以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。
図1に示すパチンコ遊技機1の構成例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数は、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第2特図保留記憶数は、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。このように、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときには、可変表示の保留が発生する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
第1保留表示器25Aや第2保留表示器25Bとともに、あるいは、これらの保留表示器に代えて、画像表示装置5の表示領域に始動入賞記憶数表示エリアを設けてもよい。すなわち、始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音や楽曲等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。なお、プッシュボタン31Bには、遊技者による回転操作が可能なダイヤルが設けられており、遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって所定の選択(例えば楽曲の選択)を行うことができる。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作や回転操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。例えば、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。なお、演出制御基板12は、操作検出スイッチ31から伝送された操作検出信号を受信して所定の制御を行う機能も備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)する始動入賞(第1始動入賞)が発生したときに、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより、第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)する始動入賞(第2始動入賞)が発生したときに、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「14」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「14」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
このような短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。確変状態は、平均的な可変表示時間が通常状態よりも長くなる特殊制御とともに、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変制御が行われ、その後、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御とともに確変制御が行われる遊技状態である。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。なお、特殊制御とともに確変制御が行われる状態から時短制御とともに確変制御が行われる状態へは、所定回数の可変表示が実行されたことにより遷移する。したがって、次回の大当り遊技状態が開始された場合には、時短制御とともに確変制御が行われる状態へ遷移することなく確変状態が終了することがある。また、大当り遊技状態が終了した後には、確変制御が行われず所定回数の可変表示が実行されるまで特殊制御が行われた後、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。特殊制御から時短制御への切り替えは、所定回数の可変表示が実行されたことにより行われる。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、確変状態や時短状態が終了して通常状態になることがある。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる以前の遊技状態が確変状態や時短状態であって高開放制御を伴う時短制御が行われていたときには、大当り遊技状態の終了後も高開放制御を伴う時短制御が行われるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「14」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、リーチ態様となる前に出力していた楽曲の音量を低下させ別の楽曲を出力させるといったスピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
この実施の形態では、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行される場合に、まずは飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて、ノーマルのリーチ演出が実行される。その後、スーパーAのリーチ演出が実行され、スーパーBのリーチ演出が実行されない場合には、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されて確定表示される。一方、スーパーBのリーチ演出が実行される場合には、スーパーAのリーチ演出に続いて、スーパーAのリーチ演出よりも大当り信頼度が高いスーパーBのリーチ演出が実行されてから、確定飾り図柄が導出されて確定表示される。スーパーAのリーチ演出に続いて、スーパーBのリーチ演出が実行されることを、「リーチ演出が発展する」ともいう。スーパーAのリーチ演出は、発展前のリーチ演出となる。一方、スーパーBのリーチ演出は、発展後のリーチ演出となる。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
このように、画像表示装置5の画面上では、例えば「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の可変表示が行われて可変表示結果となる確定飾り図柄が導出される。また、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったときには、リーチ演出を実行するために、画像表示装置5の画面上にて演出画像の表示などが行われる。その他にも、飾り図柄の可変表示中には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を示唆する予告演出を実行するために、画像表示装置5の画面上にて演出画像の表示などが行われる。したがって、画像表示装置5における表示画面は、パチンコ遊技機1における遊技の進行に伴い遊技者の注目が最も向けられやすく、画像表示装置5は遊技に関する主要な演出を行う主要演出手段となる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第1特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第2特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。すなわち、大当り遊技状態が終了し、特殊制御が行われている遊技状態では、平均的な可変表示時間が通常状態よりも長くなるような変動パターンが決定されることとなる。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。また、変動パターン設定処理では、保留数が多いほど短い変動パターンが選択されるようにしてもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。小当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。大当りフラグや小当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するため、特殊制御を行う可変表示の回数を設定するなどといった、各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
大当り終了処理において、CPU103は、RAM102の所定領域から大当り種別バッファ値を読み出すことにより、大当り種別が「非確変」、「確変」または「突確」のいずれであったかを特定する。このとき特定された大当り種別が「確変」または「突確」である場合には、確変制御の開始により遊技状態を確変状態とするための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。また、特定された大当り種別が「非確変」または「確変」である場合には、時短制御の設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた時短回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「100」)を設定すればよい。時短回数カウンタは、時短制御が終了するまでに実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントする。なお、大当り種別が「確変」であることに対応して、次に可変表示結果が「大当り」となるまで時短制御を継続させる場合には、時短回数カウンタのカウント初期値を設定せずに、確変フラグと時短フラグとをいずれもオン状態にセットすればよい。また、CPU103は、変動回数カウンタ値に所定の値をセットすることにより、大当り遊技状態が終了した後に特殊制御が行われる可変表示の回数を決定する。この実施の形態では、変動回数カウンタ値に「30」がセットされることとなる。したがって、確変状態や時短状態が開始されてから30回の可変表示中は、確変制御が行われるか否かに関わらず、特殊制御が行われることとなる。なお、変動回数カウンタ値にセットされる値は、例えば、確変制御が行われる場合には「50」をセットするといったように、確変制御が行われるか否かにより異ならせてもよい。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に再び大入賞口を開放状態とするまで待機する処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図4は、始動入賞判定処理として、図3のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応して、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3といった、所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、乱数値MR1〜MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データ(保留情報)として、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが第1特図保留記憶部151Aにセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが第2特図保留記憶部151Bにセットされる。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御するか否かや、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンなどを、決定するための保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御するか否かや、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンなどを、決定するための保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図5は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。すなわち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい(ステップS240)。
図6(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図6(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図6(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」または「突確」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。また、図6(A)に示す決定例では、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で特図表示結果が「小当り」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、特図表示結果が「小当り」に決定されることがない。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「小当り」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも低い割合で、特図表示結果が「小当り」に決定されることがあってもよい。
その後、CPU103は、ステップS240の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS241;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。そして、大当り種別決定テーブルを選択し(ステップS243)、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS244)。一例として、ステップS243およびステップS244の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図7は、ステップS243及びステップS244の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で大当り種別が「突確」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」には決定されない。すなわち、大当り種別が「突確」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「突確」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも低い割合で、大当り種別が「突確」に決定されることがあってもよい。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えばRAM102に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS246;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS248)。一例として、ステップS241、S246にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS248の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図8は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合(ステップS261;Yes)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えばRAM102に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS264;Yes)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS264;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り変動パターン決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS265)。
一方、ステップS264にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS264;No)、変動回数カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS268)。ステップS268にて変動回数カウント値が「0」であると判定した場合には(ステップS268;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン決定テーブルA132Cを選択してセットする(ステップS269)。一方、ステップS268にて変動回数カウント値が「0」ではないと判定した場合には(ステップS268;No)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン決定テーブルB132Dを選択してセットする(ステップS270)。そして、変動回数カウント値を1減算(デクリメント)する(ステップS271)。
ステップS263、S265、S267、S269、S271の処理のいずれかを実行した後には、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で高開放制御が行われる高ベース状態であるか否かを特定し、変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS272)。
図9は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」や「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図10(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図8に示すステップS272の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、図10(A)に示すような決定割合で可変表示結果が「大当り」となる場合の変動パターンが決定されればよい。大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
図10(B)は、小当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図8に示すステップS272の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、図10(B)に示すような決定割合で可変表示結果が「小当り」となる場合の変動パターンが決定されればよい。
図10(C)及び図10(D)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。例えば図8に示すステップS269の処理では、図10(C)に示すROM101の所定領域に予め記憶されて用意されたハズレ変動パターン決定テーブルAが選択され、ステップS270の処理では、図10(D)に示すハズレ変動パターン決定テーブルBが選択されることとなる。図8に示すステップS272の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、図10(C)や(D)に示すような決定割合で可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンが決定されればよい。ハズレ変動パターン決定テーブルA132Cは、例えば遊技状態が通常状態であるときや確変状態又は時短状態であってかつ特殊制御が終了した後の使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン決定テーブルB132Dは、例えば大当り遊技状態が終了した後、特殊制御が行われているときの使用テーブルとして選択される。ハズレ変動パターン決定テーブルA132Cは、通常状態であるか確変状態又は時短状態において特殊制御が行われていない状態、といったように、それぞれの遊技状態に応じて変動パターンが割り当てられている。確変状態又は時短状態において特殊制御が行われていない状態の場合には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなるように、各変動パターンに決定値が割り当てられている。一方、ハズレ変動パターン決定テーブルB132Dは、ハズレ変動パターン決定テーブルA132Cにおけるいずれの遊技状態での平均的な可変表示時間よりも平均的な可変表示時間が長くなるように、各変動パターンに決定値が割り当てられている。このような構成によれば、ハズレ変動パターン決定テーブルB132Dが選択される特殊制御中の遊技状態における平均的な可変表示時間を、特殊制御が行われていない遊技状態における平均的な可変表示時間よりも長くすることができる。なお、特殊制御中の平均的な可変表示時間は、時短状態よりも長くする一方、通常状態よりは短くするようにしてもよい。
ステップS272にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS273)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS273の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS274)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS275)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAM102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS276)、変動パターン設定処理を終了する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
ステップS275でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから、上述したコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図11は、特別図柄停止処理として、図3のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるかオフであるかを判定する(ステップS281)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS281;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS282)。例えば、ステップS282の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部193に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、当り開始指定コマンドのうちEXTデータの設定により大当り開始指定コマンドとなる演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS283)。
ステップS283の処理を実行した後には、時短フラグがオンとなっているか否かに対応して、時短制御が行われる遊技状態であるか否かを判定する(ステップS284)。そして、時短制御が行われる遊技状態であれば(ステップS284;Yes)、大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS285)、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「突確」であるか否かを判定する(ステップS286)。
ステップS286にて「突確」の大当り種別であると判定されたときには(ステップS286;Yes)、時短制御が行われる遊技状態中に特図表示結果が「大当り」で「突確」の大当り種別となり短期開放大当り状態に制御されることに対応して、遊技制御フラグ設定部192に設けられた時短中突確フラグをオン状態にセットする(ステップS287)。こうして時短中突確フラグをオン状態にセットしておくことにより、時短制御がおこなわれる遊技状態中における「突確大当り」に対応して、短期開放大当り状態の終了後に確変制御とともに時短制御が行われる時短付確変状態(高確高ベース状態)に移行可能とする。
ステップS284にて時短フラグがオフであるときや(ステップS284;No)、ステップS286にて大当り種別が「突確」ではないとき(ステップS286;No)、あるいは、ステップS287の処理を実行した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS288)。また、特図表示結果が「大当り」となったことに対応して、確変状態や時短状態といった遊技状態を終了して通常状態にするための設定を行う(ステップS289)。例えば、ステップS289の処理では、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする。また、時短回数カウント値が「0」以外の値であれば、時短回数カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化すればよい。その後、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS290)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS281にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS281;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。そして、小当りフラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、小当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、当り開始指定コマンドのうちEXTデータの設定により小当り開始指定コマンドとなる演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。その後、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS295)。
ステップS291にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS292;No)、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化する(ステップS296)。ステップS295、S296の処理のいずれかを実行した後には、確変状態や時短状態といった遊技状態を終了して通常状態にするか否かの判定を行う(ステップS297)。例えば、ステップS297の処理では、時短回数カウント値が、後述するステップS325の処理にて設定された時短回数カウンタの値と合致するか否かを判定し、合致していなければ、時短回数カウント値を1加算するように更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が時短回数カウンタの値と合致したときには、時短状態や確変状態を終了する旨の判定を行うようにすればよい。なお、確変制御が行われている確変制御中は、特図表示結果が「大当り」となるまで、特殊制御や時短制御も継続して行われるようにしてもよい。その後、遊技状態指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS298)、特別図柄停止処理を終了する。
図12は、図3のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図10に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS323)。そして、大当り種別が「非確変」ではないと判定された場合には(ステップS323;No)、確変状態に制御するための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする。
ステップS323にて大当り種別が「非確変」であると判定された場合や(ステップS323;Yes)、ステップS324の処理を実行した後には、時短状態に制御するための設定を行う(ステップS325)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「60」、「90」、「100」など)を、時短回数カウンタに設定する。なお、時短状態では、特殊制御が行われた後に時短制御が行われるため、当該時短回数カウンタには、特殊制御における可変表示回数も含まれる。なお、大当り種別が「突確」である場合には、短期開放大当り状態となる以前に時短制御が行われていたか否かに応じて、時短状態に制御する設定を行うか否かを異ならせてもよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、時短回数カウント値の初期設定は行わず、確変制御と特殊制御が行われた後、次に特図表示結果が「大当り」となるまで確変制御と時短制御の双方が継続して行われるように設定してもよい。その後、変動回数カウンタ値に「30」をセットし(ステップS326)、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS327)、大当り終了処理を終了する。ステップS326の処理にて変動回数カウンタ値がセットされることにより、特殊制御中に行われる可変表示の回数がセットされることとなる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定処理に戻る。
図13は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、ステップS166〜S168又はS169の処理を実行し、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S178の処理のいずれかを選択して実行する。
演出制御プロセス処理では、まず、演出制御フラグ設定部191などに設けられた楽曲継続フラグがオンであるかオフであるかを判定する(ステップS166)。楽曲継続フラグがオンである場合(ステップS166;Yes)、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された演出制御コマンドにより時短状態が終了したか否かを判定する(ステップS167)。時短状態が終了したと判定した場合には(ステップS167;Yes)、楽曲継続フラグをリセットする(ステップS168)。一方、時短状態が終了していないと判定した場合には(ステップS167;No)、大当り演出中に出力された楽曲を継続して出力する(ステップS169)。ステップS166の処理にて楽曲継続フラグがオフであると判定した場合(ステップS166;No)や、ステップS168やS169の処理を実行した後は、演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜S178の処理を実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、予告演出、リーチ演出、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。また、可変表示中演出処理では、大当り中に出力される楽曲が継続して出力されている場合において、リーチ演出の実行期間中に、継続して出力されている楽曲をOFFに設定する設定を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。そして、継続して出力されている楽曲をONに設定され、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り報知演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り報知演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の開始時における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態が開始されることに対応して小当り報知演出を実行するために、各種の演出制御を行う。小当り報知演出は、小当り遊技状態が開始されてから終了するまで、継続して実行されてもよい。あるいは、小当り報知演出は、小当り遊技状態が開始されてから終了するより前の所定期間において、実行されてもよい。小当り報知演出の実行期間が終了したときには、演出プロセスフラグの値が小当り終了演出処理に対応した値である“5”に更新される。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り開始時処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り開始時処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の開始時における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態が開始されることに対応して大当り開始時演出を実行するために、各種の演出制御を行う。大当り開始時処理では、大当り組合せを構成する確定飾り図柄の停止表示が終了してから大当り遊技状態における1回目のラウンド遊技が開始されるまでの所定期間において、実行されればよい。大当り開始時処理では、遊技者によるスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bなどの操作を受け付け、受け付けた操作内容を判定し、条件を満たしている場合には条件に応じた特典を付与するといった処理が行われる。大当り開始時処理は、大当り遊技状態となることを明確に報知する大当り報知演出を含んでもよいし、大当り遊技状態となることは明確に報知しないが大当り遊技状態となることに対応して実行される任意の演出を含んでもよい。こうした大当り開始時演出の実行が終了することに対応して、演出プロセスフラグの値が大当り中演出処理に対応した値である“7”に更新される。
ステップS177の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等をラウンド数に応じて設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行って、大当り中演出を実行する。例えば、後述するように、ラウンド数が「1」の場合には、大当り中に出力する楽曲の種類を選択する選択画面を表示する。また、ラウンド数が「15」の場合には、遊技者によるスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bなどの操作を受け付け、受け付けた操作内容を判定し、条件を満たしている場合には条件に応じた特典を付与するといった処理が行われる。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“8”に更新する。
ステップS178のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“8”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を行って、エンディング演出を実行する。こうした大当り遊技状態の終了時における演出制御が行われた後には、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図14は、可変表示開始設定処理として、図13のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされた場合には(ステップS521;Yes)、例えば変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS525)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS525;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS523、S524、S526、S527の処理のいずれかを実行した後には、可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS528)。一例として、ステップS530の処理では、所定の変動中予告演出を実行するための設定が行われてもよい。変動中予告演出は、開始条件が成立した特図ゲームに対応して実行される飾り図柄の可変表示中に、その可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する予告演出であればよい。
変動中予告演出としては、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS528の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、図15(A)に示すような演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS529)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
図15(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図15(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図15(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
図14に戻り、ステップS529の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS530)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS531)。このときには、例えばステップS529にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS532)、可変表示開始設定処理を終了する。
図16は、可変表示中演出処理として、図13のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、予告演出を実行するための予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS452)。予告演出期間は、例えば図13に示すステップS171の可変表示開始設定処理にて予告演出を実行すると決定されたことに基づいて選択された演出制御パターン(予告演出制御パターン)において、予め定められていればよい。ステップS452にて予告演出期間であるときには(ステップS452;Yes)、予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS453)。例えばステップS453の処理では、予告演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データに応じて、所定の演出態様による予告演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、もしくは演出用模型を動作させること、または、これらの一部もしくは全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて予告演出を実行できればよい。
ステップS452にて予告演出期間ではないときや(ステップS452;No)ステップS453の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS454)。リーチ演出実行期間は、例えば図13に示すステップS171の可変表示開始設定処理にて変動パターンに対応して選択された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)において、予め定められていればよい。ステップS454にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS454;Yes)、楽曲継続フラグがオンであるかオフであるかを判定する(ステップS455)。楽曲継続フラグがオンである場合には(ステップS455;Yes)、大当り中に出力されていた楽曲であって継続して出力中の楽曲のボリュームをオフにする(ステップS456)。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるときには楽曲のボリュームをオンのまま維持する一方で、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるときには楽曲のボリュームをオフにするようにしてもよい。また、ノーマルリーチのリーチ演出を実行した後にスーパーリーチのリーチ演出に発展可能なものにおいて、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるときには、スーパーリーチのリーチ演出に発展するか否かに応じて、異なる割合で楽曲のボリュームをオフにするようにしてもよい。また、リーチ演出に限られず、例えば、擬似連などといったような、大当り期待度の高い演出が実行される場合にも楽曲のボリュームをオフにするようにしてもよい。
ここで、ボリュームをオフ(またはオン)にする処理について具体的に説明する。遊技中は原則として、遊技状態に応じた演出制御実行データ(プロセスデータ)の音番号データに基づいて音声や楽曲が出力される。但し、大当り遊技終了後であっても、楽曲継続フラグがセットされている期間中は、大当り遊技中の演出制御実行データの音番号データに従って大当り中楽曲が出力されるようになっている。そして、当該期間中は、所定の条件となる場合を除き、原則として変動中においても、演出制御実行データの音番号データに従わない。即ち、大当り中楽曲の優先度を通常時楽曲の優先度より高くしている。また、ここでいう所定の条件とは、リーチ演出の発生であり、このときは演出制御実行データの音番号データに従う。即ち、予告音の優先度を大当り中楽曲の優先度より高くしている。
この実施の形態では、フレーズを独立して再生可能な再生チャンネルとして8チャンネル(ch0〜ch7)が設けられていて、独立した8フレーズの同時再生が可能である。即ち各再生チャンネル毎に、制御レジスタに設定されたデータに従ってデコードされた音声データの音量を調整することが可能である。各再生チャンネル(ch0〜ch7)には各種の音が予め割り当てられている。チャンネル0にはエラーを報知するエラー音(警報音)が割り当てられ、チャンネル1にはリーチ演出の際に出力される音声や楽曲である予告音が割り当てられ、チャンネル2には大当り遊技中に出力される特定の楽曲である大当り中楽曲が割り当てられ、チャンネル3には演出図柄変動開始〜停止までの期間に再生される通常時楽曲が割り当てられる。さらにチャンネル4〜7には、効果音1〜4(例えば後述するイントロ1〜3や、図柄停止時の効果音等)が割り当てられる。また、各チャンネルに割り当てられている音に優先順位(優先度)が予め設定されている。優先順位の高い音が優先して音声出力される。例えば、予告音と大当り中楽曲とが同時に出力される状況になったときは、予告音の方が大当り中楽曲よりも優先順位が高いため優先して出力される。即ち、大当り中楽曲の音量を徐々に小さくしあるいは消去し、予告音の音量を大きくして音声出力する。このような音声制御(音量の制御)は、上述したように、演出制御用CPU120が音声制御基板13に設けられた音声合成用ICにコマンドデータを出力することにより実現される。具体的には、音声合成用ICが演出制御用CPU120からのコマンドデータに応じた制御データを声制御基板13に設けられた音声データROMから読み出し、読み出した制御データに従って所定のレジスタにデータを設定して、所定の音声制御を実行する。
演出制御用CPU120と音声合成用ICとの間におけるコマンド送受によって、大当り中楽曲が継続して再生されているときに、所定条件が成立した場合に、当該大当り楽曲のボリュームを所定期間低下させ、所定期間経過後に該ボリュームを回復させるという音量調整処理を行うことができる。本実施形態における所定条件とは、リーチ演出の実行である。リーチ演出期間中は大当り中楽曲のボリュームを低下させ、リーチ演出終了後にボリュームを回復させる。大当り中楽曲と予告音を同時に出力するときに、大当り中楽曲よりも予告音を優先して出力するように構成することにより、大当り中楽曲再生中に予告音を出力するときに予告音が聞き取りにくくなることがなくなり、遊技者に容易に予告の発生を認識させることができる。
楽曲継続フラグがオフである場合や(ステップS455;No)、ステップS456の処理を実行した後は、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS457)。例えばステップS457の処理では、特図変動時演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データに応じて、所定の演出態様によるリーチ演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、もしくは演出用模型を動作させること、または、これらの一部もしくは全部を組み合わせることで、所定の演出装置にてリーチ演出を実行できればよい。
ステップS454にてリーチ演出実行期間ではないときや(ステップS454;No)、ステップS457の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS458)、可変表示中演出処理の実行を終了する。
ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS459)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS459;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS459にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS459;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS460)。そして、楽曲継続フラグがオンであるかオフであるかを判定し(ステップS461)、オンである場合には、大当り中に出力されていた楽曲であってステップS456の処理でボリュームをオフにした楽曲のボリュームをオンにする(ステップS462)。これにより、ステップS456の処理でボリュームをオフにした楽曲を、リーチ演出期間の終了後に再度出力することができる。
ステップS461の処理にて楽曲継続フラグがオフであると判定した場合や(ステップS461;No)、ステップS462の処理を実行した後には、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS463)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS464)、可変表示中演出処理の実行を終了する。
図17は、大当り開始時演出処理として、図13のステップS176にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す大当り開始時演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、操作有効期間であるか否かを判定する(ステップS540)。操作有効期間については後述する。
ステップS540にて操作有効期間でないと判定されたときには(ステップS540;No)、演出制御フラグ設定部191などに設けられた楽曲継続フラグをリセットする(ステップS541)。これにより、確変状態中に継続して出力されていた楽曲の出力が停止される設定がなされることとなる。換言すると、確変状態中では、次回の大当り遊技状態が開始されるまでの間、大当り中に出力されていた楽曲が継続して出力される。その後、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられる操作検出情報バッファの初期設定を行う(ステップS542)。操作検出情報バッファとして、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった所定の操作手段に対する遊技者による所定の操作が有効に検出された場合に、その検出結果を特定可能な操作検出情報が各操作の検出順序に従って記憶されるように、格納領域が確保されればよい。演出制御用CPU120は、遊技者による所定の操作が検出された操作手段を特定可能な「操作対象」や、操作手段に対する操作の内容を特定可能な「操作内容」、その操作が検出された回数を特定可能な「操作回数」といった各種データを、それぞれの操作が検出された順番を示す「操作番号」と対応付けて、操作検出情報バッファに記憶させる。
ステップS542の処理に続いて、予め定められた操作有効期間を開始するための設定を行う(ステップS544)。この実施の形態では、遊技者によるスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する所定の操作(例えば操作桿の傾倒操作やトリガボタンの押引操作、プッシュボタン31Bの押下操作など)が有効に検出される、予め定められた一定期間(具体例として7秒間)が、操作有効期間として設定されればよい。
ステップS540にて操作有効期間ではあると判定されたとき(ステップS540;Yes)や、ステップS543の処理により操作有効期間の開始設定が行われた後には、操作有効期間中処理を実行する(ステップS545)。その後、操作有効期間が終了するか否かを判定する(ステップS546)。このとき、操作有効期間が終了しない場合には(ステップS546;No)、大当り開始時演出処理の実行を終了する。
ステップS544にて操作有効期間ではないと判定されたときや(ステップS544;No)、ステップS546にて操作有効期間が終了すると判定されたときには(ステップS546;Yes)、操作結果判定処理を実行する(ステップS547)。そして、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS548)、大当り開始時演出処理の実行を終了する。
図19は、図17のステップ545にて実行される操作有効期間中処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す操作有効期間中処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えばプッシュボタン31Bに対する押下操作といった、遊技者による所定の操作が検出される操作検出ありか否かを判定する(ステップS601)。このとき、操作検出なしと判定された場合には(ステップS601;No)、操作有効期間中処理の実行を終了する。一方、操作検出ありと判定された場合には(ステップS601;Yes)、その操作が継続して検出されることによる継続操作であるか否かを判定する(ステップS602)。例えば演出制御用CPU120は、操作有効期間中処理を前回実行したときと同一の操作が検出された場合に、継続操作であると判定すればよい。
ステップS602にて継続操作であると判定された場合には(ステップS602;Yes)、操作有効期間中処理の実行を終了する。この実施の形態では、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった操作手段に対して所定の操作が行われた回数(操作回数)を示す操作検出情報を記憶させることから、一の操作手段を操作し続ける継続操作によって操作回数が不適切に更新されてしまうことを防止する。なお、継続操作が行われる場合には、その操作が継続して行われる時間を計測して、計測された操作時間を示すデータが操作検出情報バッファに記憶されるようにしてもよい。ステップS602にて継続操作ではないと判定された場合には(ステップS602;No)、操作検出情報バッファをチェックして(ステップS603)、前回と同一の操作内容であるか否かを判定する(ステップS604)。例えば演出制御用CPU120は、図18に示すような操作検出情報バッファにて有効な操作検出情報が格納されている「操作番号」が最も大きいレコードデータから、「操作内容」のフィールドデータで示される操作内容を特定する。こうして特定された操作内容を、ステップS601の処理で検出された操作の内容と比較することにより、前回と同一の操作内容であるか否かを判定すればよい。なお、ステップS604の処理では、操作検出情報バッファにて有効な操作検出情報が格納されている「操作番号」が最も大きいレコードデータから、「操作対象」のフィールドデータで示される操作対象(操作手段)を特定し、ステップS601の処理で検出された操作の対象と比較することにより、操作対象が異なるときには、操作内容も異なると判定すればよい。すなわち、ステップS604の処理では、今回の操作対象と操作内容がいずれも前回と同一である場合に、同一の操作内容であると判定する一方、操作対象と操作内容の少なくともいずれか一方が異なる場合に、同一の操作内容ではないと判定すればよい。
ステップS604にて同一の操作内容であると判定されたときには(ステップS604;Yes)、操作回数を1加算してから(ステップS605)、操作有効期間中処理の実行を終了する。例えば演出制御用CPU120は、ステップS605の処理として、操作検出情報バッファにて有効な操作検出情報が格納されている「操作番号」が最も大きいレコードデータのうち、「操作回数」のフィールドデータで示される操作回数を、1加算するように更新すればよい。ステップS604の処理は、ステップS602の処理により継続操作ではないと判定されたときに実行される。したがって、ステップS604の処理にて同一の操作内容であると判定されたときには、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった複数の操作手段のうち、一の操作手段が同一の操作態様で繰返し(間欠的に)操作されたことになる。ステップS605の処理では、操作検出情報バッファにて新たなレコードデータを追加することなく、「操作回数」のフィールドデータを更新することにより、操作検出情報のデータ量が増大することを防止しつつ、複数の操作手段に対する様々な操作内容を記憶させることができる。
ステップS604にて同一の操作内容ではないと判定されたときには(ステップS604;No)、新たな操作番号に操作検出情報をセットしてから(ステップS606)、操作有効期間中処理の実行を終了する。例えば演出制御用CPU120は、ステップS606の処理として、操作検出情報バッファに新たな操作検出情報を記憶させるためのレコードデータを追加し、ステップS601の処理による検出結果に基づいて、「操作対象」や「操作内容」のフィールドデータを設定すればよい。また、「操作回数」のフィールドデータとして、初回操作に対応した「1」を設定すればよい。一例として、プッシュボタン31Bに対する押下操作が3回繰返し行われたときには、図18に示すように、「操作番号」が「1」のレコードデータとして、「操作対象」が「プッシュボタン」で「操作内容」が「押下」であり、「操作回数」が「3」を示すデータが記憶される。その後、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する左方向への傾倒操作が1回行われたときには、「操作番号」が「2」のレコードデータとして、「操作対象」が「操作桿(スティックコントローラ)」で「操作内容」が「左」であり、「操作回数」が「1」を示すデータが新たにセットされる。こうして操作検出情報バッファにデータがセットされることにより、複数の操作手段に対する様々な操作内容を記憶させることができる。
図17に示す大当り開始時処理では、ステップS543の処理により操作有効期間を開始させる設定を行ったときや、ステップS544の処理にて操作有効期間であると判定されたときに、ステップS545の操作有効期間中処理が実行されることで、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった操作手段に対する所定の操作が有効に検出される。一方、ステップS544の処理にて操作有効期間ではないと判定されたときや、ステップS546の処理にて操作有効期間を終了すると判定されたときには、ステップS548の処理により演出プロセスフラグの値が“7”に更新される。その後、次回のタイマ割込みが発生したときには、図13に示すステップS177の大当り中演出処理が実行されることから、ステップS545の操作有効期間中処理は実行されない。こうして、図17に示すステップS543の処理により設定された操作有効期間が終了した後には、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった操作手段に対して所定の操作がなされても操作検出情報が更新されないように制限する。
なお、操作有効期間ではないときには、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった操作手段もしくは図2に示すコントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bといった操作検出手段、または、これらの操作手段や操作検出手段の双方に対する電力供給を停止して、操作手段に対する所定の操作が検出されないようにしてもよい。あるいは、操作手段や操作検出手段に対する電力供給は継続させるものの、操作手段に対する操作の検出を操作検出手段にて無効としてもよい。あるいは、操作手段に対する操作が検出されたことを示す検出信号を、図2に示すコントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bといった操作検出手段から演出制御基板12へと伝送させた後、演出制御用CPU120にて受信した検出信号を破棄することなどにより、操作手段に対する操作を有効に認識しないようにしてもよい。
図20は、図17のステップS547にて実行される操作結果判定処理の一例を示すフローチャートである。この操作結果判定処理では、予め用意された複数の操作判定パターンの一部または全部を用いて、操作有効期間にて検出された操作の内容が、いずれかの操作判定パターンに合致するか否かを判定する。そして、いずれかの操作判定パターンに合致すると判定された場合には、その操作判定パターンに対応して予め定められた特典を、遊技者に対して付与するための設定が行われる。
図21(A1)、(A2)は、この実施の形態で用いられる複数の操作判定パターンの設定例を示している。この実施の形態では、第1及び第2操作判定パターンが予め用意されている。例えばROM121の所定領域には、第1、第2操作判定パターンを示すパターンデータが予め記憶されていればよい。図21(A1)、(A2)に示す第1、第2操作判定パターンはいずれも、「操作番号」が「1」に対応して、「操作対象」が「プッシュボタン」で「操作内容」が「押下」となっている。すなわち、この実施の形態では、操作有効期間にて、プッシュボタン31Bに対する押下操作が検出されたことに基づいて、遊技者に対して所定の特典が付与される。一方、図21(A1)、(A2)に示す第1、第2操作判定パターンでは、「操作回数」の設定が異なっている。図21(A1)に示す第1操作判定パターンは、図17に示す大当り開始時処理におけるステップS547において使用される操作判定パターンであり、図21(A2)に示す第2操作判定パターンは、後述する大当り中演出処理におけるステップS653の処理において使用される操作判定パターンである。図21(A1)、(A2)に示す第1、第2操作判定パターンの内容は遊技者に報知されない、いわゆる隠しコマンドである。なお、第1、第2操作判定パターンの内容は遊技者に報知されてもよい。
図20に示す操作結果判定処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値が「6」であるか否かを判定する(ステップS621)。ステップS621にて演出プロセスフラグの値が「6」であると判定されたときには(ステップS621;Yes)、使用パターンを選択するために用いられる変数Nの値を「1」にセットする(ステップS622)。一方、ステップS621にて「6」ではないと判定されたときには(ステップS621;No)、変数Nの値を「2」にセットする(ステップS623)。
ステップS622、S623の処理のいずれかを実行した後には、第1、第2操作判定パターンのうちで、変数Nの値に対応して特定される第N操作判定パターンを選択して、使用パターンにセットする(ステップS624)。そして、操作検出情報バッファに記憶されている操作検出情報との比較を行う(ステップS625)。例えば演出制御用CPU120は、操作検出情報バッファにて「操作番号」が「1」のレコードデータを読み出し、「操作対象」や「操作内容」、「操作回数」のフィールドデータについて、ステップS624の処理でセットした操作判定パターンと比較する。
ステップS625の処理による比較結果に基づいて、操作有効期間にて検出された操作が操作判定パターンを充足するか否かを判定する(ステップS626)。例えば演出制御用CPU120は、操作判定パターンと操作検出情報とが、「操作対象」や「操作内容」において一致すること、および、操作検出情報の「操作回数」が操作判定パターンの「操作回数」以上であることを条件に、検出された操作が操作判定パターンを充足するか否かを判定すればよい。具体的な一例として、ステップS624の処理にて図21(A1)に示す第1操作判定パターンが使用パターンにセットされた場合には、操作有効期間にて検出されたプッシュボタン31Bに対する押下操作回数(連打回数)が「12」以上であるときに、操作判定パターンを充足すると判定される。一方、プッシュボタン31Bに対する押下操作回数(連打回数)が「12」未満であるときや、プッシュボタン31Bとは異なる操作手段(スティックコントローラ31Aの操作桿など)に対する所定の操作(傾倒操作など)が検出されたときには、第1操作判定パターンを充足しないと判定される。ステップS626の処理にて充足すると判定された操作判定パターンは、「充足パターン」ともいう。なお、操作有効期間にて検出されたプッシュボタン31Bに対する押下操作回数(連打回数)が「12」であるときにのみ、操作判定パターンを充足すると判定するようにしてもよい。
ステップS625の処理では、ステップS624の処理でセットされた操作判定パターンとの比較に必要な操作検出情報だけを、操作検出情報バッファから読み出して比較すればよい。例えば図21(A1)、(A2)に示すような第1、第2操作判定パターンを使用する場合には、操作検出情報バッファにて「操作番号」が「1」であるレコードデータだけを読み出して、それぞれの操作判定パターンと比較すればよい。したがって、操作検出情報バッファにて「操作番号」が「2」以上のレコードデータとして、有効な操作の検出結果を示すデータが記憶されている場合でも、ステップS626の処理にて操作判定パターンを充足するとの判定が可能になる。
なお、複数の操作判定パターンのうち一部または全部の操作判定パターンとして、「操作番号」が「2」以上の場合にも対応したレコードデータを含むものが用意されてもよい。図19に示すステップS604の処理では、今回の操作対象と操作内容がいずれも前回と同一である場合に、同一の操作内容であると判定する一方、操作対象と操作内容の少なくともいずれか一方が異なる場合に、同一の操作内容ではないと判定する。そして、同一の操作内容ではないと判定されたときには、ステップS606の処理により新たな操作番号に操作検出情報がセットされる。したがって、「操作番号」が「2」以上の場合にも対応した操作判定パターンを用いることにより、複数の操作手段に対する操作を組み合わせた操作や、同一の操作手段でも異なる操作内容を組み合わせた操作といった、複数の操作手段または単一の操作手段に対する様々な操作内容を検出することが可能になる。
ステップS626にて操作判定パターンを充足すると判定されたときには(ステップS626;Yes)、充足パターンに応じて遊技者に異なる特典を付与するための設定を行ってから(ステップS628)、操作結果判定処理の実行を終了する。この実施の形態では、図21(B)に示すように、第1充足パターンの場合には、ステップS628の処理にて選択楽曲が追加される設定を行う。これにより、後述する大当り中演出処理にて、図24(c)に示すように、図24(b)と比較して選択楽曲が追加されて表示されることとなる。一方、第2充足パターンの場合には、ステップS628の処理にて、楽曲継続フラグがオンにセットされる。これにより、図13に示すステップS169の処理により、大当り終了後の可変表示においても、図24(e)〜(g)に示すように、図24(h)〜(j)とは異なり大当り中に出力された楽曲が継続して出力されることとなる。
一方、ステップS626にて操作判定パターンを充足しないと判定されたときには(ステップS626;No)、操作結果判定処理の実行を終了する。
図22は、図13のステップS177にて実行される大当り中演出処理の一例を示すフローチャートである。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS641)。このとき、当り終了指定コマンドの受信があれば(ステップS641;Yes)、大当り遊技状態に対応して行われる大当り中演出等を終了するための設定を行い(ステップS642)、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した“8”に更新してから(ステップS643)、大当り中演出処理を終了する。一例として、ステップS642の処理では、表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することや、所定の効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、所定の電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、大当り中演出となる演出動作を終了させる制御が行われるようにすればよい。
ステップS641にて当り終了指定コマンドの受信がない場合には(ステップS641;No)、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数であるラウンド数が、最終ラウンドである「15」であるか否かを判定する(ステップS644)。一例として、ステップS607の処理では、主基板11から伝送された大入賞口開放中指定コマンドなどから、大当り遊技状態におけるラウンド数を特定すればよい。
ステップS644にてラウンド数が「15」でないときには(ステップS644;No)、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数であるラウンド数が「1」であるか否かを判定する(ステップS645)。ステップS645にてラウンド数が「1」であるときには(ステップS645;Yes)、ラウンド数が「1」である場合に対応した大当り中演出となる演出動作を実行するための設定を行う(ステップS646)。一例として、ステップS646の処理では、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、表示制御指令を表示制御部123に供給すること、効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、スーパーリーチとなるリーチ演出を終了して大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示させてから、図24(b)または(c)に示すように大当り中に出力する楽曲の選択画面を表示させる設定や、遊技者によるジョグダイアルの回転操作を受け付ける設定を行い、大当り中演出となる演出動作を実行させる。こうしたステップS646の処理を実行した後に、大当り中演出処理を終了する。ここで、大当り中に出力する楽曲の選択画面は、図17に示す大当り開始時処理におけるステップS547の処理において特典が付与された場合には、図24(c)に示すように、図24(b)と比較して選択可能な楽曲が追加され(例えば楽曲D)、特典が付与されていない場合には、図24(b)に示すような選択画面となる。これらの設定は、上述したように、図20に示すステップS628の処理にて行われる。
図23は、図22の大当り中演出処理におけるステップS646の処理内にて行われる楽曲選択処理の一例を示すフローチャートである。楽曲選択処理では、まず、遊技者による選択操作の受け付ける期間を示す選択操作期間を設定することにより、遊技者による選択操作の受付を開始する(ステップS671)。続いて選択操作期間が終了したか否かを判定する(ステップS672)。ステップS672にて選択操作期間中であると判定した場合(ステップS672;No)、操作促進演出制御処理を実行し(ステップS672A)、図24(a)または(b)に示すような画面を表示して遊技者に操作を促し、楽曲選択処理を終了する。一方、選択操作期間が終了したと判定した場合(ステップS672;Yes)、選択操作期間中に遊技者によるジョグダイヤルの回転操作を検出したか否かを判定する(ステップS673)。操作の検出は、例えば、遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号がプッシュセンサ35Bから伝送されたことに基づいて、操作内容を示す情報が操作検出情報バッファに記憶されているため、操作検出情報バッファを読み込むことにより判定すればよい。なお、ステップS672Aの処理を実行した後には、遊技者による選択操作に同期して、画面上にて一の楽曲を指し示すカーソルを表示するカーソル表示制御処理が行われる。また、遊技者による操作は、ジョグダイヤルの回転操作の他、スティックコントローラ31Aの傾倒操作であってもよい。さらに、ステップS672における選択操作期間の終了を判定した後に、遊技者による操作が行われたか否かを判定する例を示したが、例えば、ステップS671の処理にて選択操作の受付が開始された後、ステップS672Aの処理の実行後に遊技者による操作が行われたことを検知した時点で、選択された楽曲を指定するようにしてもよい。
ステップS673にてジョグダイヤルの回転操作を検出したと判定した場合(ステップS673;Yes)、当該回転操作により選択された楽曲を大当り中に出力する楽曲として指定する(ステップS674)。一方、ステップS673にてジョグダイヤルの回転操作を検出しなかったと判定した場合(ステップS673;No)、任意の楽曲(例えば、楽曲Aなど)を大当り中に出力する楽曲として指定する(ステップS675)。ステップS674またはステップS675の処理を実行した後、当該楽曲選択処理を終了する。例えば、図24に示す例では、図24(b)にて選択可能に表示された楽曲A〜Cのうち、図23のステップS673にて回転操作を検出し、ステップS674の処理にて楽曲Cが指定された例を示している。
図22に戻り、ステップS644にてラウンド数が「15」であると判定した場合(ステップS644;Yes)、例えば、主基板11から伝送された演出制御コマンドに基づいて演出期間の開始タイミングか否かを判定する(ステップS647)。ステップS647にて演出期間の開始タイミングであると判定された場合(ステップS647;Yes)、例えば図17に示す大当り開始時処理におけるステップS542の処理と同様にして、RAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられる操作検出情報バッファの初期設定を行い(ステップS648)、予め定められた操作有効期間を開始するための設定を行う(ステップS649)。
図22に戻り、ステップS647にて演出期間開始タイミングでないと判定された場合(ステップS647;No)、操作有効期間であるか否かを判定する(ステップS650)。ステップS650にて操作有効期間であると判定された場合や(ステップS650;Yes)、ステップS649の処理を実行した後、図19に示す操作有効期間中処理を実行する(ステップS651)。その後、操作効期間が終了するか否かを判定する(ステップS652)。ステップS652にて操作有効期間が終了すると判定されたときには(ステップS652;Yes)、図20に示す操作結果判定処理を実行する(ステップS653)。なお、最終ラウンドであるラウンド数が「15」の大当り演出中は、当該演出期間を操作有効期間としてもよい。
ステップS653における操作結果判定処理では、図17に示す大当り開始時処理におけるステップS547の場合と異なり、ステップS621の処理にて演出プロセスフラグの値が「6」でないため(ステップS621;No)、変数Nの値に「2」がセットされることとなる(ステップS623)。そして図21(A2)に示す第2操作判定パターンがセットされ(ステップS624)、操作判定パターンを充足した場合には(ステップS626;Yes)、図21(B)に示す第2充足パターンとして楽曲継続フラグがオンにセットされる(ステップS628)。一方、操作判定パターンを充足しない場合には(ステップS626;No)、楽曲継続フラグはオンにセットされない。これによれば、図24に示すように、図24(e)に示すように操作判定パターンを充足した場合には、楽曲継続フラグがオンにセットされ、図24(f)、(g)のように最終ラウンドが終了した後も、図23のステップS674で指定された楽曲Cが継続して出力されることとなる。一方、図24(h)に示すように操作判定パターンを充足しない場合には、楽曲継続フラグはセットされず、図24(i)、(j)のように最終ラウンドが終了した後には楽曲Cは出力されないこととなる。この実施形態では、最終ラウンドであるラウンド数が「15」の大当り演出中に楽曲を継続させるための遊技者による操作を受け付ける。したがって、大当り遊技状態に制御され、楽曲が選択されてから最終ラウンドの大当り中演出が実行されるまでの間、遊技者は選択した楽曲を聴くことができるため、遊技者にとって好みの楽曲か否かを判断する期間を確保することができるとともに、当該判断に基づいて楽曲を継続させるか否かを選択することができる。なお、楽曲を継続させるための遊技者による操作は、「1」〜「15」のいずれのラウンドに受け付けてもよく、複数のラウンドに亘ってもよい。
ステップS645にてラウンド数「1」でないと判定した場合や(ステップS645;No)、ステップS650にて操作有効期間でないと判定した場合や(ステップS650;No)、ステップS652にて操作有効期間が終了していないと判定した場合や(ステップS652;No)、ステップS653の処理を実行した後は、ラウンド数に応じた大当り中有演出の実行設定を行い(ステップS654)、大当り中演出処理を終了する。ステップS654の処理では、例えば、主基板11から伝送された大入賞口開放中指定コマンドなどから、大当り遊技状態におけるラウンド数を特定する。そして、ラウンド数が更新されたときには、更新後のラウンド数に対応する演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、表示制御指令を表示制御部123に供給すること、効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、大当り中演出となる演出動作を実行させる。
このような構成によれば、最終ラウンドである15Rにおける演出が実行されている際に設定された期間内に所定の操作が実行されることにより、大当り遊技状態の終了後も、大当り遊技状態中に出力されていた楽曲が継続して出力されることとなる。したがって、楽曲を継続されるか否かが遊技者の操作により決定されるため、遊技興趣を向上させることができる。
また、大当り遊技状態中に出力される楽曲を継続させるために必要な操作は遊技者に報知されないため、偶然に所定の操作を行った遊技者に対して意外性を与えることができる。
さらに、特殊制御が行われている遊技状態では、ハズレ変動パターン決定テーブルBが選択されるため、大当り遊技状態が終了した後の特殊制御が行われる期間における平均的な可変表示時間が長くなる。したがって、継続して出力される楽曲の出力期間が短くなることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。
また、上記の構成によれば、大当り遊技状態に制御され、遊技者の操作により楽曲が選択される前に、第1充足パターンを充足する操作が行われた場合には、選択対象となる楽曲の数が増加する。したがって、遊技興趣を向上させることができる。
さらに、上記の構成によれば、大当り遊技状態が終了し、楽曲が継続して出力されている場合においてリーチ状態となった場合には、継続して出力されている楽曲のボリュームがオフとなり、リーチ状態の終了後に再びオンとなる。したがって、リーチ状態となって楽曲の音量を下げた場合であっても、再び音量が回復されるので遊技者に楽曲を続きから聞かせることができる。
(変形例)
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
(1)上記実施形態では、大当り遊技状態終了後に継続させる演出(継続演出)として、大当り遊技状態中に出力された楽曲を継続して出力する例を示したが、これは一例である。継続演出は、例えば、遊技効果ランプ9による発光演出や楽曲と発光演出との組合せであってもよい。
(2)上記実施形態では、大当り遊技状態の終了後の確変状態、時短状態のいずれの遊技状態においても、すなわち、高確であるか低確であるかに関わらず、大当り遊技状態後の高ベース状態において、30回の可変表示期間中は特殊制御が行われる例を示したが、これは一例である。例えば、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態に制御される場合にのみ、すなわち、確変状態となる場合にのみ、特殊制御が行われるようにしてもよい。これによれば、低確高ベース状態である時短状態の場合には、平均的な可変表示時間が通常状態より長くなくても、早期に大当り遊技状態となる可能性が確変状態と比較して低いため、出力される楽曲の継続時間が短くなることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。また、大当り遊技状態の終了後には、高ベース状態に制御される例を示したが、大当り遊技状態の終了後の特殊制御が行われる期間は、低ベース状態に制御するようにしてもよい。特殊制御が行われている期間は平均的な可変表示時間が通常状態よりも長くなるため、高ベース状態に制御されると、可変表示時間に対する始動入賞口への入賞数の割合が増加する。そのため、保留記憶数が所定の上限値となることにより遊技者が遊技球の発射を中止してしまうおそれがある。そのため、大当り遊技状態の終了後の特殊制御が行われる期間は、低ベース状態に制御するようにすることで、遊技球の発射を中止してしまうことを防止することができる。
(3)また、上記実施形態では、図8に示す変動パターン設定処理において、変動回数カウンタ値が「0」である場合には、ハズレ変動パターン決定テーブルAを選択し、「0」以外である場合にはハズレ変動パターン決定テーブルBを選択する例を示したが、これは一例である。選択するテーブルは、例えば、変動回数カウンタ値が「0」である場合には、ハズレ変動パターン決定テーブルAとBのうち、Aが選択される割合が高く、変動回数カウンタ値が「0」以外である場合にはハズレ変動パターン決定テーブルBが選択される割合が高くなるようにしてもよい。
(4)また、上記実施形態では、図21(A1)に示すように、1つの操作判定パターンが予め用意され、この操作判定パターンに合致した操作が行われた場合には、選択可能な楽曲が1曲追加される例を示したが、これは一例である。例えば、操作回数に応じて異なる操作判定パターンを複数設定しておき、操作回数に応じて追加される楽曲の曲数が変更されるようにしてもよい。この場合には、操作有効期間にてプッシュボタン31Bに対する押下操作が検出された場合には、予め設定されている操作判定パターンのうち、押下操作回数が最も多い操作判定パターンから順に操作判定パターンを充足するか否かを判定すればよい。なお、操作判定パターンに合致した操作が行われた場合には、操作判定パターンを充足したことを遊技者に認識可能に報知するようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御された場合には、時短状態が終了する際に継続して出力されている楽曲の出力を停止し、確変状態に制御された場合には、次に大当り遊技状態に制御されるまで、継続して出力されている楽曲を継続して出力する例を示したが、これは一例である。継続して出力される楽曲は、例えば、時短状態であるか確変状態であるかに関わらず、次に大当り遊技状態に制御されるまで継続して出力されるようにしてもよい。また、予め定められた回数の可変表示が実行されることに基づいて継続して出力されている楽曲を停止してもよいし、大当り遊技状態中に途中であった楽曲が終了するまで継続し、終了した時点で停止するようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、図22における大当り中演出処理にて、ラウンド数が「15」であると判定されたときに、大当り種別に関わらず操作有効期間を設ける例を示したが、これは一例である。例えば、ステップS644の処理にてラウンド数が「15」であると判定された場合、大当り種別が「確変」であったか「非確変」であったかに応じて異なる割合で操作有効期間を設けるか否かを決定するようにしてもよい。これによれば、例えば、楽曲が継続して出力されたときには、継続して出力されていない場合よりも確変制御が行われる可能性を高くすることができ、遊技者の期待度を高めることができる。なお、大当り種別が「確変」であった場合にのみ操作有効期間を設け、楽曲を継続して出力させ得るようにしてもよい。さらに、操作有効期間を設けなくとも、例えば、大当り遊技状態となった回数をカウントし、カウント値が「5」となった場合に、大当り遊技状態の終了後においても楽曲を継続して出力するようにしてもよい。これによれば、隠しコマンドの内容を知らない遊技者に対しても楽曲を継続して出力することができ、遊技興趣を向上させることができる。
(7)上記実施形態では、リーチ演出の実行期間中は楽曲のボリュームをオフにする例を示したが、これは一例である。例えば、楽曲のボリュームをオフにすることに代えて、楽曲の再生を一時停止するようにしてもよい。また、デモ画面の表示が開始されたときには楽曲のボリュームをオフにしてもよいし、楽曲の再生を一時停止させてもよい。さらに、遊技者の操作により楽曲の停止と再生を選択できるようにしてもよい。
(8)その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン、可変入賞装置に設けられた複数の領域のうちの特定領域を遊技媒体が通過した場合に特定遊技状態に制御する遊技機にも適用することができる。
(9)本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
(10)そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。