JP6048861B1 - 杭基礎の施工管理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
管理に利用可能なシステムとして、特許文献1は、杭孔へ注入されるセメントミルクの流量を測定し、測定結果をグラフ化する杭施工管理システムを開示している。
しかしながら、セメントミルクの注入作業の担当者を監督すべき杭基礎の施工管理者が施工現場にてチャートを確認したとしても、その場で一度チャートを見るだけでは、杭孔に適量のセメントミルクが注入されたことを確認するための方法としては万全でない。
杭孔へ注入されるセメントミルク又は前記セメントミルクに含まれるセメントの注入量を確認する注入量確認工程と、
前記注入量確認工程で確認された前記セメントミルク又は前記セメントの注入量が、予め設定された設計量に一致するか否か判定する注入量判定工程と、
前記セメントミルクを前記杭孔に注入した日に前記注入量判定工程の判定結果を杭基礎の施工に関する責任を有する施工管理者に送る注入量判定結果送付工程とを備える。
具体的に、「一致する」という判定結果が送付されてきた場合に施工管理者は、セメントの供給が適切に実施されたことを把握することができる。
一方、「一致しない」という判定結果が送付されてきた場合には、セメントの供給に不具合が生じたことを当日中に把握できるため、直ちに対応策を検討することができる。特にセメントミルクの硬化が進んでいない当日中(セメントミルク注入から最大でも24時間以内)であれば多様な対応策を検討することが可能となる。そして、対応策を速やかに実施することで設計通りの支持力を発現させることができることとなる。したがって、施工の出来を迅速に把握できることにより施工の品質を確保することができる。
前記注入量確認工程において、前記杭基礎の施工現場にて前記杭孔に注入した日に使用されたセメントの使用量に基づいて、前記杭孔への前記セメントの注入量を確認する。
上記構成(2)によれば、杭基礎の施工現場でのセメントの使用量に基づいて、杭孔へのセメントの注入量を容易に確認することができる。
前記注入量確認工程は、
流量計を用いて前記杭孔への前記セメントミルクの注入量を測定する測定工程と、
前記測定工程にて得られた前記セメントミルクの注入量の測定結果をモニタ又は紙に出力する出力工程とを含む。
上記構成(3)によれば、流量計によって杭孔へのセメントミルク注入量を測定することで、杭孔へのセメントミルクの注入量を正確且つ短時間で取得することができる。これにより注入量確認工程を短時間で実施することができる。そして、注入量確認工程を短時間で実施することにより、セメントミルク注入から注入量判定結果送付工程までの時間を短縮することができるため、セメントの供給量が設計量と一致しない場合であっても多様な対応策を検討することが可能となる。
前記測定工程にて測定された前記セメントミルクの注入量の測定値を記録装置に格納する記録工程と、
前記記録装置に格納された前記セメントミルクの注入量の測定値と前記出力工程にて出力された前記セメントミルクの注入量とが一致するか否か判定する測定値適正判定工程と
を更に備え、
前記注入量判定結果送付工程において、前記注入量判定工程の判定結果とともに、前記測定値適正判定工程の判定結果を前記施工管理者に送る。
また、注入量判定工程の判定結果とともに、測定値適正判定工程の判定結果が送られてくるので、杭基礎の施工管理者は、適正な注入量の測定値を用いて注入量判定工程が実施されたことを確認した上で、杭孔へのセメントミルクの注入量が適量であるか否かを確実且つ迅速に把握することができる。
さらに、測定値適正判定工程で、実際の注入量の測定値と出力工程で用いた注入量の測定値とが一致しないという判定結果が得られた場合には、直ちに確認作業を行うことができるようになる。このため、間違って他の杭孔のデータを使用すること等が無くなる。
前記記録装置に格納された前記セメントミルクの注入量の測定値を、前記杭基礎の施工現場とは別の場所に設置されたサーバに向けて送信する送信工程と、
前記送信工程にて送信された前記セメントミルクの注入量の測定値を前記サーバに格納する測定値保存工程とを更に備える。
上記構成(5)によれば、必要に応じていつでも、杭孔へのセメントミルクの注入量が適量であるか否かを、サーバに格納されたセメントミルクの注入量の測定値に基づいて確認することができる。
プレボーリング工法は、掘削工程S1、杭周固定液注入工程S2、根固め液注入工程S3、及び、既製杭沈設工程S4を有している。
杭周固定液注入工程S2では、掘削機2の掘削ヘッド3から杭周固定液としてのセメントミルクを杭孔4内に注入する。そして、掘削機2によって掘削された土壌と杭周固定液とを撹拌混合し、図2(b)に示したように、杭孔4中にソイルセメント10を生成する。
杭周固定液注入工程S2では、掘削機2とともに、ソイルセメント供給管理システム20が使用される。
ソイルセメント供給管理システム20は、貯蔵タンク(セメントサイロ)22、搬送機24、ホッパ26、ロードセル28、混練タンク30、撹拌機32、水量計34、及び、ポンプ36を有している。
搬送機24は、例えばスクリューコンベアによって構成され、貯蔵タンク22に貯蔵されたセメントをホッパ26に供給する。
ホッパ26はロードセル28を介して図示しないフレームによって支持されている。従って、ホッパ26に貯留されたセメントの質量は、ロードセル28によって測定可能である。測定結果は、ホッパ26に搭載されている表示器(図示しない)に表示される。つまり、ロードセル28は、測定結果を表示器に出力可能である。
水量計34は、混練タンク30に貯留される水の水量、すなわち水の質量又は体積を測定するために、混練タンク30に取り付けられている。例えば、水量を測定するために、混練タンク30には、ホッパ26からセメントが供給される前に、水が供給される。
なお、杭周固定液としてのセメントミルクと、根固め液12としてのセメントミルクとでは、比重が異なる、即ち水とセメントの配合割合が異なる。従って、ソイルセメント供給管理システム20を使用すれば、水とセメントの配合割合を変える以外は杭周固定液注入工程S2と同様にして、根固め液注入工程S3を実行可能である。
ただし、セメントミルクには、必要に応じて、セメント及び水以外の添加剤を添加してもよい。
具体的には、貯蔵タンク22の計量器やロードセル28による測定結果に基づいて、図5に例示したようなセメント搬入量・使用量一覧表を作成する。このセメント搬入量・使用量一覧表には、日付毎にセメントの搬入量、使用量、残量等が記載されているため、セメントの使用量を即座に確認することができる。
注入量判定工程S20では、注入量確認工程S10で確認されたセメントミルク又はセメントの使用量(即ち注入量)が、設計量に一致するか否か判定する。設計量とは、杭基礎を設計する際に設定されるものであり、杭孔4に注入されるべきセメントミルク又はセメントの量である。なお、注入量が設計量に一致するとは、両者が完全に一致する場合の外、両者の差が誤差程度である場合も含む。
例えば、セメント搬入量・使用量一覧表に設計量及び判定結果の項目列を設けて使用量と比較するとともに判定結果を記載してもよい。
杭基礎の施工管理者とは、一般的に、セメントミルクの注入作業の担当者が下請け業者である場合、下請け業者にセメントミルクの注入作業を含む杭の施工を発注した元請け業者である。
また、上記構成によれば、注入量判定工程S20の判定結果が、杭孔4にセメントミルクを注入した日に杭基礎の施工管理者に送られる。このため、杭基礎の施工管理者は、杭孔4へのセメントミルクの注入量が適量であるか否かを確実且つ迅速に把握することができる。
具体的に、「一致する」という判定結果が送付されてきた場合に施工管理者は、セメントの供給が適切に実施されたことを把握することができる。
一方、「一致しない」という判定結果が送付されてきた場合には、セメントの供給に不具合が生じたことを当日中に把握できるため、直ちに対応策を検討することができる。特にセメントミルクの硬化が進んでいない当日中(セメントミルク注入から最大でも24時間以内)であれば多様な対応策を検討することが可能となる。そして、対応策を速やかに実施することで設計通りの支持力を発現させることができることとなる。したがって、施工の出来を迅速に把握できることにより施工の品質を確保することができる。
測定工程S110では、図3に示したように、流量計38を用いて杭孔4へのセメントミルクの注入量を測定する。流量計38は、例えば、ポンプ36と掘削機2の掘削ヘッド3との間に配設される配管に取り付けられる。
コンピュータ42は、流量計38による測定結果に加えて流量の時間変化を記録可能であり、流量を時間で積分することによって、注入量を求めることができる。コンピュータ42は、例えば、図3に示したように掘削機2に設置する。
また、コンピュータ42には設計量の値が格納されている。
なお情報端末44,46としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型PC(パーソナルコンピュータ)又は卓上型PC等を用いることができる。情報端末44,46は、通信機能を有しているのが好ましいが、情報端末44,46が通信機能を有していない場合、情報端末44,46とは別に、判定結果を送受信するための通信装置を用意してもよい。
これにより注入量確認工程S10を短時間で実施することができる。そして、注入量確認工程S10を短時間で実施することにより、セメントミルク注入から注入量判定結果送付工程S30までの時間を短縮することができるため、セメントの注入量が設計量と一致しない場合であっても多様な対応策を検討することが可能となる。
貯蔵タンク22の計量器及びロードセル28の測定値は、コンピュータ42に出力される。そして、図5に例示したようなセメント搬入量・使用量一覧表をコンピュータ42にて作成してもよい。
コンピュータ42にて作成されたセメント搬入量・使用量一覧表は、出力工程S120にてモニタ40、紙、写真等に出力される。出力されたセメント搬入量・使用量一覧表を見ることで、セメントの使用量を即座に確認することができる。
記録工程S40は、ソイルセメント供給管理システム20の電源を入れると同時にデータの記録が開始され、電源を切ると同時に停止される。この記録工程S40は自動的に行われる。なお、記録工程S40は、掘削機2を駆動すると同時に始まり、駆動を停止させると同時に止まることとしてもよい。
記録装置47は、図3に示したように、流量計38、ロードセル28、貯蔵タンク22の計量器と通信可能な状態でソイルセメント供給管理システム20に設置される。なお、記録装置47を掘削機2やバッチャープラントに設置してもよい。
その後、注入量判定結果送付工程S30において、注入量判定工程S20の判定結果とともに、測定値適正判定工程S50の判定結果をセメントミルクを杭孔4に注入した日に杭基礎の施工管理者に送る。
また、注入量判定工程S20の判定結果とともに、測定値適正判定工程S50の判定結果が送られてくるので、杭基礎の施工管理者は、適正な注入量の測定値を用いて注入量判定工程S20が実施されたことを確認した上で、杭孔4へのセメントミルクの注入量が適量であるか否かを確実且つ迅速に把握することができる。
さらに、測定値適正判定工程S50で、実際の注入量の測定値と出力工程で用いた注入量の測定値とが一致しないという判定結果が得られた場合には、直ちに確認作業を行うことができるようになる。
なお、測定値適正判定工程S50において、記録装置47に格納されたセメントミルクの注入量の測定値と出力工程S120にて出力されたセメントミルクの注入量とが一致しなかった場合、即座に杭基礎の施工管理者と対応について相談する。
図9の杭基礎の施工管理方法は、図8の杭基礎の施工管理方法と比べたときに、送信工程S60及び測定値保存工程S70を更に有している。
なお、コンピュータ42に格納されたセメントミルクの注入量の測定値をサーバ48に送信することとしてもよい。
記録装置47が破損したことによりデータが消去された場合には、サーバ48に格納されたデータを利用して測定値適正判定工程S50を実施してもよい。
例えば、流量計38及びコンピュータ42は、注入量確認工程S10、注入量判定工程S20、及び、注入量判定結果送付工程S30の一部又は全部を、自動にて実行可能に構成されていてもよく、或いは、人による操作(入力)に従って実行可能に構成されていてもよい。流量計38及びコンピュータ42が、設計量等の初期値の入力を除き、注入量確認工程S10、注入量判定工程S20、及び、注入量判定結果送付工程S30の全部を、自動にて実行可能である場合、出力工程S120を省略可能である。
更に例えば、杭孔4の底部が拡底され、根固め部16の外径が、杭周部18の外径よりも大きくなっていてもよい。
3 掘削ヘッド
4 杭孔
6 非支持層
8 支持層
10 ソイルセメント
12 根固め液
14 既製杭
16 根固め部
18 杭周部
20 ソイルセメント供給管理システム
22 貯蔵タンク
23 表示器
24 搬送機
26 ホッパ
26a 開閉弁
28 ロードセル
30 混練タンク
32 撹拌機
34 水量計
36 ポンプ
38 流量計
40 モニタ
42 コンピュータ
44 情報端末
45 インターネット
46 情報端末
47 記録装置
48 サーバ
S1 掘削工程
S2 杭周固定液注入工程
S3 根固め液注入工程
S4 既製杭沈設工程
S10 注入量確認工程
S20 注入量判定工程
S30 注入量判定結果送付工程
S40 記録工程
S50 測定値適正判定工程
S60 送信工程
S70 測定値保存工程
S110 測定工程
S120 出力工程
Claims (5)
- セメントミルク又は前記セメントミルクに含まれるセメントの杭孔への注入量を確認する注入量確認工程と、
前記注入量確認工程で確認された前記セメントミルク又は前記セメントの注入量が、予め設定された設計量に一致するか否か判定する注入量判定工程と、
前記セメントミルクを前記杭孔に注入した日に前記注入量判定工程の判定結果を杭基礎の施工に関する責任を有する施工管理者に送る注入量判定結果送付工程と
を備え、
前記注入量確認工程は、
流量計を用いて前記杭孔への前記セメントミルクの注入量を測定する測定工程と、
前記測定工程にて得られた前記セメントミルクの注入量の測定結果をモニタ又は紙に出力する出力工程と
を含み、
前記測定工程にて測定された前記セメントミルクの注入量の測定値を記録装置に格納する記録工程と、
前記記録装置に格納された前記セメントミルクの注入量の測定値と前記出力工程にて出力された前記セメントミルクの注入量とが一致するか否か判定する測定値適正判定工程と
を更に備え、
前記測定工程にて測定された前記セメントミルクの注入量の測定値は、前記出力工程及び前記記録工程に並列に供され、
前記注入量判定結果送付工程において、前記注入量判定工程の判定結果とともに、前記測定値適正判定工程の判定結果を前記施工管理者に送る
ことを特徴とする杭基礎の施工管理方法。 - 前記注入量確認工程において、前記杭基礎の施工現場にて前記杭孔に注入した日に使用されたセメントの使用量に基づいて、前記杭孔への前記セメントの注入量を確認する
ことを特徴とする請求項1に記載の杭基礎の施工管理方法。 - 前記記録装置に格納された前記セメントミルクの注入量の測定値を、前記杭基礎の施工現場とは別の場所に設置されたサーバに向けて送信する送信工程と、
前記送信工程にて送信された前記セメントミルクの注入量の測定値を前記サーバに格納する測定値保存工程と
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の杭基礎の施工管理方法。 - 前記注入量判定結果送付工程において、前記注入量判定工程にて得られた一致する又は一致しないの何れか一方の判定結果を保存可能な形式にて送り、
前記記録工程において前記セメントミルクの注入量の測定値を前記記録装置に読み出し可能で且つ書き換えは不可に格納する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の杭基礎の施工管理方法。 - 前記記録工程において、前記セメントミルクを供給するシステムの電源投入と同時に又は前記杭孔を掘削する掘削機の駆動と同時に前記測定値の格納が自動的に開始され、前記システムの電源を切ると同時又は前記掘削機の駆動を停止すると同時に前記測定値の格納が自動的に停止される
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の杭基礎の施工管理方法。
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