以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。この実施例に係る後方サイドフラップ折り曲げ装置は、図1および図2に示すラップラウンドケーサに設けられており、ラップラウンドシート2(図3参照)に複数の容器4(容器群4A)を載置して、前後のフラップ、天面および前後のサイドフラップ等を順次折り込む過程で、搬送方向後方側に位置している後方サイドフラップを折り曲げるための装置である。
先ず、ラップラウンドケーサ全体の構成について説明する。このラップラウンドケーサは、上流側に、容器4を所定個数グルーピングした容器群4Aを供給する容器供給部Xが設けられ、下流側に、集積された容器群4Aが底面上に載せられた状態でラップラウンドシート2を受け取って、各フラップおよびサイドフラップ等を順次折り込むフラップ折り込み部Yが設けられている。そして、直列に配置されている上流側の容器供給部Xと下流側のフラップ折り込み部Yの中間に、直交する方向(図1の上方)からラップラウンドシート2を供給するラップラウンドシート供給部(以下、シート供給部Zと呼ぶ)が設けられている。
シート供給部Zから供給されたラップラウンドシート2に、集積された容器群4Aとして供給されてきた複数本の容器4が、容器供給部Xで載置されるとともに、ラップラウンドシート2と容器4とが一体的にフラップ折り込み部Yに送り込まれる。このフラップ折り込み部Yでは、ラップラウンドシート2と容器4とを搬送していく間に、各部のフラップおよびサイドフラップを順次折り込んでケース状に成形し、ラップラウンドシート2によって所定個数の容器4が包装された製品が製造される。
容器供給部Xには、容器4を複数本グルーピングした状態で搬送する容器供給コンベヤ6が配置されている。ラップラウンドシート2によって包装される容器4は、上流側のグルーピング装置(図示せず)のおいて6列各4個の容器群4Aにグルーピングされ、容器供給コンベヤ6の搬送面6a上の両側に配置された一対の両側ガイド8によってガイドされつつ、充填位置Fまで搬送される。
容器供給コンベヤ6の下流部から前記充填位置Fの上方にかけてフライトバー10が設置されており、前記のようにグルーピングされた各24個の容器群4Aを、所定の間隔に位置決めするとともに、容器供給コンベヤ6の走行速度よりも速い速度で移動して強制的に前進させるようになっている。このフライトバー10は、容器供給コンベヤ6の容器搬送経路(両側ガイド8の間の部分)よりも外側の上方に、上下左右の各所に配置されたスプロケット12に掛け回された両側一対のチェーン14に、容器供給コンベヤ6の搬送方向と直交する方向を向けて、所定の間隔で水平に取り付けられている。
フライトバー10は、図2に示す移動軌跡(チェーン14の配置と同じ)に沿って移動するようになっており、上方側を上流側へ移動した後下降して、容器供給コンベヤ6上を搬送されている2つの容器群4Aの間に入り、容器供給コンベヤ6によって搬送されている容器群4Aよりも速い速度で前進して前方の容器群4Aの後端に追い付き、後方から容器群4Aを押圧して前進させる。このフライトバー10は、後に説明するラップラウンドシート2上に容器群4Aを押し込み、ラップラウンドシート2と容器4とを一体的にフラップ折り込み部Y側へ押し出した後、搬送されている容器4に干渉しない高さまで上昇して再び上流側へ後退する。
シート供給部Zには、前記容器供給コンベヤ6の下流端に直交する方向から伸びる(図1の上方側から容器供給コンベヤ6の下流端へ伸びている)ラップラウンドシート供給コンベヤ(以下、シート供給コンベヤと呼ぶ)が配置されている(図示を省略)。シート供給コンベヤの上流側の上方にシートマガジン18が斜めに配置されており、複数枚のラップラウンドシート2が積み重ねた状態で収容されている。さらにこのシート供給部Zには、後に説明するシート取り出し手段が設けられている。
この実施例で扱われるラップラウンドシート2は、図3に示すように、底面2aと、その一辺(図3の右側の辺)に折り曲げ線2bを介して接続された後面(後方フラップ2c)と、後方フラップ2cの底面2aと逆側の辺に折り曲げ線2dを介して接続された折り込みフラップ2eと、底面2aの前記一辺と逆の辺に折り曲げ線2fを介して接続された前面(前方フラップ2g)と、この前方フラップ2gの底面2aと逆側の辺に折り曲げ線2hを介して接続された天面2iとを有している。さらに、前記底面2a、後方フラップ2c、前方フラップ2gおよび天面2iの両側に、それぞれ折り曲げ線2j、2k、2m、2nを介して接続された底面サイドフラップ2p、後方サイドフラップ2q、前方サイドフラップ2rおよび天面サイドフラップ2sが設けられている。前記シートマガジン18は、図2に示すように上流側が低く傾斜して配置されており、ラップラウンドシート2の後方フラップ2c側が上流側(図2の右方)を向くようにシートマガジン18に収容されている。
上方の前記シートマガジン18と下方のシート供給コンベヤの間に、シート取り出し手段(図示せず)が設けられている。このシート取り出し手段も図示は省略するが、吸着手段を昇降させてシートマガジン18に収容されているラップラウンドシート2の最下部の一枚を吸着し、下降して取り出してシート供給コンベヤに引き渡すようにしている。全体がフラットな状態でシートマガジン18内に収容されているラップラウンドシート2の、底面2aの下面側にシート取り出し手段の吸着手段を吸着させて下降させることにより、シートマガジン18からラップラウンドシート2を取り出す。取り出したラップラウンドシート2をシート供給コンベヤ上に引き渡すまでのラップラウンドシート2の移動経路にシート折り曲げ手段が配置されており、ラップラウンドシート2の前方フラップ2gをこの折り曲げ手段に係合させつつ引き下げることにより、ラップラウンドシート2を、底面2aと前方フラップ2gとの間の折り曲げ線2fで折り曲げてほぼ直角の状態にして、シート供給コンベヤに引き渡す。
L字状に折り曲げられたラップラウンドシート2はシート供給コンベヤによって充填位置Fに供給される。この充填位置Fの上方には、容器群4Aが載置されたラップラウンドシート2の搬送方向と直交する方向を向けて天面折りバー19が配置されており(後に説明する図7参照)、供給されたラップラウンドシート2の直立した状態の前方フラップ2gおよび天面2iは、この天面折りバー19よりも容器供給部X側に位置している(図7(c)参照)。しかも、この天面折りバー19は、前方フラップ2gと天面2iとの間の折り曲げ線2hよりも上方に位置している。
シート供給コンベヤから供給されたラップラウンドシート2に、容器供給コンベヤ6によって搬送されてきた容器群4Aが載せられてそのままフラップ折り込み部Yに引き渡される。フラップ折り込み部Yには、ラップラウンドシート2と容器4を一体的に搬送するラップラウンドシート搬送コンベヤ20(以下、搬送コンベヤと呼ぶ)と、この搬送コンベヤ20の上流端に配置され、容器供給部Xから送られてきたラップラウンドシート2と容器4を、搬送コンベヤ20へ受け渡しを行う中間コンベヤ22(図5および図6参照、なお図1では図示を省略している)が配置されている。
この実施例では、搬送コンベヤ20、中間コンベヤ22および後に説明する後方サイドフラップ折り曲げ装置等は、このラップラウンドケーサを各種サイズのラップラウンドシート2に兼用可能にするために、両側に配置されている各部材の間隔を調整可能にしている。フラップ折り込み部Yは両側のフレーム24間に配置されており、各部材は、両側のフレーム24に横方向(搬送方向と直交する方向)移動可能に支持された両側一対の機枠26に支持されている。両側のフレーム24間の上流部と下流部に回転自在に支持された、搬送方向と直交する方向の2本の水平なねじ軸27、28に、それぞれ2箇所のナット30、32が螺合している。上流側と下流側の各2箇所のナット30、32に機枠本体部26aの上流部と下流部が固定されている。両ねじ軸27、28は左右両側に逆方向のネジが切られており、これらねじ軸27、28を回転させることにより両側2箇所のナット30、32、およびこれらのナット30、32に固定されている2本の機枠本体部26aが接近、離隔する。
下流側のねじ軸28(以下、駆動側ねじ軸と呼ぶ)に機枠スライドモータ34が連結され、この機枠スライドモータ34の駆動によって駆動側ねじ軸28は正逆回転する。この駆動側ねじ軸28と上流側のねじ軸27(以下、従動側ねじ軸と呼ぶ)は、端部側にベベルギヤ28a、27aが取り付けられ、これら両ねじ軸27、28のベベルギヤ27a、28aに、ベベルギヤ軸36の両端に固定したベベルギヤ36a、36bが噛み合っており、ベベルギヤ軸36を介して駆動側ねじ軸28の回転が従動側ねじ軸27に伝達され、これら両ねじ軸28、27が同方向に同角度回転するようになっている。従って、駆動側ねじ軸28を回転させることにより、両側の機枠26が平行状態を維持したまま、離隔する方向または接近する方向に同量だけ移動する。
駆動側ねじ軸28と従動側ねじ軸27にそれぞれ隣接してガイド軸39、38が固定されている。これらガイド軸38、39に、機枠26の下面に固定したスライダが嵌合し、左右方向に移動する両側の機枠26を案内するようになっている。
前記両機枠26の本体部26aの上流端に、延長部26b(図5参照)が設けられており、これら延長部26bに、以下に説明する各部材が取り付けられている。従って、機枠26の間隔を調整することにより、両側一対の各部材を幅方向に移動させて間隔を調整することが可能である。
搬送コンベヤ20は、上流側の両側に配置された従動スプロケット40(図4ないし図6参照)と、下流側の両側に配置された駆動スプロケット42(図1参照)と、これら上流側と下流側のスプロケット40、42に掛け回された両側一対の無端状搬送体(搬送チェーン44)を備えている。下流側の駆動スプロケット42は、両側のフレーム24間を貫通する水平な駆動軸46に、キーを介して軸方向移動可能に連結されており、駆動軸46と一体的に回転するとともに、この駆動軸46上で移動できるようになっている。この駆動軸46には、搬送コンベヤ駆動モータ48が連結され、この駆動モータ48の駆動によって回転される。両側の駆動スプロケット42の周囲を囲んでボックス49が配置され、駆動軸46に対して相対的に回転できるようになっている。つまり、駆動スプロケット42は、駆動軸46に対して軸方向移動可能であるとともに、一体的に回転し、ボックス49は、駆動軸46に対し駆動スプロケット42と一体的に軸方向移動可能であるとともに、駆動軸46および駆動スプロケット42に対し相対回転可能になっている。
駆動スプロケット42を囲むボックス49は、前記機枠26の本体部26aの末端に接続プレート51を介して連結されており、機枠26を幅方向(搬送方向と直交する方向)に移動させると、ボックス49および駆動スプロケット42は、機枠26と一体として駆動軸46に沿って移動する。また、上流側の従動スプロケット40は、両側の機枠延長部26bにそれぞれ取り付けられた水平な従動軸47(図5参照)によって回転自在に支持されており、機枠26を幅方向に移動させるとこれら従動スプロケット42も一体的に移動してその間隔が調整される。
搬送コンベヤ20の両側の搬送チェーン44には、ラップラウンドシート2の後方フラップ2cに当接してこの後方フラップ2cを起立させる後方フラップ起立手段(フィンガー50)が所定の間隔で取り付けられている。これらフィンガー50は、後方フラップ2cを起立させた後、そのまま後方フラップ2cを押圧して容器群4Aを載せたラップラウンドシート2を搬送していく。
搬送コンベヤ20の両搬送チェーン44の上流端の内側に、中間コンベヤ22が配置されている(図5および図6参照)。この中間コンベヤ22は、両側機枠26の延長部26bの先端に、互いに内側を向けて取り付けた一対の水平な支持軸52に回転可能に支持された上流側プーリ54と、これら上流側プーリ54よりもやや下流側で、機枠延長部26bに取り付けた一対の水平な支持軸56(図6参照)に回転可能に支持された下流側プーリ58と、これら下流側プーリ58のやや下方の下流側に、機枠延長部26bに固定した中間コンベヤ駆動サーボモータ60の駆動軸60aに連結された駆動プーリ62とに掛け回された一対の無端状ベルト64を備えている。
この中間コンベヤ22の上流側プーリ54は、搬送コンベヤ20の上流側に配置された従動スプロケット40よりもやや上流側に位置し、中間コンベヤ22の下流側プーリ58は、搬送コンベヤ20の従動スプロケット40よりもやや下流側に位置している。また、中間コンベヤ22の搬送面22aは搬送コンベヤ20の搬送面20aよりもやや上方に位置している。これら両側の中間コンベヤ22も両側の機枠26に取り付けられており、機枠26の間隔を調整することにより同時に間隔が調整される。
前記両側機枠26の延長部26bの先端部寄りに、ラップラウンドシート2の後方フラップ2cの両側に設けられている後方サイドフラップ2qを折り曲げる後方サイドフラップ折り曲げ手段66がそれぞれ設けられている。これら後方サイドフラップ折り曲げ手段66は、ラップラウンドシート2の後方サイドフラップ2qに背後から当接する当接部材(タッカー68)と、各タッカー68を回動させるタッカー駆動手段としてのサーボモータ70を備えている。これら両側のタッカー68は、機枠26の延長部26bの外側に張り出して設けられた枠部26cに、互いに向かい合う方向を向けて固定されたタッカー駆動用サーボモータ70の駆動軸に取り付けられており、これらサーボモータ70の駆動によって、上方を搬送されてくるラップラウンドシート2に干渉しない下方位置(図5に示す方向に回動)と、搬送されるラップラウンドシート2の速度よりも速い速度で搬送方向に移動する折り込み位置(図6に示す位置)との間で往復回動される。これら両側の後方サイドフラップ折り曲げ手段66も、両側の機枠26に取り付けられており、機枠26の間隔を調節することによりその幅方向の間隔を調整することができる。両タッカー68は、後方フラップ2cの両側に接続されている後方サイドフラップ2qを折り曲げるものであり、搬送コンベヤ20の両搬送チェーン44に取り付けられている前記両フィンガー50よりも所定の距離だけ外側に位置している。
搬送コンベヤ20の上方両側に、底面2a上に容器4を載置した状態で搬送されてくるラップラウンドシート2の前方サイドフラップ2rに、前面から干渉して後方へ向けて折り込むとともに、前記タッカー68によって後方から押されて前方側へ折り曲げられた後方サイドフラップ2qを両側から挟み込むサイドガイド72が設けられている。これら両側のサイドガイド72は、図5に示すように、ラップラウンドシート2の搬送方向に沿って進退動するとともに、幅方向(搬送方向と直交する方向)にも移動できるようになっている。図5に実線で示すサイドガイド72は、下流側に向けて移動しかつ離隔した位置であり、想像線で示すサイドガイド72は、上流側に向けて移動しかつ接近した位置にある。両サイドガイド72の先端72aは、前方サイドフラップ2rを折り曲げやすく、しかも、後方サイドフラップ2qを挟み込みやすいように外方へ向けて曲がっている。
前記機枠延長部26bの下流部寄りに、機枠26の外側を向けてサイドガイド駆動モータ74が水平に固定され、この駆動モータ74の駆動軸に駆動プーリ76が取り付けられ、上流寄りの前記枠部26cに従動プーリ78が回転自在に支持されている。これら上流側の従動プーリ78と下流側の駆動プーリ76に掛け回されたベルト80に、直立した取付部材82(図6参照)を介して、サイドガイド進退動シリンダ84が固定されている。両側のサイドガイド進退動シリンダ84は、互いに向かい合う方向を向けて水平に固定されており、これら両進退動シリンダ84のピストンロッドに前記サイドガイド72が取り付けられている。これら両サイドガイド72は、搬送コンベヤ20上を搬送されるラップラウンドシート2の前方側および後方側サイドフラップ2r、2qを挟み込める高さに配置されている。両サイドガイド72は、サイドガイド駆動モータ74の駆動によりベルト80を往復走行させることにより搬送方向に進退動し、サイドガイド進退動シリンダ84の作動によって互いに接近、離隔する。
これらサイドガイド72は、搬送方向に沿って水平方向に進退動するとともに、両側から互いに接近離隔できるようになっており、図5中に想像線で示す位置が、最も上流側に移動し、かつ、最も接近した位置であり、搬送コンベヤ20が容器群4Aとラップラウンドシート2を受け取る受け取り時の位置である。また、同図中に実線で示す位置は、最も下流側に移動し、かつ、最も離隔した位置であり、後方サイドフラップ2qをタッカー68によって折り曲げているときの位置である。これら両側サイドガイド72も前記機枠26の延長部26bに取り付けられており、搬送コンベヤ20の間隔を調整するために機枠26を幅方向に移動させると、サイドガイド72も一体的に間隔を調整される。
前記サイドガイド72のやや下方位置に、固定ガイド86が配置されている(図6参照)。これら両側の固定ガイド86は、搬送コンベヤ20によってラップラウンドシート2が搬送されていく際に、上流側に前進した前記サイドガイド72によって折り曲げられた前方サイドフラップ2rと、タッカー68によって前方へ向けて折り曲げられた後方サイドフラップ2qを挟み込んで保持するようになっている。これら両固定ガイド86も前記機枠26に固定されており、搬送コンベヤ20の間隔調整のために機枠26を移動させると、同時に間隔が調整される。なお、図5では固定ガイド86の図示を省略している
以上の構成に係る後フラップ折り曲げ装置を備えたラップラウンドケーサの作動について説明する。容器供給部Xには、容器4を載せて搬送する容器供給コンベヤ6と、この容器供給コンベヤ6によって搬送されている容器4を後方から押圧して、容器供給コンベヤ6よりも速い速度で前進させるフライトバー10とが設けられている。複数の容器4がグルーピングされた容器群4A(この実施例では6列各4本ずつの24本の容器)として容器供給コンベヤ6によって搬送されてくる。容器供給コンベヤ6の下流部の上方にフライトバー10が設けられており、前記各容器群4Aの後方側に係合して移動することにより、容器群4Aを容器供給コンベヤ6の搬送速度よりも速い速度で前進させる。
容器供給コンベヤ6の下流端に、直交する方向からラップラウンドシート2を供給するシート供給コンベヤ(図示を省略)が配置されており、シートマガジン18内に積み重ねて収容されているラップラウンドシート2が図示しないシート取り出し手段によって取り出され、このシート供給コンベヤによって充填位置Fまで搬送される。シートマガジン18からラップラウンドシート2を取り出してシート供給コンベヤ6へ引き渡す経路に、図示しない折り曲げガイドが配置されており、シート取り出し手段の吸着手段によって底面2aを吸着されたラップラウンドシート2は、引き出されてシート供給コンベヤに引き渡される過程で、前方フラップ2gが前記折り曲げガイドに押し付けられて、底面2aと前方フラップ2gとの間の折り曲げ線2fで折り曲げられる。ラップラウンドシート2は、底面2aと後方フラップ2cが水平な状態で、かつ、前面フラップ2gと天面2iが直立し、搬送方向前方側(図1および図2の左方)を向いた状態でシート供給コンベヤに引き渡されて、前記充填位置Fへ送られる。充填位置Fには上方に天面折りバー19が配置されており、ラップラウンドシート2の天面2iがこの天面折りバー19の、容器供給コンベヤ6側に位置する(図7(c)に示すラップラウンドシート2参照)。
充填位置Fに供給されたラップラウンドシート2の底面2a上に、フライトバー10によって押された容器群4Aが押し込まれて載置される。フライトバー10は、容器供給コンベヤ6の最先端部まで水平移動するようになっており、ラップラウンドシート2の底面2a上に容器群4Aを載置させた後、そのまま前進して、ラップラウンドシート2と容器4を一体としてフラップ折り込み部Y側に押し出す。このときにラップラウンドシート2の前面フラップ2gは容器4によって後方から押されるとともに、前方フラップ2gの上方に接続されている天面2iは天面折りバー19によって前面側を押さえられているので、天面2iが折り曲げ線2hから後方に向けて折り曲げられる(図7(a)参照)。
フラップ折り込み部Yには、最も上流側に短い中間コンベヤ22が、搬送コンベヤ20よりもやや高い位置に配置されており、容器供給部Xから押し出されてきたラップラウンドシート2および容器群4Aは、一旦この中間コンベヤ22に載せられて搬送され、直ぐに搬送コンベヤ20に受け渡される。
ラップラウンドシート2および容器群4Aが、容器供給部Xからフラップ折り込み部Yへ押し出されてくる時点では、両側のサイドガイド72が図5に想像線で示すように、最も上流側へ移動し、かつ接近した位置にある(図7(a)および図5に想像線で示すサイドガイド参照)。この時点では、両サイドガイド72は、ラップラウンドシート2の前方フラップ2gとその両側の前方サイドフラップ2rとの間の折り曲げ線2mよりもやや外側に位置している。この状態の両サイドガイド72間にラップラウンドシート2が押し込まれると、両サイドガイド72の先端72aが両側の前方サイドフラップ2rに当接し、ラップラウンドシート2の移動に伴って前方サイドフラップ2rを搬送方向後方側へ向けて折り曲げる。
両サイドガイド72は、前方サイドフラップ2rが折り曲げ線2mで後方(上流側)へ向けて折り曲げられ、さらに前進しているラップラウンドシート2に対して、このラップラウンドシート2の前進速度よりも速い速度で下流側へ移動するとともに(図7(b)、(c)参照)、その後折り込まれる後方サイドフラップ2qを受け入れるために所定量離隔する(図5に実線で示すサイドガイド72参照)。
ラップラウンドシート2の後方側に位置している水平な状態の後方フラップ2cが、搬送コンベヤ20の上流側の従動スプロケット40に接近してくると、搬送コンベヤ20に取り付けられているフィンガー50が、従動スプロケット40の周囲を回転して搬送面20aの上方へ移動しつつ、後方フラップ2cの下面側に当接して次第に起立させていく(図7(b)参照)。このようにフィンガー50により後方フラップ2cを起立している間に、タッカー駆動用のサーボモータ70の駆動によりタッカー68を回動させる。タッカー68は、前記フィンガー50と同じ回転方向に、フィンガー50の移動速度よりも速い速度で回転し、後方フラップ2cの両側に折り曲げ線2kを介して接続されている後方サイドフラップ2qを、容器群4Aの側部に向けて折り曲げる。
前方へ向けて折り曲げられた両側の後方サイドフラップ2qは、下流側へ移動し離隔していた両側のサイドガイド72間に挟み込まれる(図7(c)参照)。すでに折り曲げられている前方サイドフラップ2rと、この時点で折り曲げられ、サイドガイド72に押さえられた後方サイドフラップ2qは、そのまま前進して両側の固定ガイド間に進入する(図7(d)参照)。また、後方サイドフラップ2qを一度押さえ込んだサイドガイド72は、両者の間隔を狭めるとともに上流側へ移動(図5に想像線で示す位置)して次のラップラウンドシート2の供給を待つ。
前後のフラップ2g、2cが起立し、これら両フラップ2g、2cの両側に接続して設けられている前後のサイドフラップ2r、2qが容器群4Aの側面に折り曲げられたラップラウンドシート2は、その後、図示しない折り曲げ手段等によって天面2i等が折り曲げられて、容器4を包装したケースとして成形される。
このラップラウンドケーサによって折り込まれるラップラウンドシート2のサイズや容器4の数が変更になり、搬送コンベヤ20の両搬送チェーン44の間隔を調整する必要がある場合には、機枠スライドモータ34の駆動によって駆動側ねじ軸28を回転させる。この駆動側ねじ軸28の回転により、両側のナット32が駆動側ねじ軸28に沿って逆方向に同量移動する。また、駆動側ねじ軸28の回転は、ベベルギヤ軸36を介して従動側ねじ軸27に伝達され、この従動側ねじ軸27の両ナット30も、前記ナット32と同量だけ軸方向に移動し、その結果機枠26全体が平行な状態を維持したまま逆方向に移動して接近または離隔する。
搬送コンベヤ20の両搬送チェーン44は、前記両側の機枠26にそれぞれ連結しており、機枠26を幅方向に移動させて間隔を調整すると、両搬送チェーン44の間隔も同時に調整される。ラップラウンドシート2の後方フラップ2cを起立させるフィンガー50は、両搬送チェーン44に取り付けられており、両搬送チェーン44の間隔を調整すると同時にフィンガー50の間隔も調整される。さらに、両中間コンベヤ22も両機枠26の延長部26cにそれぞれ取り付けられており、機枠26の間隔を調整することにより、両搬送チェーン44とともに間隔が調整される。また、ラップラウンドシート2の後方フラップ2cの両側に接続されている後方サイドフラップ2qを折り曲げる後方サイドフラップ折り曲げ手段66は、両側機枠26の延長部26bに設けられた枠部26cにそれぞれ取り付けられており、これら後方サイドフラップ折り曲げ手段66の間隔も、両搬送チェーン44の間隔に合わせて調整される。このように、ラップラウンドシート2のサイズが変更になり、搬送コンベヤ20の両搬送チェーン44の間隔を調整する場合に、機枠26の間隔を調整すると、その他に間隔を調整する必要がある搬送コンベヤ20以外の各部材(中間コンベヤ22、後方サイドフラップ折り曲げ手段66等)の間隔も自動的に調整される。従って、各種サイズのラップラウンドシート2および包装される容器4等の物品に対する兼用が容易であり、しかも簡単な操作で調整することができる。なお、前記実施例では、機枠26を移動させる駆動ねじ軸28を、機枠スライドモータ34によって回転させるようにしたが、この駆動ねじ軸28を手動によって回転させるようにすることもできる。
なお、処理する後方サイドフラップ2qの長さに応じて、タッカー68による後方サイドフラップ2qの保持時間を変更することも可能である。すなわち、短い後方サイドフラップ2qは長い後方サイドフラップ2qと比較して、サイドガイド72が案内する位置まで戻ってくるのに時間がかかる。従って、長い後方サイドフラップ2qと同じ保持時間にすると、サイドガイド72が戻ってくる前に後方サイドフラップ2qの保持を解放することになり、後方サイドフラップ2qがサイドガイド72と干渉して逆方向に折れるなどの不具合の原因になる。そこで、短い後方サイドフラップ2qの場合にはタッカー68による保持時間を長くすることによりこの不具合を解消することができる。また、前記実施例では、後方フラップ起立手段(フィンガー50)と後方サイドフラップ折り曲げ手段66のタッカー68とを別々の部材としているが、一体的な構成とすることもできる。例えば、サーボモータ70によって回動させるタッカーをL字状とし、このL字状タッカーの搬送方向と平行な部分をサーボモータ70の駆動軸に連結して、後方サイドフラップ2qを折り曲げるとともに、前記平行な部分の後端に搬送方向と直交する部分を設け、この部分を後方フラップ2cに当接させて起立させるようにすることもできる。