JP6049132B2 - 液状組成物及び膜の製造方法 - Google Patents

液状組成物及び膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6049132B2
JP6049132B2 JP2012191287A JP2012191287A JP6049132B2 JP 6049132 B2 JP6049132 B2 JP 6049132B2 JP 2012191287 A JP2012191287 A JP 2012191287A JP 2012191287 A JP2012191287 A JP 2012191287A JP 6049132 B2 JP6049132 B2 JP 6049132B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
liquid crystal
crystal polyester
liquid composition
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012191287A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014047277A (ja
Inventor
豊誠 伊藤
豊誠 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2012191287A priority Critical patent/JP6049132B2/ja
Publication of JP2014047277A publication Critical patent/JP2014047277A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6049132B2 publication Critical patent/JP6049132B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Description

本発明は液状組成物及びこれを用いる膜の製造方法に関する。
ポリアミドイミド膜は、耐熱性、機械的強度、電気的特性、耐薬品性等に優れることから、電子部品の絶縁膜として検討されている。また、ポリイミド膜の製造方法として、ポリアミドイミドと溶媒とを含む液状組成物を支持基板上に流延し、溶媒を除去する方法が検討されている。しかし、得られるポリアミドイミド膜は、吸湿性が高いため、水蒸気バリア性が低いという問題がある。
そこで、水蒸気バリア性が改善されたポリアミドイミド膜を製造する方法として、例えば、特許文献1には、前記液状組成物として、無機充填材を含むものを用いて、無機充填材を含むポリアミドイミド膜を得ることが記載されている。また、特許文献2には、前記液状組成物としてエポキシ樹脂を含むものを用いて、エポキシ樹脂を含むポリアミドイミド膜を得ることが記載されている。
特開昭62-106960号公報 特開昭62-151458号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の液状組成物を用いて得られるポリイミド膜は、水蒸気バリア性が未だ不十分であり、水蒸気バリア性の更なる向上が求められる。そこで、本発明の目的は、水蒸気バリア性に優れるポリアミドイミド膜を与える液状組成物を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、ポリアミドイミドと、液晶ポリエステルと、非プロトン性化合物の占める割合が50質量%以上である溶媒とを含む液状組成物を提供する。
また、本発明によれば、前記液状組成物を支持基板上に流延した後、前記溶媒を除去する膜の製造方法も提供される。
本発明の液状組成物は、水蒸気バリア性に優れ、寸法安定性にも優れるポリイミド膜を与える。
ポリアミドイミドは、(1)トリカルボン酸一無水物の塩化物とジアミンとを反応させて得られるものであってもよいし、(2)トリカルボン酸及び/又はトリカルボン酸一無水物とジイソシアネートとを反応させて得られるもであってもよいし、(3)トリカルボン酸及び/又はトリカルボン酸一無水物とジアミンとを反応させてジイミドジカルボン酸を得、このジイミドカルボン酸とジイソシアネートとを反応させて得られるものであってもよい。なお、ジイミドジカルボン酸とジイソシアネートとを反応させて、前記(3)のポリアミドイミドを得る際、原料としてさらにジアミン及び/又はジカルボン酸を用いてもよい。こうすれば、ポリアミドイミド中には、このジアミンやジカルボン酸に由来する構造単位が含まれるようになり、ポリアミドイミドを所望の特性に調整することができる。電子部品の絶縁膜用途に用いるポリアミドイミドとしては、原料としてジイソシアネートを用いてなる前記(2)又は(3)のポリアミドイミドが、ポリアミドイミド中に含まれうる未反応の官能基(カルボキシル基)を少なくできることから、好ましく、ジイミドジカルボン酸とジイソシアネートとを反応させて得られる前記(3)のポリアミドイミドがより好ましい。
トリカルボン酸としては、芳香族トリカルボン酸が好ましく、例えば、トリメリット酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4’−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3’,4’−トリカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3’,4’−トリカルボン酸、及びナフタレン−1,2,4−トリカルボンが挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。中でも、トリメリット酸が好ましい。
トリカルボン酸一無水物としては、芳香族トリカルボン酸一無水物が好ましく、例えば、前記芳香族トリカルボン酸の一無水物が挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。中でも、トリメリット酸一無水物が好ましい。
トリカルボン酸一無水物の塩化物としては、芳香族トリカルボン酸一無水物の塩化物が好ましく、例えば、前記芳香族トリカルボン酸の塩化物が挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。中でも、トリメリット酸一無水物の塩化物が好ましい。
ジアミンとしては、芳香族ジアミンが好ましく、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,6−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,4−ナフチレンジアミン、1,5−ナフチレンジアミン、2,6−ナフチレンジアミン、2,7−ナフチレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、及び4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルが挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。中でも、3,3’−ジアミノジフェニルメタンや4,4’−ジアミノジフェニルメタンの如きジアミノジフェニルメタンが好ましい。
ジイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネートが好ましく、例えば、前記芳香族ジアミンの2つのアミノ基をイソシアナト基に置換したジイソシアネートが挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。中でも、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
ポリアミドイミドの市販品の例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社の「トーロン」、ニッポン高度紙工業(株)の「ソクシール」、及び東洋紡績(株)の「バイロマックス」が挙げられる。
液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示す液晶ポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
液晶ポリエステルの典型的な例としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合(重縮合)させてなるもの、複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合させてなるもの、及びポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを重合させてなるものが挙げられる。ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部又は全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、カルボキシル基をアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基に変換してなるもの(エステル)、カルボキシル基をハロホルミル基に変換してなるもの(酸ハロゲン化物)、及びカルボキシル基をアシルオキシカルボニル基に変換してなるもの(酸無水物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシル基をアシル化してアシルオキシル基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
液晶ポリエステルは、下記式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)と、下記式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」ということがある。)とを有することがより好ましい。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5
(Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基及びn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、通常1〜10である。前記アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、通常6〜20である。前記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基毎に、それぞれ独立に、通常2個以下であり、好ましくは1個以下である。
前記アルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基及び2−エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は通常1〜10である。
繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(1)としては、Ar1がp−フェニレン基であるもの(p−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、及びAr1が2,6−ナフチレン基であるもの(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Ar2がp−フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar2がm−フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar2が2,6−ナフチレン基であるもの(2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、及びAr2がジフェニルエ−テル−4,4’−ジイル基であるもの(ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(3)としては、Ar3がp−フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p−アミノフェノール又はp−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、及びAr3が4,4’−ビフェニリレン基であるもの(4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル又は4,4’−ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(1)の含有量は、全繰返し単位の合計量(液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、通常30モル%以上、好ましくは30〜80モル%、より好ましくは30〜60モル%、さらに好ましくは30〜40モル%である。繰返し単位(2)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常35モル%以下、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは20〜35モル%、さらに好ましくは30〜35モル%である。繰返し単位(3)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常35モル%以下、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは20〜35モル%、さらに好ましくは30〜35モル%である。繰返し単位(1)の含有量が多いほど、耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、あまり多いと、溶媒に対する溶解性が低くなり易い。
繰返し単位(2)の含有量と繰返し単位(3)の含有量との割合は、[繰返し単位(2)の含有量]/[繰返し単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、通常0.9/1〜1/0.9、好ましくは0.95/1〜1/0.95、より好ましくは0.98/1〜1/0.98である。
なお、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)を、それぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、X及び/又はYがNHであるものを有すること、すなわち、所定の芳香族ヒドロキシルアミンに由来する繰返し単位及び/又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位を有することが、溶媒に対する溶解性が優れるので、好ましく、繰返し単位(3)として、X及び/又はYがNHであるもののみを有することが、より好ましい。
液晶ポリエステルは、それを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物(プレポリマー)を固相重合させることにより、製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよく、この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属化合物や、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
液晶ポリエステルは、その流動開始温度が、通常250℃以上、好ましくは250℃〜350℃、より好ましくは260℃〜330℃である。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、あまり高いと、溶媒に対する溶解性が低くなり易かったり、液状組成物の粘度が高くなり易かったりする。
なお、流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mm及び長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
溶媒としては、腐食性が低く、取り扱い易いことから、非プロトン性化合物を主成分とする溶媒を用いる。溶媒全体に占める非プロトン性化合物の割合は、50〜100質量%、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%である。溶媒としては、用いるポリアミドイミド及び液晶ポリエステルが溶解可能なものが、適宜選択して用いられる。
非プロトン性化合物の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル;アセトン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート;トリエチルアミン等のアミン;ピリジン等の含窒素複素環芳香族化合物;アセトニトリル、スクシノニトリル等のニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド、テトラメチル尿素等の尿素化合物;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物;及びヘキサメチルリン酸アミド、トリ−n−ブチルリン酸等のリン化合物が挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。中でも、液晶ポリエステルを溶解し易いことから、アミドが好ましい。
溶媒としては、より腐食性が低く、取り扱い易いことから、ハロゲン原子を有しない非プロトン性化合物を主成分とすることが好ましく、溶媒全体に占めるハロゲン原子を有しない非プロトン性化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。
また、溶媒としては、液晶ポリエステルを溶解し易いことから、双極子モーメントが3〜5である化合物を主成分とする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める双極子モーメントが3〜5である化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。
また、溶媒としては、除去し易いことから、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を主成分とすることが好ましく、溶媒全体に占める1気圧における沸点が220℃以下である化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。
なお、溶媒に含まれうるプロトン性化合物の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;及びp−クロロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノール等のハロゲン化フェノールが挙げられる。
液状組成物中のポリアミドイミド及び液晶ポリエステルの合計含有量は、ポリアミドイミド、液晶ポリエステル及び溶媒の合計量に対して、通常3〜60質量%、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、所望の粘度の液状組成物が得られるように、適宜調整される。
また、液状組成物中の液晶ポリエステルの含有量は、ポリアミドイミド及び液晶ポリエステルの合計量に対して、通常50質量%以下であり、好ましくは10〜50質量%であり、さらに好ましくは10〜30質量%である。
液状組成物は、充填材、添加剤、ポリアミドイミド及び液晶ポリエステル以外の樹脂等の他の成分を1種以上含んでもよい。
添加剤の例としては、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、難燃剤及び着色剤が挙げられる。添加剤の含有量は、ポリアミドイミド及び液晶ポリエステルの合計100質量部に対して、通常0〜5質量部である。
ポリアミドイミド及び液晶ポリエステル以外の樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリアミド、液晶ポリエステル以外のポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド等の液晶ポリエステル以外の熱可塑性樹脂;及びフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。ポリアミドイミド及び液晶ポリエステル以外の樹脂の含有量は、ポリアミドイミド及び液晶ポリエステルの合計100質量部に対して、通常0〜20質量部である。
液状組成物は、ポリアミドイミド、液晶ポリエステル、非プロトン性化合物を主成分とする溶媒、及び必要に応じて用いられる他の成分を、一括で又は適当な順序で混合することにより調製することができる。他の成分として充填材を用いる場合は、まず、ポリアミドイミド及び液晶ポリエステルを溶媒に溶解させてなる溶液を得、この溶液に充填材を分散させることにより調製することが好ましい。また、前記溶液は、均一なものが速やかに得られ易いことから、ポリアミドを溶媒に溶解させて、ポリアミド溶液を得、また、液晶ポリエステルを溶媒に溶解させて、液晶ポリエステル溶液を得、これら二つの溶液を混合することにより調製することが好ましい。
以上のようにして得られる液状組成物を支持基板上に流延した後、溶媒を除去することにより、水蒸気バリア性に優れ、寸法安定性にも優れる膜を得ることができる。
支持基板の例としては、ガラス、樹脂フィルム、及び銅箔が挙げられる。
液状組成物の支持基板上への流延は、ローラーコート法、ディップコート法、スプレイコート法、スピナーコート法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリーン印刷法等の方法により行うことができ、支持基板上に表面平滑かつ均一に流延できる方法が、適宜選択される。なお、液状組成物は、流延前に必要に応じてろ過して、液状組成物中含まれる異物を除去してもよい。
支持基板上に流延された液状組成物の膜からの溶媒の除去は、溶媒を蒸発させることにより行うことが好ましく、溶媒の除去温度は、通常50〜180℃、好ましくは80〜150℃である。また、溶媒の除去は、溶媒の一部が溶媒除去後の膜に残留するように行ってもよく、例えば、溶媒除去後の膜における溶媒の量が、1〜25質量%となるように行ってもよい。
溶媒を除去した後、熱処理することにより、残留溶媒を除去しつつ、液晶ポリエステルの分子量や結晶化度を調節することができ、機械強度や水蒸気バリア性に優れる膜が得られる。熱処理は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、通常250〜350℃、好ましくは270〜320℃で行われる。
得られる膜の厚さは、製膜性や機械特性や取扱性の観点から、通常0.5〜500μm、好ましくは1〜100μmである。
本発明の製造方法により得られる膜は、水蒸気バリア性に優れ、寸法安定性にも優れることから、電子部品の絶縁膜として好適に用いることができ、特にアルミ電解コンデンサー用セパレーターやプリント配線基板用カバーレイとして好適に用いることができる。
[液晶ポリエステルの流動開始温度の測定]
フローテスター((株)島津製作所製の「CFT−500型」)を用いて、液晶ポリエステル約2gを、内径1mm及び長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに充填し、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出し、4800Pa・s(48000P)の粘度を示す温度を測定した。
[液状組成物の粘度の測定]
B型粘度計(東機産業(株)製の「TVL−20型」)を用いて、No.21のローターにより、回転数20rpmで測定した。
[膜の透湿度の測定]
膜から50mm×50mmのサンプルを切り出し、JIS K7126のA法(差圧法)に準拠して、ガス透過率・透湿度測定装置(GTRテック(株)の「GTR−10X」)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。
[膜の線膨張係数の測定]
膜から20mm×50mmのサンプルを切り出し、熱機械分析装置(セイコー電子(株)の「TMA」)を用いて、10gの荷重をかけながら、窒素気流下、10℃/分で250℃まで昇温した後、室温まで冷却し、次いで、10℃/分で250℃まで再加熱し、この再加熱時における200〜250℃での膜の線膨張係数を測定した。
実施例1〜3並びに比較例1及び2
[液晶ポリエステルの製造]
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸941g(5.0モル)、p−アミノフェノール273g(2.5モル)、イソフタル酸415.3g(2.5モル)及び無水酢酸1123g(11モル)を入れ、反応器内のガスを窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下、攪拌しながら、室温から150℃まで15分かけて昇温し、150℃で3時間還流させた。次いで、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から290℃まで4時間15分かけて昇温し、290℃で30分保持した後、反応器から内容物を取り出し、室温まで冷却した。得られた固形物を、粉砕機で粉砕して、粉末状の液晶ポリエステル(1)を得た。この液晶ポリエステル(1)の流動開始温度は、181℃であった。
液晶ポリエステル(1)を、窒素雰囲気下、室温から250℃まで6時間かけて昇温し、250℃で10時間保持することにより、固相重合させた後、冷却し、次いで、粉砕機で粉砕して、粉末状の液晶ポリエステル(2)を得た。この液晶ポリエステル(2)の流動開始温度は、240℃であった。
液晶ポリエステル(2)を、窒素雰囲気下、室温から255℃まで6時間かけて昇温し、255℃で3時間保持することにより、固相重合させた後、冷却して、粉末状の液晶ポリエステル(3)を得た。この液晶ポリエステル(3)の流動開始温度は、325℃であった。
[液晶ポリエステル溶液の調製]
液晶ポリエステル(3)8gを、N−メチル−2−ピロリドン92gに加え、窒素雰囲気下、140℃で4時間攪拌して、液晶ポリエステル溶液を得た。この液晶ポリエステル溶液の粘度は1085cPであった。
[ポリアミドイミド溶液の調製]
粉末状のポリアミドイミド(ニッポン高度紙工業(株)の「ソクシール」)20gを、N−メチル−2−ピロリドン80gに加え、窒素雰囲気下、100℃で4時間攪拌して、ポリアミドイミド溶液を得た。このポリアミドイミド溶液の粘度は8000cPであった。
[液状組成物の調製]
液晶ポリエステル溶液とポリアミドイミド溶液とを、攪拌脱泡機((株)キーエンスの「HM−500」)を用いて、5分間攪拌した後、5分間脱泡して、液状組成物を得た。ここで、液晶ポリエステル溶液とポリアミドイミド溶液との割合は、液晶ポリエステルとポリアミドイミドとが表1に示す質量割合になるように、質量基準で調整した。
[膜の製造]
液状組成物を、銅箔(三井金属鉱業(株)の「3EC−VLP」、厚さ18μm)のS面(粗面)上に塗布した後、100℃で30分乾燥し、次いで、窒素雰囲気下、300℃で1時間熱処理して、銅張積層板を得た。この銅張積層板から、塩化第二鉄溶液(木田(株)、40°ボーメ)を用いて、エッチングで銅箔を除去して、厚さ20μmの膜を得た。この膜の透湿度及び線膨張係数を測定し、結果を表1に示した。
Figure 0006049132

Claims (5)

  1. ポリアミドイミドと、液晶ポリエステルと、非プロトン性化合物の占める割合が50質量%以上である溶媒とを含む液状組成物であって、
    前記液晶ポリエステルが、それを構成する全繰返し単位の合計量に対して、下記式(1)で表される繰返し単位を30〜50モル%、下記式(2)で表される繰返し単位を25〜35モル%、下記式(3)で表される繰返し単位を25〜35モル%有する液晶ポリエステルであり、X及び/又はYがそれぞれイミノ基であり、
    前記液状組成物中の前記液晶ポリエステルの含有量は、前記ポリアミドイミド及び前記液晶ポリエステルの合計量に対して、10〜30質量%である液状組成物。
    (1)−O−Ar−CO−
    (2)−CO−Ar−CO−
    (3)−X−Ar−Y−
    (Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar及びArは、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar、Ar又はArで表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
    (4)−Ar−Z−Ar
    (Ar及びArは、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
  2. Ar1がp−フェニレン基又は2,6−ナフチレン基であり、Ar2がp−フェニレン基、m−フェニレン基又は2,6−ナフチレン基であり、Ar3がp−フェニレン基であり、Xがイミノ基であり、Yが酸素原子である請求項1に記載の液状組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の液状組成物を支持基板上に流延した後、前記溶媒を除去する膜の製造方法。
  4. 前記膜がアルミ電解コンデンサー用セパレーターとして用いられる請求項に記載の膜の製造方法。
  5. 前記膜がプリント配線基板用カバーレイとして用いられる請求項に記載の膜の製造方法。
JP2012191287A 2012-08-31 2012-08-31 液状組成物及び膜の製造方法 Active JP6049132B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012191287A JP6049132B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 液状組成物及び膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012191287A JP6049132B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 液状組成物及び膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014047277A JP2014047277A (ja) 2014-03-17
JP6049132B2 true JP6049132B2 (ja) 2016-12-21

Family

ID=50607289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012191287A Active JP6049132B2 (ja) 2012-08-31 2012-08-31 液状組成物及び膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6049132B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006045517A (ja) * 2004-06-30 2006-02-16 Sumitomo Chemical Co Ltd フィルム
JP5050514B2 (ja) * 2006-12-07 2012-10-17 住友化学株式会社 液晶ポリエステル溶液組成物およびその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014047277A (ja) 2014-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2020166651A1 (ja) 液晶ポリエステル粉末、液晶ポリエステル組成物、フィルムの製造方法、及び積層体の製造方法
JP5899887B2 (ja) 液晶ポリエステルフィルムの製造方法
JP6619487B1 (ja) 液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法
US20130101824A1 (en) Method for producing laminate, and laminate
JP2012136628A (ja) 樹脂含浸シートの製造方法
JP5682922B2 (ja) 液晶ポリエステル液状組成物
US20120107510A1 (en) Liquid Crystal Polyester Liquid Composition
US20130052336A1 (en) Method of manufacturing laminated base material and method of manufacturing liquid crystal polyester film
JP2013001105A (ja) 積層体
KR20150122720A (ko) 적층판 및 그의 제조 방법
JP6049132B2 (ja) 液状組成物及び膜の製造方法
JP2022184787A (ja) ポリマー膜及びその製造方法、並びに、積層体及びその製造方法
CN113710484B (zh) 膜和层叠体
US20120132362A1 (en) Resin-impregnated sheet and method for producing resin-impregnated sheet laminate with metal foil
JP2022126429A (ja) ポリマーフィルム及び積層体
JP2013189534A (ja) 液晶ポリエステルフィルムの製造方法及び液晶ポリエステルフィルム
JP5655504B2 (ja) 液晶ポリエステル液状組成物の熱処理方法
JP6098817B2 (ja) 樹脂含浸シート
US20120196043A1 (en) Method for producing heat-treated liquid crystal polyester-impregnated base material
JP6086196B2 (ja) 液晶ポリエステルフィルムの製造方法
JP6128318B2 (ja) 樹脂含浸シート
JP6025247B2 (ja) 積層板及び金属ベース回路基板
JP6145932B2 (ja) 樹脂含浸シートの製造方法
JP2014165485A (ja) 積層板及び金属ベース回路基板
KR20140004928A (ko) 액정 폴리에스테르 복합체

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160229

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160506

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6049132

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350