JP6051845B2 - Au元素の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Au及びAgを含む元素を微量含有する水溶液からタンニンゲルを用いてAu元素を回収する方法に関する。
タンニン系吸着剤は、Au、Ag、Pt、Pd、Rh、Ru等の貴金属元素・白金族元素や、Cr、Pb等の重金属に対して高い吸着能を示すことが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。一方、タンニン系吸着剤は、タンニンゲル1gに対してAuを8000mg吸着し、タンニンゲル1gに対してAgを1000〜3000mg吸着する能力があることが報告されている(非特許文献1参照。)。またタンニン系吸着剤は、タンニン分子鎖中にチオシアン、アルキルアミン基等の種々の修飾基を導入することにより、強酸性溶液からPtとPdの分離することが示され(非特許文献2参照。)、或いはアルキルアミン基修飾不溶性タンニンゲルを吸着剤として用いることにより、Rh、Ruの吸着能が示されている(特許文献4、5参照。)。
特開平2−15128号公報(特許請求の範囲請求項1〜8、第1頁右下欄第12〜18行、第2頁右上欄第11行〜同頁左下欄第1〜9行) 特許第4204235号公報(請求項1、2、段落[0001]) 特許第3033796号公報(請求項1〜15、段落[0001]) 特開2012−041593号公報(請求項1、段落[0001]) 特開2012−041594号公報(請求項1、段落[0001])
東工大クロニクル No.392、第17〜19頁、2004年10月 丸谷由恵ら 化学工学会第74年会講演要旨集 H319頁、2009年3月
上記文献に示す吸着剤は、種々の吸着能を示すタンニンゲルではあるが、NaCl、NaNO、NaSO等の塩を高濃度(1〜2mol/L)に含む溶液では、この吸着能を発揮できない場合があり、例えば、AuとAgを含みかつNaの塩を1.8mol/Lの濃度で含む溶液では、Agが吸着されず、また、大きな吸着能力を示すAuの吸着速度が低下してAuの吸着能力が低下する不具合が発生していた。
本発明の目的は、Au及びAgの元素を含む溶液がNaの塩を1〜2mol/Lの高濃度で含んでいても、タンニンゲルからなる吸着剤のAuに対する吸着能を保持しつつAuをこの溶液から選択的に分離する方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、Au及びAgを含む元素を、Au元素とAg元素を合計して1〜5.67ppmの濃度で含み、かつNaの塩を、1〜2mol/Lの濃度で含む溶液にCu濃度が2〜10ppmの範囲になるようにCuイオンを含む溶液を添加混合して第1混合液を調製する工程と、前記第1混合液に粒状の不溶性タンニンゲルからなる吸着剤を添加混合して第2混合液を調製する工程と、前記第2混合液の温度を30〜60℃の範囲に保持して前記第2混合液に含まれるAu元素を前記吸着剤に吸着する工程と、前記Au元素を吸着した吸着剤を前記第2混合液から分離する工程と、前記第2混合液から分離した前記Au元素を吸着した吸着剤を焼却処理してAuを回収する工程とを含むAu元素の回収方法である。
また本発明の第2の観点は、Au及びAgを含む元素を、Au元素とAg元素を合計して1〜5.67ppmの濃度で含み、かつNaの塩を、1〜2mol/Lの濃度で含む溶液にCu濃度が2〜10ppmの範囲になるようにCuイオンを含む溶液を添加混合して第1混合液を調製する工程と、前記第1混合液の温度を30〜60℃の範囲に保持する工程と、粒状の不溶性タンニンゲルからなる吸着剤をカラムに充填し前記カラムの温度を30〜60℃の範囲に保持する工程と、前記温度に保持したカラムに前記温度に保持した第1混合液を通して前記第1混合液に含まれるAu元素を前記吸着剤に吸着する工程と、前記カラムから取り出した前記Au元素を吸着した吸着剤を焼却処理してAuを回収する工程とを含むAu元素の回収方法である。
本発明の第1の観点の回収方法では、Au及びAgを含む被処理溶液に2〜10ppmの極微量のCuイオンをドープすることにより、被処理溶液にNaの塩、即ちClイオン、NO イオン、SO 2−イオンとその対イオンであるNaイオンが高濃度に含まれていても、タンニンゲルは被処理溶液からAuを高い速度で吸着しかつ保持することができる。現時点ではその技術的理由は明らかでないが、次のように推察される。
Au或いはAgイオンのタンニン分子への吸着は、タンニン分子とこれらイオン間の酸化・還元ポテンシャルの差異によって生じるタンニン分子の酸化に起因してタンニン分子から放出される電子によりAu或いはAgイオンが還元されることを理論的に明らかにしている。従って、この電子授受の速度がAu或いはAgの吸着/還元能力に影響を及ぼし、液性が高塩濃度になると吸着/還元能力が低下する現象が現れる。
一方、溶液中において、Cuイオンは一価と二価の形態(Cuイオンの酸化・還元サイクル)をとると考えられ、上記のタンニン分子の酸化により放出した電子を、Cuイオンの酸化・還元サイクルを介して、効率よくAuイオンに移動させる働きをする結果、Auイオンの還元は、Cuイオンが存在しない場合に比べて、より迅速に進行すると推察される。そして、この効果がAgイオンよりもAuイオンに対して有効に現れるため、Auイオンの吸着/還元能力が回復するものと考えられる。
本発明の第2の観点の回収方法では、第1の観点の回収方法と同じ理由で、被処理溶液に2〜10ppmの極微量のCuイオンをドープすることにより、AuとAgを含む被処理溶液にNaの塩が高濃度に含まれていても、タンニンゲルは被処理溶液からAuを高い速度で吸着しかつ保持することができる。
次に本発明を実施するための形態を説明する。
<第1の実施の形態>
<不溶性タンニンゲルの製造方法>
本発明の回収方法に用いる吸着剤である不溶性タンニンゲル(Tannin Gel;TG)は、以下の化学式(1)に示すように、水溶性の縮合型ワットルタンニン分子を塩基性下においてホルムアルデヒドで架橋することにより、製造される。
Figure 0006051845
具体的には、ワットルタンニン分子を水酸化ナトリウム水溶液中に加えて、室温で撹拌することによりワットルタンニンの溶解液を調製する。この溶解液に架橋剤としてホルムアルデヒドを添加し、室温で撹拌した後、70〜80℃の高温で静置することによってゲル化を行う。そして、ゲル化して得られた塊状のタンニンゲルを破砕し、破砕物を篩い分けした後に、蒸留水と硝酸で洗浄し、凍結乾燥する。このような手順によって粒状のタンニンゲルが得られる。なお、篩い分けして得られるタンニンゲルの粒径は、125〜250μmの範囲に制御することが好ましい。
縮合型ワットルタンニンは、自然界に豊富に存在し、また、多数のポリフェニル基を有することから、金属イオンに対して高い親和性を示す。なお、式(1)に示されるワットルタンニン分子は推定化学構造であり、ワットルタンニン分子は、Phloroglucinolic、resorcinolic又はpyrogallolicの形態をとるA環状と、catecholic又はpyrogallolicの形態をとるB環状で構成されている。A環状がPhloroglucinolicの形態をとる場合はRがOH及びRがHを、resorcinolicの形態をとる場合はR,RがともにHを、pyrogallolicの形態をとる場合はRがH及びRがOHをとり、B環状がcatecholicの形態をとる場合はRがHを、pyrogallolicの形態をとる場合はRがOHをとる。A環状は強い求核性を有することからホルムアルデヒドと反応し易く、容易にゲル化する。一方、B環状はオルソ水酸基を有していることから、多くの一般金属、重金属、白金族、貴金属、ランタノイド、アクチノイド等と複合体を形成する。このように、タンニン分子をゲル化することにより、水に可溶なタンニン分子を不溶化することができ、また、柔軟性のある3次元ネットワークが形成される。タンニン分子を不溶化したタンニンゲルは、安価である上、C,H,Oのみから構成される低環境負荷型の吸着剤となる。
<不溶性タンニンゲルによるAu元素の回収方法>
本発明の処理対象となる溶液、即ち被処理溶液は、Au及びAgを含む元素とNaの塩を含む溶液である。この溶液のAg/Auの濃度比は0.6〜3の範囲にある。これらの溶液は、Au、Ag元素を取り扱う湿式プロセスにおいて、Au、Ag元素を微量に含有する高塩濃度の排水や工程内の溶液であって、pHは1〜7の範囲にある。溶液に含まれるAu元素とAg元素の濃度は合計で1〜5ppmの範囲内が実在溶液として一般的である。Naの塩としては、NaCl、NaNO、NaSO等が例示される。前記塩の陰イオン濃度は、Clは0〜1mol/L、NO は0〜1mol/L、SO 2−は0〜1mol/Lの各範囲にある。
先ず、上記被処理溶液にCu濃度が2〜10ppm、好ましくは2〜7ppmの範囲になるようにCuイオンを含む溶液を添加混合して第1混合液を調製する。ここでCuイオンを含む溶液としては、CuCl、Cu(NO)、CuSO等が例示される。Cu濃度が上記下限値未満では、吸着剤によるAuの吸着能が低下し、上記上限値を超えると、被処理溶液のCu除去のための処理が必要となり廃液処理費用が高価になる。Cu濃度は原子量の関係からAu濃度の1〜3倍程度が適当である。しかしながら廃液処理を考慮するとCuの添加量は少ない方が好ましい。
次いで、上記第1混合液に上記粒状の不溶性タンニンゲルからなる吸着剤を添加混合して第2混合液を調製する。そして、吸着剤を添加混合した第2混合液の温度を30〜60℃の範囲に保持してこの第2混合液に含まれるAu元素を上記吸着剤に吸着する。
この第1の実施の形態に係る方法はバッチ式であって、第1混合液を容器に入れ、不溶性タンニンゲルからなる吸着剤を第1混合液に添加した後、溶液の温度を30〜60℃の範囲に保温した状態で撹拌するか、又は振り混ぜる。
このバッチ式の場合、第1混合液に対する不溶性タンニンゲルからなる吸着剤の添加量は、上記被処理溶液中に含まれるAu元素とAg元素の濃度に依存するが、好ましくは第1混合液10〜100mlに対して乾燥重量で1gである。
粒状の不溶性タンニンゲルからなる吸着剤を第1混合液に添加した後、上記温度範囲に保温した状態で好ましくは2時間以上十分に撹拌するか、或いは振り混ぜる。
Au及びAgを含む元素とNaの塩を含む被処理溶液にCuイオンをドープして得られた第1混合液に上記粒状の不溶性タンニンゲルを添加混合し、これにより得られた第2混合液を上記温度範囲に保温することにより従来、Cuイオンをドープしない場合に比べて、Au元素を高効率に、かつ短時間で吸着することができる。
第2混合液の温度を保温するのは、溶液の温度が高ければ高いほど吸着剤へのAu元素の吸着速度が速くなるためであり、30℃以上であれば、第2混合液と吸着剤との接触時間が短くてすむため、回収に好適である。このうち、第2混合液の温度を40〜60℃の範囲内に保温することが、吸着剤へのAu元素の吸着速度が高く、かつ溶液の取扱い安全性の観点から特に好ましい。なお、上記温度未満であっても、10℃以上40℃未満の範囲内であれば、第2混合液と吸着剤との接触時間を長くすれば、吸着剤にAu元素を吸着させることは可能であるが、回収効率が低く、また時間がかかり分離操作の効率が悪い。第2混合液の温度が60℃を超えると、溶液加熱・保温のための費用が増加し好ましくない。
次に、Au元素を吸着した吸着剤を第2混合液から分離する。分離する方法としては、ろ紙、可燃性ポリプロピレン製のフィルタ、或いは粒状の不溶性タンニンゲルのみが通過できない目開きを有するステンレス鋼製のスクリーンが採用される。
更に、第2混合液から分離したAu元素を吸着した吸着剤を焼却処理してAu元素を回収する。ろ紙や可燃性フィルタで不溶性タンニンゲルからなる吸着剤を分離した場合には、ろ紙やフィルタとともに不溶性タンニンゲルを焼却することにより、Au元素のみを回収することができる。ステンレス鋼製スクリーンを使用する場合には、不溶性タンニンゲルの粒径が0.5mm以上あれば、目開きが0.2〜0.3mm程度のスクリーンが選ばれ、分離した不溶性タンニンゲルを直接焼却することにより、Au元素のみを回収することができる。
以上の工程を経ることにより、Au元素とAg元素を取り扱う湿式プロセスにおいて生じたAu元素とAg元素を含む溶液から、Au元素を吸着剤へ吸着させて溶液から効率的に分離し、回収することで、Au元素の再資源化を図ることができる。
<第2の実施の形態>
この第2の実施の形態に係る方法はカラム式である。
先ず、Au及びAgを含む元素とNaの塩を含む被処理溶液にCu濃度が2〜10ppmの範囲になるようにCuイオンを含む溶液を添加混合して第1混合液を調製する。次いで、第1混合液の温度を30〜60℃の範囲に保持する。この第1混合液の調製工程及び第1混合液の保温工程は上記第1の実施の形態における第1混合液の調製工程及び第1混合液の保温工程と同一である。
次に、粒状の不溶性タンニンゲルからなる吸着剤を鉛直方向に長い筒体からなるカラム内に所定の割合で充填し、第1混合液だけでなく、吸着剤を充填したカラムも30〜60℃の範囲に保温する。吸着剤を充填したカラムは、第1混合液の温度と同程度の温度となるように保温することが好ましい。そして、保温した状態の吸着剤を充填したカラムに保温した第1混合液を任意の流速で通液することにより、第1混合液に含まれるAu元素をカラム内の吸着剤に吸着させる。カラムへ通液する第1混合液の流速は、第1混合液中に含まれるAu元素とAg元素の濃度、第1混合液のCu濃度、カラムの内径や長さ、充填した吸着剤の容量によっても多少前後するが、例えば、Au元素濃度を1〜5ppmに調整した溶液に対して、内径15〜20mm及び長さ15〜20cmのカラムに、吸着剤を7.7〜18gの割合で充填した場合、カラムへ通液する溶液の流速は、0.35〜5.4ml/minとすることが好ましい。
次に、カラム内部でAu元素を吸着させた吸着剤に純水などを通液させて吸着剤を洗浄し、カラムに加熱した乾燥空気を通過させて吸着剤を乾燥させた後、乾燥した吸着剤をカラム内部より取出し、吸着剤を焼却処理してAu元素を回収する。この回収工程は上記第1の実施の形態における回収工程と同一である。
この第2の実施の形態では、第1混合液と吸着剤との接触が第1混合液をカラムに通じることにより行われるため、第1の実施の形態における分離工程を施す必要がなく、回収の際の第1混合液や吸着剤の取扱いがより簡便となる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
〔不溶性タンニンゲルの調製〕
先ず、ワットルタンニン分子28gを0.25mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液50ml中に加えて、室温で24時間撹拌することによりワットルタンニンの溶解液を調製した。この溶解液に架橋剤として37質量%のホルムアルデヒド6mlを添加し、室温で1.5時間撹拌した後、80℃(353K)で12時間静置することによってゲル化を行った。そして、ゲル化して得られた塊状のタンニンゲルを破砕し、破砕物を125〜250μmに篩い分けした後に、蒸留水と0.05mol/Lの硝酸で洗浄し、凍結乾燥することにより、粒状のタンニンゲル(TG)を得た。
〔被処理溶液としての模擬液No.1とNo.2の内容〕
AuイオンとAgイオンを微量に含みかつNaの塩、即ちClイオン、NO イオン、SO 2−イオンとその対イオンであるNaイオンを1.2mol/Lの濃度で含む表1に示す模擬液No.1を用意した。
Figure 0006051845
AuイオンとAgイオンを微量に含みかつNaの塩、即ちClイオン、NO イオン、SO 2−イオンとその対イオンであるNaイオンを1.75mol/Lの濃度で含む表2に示す模擬液No.2を用意した。
Figure 0006051845
<実施例1、2>
上記No.1及びNo.2の模擬液50mlに、上記調製した不溶性タンニンゲル(TG)を0.1g投入し、Cu源としてCuSOを添加した上で、振とう恒温槽でバッチ式で吸着試験を行った。溶液の温度は60℃に保持し、任意の時間ごとに溶液を1mlずつサンプリングし、孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した後、蒸留水4mlで希釈し、ICPによりAu、Agの濃度を測定した。これらを実施例1及び2とした。
<比較例1、2>
上記No.1及びNo.2の模擬液50mlに、Cu源を何も添加しない以外は、実施例1及び2と同様にして、吸着試験を行い、実施例1及び2と同様にAu、Agの濃度を測定した。これらを比較例1及び2とした。実施例1、2及び比較例1、2の内容及びその測定結果を表3に示す。
Figure 0006051845
表3から明らかなように、実施例1及び2では、No.1及びNo.2のそれぞれの模擬液にCuをドープしてこれらの模擬液を不溶性タンニンゲルからなる吸着剤と接触させることにより、Naの塩、即ちClイオン、NO イオン、SO 2−イオンとその対イオンであるNaイオンを1.2mol/L又は1.75mol/Lの高濃度に含む模擬液であっても、不溶性タンニンゲルのAuの吸着速度が、Cuをドープしない比較例1及び2と比較して、改善されるのが判った。なお、実施例1、2及び比較例1、2の吸着剤はAuのみを吸着しAgを吸着しなかった。
<実施例3>
上述したNo.2の模擬液50mlに、不溶性タンニンゲルとシリカを複合化した吸着剤を0.1g投入し、Cu源としてCuSOを添加した上で、振とう恒温槽でバッチ式で吸着試験を行った。溶液の温度は60℃に保持し、任意の時間ごとに溶液を1mlずつサンプリングし、孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した後、蒸留水4mlで希釈し、ICPによりAu、Agの濃度を測定した。これを実施例3とした。
<比較例3>
上記No.2の模擬液50mlに、Cu源を何も添加しない以外は、実施例3と同様にして、吸着試験を行い、実施例3と同様にAu、Agの濃度を測定した。これらを比較例3とした。実施例3及び比較例3の内容及びその測定結果を表4に示す。
Figure 0006051845
表4から明らかなように、実施例3では、No.2の模擬液にCuイオンをドープしてこの模擬液を不溶性タンニンゲルとシリカを複合化した吸着剤と接触させることにより、Naの塩、即ちClイオン、NO イオン、SO 2−イオンとその対イオンであるNaイオンを1.75mol/Lの高濃度に含む模擬液であっても、不溶性タンニンゲルのAuの吸着速度が、Cuイオンをドープしない比較例3と比較して、改善されるのが判った。なお、実施例3及び比較例3の吸着剤はAuのみを吸着しAgを吸着しなかった。
本発明のAu元素の回収方法は、Au元素とAg元素を取り扱う湿式プロセスにおいて、Au元素とAg元素を微量に含有する高塩濃度の排水や工程内の溶液からAuを選択的に分離する工程に利用することができる。

Claims (2)

  1. Au及びAgを含む元素を、Au元素とAg元素を合計して1〜5.67ppmの濃度で含み、かつNaの塩を、1〜2mol/Lの濃度で含む溶液にCu濃度が2〜10ppmの範囲になるようにCuイオンを含む溶液を添加混合して第1混合液を調製する工程と、
    前記第1混合液に粒状の不溶性タンニンゲルからなる吸着剤を添加混合して第2混合液を調製する工程と、
    前記第2混合液の温度を30〜60℃の範囲に保持して前記第2混合液に含まれるAu元素を前記吸着剤に吸着する工程と、
    前記Au元素を吸着した吸着剤を前記第2混合液から分離する工程と、
    前記第2混合液から分離した前記Au元素を吸着した吸着剤を焼却処理してAuを回収する工程と
    を含むAu元素の回収方法。
  2. Au及びAgを含む元素を、Au元素とAg元素を合計して1〜5.67ppmの濃度で含み、かつNaの塩を、1〜2mol/Lの濃度で含む溶液にCu濃度が2〜10ppmの範囲になるようにCuイオンを含む溶液を添加混合して第1混合液を調製する工程と、
    前記第1混合液の温度を30〜60℃の範囲に保持する工程と、
    粒状の不溶性タンニンゲルからなる吸着剤をカラムに充填し前記カラムの温度を30〜60℃の範囲に保持する工程と、
    前記温度に保持したカラムに前記温度に保持した第1混合液を通して前記第1混合液に含まれるAu元素を前記吸着剤に吸着する工程と、
    前記カラムから取り出した前記Au元素を吸着した吸着剤を焼却処理してAuを回収する工程と
    含むAu元素の回収方法。
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