酢酸若しくはその塩が用いられる。この洗浄後の廃液は、キレート剤が含まれるばかりでなく、ミネラル分となるマグネシウムやカルシウムまで含有されており、プランクトンの育成には好適に利用できる。
また、工場10では、窒素ガス製造装置32が配設される場合が多い。電子部品などの製造の際には、基板表面の酸化が非常に問題となる場合が多い。基板表面に形成される薄膜は基板表面に酸化層が存在すると、剥離しやすくなるからである。そこで、このように工場10では、敷地内に窒素ガス製造装置32が配設され、窒素ガスを工場敷地内で調達する。
窒素ガス製造装置32は、大気中の窒素を濃縮して窒素ガスを得る。そこで窒素ガス製造装置32からは、酸素濃度が約30%の高濃度酸素ガスが排出される。この高濃度酸素ガスも、プランクトンの育成に利用することができる。植物性プランクトンは、昼間は、太陽光線の下で、光合成を行うが、日が沈むと酸素呼吸を行う。つまり、昼間は、太陽光線を浴びせ、夜になったら酸素ガスを供給することで、植物性プランクトンにとっては、理想的な育成環境となる。なお、窒素ガス製造装置32から高濃度酸素ガスを取り出し、養殖槽20に供給する手段を酸素ガス供給手段31(又は高濃度酸素ガス供給手段31)と呼ぶ。もちろん、窒素は工場へ送られ、使用される。また、工場内では、熱を発生させるために、燃焼を行っており、そこから二酸化炭素を養殖槽20内に供給することもできる。このための手段を二酸化炭素供給手段38と呼ぶ。
また、濃度の濃い硝酸を大量に使用する工程からは硝酸態窒素を含むガスが発生する。これらの排気ガスを集め、排気ガスタンク35に一時保存する。そして、このガスを養殖槽20の中で曝気装置34などを用いて、放出することで窒素ガス供給手段33が構成できる。
さらに、工場10では、機能材料を塗布して薄膜状に形成する工程も良く行われる。ここでは最終的に塗料中の溶剤を乾燥して排出する。しかし、溶剤をそのまま大気中に排出することができない。そこで、凝縮して回収することが行われる。そのため、工場10内には、多くの高熱源、および低熱源が存在する。これらをまとめて熱源36とよぶ。熱源36からの熱を養殖槽20の水温の制御に用いても良い。
具体的には、熱伝導性の高い材料で形成したパイプを養殖槽20中に配置し、このパイプ中に熱源36からの熱媒体を流す。熱媒体は例えば水であってもよい。熱源36の切替と、熱媒体の流通を含めて熱交換手段37と呼ぶ。
養殖槽20には、養殖水21と共に、プランクトンを海中の魚礁2まで運ぶ運搬手段300が備えられる。運搬手段300は、単にポンプと放出パイプだけでも構成できるが、放出パイプ内の残存液をプランクトンのいない養殖水21で押し出すことができるのが望ましい。より、具体的には、放出用のポンプ(放出ポンプ)40、運搬路(放出パイプ)42と、放出パイプ42中の流量を測定する流量計43と、海水取り入れ手段24と、養殖槽側切替バルブ44と、放出側切替バルブ45によって運搬手段300を構成する。なお、運搬手段300は、複数あってもよい。後述する魚礁2は複数個所に設けても良いからである。
また、プランクトンを海中の魚礁2まで運ぶ手段としては、養殖槽20のプランクトンを、膜を用いて濃縮して排出用の放出パイプ42を介して魚礁2まで圧送する方法や、濃縮されたプランクトンを船舶で運搬する方法など、どのような方法を用いてもよい。
養殖したプランクトンは後述する魚礁2まで運ぶのであるが、工場10からは距離があることが考えられ、養殖槽20の容量だけで放出パイプ42を満たせない場合も考えられるからである。また、プランクトンの排出は、定期的に行われると考えられ、放出パイプ42中にプランクトンが残存すると、放出パイプ42を使用していない時に放出パイプ42中に残存したプランクトンが死滅してしまうおそれもある。
そこで、所定量の養殖槽20内の内容物を放出した後は、海水取り入れ手段24によって海から取得した養殖水21で放出パイプ42中の残存プランクトンを押し出す。
養殖槽側切替バルブ44は、放出パイプ42内へ送り出す液体を養殖槽20内とするか、海水取り入れ手段24とするかの切替を行う。また、放出側切替バルブ45は、放出口を後述する魚礁2とするか、その手前の海中とするかの切替を行う。
魚礁2は、工場10の近辺の海中に設けられる。設置場所は、ある程度潮の流れがあり、魚介類が生息しやすい深度10乃至20m程度の場所が望ましい。魚礁2は、特に形状に限定はなく、ブロック状、テトラポット状など魚礁のために造詣されたものだけでなく、海水を汚染しなければ、他の廃棄物であってもよい。魚礁2を構成する造形物を魚礁構築物と呼ぶ。魚礁構築物は複数を組み合わせても良い。なお、魚礁構築物のうち、少なくとも1つには、放出パイプ42の放出口42oが連結される。魚礁2にプランクトンを放出するためである。
放出口42oが備えられた魚礁構築物は、他の魚礁構築物と同一形状でなくてもよく、また、他の魚礁構築物と同じ位置に配置されていなくても良い。潮の流れなどの関係で、魚礁2から離れた位置からプランクトンを放出した方が、魚礁2に効果的にプランクトンを滞留させることができる場合もあるからである。したがって、放出口42oが備えられた魚礁構築物は、放出パイプ42の放出口42oを海底に固定するだけのリブやブラケット等の固定手段であってもよい。
また、本発明の廃液処理システム1は、全体を管理するための制御装置50が備えられていてもよい。ある程度自動化することで、ランニングコストを低減することができるからである。制御装置50は、養殖槽20に当たる太陽光量を観測する照度計60、養殖槽20中の水温を検知する水温計61、養殖水21中の酸素量を計測する溶存酸素計62、養殖水21の塩分濃度を検知する塩分計63、養殖槽20中の水面を検知する水面計64、養殖水21中のpHを計測するpH計65、プランクトンの量を検出するプランクトン計測手段28、海水取り入れ手段24、キレート剤投入手段30、殺菌手段25、放出用ポンプ40、養殖槽側切替バルブ44、放出側切替バルブ45、窒素ガス供給手段33、酸素ガス供給手段31、廃液13と養殖水21を混合する混合手段26、熱交換手段37と接続され、それぞれを制御することができる。また、これらの制御の結果を表示するディスプレイといった表示手段50dを備えていてもよい。
次に以上の廃液処理システム1の動作について説明する。養殖槽20には、所定の植物性プランクトン22が、養殖水21と共に、入れられ飼育されている。植物性プランクトン22には、工場10からの有機物を含む廃液13と、海水取り入れ手段24によって得た、海水が混合された混合廃液14が与えられる。
また、養殖槽20は露天下に設けられており、太陽光があるうちは植物性プランクトン22は、太陽光で光合成を行いながら増殖する。なお、照度計60で太陽光がなくなったことを検出した場合若しくは、溶存酸素計62で養殖水21中の酸素が低下したことを検出した場合は、制御装置50は、酸素ガス供給手段31で、養殖水21中に酸素を供給する。また、太陽光が当たっていると判断できる場合は、二酸化炭素供給手段38から二酸化炭素を供給することもできる。光合成を活性化させるためである。
また、制御装置50は、水温計61によって、養殖水21の水温が所定温度の範囲を超えた場合は、熱交換手段37によって、養殖水21の水温を所定の温度に調整する。また、水面計64および塩分計63によって、養殖水21の量および塩分も所定の範囲から外れる場合は、海水取り入れ手段24から海水を養殖槽20内に供給する。このように養殖槽20内の環境は季節やプランクトンの量に係らず一定に管理される。また、所定の期間毎にキレート剤を投入してもよい。なお、海水取り入れ手段24によって海水だけを供給する場合は、廃液13が入らない状態にして混合手段26を経由することで供給できる。
さらに制御装置50は、pH計65によって養殖水21のpHを所定の数値を下回った場合は、アルカリ剤(例えばKOH廃液)添加装置(図示せず)によって、所定のpHに調整する。
制御装置50は、プランクトン計測手段28によってプランクトンの増殖程度を検出し、また、養殖槽20内に投入した廃液量も検出する。ここで、投入した廃液量に比例してプランクトンの量が増加していなければ、養殖環境が適正でないと判断できる。制御装置50は、この情報を表示手段に表示するようにするのが望ましい。また、ある程度の範囲であれば、キレート剤投入手段30を制御し、投入するキレート剤の量を多くするように制御してもよい。
一方、投入した廃液量に比例してプランクトン量が増加している場合は、養殖水21と一緒に所定量のプランクトンを放出する。プランクトンの放出は、まず海水取り入れ手段24によって、海水を放出パイプ42中に流す。放出側切替バルブ45は、海中側にしておく。放出パイプ42中が海水で満たされたら、次に養殖槽側切替バルブ44を養殖槽20側に切り替える。そして、所定量の植物性プランクトン22を養殖水21と共に放出する。これは養殖槽20の水面に低下によってモニタしてもよいし、排出時間で計測していてもよい。
流量計43によって、植物性プランクトン22が放出側切替バルブ45付近まで到達したと判断した場合は、放出側切替バルブ45を魚礁2側に切り替える。この操作によって、植物性プランクトン22は魚礁2内に放出される。
また、所定量の放出が終了した場合は、養殖槽側切替バルブ44を海水取り入れ手段24側に切り替えて、放出パイプ42中の植物性プランクトン22が全て魚礁2まで送り出されるまで海水を流す。一方、養殖槽20中には、養殖水21が少なくなっているので、混合手段26および海水取り入れ手段24によって、混合廃液14若しくは海水(養殖水21)を養殖槽20に注入する。
このサイクルを繰り返すことによって、工場10は廃液13を植物性プランクトン22に代えて自然に放出することができる。また、放出するプランクトン量が多い場合は、地上で飼料などに加工して処理することもできるので、海中のプランクトン量を制御することが可能である。特に本発明では、窒素や燐などの排水成分を直接海水に廃棄しない点に特徴があり、自然条件によるプランクトンの爆発的な増殖を抑制することができると考えられる。これは赤潮などの発生を抑制することにも繋がる。
なお、本実施形態では、プランクトンが植物性プランクトンの場合だけについて説明した。しかし、植物性プランクトンを食する食植物プランクトン若しくは動物性プランクトン(まとめて動物性プランクトン等と呼ぶ)を養殖してもよい。
この場合は、植物性プランクトンを養殖する養殖槽に対して、動物性プランクトン等を養殖する養殖槽を別途設ける。そして、養殖した植物性プランクトンの一部を動物性プランクトン等の餌として使用する。養殖した動物性プランクトン等の放出や、養殖環境に関しては、キレート剤投入手段30以外は、上記の実施形態と同じでよい。動物性プランクトン等は植物性プランクトンを餌とするからである。
このように廃液を処理することにより、工場10からでる廃液処理を、浄化設備を介して河川等に貧栄養の排水を放流するよりも、工場10で、植物性プランクトンを養殖する為に有効利用することで、水産資源に関する生態ピラミッドを相似的に大きくすることができる。
本発明は、電子部品、液晶、有機EL、半導体などの有機物を排出する工場の廃液処理システムとして好適に利用することができる。
1 廃液処理システム
2 魚礁
3 利用可能資源
10 工場
11 海
13 廃液
14 混合廃液
20 養殖槽
21 養殖水
22 植物性プランクトン
24 海水取り入れ手段
25 殺菌手段
26 混合手段
28 プランクトン計測手段
30 キレート剤投入手段
31 酸素ガス供給手段
32 窒素ガス製造装置
33 窒素ガス供給手段
34 曝気装置
35 排気ガスタンク
36 熱源
37 熱交換手段
38 二酸化炭素供給手段
40 放出用ポンプ
42 放出パイプ
42o 放出口
43 流量計
44 養殖槽側切替バルブ
45 放出側切替バルブ
50 制御装置
50d 表示手段
60 照度計
61 水温計
62 溶存酸素計
63 塩分計
64 水面計
65 pH計
300 運搬手段

Claims (8)

  1. 工場内に設置される又は工場の近隣に設置される養殖水と植物性プランクトンが蓄えられた植物性プランクトン用養殖槽と、
    前記工場からの有機物が含まれた廃液と前記養殖水を混合し、混合廃液を調整する混合手段と、
    前記混合廃液を前記植物性プランクトン用養殖槽に供給する供給手段と、
    前記植物性プランクトン用養殖槽中の前記植物性プランクトンの数を計測するプランクトン計測手段と、
    前記植物性プランクトン用養殖槽の内容物を前記養殖水と同じ塩度の自然水の場所まで運搬する運搬手段と、
    前記内容物を海中に放出する放出口を少なくとも1つ有する魚礁構築物を含む魚礁を含み、
    前記プランクトン計測手段によって前記植物性プランクトン用養殖槽中の前記植物性プランクトンの増殖程度を検出し前記植物性プランクトン量が増加している場合は、前記運搬手段で前記植物性プランクトン用養殖槽から養殖した前記植物性プランクトンを運搬し、海洋汚染を防止するように海洋の面積あたりの前記植物性プランクトンの前記魚礁への投入量をコントロールして前記魚礁内で放出し、
    前記植物性プランクトン用養殖槽は露天下に設けられ、
    照度計と酸素ガス供給手段と二酸化炭素供給手段を備え、
    前記照度計で太陽光がなくなったことを検出した場合は前記酸素ガス供給手段で前記養殖水中に酸素を供給し、
    太陽光が当たっていると判断できる場合は前記二酸化炭素供給手段で前記養殖水中に二酸化炭素を供給することを特徴とする廃液処理システム。
  2. 前記養殖水は、海水であることを特徴とする請求項1に記載された廃液処理システム。
  3. 前記植物性プランクトン用養殖槽には、キレート剤を投入するキレート剤投入手段を有することを特徴とする請求項1または2のいずれかの請求項に記載された廃液処理システム。
  4. 前記植物性プランクトンは、クロレラであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの請求項に記載された廃液処理システム。
  5. 前記植物性プランクトン用養殖槽の内容物が供給される動物性プランクトン用養殖槽がさらに備えられた事を特徴とする請求項1乃至4のいずれかの請求項に記載された廃液処理システム。
  6. 前記植物性プランクトン用養殖槽に、工場内で生成された硝酸態窒素を含むガスを供給する窒素ガス供給手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの請求項に記載された廃液処理システム。
  7. 前記酸素ガス供給手段は、前記工場内で窒素ガスが製造された際に発生する高濃度酸素ガスを供給する高濃度酸素ガス供給手段であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの請求項に記載された廃液処理システム。
  8. 前記二酸化炭素供給手段は、前記工場内で生成された二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの請求項に記載された廃液処理システム。
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