JP6050799B2 - ステージ装置 - Google Patents
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Description
このため、装置全体として構造が複雑化しバックラッシュが大きくなり、更に、上記駆動支持機構については、雄ねじ部の下方に配置する必要性より、装置全体の高さが大きくなり、その小型化および薄型化に支障を来すという不都合がある。
上記従来例の有する不都合を改善し、特に、簡単な構造の駆動手段を用いて可動ステージの微小単位の上下動およびその設定を可能とした小型化が可能なステージ装置を提供することを、その目的とする。
前記上下動付勢機構が、前記可動ステージの下面側の中央領域に配置され前記基台ステージ上を外力に付勢されて一方向に往復移動する往復移動部材と、この往復移動部材と前記可動ステージとの間に設けられ当該往復移動部材の動作を前記可動ステージの上下方向の動作に変換するクサビ型動作変換機構と、前記基台ステージ上に装備され前記可動ステージが上下動するのを案内する上下動案内機構とを備えた構成とし、
前記可動ステージを保持する保持部材を、前記往復移動部材の両側面にそれぞれ配置すると共に、
前記クサビ型動作変換機構を、前記往復移動部材の両側面と前記各保持部材の内壁面との間に、それぞれ設置したこと、という構成を採っている。
(基本的構成)
まず、図1乃至図4において、符号1は基台ステージを示し、符号2は可動ステージを示す。
この内、基台ステージ1は、装置全体の基盤を成すもので、各構成部材を保持する機能を備えている。又、可動ステージ2は、基台ステージ1上に配設され、下面側の両端部に前記基台ステージ1に向けて一体的に装備された保持部材3,4を備えて構成されている。符号3a,3b,4a,4bは、保持部材3,4を可動ステージ2に固着装備する連結ねじを示す。
更に、装置全体の各構成部材の形状および相互間に位置関係を明らかにするため、図9に、上記図2(A)に開示した装置の全体的な分解斜視図を示す。
尚、図1は上記図4におけるI−I線に沿った縦断面図である。
一方、往復移動部材6の水平移動を0.1〔mm〕とすると、高さ方向への変換値は「0.1〔mm〕×tan8°=0.0141〔mm〕=14.1〔μm〕」となる。
本実施形態におけるステージ装置は、図1乃至図7に示すように、上記した基本的な構成に加えて、更に、往復移動部材6に対してその往復移動を付勢する駆動ねじ機構11と、この駆動ねじ機構11の駆動ねじ11Aが中心線L上を回転移動する場合の移動量をそのまま往復移動部材6に伝達する連結部材12と、を備えている。
符号1Bは、中心線Lに沿って基台ステージ1の前端面(図1の右端面)の中央部に形成された駆動ねじ機構11の要部を成す駆動ねじ11A用のねじ穴を示す(図1,図3参照)。
このため、駆動ねじ機構11から出力される駆動ねじ11Aの往復移動量は、バックラッシュを含まない状態の移動量がそのまま高精度で出力されるようになっている。
この連結部材12は、前述した往復移動部材6の端部(具体的には図1における往復移動部材6の右端面)にその上端部が固着装備されている。符号12A,12Bは、連結部材12を往復移動部材6に一体的に連結する連結ねじを示す。
尚、この場合、駆動ねじ11Aのヘッド部1Bの回転操作に際しては、例えば回転用治具等を使用すると、手動であっても10°間隔程度の設定は可能となっている。
まず、符号12Kは、駆動ねじ11Aのネック部11Cを、ヘッド部11Bと共に上記連結部材12に回転自在に且つ軸方向のガタを排除した状態で連結する位置決めナットを示す。
この場合、ヘッド部11Bは連結部材12の外面に露出した状態に設定され、これによって、オペレータは、上記したように駆動ねじ11Aの回転角度を外部から自在に設定し得るようになっている。
基台ステージ1は、各構成部材を保持し且つその動作を許容する機能を備え、本実施形態では四角形状に形成された一定の厚さの部材により形成されている(図3参照)。
この基台ステージ1は、その四隅の上面角部に水平切除部1a,1a,……を有し、この各水平切除部1aに設けた貫通穴1b,1b,……を介して外部装置へ固定されるようになっている。
この場合、この凹状切除部1Aの開口幅Eは、図2(B)に示すように、連結部材12の対向面の横幅Fよりも幾分大きく(E>Fに)設定されている。
これにより、前述した保持部材3,4が移動ステージ2と共に上下動した場合に、その下端面が基台ステージ1の上面よりも下降することを許容することができ、これによって装置全体の小型化を意図してその高さを抑えた構造となっている。
これにより、往復移動部材6は、駆動ねじ機構11に付勢されて基台ステージ1上を高精度に往復移動し得るように当該基台ステージ1上に組み込まれるようになっている。
そして、この各貫通長穴71A,72Aと係合移動ねじ71B,72Bとにより、二組の移動部材用摺動保持機構71,72が、それぞれ構成されている(図6参照)。
クサビ型動作変換機構17,18は、図1,図4乃至図5に示すように、可動ステージ2の下端面の両側に固着装備された保持部材3,4の内壁面と前述した往復移動部材6の両側面との相互間に、それぞれ設けられている。
これにより、当該保持部材3,4は移動ステージ2と共に下方へ向けて移動することとなる。
この上下動案内機構7乃至10は、前述した移動ステージ2が保持部材3,4と共に上下動するのを案内する機能を備えており、図2(B),図7乃至図8に示すように、本実施形態では四組装備されている。
この四組の各上下動案内機構7乃至10は、各保持部材3,4に二組ずつ係合装備され、当該各保持部材3,4の上下動を二箇所で円滑に案内するように設置されている。
次に、図4乃至6に基づいて移動部材用摺動保持機構71,72を説明する。
この移動部材用摺動保持機構71,72は、基台ステージ1上にあって、その両側領域の各中央部分に設置され、上記往復移動部材6が基台ステージ1から離脱することなく該基台ステージ1を円滑に摺動しつつ移動し得るようにしたものである。
そして、この座ぐり長穴Z1,Z2部分に、前述した各係合移動ねじ71B,72Bのヘッド部が座がね73,74と共に配置されている(図4,図5参照)。
次に、上記実施形態の全体的な動作を、図10乃至図12に従って説明する。
まず、駆動ねじ機構11の要部である駆動ねじ11Aのヘッド部1Bを操作し、右回転させると、該駆動ねじ11Aは、連結部材12を介して往復移動部材6を、基台ステージ1上の水平移動案内キーK1 ,K2 に沿って内側(図10(A)のPの方向)に引き込む。図10(A),図11(A)に、往復移動部材6が引き込まれた状態を示す。
ここで、図10(B)は、動作前の基準位置を示す。
図10(B),図11(B)は、操作前の通常状態を示す。
尚、図10(A)では、分かりやすさを強調する意味で、最大隙間空隙SK2 は図面上誇張した寸法で明記した。下記図10(C)も同様である。
図10(C),図11(C)に、往復移動部材6が外側に押し出された状態を示す。
この図10(C)において、記号SK1 は、この時の最小隙間空隙を示す。
Hm=0.5〔mm〕×2=1.00〔mm〕となっている。
設定条件は、上記基本的内容説明の項で開示したのと同一の条件で検討する。
この場合、駆動ねじ11Aのねじ部本体11Aaを4〔mm〕ネジとし、そのネジのリードを0.7〔mm〕とし、ヘッド部11Bの回転駆動角を、例えば、1/10回転(36°)に設定すると、高さ方向への移動距離Hは、前述したように、H=0.7×0.1〔mm〕×tan8°
≒0.00987〔mm〕≒10.0〔μm〕、となる。
H=0.7×(10/360)〔mm〕×tan8°
≒0.0027〔mm〕≒3〔μm〕、となる。
この図12において、まず、図12(A)は往復移動部材6が基台ステージ1上で奥に引き込まれた状態(図10(A)の状態)を示し、図12(B)は往復移動部材6が基台ステージ1上で正常位置に配置された状態(図10(B)の状態)を示し、図12(C)は往復移動部材6が基台ステージ1で外部に引き出された状態(図10(C)の状態)を示す。
このようにしても、上記実施形態の場合と同等のステージ装置を得ることができる。
又、上記実施形態にあっては、平行ガイドキー17A,18Aおよびこれに係合するキー溝3A,4Aの傾斜角αを、往復移動部材6の前面側(図1の右端側)の上方領域から背面側(図1の左端側)の下方領域に向けて下降する場合を例示したが、その逆の設定であってもよい。
即ち、上記傾斜角αは、往復移動部財6の前面側の下方領域から背面側の上方領域に向けて上昇するように設定してもよい。
このようにしても、同等の作用効果を得ることができる。
1B 駆動用ねじ穴
2 移動ステージ
3,4 保持部材
3C,4C 保持部材側斜め溝部(保持部材側斜めガイド溝)
5 上下動付勢機構
6 往復移動部材
7,8,9,10 上下動案内機構
7A,8A,9A,10A ガイド支柱
11 駆動ねじ機構
11A 駆動ねじ
11B ヘッド部
11D,11E バックラッシュ吸収部材
12 連結部材
17,18 クサビ型動作変換機構
17A,18A 斜め平行ガイドキー(斜めガイドキー)
17C,18C 移動部材側斜め溝部(移動部材側斜めガイド溝)
31,32,41,42 被ガイド用貫通穴
61,62 連結用ネジ穴
71,72 移動部材用摺動保持機構
71A,72A 貫通長穴
71B,72B 係合移動ねじ
Z1,Z2 座ぐり長穴
Claims (9)
- 基台ステージと、この基台ステージ上に上下動可能に配設された可動ステージと、この可動ステージを保持する保持部材と、この保持部材を介して前記可動ステージに上下動を付勢する上下動付勢機構とを設け、
前記上下動付勢機構が、
前記可動ステージの下面側の中央領域に配置され前記基台ステージ上を外力に付勢されて一方向に往復移動する往復移動部材と、この往復移動部材と前記可動ステージとの間に設けられ当該往復移動部材の動作を前記可動ステージの上下方向の動作に変換するクサビ型動作変換機構と、前記基台ステージ上に装備され前記可動ステージが上下動するのを案内する上下動案内機構とを備えた構成とし、
前記可動ステージを保持する保持部材を、前記往復移動部材の両側面にそれぞれ配置すると共に、
前記クサビ型動作変換機構を、前記往復移動部材の両側面と前記各保持部材の内壁面との間に、それぞれ設置したことを特徴とするステージ装置。 - 請求項1に記載のステージ装置において、
前記往復移動部材に往復動作を付勢する駆動ねじ機構を、前記往復移動部材の移動方向に沿って前記基台ステージの中央部に設置し、
この駆動ねじ機構が備えている駆動ねじのヘッド部を回転自在に係合すると共に当該駆動ねじの中心線に沿った移動量を前記往復移動部材に伝達する連結部材を、前記往復移動部材の前端部に固着装備したことを特徴とするステージ装置。 - 請求項2に記載のステージ装置において、
前記駆動ねじ機構を、
前記基台ステージの前端面中央部に形成されたねじ穴と、このねじ穴に螺合されて機能する駆動ねじと、前記ねじ穴内の開口端部に装備され前記駆動ねじの回転移動時におけるバックラッシュを吸収する樹脂製のバックラッシュ吸収部材とを備えて構成したことを特徴とするステージ装置。 - 請求項1乃至3の何れか一つに記載のステージ装置において、
前記クサビ型動作変換機構を、
前記往復移動部材の両側面に,当該往復移動部材の前面側から当該往復移動部材の背面側に向けて傾斜するように各別に固着装備された直線状の斜め平行ガイドキーと、この各斜め平行ガイドキーに対向して前記各保持部材の内壁面にそれぞれ形成され且つ対応する前記各斜め平行ガイドキーに摺動自在に係合する保持部材側斜め溝部とを、それぞれ備えて構成したことを特徴とするステージ装置。 - 請求項1乃至3の何れか一つに記載のステージ装置において、
前記クサビ型動作変換機構を、
前記往復移動部材の両側面に,当該往復移動部材の前面側から当該往復移動部材の背面側に向けて傾斜するように各別に形成された移動部材側斜め溝部と、
この各移動部材側斜め溝部に対向して前記各保持部材の内壁面の同位置に形成された保持部材側斜め溝部と、前記移動部材側斜め溝部内に固定装備され且つ対応する前記保持部材側斜め溝部に摺動自在に係合する斜め平行ガイドキーとを、それぞれ備えて構成したことを特徴とするステージ装置。 - 請求項4又は5に記載のステージ装置において、
前記斜め平行ガイドキー及びこれに係合する各斜め溝部の各傾斜角度を、前記基台ステージの上面に対して10°前後の一定値に設定したことを特徴とするステージ装置。 - 請求項1乃至5の何れか一つに記載のステージ装置において、
前記各上下動案内機構を、前記各保持部材毎にそれぞれ設置すると共に、
この各上下動案内機構を、下端部が前記基台ステージに固定されたガイド支柱と、このガイド支柱に係合して前記各保持部材の上下動作を案内する当該各保持部材に形成された被ガイド用貫通穴とにより構成したことを特徴とするステージ装置。 - 請求項1乃至7の何れか一つに記載のステージ装置において、
前記往復移動部材が前記基台ステージとの係合状態を維持しつつ前記基台ステージ上を滑り接触の状態で摺動自在に移動するのを許容する移動部材用摺動保持機構を、前記基台ステージに装備したことを特徴とするステージ装置。 - 請求項1乃至7の何れか一つに記載のステージ装置において、
前記移動部材用摺動保持機構を、前記基台ステージの左右二箇所にそれぞれ設置すると共に、
この各移動部材用摺動保持機構を、
前記往復移動部材の底面の左右両側部分にそれぞれ設けられ連結用ネジ穴と、この連結用ネジ穴に対応して前記基台ステージに設けられた摺動連結用の貫通長穴と、前記基台ステージの底面側で前記貫通長穴の周囲に予め設けられた座ぐり長穴と、この座ぐり長穴に係合する座がね及びヘッド部を有し且つ前記基台ステージ側の貫通長穴を介して往復移動部材側の前記各連結用ネジ穴に螺合して成る係合移動ねじとを備えた構成とし、
前記基台ステージ側の前記貫通長穴および座ぐり長穴を、前記往復移動部材の往復移動の方向およびその許容範囲に対応した長穴としたことを特徴とするステージ装置。
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