JP6043056B2 - 汚染液中のセシウムの除去方法及びそれに使用する除去剤 - Google Patents

汚染液中のセシウムの除去方法及びそれに使用する除去剤 Download PDF

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Description

本発明は、原子力設備等から排出される汚染液からセシウムを除去する方法、及びそれに使用する除去剤に関するものである。
原子力発電所や核燃料の再処理施設で発生する低〜高レベルの放射性廃液等の汚染液において、Cs137はその半減期が長く、放射性物質の主成分であることから、その除去が強く望まれている。また、放射性物質で汚染された海水、淡水等の汚染液についても、放射性Csの除去が望まれている。
放射性廃液からセシウムを除去することによって、除去後の残りの廃液の処理が容易になる。放射性物質の大部分を大量の溶液から少量の固形分として分離し、残った廃液を低レベル廃液として処理することができればコストの大幅な節減が期待される。低レベル廃液の残留放射性物質の濃度が十分に低いものとなれば、それをそのまま排出することも可能となる。可能とならない場合であっても、低レベル廃液であれば、危険度が大幅に低下するので、その処理は高レベル廃液の処理よりはるかに容易なものとなる。
放射性汚染液から分離されたセシウムは、固形分であれば、濃縮操作が簡便又は不要となる利点があるだけなく、固化して安定化させたり、容器中で保管等の処理をすることが容易となる。
特表2000−512759号公報 特開2001−133594号公報 特開平5−254828号公報
汚染液からセシウムを除去する方法には、沈殿法及びイオン交換法が知られている。中でも、フェロシアン酸塩のような鉄のシアノ錯体を使用して、不溶性のフェロシアン化物を吸着剤として使用してセシウムを除去する方法は、除去効率が優れる点で注目されている。
特許文献1は、Axy[MFe(CN)6]・zH2O(ここで、Aはアルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンであり、MはNi、Co等の2価の遷移元素である)で表わされる遷移元素のヘキサシアノ鉄酸塩を使用することを開示する。それによれば、上式において、角括弧内に記載のイオンは負の合計電荷を持つ結晶質構造を形成し、角括弧の外側に記載された正の合計電荷のイオンは結晶質構造のチャネル内にあって、そこからイオンを外部溶液のCs等のイオンと交換することができるとし、ヘキサシアノ鉄酸塩を用いたセシウムのイオン交換は次式で表されるとしている。
xy[MFe(CN)6]+2Cs ⇔ Cs2[MFe(CN)6]+xA++yM2+
(ここで、x+y/2=2である)
更に特許文献1は、ヘキサシアノ鉄酸塩は、汚染液からセシウムを除去するための沈殿試薬として使用されてきたが、カラムはこれより高い分離度で、しかも沈殿試薬の直接使用より簡単な方法を提供することが知られているとし、分離効率を汚染除去率(処理前後の放射能の比)と減量率との積で表すと、粒状のヘキサシアノ鉄酸塩を充填したカラムでのセシウムの除去はヘキサシアノ鉄酸塩の対応量を用いた沈殿方法に比較して約100倍の効率があるとしているが、実用上の問題があって使用されなかったことを開示する。そこで、特許文献1は、非常に濃度の高い遷移金属化合物の溶液にフェロシアン化物を添加することによって生成する結晶質ヘキサシアノ鉄酸塩が遷移元素の全量の35%以下を含むようにすることによって、カラムでの使用に適した粒状化合物によって達成されるとしている。
特許文献2は、原子炉冷却水の浄化ラインに設けられる脱塩用イオン交換樹脂塔の上流側において、この冷却水に含まれるセシウム等の陽イオンを選択的に吸着し得る吸着剤によって、放射性核種を吸着し除去することを開示し、この吸着剤として、チタン酸塩、含水酸化チタン又はフェロシアン化物を使用することを開示する。
特許文献3は、吸着工程で不溶性フェロシアン化物からなる吸着体とセシウム含有水溶液を接触させてセシウムを吸着させ、脱着工程でセシウムを吸着した当該不溶性フェロシアン化物を酸化力のある脱着剤溶液と接触させて不溶性フェリシアン化物に変化させることによりセシウムを脱着、回収し、生成する不溶性フェリシアン化物を再生剤溶液と接触させることにより不溶性フェロシアン化物に転換しするセシウムの回収法を開示する。
上記特許文献1はフェロシアン化物として、遷移元素のヘキサシアノ鉄酸塩を使用するが、一般的な試薬等として入手が容易なフェロシアン化カリウム又はナトリウムのようなフェロシアン化塩が使用可能であれば望ましいことである。しかし、このようなフェロシアン化塩は、セシウムを吸着又は沈殿させることにより分離する能力は劣る。
本発明は、入手容易な吸着際を使用して、汚染液中のセシウムを高い選択率で簡便に吸着又は沈殿させることができる放射性セシウムの除去方法を提供する。
本発明者は、水溶液中のセシウムを効率よく回収することができ、しかも繰り返し使用できる吸着剤について種々研究を重ねた結果、一般に入手容易な水溶性フェロシアン化塩使用し、且つ鉄粉および又は酸化鉄粉と併用することによりセシウムを選択的に吸着させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、セシウム含有水溶液を、フェロシアン化ナトリウム及びフェロシアン化カリウムから選択される少なくとも1種のフェロシアン化塩と、金属鉄の粉末および酸化鉄の粉末から選択される少なくとも1種の鉄系粉末とを接触させてセシウムを沈殿又は吸着させて、セシウムを水溶液から分離することを特徴とする汚染液中のセシウムの除去方法である。
上記セシウムの除去方法において、セシウム含有水溶液に、フェロシアン化塩を添加したのち、金属鉄又は酸化鉄の粉末と接触させることができる。また、上記金属鉄または酸化鉄の粉末が、鉄鋼製造工程から排出される鉄を含有するスラグであることができる。上記セシウムの除去方法において、セシウムを水溶液から分離するにあたり、比重差により、セシウムの吸着物又は沈殿物と金属鉄又は酸化鉄の粉末混合物を水溶液から分離することができる。また、上記粉末混合物を水溶液から分離する際に、磁石を利用して分離することができる。
また、本発明は、フェロシアン化ナトリウム及びフェロシアン化カリウムから選択される少なくとも1種のフェロシアン化塩と、金属鉄又は酸化鉄の粉末とを混合して得られることを特徴とするセシウムの除去剤である。
本発明の方法によれば、入手が容易な水溶性のフェロシアン化塩と鉄粉又は酸化鉄粉から、高い効率で、汚染液中のセシウムを含むセシウムの除去が可能となる。また、セシウムの除去に使用された除去剤は水溶液から分離した後、安全に輸送又は保管する必要があるが、本発明の除去剤は放射線遮蔽能力が高いので、これを封入した容器表面から放射される放射線量が低く、後処理の安全性も向上する。
本発明で処理されるセシウム含有水溶液は、原子炉を始めとする原子力設備から排出される廃液等であり、放射性セシウムで汚染された海水等であってもよく、放射性セシウムを含有する汚染液であれば制限はない。また、放射能で汚染された土壌、瓦礫、構造物等を洗浄して生じる汚染液や土壌からの浸出水であってもよい。セシウムの濃度は、低〜高レベルの汚染液であることができるが、セシウムとして、0.0001〜100mg/l程度の濃度の汚染液に適する。汚染液中にはセシウム以外の成分が含まれてもよく、特に吸着時に競合する恐れがある吸着阻害物質としてNaClを海水と同程度含む汚染液に対しても優れた効果を奏する。また、本発明のセシウムの除去剤は、汚染液だけでなく、セシウムにより汚染された土壌等に直接混合して使用してもよい。
本発明で使用するフェロシアン化塩は、フェロシアン化ナトリウム又はフェロシアン化カリウムである。より好ましいのは、安全性が高く食品添加物としても使用されているフェロシアン化カリウムである。これらのフェロシアン化塩は、市販品をそのまま使用できると言う利点がある。フェロシアン化塩は、汚染液中に固体のまま添加して溶解させてもよく、別に水に溶解させて水溶液として汚染液中に添加してもよい。
本発明で使用する鉄系粉末は、金属鉄の粉末、酸化鉄の粉末又は両者を含む粉末である。鉄系粉末としては、除去率の点では金属鉄の粉末が好ましいが、酸化鉄の粉末は安価に得られるという利点がある。鉄系粉末は平均径(Median径)が10〜1000μm程度であればよい。
金属鉄の粉末は、有機塩素系物質の浄化に用いられるアトマイズド鉄粉や還元鉄粉、鉄鋼製造工程から排出される鋳鉄粉であることもでき、鉄鋼を切断、穴開け、切削等をする加工工程から排出される金属鉄を含有する屑又はこれらの粉砕物等であることもできる。
本発明で使用する酸化鉄の粉末は、工業原料用に製造されたものでよいが、鉄鋼製造工程から排出されるミルスケールや製鋼スラグの粉末であることもできる。例えば、製鋼スラグには、転炉製鋼プロセスから発生するスラグと電気炉製鋼プロセスから発生するスラグとがあり、転炉プロセスでは、溶銑予備処理、転炉、二次製錬の各段階で発生するスラグに分けられる。転炉スラグには酸化鉄が多量に含まれているので有利である。
フェロシアン化塩の使用量としては、水溶液中に存在するセシウムに対し、通常、少なくとも当量、好ましくは2倍当量以上になる量で用いられる。
本発明の吸着剤は、上記フェロシアン化塩と鉄系粉末を混合して得られる。配合割合は広範囲に変化し得るが、フェロシアン化塩:鉄系粉末=1:1000〜1:1(重量比)の範囲が好ましい。この吸着剤は粉末状の混合物であってもよく、水溶性のバインダー等で粒状等に成形した成形体であってもよい。
本発明の方法では、まずセシウムとフェロシアン化塩とが反応してフェロシアン化セシウム塩となり、これが、鉄粉または酸化鉄粉に吸着又は沈着するものと考えられる。そのため、汚染液にフェロシアン化塩と鉄系粉末を同時に添加して、攪拌接触させてもよく、先に汚染液にフェロシアン化塩を加えて反応させ、その後と鉄系粉末と接触させ、吸着させてもよい。鉄粉または酸化鉄粉は固体なのでこれをカラムに充填して使用すれば、捕集効率が向上する。また、鉄粉を水溶液中に分散させて使用する場合は、水溶液との分離は沈降分離も可能であるが、磁石を利用した分離も可能となる利点がある。
水溶液から分離した吸着剤、又は鉄粉または酸化鉄粉鉄系粉末は、放射性セシウムを高濃度で含有するので、これは容器に封入した上で、輸送又は保管することが好ましい。このような容器としては、容積100L以上のドラム缶等が適するが、輸送性の点からは18L缶のようなものが取り扱いやすい場合がある。水溶液から分離した吸着剤、又は鉄粉または酸化鉄粉鉄系粉末は、鉄系粉末を多量に含むため、γ線に代表される放射線の遮蔽効果が高く、容器の中心部付近からの放射線の容器表面に到達する割合が大きく減少するものと考えられる。
汚染液は中性であっても、弱酸性であっても、アルカリ性であっても差し支えないが、pH5〜12の範囲が好ましい。しかし、強酸性の場合には、フェロシアン化塩物が分解するため、酸中和能力の高い製鋼スラグを用いることがよい。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、各例中のセシウム濃度は原子吸光光度法を用いて行った。表中、NDは検出されないことを意味する。
実施例1
モデル汚染液として、セシウム濃度が9mg/lとなるように市販の塩化セシウム試薬を用い、吸着競合物質としてナトリウム濃度が11000mg/lとなるように市販の塩化ナトリウム試薬を添加した水溶液を用意した。
この水溶液100ml中に、市販のフェロシアン化カリウム三水和物試薬1重量部と市販の水質浄化用の還元鉄粉(金属Fe:99.5%、粒度300メッシュ)1重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤1gを添加し、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例2
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液140ml中に、実施例1で使用したと同じ吸着材0.6gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例3
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じフェロシアン化カリウム三水和物試薬0.5gと、実施例1で使用したと同じ還元鉄粉1重量部0.5gを別々に添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例4
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、市販のフェロシアン化カリウム三水和物試薬1重量部と市販の水質浄化用の鋳鉄粉(T-Fe:94%、金属Fe:90%、C:3%、粒径:2mmアンダー品)1重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤1gを添加し、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例5
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、市販のフェロシアン化カリウム三水和物試薬1重量部と市販の酸化鉄粉(T-Fe:70%、Fe2O3:34%、FeO:60%、金属Fe:0.4%、粒径:2mmアンダー品)1重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤1gを添加し、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例6
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、市販のフェロシアン化カリウム三水和物試薬1重量部と、化学組成がT−Fe:20%、CaO:39%、SiO2:17%でSiO2/CaOが0.4である農業肥料用の製鋼スラグ粉末1重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表1に示す。
実施例7
モデル汚染液として、セシウム濃度が5mg/lとなるように塩化セシウム及び、吸着阻害物質としてナトリウム濃度が12000mg/lとなるように塩化ナトリウムを添加した水溶液を用意した。この水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じ吸着剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
実施例8
実施例7で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じフェロシアン化カリウム三水和物試薬3重量部と実施例1で使用したと同じ還元鉄粉5重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
実施例9
実施例7で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じフェロシアン化カリウム三水和物試薬1重量部と実施例1で使用したと同じ還元鉄粉5重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
実施例10
モデル汚染液として、セシウム濃度が65mg/lとなるように塩化セシウム及び、吸着阻害物質としてナトリウム濃度が12000mg/lとなるように塩化ナトリウムを添加した水溶液を用意した。この水溶液100ml中に、実施例6で使用したと同じ吸着剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
実施例11
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、市販のフェロシアン化ナトリウム十水和物試薬1重量部と市販の水質浄化用の還元鉄粉(粒度300メッシュ)1重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤1gを添加し、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
実施例12
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例11で使用したと同じ市販のフェロシアン化ナトリウム十水和物試薬1重量部と、化学組成がT−Feが20%、CaOが39%、SiO2が17%で、SiO2/CaOが0.4である農業肥料用の製鋼スラグ粉末1重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表2に示す。
実施例13
モデル汚染液として、セシウム濃度が2.2mg/lとなるように市販の塩化セシウム試薬を用い、吸着競合物質としてナトリウム濃度が5900mg/lとなるように市販の塩化ナトリウム試薬を添加した水溶液を用意した。
この水溶液500ml中に、実施例11で使用したと同じフェロシアン化ナトリウム十水和物試薬1重量部と、実施例4で使用したと同じ水質浄化用の鋳鉄粉3重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤0.4gを添加し、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表3に示す。
実施例14
実施例13で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例11で使用したと同じフェロシアン化ナトリウム十水和物試薬1重量部と、実施例4で使用したと同じ水質浄化用の鋳鉄粉10重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤1gを添加し、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表3に示す。
実施例15
実施例13で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例11で使用したと同じフェロシアン化ナトリウム十水和物試薬1重量部と、実施例4で使用したと同じ水質浄化用の鋳鉄粉20重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤1gを添加し、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表3に示す。
実施例16
実施例13で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例11で使用したと同じフェロシアン化ナトリウム十水和物試薬1重量部、実施例4で使用したと同じ水質浄化用の鋳鉄粉10重量部、実施例5で使用したと同じ酸化鉄粉10重量部をスーパーミキサーにて30秒混合して作成した吸着剤1gを添加し、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液を5Aのろ紙でろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表3に示す。
比較例1
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じフェロシアン化カリウム三水和物試薬0.5gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表4に示す。
比較例2
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例1で使用したと同じ金属鉄粉0.5gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表4に示す。
比較例3
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例5で使用したと同じ酸化鉄粉0.5gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表4に示す。
比較例4
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例6で使用したと同じ製鋼スラグ粉末0.5gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表4に示す。
比較例5
実施例1で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、実施例11で使用したと同じ市販のフェロシアン化ナトリウム十水和物試薬0.5gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウム吸着率及びセシウム吸着量を計算した結果を表4に示す。
Figure 0006043056
Figure 0006043056
Figure 0006043056
Figure 0006043056
実施例17
放射線源としてウラン鉱石、放射線測定装置としてガイガーミュラー計数管式サーベイメータ、遮蔽材充填用容器として、外寸90mm×90mm×25mmの紙製容器を準備し、放射線源と放射線測定装置の間に遮蔽材充填用容器を設置した。放射線源と放射線測定装置間の距離は25mmとし、紙製容器の厚み25mmを通過させるように配置した。なお、紙製容器を配置しない場合の測定値は930カウント/分であり、空の紙製容器を配置した場合の測定値とほぼ同じである。
実施例4で使用したと同じ吸着剤を資材として紙製容器に充填して、放射線源と放射線測定装置の中間に設置し、その時のガンマー線強度を測定した。その時の資材の充填密度、資材を充填せずに紙容器のみを設置して測定した場合の放射線強度を100とした時の放射線の測定強度比、ガンマー線遮蔽能力を表5に示す。
実施例18
実施例17で使用したと同じ測定方法を用いて、実施例14で使用したと同じ吸着剤のガンマー線強度を測定した。その時の、資材の充填密度、資材を充填せずに紙容器のみを設置して測定した場合の放射線強度を100とした時の放射線の測定強度比、ガンマー線遮蔽能力を表5に示す。
実施例19
実施例17で使用したと同じ測定方法を用いて、実施例15で使用したと同じ吸着剤のガンマー線強度を測定した。その時の、資材の充填密度、資材を充填せずに紙容器のみを設置して測定した場合の放射線強度を100とした時の放射線の測定強度比、ガンマー線遮蔽能力を表5に示す。
実施例20
実施例17で使用したと同じ測定方法を用いて、実施例16で使用したと同じ吸着剤のガンマー線強度を測定した。その時の、資材の充填密度、資材を充填せずに紙容器のみを設置して測定した場合の放射線強度を100とした時の放射線の測定強度比、ガンマー線遮蔽能力を表5に示す。
比較例6
実施例17で使用したと同じ測定方法を用いて、市販の土木試験用標準砂(豊浦産)のガンマー線強度を測定した。その時の、資材の充填密度、資材を充填せずに紙容器のみを設置して測定した場合の放射線強度を100とした時の放射線の測定強度比、ガンマー線遮蔽能力を表5に示す。
比較例7
実施例13で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、比較例6で使用したと同じ土木試験用標準砂1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウムの濃度は2.2mg/l、セシウムの吸着率は0%であった。
比較例8
実施例17で使用したと同じ測定方法を用いて、市販の地学実習用オリビンサンド(岩本鉱産物商会(有)製、ハワイ産)のガンマー線強度を測定した。その時の、資材の充填密度、資材を充填せずに紙容器のみを設置して測定した場合の放射線強度を100とした時の放射線の測定強度比、ガンマー線遮蔽能力を表5に示す。
比較例9
実施例13で使用したと同じモデル汚染液を使用し、この水溶液100ml中に、比較例8で使用したと同じ地学実習用オリビンサンド1gを添加し、実施例1と同じ方法で、25℃で6h攪拌し、接触させた。その後、水溶液をろ過し、ろ液中のセシウム濃度を測定した。この時のセシウムの濃度は2.2mg/l、セシウムの吸着率は0%であった。
Figure 0006043056
表1〜表4から、本発明の除去方法、吸着剤により、セシウムの除去が良好に行われることが分かる。また、表5から、本発明の吸着剤により、オリビンサンド等の重砂と同等以上の放射線の遮蔽が行われることが分かる。

Claims (5)

  1. セシウム含有水溶液を、フェロシアン化ナトリウム及びフェロシアン化カリウムから選択される少なくとも1種のフェロシアン化塩と、金属鉄の粉末および酸化鉄の粉末から選択される少なくとも1種の鉄系粉末を含む除去剤と接触させてセシウムを吸着させて、セシウムを含有した除去剤を水溶液から分離することを特徴とする汚染液中のセシウムの除去方法。
  2. セシウムを含有した除去剤を水溶液から分離する際に、磁石を利用して分離することを特徴とする請求項1に記載の汚染液中のセシウムの除去方法。
  3. セシウムを含有した除去剤を水溶液から分離した後、分離されたセシウムを含有した除去剤を容器に入れて輸送又は保管することを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染液中のセシウムの除去方法。
  4. フェロシアン化ナトリウム及びフェロシアン化カリウムから選択される少なくとも1種のフェロシアン化塩と、金属鉄の粉末および酸化鉄の粉末から選択される少なくとも1種の鉄系粉末とを含むことを特徴とするセシウム含有水溶液中のセシウムを吸着させて水溶液から分離するための除去剤。
  5. 鉄系粉末の一部または全部が、鉄鋼製造工程から排出される鉄を含有するスラグである請求項4に記載の除去剤。
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