JP6044784B2 - 内装材 - Google Patents
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Description
前記表皮層の裏面には、印刷部と非印刷部とが配されており、
前記照明手段を発光させると、前記表皮層に光が透過することによって、前記表皮層の表面に意匠が浮かび上がり、
前記表皮層は、その裏面に100mm角の面発光光源を設置して、前記表皮層の表面から600mm離れたところに、その表面と平行になるように被照射面を置いて、前記非印刷部の真下における被照射面での照度をAとし、前記印刷部の真下における被照射面での照度をBとした場合に、[((A−B)/A)×100(%)]で算出される透過率の差Dが5〜60%であることを要旨とする。
本発明の内装材は、透光性基材と、透光性基材の裏面側に配設された照明手段と、透光性基材の表面側に配設された表皮層と、を備えている。
上記無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維(PAN系、ピッチ系、セルロース系等)、金属繊維(アルミニウム、ステンレス等)、セラミック繊維(バサルト、炭化ケイ素、窒化ケイ素等)等が挙げられる。
上記有機繊維としては、合成繊維、天然繊維等が挙げられる。合成繊維としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維(アラミド繊維等)、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維及びビニロン系繊維等が挙げられる。また、天然繊維としては、植物及び動物に由来する繊維が挙げられる。植物に由来する繊維としては、例えば、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、ジュート麻、綿花、雁皮、三椏、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹及び各種針葉樹等の各種植物から得られる植物性繊維が挙げられる。
これらの繊維は種類を問わず、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、繊維長は、JIS L1015における直接法に準拠し、無作為に取り出した1本の繊維を伸張させずに真っ直ぐに延ばし、置尺上で測定した繊維長であり、繊維径は、繊維長を測定した繊維について、長さ方向中央部における径を、光学顕微鏡を用いて測定した値である。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール系樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、カルボキシル基又は酸無水物基により変性された変性ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂が挙げられる。
ポリアクリル系樹脂としては、メタアクリレート、アクリレート等が挙げられる。
また、上記ウェブを製造する方法も特に限定されない。具体的には、例えば、繊維と熱可塑性樹脂体とを気相中に分散させて混合し、混合された繊維及び熱可塑性樹脂を下方に堆積させることにより、ウェブを得ることができる(乾式法)。また、分散媒内で、繊維と熱可塑性樹脂とを堆積させることにより、ウェブを得ることもできる(湿式法)。尚、いずれの方法においても、必要に応じてウェブにニードリングを施すことができる。
この透光性基材の具体的な構成としては、例えば、スクリム層と、通気止めフィルム層と、繊維基材からなる繊維基材層と、接着フィルム層とを、この順に備えるものを挙げることができる。
<透過率の測定方法>
図3に示すように、被照射面21から600mm離れたところに、100mm角の面発光光源23(株式会社オプトデザイン社製、「UniBrite」)を、その発光面25と被照射面21とが平行になるように設置し、面発光光源23の中央の直下における被照射面21の照度をaとする。次いで、図4に示すように、被照射面21から600mm離れたところに、裏面に100mm角の上記面発光光源23を載せた透光性基材27を、その発光面29と被照射面21とが平行になるように設置し、透光性基材27上の面発光光源23の中央の直下における被照射面の照度をbとし、[(b/a)×100(%)]により、透過率を算出する。
この照明手段は、人工光を利用するものであってもよいし、太陽光や月光等の自然光を利用するものであってもよく、その構成は特に限定されない。
人工光を利用する場合には、具体的には、例えば、発光ダイオード(LED)、白熱電球、蛍光灯等の光源を利用する形態の照明手段を挙げることができる。尚、これらの光源は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、自然光を利用する場合には、具体的には、例えば、太陽光等を集光する集光部材や導光部材を備える照明手段を挙げることができる。
上記表皮層は、透光性を有するものであればよく、不織布、織布、編布等により構成することができる。
上記印刷部は、例えば、凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の印刷により形成することができる。この印刷部により表現される意匠は特に限定されないが、例えば、文字、記号、図柄、及びこれらを組合せたもの等が挙げられる。
また、表皮層の表面は、無地であってもよいし、文字、記号、図柄、及びこれらを組合せたもの等の意匠が印刷等により形成されていてもよい。そして、この表皮層の表面にも図柄等の意匠が形成されている場合には、上述の照明手段を発光させた際に浮かび上がる意匠と融合させることもできる。
<透過率の差Dの算出方法>
表皮層の裏面に100mm角の面発光光源を設置して、表皮層の表面から600mm離れたところに、その表面と平行になるように被照射面を置いて、非印刷部の真下における被照射面での照度をAとし、印刷部の真下における被照射面での照度をBとする(図2参照)。そして、[((A−B)/A)×100(%)]により、透過率の差Dを算出する。
表皮層の厚みは特に限定されないが、0.5〜5mmであることが好ましく、より好ましくは1〜3mm、更に好ましくは1〜2mmである。この厚みが上記範囲内である場合、より意匠を浮かび上がらせることができる。
[1]内装材(実施例1〜8)
(1−1)内装材の構成
実施例1〜8の各内装材1は、車両の天井用内装材として用いられるものであり、図1に示すように、透光性基材3と、透光性基材3の裏面側(天井側)に配設された照明手段5と、透光性基材3の表面側(室内側)に配設された表皮層7と、を備えている。
透光性基材3は、スクリム層9と、通気止めフィルム層11と、繊維基材層13と、接着フィルム層15とを、この順に備えている(透過率:45%)。
スクリム層9は、スパンポンド不織布により構成されている。
通気止めフィルム層11は、ポリアミド(PA)/ポリプロピレン(PP)により構成されている。尚、PA層側がスクリム層9側となるように配設されている。
繊維基材層13は、繊維(ガラス繊維)と、熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)と、発泡剤とを用いて製造した。尚、繊維の含有割合は、繊維基材層を100質量%とした場合に、35質量%である。
接着フィルム層15は、ポリプロピレン(PP)により構成されている。
透光性基材3の目付けは505g/m2(スクリム層9;15g/m2、通気止めフィルム層11;60g/m2、繊維基材層13;400g/m2、接着フィルム層15;30g/m2)であり、その板厚は5mmである。
照明手段5は、面状発光体(光源:LED)により構成されている。
表皮層7は、PET繊維を用いた表皮により構成されており、量産用の成形プレスによって、染み出し防止不織布16を介して透光性基材3と一体成形されている。
表皮層7の裏面には、スクリーン印刷により、印刷部と非印刷部とが配されている。
尚、実施例1〜8の各内装材1の表皮層7においては、それぞれ、異なる印刷濃度で印刷部が形成されており、下記の算出方法による、印刷部と非印刷部における透過率の差D(%)が、表1に示す値となっている。
図2に示すように、表皮層7の裏面に100mm角の面発光光源17(株式会社オプトデザイン社製、「UniBrite」)を設置して、表皮層7の表面から600mm離れたところに、その表面と平行になるように被照射面19を置いて、非印刷部の真下における被照射面19での照度をAとし、印刷部の真下における被照射面19での照度をBとする。そして、[((A−B)/A)×100(%)]により、透過率の差Dを算出した。
尚、表皮層7を配さず、面発光光源17のみの場合における中心照度は12.84(lx)であった。この際には、面発光光源17の発光面から被照射面19との距離を600mmとした。
実施例1〜8の各内装材1において、照明手段5を発光させ、表皮層7に光を透過させた際に、表皮層7の裏面に形成された印刷部による意匠が、表皮層7の表面に浮かび上がり、はっきりとその意匠を視認できるかどうかを下記の基準により評価した。尚、この際には、目的の意匠の非照明時における視認具合も加味して評価した。その結果を表1に併記する。
<評価方法>
「○」;照明時には、浮かび上がった意匠を十分に認識することができ、且つ、非照明時には、その意匠が認識されない。
「△」;(1)照明時には、浮かび上がった意匠を認識することができ、且つ、非照明時には、その意匠が認識されない。
(2)照明時には、浮かび上がった意匠を十分に認識することができるが、非照明時において、その意匠がぼんやりと認識される。
「×」;(1)照明時には、浮かび上がった意匠を認識することができるが、非照明時においても、その意匠がはっきりと認識される。
(2)照明時に、目的の意匠が全く認識できない。
表1によれば、特定の透過率の差Dが7.7〜47.7%の実施例1〜8の内装材では、照明時には、浮かび上がった意匠を認識することができ、且つ、非照明時には、その意匠が認識されず、上記評価の結果が「○」又は「△」であった。
以上のことから、本発明における内装材は、照明手段による発光によって、照明時に、表皮層の表面において、非照明時には表現されていない図柄等の意匠を浮かび上がらせることができ、室内の雰囲気を向上させることができる。
Claims (1)
- 透光性基材と、前記透光性基材の裏面側に配設された照明手段と、前記透光性基材の表面側に配設された表皮層と、を備えた内装材であって、
前記表皮層の裏面には、印刷部と非印刷部とが配されており、
前記照明手段を発光させると、前記表皮層に光が透過することによって、前記表皮層の表面に意匠が浮かび上がり、
前記表皮層は、その裏面に100mm角の面発光光源を設置して、前記表皮層の表面から600mm離れたところに、その表面と平行になるように被照射面を置いて、前記非印刷部の真下における被照射面での照度をAとし、前記印刷部の真下における被照射面での照度をBとした場合に、[((A−B)/A)×100(%)]で算出される透過率の差Dが5〜60%であることを特徴とする内装材。
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