JP6050307B2 - 中空遊星減速機 - Google Patents

Description

本発明は減速機に関し、特に中空遊星減速機に関する。

工業領域の中で、出力トルクの増幅および出力の精度を高めるため、様々な形の減速機を組み合わせて使用しているが、その中でも遊星減速機が最もよく使用されている。その開発技術が成熟され、品質が安定で、かつ調和減速機に比べて、製作コストが低く、伝動効率が高いため、各種の工業機械に幅広く使用されている。

精密機械の応用分野の中で、製品の軽量化及び体積の縮減が要求されているが、モーターを連結する各種の線材、例えば電線、気管等は必要な構造部品である。従来の減速機の構造において、例えば、台湾特許公開第201333347号には、内部空間が妥当に設計されていないため、上記のような線材は必ず規定外の空間を占用して収容されることで、減速機全体の体積が増加されて、精密機械分野の要求を達成できなかった。
これに鑑みて、どのように前記問題を改善するかが、本発明の最も解決しようとする重要な課題である。

本発明の1つ目の目的は、遊星歯車により減速機構の作動を補助することで、モーター入力端のエネルギー消費を低減することができる中空遊星減速機を提供する。

本発明の2つ目の目的は、減速機のために中空の収容空間を提供することで、各種の線材を収容し、これによって減速機の空間配置を最適化し、更に減速機全体の体積を縮減することができる。

図１は、本発明の一部の分解図である。 図２は、本発明の一部の分解図である。 図３は、本発明の一部の分解図である。 図４は、本発明の一部の分解図である。 図５は、本発明の一部の分解図である。 図６は、本発明の断面図である。

図1〜図6に示されたように、本発明における中空遊星減速機は、本体1を有し、該本体1上には同一軸線11に沿って設けられている第1歯車21、第2歯車31とサンギヤ32が設置されており、該第1歯車21と該第2歯車31はそれぞれ該本体1の両側に位置して、第1減速機構2及び第2減速機構3を構成している。

前記第2歯車31は内歯車である。詳しく説明すると、該第2歯車31は環状構造体で、かつ内側表面には歯が設けられている。そのため、該第2歯車31の内側は他の歯車と噛合して連結されている。

図1、図2と図６に示されたように、本実施例の中で、該第1歯車21は内歯車で、第1減速機構2において、該第1歯車21の内側には少なくとも１つの駆動歯車22が設けられ、各駆動歯車22は動力入力源4により駆動される。本実施例で、該動力入力源4は4つのモーター41を含み、該4つのモーター41は１つのモジュールに組合されて、それぞれ駆動軸42が延伸される一方、該第1歯車21の内側には4つの駆動歯車22が設けられて、それぞれ駆動軸42に対応して連結されることにより、各駆動歯車22の回転を駆動している。各駆動歯車22はそれぞれ伝動歯車23に連結され、各伝動歯車23はそれぞれ歯車21に連結される。該伝動歯車23と該第1歯車21はそれぞれ該本体1に枢設されているため、モーター41が該駆動歯車22の回転を駆動する時、該伝動歯車23の伝動によって、該第1伝動歯車21が連動して回転する。本実施例で、該駆動歯車22の歯数は該伝動歯車23の歯数より少なく、かつ該伝動歯車23の歯数は該第1歯車21の歯数より少ないため、モーター41の出力回転速度が2回減速される。

上述により、本実施例は第1減速機構2において、4つのモーター41が同時に駆動されるため、従来の１つのモーターが作動する減速機に比べて、各モーター41の回転する時の回転ねじりモーメントが低減され、更に起動時と運転時のエネルギー消費が削減されることができる。更に、歯数が該駆動歯車22と該第1歯車21の歯数の間にある伝動歯車23が該駆動歯車22と該第1歯車21の間に設けられることにより、該駆動歯車22が比較的低い回転ねじりモーメントで該伝動歯車23を駆動することができ、該第1歯車21を直接駆動する該駆動歯車22に比べて、エネルギー消費を低減させる効果を実現している。

しかし、前記第1歯車は他の実施例の中で、図３に示されたような外歯車の構造形態を形成することができる。図３により、該第1歯車21Bの外周側には歯部が設けられ、かつ該外周側は他の歯車と噛合して連結されるため、同じく前記第1減速機構2の効果を実現することができる。

図４、図５と図６に示されたように、第2減速機構3において、該サンギヤ32は該第2歯車31の内側に位置し、かつ該第2歯車31と同一平面に設けられている。図2に示されたように、該サンギヤ32は連結部材5により該第1歯車21に連結されることで、該第1歯車21と一体になって同期して回転される。本実施例の中で、該連結部材5は該軸線11に沿って延伸する連結部51を有し、該連結部51の一端は拡張して該第1歯車21に連結される。図4、図5に示されたように、該サンギヤ32は少なくとも２つの遊星歯車３３に連結されており、本実施例の中で、遊星歯車33の数は4つで、各遊星歯車33はそれぞれ該第2歯車31に連結される。該第2歯車31は該本体1に固定されて動けない状態になっているため、各遊星歯車33は該サンギヤ32の連動により、該サンギヤ32を迂回する動作を生じる。各遊星歯車33は出力部材6内に設けられ、詳しく説明すると、各遊星歯車33の軸心部は固定部材61により穿設され、かつ該出力部材6に固定されることにより、当遊星歯車33は前述のように該サンギヤ32を迂回して回転する時、同時に該出力部材6を連動して回転させることができ、また、該出力部材6は外部装置に接続（図には示していない）されることも可能で、出力端を形成して該外部装置を連動して回転させることができる。

前記第2減速機構3の動作の中で、図6に示されたように、該サンギヤ32が該第1歯車21と同軸で連結されるため、その回転速度は第1歯車21と同じであり、即ち、第1減速機構2の減速結果に影響される。引き続いて、遊星歯車33の配置により、回転速度が再び低減され、即ち、該遊星歯車33がサンギヤ32を迂回する回転速度は該サンギヤ32の回転速度より遅い。上述により、該出力部材6の回転速度は前記第1減速機構2と第2減速機構3の作用により、モーター41の出力回転速度より遅い。

それ以外に、この減速機本体1には中空管部材7が設けられ、その内部は一収容空間71を有して、線材、例えば電線、気管などを収容することができる。本実施例の中で、該中空管部材7は該連結部材5の連結部51内に設けられ、その延伸方向は該軸線11と重なる。該中空管部材7を設置して線材を収容することで、減速機内部の空間配置が最適化される効果が得られ、減速機全体の占用体積を有効的に縮減し、製品の小型化目的を達することができる。

ただし、以上の実施例の掲示は本発明を説明するためのもので、本発明を制限するものではないため、等価部品の代替は依然として本発明の特許請求の範囲内に属するべきである。

以上により、当業者は本発明により前記目的を達成することができるため、既に特許法の規定に適合し、法律に基づいて出願を行う。

1 本体
11 軸線
2 第1減速機構
21、21B 第1歯車
22 駆動歯車
23 伝動歯車
3 第2減速機構
31 第2歯車
32 サンギヤ
33 遊星歯車
4 動力入力源
41 モーター
42 駆動軸
5 連結部材
51 連結部
6 出力部材
61 固定部材
7 中空管部材
71 収容空間

Claims (5)

1. 中空遊星減速機において、本体を有し、該本体に仮想の軸線があり、該本体には少なくとも１つの駆動歯車が設けられ、各駆動歯車は動力入力源により駆動されており、
   各駆動歯車はそれぞれ伝動歯車に連結され、各伝動歯車はそれぞれ第1歯車に連結されており、各駆動歯車はそれぞれ該第1歯車に連結されず、該第1歯車は内歯車であり、
   該本体内には該軸線に沿って中空管部材が穿設され、該中空管部材は該第１歯車を貫通し、且つ各駆動歯車及び各伝動歯車はそれぞれ該中空管部材の周囲に分布され、該中空管部材は、線材の収容のために収容空間が設けられ、
   該本体には該第1歯車と共に同一軸線に沿う第2歯車とサンギヤが更に設けられ、該第2歯車は内歯車であり、
   該サンギヤは連結部材により第1歯車に連結され、該サンギヤは該中空管部材に貫通され、且つ該第2歯車の内側に位置し、かつ該第2歯車と同一平面に位置しており、
   該サンギヤには少なくとも２つの遊星歯車が連結され、各遊星歯車は該中空管部材の周囲に分布されるとともに該第2歯車に連結され、該サンギヤは該第2歯車に連結されず、
   該第2歯車は該本体に固設されることにより、各遊星歯車は該サンギヤの連動により、該サンギヤを迂回する動作を発生しており、
   各遊星歯車は出力部材内に設けられて、該出力部材を連動して同期回転する、
   ことを特徴とする請求項１に記載の中空遊星減速機。
2. 該サンギヤは４つの遊星歯車に連結されている、請求項１に記載の中空遊星減速機。
3. 該連結部材は該軸線沿って延伸する連結部を有し、かつ該中空管部材は該連結部内に挿入して延伸される、請求項１に記載の中空遊星減速機。
4. 該駆動歯車は複数で、該動力入力源は駆動歯車の数に対応する複数のモーターを含み、各モーターはそれぞれ一つの駆動歯車に連結して駆動する、請求項１に記載の中空遊星減速機。
5. 該駆動歯車の歯数は該伝動歯車の歯数より少ない、請求項１に記載の中空遊星減速機。