JP6049965B2 - ブラシレスモータ - Google Patents
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Description
このようなブラシレスモータとして、例えば特許文献1には図7に示す構成を有するものが開示されている。
軸受ホルダ102は、両端が開口する円筒状とされ、その内部に軸受103が圧入され、軸受103によりロータ軸104が回転自在に支持される。
また、ロータ軸104の軸方向の移動を規制するために、ロータ軸104に形成した環状溝104a内に嵌められたストッパワッシャ105が、取付板101の底面部101aの段差部101cに載置される。
このため、薄型化が求められるモータに対しては極めて不利な構造となっており、また、二段構造のホルダ固定凹部101bを形成した取付板は、突き出し方向の寸法精度が確保しにくいという問題もある。
図8のブラシレスモータでは、取付板201に設けられている凹所201aに軸受ホルダ202が圧入され、この軸受ホルダ202の外周に巻線203を巻回した積層コア204が配置されている。
軸受ホルダ202には、円筒形状の底部に内方向フランジ部202aが設けられている。また、軸受ホルダ202の内部には、ロータ軸205を支持する軸受206が圧入され、内方向フランジ部202aの上にはストッパワッシャ207が載置されている。
また、ロータ軸205の下端を支持するスラスト板208が、凹所201aの最底部に収容されている。
ロータは、ロータ軸205に固着されたロータケース209と、このロータケース209に取り付けられた駆動マグネット210を有している。また、ターンテーブルとして機能するロータケース上面にはラバー211が設けられ、このラバー211を介して載置した光ディスクを位置決めするためのボス部212がロータ軸205の上端に固定されている。
しかしながら、図7及び図8のブラシレスモータでは、接着剤を併用して軸受ホルダを取付板に固定する際、接着剤が軸受部に流入し易く、モータの信頼性等に悪影響を及ぼす危険性が高く、不良品の発生率が高くなる問題がある。
前記取付板は、上面に凸部を有し、
前記軸受ホルダは、下面に設けられた凹部と、前記軸受を保持する筒状部の下側部分において径方向内側に鍔状に形成された内鍔部を有し、前記凹部が前記凸部と嵌合し、前記内鍔部の底面が前記取付板に当接した状態で前記取付板に固定されていることを特徴としているものである。
「前記凸部は環状凸部であり、前記凹部は環状凹部であること」、
「前記軸受ホルダは、前記ロータ軸の下端が当接するスラスト受部を有すること」、
「前記ロータ軸の下端を支持するスラスト板を有し、前記内鍔部の下端と前記スラスト板は、前記取付板の同一平面に当接していること」、
「前記ロータ軸は、前記軸受の下方に位置する部分に被係止部を有し、前記軸受ホルダは、前記筒状部の内径側に突出する抜止部を有する樹脂の一体成形品であり、前記ロータ軸が上方に移動する際に前記抜止部が前記被係止部に当接すること」、
を含む。
また、取付板側に凸部を形成し、軸受ホルダ側に凹部を形成しているため、接着剤を併用して軸受ホルダを取付板に固定する際、凹凸嵌合の外側部分において十分な接着が可能になる。このため、接着剤が軸受部に流入する危険性が極めて少なく、信頼性の高いモータを実現できる。
なお、本明細書では、図面の上方向を「上側」と呼び、下方向を「下側」と呼ぶ。また、上下方向は、モータが実際の機器に組み込まれたときの位置関係や方向を示すものではない。また、ロータ軸の中心軸に平行な方向を「軸方向」と呼び、中心軸を中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。
本発明の第1の実施形態例を図1を用いて説明する。
本例のブラシレスモータは、光ディスク、光磁気ディスク等を回転させるためのスピンドルモータとして用いることができるものであり、主に、取付板10と、ステータ部20と、ロータ部30と、軸受部40で構成されている。
なお、取付板10上には、後述の駆動用磁石33と対向するようにホール素子(不図示)が設けられており、このホール素子によってロータ部30の回転を検出することができるようになっている。
ステータコア21は、複数の突極が形成された板状コアの積層体からなり、その表面には絶縁性樹脂からなるコアカバー22が配され、このコアカバー22を介してコイル23が巻かれている。
ロータ軸31は、後述の軸受41により回転自在に支持されている。
ロータ軸31の下方に位置する部分には、被係止部31aが形成されている。この被係止部31aは、ロータ軸31の外周に形成された環状の凹部で構成されている。
ロータ軸31は、上面部32bの中心に設けられているバーリング部32cに圧入され固定されている。
ロータケース32の上面部32bは、ロータ軸31と一体に回転するターンテーブルとなっている。そして、上面部32bの内径側にはディスクガイド34が配され、上面部32bの外径側には摩擦シート35が配されている。
また、ディスクガイド34の上面には環状の凹部が形成されており、この凹部には円環状のクランプ用マグネット36が配されている。このクランプ用マグネット36は、不図示のクランパをターンテーブル側に吸引することによって、クランパとロータケース32の上面部32bとの間にディスクを把持するための部材である。
軸受41は、ロータ軸31を回転自在に支持するラジアル軸受であり、筒状の焼結メタルに潤滑油が含浸されている。
筒状部42aは、貫通孔を有する円筒状に形成されており、上部内側に軸受41が圧入される。
脚部42bは、円筒部42aの下端外周側に円環状に形成されており、その内側は凹部42cとなっている。この脚部42bの内径と高さは、それぞれ取付板10の凸部10aの外径と高さにほぼ等しい。そして、軸受ホルダ42は、凹部42cに凸部10aを圧入することによって、取付板10に嵌合固定される。
内鍔部42dは、筒状部42aの下側部分において径方向内側に鍔状に形成されており、その中央にはロータ軸31の下端部を収容できる貫通孔が形成されている。
段差部42eは、筒状部42aの外周に形成されており、ステータコア21はこの段差部42eに載置された状態で円筒部42aの外周に固定されている。
このストッパワッシャ43の内径は、ロータ軸31の下端部外径よりも小さく、被係止部(環状凹部)31aの外径よりも僅かに大きくなっている。ストッパワッシャ43は適度な弾性を有しているため、所定以上の力を加えることにより、ロータ軸31の下端部をストッパワッシャ43の下方(即ち、内鍔部42dの貫通口内)に挿入することができる。これにより、ストッパワッシャ43の内径側は、ロータ軸31の被係止部(環状凹部)31aの内側に嵌め込まれる。そして、ロータ軸31が軸方向上方に移動する際には、ストッパワッシャ43が被係止部31aの壁面(即ち、環状凹部の下側壁面)に当接し、ロータ軸31が軸受41から抜け出るのを防止することになる。
このスラスト板44は、内鍔部42dの貫通口内に収容され、取付板10の凸部10aの上面に配されている。したがって、内鍔部42dの下端とスラスト板44は、どちらも取付板10の凸部10aの同一平面に当接している。
したがって、取付板10の下面に突出する部分が存在しないため、取付板10の周縁部などを利用してモータをディスク装置の躯体に固定する際、無駄なスペースを最小限に抑えることができ、ディスク装置のスペースを最大限に有効活用することができる。
また、取付板側に凸部10aを形成し、軸受ホルダ側に凹部42cを形成しているため、接着剤を併用して軸受ホルダ42を取付板10に固定する際、凹凸嵌合の外側部分(即ち、脚部42bの下面)において十分な接着が可能になる。このため、従来例のように接着剤が軸受部に流入する危険性が極めて少なく、信頼性の高いモータを実現できる。
このため、内鍔部42dの底面を取付板10に当接させることで軸受ホルダ42と取付板10との接触面積を増やすことができる。これにより、軸受ホルダ42の取付板10への取付け精度を高めることができ、軸垂度を高めることができる。
このため、軸受ホルダ42をスラスト板44の位置決めに利用することができ、従来例の図8のようなスラスト板の位置決め用凹部を形成する必要がない。また、内鍔部42dをスラスト板44の位置決めに利用することができるため、スラスト板44の径を最小限にすることもできる。
本発明の第2の実施形態例を図2を用いて説明する。図2において、図1中の部材と同等の部材には同一の符号を付しており、重複する部分については説明を省略する。
本例の取付板10の上面には、図2(a)に示すように、円柱状の凸部10aの代わりに円環状の凸部10bが形成されている。
外周側脚部42fの内径は、円環状凸部10bの外径にほぼ等しく、内周側脚部42gの外径は、円環状凸部10bの内径にほぼ等しい。また、外周側脚部42fと内周側脚部42gの高さは、円環状凸部10bの高さにほぼ等しい。
そして、軸受ホルダ42は、環状凹部42hに円環状凸部10bを圧入することによって、取付板10に嵌合固定されている。
なお、本例のブラシレスモータでは、内周側脚部42gの下端とスラスト板44は、取付板10の同一平面(即ち、円環状凸部10bの内側の平面)に当接しており、第1の実施形態例と同様に軸受ホルダ42をスラスト板44の位置決めに利用することができる。
本発明の第3の実施形態例を図3を用いて説明する。図3において、図1中の部材と同等の部材には同一の符号を付しており、重複する部分については説明を省略する。
本例の取付板10の上面には、図3(a)に示すように、円柱状の凸部10aの代わりに円環状の凸部10cが形成されている。この円環状凸部10cの内径は、ロータ軸31の下端部の外径よりも大きく、軸受ホルダ42の筒状部42aの内径よりも小さい。
そして、円環状凸部10cの内側にスラスト板44が配され、円環状凸部10cがスラスト板44の位置決めに利用されている。また、円環状凸部10cの上面にストッパワッシャ43が載置されている。
そして、軸受ホルダ42は、凹部42cに円環状凸部10cを圧入することによって、取付板10に嵌合固定されている。
本発明の第4の実施形態例を図4を用いて説明する。図4において、図1中の部材と同等の部材には同一の符号を付しており、重複する部分については説明を省略する。
本例の軸受ホルダ42には、図4(b)に示すように、内鍔部42dの貫通孔を閉塞するようにスラスト受部42iが一体成形され、このスラスト受部42iによりロータ軸31の下端が支持されている。
また、接着剤を併用して軸受ホルダ42を取付板10に固定する際、接着剤が軸受部に流入する危険性がなくなり、極めて信頼性の高いモータを実現できる。
本発明の第5の実施形態例を図5を用いて説明する。図5において、図1中の部材と同等の部材には同一の符号を付しており、重複する部分については説明を省略する。
本例の軸受ホルダ42は、耐油性、耐熱性、形状安定性等に優れる樹脂材料からなる一体成形品であり、図5(b)に示すように、内鍔部42dの上部に内径側に突出する抜止部42jが形成されている。
この抜止部42jは、弾性を有する薄い環状に形成されており、その内径側はロータ軸31の被係止部(環状凹部)31aの内側に挿入されている。なお、抜止部42jは円環状に限らず、要求される抜け止め強度に応じて適宜の数に分離して形成してもよい。
具体的には、抜止部42jの内径は、ロータ軸31の下端部外径よりも小さく、被係止部(環状凹部)31aの外径よりも僅かに大きくなっている。抜止部42jは適度の弾性を有しているため、所定以上の力を加えることにより、ロータ軸31の下端部を抜止部42jの下方(即ち、内鍔部42bの貫通口内)に挿入することができる。これにより、抜止部42jの内径側は、ロータ軸31の被係止部(環状凹部)31aの内側に嵌め込まれる。そして、ロータ軸31が軸方向上方に移動する際には、抜止部42jが被係止部31aの壁面(即ち、環状凹部の下側壁面)に当接し、ロータ軸31が軸受41から抜け出るのを防止することができる。
まず、従来例のようなストッパワッシャ(105、207)を用いる必要がなくなり、部品点数を削減できる。
また、軸受ホルダ42を取付板10に嵌合固定するだけで、抜止部42jの径方向の位置が決定されるため、ロータ軸の抜け止め強度のばらつきを効果的に抑制することができる。
また、ロータのスラスト方向のガタ量を最小限に抑えることができる。すなわち、従来のブラシレスモータでは、軸受とストッパワッシャとの間に軸方向の隙間を設けると、ストッパワッシャ全体が軸方向に移動可能なため、ロータのスラスト方向のガタ量が大きくなる問題がある。一方、本例では、ストッパワッシャの役割を果たす抜止部42jが軸受ホルダ42に一体成形されているため、抜止部42j全体が軸方向に移動することがなく、ロータのスラスト方向のガタ量を小さく抑えることができる。
本発明の第6の実施形態例を図6を用いて説明する。図6において、図1中の部材と同等の部材には同一の符号を付しており、重複する部分については説明を省略する。
本例の軸受ホルダ42は、耐油性、耐熱性、形状安定性等に優れる樹脂材料からなる一体成形品であり、図6(b)に示すように内鍔部が形成されておらず、筒状部42aの内径側に突出する抜止部42kが形成されている。
この抜止部42kは、弾性を有する薄い環状に形成され、その内径側はロータ軸31の被係止部(環状凹部)31aの内側に挿入されている。
したがって本例は、第5の実施形態例と同様の効果を奏する。
例えば、上記の実施形態例ではロータ軸31の被係止部31aとして環状の凹部を形成しているが、例えばロータ軸の外周にリングを嵌め込み環状の凸部を形成して、この凸部を被係止部としてもよい。
10a 円柱状凸部
10b、10c 円環状凸部
20 ステータ部
21 ステータコア
22 コアカバー
23 コイル
30 ロータ部
31 ロータ軸
31a 被係止部(環状凹部)
32 ロータケース
32a 円筒部
32b 上面部
32c バーリング部
33 駆動用マグネット
34 ディスクガイド
35 摩擦シート
36 クランプ用マグネット
40 軸受部
41 軸受
42 軸受ホルダ
42a 筒状部
42b 脚部
42c 凹部
42d 内鍔部
42e 段差部
42f 外周側脚部
42g 内周側脚部
42h 環状凹部
42i スラスト受部
42j、42k 抜止部
43 ストッパワッシャ
44 スラスト板
101 取付板
101a 底面部
101b ホルダ固定凹部
101c 段差部
102 軸受ホルダ
103 軸受
104 ロータ軸
104a 環状溝
105 ストッパワッシャ
106 ホルダ嵌合部
201 取付板
201a 凹所
202 軸受ホルダ
202a 内方向フランジ部
203 巻線
204 積層コア
205 ロータ軸
206 軸受
207 ストッパワッシャ
208 スラスト板
209 ロータケース
210 駆動マグネット
211 ラバー
212 ボス部
Claims (5)
- 軸受ホルダと、前記軸受ホルダの内側に固定されてロータ軸を回転自在に支持する軸受と、取付板とを具備するブラシレスモータであって、
前記取付板は、上面に凸部を有し、
前記軸受ホルダは、下面に設けられた凹部と、前記軸受を保持する筒状部の下側部分において径方向内側に鍔状に形成された内鍔部を有し、前記凹部が前記凸部と嵌合し、前記内鍔部の底面が前記取付板に当接した状態で前記取付板に固定されていることを特徴とするブラシレスモータ。 - 前記凸部は環状凸部であり、前記凹部は環状凹部であることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
- 前記軸受ホルダは、前記ロータ軸の下端が当接するスラスト受部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のブラシレスモータ。
- 前記ロータ軸の下端を支持するスラスト板を有し、
前記内鍔部の下端と前記スラスト板は、前記取付板の同一平面に当接していることを特徴とする請求項1または2に記載のブラシレスモータ。 - 前記ロータ軸は、前記軸受の下方に位置する部分に被係止部を有し、
前記軸受ホルダは、前記筒状部の内径側に突出する抜止部を有する樹脂の一体成形品であり、
前記ロータ軸が上方に移動する際に前記抜止部が前記被係止部に当接することを特徴とする請求項1または2に記載のブラシレスモータ。
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