JP6051748B2 - 樹脂製保持器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受、球面ころ軸受若しくは針状ころ軸受等のころ軸受又は深溝玉軸受若しくはアンギュラ玉軸受等の玉軸受に用いられる保持器を、ガラス繊維や炭素繊維等の強化材を充填した熱可塑性樹脂を射出成形して製造する樹脂製保持器の製造方法に関するものである。
ころ軸受は、玉軸受よりもラジアル荷重の負荷能力が大きく、転動体として円筒状のころ(円筒ころ)が組み込まれた円筒ころ軸受は、高速回転に適していることから、旋盤、フライス盤及びマシニングセンタ等の工作機械主軸等の回転支持部に、転動体として円錐台状のころ(円錐ころ)が組み込まれた円錐ころ軸受は、ラジアル荷重及びアキシャル(スラスト)荷重の合成荷重を支持することができることから、自動車及び鉄道車輌並びに建設機械等の各種機械装置における駆動装置、歯車減速装置及び動力伝達装置等の回転支持部に広く使用されている。
このようなころ軸受に用いられる、ガラス繊維や炭素繊維等の強化材を充填した熱可塑性樹脂を射出成形した樹脂製保持器は、鋼板をプレス成形した金属製保持器に対して軽量性及び量産性に優れること並びに金属磨耗粉等の発生が無いこと等の長所がある反面、金属製保持器よりも強度及び剛性が劣ることから、強度及び剛性を高める必要がある。
このような観点から、強度及び剛性を高めるために製品寸法を大型化しながら、ボイド等の発生を抑制して強度及び寸法精度の低下を阻止するように工夫したころ軸受用樹脂製保持器として、円環部や柱部に肉盗み部を設けて肉厚を薄くし、かつ肉厚を略均一化したものがある(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特開2003−287033号公報 特開2006−070926号公報
特許文献1及び2のころ軸受用樹脂製保持器において円環部に形成される肉盗み部は、円環部の軸方向の外側面又は内側面を周方向に長い矩形状に凹ませたものであり、例えば各柱部にゲートを配置して射出成形を行うと、隣り合う柱部間の円環部において、特許文献1の構成では肉盗み部の周方向の中央部の近傍で溶融樹脂が合流し、特許文献2の構成では肉盗み部間の補強部の位置で溶融樹脂が合流し、径方向に対して直線的なウェルドライン(ウェルド面)が現れる。
このようなウェルドラインは強度が低下するものであるが、上述のゲート配置により柱部及びポケット孔のコーナー部を回避してウェルドラインが形成されること、並びに、肉盗み部を設けて肉厚を薄くし、かつ肉厚を略均一化していることから、保持器の強度及び精度の低下を抑制する一定の効果を奏するものである。
しかしながら、さらに強度及び精度を向上するように、ころ軸受用樹脂製保持器に対する要求仕様が厳しくなっている昨今の状況下においては、特許文献1及び2のような肉盗み部が形成されたころ軸受用樹脂製保持器に対しても改良のニーズがある。
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、従来の肉盗み部が形成された樹脂製保持器よりも強度及び精度を向上することができる樹脂製保持器の製造方法を提供する点にある。
本願の発明者は、例えば図15に示すような円環部の軸方向外側面を周方向に長い矩形状に凹ませた形状の肉盗み部が形成された従来の樹脂製保持器(円筒ころ軸受用樹脂製保持器)を基にして肉厚変更を行うとともに、種々の肉盗み部のデザイン案についても解析及び実験を行い、肉盗み部のデザインによって、射出成形における溶融樹脂の流れを円環部内の合流部で乱すことができ、それにより径方向に対して直線的なウェルドライン(ウェルド面)が形成されなくなって強度及び精度の向上に繋がるという着想を得、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る樹脂製保持器の製造方法は、前記課題解決のために、軸方向に離間した一対の円環部を、転動体であるころ又は玉の外周面に摺接する複数の柱部により繋ぎ、前記ころ又は玉を収容するポケット孔が隣り合う前記柱部間に周方向等分に形成された形状を成す保持器を、ガラス繊維や炭素繊維等の強化材を充填した熱可塑性樹脂を射出成形して製造する樹脂製保持器の製造方法であって、前記柱部の各々の内面にゲートを配置し、前記ゲートから溶融した前記熱可塑性樹脂を射出して樹脂製保持器を成形する射出成形工程を含み、前記射出成形における溶融樹脂の流れが前記円環部の周方向の合流部で乱れるように、前記一対の円環部の軸方向外側面に周方向繰り返し形状の肉盗み部を形成してなることを特徴とする。
ここで、前記周方向繰り返し形状の肉盗み部が、軸方向視において、三角形状の肉盗み部を組み合わせた径方向1段又は複数段のトラス状であると好ましい。
また、前記周方向繰り返し形状の肉盗み部が、軸方向視において、六角形状の肉盗み部を組み合わせた径方向1段又は複数段のハニカム状であってもよい。
さらに、前記周方向繰り返し形状の肉盗み部が、軸方向視において、矩形状の肉盗み部を組み合わせた径方向複数段のブロック段違い積み状であってもよい。
さらにまた、前記柱部の周方向中心を通る軸方向及び径方向を含む面と前記円環部の軸方向外側面との交線に対して線対称にならないように、前記周方向繰り返し形状の肉盗み部を形成してなると好ましい。
以上のように、本発明に係る樹脂製保持器の製造方法によれば、射出成形における溶融樹脂の流れが円環部の周方向の合流部で乱れるように、一対の円環部の軸方向外側面に周方向繰り返し形状の肉盗み部を形成しているので、溶融樹脂の合流部に径方向に対して直線的なウェルドライン(ウェルド面)が形成されなくなり、ウェルドラインがジグザグ状になるため、従来形状の肉盗み部が形成された樹脂製保持器と比較して、強度及び精度を向上することができる樹脂製保持器が得られるという顕著な効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る樹脂製保持器(円筒ころ軸受用樹脂製保持器)の斜視図である。 円環部の平面図である。 円環部の要部拡大平面図である。 図3の矢視R1−R1断面図である。 (a)は周方向繰り返し形状の肉盗み部が柱部の周方向中心を通る軸方向及び径方向を含む面と円環部の軸方向外側面との交線に対して線対称になる場合を、(b)は周方向繰り返し形状の肉盗み部が柱部の周方向中心を通る軸方向及び径方向を含む面と円環部の軸方向外側面との交線に対して線対称にならない場合を示す要部拡大平面図であり、(c)は三角形状の肉盗み部の詳細形状を示す要部拡大平面図である。 本発明の実施の形態2に係る樹脂製保持器(円筒ころ軸受用樹脂製保持器)の斜視図である。 円環部の平面図である。 円環部の要部拡大平面図である。 (a)は図8の矢視R2−R2断面図、(b)は図8の矢視R3−R3断面図である。 本発明の実施の形態3に係る樹脂製保持器(円筒ころ軸受用樹脂製保持器)の斜視図である。 円環部の平面図である。 円環部の要部拡大平面図である。 (a)は図12の矢視R4−R4断面図、(b)は図12の矢視R5−R5断面図である。 強度試験の説明図であり、(a)は引張強度試験1を、(b)は引張強度試験2を、(c)は圧縮強度試験を示している。 従来の樹脂製保持器(円筒ころ軸受用樹脂製保持器)の円環部の平面図である。 樹脂充填のシミュレーション結果を示す要部拡大斜視図であり、(a)は従来形状(矩形1段)の場合、(b)は新形状(ハニカム)の場合を示している。
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
本発明の樹脂製保持器の大きさは、例えば、内径は150mm以上、外径は300mm以下、高さは100mm以下のものであり、肉厚が2mm未満である場合は溶融樹脂の流動性が低下する懸念があり、肉厚を2mmよりも大きくしても精度向上効果が薄いため、肉厚を約2mmにするのが好ましく、肉厚の上限としては3mm程度が目安になる。
また、射出成形に用いるガラス繊維や炭素繊維等の強化材を充填した熱可塑性樹脂としては、例えばナイロン66にガラス繊維を25重量パーセント添加した樹脂材料を使用することができるが、熱可塑性樹脂の種類並びに強化繊維の種類及び充填率は上記例に限定されるものではない。
なお、本発明の実施の形態に係る樹脂製保持器である円筒ころ軸受用樹脂製保持器を円筒ころ軸受に装着した際における軸受の軸方向を軸方向、径方向を径方向とし、本発明の実施の形態に係る樹脂製保持器である円筒ころ軸受用樹脂製保持器において、軸方向を鉛直にした状態で側方から見た図を正面図とする。
(実施の形態1)
図1の斜視図に示すように、本発明の実施の形態1に係る樹脂製保持器である円筒ころ軸受用樹脂製保持器1は、軸方向に離間した一対の円環部2,3を、転動体である図示しない円筒ころの外周面に摺接する複数の柱部4,4,…により繋ぎ、円筒ころを収容するポケット孔P,P,…が隣り合う柱部4,4間に周方向等分に形成された形状を成し、すなわち図1の例では、14本の柱部4,4,…及び14個のポケットP,P,…があり、円環部2,3の軸方向外側面2A,3Aには、それぞれに周方向繰り返し形状の肉盗み部5が形成されており、14本全ての柱部4,4,…の軸方向長さの中央部内面側をゲート位置G,G,…として、ガラス繊維や炭素繊維等の強化材を充填した熱可塑性樹脂を射出成形して製作される。
周方向繰り返し形状の肉盗み部5は、図2の平面図、図3の要部拡大平面図及び図4の断面図に示すように、円環部2(円環部3も同様)の軸方向外側面を三角形状に凹ませた、軸方向視において三角形状の肉盗み部6,6,…を組み合わせた径方向1段のトラス状とされる。
また、図3及び図4に示す肉厚D1は例えば2mmとする。
樹脂材料をナイロン66にガラス繊維を25重量パーセント添加したものとし、上述のように柱部4,4,…内面の14点にゲートを配置して、図1の円筒ころ軸受用樹脂製保持器1を射出成形により製作する場合について、樹脂流動解析(繊維配向解析)を行った結果、円環部2,3内の合流部で溶融樹脂の流れが乱されており、径方向に対して直線的なウェルドライン(ウェルド面)が形成されないことが確認できた。
また、図5(a)の要部拡大平面図のように周方向繰り返し形状の肉盗み部5の形状(三角形状の肉盗み部6,6,…の形状)が柱部4の周方向中心を通る軸方向及び径方向を含む面と円環部2,3の軸方向外側面2A,3Aとの交線Lに対して線対称になる場合よりも、図5(b)の要部拡大平面図のように周方向繰り返し形状の肉盗み部5の形状(三角形状の肉盗み部6,6,…の形状)が交線Lに対して線対称にならない場合の方が、円環部2,3内の合流部で溶融樹脂の流れが乱される程度が大きいことがわかった。
なお、周方向繰り返し形状の肉盗み部5の形状(三角形状の肉盗み部6,6,…の形状)は、円環部2,3内における溶融樹脂の全ての合流部の位置に対して同一形状にするのが好ましいため、三角形状の肉盗み部6,6,…の数は、ポケット孔P,P,…の数(柱部4,4,…の数)の倍数であるのが好ましく、図5(a)及び(b)の例では、三角形状の肉盗み部6,6,…の数を、ポケット孔P,P,…の数(柱部4,4,…の数)の4倍としている。
また、図5(c)の要部拡大平面図に示す隅部の曲率半径rは、肉厚D1の25%以上、75%以下とするのが一般的であり、肉厚D1=2mmとしているので、0.5mm≦r≦1.5mmとするのが好ましく、本実施の形態では、r=0.5mmとしている。
さらに、図5(c)に示す三角形状の肉盗み部6の頂角A1,A2は、A1≧60°,A2≧60°ではウェルド横断効果があり、A1<60°,A2<60°では精度向上効果が薄くなるため、A1≧60°,A2≧60°としながら、バランスの良い正三角形になるべく近づけるのが好ましい。
(実施の形態2)
図6の斜視図に示す本発明の実施の形態2に係る樹脂製保持器である円筒ころ軸受用樹脂製保持器1は、実施の形態1の円筒ころ軸受用樹脂製保持器1と周方向繰り返し形状の肉盗み部5のみが異なっている。
すなわち実施の形態2の円筒ころ軸受用樹脂製保持器1の周方向繰り返し形状の肉盗み部5は、図7の平面図、図8の要部拡大平面図及び図9の断面図に示すように、円環部2(円環部3も同様)の軸方向外側面を六角形状に凹ませた、軸方向視において六角形状の肉盗み部7,7,…を組み合わせた径方向1段のハニカム状とされ、隣り合う肉盗み部7,7の周壁間は、径方向の内壁と外壁の間に位置する周方向に延びる中間壁9で連結される。
また、図8及び図9に示す肉厚D1は例えば2mmとする。
樹脂材料をナイロン66にガラス繊維を25重量パーセント添加したものとし、実施の形態1と同様に柱部4,4,…内面の14点にゲートを配置して、図6の円筒ころ軸受用樹脂製保持器1を射出成形により製作する場合について、樹脂流動解析(繊維配向解析)を行った結果、実施の形態1と同様に円環部2,3内の合流部で溶融樹脂の流れが乱されており、径方向に対して直線的なウェルドライン(ウェルド面)が形成されないことが確認できた。
(実施の形態3)
図10の斜視図に示す本発明の実施の形態3に係る樹脂製保持器である円筒ころ軸受用樹脂製保持器1は、実施の形態1の円筒ころ軸受用樹脂製保持器1と周方向繰り返し形状の肉盗み部5のみが異なっている。
すなわち実施の形態3の円筒ころ軸受用樹脂製保持器1の周方向繰り返し形状の肉盗み部5は、図11の平面図、図12の要部拡大平面図及び図13の断面図に示すように、円環部2(円環部3も同様)の軸方向外側面を矩形状に凹ませた、軸方向視において、矩形状の肉盗み部8,8,…を組み合わせた径方向2段のブロック段違い積み状とされる。
また、図12及び図13に示す肉厚D1は例えば2mmとする。
樹脂材料をナイロン66にガラス繊維を25重量パーセント添加したものとし、実施の形態1と同様に柱部4,4,…内面の14点にゲートを配置して、図10の円筒ころ軸受用樹脂製保持器1を射出成形により製作する場合について、樹脂流動解析(繊維配向解析)を行った結果、実施の形態1と同様に円環部2,3内の合流部で溶融樹脂の流れが乱されており、径方向に対して直線的なウェルドライン(ウェルド面)が形成されないことが確認できた。
<実験例>
樹脂材料をナイロン66にガラス繊維を25重量パーセント添加したものとし、14点ゲートの射出成形により、外径が194.2mm、内径が168.4mm、高さが10.7mmの円環部のみを製作して円環部試験片Aとし、この試験片を用いて、外径真円度及び内径真円度並びに引張強度及び圧縮強度を測定した。
引張強度については、図14(a)及び図14(b)に示す半円状の治具B1,B2を試験片Aの内径にセットして引張試験機を用いて行い、図14(a)に示す引張方向に直交する対向位置がゲート位置G,Gである引張強度試験1(表1の「引張強度1」)、及び、図14(b)に示す引張方向に直交する対向位置が合流部(ウェルド位置)W,Wである引張強度試験2(表1の「引張強度2」)を実施した。
また、圧縮強度については、図14(c)に示す圧縮試験機C1,C2を用いて、圧縮方向に直交する対向位置がゲート位置G,Gである場合について圧縮強度試験を実施した。
(実施例)
実施例として、いずれも肉厚D1を2mmとした、実施の形態1の周方向繰り返し形状の肉盗み部5(トラス)、実施の形態2の周方向繰り返し形状の肉盗み部5(ハニカム)及び実施の形態3の周方向繰り返し形状の肉盗み部5(矩形2段)を形成した円環部試験片Aを用いた。
(比較例)
比較例として、図15の従来形状(矩形1段)の円環部試験片Aとして、従来製品に相当する肉厚D2を6mmとしたもの、並びに、肉厚D2を3mmとしたもの及び肉厚D2を2mmとしたものを用いた。
(実験結果及び考察)
表1に示すように、従来形状(矩形1段)において、真円度は、従来製品に相当する肉厚6mmから肉厚を3mm、2mmと小さくすることにより向上することがわかる。
また、引張強度及び圧縮強度は、従来製品に相当する肉厚6mmから肉厚を3mmにすると向上するが、肉厚を2mmにすると引張強度は向上するが圧縮強度は大幅に低下することがわかる。
さらに、新形状である実施の形態1のトラス、実施の形態2のハニカム及び実施の形態3の矩形2段については、真円度は、従来製品に相当する肉厚6mmのものよりも向上しており、引張強度及び圧縮強度は、トラス及びハニカムは向上し、矩形2段は、引張強度は向上するが圧縮強度は若干低下することがわかる。
なお、新形状と同じ肉厚である従来形状(矩形1段)の肉厚2mmのものと比較して、新形状(トラス、ハニカム、矩形2段)は、引張強度及び圧縮強度が大幅に向上しているが、この理由は、上述のとおり円環部2,3内の合流部で溶融樹脂の流れが乱されており、径方向に対して直線的なウェルドライン(ウェルド面)が形成されなくなり、ウェルドラインがジグザグ状になるためであると考えられる。
すなわち、ウェルドラインとともに樹脂充填の途中状態を示したシミュレーション結果である図16の要部拡大斜視図において、(a)の従来形状(矩形1段)の場合は、溶融樹脂の合流部に径方向に対して直線的なウェルドライン(ウェルド面)が形成されているのに対し、新形状の例として示す(b)のハニカムの場合は、溶融樹脂の合流部に径方向に対して直線的なウェルドライン(ウェルド面)が形成されておらず、ウェルドラインがジグザグ状になっている。
以上のような実験結果から、周方向繰り返し形状の肉盗み部5を繊維配向を考慮してデザインした新形状(トラス、ハニカム、矩形2段)によれば、従来形状で肉厚を薄くするよりも、精度及び強度をバランスよく向上させることができることがわかる。
よって、このような新形状による薄肉化により、精度及び強度をバランスよく向上させながら、材料を削減することができるため軽量化及びコスト削減も実現することができる。
以上の説明においては、円環部2,3の軸方向外側面に形成する周方向繰り返し形状の肉盗み部5を、繊維配向を考慮してデザインした新形状として、軸方向視において、(実施の形態1)三角形状の肉盗み部を組み合わせた径方向1段のトラス状、(実施の形態2)六角形状の肉盗み部を組み合わせた径方向1段のハニカム状、(実施の形態3)矩形状の肉盗み部を組み合わせた径方向2段のブロック段違い積み状、とした場合を示したが、ころ軸受用樹脂製保持器の大きさによっては、上記トラス状のもの及びハニカム状のものを径方向2段以上としてもよく、上記矩形状の肉盗み部を組み合わせた径方向2段のブロック段違い積み状のものを径方向3段以上としてもよく、波形形状等の他の形状であってもよく、射出成形における溶融樹脂の流れが円環部2,3の周方向の合流部で乱れるものであればよい。
また、以上の説明においては、円筒ころ軸受用樹脂製保持器1について説明したが、本発明は円錐ころ軸受、球面ころ軸受、針状ころ軸受等のころ軸受用樹脂製保持器に対しても適用することができるとともに、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受用樹脂製保持器に対しても適用することができる。
A 円環部試験片
A1,A2 頂角
B1,B2 治具
C1,C2 圧縮試験機
D1,D2 肉厚
L 柱部の周方向中心を通る軸方向及び径方向を含む面と円環部の軸方向外側面との交線
P ポケット孔
G ゲート位置
W 合流部(ウェルド位置)
r 隅部の曲率半径
1 円筒ころ軸受用樹脂製保持器
2,3 円環部
2A,3A 軸方向外側面
4 柱部
5 周方向繰り返し形状の肉盗み部
6 三角形状の肉盗み部
7 六角形状の肉盗み部
8 矩形状の肉盗み部
9 周方向中間壁
10 矩形状の肉盗み部

Claims (5)

  1. 軸方向に離間した一対の円環部を、転動体であるころ又は玉の外周面に摺接する複数の柱部により繋ぎ、前記ころ又は玉を収容するポケット孔が隣り合う前記柱部間に周方向等分に形成された形状を成す保持器を、ガラス繊維や炭素繊維等の強化材を充填した熱可塑性樹脂を射出成形して製造する樹脂製保持器の製造方法であって、
    前記柱部の各々の内面にゲートを配置し、前記ゲートから溶融した前記熱可塑性樹脂を射出して樹脂製保持器を成形する射出成形工程を含み、
    前記射出成形における溶融樹脂の流れが前記円環部の周方向の合流部で乱れるように、前記一対の円環部の軸方向外側面に周方向繰り返し形状の肉盗み部を形成してなることを特徴とする樹脂製保持器の製造方法
  2. 前記周方向繰り返し形状の肉盗み部が、軸方向視において、三角形状の肉盗み部を組み合わせた径方向1段又は複数段のトラス状である請求項1記載の樹脂製保持器の製造方法
  3. 前記周方向繰り返し形状の肉盗み部が、軸方向視において、六角形状の肉盗み部を組み合わせた径方向1段又は複数段のハニカム状である請求項1記載の樹脂製保持器の製造方法
  4. 前記周方向繰り返し形状の肉盗み部が、軸方向視において、矩形状の肉盗み部を組み合わせた径方向複数段のブロック段違い積み状である請求項1記載の樹脂製保持器の製造方法
  5. 前記柱部の周方向中心を通る軸方向及び径方向を含む面と前記円環部の軸方向外側面との交線に対して線対称にならないように、前記周方向繰り返し形状の肉盗み部を形成してなる請求項1〜4の何れか1項に記載の樹脂製保持器の製造方法
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