以下、図面に基づき、本発明に係る移植機の実施の形態について説明する。
以下、図1〜図5を用いて、タバコ苗移植機の基本的な構成について説明する。図1は、一般的な実施の形態の移植機の一例としてタバコ苗を移植するタバコ苗移植機10を示す側面図であり、図2は、タバコ苗移植機10の平面図である。なお、本願の図面では、特に記載のない限り、紙面に向かって左側がタバコ苗移植機10の前方であり、前方を向いて前後左右と表現する。
図1に示す通り、このタバコ苗移植機10は、前部に原動機となるエンジン11および主伝動ケース12と、走行車輪(走行部)としての左右一対の前輪13および後輪14と、後部に植付装置19、苗等の移植対象物の供給部となる供給部31、鎮圧輪15および操縦ハンドル(ハンドル)16とを備えて構成されている。なお、後輪14は、走行推進体である。
また、植付装置19は、走行車体(走行機体)に昇降動作可能に支持されて、畝Uにタバコ苗を移植するための移植穴を形成する穴開け具300と、供給部31から受けたタバコ苗を穴開け具300により形成された移植穴に落下させて供給するホッパー400とから構成されている(図1、5参照)。尚、穴開け具300の直後にホッパー400が配置され、供給部31の下方に穴開け具(300)の後部が位置している。
また、タバコ苗移植機10は、穴開け具300を上下動可能に支持する昇降機構500と、穴開け具300を上下方向の軸心で回動させる回動機構600と、供給部31から供給されるタバコ苗をホッパー400の内部に落下させて案内するシューター900と、を備えている(図1、5参照)。これらについては、更に後述する。尚、シューター900の上部の下方に穴開け具(300)の後部が位置している。
尚、本実施の形態のホッパー400は、本発明の落下供給具の一例にあたり、本実施の形態の昇降機構500は、本発明の上下動機構の一例にあたり、本実施の形態のシューター900は、本発明の案内部材の一例にあたる。
即ち、このタバコ苗移植機10は、走行機体が圃場内の畝Uを跨ぐべく、前輪13および後輪14が畝間を走行し、畝Uの上面の左右幅方向における中央位置に穴開け具300を回動させることにより形成された移植穴に、ホッパー400からタバコ苗を落下させることにより苗株を植え付けていく構成となっている。
また、図2に示す通り、主伝動ケース12の左右端には該主伝動ケース12に対して回動可能な走行エクステンションケース40を左右それぞれ設け、左右の走行エクステンションケース40のそれぞれの端部に走行伝動ケース20を取り付けている。したがって、エンジン11から入力される主伝動ケース12内の動力を走行伝動ケース20内に伝動する構成となっている。
走行伝動ケース20の回動先端部の左右外側には、走行車輪である左右一対の後輪14をそれぞれ取り付け、この左右一対の後輪14の駆動により機体が走行する構成となっている。したがって、主伝動ケース12は、走行車輪としての後輪14に伝動する伝動装置となっている。
一方、エンジン載置台190の下部には左右方向に延びる前輪支持フレーム41を前後方向のローリング軸18(図1参照)回りに回動可能に設け、この前輪支持フレーム41の左右両端部に前輪13を取り付けた構成としている。
また、図2に示す通り、主伝動ケース12の後端には左右方向に延びる後フレーム21を固着して設け、後フレーム21の後端面の右端部には、機体の右寄りの位置で前後方向に延びる主フレーム22を設けている。主フレーム22の後端部には操縦ハンドル16を設け、この操縦ハンドル16が主フレーム22および後フレーム21を介して主伝動ケース12に支持された構成となっている。後フレーム21の左右一方寄り(右寄り)の位置の上面には、植付伝動ケース26の前下端部を載せて該植付伝動ケース26を固着して設けている。
また、主伝動ケース12の後部で左右方向の中央には、昇降装置となる油圧昇降シリンダ23を設けている。この油圧昇降シリンダ23は、主伝動ケース12に取り付けられた昇降切替部となる油圧切替バルブ部24(図1参照)に固着して設けられ、主伝動ケース12に取り付けられた油圧ポンプからの油路を油圧切替バルブ部24で切り替えることにより作動する。
また、油圧昇降シリンダ23のシリンダロッドの後端には左右に延びる横杆43を設け、この横杆43の左右端部にそれぞれロッドとなる左側後輪昇降ロッド44および右側後輪昇降ロッド45を連結し、左側後輪昇降ロッド44および右側後輪昇降ロッド45の他端をそれぞれの走行エクステンションケース40に取り付けられた上側アーム40aに枢着して、横杆43と走行エクステンションケース40とが連結された構成となっている。
したがって、油圧昇降シリンダ23の伸縮により横杆43、左側後輪昇降ロッド44および右側後輪昇降ロッド45を介して主伝動ケース12の左右の出力軸回りに走行伝動ケース20を回動し、該走行伝動ケース20の回動により後輪14が上下して走行機体が昇降する構成となっている。なお、油圧昇降シリンダ23のシリンダロッド、横杆43、左側後輪昇降ロッド44および右側後輪昇降ロッド45は、シリンダロッドの進出位置によっては、機体側面視で後述する昇降機構500の下方に位置する構成となっており、スペースを有効利用して機体のコンパクト化を図っている。
また、機体中央部の下方位置で植付装置19の植付具28が苗株を畝Uに植え付ける位置の直前の位置には、周知の畝U上面に接当して畝U上面の高さを検出する接地体となる左側接地位置検出体36および右側接地位置検出体37が設けられており、左側接地位置検出体36および右側接地位置検出体37の畝U検出により油圧切替バルブ部24に備えられた昇降制御用切替バルブを介して油圧昇降シリンダ23を作動させて左右後輪14を昇降制御して、走行機体を畝Uに対する所定の高さに制御して植付具28が苗株を畝Uに植え付ける深さが一定になる構成としている。
また、左側後輪昇降ロッド44が伸縮するべく該左側後輪昇降ロッド44の中途部に油圧ポンプからの油圧により作動する左右傾斜用油圧シリンダ25を設けており、該左右傾斜用油圧シリンダ25の伸縮により右側の後輪14の上下位置に対して左側の後輪14を上下させて、畝Uの谷部の凹凸に関係なく走行機体を所望の左右傾斜姿勢に制御する構成となっている。
なお、主伝動ケース12の右側には振り子式の左右傾斜センサー42が設けられて、この左右傾斜センサー42の検出により油圧切替バルブ部24に備えられた左右傾斜用切替バルブを介して左右傾斜用油圧シリンダ25を作動させ、走行機体を所望の左右傾斜姿勢に制御する構成となっている。
穴開け具300は、昇降機構500の後端部に取り付けられ、苗株を1個ずつ圃場の畝に植え付ける移植穴を形成する装置である。穴開け具300には、主伝動ケース12内からの動力が、主伝動ケース12の後側に設けた植付伝動ケース26と、その植付伝動ケース26に取り付けられた植付装置駆動ケース27等を介して伝達され、昇降機構500により昇降動作すると共に、回動機構600により回動動作する構成となっている。
また、昇降機構500は、穴開け具300の先端が、穴開け具300の昇降動作によって、前側で下降し後側で上昇するとともに、前後方向の幅が上部よりも下部の方が大きい形状の軌跡(静軌跡:機体の走行が停止していると仮定したときの作動軌跡)17を描いて図中の矢印方向に繰り返し作動する構成となっている。
(供給部)
図3(a)は、供給部31を下から見た底面図であり、図3(b)は、供給部31を上から見た一部透視上面図である。
図4は、供給部31の取り付け構造を説明する側断面図であり、供給回転台32の回転中心を通る断面を示している。
図2に示す通り、供給部31は、回転台駆動ケース38からの動力が回転力伝達部材77によって伝達され、作動する。
供給部31は、ホッパー400とシューター900の上方に設けられた、上端と下端に開口を有する供給収容体となる供給カップ33を8つ貫通させてループ状に固定配置した回転可能な供給回転台32と、略C字型の供給カップ開閉ガイド35と、供給回転台32を反時計回りに回転させる回転駆動機構78(図3、4参照)等を備えている。
供給回転台32は、図4に示す通り、外周縁部が下方に曲げられた盆状部材であって、その円形平面部の外周寄りに等間隔に開けられた8つの孔に、両端が開放された略筒状の供給カップ33がそれぞれ貫通固定されている。また、供給回転台32の中央部には、回転駆動機構78からの回転力により供給回転台32を反時計回りに回転させる回転軸が固定配置されている。
回転駆動機構78は、機体に固定された支柱39に固定されるとともに、補助プレート79に固定されている。補助プレート79は、主フレーム22に固定された補助プレート支持板132を介して主フレーム22に固定されている。
そして、図3(a)に示す通り、各供給カップ33の底部には、上下方向に可動する開閉蓋34が、それぞれ1つずつ設けられている。
また、図3(a)に示す通り、各供給カップ33の下方には、供給回転台32の矢印A方向への回転(周回)により供給カップ33が、シューター900の上方の位置である所定位置P(図1参照)に来たときにのみ供給カップ33の底部の開閉蓋34が開くべく、環状の一部を切り欠いた略C字型の供給カップ開閉ガイド35が、支柱39に固定されている。なお、供給カップ開閉ガイド35は、上記所定位置P以外の位置で、開閉蓋34を下側から接触して支えて開閉蓋34が開くのを規制する。
本実施の形態のタバコ苗移植機10は、その機体の走行と共に歩行する作業者が、予備苗載置台30にある苗株を1つずつ手で掴んで、機体の走行にあわせて矢印A方向に回転している供給カップ33に、それぞれ入れていく。
供給カップ33の開閉蓋34が、上記所定位置Pで開くと、供給カップ33内の苗株が下方のシューター900に落下してホッパー400に供給される。ホッパー400は、所定のタイミングで鳥の嘴の如く左右に開いて、内部に保持されていた苗株を、穴開け具300により形成された移植穴に落下して植え付ける。
次に、主として図5を参照しながら、植付装置19、シューター900、昇降機構500、及び回動機構600を中心にその基本構成について説明する。
図5は、本実施の形態のたばこ苗移植機10の主要部の構成を示す概略左側面図である。
図5に示す通り、穴開け具300は、先端部310aが円錐状であり、胴部310bが円筒状のドリル本体310と、胴部310bの上部にはめ込まれて、取り付け高さが調節可能な鍔状の押圧部材320と、ドリル本体310を保持しつつ回動させるドリル保持部330とを備えている。
これにより、穴開け具300の円錐状の先端部310aを畝Uの土中に突入させることが出来ると共に、先端部310aの側面よりも立ち上がり方が急な側面を有する円筒状の胴部310bの駆動回転により移植穴の内壁面を固めることが出来る。
また、穴開け具300が土中に突入することで、先端部310aと胴部310bが移植穴を形成すると共に、押圧部材320の傾斜面が、移植穴の肩口を押圧するので、移植穴の開口縁部の崩れを防止出来る。
また、押圧部材320はドリル本体310に対して取り付け高さが調節可能に構成されているので、移植穴の深さを変更出来、植付深さを変更出来る。尚、押圧部材320はドリル本体310に対して上下スライド自在に設け、押圧部材320を下方へ押し付ける押圧用圧縮スプリングを設け、押圧部材320により圃場の移植穴の周囲を確実に押圧する構成としてもよい。この構成によれば、押圧部材320がドリル本体310に対して上下するので、ドリル本体310の外周に付着する土を落とすことができる。また、マルチフィルムが敷設された圃場では、ドリル本体310の上動によりマルチフィルムが連れ上がるのを防止することができる。
尚、穴開け具300については、図11、図12を用いて更に後述する。
次に、ホッパー400は、左右に長穴410aが形成されたホッパーステイ410と、ホッパーステイ410の下端部に左右方向に開閉可能に連結されたホッパー本体420とで構成されており、ホッパーステイ410には、ホッパー本体420を所定のタイミングで開閉させるための開閉ロッド430が固定されている。開閉ロッド430の一端部430a側は、ホッパー本体420の開閉機構(図示省略)に連結され、他端部430bは、後述する開閉アーム710(図8(a)参照)に連結されており、穴開け具300を上下動させるタイミングを基準として、ホッパー400の下部の開閉のタイミングが、調節可能に構成されている。
これにより、植付株間の変更にも対応出来る。
次に、シューター900は、後下がりに傾斜する断面がコの字状の滑り台であり、右側の壁面900Rが、側面視で、主フレーム22に固定された補助プレート79と重なる部位において溶接などにより固着されている。更に、シューター900の左側の壁面900Lは、側面視で、断面L字状の短辺部が支柱39側に溶接固定されると共に、下方に伸びた長辺部のシューター固定プレート701と重なる部位において溶接などにより固着されている。また、シューター900の左右の壁面900L、900Rのそれぞれの下部には、ホッパーステイ410に形成された長穴410aに対応する位置に上下に2つのホッパーステイ固定ピン702が溶接などにより固着されている。尚、ホッパー400及びシューター900は、供給部31の下方に配置されている。また、穴開け具300及びホッパー400は、鉛直方向又は略鉛直方向に向けて設けられ、シューター900の後下がり傾斜姿勢よりも鉛直に近い姿勢となっている。
尚、上記構成により、シューター固定プレート701は、シューター900と補助プレート79を介して主フレーム22に連結されているので、シューター900が、供給回転台32の下方において回転駆動機構78を支持する支柱39を補強する役割も兼ねている。
ホッパーステイ410に形成された長穴410aに、このホッパーステイ固定ピン702を挿入し、所定の位置でナット等の締結部材により固定することで、ホッパー本体420の取り付け高さを、所望の植付深さに応じて、適宜調整が可能である。即ち、ホッパー本体420の下部先端を畝Uの表面ギリギリまで近づけた方が穴に苗が入り易い。
尚、機体に対する左側接地位置検出体36および右側接地位置検出体37の高さを変更する穴深さ調節レバー1100を設けており、穴深さ調節レバー1100の操作により穴深さ調節機構を介して左側接地位置検出体36および右側接地位置検出体37の回動支点を上下させる構成となっている。これにより、穴開け具300が形成する移植穴の深さを調節することができる。尚、ホッパーステイ410の上下位置を締結部材により固定する構成に代えて、穴深さ調節レバー1100又は穴深さ調節機構からケーブル等の連繋機構を介してホッパーステイ410に連結し、穴深さ調節レバー1100の操作に連動してホッパー本体420を上下させる構成とすることができる。これにより、穴深さ調節レバー1100の操作に拘らず、ホッパー本体420の下部先端を畝Uの表面ギリギリまで近づけることができる。また、供給部31、回動機構600、昇降機構500及びホッパー本体420の開閉の駆動を入切する植付クラッチを操作する植付クラッチレバー等の植付操作具や、機体を昇降させる昇降レバー等の昇降操作具を設けることができる。そして、植付操作具又は昇降操作具からケーブル等の連繋機構を介してホッパーステイ410に連結し、植付操作具による駆動切操作又は昇降操作具による機体上昇操作等の機体旋回時の操作に連動してホッパー本体420を上動させる構成とすることができる。尚、前記ホッパー本体420を上動は、前述のような長穴410aによるホッパー本体420の姿勢を変えずに上昇させるものの他、ホッパー本体420を前後方向へ回動させながら上動する構成としてもよい。
また、シューター900の底面900Sからホッパー本体420の内部に向けて垂れ下がるPVC(ポリ塩化ビニル)製のシート(図示省略)を配置することにより、シューター900からホッパー本体420内部に滑落する苗が、途中で引っ掛かることなく、スムーズに落下する。
尚、PVC製のシート(図示省略)は、上記の配置に限らず例えば、シューター900の底面900Sから所定距離上方に位置する開口部側を覆い、ホッパー本体420の内部まで垂れ下がるべく取り付けても良い。これにより、泥よけ、雨よけ、風よけとなり、ホッパーステイ410やホッパー本体420内部の後面側での苗の引っ掛かりを防止する。また、泥が詰まった場合でも取り外して掃除が出来る構成である方が望ましい。
また、シューター900の底面900Sから所定距離上方に位置する開口部側を覆うPVC製のシート(図示省略)の取り付け高さを変更可能にすることにより、底面900SからPVC製のシートまでの距離を狭くしたり、広くしたりして、苗の通り口の断面積を調整出来る構成としても良い。例えば、上記距離を狭くした方が、苗が横倒し姿勢になり難くい。また、苗の種類によっては、狭くすることで、シューター900の途中で詰まることがあるので、上記の通り、PVC製のシートの取り付け高さを変更出来る構成が好ましい。
また、底面900SからPVC製のシートまでの距離を自在に調節出来る機構として、例えば、PVC製のシートを外側から押しつける回動可能な板状部材をシューターに取り付けて、板状部材を回動させることにより、PVC製のシートを押しつける程度を可変する構成としても良い。
尚、PVC製のシート(図示省略)は、上記の配置に限らず例えば、ホッパー本体420の前側の内壁面から左右両側の内壁面に向けて略コの字状に折り曲げられたPVC製のシート(図示省略)をホッパー内部に設けることで、苗の貼り付きや、泥たまりを防止し、且つ、苗の保持位置をガイドすることが出来る。即ち、苗のすわりをよくすることで、ホッパー本体420が開き、苗が落下する際の落下位置精度が向上する。
更にまた、シューター900の左側の壁面900Lの内壁側であって、開閉蓋34が当たる場所にゴムシート(図示省略)等を固定する構成であっても良い。これにより、開閉蓋34がシューター900の左側の壁面900Lの内壁側に当たる音を低減出来る。
また、シューター900の側方の壁面900L、900Rに左右方向に可動する調節プレート1101を設け、該調節プレート1101を適宜調節して小さい苗でもシューター900内で左右方向に偏位したり傾いたりしないようにして、苗をシューター900内の左右中央で且つ適正な姿勢で案内する構成としてもよい。
次に、昇降機構500は、植付装置駆動ケース27の左側に突き出した第1出力軸である回動カム駆動軸88(図5、図13〜図14参照)からの駆動力と、植付装置駆動ケース27の右側に突き出した第2出力軸であるクランクアーム駆動軸89(図5、15参照)からの駆動力とを利用して、穴開け具300を上下及び前後に揺動させる昇降動作によって、側面視でループ状の作動軌跡(静軌跡)17(図1参照)を描かせる構成である。これについては更に後述する。
次に、図5〜図7を参照しながら回動機構600について説明する。
図6は回動機構600の概略平面図であり、図7は、回動機構600の概略左側面図である。
図5〜図7に示す通り、回動機構600は、一端部610aが回動カム駆動軸88を中心として回動自在に配置され、他端部610bがカウンタ軸630を回動自在に支持する長板状の第1伝動支持リンク610と、一端部620aがカウンタ軸630を中心として回動自在に配置され、他端部620bが伝動軸640を回動自在に支持する長板状の第2伝動支持リンク620と、を有し、第1伝動支持リンク610と第2伝動支持リンク620は、カウンタ軸630を介して回動自在に連結されている。また、伝動軸640は、ベベルギア装置660を介してドリル保持部330に回動自在に連結されている。ここで、本実施の形態のベベルギア装置660は、本発明の軸方向変換部の一例にあたる。
また、回動カム駆動軸88には、図6に示す通り、平面視で走行車体の左右方向を基準として、第1伝動支持リンク610より右側に、1段目駆動スプロケット651aが固定され、カウンタ軸630には、走行車体の左右方向を基準として、第1伝動支持リンク610より右側に、1段目従動スプロケット651bが固定されている。
また、カウンタ軸630には、図6に示す通り、平面視で走行車体の左右方向を基準として、第2伝動支持リンク620より左側であって1段目従動スプロケット651bより右側に、2段目駆動スプロケット652aが固定されている。また、伝動軸640においても同様に、平面視で走行車体の左右方向を基準として、第2伝動支持リンク620より左側であって段目従動スプロケット651bより右側に、2段目従動スプロケット652bが固定されている。
そして、回動カム駆動軸88からカウンタ軸630へエンジン11からの駆動力を伝動する第1チェーン651cと、カウンタ軸630から伝動軸640へ駆動力を伝動する第2チェーン652cと、が架けられている。
即ち、平面視で左右方向を基準として、第1伝動支持リンク610と第2伝動支持リンク620の間に、第1チェーン651cと第2チェーン652cを配置している。
これにより、第1伝動支持リンク610と第2伝動支持リンク620が、第1チェーン651cと第2チェーン652cに対する安全ガードとしての役割を果たし、回転するチェーンに手などが入り難くい構造となる。
また、第1伝動支持リンク610と第2伝動支持リンク620は、平面視で、これらをチェーンの左右方向(横方向)に配置したことにより、上記各スプロケットの軸間を保持し、ドリル本体310の穴開け動作に伴う、上下前後方向への移動に追従することが出来る。
また、本実施の形態では、穴開け具300を上下方向の軸心で回動させる為に、左右方向を軸心とする伝動軸640と直交する方向に回動方向を変換するベベルギア装置660が、穴開け具300のドリル保持部330の上部中央に固定されており、伝動軸640は、ベベルギア装置660の入力軸を兼ねている。
尚、ベベルギア装置660については、更に後述する。
上記構成により、第2伝動支持リンク620の他端部620bが、伝動軸640、即ち、ベベルギア装置660を介して穴開け具300のドリル保持部330に上下動自在に連結されているので、伝動軸640は、穴開け具300の上下動の作動軌跡17に追従して上下動すると共に、ベベルギア装置660を介して、上下方向の軸心でドリル本体310と押圧部材320を回動させることが出来る。
また、上述した通り、2段のチェーンによりドリル本体310を回動させる構成としたことで、簡単な構造で回動機構600を実現出来、コストの低減が図れる。
更に、上述した通り、昇降機構500の駆動軸の一つである回動カム駆動軸88に、回動機構600にエンジン11からの駆動力を伝動する為の駆動軸としての機能を兼ねさせたことで、穴開け具300の上下動と回動機構600の回転駆動とへの伝動機構が簡単になる。また、穴開け具300の上下動と回動機構600の回転駆動とを連動させることが出来る。
また、本実施の形態の移植機10では、1段目駆動スプロケット251aと1段目従動スプロケット251bの歯数が同じに設定されていると共に、第1チェーン651cの伝動比よりも第2チェーン652cの伝動比の方が高く構成されている。これにより、同じ歯数に設定したことで、第1伝動支持リンク610の回動による穴開け具300の回転速度の変化を抑えながら、伝動比を変えたことで、穴開け具300を高い回転速度で回転させることが出来、良好な穴開け作用を得ることが出来る。
また、図7に示す通り、本実施の形態の移植機10では、側面視で、回動カム駆動軸88の軸心とカウンタ軸630の軸心とを通る第1仮想直線(図7の第1中心線631を含み、更に両側に伸びる直線である)よりも、伝動軸640が下側に位置した構成であるので、植付時において、即ち、穴開け具300が下死点又は下死点近傍に来たときに、第2伝動支持リンク620が右回りに回動するときの動きに比例して第2チェーン652cの回転速度が上がる。
即ち、更に具体的には、本実施の形態の移植機10では、側面視で、回動カム駆動軸88の軸心とカウンタ軸630の軸心とを結ぶ第1中心線631と、カウンタ軸630の軸心と伝動軸640の軸心とを結ぶ第2中心線632とのなす角度θ(図7参照)は、作動軌跡17を描いて上下動する穴開け具300が下死点又は下死点の近傍に位置するときに、最大となる構成である。これにより、穴開け具300が下死点を通過するときに最も加速されて、高い回転速度で回転させることが出来、更に良好な穴開け作用を得ることが出来る。
ここで、本実施の形態の回動カム駆動軸88は、本発明の出力軸の一例であると共に、本発明の第1揺動用部材を回動させる駆動軸の一例にあたる。また、本実施の形態のカウンタ軸630は、本発明の中間伝動軸の一例にあたり、本実施の形態の伝動軸640は、本発明の伝動軸の一例にあたる。また、本実施の形態の第1チェーン651cは、本発明の第1無端体の一例にあたり、本実施の形態の第2チェーン652cは、本発明の第2無端体の一例にあたる。また、本実施の形態の第1チェーン651cと第2チェーン652cを包括する概念は、本発明の無端伝動部の一例にあたる。また、本実施の形態の第1中心線631は、本発明の第1仮想直線上にあって、その上の2点で限られた部分の一例にあたり、また、本実施の形態の第2中心線632は、本発明の第2仮想線分の一例にあたる。また、本実施の形態の「第1中心線631と第2中心線632とのなす角度θ」は、本発明の「側面視で、前記中間伝動軸と前記伝動軸とを結ぶ第2仮想線分と、前記第1仮想直線とのなす角度の内、前記出力軸と前記中間伝動軸と前記伝動軸との間の角度」の一例にあたる。
次に、植付装置駆動ケース27の左側に突き出した回動カム駆動軸88、及びその周辺の構成について、図8を用いて更に詳細に説明する。図8は、図6のB部拡大模式図である。
図8に示す通り、回動カム駆動軸88の先端部は、円筒状の伝動支持リンク保持部材615に形成された貫通孔615cに挿入固定されている。伝動支持リンク保持部材615は、先端側の外周縁部615aにおいて、1段目駆動スプロケット651aが一体形成され、外径が一段小さく形成された根本側の外周面615bにおいて、後述する揺動駆動カム84が挿入固定されている。
また、伝動支持リンク保持部材615の先端側には、底面が貫通孔615cに連通し、その貫通孔615cより大きな内径の凹部615dが形成されており、その凹部615dには軸受け部材616が挿入固定されている。そして、その軸受け部材616には、軸受け部材616との摺動面を除く棒状部分の断面が四角形状を呈する伝動支持リンク連結ピン617が、その中心軸を、回動カム駆動軸88の軸心と同一として、且つ、回動カム駆動軸88の先端面88aに接触することなく回動自在に保持されている。そして、更にその伝動支持リンク連結ピン617には、第1伝動支持リンク610の一端部610aに形成された、伝動支持リンク連結ピン617の四角形状の外周部と勘合する断面四角形状の貫通孔を有する伝動支持リンク連結ボス617aが嵌め込まれて締結部材により固定されている。
上記の構成により、昇降機構500を駆動する既存の回動カム駆動軸88を交換することなく、第1伝動支持リンク610に用いる回動可能な伝動支持リンク連結ピン617を追加出来る。
また、上記構成により、回動カム駆動軸88が、穴開け具300の回動用の駆動軸として兼用出来るので、穴開け具の上下動と回転駆動とへの伝動機構が簡単になる。
また、穴開け具300の回動用としての1段目駆動スプロケット651aと、穴開け具300の上下動用としての揺動駆動カム84とを伝動支持リンク保持部材615により一体化することで、植付動作と連動して、穴開け具300を動かすことが出来る。つまり、植付作業以外の例えば移動時において、穴開け具300が回動することが無いので、安全である。尚、本実施の形態の植付伝動ケース106は、本発明の伝動部の一例にあたる。
尚、伝動支持リンク連結ピン617と伝動軸640との間には、引張スプリング1102を設けている。この引張スプリング1102が、第1伝動支持リンク610と第2伝動支持リンク620との間の前記角度θが小さくなる側に付勢する付勢装置となる。これにより、穴開け具300の下死点位置からの上動を助成することができる。また、引張スプリング1102により、後述する回動ローラー87を揺動駆動カム84に接触する側に付勢しており、昇降機構500により穴開け具300を所望の作動軌跡で確実に作動させることができる。尚、引張スプリング1102を後述する支柱固定台800と穴開け具300との間に設けることにより、引張スプリング1102により穴開け具300を吊り下げた構成とし、穴開け具300の下死点位置からの上動を助成する構成とすることもできる。
次に、上述した植付装置駆動ケース27の左側に突き出した回動カム駆動軸88と同軸であって、植付装置駆動ケース27の右側の植付伝動ケース26の右側に突き出した開閉カム駆動軸788、及びその周辺の開閉アーム駆動機構700の構成について、図9(b)、図9(b)、図10を用いて説明する。
図9(a)は、ホッパー400の開閉を行う為と共に、開閉のタイミングを調整可能とした開閉アーム駆動機構700の右側面図であり、図9(b)は、開閉アーム駆動機構700の平面視の概略断面である。また、図10は、開閉アーム駆動機構700の開閉アーム710を除く、要部の分解斜視図である。
図9(a)〜図10に示す通り、開閉カム駆動軸788の先端部には、丸孔788aが形成されており、その先端部が、略円柱状の開閉ボス720の中央部に形成された断面が円形状の凹部721に挿入されて、根本側のねじ部731よりも径が小さい棒状ピン732が丸孔788aに挿入可能に形成された固定ねじ730を用いて、開閉カム駆動軸788と開閉ボス720を固定する構成である。
また、開閉ボス720の側面には、固定ねじ730のねじ部731と勘合するねじ溝が内周面に形成されたタップ孔722が中央部の凹部721に向けて設けられており、円柱形状の上面の中央部には、径の小さい円柱形状の案内突起723が形成されていると共に、その上面において突起723の両側には、開閉カム740の取り付け位置(位相)を調節可能にする外周面にねじが切られた位相調節ピン724がそれぞれ立設されている。
また、開閉カム740には、案内突起723を回動可能に挿入する貫通孔741が形成されていると共に、位相調節ピン724がそれぞれ挿入された状態で回動可能とするべく、貫通孔741を中心とする円弧状の長孔742が形成されている。開閉ボス720の位相調節ピン724、及び案内突起723を、開閉カム740の長孔742、及び貫通孔741に挿入して、蝶ねじ750を位相調節ピン724に取り付けることにより、開閉カム740が開閉ボス720に固定される構成である。
また、開閉ボス720の上面には、開閉カム740の長孔742を通して見える位置に、複数のポンチマーク725が打刻されており、開閉カム740の組み付け時の位相を変える際の目安になる。
一方、略三角形状の開閉アーム710は、図9(a)に示す通り、側面視で、略直角の角部に連結された開閉アーム回動軸711により、機体側の開閉アームステイ713に回動自在に保持されている。また、開閉アーム710の上部の角部には、ホッパー本体420を所定のタイミングで開閉させるための開閉ロッド430の他端部430bが連結されている。また、開閉アーム710の残りの角部には、開閉ローラ712が回動自在に固定されており、その開閉ローラ712の外周端面が開閉カム740の周縁部に常時接触している。
上述した通り、本実施の形態では、昇降機構500の駆動軸の一つである回動カム駆動軸88に、回動機構600にエンジン11からの駆動力を伝動する為の駆動軸としての機能と、開閉カム駆動軸788としての機能とを兼ねさせたことで、穴開け具300の上下動と、回動機構600の回転駆動と、更に、ホッパー本体420の開閉動作を、それぞれ連動させて動作させる機構が簡単に実現出来る。
上記構成により、開閉カム駆動軸788が回動することで開閉カム740が回動し、開閉アーム710の開閉ローラ712が、開閉カム740の周縁部に沿って回動することにより、開閉アーム710は、開閉アーム回動軸711を軸心として、矢印Cの方向に揺動する。また、開閉カム駆動軸788は、穴開け具300を上下動させる駆動軸の一つである回動カム駆動軸88と同一の軸であるので、穴開け具300の上下動の動作と連動して、ホッパー本体420を開閉させることが出来る。
また、開閉カム740の長孔742やポンチマーク725を利用することにより、回動カム駆動軸88と同一軸である開閉カム駆動軸788に固定された開閉ボス720に対する開閉カム740の取り付け位置(位相)を効率的に調節出来る。
また、ホッパー本体420を開閉させるタイミングを変更出来るので、植付株間の変更に対応出来る。尚、機体の左右一方側(右側)に配置した位相調節ピン724及び円弧状の長孔742等により、ホッパー400の下部の開閉タイミングを調節する開閉タイミング調節装置を構成している。
次に、穴開け具300について、図11、図12を用いて更に説明する。
図11(a)は、穴開け具300の左側面概略断面図であり、図11(b)は、穴開け具300の背面概略断面図である。
尚、図11(a)は、押圧部材320のドリル本体310への取り付け状態を示す為に、押圧部材320を描いてあるが、図11(b)では、押圧部材320を省略した。また、ドリル本体310は、ドリル保持部330に対して、回動可能に保持されているので、図11(a)では、押圧部材取り付け高さ調節板312が左右側面に平行に位置している状態を示し、図11(b)では、押圧部材取り付け高さ調節板312が正面及び背面に平行に位置している状態を示している。
図5を用いて説明した通り、穴開け具300は、ドリル本体310と、押圧部材320と、ドリル保持部330とから構成されている。
図11(a)〜図12に示す通り、ドリル本体310は、中空状の先端部310aと中空状の胴部310bの内部に、中空パイプ311の略半分が挿入固定されており、残りの略半分は、胴部310bから外部に露出させて構成されている。図12は、穴開け具300の構成を説明する概略斜視図である。
これにより、先端部が円錐状であり、それに続く胴部が円筒状としたことで、移植用穴を形成するのに適したドリル形状を実現出来、ドリル本体310が中空構造であるので、軽量化が図れる。
また、その露出した中空パイプ311の表面に、一対の押圧部材取り付け高さ調節板312が軸対称の位置に固定されている。押圧部材取り付け高さ調節板312には、それぞれ取り付け孔312aが縦方向に3個ずつ設けられている。
また、押圧部材320には、その中央部に貫通孔322が設けられており、その開口縁部に一対の押圧部材固定具321が立設されている。押圧部材固定具321には、固定孔321aがそれぞれ1個ずつ形成されており、押圧部材320の貫通孔322にドリル本体310が挿入された際、押圧部材取り付け高さ調節板312の表面に設けられた高さの異なる3個の何れの取り付け孔312aに対しても締結部材により取り付け可能に構成されている。
これにより、押圧部材320はドリル本体310に対して取り付け高さが3段階に変更可能となる。即ち、穴の肩口の広さを変えられる。
次に、ドリル保持部330について、図11(a)〜図12を参照しながら説明する。
ドリル保持部330は、ドリル本体310を回動可能に保持するドリルステイ340と、穴開け具300と昇降機構500を連結する穴開け具連結ガイド350と、ベベルギア装置660と、ベベルギア装置660の入力軸としての伝動軸640を開口部361に挿入してベベルギア装置660を固定した状態で、ドリル保持部330の上部に固定されるベベルステイ360とを備えている。
即ち、ドリルステイ340は、平面視で四角形の盆状部材341であり、その中央部を貫通する上下開放の円筒状のドリル保持リング342が設けられており、盆状部材341の対向する縁部には先端側にそれぞれ1つの貫通孔343aが形成された凸部343が2つずつ設けられている。また、それぞれの凸部343の根本部には、凹部344が2つ設けられている。ドリル保持リング342の内部において、ドリル本体310から露出した中空パイプ311が回動自在に保持される構成である。
また、穴開け具連結ガイド350は、平面視で四角形状の箱状部材であり、底面が無く上面に円形の開口部351が設けられている。また、穴開け具連結ガイド350の左側壁352には、後述する昇降機構500の上下揺動に用いる回動上軸95と回動下軸96(図13参照)が設けられており、右側壁353には、後述する昇降機構500の上下揺動に用いる右回動下軸97a(図15参照)が設けられている。また、前側壁及び後側壁354には、それぞれ2個のボルト354aが突き出して固定されている。
ベベルギア装置660は、ベベルケース661の内部に、入力軸としての伝動軸640上に固定された第1ベベルギア662と、出力軸としてのベベルシャフト664の上端に固定された第2ベベルギア663とを、相互に噛み合わせて回動自在に保持しており、伝動軸640の軸心とベベルシャフト664の軸心が直交配置されている。
ベベルステイ360は、平面視で略コの字状の板状部材であって、コの字の対向する両辺362にそれぞれ2個の貫通孔362aが設けられている。また、コの字の両辺362の間の中辺363には、ベベルギア装置660の入力軸としての伝動軸640を挿入する開口部361が形成されており、その上方にはベベルケース661を固定する締結部材を挿入する貫通孔363aが形成されている。ベベルステイ360は、ベベルギア装置660を固定すると共に、ベベルケース661の入力軸側の蓋を兼ねている。
以上の構成において、押圧部材320の固定されたドリル本体310が中空パイプ311を介して回動自在に保持されたドリルステイ340の上に、穴開け具連結ガイド350が配置されて、穴開け具連結ガイド350に設けられたボルト354aが、ドリルステイ340側に設けられた凹部344に挿入された状態で、両者はナット等の締結部材により固定される。更に、その上部に、ベベルギア装置660が固定されたベベルステイ360が配置され、ベベルシャフト664がドリル本体310から露出した中空パイプ311の上端部と連結されて、ベベルステイ360に設けられた貫通孔362aと、ドリルステイ340に設けられた貫通孔343aとを利用して、ボルトとナット等によりこれらが確実に固定される。
上記の通り、ベベルステイ360と、ベベルギア装置660と、ドリルステイ340をそれぞれ個別に構成することで、従来装置において植付具を昇降機構と連結する際に使用されていた連結ガイドをそのまま、本実施の形態における穴開け具300を昇降機構500に連結する際に使用する穴開け具連結ガイド350として使用出来るので、後付可能な構成となる。
尚、水タンク(図示省略)に連結されたホース(図示省略)を、ロータリーバルブ(図示省略)を介してベベルケース661内部に挿入し、更に、内部が中空のベベルシャフト(図11(b)の符号664)を通して、中空パイプ311の内部に水を送り、ドリル本体310の胴部310bの下部側面に設けられた孔(図示省略)から外部に水を放出する構成であっても良い。
これにより、胴部310bから水を放出しながら穴開け作業が行えるので、移植用穴の内壁面に水を塗り込められるので、乾いた圃場でも移植用穴を確実に形成出来る。
また、水タンクからの水の供給経路は上記と同じで、ドリル本体310の先端部310aに孔を設けて、送水を間欠に行えば、灌水装置としても使用出来る。
次に、昇降機構500の基本構成例を中心として、その詳細な構成および動作について、図13〜図15を用いて更に説明する。
図13は、昇降機構500の左側面図であり、図14及び図15は、それぞれ昇降機構500の、左前方から見た斜視図および右後方から見た斜視図である。尚、図14、図15では、回動機構600の図示を省略した。
本実施の形態の昇降機構500は、植付装置駆動ケース27の左側において、上端が揺動カム駆動軸88に回動自在に枢支され、下端が下前軸91にて回動自在に連結支持板94に連結された前揺動アーム80と、植付装置駆動ケース27を基準に回動自在な回動支点軸となる上後軸90(図14参照)に上端が固定され、下端が下後軸93にて回動自在に連結支持板94に連結されて、前揺動アーム80と前後に平行に設けられた左後揺動アーム81を備える。また、上後軸90は、他端が植付装置駆動ケース27の右側へ突出しており、植付装置駆動ケース27の右側において、右後揺動アーム99の上端が固定されている(図15参照)。なお、前揺動アーム80、左後揺動アーム81及び右後揺動アーム99は、前後方向へ揺動する第1揺動リンク(前後揺動リンク)となる。また、下後軸93及び連結支持板94が、前後揺動リンクの揺動先端側を連結した連結部となる。
植付装置駆動ケース27は、植付伝動ケース26から出力される動力を伝達し、左側に突出して設けた揺動カム駆動軸88、および植付装置駆動ケース27を貫通して左右両側に突出して設けた上下揺動用駆動軸(駆動軸)となるクランクアーム駆動軸89を駆動する。
また、連結支持板94の上軸92と下後軸93に前端がそれぞれ回動自在に枢支され、後端がそれぞれ穴開け具300の穴開け具連結ガイド350の左側壁に設けられた回動上軸95と回動下軸96に回動自在に連結された平行な上アーム82および左アーム83を備える。植付装置駆動ケース27の右側には、右後揺動アーム99の下端部分に前端が回動自在に枢支され、後端が穴開け具300の穴開け具連結ガイド350の右側壁に設けられた右回動下軸97aに回動自在に連結された右アーム97を備える。なお、上アーム82、左アーム83および右アーム97は、上下方向へ揺動する第2揺動リンク(上下揺動リンク)となる。
右アーム97は、左アーム83と平行に配置され、左アーム83および右アーム97に両端がそれぞれ回動自在に枢支された左右連結棒98によって、左アーム83と連結されている。
植付装置駆動ケース27から右側に突出して設けたクランクアーム駆動軸89に基部が固着されて回転するクランクアーム85と、クランクアーム85の先端に設けた回動連結軸106に回動自在に一端が枢支され、他端が左右連結棒98の途中部分に連結された連結アーム86を備える。左右連結棒98は、連結アーム86に対して回動自在に連結されている。なお、クランクアーム85は第2揺動用部材(上下揺動用部材、駆動部材)となる。
また、連結アーム86は、ドリル本体310の引きずりを減らす為に、第2揺動リンクによる上下方向への揺動を増やした際に、他の部材(例えば、左右連結棒98)との干渉を避ける為に、湾曲させて構成されている(図5、図15参照)。
また、植付装置駆動ケース27から左側に突出して設けた揺動カム駆動軸88に固定されて回転する揺動駆動カム84を備え、揺動駆動カム84の周縁部に接触するべく、左後揺動アーム81の上後軸90寄りの途中部分に回動自在に回動ローラー87が設けられている。なお、揺動駆動カム84は第1揺動用部材(前後揺動用部材)となる。
尚、揺動駆動カム84の外形をふくらませることにより、ドリル本体310の引きずりを減らすことが出来、例えば、株間を広くする場合等に有効である。
また、植付伝動ケース26に設けられた支持ピンと左後揺動アーム81の下端部との間に設けられて、前揺動アーム80および左後揺動アーム81を機体前方に向けて付勢し、揺動駆動カム84と回動ローラー87を当接させる引張バネ167(図5参照)を備えている。
この構成により、昇降機構50は、植付動作時において、タバコ苗移植機10の走行が停止していると仮定したときの作動軌跡(静軌跡)として、穴開け具300の先端が作動軌跡17を描く如く動作する。
次に、昇降機構500の動作について説明する。
図16(a)〜図16(d)は、植付動作中の孔開け作業の際の、昇降機構500に連結されて移動する穴開け具300の各位置における側面図を示している。図16(a)は、上死点における側面図を示し、図16(c)は、下死点における側面図を示している。図16(b)は、上死点から下死点に向けて下降している際の側面図を示し、図16(d)は、下死点から上死点に向けて上昇している際の側面図を示している。
揺動カム駆動軸88が回転することにより、揺動カム駆動軸88に固定されている揺動駆動カム84は揺動カム駆動軸88とともに回動し、揺動駆動カム84と当接する回動ローラー87を介して左後揺動アーム81および前揺動アーム80が前後に揺動する。このとき、上後軸90を介して左後揺動アーム81と連結している右後揺動アーム99も、左後揺動アーム81とともに前後に揺動する。
一方、クランクアーム駆動軸89が回転することにより、クランクアーム駆動軸89に固定されているクランクアーム85がクランクアーム駆動軸89とともに回動し、連結アーム86および左右連結棒98を介して左アーム83および右アーム97が上下に揺動し、左アーム83とともに上アーム82も上下に揺動する。
したがって、前揺動アーム80、左後揺動アーム81および右後揺動アーム99と、上アーム82、左アーム83および右アーム97は、いずれも平行リンク機構であるから、上アーム82、左アーム83および右アーム97と回動自在に連結されている穴開け具300は、その先端部310aが垂直下方向を向いた姿勢を維持してその下端が作動軌跡17を描いて作動し、ドリル本体310及び押圧部材320が回動しながら先端部310aから土中に突入して適正な姿勢で畝Uに確実に植付用穴を形成することが出来る。
なお、昇降機構500は、図13に示す通り、穴開け具300において、左アーム83が連結する回動下軸96の位置を、上アーム82が連結する回動上軸95よりも前方に配置している。
回動下軸96を回動上軸95よりも前方に配置したことにより、穴開け具300が下降した際に、上アーム82と左アーム83との間隔が狭まるのを抑制できる。
この構成により、穴開け具300が下死点付近にあるとき、上アーム82と左アーム83との間隔を広く維持できるので、穴開け作業においてガタつきがなく安定した穴開け作業が行える。尚、昇降機構500による穴開け具300の作動軌跡は、ホッパー400と干渉しない構成となっている。
また、植付伝動ケース26内には、所定の位相で停止する植付クラッチと、植付クラッチを伝動状態に切り替えるクラッチ操作機構と、走行系の伝動に対応して後輪14が所定の回転量回転する度にクラッチ操作機構を操作する株間変更装置とを設けた公知の構成である。株間変更装置は、複数対のギヤのうち伝動するギヤを切り替えることにより、走行伝動に対してクラッチ操作機構が作動する作動周期を変更する公知の構成である。従って、植付クラッチからの伝動により駆動する回動カム駆動軸88及びクランクアーム駆動軸89は、後輪14が所定の回転量回転する度に1回転する構成となっており、1回転の駆動と駆動停止とを繰り返す。よって、穴開け具300が昇降機構500により間欠的に上下動し、株間変更装置により昇降機構500が停止する間隔(後輪の回転量に対応する昇降機構500の作動周期)を変更して間欠植付が行える構成である。株間変更装置のギヤの伝動の切替は、植付伝動ケース26の右側面から右側に突出する株間変更レバー1103の操作により行う構成となっている。株間変更レバー1103は、左右にスライド操作する構成となっており、機体側面視で開閉カム駆動軸788及び開閉カム740の下方近傍に位置している。尚、株間変更レバー1103が、株間変更装置の調節操作により植付株間を調節する株間調節装置となる。
尚、株間変更装置により、後輪の回転量に対応する昇降機構500の作動周期を最も短くなる状態(植付株間が最も狭くなる状態)に切り替えても、穴開け具300が形成する複数の移植穴の配列ピッチである植付株間よりも、穴開け具300の前後中心とホッパー400の前後中心との前後方向の距離が短い構成となっている。尚、穴開け具300の前後中心とホッパー400の前後中心との前後方向の距離が、株間変更装置による調節範囲における最短の植付株間よりも大きく、株間変更装置による調節範囲における最長の植付株間よりも小さくなる構成としてもよい。
尚、上記実施の形態では、平面視で、第1伝動支持リンク610と第2伝動支持リンク620の間に、第1チェーン651cと第2チェーン652cを配置する構成について説明したが、これに限らず例えば、平面視で、第1伝動支持リンク610を、第1チェーン651cの右側又は左側の何れに配置しても良いし、第2伝動支持リンク620を、第2チェーン652cの右側又は左側の何れに配置しても良い。
また、上記実施の形態では、平面視で、第1伝動支持リンク610と第2伝動支持リンク620の間に、第1チェーン651cと第2チェーン652cを配置する構成について説明したが、これに限らず例えば、第1チェーン651cと第2チェーン652cの内、少なくとも何れか一方にチェーンを覆うチェーンカバーを設ける構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、第1チェーン651cの伝動比よりも第2チェーン652cの伝動比の方を高くした構成について説明した。これを実現する構成としては、2段目駆動スプロケット252aと2段目従動スプロケット252bの間で歯数を変える構成に限らず例えば、2段目駆動スプロケット252aを組み替え式とし、第2チェーン652cと共に交換することで、ドリル本体310の回転速度を変える構成としても良い。
また、上記回動機構600において、第1チェーン651c、第2チェーン652cのそれぞれにアームとローラで構成されたチェーンテンショナーを設けることにより、コマ飛びを防止する構成であっても良い。また、2段目駆動スプロケット252aを組み替え式とした構成において、このチェーンテンショナーを採用することで、チェーンのたるみを確実に吸収出来るので、第2チェーン652cを交換する必要が無い。
尚、ここで、ドリル本体310の回転速度を変更する構成例について、図17を参照しながら説明する。
図17は、図6で説明した構成とは別の第2段目駆動スプロケット及び第2段目従動スプロケットの構成を説明する概略図である。図6と同じ構成には同じ符号を付しその説明を省略した。
図17に示す通り、別のカウンタ軸1630には軸径がその両側よりも太く形成されたボス部1631が設けられており、そのボス部1631にはタップ孔1631aが形成されている。別のカウンタ軸1630には、ボス部1631の両側の内、第2伝動支持リンク620側に2段目駆動小径スプロケット1652aが遊嵌されていると共に、第1伝動支持リンク610側に、2段目駆動小径スプロケット1652aより歯数の多い2段目駆動大径スプロケット2652aが遊嵌されている。また、2段目駆動小径スプロケット1652a、及び2段目駆動大径スプロケット2652aには、ボス部1631のタップ孔1631aに対応する位置に、ボルト1631bを挿入する為の貫通孔1652h、2652hが形成されている。
一方、伝動軸640には、第2段目駆動小径スプロケット1652aから、小径用第2チェーン1652cを介して駆動力が伝動される小径対応スプロケット1652bと、第2段目駆動大径スプロケット2652aから、大径用第2チェーン2652cを介して駆動力が伝動される大径対応スプロケット2652bがそれぞれ固定されている。
上記構成により、第2段目駆動小径スプロケット1652a、又は第2段目駆動大径スプロケット2652aをボス部1631にボルト1631bで固定することにより、ドリル本体310の回転速度の切替が容易に行える。
また、図17では、ボルト1631bを用いた構成例を説明したが、これに限らず例えば、ボス部1631と、第2段目駆動小径スプロケット1652a、又は第2段目駆動大径スプロケット2652aとの固定を、ピンにすることで工具を用いないでも、ドリル本体310の回転速度の切替が容易に行える。
また、穴開け具300が昇降機構500の作動により土中に突入する位置の左右両側方には、圃場面に敷設されたマルチフィルムを押さえるマルチフィルム押さえ体1104を左右各々設けている。この左右のマルチフィルム押さえ体1104は、前後方向に延びる棒材により構成され、前方に位置する左右方向の回動支点軸を中心に上下に自由に回動する押さえ体支持アーム1105の後部の押さえ体取付プレート1106の下側に取付ボルト1107により固着され、自重によりマルチフィルムを上方から押さえる構成となっている。尚、押さえ体支持アーム1105の後部には、該押さえ体支持アーム1105の上下回動を案内する上下方向の案内ロッド1108が連結されている。マルチフィルム押さえ体1104の前端部は、上側へ向けて屈曲している。また、マルチフィルム押さえ体1104の後端部は、穴開け具300側となる左右方向内側へ向けて屈曲している。マルチフィルム押さえ体1104は、穴開け具300が下動して土中に突入する位置から上動して土中から退出する位置にわたって前後に長く構成されている。尚、植付伝動ケース26又は植付装置駆動ケース27からの駆動により、案内ロッドを上下動させる構成とし、穴開け具300が土中に突入する動作に合わせてマルチフィルム押さえ体1104を下動させ、マルチフィルムを押さえる構成としてもよい。
尚、押さえ体取付プレート1106の前端部をマルチフィルム押さえ体1104に合わせて上側へ屈曲させた構成としてもよい。また、異なる構成として、左右のマルチフィルム押さえ体1104を押さえ体取付プレート1106に対して左右方向に回動自在に取り付け、左右のマルチフィルム押さえ体1104の間に押さえ体用引張スプリング1109を設け左右のマルチフィルム押さえ体1104が左右方向内側に付勢される構成としてもよい。これにより、左右のマルチフィルム押さえ体1104を穴開け具300の近くに位置させることができ、穴開け具300が孔を開ける部分のマルチフィルムを的確に押さえることができると共に、マルチフィルム押さえ体1104を穴開け具300に接触させて穴開け具300の外周に付着する土を落とすことができる。尚、左右のマルチフィルム押さえ体1104が所定位置を超えて左右方向内側へ回動することを規制するボルト等の位置調節可能な回動規制部材1110を設け、マルチフィルムの押さえ状況によってかえってマルチフィルムが破れないよう回動規制部材1110による規制位置を調節し、マルチフィルムの状況に応じてマルチフィルム押さえ体1104が適切にマルチフィルムを押さえる構成としてもよい。更には、押さえ体支持アーム1105に接地ローラ1111を設け、マルチフィルム押さえ体1104が円滑に且つ的確に圃場面に接地する構成としてもよい。また、穴開け具300の外周に付着する土を落とすスクレーパ板1112を、マルチフィルム押さえ体1104に設けてもよい。
尚、上記実施の形態で説明した供給回転台32の高さを決める支柱39の機体側への取り付け構造について、図18を用いて更に説明する。
図18は、支柱39の機体側への取り付け構造を説明する為の概略左側面図であり、説明に必要な要部を示した。
図18に示す通り、植付伝動ケース26及び植付装置駆動ケース27の上面に、支柱39を機体の後方で且つ上方の位置に固定する為の支柱固定台800が、ボルトで固定されている。また、支柱固定台800は、高さ及び後方へのスライド調節が可能であると共に、図9(a)で説明した開閉アーム回動軸711を回動自在に支持する開閉アームステイ713も一体化して構成されている。
これにより、支柱固定台800の高さの調節或いは後方へのスライド調節により、供給回転台32の取り付け位置を高くして、シューター900による落下高さを確保することが出来る。
また、上記実施の形態では、作業者が苗を入れる供給カップ33の内部がほぼ円筒状の空間である構成について説明したが、これに限らず例えば、供給カップ33の内容積に対して、苗のサイズが小さい場合に、供給カップ33内で苗が転ぶのを防止するべく、供給カップ33の内容積を狭める為の板状部材を供給カップ33の開口部から内部に斜めに挿入し、供給カップ33の開口縁部から下方外側に向けて湾曲した板状部材の先端部を、供給カップ33の外周面に向けてボルトで固定する構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、ドリル本体310の高さは、任意のタイミングで変更出来ない構成であったが、これに限らず例えば、図19に示す通り、ドリル本体310を2重構造としても良い。図19(a)は、第2のドリル本体1310を構成する各部の概略斜視図であり、図19(b)は、第2のドリル本体1310の構成を示す概略断面図である。
図19(a)、図19(b)に示す通り、第2のドリル本体1310は、ドリルアウター1311と、その内部に収納され、上下摺動自在に配置されたドリルインナー1312と、ドリルインナー1312を任意のタイミングで伸縮させるタイミングケーブル1313と、タイミングケーブル1313をスライド自在に保持するケーブルスリーブ1314と、ケーブルスリーブ1314をドリルアウター1311の所定位置に連結する連結部1315aを備えた連結ピン1315と、タイミングケーブル1313が伸びる方向の力を常時付与するべく、ドリルインナー1312に形成された長穴1312aの底面1312bと連結ピン1315との間に配置された圧縮スプリング1316とから構成されている。また、ドリルインナー1312の底面に形成された開口1312cには、タイミングケーブル1313が貫通しており、その先端には、開口132cのサイズよりも大きなサイズのストッパー部材1313aが固定されている。
図19に示す構成により、任意のタイミングでタイミングケーブル1313を引けば、ドリルアウター1311がその任意のタイミングで伸ばすことが出来る。これにより、穴を掘る時のみドリルアウター1311を伸ばし、それ以外は、縮めておけば、ドリル本体の先端を引きずってマルチを破ることが防止出来る。また、この場合、タイミングケーブル1313の伸縮を、穴開け動作に同期させて、自動で行う構成が好ましい。
また、上記各実施の形態では、本発明の移植対象物としてタバコ苗を例に説明したが、本発明の移植機は、タバコ苗以外の移植対象物を植え付ける移植機としても適用できる。例えば、種芋や植付装置を利用する苗株用の移植機としても適用できる。
また、上記実施の形態では、図7に示す通り、穴開け具300の上下動の動作範囲に亘って、側面視で、1段目駆動スプロケット251aの軸心としての伝動支持リンク連結ピン617(回動カム駆動軸88)と、カウンタ軸630の軸心とを結ぶ第1中心線631を一部に含む第1仮想直線よりも、伝動軸640が下側に位置し、且つ、側面視で、伝動支持リンク連結ピン617の軸心とカウンタ軸630の軸心とを結ぶ第1中心線631と、カウンタ軸630の軸心と伝動軸640の軸心とを結ぶ第2中心線632とのなす角度θ(図7参照)は、作動軌跡17を描いて上下動する穴開け具300が下死点又は下死点の近傍に位置するときに、最大となる構成について説明した。しかし、これに限らず例えば、図20に示す通り、穴開け具300の上下動の動作範囲に亘って、側面視で、1段目駆動スプロケット251aの軸心としての伝動支持リンク連結ピン617と、カウンタ軸630の軸心とを結ぶ第1中心線631を一部に含む第1仮想直線3631よりも、伝動軸640が上側に位置し、且つ、側面視で、伝動支持リンク連結ピン617の軸心とカウンタ軸630の軸心とを結ぶ第1中心線631と、カウンタ軸630の軸心と伝動軸640の軸心とを結ぶ第2中心線632とのなす第2の角度θ’(図20参照)は、作動軌跡17を描いて上下動する穴開け具300が下死点又は下死点の近傍に位置するときに、最大(図20のθ’max参照)となる構成であっても良い。ここで、図20は、図7で説明した回動機構600の変形例としての第2の回動機構600’の構成を模式的に表した概略左側面図である。この構成によっても、図7で説明した構成と同様の効果を発揮する。尚、図20において、図7と基本的に同じ構成には同じ符号を付した。