以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.概要
2.第1の実施形態(PND)
2−1.ナビゲーション機能ユニット(移動軌跡情報の生成)
2−2.移動軌跡情報の分割
2−3.トラック生成
2−4.トラックリスト生成
2−5.トラック再生
3.第2の実施形態(再生装置)
4.第3の実施形態(撮像装置)
<1.概要>
まず、本発明の一実施形態に係る情報処理装置が提供する機能の概要について説明する。ここで、従来技術との差異点の理解を容易にするために、まずは従来技術の概要について図29〜31を参照しながら説明する。図30は、地図上に重畳された移動軌跡の一例を示す説明図である。また、図31は、地図上にリンクが張られた写真データの再生の一例を示す説明図である。図32は、シンボルの動きによる移動軌跡の再生例を示す説明図である。
従来、位置情報を取得する機能は、主にカーナビゲーション装置など限られた装置に搭載されて用いられていた。ところが、現在、あらゆる情報処理装置に、位置情報を取得する機能が搭載されるようになってきている。例えば、携帯電話において位置情報取得機能は標準的な機能となってきており、さらに、デジタルカメラ、携帯用ゲーム機器、ノートPC(Personal Computer)、及び携帯用音楽再生装置などあらゆる携帯型情報処理装置に位置情報取得機能が搭載されるようになってきている。
また、ナビゲーション装置の分野においても、PND(Personal Navigation Device)と呼ばれ、着脱の容易な携帯型のナビゲーション装置が登場している。このため、ユーザが徒歩、公共交通機関、自転車など車以外の手段で移動する場合であっても位置情報を取得することのできる環境が整ってきた。このような情報処理装置を用いて位置情報の履歴を記録すれば、ユーザの移動軌跡情報を生成することができる。
このような移動軌跡情報は、従来、例えば図30に示されるように、地図上に移動軌跡を重畳して表示させることによって提供されていた。このとき、写真データなどに撮影地点の位置情報が含まれる場合には、地図上にその地点において撮影された写真データがあることを示す写真マークが示されることもある。例えばこの写真データは、図31に示されるように、写真マークをクリックすることで表示される。或いは、地図上に写真そのものが表示されていてもよい。
また、図32に示されるように、地図上に重畳された移動軌跡に沿って、シンボルを移動させることにより、移動の様子を視覚的に表現することも行われている。
本発明の一実施形態においては、この移動軌跡情報を分割し、トラックとして扱うことを提案する。また、写真及び音声などのコンテンツもトラックとして扱い、移動軌跡情報から生成される移動軌跡トラックとコンテンツから生成されるコンテンツトラックとは、1つのアルバムとして管理ファイル化されてもよい。これにより、例えば「箱根旅行」、「12月24日」など適切な単位で1つのアルバムとして扱うことができる。
例えば、図1には、7つの分割点DP1〜DP7により7つの部分に分割された移動軌跡情報の一例が示される。このように、適切な単位に分割された移動軌跡情報は、例えば図2に示されるように、再生地点を示すシンボルPPを、地図上に重畳された移動軌跡に沿って移動させることにより移動の様子を視覚的に表現することで再生されてもよい。
このとき、移動軌跡の再生は、トラック単位で行われる。このトラックは、他の写真又は音声などから生成されたコンテンツトラックと同等に扱われ、従来の音楽トラックの再生と同様の操作を受付けることが可能である。すなわち、ユーザが入力部を用いて行う操作に応じて、再生、早送り、スキップ、巻き戻し、一時停止、停止、及びコマ送りなどの動作が行われる。
また、移動軌跡情報は、写真が撮影された時点及び音声が録音された時点において分割され、トラックが時系列で並べられているものとする。このとき、このコンテンツ群を再生すると、地図上に重畳された移動軌跡に沿ってシンボルPPが移動する。そして、シンボルPPが、写真が撮影された時点に到達すると、次は写真が再生される。このとき、同じ地点において複数枚の写真が撮影されている場合には、スライドショーとして写真が再生されてもよい。また、写真の再生が終了すると、次の移動軌跡トラックが再生される。そして、さらにシンボルPPが音声が録音された時点に到達すると、次に音声が再生される。この動作の様子は、図3に示される。
なお、以下、図中などにおいて「GPSログ」、「GPS Log」などと記載されることがあるが、これらは移動軌跡情報の一種である。移動軌跡情報のうち、GPSにより取得された位置情報の履歴をGPSログとよぶ。一例としてGPSログと記載されるが、これに限らず他の移動軌跡情報であってもよい。例えば、位置情報は、センサを用いて移動距離と移動方位を取得し、これら検出値から算出することもできる。或いは、位置情報は、無線通信を用いて、アクセスポイントの識別情報と受信信号レベルとに基づいて算出されたものであってもよい。移動軌跡情報は、これらの様々な方法で取得された位置情報によるものを含む概念である。
また、移動軌跡情報は、必ずしも位置情報の履歴情報とは限らない。時間情報と対応付けられた位置情報の軌跡であればよく、例えば、実際に移動した履歴でなく、スケジュール情報であってもよい。例えば、スケジュール情報としての移動軌跡情報は、経路探索機能を利用して生成されたものであってもよい。
このような機能を実現するための構成について、以下に詳しく説明していく。まず、位置情報を取得して位置情報と時間情報とが対応付けられた移動軌跡情報を生成する機能、再生することによって移動の様子をユーザが視聴することのできる移動軌跡トラックを移動軌跡情報から生成する機能、移動軌跡トラックを含むトラックリストを生成する機能、トラックリストを再生する機能、及び、移動軌跡トラックの解析結果の情報を提供する機能を有する情報処理装置の一例であるPNDを例にとってその機能構成について説明する。
<2.第1の実施形態(PND)>
本発明の第1の実施形態に係るPND10は、ナビゲーション機能に加えて、上述の通り移動軌跡情報を生成、編集、および再生する機能を有する装置である。即ち、本実施形態においてPND10は、ナビゲーション装置、移動軌跡情報生成装置、移動軌跡情報編集装置、及び移動軌跡情報再生装置の機能を併せ持つ情報処理装置である。ここでは上述の機能を全て併せ持つPND10として説明するが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、上述の機能の一部のみを有する装置としても実現されうる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の一例であるPND10の構成を示すブロック図である。図4を参照すると、PND10は、ナビゲーション機能ユニット110と、記憶部102と、表示部12と、操作部104と、音声出力部106と、移動軌跡情報取得部162と、分割点決定部164と、トラック生成部166と、トラックリスト生成部168と、再生制御部170と、表示制御部172とを主に有する。
また、上記ナビゲーション機能ユニットの一部と、移動軌跡情報取得部162と、分割点決定部164と、トラック生成部166と、トラックリスト生成部168と、再生制御部170と、表示制御部172とは、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理手段により実装される制御部130の機能として実現される。
ここで、記憶部102は、PND10が動作するためのプログラムや、地図データなどを記憶する記憶媒体である。また、本実施形態において、記憶部102は、ナビゲーション機能ユニット110が取得する位置情報の履歴を移動軌跡情報として記憶する。
なお、この記憶部102は、例えば、Flash ROM(又はFlash Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの不揮発性メモリ、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などの光ディスク、並びに、MO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
表示部12は、制御部130からの制御に従った表示画面を出力する表示装置である。この表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置であってもよい。
操作部104は、ユーザによる操作指示を受付け、その操作内容を制御部130に出力する。ユーザによる操作指示としては、移動軌跡情報の編集及び再生に係る各種の操作指示などが挙げられる。また、ナビゲーション装置の観点からは、例えば、目的地の設定、地図の拡大および縮小、音声案内設定、画面表示設定などが挙げられる。
また、この操作部104は、表示部12と一体的に設けられるタッチスクリーンであってもよい。或いは、操作部104は、ボタン、スイッチ、およびレバーなど、表示部12と分離して設けられる物理的構成であってもよい。また、操作部104は、リモートコントローラから送信されたユーザによる操作指示を示す信号を検出する信号受信部であってもよい。
音声出力部106は、音声データを出力する出力装置であり、例えば、スピーカなどである。この音声出力部106は、再生制御部170により再生された各種のコンテンツに係る音声データを出力する。ここで出力される音声データの例としては、音楽、録音された音声、効果音などが挙げられる。また、ナビゲーション装置として機能するときには、音声出力部106は、ナビゲーションにかかる音声ガイダンスを出力する。ユーザは、この音声ガイダンスを聞くことにより表示部12を見なくても目的地までの経路を知ることができる。
ここで、図5を参照しながらPND10の外観例について説明する。PND10は、表示部12を有し、車両のダッシュボード上に吸盤16を介して取付けられたクレードル14によって保持されるとともに、当該PND10とクレードル14とは機械的かつ電気的に接続される。このため、PND10は、クレードル14を介して車両のバッテリから供給される電源電力により動作するとともに、クレードル14から取外されたときには内蔵のバッテリから供給される電力によって独立した状態でも動作するように構成されている。
[2−1.ナビゲーション機能ユニット(移動軌跡情報の生成)]
ここで、PND10の移動軌跡情報生成部として機能するナビゲーション機能ユニット110の構成の一例について詳しく説明する。ナビゲーション機能ユニット110は、GPSアンテナ112と、Z軸ジャイロセンサ114と、Y軸ジャイロセンサ116と、3軸加速度センサ118と、地磁気センサ120と、気圧センサ122と、GPS処理部132と、角度算出部134と、位置算出部136と、速度算出部138と、姿勢角検出部140と、方位算出部142と、高度算出部144と、ナビゲーション部150とを主に有する。
本実施形態においてナビゲーション機能ユニット110は、移動履歴としての移動軌跡情報を取得する機能を有する。なお、ナビゲーション機能ユニット110は、経路探索機能などを利用して、スケジュール情報としての移動軌跡情報を生成してもよいが、以下本実施形態においては、移動履歴を取得する場合について説明する。
GPSアンテナ112は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信することができ、受信したGPS信号をGPS処理部132に入力する。なお、ここで受信されるGPS信号には、GPS衛星の軌道を示す軌道データと、信号の送信時刻などの情報が含まれている。
GPS処理部132は、GPSアンテナ112から入力された複数のGPS信号に基づいて当該PND10の現在位置を示す位置情報を算出し、算出した位置情報をナビゲーション部150に供給する。具体的には、GPS処理部132は、複数のGPS信号をそれぞれ復調することにより得られる軌道データから各GPS衛星の位置を算出し、GPS信号の送信時刻と受信時刻との差分から各GPS衛星から当該PND10との距離を算出する。そして、算出された各GPS衛星の位置と、各GPS衛星から当該PND10までの距離とに基づいて、現在の3次元位置を算出する。
ナビゲーション機能ユニット110は、上記のGPSアンテナ112とGPS処理部132による絶対位置取得機能に加えて、各種のセンサを用いた相対位置取得機能を有する。この相対位置の情報は、絶対位置を取得することができない状況、即ち、GPS信号を受信することができない位置にPND10が存在している状況において用いられても良い。または、相対位置の情報は、絶対位置の情報と合わせて用いられても良い。
Z軸ジャイロセンサ114は、PND10が旋回しているときのZ軸周りの回転角の変化する速度(角速度)であるヨーレートωzを電圧値として検出する機能を有するセンサである。Z軸ジャイロセンサ114は、このヨーレートを例えば50Hzのサンプリング周波数で検出して、検出されたヨーレートを示すデータを角度算出部134に入力する。なお、図6に示したように、Z軸は鉛直方向に対応する。そして、X軸はPND10の進行方向に対応し、Y軸はX軸に直交する水平方向に対応する。
角度算出部134は、Z軸ジャイロセンサ114から入力されたヨーレートωzにサンプリング周期(例えば、ここでは0.02s)を積算することにより、PND10が旋回したときの角度θを算出し、その角度θが示された角度データを位置算出部136に入力する。
Y軸ジャイロセンサ116は、Y軸周りの角速度であるピッチレートωyを電圧値として検出する機能を有するセンサである。Y軸ジャイロセンサ116は、このピッチレートを例えば50Hzのサンプリング周波数で検出して、検出されたピッチレートを示すデータを速度算出部138に入力する。
3軸加速度センサ118は、X軸に沿った加速度αx、Y軸に沿った加速度αy、及びZ軸に沿った加速度αzをそれぞれ電圧値として検出する機能を有するセンサである。3軸加速度センサ118は、この加速度αx、加速度αy、および加速度αzを例えば50Hzのサンプリング周波数で検出して、検出された加速度を示すデータを位置算出部136および姿勢角検出部140に入力する。
速度算出部138は、3軸加速度センサ118から入力されたZ軸に沿った加速度αzをY軸ジャイロセンサ116から入力されたピッチレートωyで除算することにより進行方向に対する速度Vを例えば1秒につき50回算出し、算出した速度Vを位置算出部136に入力する。
位置算出部136は、速度算出部138により算出された速度Vおよび角度算出部134により算出された角度θに基づき、現在位置の位置情報を算出する機能を有する。具体的には、位置算出部136は、速度Vおよび角度θに基づいて前回算出時の位置から現在位置までの変化量を求める。そして、位置算出部136はこの変化量と前回の位置とから現在の位置情報を算出する。その後位置算出部136は、この現在位置の位置情報をナビゲーション部150に供給する。
姿勢角検出部140は、まず3軸加速度センサ118から入力された加速度データαx、αyおよびαzに基づいて所定の姿勢角検出処理を行うことにより、PND10の姿勢角を示す姿勢角データを生成して方位算出部142に入力する。
地磁気センサ120は、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向それぞれの地磁気Mx、MyおよびMzをそれぞれ電圧値として検出するセンサである。地磁気センサ120は、この検出した地磁気データMx、MyおよびMzを方位算出部142に入力する。
方位算出部142は、地磁気センサ120から入力された地磁気データMx、MyおよびMzに対して所定の補正処理を施し、補正した地磁気データと姿勢角検出部140から入力された姿勢角データとに基づいてPND10の方位を示す方位データを生成する。方位算出部142は、生成した方位データをナビゲーション部150に供給する。
すなわち地磁気センサ120、3軸加速度センサ118、姿勢角検出部140、および方位算出部142は、いわゆる電子コンパスとして機能し、方位データを生成する。ナビゲーション部150は、主にPND10がクレードル14から離脱されて使用されるとき(例えば徒歩にて使用される場合など)にこの方位データを利用してPND10の向きに合わせて表示した地図データをユーザに提供することができる。なお、PND10は、車載にて使用されるときには、自車位置の経路から地図データにある道路と自車位置との対応付けを行い、地図の方位に基づいてPND10の向きに合わせた地図データをユーザに提供することもできる。あるいは、取得したGPS方位からPND10の向きを算出してその向きに合わせた地図データをユーザに提供することもできる。
気圧センサ122は、周囲の気圧を電圧値として検出する機能を有するセンサである。気圧センサ122は、気圧を例えば50Hzのサンプリング周波数で検出し、検出した気圧データを高度算出部144に入力する。
高度算出部144は、気圧センサ122から入力された気圧データに基づいて、PND10の高度を算出し、算出された高度データをナビゲーション部150に供給する。
以上の構成により、ナビゲーション部150は、GPS処理部132または位置算出部136から現在の位置情報を取得することができ、さらに方位算出部142からPND10の向いている方位を、高度算出部144からはPND10の高度を取得することができる。そして、ナビゲーション部150は、取得した情報に基づいて、記憶部102に記憶された地図データから現在位置周辺の地図データを取得し、操作部104を用いてユーザが設定した目的地までの経路を、表示部12の表示画面と音声出力部106からの出力音声とにより案内する。
ここで、ナビゲーション部150は、取得した位置に関する情報をそのまま用いることもできるが、各種の補正を施すこともできる。例えば、補正処理の典型的な一例としては、マップマッチング処理が挙げられる。マップマッチング処理とは、位置情報の誤差を補正するために、地図情報を利用する手法である。マップマッチング処理によって、位置情報の変化から地図上の該当する道路を探索し、正しい位置情報が推定され、この推定に基づいて位置情報は補正される。
また、上述の通り、移動軌跡情報取得部としても機能するナビゲーション機能ユニット110は、取得した位置情報を記憶部102に記憶させることにより移動軌跡情報を生成する。この移動軌跡情報は、GPS処理部132が提供する絶対位置の情報がそのまま記憶されたものであってよい。または、移動軌跡情報は、各種のセンサから算出された相対位置の情報が記憶されたものであってもよい。或いは、ナビゲーション部150がマップマッチングなどの補正処理を実行することにより生成される、補正後の位置情報が記憶されたものであってもよい。
[2−2.移動軌跡情報の分割]
次に、PND10の機能の一つである移動軌跡情報の分割処理について説明する。移動軌跡情報取得部162は、位置情報、及び、位置情報と対応する時刻情報を含む移動軌跡情報を取得して、取得された移動軌跡情報が分析対象となる移動軌跡情報か否かを判断する。そして、移動軌跡情報取得部162は、取得した移動軌跡情報が分析対象である場合に、分割点決定部164に移動軌跡情報を受け渡す。
このとき、移動軌跡情報取得部162は、例えば記憶部102に記憶された移動軌跡情報を取得する。又は、移動軌跡情報取得部162は、図示しないインタフェース部を介して、外部の装置から移動軌跡情報を取得してもよい。このときインタフェース部は、有線により外部の装置と接続するコネクタであってもよいし、無線により外部の装置と接続するために通信インタフェースであってもよい。
分割点決定部164は、移動軌跡情報取得部162により入力された移動軌跡情報の分割点を移動軌跡情報の分析結果に基づいて決定する機能を有する。このとき分割点決定部164は、移動軌跡情報を移動軌跡トラックとして再生するのに適した単位に分割するための分割点を決定する。
このとき、移動軌跡情報を移動軌跡トラックとして再生するのに適した単位とは、基本的には、ユーザが一体の出来事として捉える場面を基準としてもよい。移動軌跡情報は、「電車に乗って移動中」「風景の写真を撮りながら徒歩で移動中」「テーマパーク内で滞在中」及び「乗用車で移動中」など様々な場面における移動軌跡情報を含む可能性がある。ユーザにとっては、移動軌跡情報は、例えばこの場面単位など、一体の出来事として意味を有する単位が存在する可能性がある。分割する単位として、この場面をひとつの基準とすることは有効である。
また、上述の通り、移動軌跡トラックは、写真又は音声などから生成されたコンテンツトラックと混在して再生されるために、位置情報と対応づけられた写真又は音声などのコンテンツが存在する場合には、その時点において移動軌跡情報を分割してもよい。位置情報と対応づけられた写真又は音声などのコンテンツが存在する時点において移動軌跡情報を分割することにより、移動軌跡情報の再生の途中に写真又は音声などのコンテンツを再生することが可能となる。なお、ここで図示していないが、PND10が撮像機能や音声録音機能を有する場合には、これら機能部が取得した写真又は音声と位置情報とを対応づけて記憶したコンテンツを移動軌跡情報の分割に用いてもよい。
〔分割動作〕
この移動軌跡情報取得部162及び分割点決定部164により実現される移動軌跡情報の分割処理について、次に図7のフローチャートを用いてその流れを説明する。図7は、PND10の移動軌跡情報分割処理動作の流れを示すフローチャートである。
本分割処理は、移動軌跡情報取得部162が移動軌跡情報を取得することにより開始される。そして、移動軌跡情報取得部162は、取得された移動軌跡情報の中に、分析対象となる移動軌跡情報があるか否かを判断する(S102)。そして、ステップS102における判断により、分析対象となる移動軌跡情報が存在しない場合には、移動軌跡情報は分割処理を行われることなく処理は終了する。
一方、ステップS102の判断において、分析対象となる移動軌跡情報が存在すると判断された場合には、移動軌跡情報取得部162は、取得した移動軌跡情報を分割点決定部164に入力する。
そして、次に分割点決定部164は、全ての移動軌跡情報が解析されたか否かを判断し(S104)、全ての移動軌跡情報が解析された場合には、処理を終了する。一方、未だ解析されていない移動軌跡情報がある場合には、分割点決定部164は、解析が終わっていない移動軌跡情報を解析する(S106)。
ステップS106における移動軌跡情報の解析結果に基づいて、分割点決定部164は分割する時点があるか否かを判断する(S108)。ここで、ステップS108における分割点の詳細な判断基準の具体例については、後述される。ステップS108における判断により分割点があった場合には、分割点決定部164は、決定した分割点において移動軌跡情報を分割する(S110)。
なお、上述の通り、移動軌跡情報と対応する時間帯に対する写真又は音声データなどのコンテンツデータがある場合には、その時点において移動軌跡情報を分割することが好ましい。この点について考慮した分割処理動作については、図8に示される。
ステップS202〜ステップS206までの動作については、図7に示されるステップS102〜ステップS106と同様であるため、ここでは説明を省略する。ステップS206において移動軌跡情報の解析が行われると、分割点決定部164は、解析対象時間帯に対する写真又は音声データがあるか否かを判断する(S208)。ここで、解析対象時間帯に対する写真又は音声データなどのコンテンツが存在する場合には、ステップS212に進み、分割点決定部164は、このコンテンツと対応する時刻において移動軌跡情報を分割する。
一方、解析対象時間帯に対する写真又は音声データなどのコンテンツが存在しない場合には、次に分割点決定部164は、移動軌跡情報を分割する時点があるか否かを判断する(S210)。ここで、ステップS210における判断基準については、後に詳述される。ステップS210において分割する時点があると判断された場合には、当該時点を分割点とし、分割点決定部164は、分割点において移動軌跡情報を分割する。
〔分割基準〕
次に、分割点決定部164が分割点を決定するための基準の一例を以下に示す。上述の通り、分割点は、移動軌跡情報を移動軌跡トラックとして再生するのに適した単位を基準として決定される。このとき、移動軌跡情報を移動軌跡トラックとして再生するのに適した単位とは、基本的には、ユーザが一体の出来事として捉える場面を基準としてもよい。また、移動軌跡情報を移動軌跡トラックとして再生するのに適した単位の他の一例としては、移動軌跡情報と対応する位置又は時間帯に対する写真又は音声などのコンテンツが存在する場合には、その時点を分割点とすることも考えられる。
分割点決定の基準の具体例を図9〜図12を参照しながら説明する。図9〜図12は、分割点決定基準の具体例を示す説明図である。具体的には、図9は、滞在地点に基づいた分割点決定の具体例を示す説明図である。また、図10は、高度情報に基づいた分割点決定の具体例を示す説明図である。図11は、周回移動の例における分割点決定の具体例を示す説明図である。図12は、移動手段推定に基づいた分割点決定の具体例を示す説明図である。
(滞在部分による分割)
まず図9を参照すると、第1の位置情報から第13の位置情報までの、13個の位置情報が示されている。このうち、第3の位置情報から第9の位置情報までのうち、第7の位置情報以外の6つの位置情報は、半径Rの範囲内の位置を示している。このような場合に、分割点決定部164は、この移動軌跡情報のうち、第3の位置情報から第9の位置情報までの間の部分を滞在部分と判断する。
滞在部分の判断基準としては、例えば、半径Rなどにより規定される距離範囲内にi個以上の位置情報が連続して入っていること、又は、半径Rの範囲内にt時間以上位置情報が連続して入っていることなどが挙げられる。このとき、半径Rの範囲から逸脱した位置情報(例えば、図9における第7の位置情報)は、s%までは許容することとしてもよい。滞在位置は、設定した円の中心及び円内の位置重心などで求められる。
移動軌跡情報が滞在部分を有する場合に、分割点決定部164は、この滞在部分から分割点を決定することができる。例えば、分割点決定部164は、滞在部分の開始点、終了点(再び移動を開始する時点)、又は、開始点と終了点との中点、のうち少なくともいずれかを分割点としてよい。
例えば、分割点決定部164は、滞在部分の開始点、終了点、又は、開始点と終了点との中点、のうちのいずれか1つを分割点と決定してもよい。或いは、滞在部分の開始点と終了点とを分割点とし、滞在部分を滞在トラックとすることができるように分割点を決定してもよい。この滞在トラックは、移動軌跡トラックの一種であり、滞在部分を表現する方法で再生されることで、時間のつながりを表現するよう利用されてもよい。
(高度情報に基づいた分割)
また、図10を参照すると、ある移動軌跡情報(a)及び移動軌跡情報(b)の時系列の高度変化が示されている。位置情報が高度情報を含む場合には、分割点決定部164は、この高度情報を分析して分割点を決定してもよい。例えば、分割点決定部164は、高度のピーク時点を分割点としてもよい。このとき、全てのピーク地点を分割するとトラック間隔が適正な値とならない場合には、「ピーク間隔が一定距離以上離れていること」、「ピーク前後の傾斜角度が小さいこと」などをピーク判断の基準として用いてもよい。
また、このときピーク地点か否かは、高度情報に基づいて、勾配が一定値以上であることを基準として判断される。このため、移動軌跡情報(b)については、勾配が所定の値よりも小さいために、高度情報に基づいた分割点は決定されない。
(周回移動に対する分割)
図11を参照すると、周回移動の移動軌跡と分割点DP1〜DP3が示される。例えば、運動場又はランニングコースなどにおいて、周回移動していることを示す移動軌跡情報については、分割点決定部164は、同じ地点に戻ってきた時点を分割点としてもよい。同じ地点に戻ってきた時点を分割点とすることにより、例えば、1周当たりのラップタイムを分析するなどの利用方法が考えられる。
(移動手段の推定に基づく分割)
図12を参照すると、駅周辺における移動軌跡が示される。この移動軌跡情報は、駅前の道を移動した後、駅に入り、電車に乗ったと推定される。分割点決定部164は、この電車に乗ったと推定される時点DPを分割点としてもよい。このとき分割点決定部164は、移動軌跡情報の速度変化から急激に速度が変化する部分を分割点としてもよい。また、分割点決定部164は、位置情報又は速度変化の情報の少なくともいずれかに基づいてユーザの状態を推定して分割点を決定してもよい。
例えば、分割点決定部164は、位置情報が駅を示していて、その後位置情報が線路上の位置を移動していることを示している場合に、電車に乗ったと推定して、電車に乗る時点を分割点としてもよい。このとき、分割点決定部164は、線路上を移動しているときの位置情報の変化から、速度を求め、この速度に基づいて移動手段を推定して分割点を決定してもよい。
(その他の分割例)
上記の他にも、様々な分割基準が考えられる。例えば、移動軌跡情報が欠落している部分において分割点を決定してもよい。この場合、滞在部分と同様に、欠落部分の開始点、終了点、及び開始点と終了点との中点、の少なくともいずれかに基づいて分割点が決定されてよい。欠落部分の開始点、終了点、及び開始点と終了点との中点のうちの1つを分割点として移動軌跡情報を分割してもよい。或いは、欠落部分の開始点及び終了点を分割点とし、欠落部分を示す欠落トラックとすることができるように分割点を決定してもよい。
または、上述の通り、写真や音声メモなどのコンテンツデータが存在する場合には、分割点決定部164は、そのコンテンツが撮影又は録音された位置又は時間が一致する時点を分割点としてもよい。または、分割点決定部164は、単純に日付の変わり目、一定間隔、指定した時刻で自動的に分割点を決定してもよい。
〔分割動作の変形例(リアルタイムで分割)〕
上記では、図7及び図8を用いて、蓄積された移動軌跡情報について分割処理を行う例について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。分割処理は、リアルタイムで行われてもよい。即ち、記録中の移動軌跡情報に対して、分析及び分割処理が行われてもよい。
このときの分割処理動作について、図13に示される。図13は、移動軌跡情報の分割処理の変形例を示すフローチャートである。図13に示される動作は、ナビゲーション機能ユニット110が位置情報を移動軌跡情報として記録開始することにより開始される(S302)。
まず、移動軌跡情報取得部162は、ナビゲーション機能ユニット110が移動軌跡情報の記録を開始すると、移動軌跡情報の記録動作が継続しているか否かを判断する(S304)。そして、記録動作が終了するまで、以下に示すステップS306〜ステップS312の動作が繰り返される。移動軌跡情報の記録動作が終了している場合には、本フローチャートの処理は終了される。
一方、移動軌跡情報の記録動作が継続している場合には、移動軌跡情報取得部162は、分析対象となる移動軌跡情報が存在するか否かを判断し(S306)、分析対象となる移動軌跡情報が存在する場合には、移動軌跡情報取得部162は、移動軌跡情報を分割点決定部164に受け渡す。
そして、分割点決定部164は、移動軌跡情報取得部162から受け渡された移動軌跡情報を分析する(S308)。この分析の結果から、分割点決定部164は、分割する時点があるか否かを判断し(S310)、分割する時点がある場合には、分割点決定部164は、その時点を分割点とし、当該分割点において移動軌跡情報を分割する(S312)。
なお、図示していないが、PND10が撮像機能又は録音機能を有する場合には、移動軌跡情報を記録しながら分割処理がなされる場合に、撮像又は録音機能が起動されたときに移動軌跡情報を分割するようにしてもよい。
[2−3.トラック生成]
再び図4に戻ってPND10の機能構成について説明を続ける。PND10は、トラック生成部166の機能により、上述の分割点決定部164によって分割された移動軌跡情報から移動軌跡トラックを生成することができる。
トラック生成部166は、分割点に基づき、移動軌跡情報から移動軌跡トラックを生成する機能を有する。また、トラック生成部166は、写真又は音声メモなどのコンテンツデータからコンテンツトラックを生成することもできる。具体的には、トラック生成部166は、トラックとして再生することができる形式にデータを変換するとともに、トラックに関する各種の属性パラメータを付加する機能を有する。
トラック生成部166は、予め定められた形式に従って、各トラックに属性パラメータを付加することができる。例えば、トラック生成部166は、トラック名、位置を示す名称、日付及び時刻、移動距離、所要時間、移動手段、などのような属性パラメータを移動軌跡トラックに付加する機能を有する。トラック生成部166は、自動的に属性パラメータを付加する機能を有すると共に、操作部104からの入力情報に従って属性パラメータを編集する機能を有する。
例えば、トラック生成部166は、トラック名を移動軌跡情報に含まれる位置情報に基づいて命名することができる。トラック生成部166は、住所、道路名、地域名、固有名詞などの情報を組合せてトラック名を生成してもよい。例えば、位置情報に基づいたトラック名の一例としては、「国道1号線A交差点付近」、「B駅」、「港南区C町1丁目」などが挙げられる。このときの位置情報は、トラックの開始点及び終了点のいずれかであってもよい。或いは、トラック生成部166は、トラックに含まれる位置情報のうち代表的な地名を抽出して用いてもよい。また、トラックの開始点と終了点とを組み合わせて用いることもできる。例えば、組合わせた場合のトラック名の一例としては、「国道1号線A交差点付近〜国道1号線D交差点付近」などが挙げられる。
また、トラック生成部166は、トラック名を移動軌跡情報に含まれる時間情報に基づいて命名することもできる。トラック生成部166は、例えばトラックの開始時刻及び終了時刻のいずれかに基づいてトラック名を生成する機能を有する。或いは、トラック生成部166は、トラックの開始時刻及び終了時刻を組合わせてトラック名を生成してもよい。例えば、時間情報に基づいたトラック名の一例としては、「11時20分」、「11時20分〜11時55分」などが挙げられる。
トラック名は、識別性を有することが好ましいため、トラック生成部166は、各トラックのトラック名が重複しないようにトラック名を付与する。例えば、トラック生成部166は、トラック名が重複しないように、用いる位置を示す名称を抽出してもよい。或いは、トラック名が重複する場合には、位置を示す名称に、識別性のための符号を付加してもよい。或いは、位置情報と時刻情報とが合わせて用いられてもよい。
また、トラック生成部166は、移動軌跡情報に基づいて移動手段をトラックの属性パラメータとして付加することもできる。ここで、例えばPND10が車載モード、自転車モード、徒歩モードなどの動作モードを有していて、この動作モードの切り替え情報が移動軌跡情報に含まれている場合には、トラック生成部166は、この情報を用いて移動手段を判断してもよい。或いは、トラック生成部166は、移動軌跡情報の分析結果から移動手段を判断してもよい。例えば、移動軌跡情報の位置情報が海又は湖などの上を移動している場合には、トラック生成部166は、移動手段は船であると推定することができる。また、位置情報が線路上を移動している場合には、トラック生成部166は、移動速度を合わせて考慮することにより、移動手段が電車であると推定してもよい。
トラック生成部166は、上述したトラック名の付与に際して、この移動手段を用いてもよい。例えば、トラック生成部166は、移動手段が船であると推定された場合に、トラック名を「船」とすることができる。或いは、トラック生成部166は、移動手段と時間情報又は位置情報の少なくともいずれかとを組合わせてトラック名を付与してもよい。例えば、トラック生成部166は、トラック名を「船 ○○港〜××港」などとすることができる。
また、トラック生成部166は、各トラックに対して、各種のコンテンツを関連付けることができる。トラック生成部166は、操作部104からの入力情報に従ってコンテンツをトラックに関連づけてもよい。或いは、トラック生成部166は、各コンテンツに位置情報が付加されている場合には、コンテンツに付加された位置情報の周辺における移動軌跡情報を有するトラックに当該コンテンツを関連づけてもよい。ここで関連づけられるコンテンツとしては、例えば、写真やテキストメモなどが挙げられる。トラックに関連づけられたコンテンツは、例えば、トラックが再生されるときに、位置情報と合わせてユーザに提供されてもよい。このため、トラックに関連づけられるコンテンツは、当該トラックの位置情報と関係するコンテンツであることが好ましい。例えば、トラックに関連づけられる写真としては、対象となるトラック中に含まれる位置の中で見所となる風景の写真などが考えられる。或いは、トラックにテキストメモを関連づける場合には、テキストメモに記載する内容としては、当該トラックが経由する経路上の風景の情報、道の状態、何故この道を選択したか、或いは当該経路上において感じたことなどが挙げられる。また、対象となるトラックが、スケジュール情報としての移動経路情報から生成された場合には、トラック生成部166は、スケジュールを立てた時点において、他の人への説明として当該ルートの注意点又は選んだ理由などを記述したメモをトラックに関連づけてもよい。
また、ここではコンテンツは写真又はテキストメモであることとしたが、これに限られない。例えば、トラックに関連づけられるコンテンツは、音声メモ、動画、イラストなどであってもよい。
[2−4.トラックリスト生成]
トラックリスト生成部168は、位置情報及び位置情報と対応する時刻情報を含む移動軌跡情報から生成される移動軌跡トラックを少なくとも含むトラック群の一覧であるトラックリストを生成する機能を有する。トラックリストには、写真や音声メモなどのコンテンツデータから生成されるコンテンツトラックが含まれてもよい。
また、トラックリスト生成部168は、トラックリストに対して名称を付加してもよい。この名称は、例えば、トラック名と同様に、位置情報及び時間情報の少なくともいずれかに基づくものであってよい。例えば、トラックリスト名の一例としては、「12/25の行動」、「箱根」などが挙げられる。また、トラックリスト生成部168は、PND10がスケジューラ機能を有している場合には、このスケジューラ内の情報と移動軌跡情報とに基づいてトラックリスト名を命名してもよい。例えば、12月25日に「研修旅行@箱根」というスケジュールがあった場合において、12月25日の移動軌跡情報から生成されたトラックリストの名称を「研修旅行」などとしてもよい。
[2−5.トラック再生]
再生制御部170は、移動軌跡トラック及びコンテンツトラックの再生を制御する機能を有する。再生制御部170は、トラックリストを再生するにあたり、操作部104を用いた操作が行われない場合には、トラックリストに含まれるトラックを順次再生することができる。また、再生制御部170は、音楽トラックの再生と同様に、ランダム再生の機能を有していてもよい。
再生制御部170は、移動軌跡トラックを再生するときには、表示制御部172により地図上に位置情報を示すシンボルを重畳した再生画面を表示させることができる。また、再生制御部170は、コンテンツトラックのうち写真から生成される写真トラックを再生するときには、表示制御部172により写真データを含む再生画面を表示させる。再生制御部170は、コンテンツトラックに予め設定された再生時間の間、写真データを含む再生画面を表示させる。
このとき、再生制御部170は、移動軌跡トラック又は写真トラックの再生と共に再生される音楽データなどがトラックに設定されている場合には、設定された音楽データを同時に再生するよう制御してもよい。
このトラック再生において、表示制御部172は、主にトラックリストを表示するためのリスト画面と、各トラックの再生時に表示する再生画面とを表示させる。例えば、表示制御部172は、図14に示されるように、移動軌跡トラックとコンテンツトラックとが混在するトラックリストを、表形式により一覧表示した通常リスト画面212と、トラックリストを工程型表示した工程型リスト画面214と、各トラックの再生にかかる再生画面216とを主に提供することができる。図14は、表示制御部が表示させる画面の一例を示す説明図である。
操作部104による入力情報に基づいて、表示制御部172は、この通常リスト画面212及び工程型リスト画面214と、再生画面216とを切替えることができる。例えば、通常リスト画面212又は工程型リスト画面214において、一のトラックが選択されると、表示制御部172は、選択されたトラックの再生画面216を表示させる。
例えば、一のトラックが選択され、選択されたトラックの再生が開始されると、再生制御部170は、操作部104からの操作入力がないときには、図3で示されたように、トラックリストの順番(或いは、ランダム再生の場合にはランダムに選択した順番)で順次トラックを再生させる。
また、操作部104による操作入力がある場合には、再生制御部170は、操作入力に応じた制御を行う。例えば、早送り操作が入力された場合には、再生制御部170は、再生中のトラックを通常よりも早い速度で再生させる。また、順方向のスキップ操作が行われた場合には、再生制御部170は、再生中のトラックの次に再生される予定のトラックの先頭まで再生位置を移動させる。
〔リスト画面〕
ここで、通常リスト画面212、及び、工程型リスト画面214について図15〜図17を参照しながら説明する。図15は、通常リスト画面の一例を示す説明図であり、図16は、工程型リスト画面の一例を示す説明図であり、図17は、工程型リスト画面の他の一例を示す説明図である。
通常リスト画面212においては、例えばトラック名、時間情報などの属性パラメータが表示される。このとき、通常リスト画面212は、各トラックの再生にかかる時間情報202を含んでよい。また、通常リスト画面212は、特に移動軌跡トラックに関しては、実際に移動にかかる時間情報204を含んでもよい。
また、図示しないが、通常リスト画面212は、各トラックに付加された属性パラメータの一部又は全てが含まれていてもよい。すなわち、表示制御部172は、トラック名、位置を示す名称、日付及び時刻、移動距離、所要時間、移動手段、などのような属性パラメータを含む通常リスト画面212を表示させてもよい。
なお、表示制御部172は、この通常リスト画面212に対して操作部104から属性パラメータを指定する操作情報が入力された場合には、指定された属性パラメータに基づいて順番が並び替えられた通常リスト画面212を表示することができる。或いは、表示制御部172は、通常リスト画面212に対して、検索キーワードが指定された場合には、指定された検索キーワードと合致するトラックを一覧表示した通常リスト画面212を表示することもできる。
工程型リスト画面214は、トラックリストを工程型で表現した画面である。例えば、工程型リスト画面214は、時系列に従って並べたトラックをバーで表現する。このバーは、トラックの種別に応じて色及び形状などを異ならせて表現されることが好ましい。トラックを示すバーは、トラックの再生時間又は実際の移動時間に応じた長さで表現されてもよい。
図16を参照すると、工程型リスト画面214の一例が示される。各トラックについて、関連する時間情報がそれぞれ示されている。例えば、工程型リスト画面214aは、各トラックの位置情報に対応づけられた時刻情報と、トラックの開始から終了までの移動にかかる時間長の情報と、トラックの再生にかかる時間長の情報とが含まれる。
例えば、Track1は、午前8時30分に移動開始され、その移動時間長は1時間45分23秒であり、再生にかかる時間は15秒であることが、工程型リスト画面214aからわかる。なお、ここでは、時間を基準とした表現について主に説明したが、表示制御部172は、トラックの位置情報から位置を示す名称を各トラックと関連づけて表示するようにしてもよい。
また、表示制御部172は、この工程型リスト画面214に含まれるトラックリストが再生中である場合には、再生中のトラックを示すバーの再生位置を示す箇所に、再生位置を示すシンボルPPを重畳して表示させてもよい。かかる表示により、ユーザは、再生中のトラックとその再生位置とを知ることができる。この工程型リスト画面214は、図17に示すように縦書きで表現されてもよい。また、この工程型リスト画面214において、欠落トラック又は滞在トラックは、他のトラックと区別することができるように、表現を異ならせて表示されてもよい。例えば、トラックを示すバーの色、模様、及び形状のいずれかによりこの差異が表現されてもよい。
〔再生画面〕
次に、図18〜図26を参照しながら、移動軌跡トラックの再生画面について説明する。まず、図18は、移動軌跡トラックの再生画面の一例を示す説明図である。移動軌跡トラックの再生画面は、主にプログレスバー部分222と、移動軌跡表示部分224とを含む。
プログレスバー部分222は、再生中のトラック全体を100%としたとき、既に再生したトラックの割合をグラフィカルに表現したプログレスバーと、再生中のトラック名と、その時点における再生位置の移動軌跡における時刻とが含まれる。また、プログレスバーの始端と終端とには、トラックの開始点の時刻及び終了点の時刻が表示されてもよい。
図19は、上記のプログレスバー部分222の他の表現方法を示す説明図である。図18においては、再生中のトラックについてプログレスバーを表示することとしたが、図19においては、トラックリストに含まれるトラック全てをプログレスバーで表現する。この場合、再生中のトラックは、例えば、バーの色を変えるなどの方法により識別できることが好ましい。例えば、再生中のトラックについては、バーの上部に再生時点の時刻が表示されてもよい。
また、各トラックは、トラック種別を識別することができるように表現されてもよい。さらに、プログレスバー部分222は、全トラックの移動時間長を含むこともできる。各トラックについて、移動軌跡トラックについては、その開始時刻が表示されてもよい。例えば、写真などのコンテンツトラックについては、撮影時刻などが表示されてよい。
再び図18に戻って説明を続ける。移動軌跡表示部分224は、移動軌跡、各トラックの分割点、各トラックの開始点の時刻、及び再生位置を示すシンボルPPが含まれてよい。図18には、再生中のトラックを拡大表示した例が示されているが、これに限らず、図14の再生画面216に示されるように、全移動範囲を含む地図上に移動軌跡が重畳されてもよい。また、図18においては省略して示されているが、この移動軌跡は図14と同様に地図上に重畳して表現されることが好ましい。
この移動軌跡表示部分224の表現について、各種の工夫を加えることが考えられるが、以下、その一例をいくつか例示する。図20〜図23は、移動軌跡トラックの表現の一例を示す説明図である。詳しくは、図20は、移動軌跡の高度情報に基づいた軌跡表現の一例を示す説明図であり、図21は、移動軌跡と対応づけられた時間情報に基づいた軌跡表現の一例を示す説明図であり、図22は、再生中であるか否かに基づいた軌跡表現の一例を示す説明図であり、図23は、移動手段に基づいた再生位置を示すシンボル表現の一例を示す説明図である。
例えば、移動軌跡トラックの再生において、移動軌跡は、高度情報に応じて軌跡を示す線の表現を変更してもよい。例えば、移動軌跡は、高度情報に基づいて、勾配に応じた色、線種、及び線の太さを変えて表現されてもよい。例えば、勾配が急であるほど濃い色、又は、太い線で移動軌跡が表現されてもよい。或いは、色の有するイメージを反映して、勾配が急である部分の移動軌跡は赤又は黄色、平坦な部分の移動軌跡は青又は緑で表現されてよい。
また、図21に示されるように、時間帯に応じて線種、色、及び線の太さを変えて移動軌跡は表現されてもよい。図21においては、線の太さ及び線種によりこの差異が表現されているが、かかる例に限られず、色相及び色の濃度により表現されてもよい。また、図21においては、朝方、午前中、日中、夕方の4つの時間帯に分割して、それぞれの差異が表現されているが、かかる例に限られない。例えば、色のグラデーションにより、明確な境目は設けず時間帯の変化が表現されてもよい。
或いは、図22に示されるように、再生中のトラックと、他のトラックとが区別されるように線種、色、及び線の太さを変えて移動軌跡は表現されてもよい。例えば、再生中のトラックは、他のトラックよりも濃い色の線で表現されてもよい。また、再生中のトラックは、他のトラックよりも太い線で表現されてもよい。また、再生中のトラックは実線で示され、他のトラックは点線で示されるなど線種を変えて表現されることも考えられる。
図23を参照すると、移動手段に応じて再生位置を示すアイコンを変更する例が示される。表示制御部172は、移動軌跡トラックに付加された移動手段の情報に応じて、再生位置を示すシンボルPPを移動手段に応じたアイコンに変更してもよい。図23には、自転車、徒歩、飛行機、自動車で移動する場合のアイコンの例が示される。
〔分析情報の提供〕
次に、図24〜図26を参照しながら、移動軌跡に関連する分析情報の提供について説明する。図24〜図26は、分析情報を含む再生画面の一例を示す説明図である。再生制御部170は、再生中のトラックリストに関する分析情報を表示制御部172により再生画面に表示させて提供することができる。
例えば、再生制御部170は、再生画面に表示されるトラックに関する情報を再生画面に表示させてもよい。図24を参照すると、各トラックの移動距離、移動にかかる所要時間、平均速度、最高速度、高低差、及び消費カロリーが表示される。なお、図示しないが、トラック毎の分析データだけでなく、トラックリストに含まれる全トラックの合計における分析データが表示されてもよい。かかる分析データは、予め分析されて移動軌跡トラックのデータと対応付けて記憶されたものを表示させてもよいし、再生時に分析されたデータが表示されてもよい。
或いは、再生制御部170は、再生画面において指定された区間における分析データが表示されてもよい。例えばこの区間指定は、再生位置を示すアイコンをコマ送り再生することによって指定される。又は、タッチパネルなどの操作部104により指定された位置に基づいて区間が設定されてもよい。
また、図26に示されるように、周回移動における1周毎のラップタイムが表示されてもよい。これは、計測開始位置が明示的に示されることにより分析が開始されてもよいし、移動軌跡情報から自動的に周回移動を検出して分析されてもよい。
<3.第2の実施形態(再生装置)>
次に、図27及び図28を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る再生装置30について説明する。再生装置30は、携帯型の再生装置であり、例えば図27に示すような外観を有する。図27は、再生装置の外観の一例を示す説明図である。図28は、本発明の第2の実施形態に係る再生装置の機能ブロック図である。
再生装置30は、音楽再生機能及び移動履歴トラック再生機能を有する情報処理装置である。図28を参照すると、再生装置30は、記憶部302と、表示部32と、操作部304と、音声出力部306と、制御部330とを主に有する。制御部330は、トラックリスト生成部368と、再生制御部370と、表示制御部372として主に機能する。
再生装置30は、第1の実施形態に係るPND10と比較して、移動履歴取得機能及び移動履歴トラック生成機能を有しない点において異なる。この場合、再生装置30は、移動軌跡取得機能及び移動軌跡トラック生成機能を有する情報処理装置から移動軌跡トラック又はコンテンツトラックを取得して再生してもよい。このとき、再生装置30は、例えばインターネット等のネットワークを介してトラックを取得してもよいし、図示しないインタフェースに挿入される外部記録媒体を介してトラックを取得してもよい。また、移動履歴取得装置と移動履歴トラック生成装置とは別体の装置であってもよい。
記憶部302、表示部32、操作部304、及び音声出力部306は、記憶部102、表示部12、操作部104、及び音声出力部106とそれぞれ同様の機能を有するため、ここでは詳細な説明を省略する。また、トラックリスト生成部368、再生制御部370、及び表示制御部372は、トラックリスト生成部168、再生制御部170、及び表示制御部172とそれぞれ同様の機能を有する。ユーザは、操作部304を用いて、音楽の再生時における操作と同様の操作によりトラックリストの再生に関する操作を行うこともできる。
このように、移動軌跡取得装置及び移動履歴トラック生成装置と再生装置とは別体の装置として実現することもできる。再生装置は、ここでは携帯型の再生装置としたが、これに限られない。例えば再生装置は、移動履歴を取得する機能を有しない場合には、携帯型の装置とする必要はない。デスクトップ型のPC、又は固定型のオーディオプレイヤなどにより移動履歴トラックの再生機能を実現してもよい。
<4.第3の実施形態(撮像装置)>
次に、図29を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る情報処理装置である撮像装置50について説明する。図29は、第3の実施形態に係る情報処理装置である撮像装置の機能ブロック図である。
撮像装置50は、撮像機能に加えて、移動軌跡情報取得機能と移動軌跡トラックを再生する再生機能とを有する情報処理装置である。図29を参照すると、撮像装置50は、GPSアンテナ512と、撮像部580と、制御部530と、通信部592と、記憶部502と、表示部52と、操作部504と、音声出力部506とを主に有する。
制御部530は、GPS処理部532と、撮像信号処理部582と、トラック取得部590と、トラックリスト生成部568と、再生制御部570と、表示制御部572として主に機能する。
このうち、記憶部502、表示部52、操作部504、音声出力部506、GPSアンテナ512、GPS処理部532の各機能については、第1の実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
通信部592は、撮像装置50が外部の装置と通信するための通信インタフェースである。通信部592は、制御部530の制御に従って外部のサーバなどと通信する機能を有する。
撮像装置50は、撮像部580及び撮像信号処理部580の機能により、撮像機能を有する。撮像部580は、光学系、撮像素子、及び処理回路などを有する。この光学系は、被写体からの光を集光するためのレンズ素子などから構成される。そして、光学系を介して入射された光は、撮像素子に供給される。撮像素子は、光学系を介して供給された光を撮像信号に変換して処理回路に入力する。なお、撮像素子は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどであってよい。また、処理回路は、撮像素子から供給されたアナログの撮像信号に対して、各種の信号処理を施す。例えば、処理回路は、サンプリング処理、ノイズ除去処理、及びゲイン調整処理、及びA/D変換処理を施し、撮像信号処理部582にデジタルの撮像信号を供給する。
撮像信号処理部582は、撮像部582から供給されたデジタルの撮像信号に対して各種の処理を行う機能を有する。例えば、撮像信号処理部582は、撮像信号の圧縮処理などを行い、デジタル画像データを記憶部502に記憶する。
以上に示された構成により、撮像装置50は、画像を取得する撮像機能と、位置情報を取得することにより移動軌跡情報を取得する機能を有する。トラック取得部590は、取得された移動軌跡情報と画像などを通信部592を介してクラウド上のサーバに送信し、トラックを取得する機能を有する。クラウド上のサーバでは、第1の実施形態で説明したようなトラック生成処理が行われる。トラック取得部590は、取得したトラックをトラックリスト生成部568に供給する。或いは、トラックリスト生成部568で行われる処理もクラウド上のサーバで行われてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、コンテンツは、写真又は音声メモであるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、コンテンツとは、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトウェアなどを含む概念であってよい。
また、上記実施形態では、第1の実施形態として、移動軌跡情報の取得装置、移動軌跡情報から移動軌跡トラックを生成する生成装置、及び移動軌跡トラックを再生する再生装置の機能を併せ持つPND、第2の実施形態として、移動軌跡トラックを再生する機能を有する再生装置、第3の実施形態として、移動軌跡情報の取得装置、および移動軌跡トラックを再生する再生装置の機能を併せ持つ撮像装置について説明したが、かかる例に限定されない。情報処理装置は、移動軌跡情報の取得装置、移動軌跡情報から移動軌跡トラックを生成する生成装置、及び移動軌跡トラックを再生する再生装置の機能のうちの少なくともいずれかを有する装置であってよい。情報処理装置の例としては、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器、PC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置が挙げられる。
すなわち、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したPND及び再生装置が撮像機能を有するものであってもよい。また、第1の実施形態及び第3の実施形態で説明したPND及び撮像装置は、GPSによる位置情報取得機能を有していたが、これに限られない。センサを用いた相対位置取得機能、又は、無線通信を用いた位置取得機能などあらゆる位置情報取得機能が用いられてもよい。また、位置情報を取得する機能はいずれか1つに限られたものではない。2種類以上の位置情報取得機能を搭載し、これらの情報からより正確な位置情報を生成する装置であってもよい。また、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したPND及び再生装置が通信機能を有するものであってもよい。
尚、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。